JP6150748B2 - 芯鞘構造紡績糸及びこれを含む織編物並びに肌着 - Google Patents

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本発明は、保温性の高い芯鞘構造紡績糸及びこれを含む織編物並びに肌着に関する。
肌着などの衣類は保温性の高い繊維素材が求められている。保温性を高めるには、基本的には対流を起こさない程度の小さな空間に空気層を作ることである。寒い時期に着るダウンジャケットや羽毛布団が暖かいのは、この基本原理に沿った小さな空間の空気層をたくさん含むからと言われている。本出願人らは、特許文献1において2層構造撚糸の芯部に溶解性繊維と収縮性繊維を混紡して入れておき、湿熱処理して溶解性繊維を溶解除去し、芯部に中空部を形成することを提案した。特許文献2〜3には繊維表面に発泡樹脂被膜又は中空微粒子を含む樹脂被膜を形成することが提案されている。
特開2002−138336号公報 特開2008−240207号公報 特開2008−202187号公報
しかし、従来技術は保温性がいまだに不足でありさらに高い保温性が求められている。加えて従来技術は家庭洗濯を繰り返すと保温性が低下する問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、保温性が高く、家庭洗濯を繰り返しても保温性は低下しない芯鞘構造紡績糸及びこれを含む織編物並びに肌着を提供する。
本発明の芯鞘構造紡績糸は、芯成分と鞘成分を含む芯鞘構造紡績糸であって、前記芯成分は溶解性繊維と収縮性繊維を含む混紡繊維であり、前記鞘成分は溶解性繊維と非溶解性繊維を含む混紡繊維であり、前記芯成分を100質量%としたとき、前記溶解性繊維の混率は30〜70質量%であり、前記鞘成分を100質量%としたとき、前記溶解性繊維の混率は5〜20質量%であることを特徴とする。
本発明の織編物は、前記の芯鞘構造紡績糸を含む織編物であって、前記芯鞘構造紡績糸の芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去され空隙部分が形成され、前記芯成分の収縮性繊維の収縮により、前記溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等もしくは大きいことを特徴とする。
本発明の肌着は、前記の芯鞘構造紡績糸を含む肌着であって、前記芯鞘構造紡績糸の芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去され空隙部分が形成され、前記芯成分の収縮性繊維の収縮により、前記溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等もしくは大きいことを特徴とする。
本発明は、芯成分は溶解性繊維と収縮性繊維を含む混紡繊維であり、鞘成分は溶解性繊維とセルロース繊維を含む混紡繊維であり、芯鞘構造紡績糸の芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去されて空隙部分が形成される。溶解性繊維の溶解除去とともに芯成分の収縮性繊維は収縮する。このとき前記空隙部分が多く存在するため収縮性繊維の収縮の動きを拘束せず、自由度が高くなる。そうすると、溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等もしくは大きくなり、紡績糸全体にさらに空隙部分が多く存在するようになる。そして、前記空隙部分は収縮した繊維により維持される。この結果、全体として空気を多く含むことになり、保温効果が相乗的に向上する。加えて、家庭洗濯を繰り返しても糸の直径はあまり変化せず、保温性も高く維持される。
図1Aは本発明の一実施形態の溶解前の芯鞘構造紡績糸の模式的断面図、図1Bは同、溶解後の芯鞘構造紡績糸の模式的断面図である。 図2は同、溶解前の芯鞘構造紡績糸の断面写真(左側)、及び溶解後の芯鞘構造紡績糸の断面写真(右側)である。 図3は本発明の一実施形態の芯鞘構造紡績糸の製造装置を示す模式的説明図である。 図4は本発明の別の実施形態の芯鞘構造紡績糸の製造装置を示す模式的説明図である。
