JP2018002875A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】近年、空気入りタイヤは、ラベリング(表示方法)制度が開始され、要求性能として加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を両立する必要があるが、これらの特性を同時に向上することは、当業界で困難な事項とされていた。
【解決手段】平均Tgが−60〜−20℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、DBP吸油量が300ml/100gを超えかつ800ml/100g以下であり、なおかつ細孔容積Vpが2〜10ml/gである多孔質シリカを1〜50質量部、メルカプト基を有するシランカップリング剤をシリカの総量に対して3〜20質量%配合し、前記シリカの総量が30〜180質量部であり、かつ前記多孔質シリカの配合量が、前記シリカの総量の80質量%以下であるゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を同時に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤは、ラベリング(表示方法)制度が開始され、要求性能としてウェットグリップ性能および転がり抵抗性を高次元で具備する必要がある。
ウェットグリップ性能を向上させるためには、シリカを多量に配合する手法が挙げられるが、そのような配合では転がり抵抗性や耐摩耗性が悪化するという問題点がある。
一方、従来のシランカップリング剤よりも高反応性のものを用い、シリカの分散性を向上させる技術があるが、このような手法ではシランカップリング剤の反応が早期に起こってしまうため、粘度やスコーチ性が悪く加工性に問題があった。
このように、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を同時に向上することは、当業界で困難な事項とされていた。
なお、ゴム組成物に多孔質シリカを配合する技術は、下記特許文献1〜3等に開示されている。
特開2013−177501号公報 特開2001−151945号公報 特開2008−1826号公報
したがって本発明の目的は、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を同時に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の平均Tgを有するジエン系ゴムに対し、特定範囲のDBP吸油量および細孔容積を満たす多孔質シリカ、それ以外のシリカおよび特定のシランカップリング剤を特定量でもって配合し、かつシリカの総量を特定範囲に定めることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.平均ガラス転移温度(Tg)が−60〜−20℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、
DBP吸油量が300ml/100gを超えかつ800ml/100g以下であり、なおかつ細孔容積Vpが2〜10ml/gである多孔質シリカを1〜50質量部、および
メルカプト基を有するシランカップリング剤をシリカの総量(前記多孔質シリカおよびそれ以外のシリカの合計量)に対して3〜20質量%配合し、
前記シリカの総量が30〜180質量部であり、かつ
前記多孔質シリカの配合量が、前記シリカの総量の80質量%以下である
ことを特徴とするゴム組成物。
2.前記メルカプト基を有するシランカップリング剤が、下記(1)の組成式で表されることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
3.前記多孔質シリカのメタノール滴定による疎水化度が30〜60容量%であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記多孔質シリカが表面処理され、かつ前記表面処理濃度が炭素濃度として5〜10%であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
5.前記多孔質シリカ以外のシリカが、窒素吸着比表面積(NSA)194〜225m/g、CTAB比表面積(CTAB)180〜210m/g、DBP吸収量190ml/100g以上 、前記NSAとCTABの比(NSA/CTAB)が0.9〜1.4であり、かつ
前記シリカの総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して60〜150質量部である
ことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
6.前記1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の平均Tgを有するジエン系ゴムに対し、特定範囲のDBP吸油量および細孔容積を満たす多孔質シリカ、それ以外のシリカおよび特定のシランカップリング剤を特定量でもって配合し、かつシリカの総量を特定範囲に定めたので、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を同時に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのうち、本発明の効果が向上するという理由から、BR、SBRを用いるのが好ましい。
また本発明で使用されるジエン系ゴムは、平均ガラス転移温度(平均Tg)が−60〜−20℃であることが必要である。平均Tgが−60℃未満であるとウェットグリップ性能が悪化する。逆に−20℃を超えると、耐摩耗性が悪化する。平均Tgは、ガラス転移温度の平均値であり、各ジエン系ゴムのガラス転移温度と各ジエン系ゴムの配合割合から平均値として算出することができる。
(多孔質シリカ)
本発明では、DBP吸油量が300ml/100gを超えかつ800ml/100g以下であり、なおかつ細孔容積Vpが2〜10ml/gである多孔質シリカを使用する。