本発明は、芯成分と鞘成分に溶解性繊維を含み、芯成分に収縮性繊維を含む点に特徴がある。このようにすると、溶解性繊維の溶解除去とともに芯成分の収縮性繊維は収縮し、このとき前記空隙部分が多く存在するため収縮性繊維の収縮の動きを拘束せず、自由度が高くなり、溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等もしくは大きくなる。
溶解性繊維としては、例えば、水溶性ポリビニルアルコ−ル系繊維や易アルカリ溶解性ポリエステル系繊維等が挙げられ、該溶解性繊維は熱湯、水又はアルカリにより芯層から溶解除去することができる。特に水溶性ポリビニルアルコ−ル系繊維が好ましい。収縮性繊維としては、たとえば熱収縮率が10〜40%の非溶解性繊維が例示される。鞘成分には、上記溶解性繊維と非溶解性繊維との混紡繊維を用いる。非溶解性繊維としては、通常セルロース繊維やアクリル繊維が用いられるが、好ましくはセルロース繊維である。セルロース繊維は肌にやさしく保温性もあり、肌着に好適となる。
本発明は芯成分と鞘成分を主成分として含む芯鞘構造紡績糸である。ここで主成分とは、紡績糸100質量%としたとき、芯成分と鞘成分合計で50質量%以上をいう。芯成分は溶解性繊維と収縮性繊維を主成分として含む混紡繊維である。同様に主成分とは、芯成分100質量%としたとき、溶解性繊維と収縮性繊維合計で50質量%以上をいう。鞘成分は溶解性繊維と非溶解性繊維を主成分として含む混紡繊維である。同様に主成分とは、鞘成分100質量%としたとき、溶解性繊維と非溶解性繊維合計で50質量%以上をいう。
本発明の紡績糸は、芯成分を100質量%としたとき、溶解性繊維の混率は30〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは40〜60質量%である。また鞘成分は、鞘成分を100質量%としたとき、溶解性繊維の混率は5〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜15質量%である。前記の範囲であれば、溶解性繊維を溶解除去することにより、空隙部分を十分に取ることができる。また、芯成分を100質量%としたとき、収縮性繊維の混率は20〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは30〜60質量%である。前記の範囲であれば、溶解性繊維を溶解除去することにより、収縮性繊維が収縮し、溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が大きくなる。
多層構造紡績糸を100質量%としたとき、芯成分は10〜50質量%であり、鞘成分は50〜90質量%であるのが好ましく、さらに好ましくは芯成分15〜30質量%であり、鞘成分70〜85質量%である。前記の範囲であれば、糸内の空隙をバランスよく形成できる。
鞘成分には、さらにアクリル系繊維、ポリエステル繊維及びナイロン繊維から選ばれる少なくとも一つの合成繊維を含んでも良い。これらの繊維は混紡により混合できる。アクリル系繊維を含む場合は温かさをさらに付与でき、ポリエステル繊維を含む場合は乾きやすさを付与でき、ナイロン繊維を含む場合は柔軟性を付与できる。
鞘成分のセルロース繊維はレーヨン繊維又はコットンが好ましく、さらに好ましくはレーヨン繊維である。これらの繊維は肌にやさしく保温性もあり、肌着に好適である。
本発明の芯鞘構造紡績糸は、芯鞘成分を別々に供給して混打綿工程、梳綿工程を通過させ、練条工程において所定の芯鞘比率となるように芯成分を中央、鞘成分をその両側に配し(練条配列)、その後に粗紡工程でドラフトし、得られた粗糸を紡出して精紡することにより得ることができる。また、芯鞘成分を別々に供給してそれぞれスライバ−となし、所望の芯・鞘比率に合わせて紡出量目を設定した後、芯成分を中央、鞘成分をその周囲に配した後に供給して(又は芯成分の粗糸と鞘成分の粗糸を1本ずつ供給して)精紡することによっても製造することができる。芯成分の粗糸と鞘成分の粗糸を1本ずつ供給してリング精紡機で精紡する方法は、精紡交撚と言われている。
本発明の芯鞘構造紡績糸の繊度は、英式番手で3〜150番が好ましい。単糸で使用することもできるし、双糸以上の複数本で使用することもできる。編物は本発明の芯鞘構造紡績糸の単糸使いとするか、前記単糸と弾性糸を含む糸を引き揃えた糸使いが好ましい。弾性糸は例えばポリウレタン糸、又はポリウレタン糸にナイロンフィラメント糸を巻き付けたツイステッドヤーンがある。
本発明の織編物及び肌着は、芯鞘構造紡績糸の芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去され空隙部分が形成され、芯成分の収縮性繊維の収縮により、前記溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等もしくは大きくなる。溶解性繊維の溶解除去は、湿熱が好ましく、例えば80〜130℃のスチーム下で1〜10分間処理する。加熱水でもよく、染色液と浸漬又は接触させる処理でもよい。加熱水処理又はスチーム処理を湿熱処理ともいう。
前記湿熱処理の際に、芯成分の収縮性繊維は収縮する。収縮性繊維としては例えば熱収縮率が10〜40%のアクリル繊維やポリエステル繊維が例示される。収縮性繊維はバルキー性の高いものが好ましく、熱収縮率として10〜40%、好ましくは15〜30%のものがよい。熱収縮すると捲縮を発現し、嵩高くなる。収縮性繊維としては例えばサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維がある。
本発明の織編物及び肌着は、家庭洗濯を繰り返しても糸の直径はあまり変化せず、保温性も高く維持される。これは、糸内の空隙を多く保ったまま維持されていることを示している。これは、収縮性繊維が収縮する際に、芯部にも鞘部にも空隙部分が多く存在するため収縮性繊維の収縮の動きを拘束せず、自由度が高くなり、十分に収縮するため、嵩高性が維持されることに起因していると考えられる。
本発明に適用できる織物としては、平織、斜文織(綾織)、朱子織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織、変わり織、紋織、片重ね織、二重組織、多重組織、経パイル織、緯パイル織、絡み織等がある。編み物としては、丸編、緯編、経編、パイル編等を含み、平編、天竺編、フライス編(リブ編,ゴム編,畔編)、スムース編(両面編)、ゴム編、パール編、デンビー組織、コード組織、アトラス組織、鎖編組織、挿入組織などがある。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において同一符号は同一物を示す。図1Aは本発明の一実施例の溶解前の芯鞘構造紡績糸の模式的断面図、図1Bは同、溶解後の芯鞘構造紡績糸の模式的断面図である。まず図1Aに示すように、芯鞘構造紡績糸1の芯成分2は溶解性繊維4aと収縮性繊維5を含む混紡繊維で構成する。鞘成分3は溶解性繊維4bと非溶解性繊維であるセルロース繊維6を含む混紡繊維で構成する。
この芯鞘構造紡績糸1を湿熱処理すると、図1Bのようになり、溶解性繊維4a,4bは溶解除去され、空隙部が形成される。また湿熱処理により、芯成分1の収縮性繊維5が収縮し、湿熱処理前の糸直径L1より処理後の糸直径L2が同等もしくは大きくなる。すなわち、L1≦L2となる。好ましくは、L2はL1の1.05〜1.6倍であり、さらに好ましくは1.1〜1.5倍、とくに好ましくは1.2〜1.4倍である。これにより糸内に多くの空気を含むことになる。前記において糸断面は楕円や長円など変形になる場合もあり、この場合は糸直径L1及びL2は断面直径の平均値とする。
溶解性繊維が除去された後は特許文献1の図2のような中空紡績糸と異なり、例えば図1Bのような、表層近傍に空隙を有する芯鞘構造紡績糸となる。この結果、表層部に起毛繊維のごとく非対流空気層が形成されやすくなり、接触冷感を抑制することができ、ほわっとした温かさを惹起する。また、吸汗性を高めたり、ムレを抑制することができ、洗濯の乾きも良くなることから、肌着に好適となる。
図3は本発明の一実施例の芯鞘構造紡績糸の製造方法を示す模式的説明図である。この製造方法は、リング紡績機11を用いて精紡する。まず、練条工程において所定の芯鞘比率となるように芯成分を中央、鞘成分をその両側に配した後に供給・ドラフトし、粗糸とする。リング紡績機11のバックローラ12から粗糸15を供給し、ドラフトゾーン13においてドラフトして、粗糸を細くし、フロントローラ14に導き、スピンドル17を回転させたトラベラー18を通過させて撚り掛けし、芯鞘構造紡績糸19を得る。
図4は本発明の別の実施例の芯鞘構造紡績糸の製造方法を示す模式的説明図である。この製造方法は、リング紡績機21のバックローラ12から例えば鞘成分の粗糸20を供給し、ドラフトゾーン13においてドラフトして、粗糸を細くし、フロントローラ14に導く。芯成分の粗糸16はフロントローラ14の上流側から芯成分として供給し、鞘成分と合体させスピンドル17を回転させながらトラベラー18を通過させて撚り掛けし、芯鞘構造紡績糸19を得る。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
カト−テック社製、“サーモラボII型”、ドライコンタクト法により測定した。この測定方法は、縦100mm、横100mm、の熱源台を使用し、熱源台の熱板温度を室温より10℃高く設定しておく。
この状態で試験サンプルを熱源台に取り付けて覆うと、熱源台から失われる熱量は減少し、消費電力も減少する。測定時間は2時間とした。保温率は下記の計算式で算出する。
保温率(%)=[(W0-W)/W0]×100
W0:試験サンプルを取り付けなかった状態での電力消費量
W:試験サンプルを取り付けた状態での電力消費量
(実施例1)
<繊維素材>
(1)溶解性繊維
クラレ社製の水溶性ビニロン「クラロンKII」、繊度1.7dtex、繊維長32mmを芯成分と鞘成分の両方に混紡した。以下「KII」と省略する。
(2)収縮性繊維
三菱レーヨン社製のアクリル系繊維「ボンネル タイプH815 BPH」、繊度1.7dtex、繊維長38mmを芯成分に混紡した。以下「H815バルキー」と省略する。
(3)非溶解性繊維
ダイワボウレーヨン社製のセルロース繊維である強力レーヨン「スーパーコロナ」、繊度0.9dtex、繊維長38mmを鞘成分に混紡した。以下「SC」と省略する。
(4)アクリル系繊維
日本エクスラン工業社製のアクリル系繊維「エクスラン K815」、繊度0.9dtex、繊維長38mmを鞘成分に混紡した。以下「K815」と省略する。
<紡績糸の製造>
上記の繊維素材を用いてカード機で混紡し、芯成分と鞘成分のスライバーを作製し、上記練条配列により芯鞘構造紡績糸を製造した。
<編物の製造>
(1)編み組織:フライス組織とした。
(2)糸使い:上記で得られた芯鞘構造紡績糸と、ポリウレタン糸(28dtex)にナイロンフィラメント糸(13dtex)を巻き付けたツイステッドヤーンを引き揃えて編み機に供給した。
(3)編み機のゲージ:18G
(4)単位面積当たりの重量(目付):135g/m2
上記のようにして得られた編物を95℃で30分熱水処理した。この熱水処理前の糸の断面写真を図2左側に示し、熱水処理後の糸の断面写真を図2右側に示す。熱水処理前(図2左側)においてはタテ直径180μm、ヨコ直径145μm、平均直径162.5μmであったが、熱水処理後(図2右側)においては平均直径205.1μmであり、約1.26倍に膨らんでいた。
次に、上記のようにして得られた編物を構成する膨らんだ糸が家庭洗濯を繰り返しても変化しないかを調べた。洗濯方法はJIS L0217 103に従い、10回行った。その結果、洗濯前の糸の平均直径は205.1μm、洗濯後の糸の平均直径は215.7μmであり、約5%膨らんでいた。このことから、家庭洗濯を繰り返しても糸の直径はあまり変化せず、保温性も高く維持されることがわかった。
(実施例2)
芯鞘構造の紡績糸を製造する際に、上記精紡交撚とした以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
芯成分を収縮性アクリル繊維”H815”を5質量%とアクリル系繊維”K815”を5質量%とした以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
芯鞘構造紡績糸を製造する際の撚係数を3.4とした以外は実施例3と同様に実施した。
(比較例1)
鞘成分に水溶性ビニロン”KII”を混合せず、その分レーヨン”SC”とアクリル繊維”K815”を各40質量%にした以外は実施例1と同様に実施した。また編物を構成する糸が家庭洗濯を繰り返しても変化しないかを調べた。洗濯方法はJIS L0217 103に従い、10回行った。その結果、洗濯前の糸の平均直径は189.3μm、洗濯後の糸の平均直径は182.7μmであり、約3%収縮した。
(比較例2)
芯成分の水溶性ビニロン”KII”を20質量%とし、鞘成分のレーヨン”SC”とアクリル繊維”K815”を各35質量%にした以外は比較例1と同様に実施した。
(比較例3)
芯鞘構造紡績糸を製造する際の撚係数を3.4とした以外は比較例2と同様に実施した。以上の条件と結果を表1にまとめて示す。
表1から、実施例1〜4品は比較例1〜3品に比べて保温性が高いことがわかる。また肌着(シャツ)に縫製して成人男女各5名で着用試験したところ、次のことがわかった。
(1)冬季の早朝の冷え切った家の室内で袖を通したその瞬間、比較例1〜3品は「ひやっと感」があったが、実施例1〜4品は全くなく、温かかった。
(2)冬季の寒い時期、屋内から屋外に出たときに感ずる「極度の温度変化」を比較例1〜3品では感じたが、実施例1〜4品は感じず、温かかった。
(3)冬季の通勤時、吹きっさらしの屋外で風に吹かれたときの「底冷え」を比較例1〜3品では感じたが、実施例1〜4品は感じず、温かかった。
(4)通勤電車内の人ごみやオフィスの暖房による「ムシムシ感」を比較例1〜3品では感じたが、実施例1〜4品は感じなかった。
(5)家庭洗濯を繰り返しても、ほわっとした温かさは変わらなかった。
本発明はシャツ、パンツ(ブリーフ、ショーツなどを含む)、ステテコ等の肌着以外にも、Tシャツ、スポーツ衣料、インナーウェア、ホームウエア、パジャマ、寝具などにも適用できる。
1,19 芯鞘構造紡績糸
2 芯成分
3 鞘成分
4a,4b 溶解性繊維
5 収縮性繊維
6 セルロース繊維
11,21 リング紡績機
12 バックローラ
13 ドラフトゾーン
14 フロントローラ
15,16,20 粗糸
17 スピンドル
18 トラベラー

Claims (8)

  1. 芯成分と鞘成分を含む芯鞘構造紡績糸であって、
    前記芯成分は溶解性繊維と収縮性繊維を含む混紡繊維であり、
    前記鞘成分は溶解性繊維と非溶解性繊維を含む混紡繊維であり、
    前記芯成分を100質量%としたとき、前記溶解性繊維の混率は30〜70質量%であり、前記鞘成分を100質量%としたとき、前記溶解性繊維の混率は5〜20質量%であることを特徴とする芯鞘構造紡績糸。
  2. 前記多層構造紡績糸を100質量%としたとき、前記芯成分は10〜50質量%であり、前記鞘成分は50〜90質量%である請求項1に記載の芯鞘構造紡績糸。
  3. 前記鞘成分の非溶解性繊維は少なくともセルロース繊維を含む請求項1又は2に記載の芯鞘構造紡績糸。
  4. 前記鞘成分のセルロース繊維はレーヨン繊維である請求項3に記載の芯鞘構造紡績糸。
  5. 前記鞘成分にはさらにアクリル系繊維、ポリエステル繊維及びナイロン繊維から選ばれる少なくとも一つの合成繊維を含む請求項1〜のいずれかに記載の芯鞘構造紡績糸。
  6. 前記芯鞘構造紡績糸は、芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去され空隙部分が形成され、前記芯成分の収縮性繊維の収縮により、前記溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等、もしくは大きい請求項1〜のいずれかに記載の芯鞘構造紡績糸。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の芯鞘構造紡績糸を含む織編物であって、
    前記芯鞘構造紡績糸の芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去され空隙部分が形成され、
    前記芯成分の収縮性繊維の収縮により、前記溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等、もしくは大きいことを特徴とする芯鞘構造紡績糸を含む織編物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の芯鞘構造紡績糸を含む肌着であって、
    前記芯鞘構造紡績糸の芯成分と鞘成分の溶解性繊維は溶解除去され空隙部分が形成され、
    前記芯成分の収縮性繊維の収縮により、前記溶解性繊維の溶解除去前より後の糸直径が同等、もしくは大きいことを特徴とする芯鞘構造紡績糸を含む肌着。
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