多孔質シリカのDBP吸油量が300ml/100g以下では、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を同時に向上させることができない。またDBP吸油量が800ml/100gを超えると混合加工性が著しく低下し、その結果、フィラーの分散が悪化する。
本発明において、多孔質シリカのDBP吸油量は、450〜750ml/100gが好ましく、400〜600ml/100gがさらに好ましい。
なお、多孔質シリカのDBP吸油量は、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めるものとする。
多孔質シリカの細孔容積Vpが2ml/g未満であると加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性を同時に向上させることができない。また細孔容積Vpが10ml/gを超えると耐摩耗性が悪化する。
本発明において、多孔質シリカの細孔容積Vpは、2.5〜7ml/gが好ましく、3〜6ml/gがさらに好ましい。
なお、多孔質シリカの細孔容積Vpは、測定対象のサンプルを、1kPa以下の真空下において、150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後液体窒素温度における窒素の吸着剤のみの吸着等温線を取得し、BJH法(Barrett,E.P.;Joyner,L.G.;Halenda,P.P.,J.Am.Chem.Soc.73,373(1951))により解析して得られる細孔半径1nm以上100nm以下の細孔に由来する細孔容積である。
本発明で使用される多孔質シリカの製造方法は公知であり、例えば特開平10−236817号公報、特開2013−203804号公報等に開示されている方法が挙げられる。
本発明で使用される多孔質シリカの比表面積は、300m/g〜800m/gであることが好ましく、350m/g〜700m/gであることがより好ましく、400m/g〜600m/gであることが特に好ましい。
なお、多孔質シリカの比表面積は、測定対象のサンプルを1kPa以下の真空下において150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後、液体窒素温度における窒素の吸着側のみの吸着等温線を測定し、該吸着等温線をBET法により解析して求めた値であって、その際の解析に用いる圧力範囲は、相対圧0.1〜0.25の範囲である。
本発明で使用される多孔質シリカの一次粒子径は、例えば3nm〜10nm、好ましくは3nm〜7nmである。
通常、多孔質シリカは複数の粒子が集まって二次粒子を形成し、一次粒子同士で形成される間隙部によって多孔質化する。この間隙部にゴムが入り込むことにより、ゴムと多孔質シリカの強固な複合体が形成され、ゴムの分子運度が遮られ、本発明の効果が高まるものと推測される。
また本発明の多孔質シリカは、メタノール滴定による疎水化度が30〜60容量(vol)%であることが好ましい。疎水化度が当該範囲を満たすことにより、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性をさらに高次に満足させることができる。
本発明において、多孔質シリカの疎水化度は、40〜55容量%がさらに好ましい。
上記疎水化度を達成するには、多孔質シリカを表面処理する際の処理剤量等の条件を調整する方法等がある。
なお、多孔質シリカの疎水化度は、多孔質シリカを水に加え、攪拌下にメタノールを滴定により加え、多孔質シリカの全量が水に懸濁した際のメタノール−水混合溶媒中のメタノールの濃度(容量%)の値を求めたものである。
また本発明の多孔質シリカは表面処理され、かつ前記表面処理濃度が炭素濃度として5〜10%であることが好ましい。炭素濃度が当該範囲を満たすことにより、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性をさらに高次に満足させることができる。
本発明において、上記炭素濃度は6〜9%であることがさらに好ましい。
ここで言う表面処理とは、例えばシランカップリング剤を用いた処理、シリル化剤を用いた処理、シロキサン類を用いた処理等が挙げられる。
多孔質シリカの表面処理方法としては、例えばシリル化剤を用いた処理の場合、特開2013−203804号に開示される方法により処理することができる。
なお、炭素濃度は、多孔質シリカを完全燃焼させ、得られた燃焼ガス中の炭素ガスを定量し、換算することによって求めることができる。具体的には、エレメンタール社製のVario Micro cube等の市販の元素分析装置により測定することが可能である。
(シリカ)
本発明で使用するシリカはとくに制限されず、通常ゴム組成物に配合されるシリカを使用することができる。なお、ここで言うシリカとは前記多孔質シリカ以外のシリカを指すものとする。
なお、シリカは窒素吸着比表面積(NSA)が194〜225m/g、CTAB比表面積(CTAB)が180〜210m/g、DBP吸収量が190ml/100g以上、前記NSAとCTABの比(NSA/CTAB)が0.9〜1.4であることが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)が194〜225m/gであることにより、混合加工性の悪化を抑えつつウェットグリップ性能が向上する。
シリカのCTAB比表面積(CTAB)が180〜210m/gであることにより、転がり抵抗の悪化を抑えつつウェットグリップ性能が向上する。
シリカのDBP吸収量が190ml/100g以上であることにより、破断強度の低下を抑えつつウェットグリップ性能が向上する。
なお、シリカの窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K6217−2、CTAB比表面積(CTAB)はJIS K6217−3、DBP吸収量は、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めるものとする。
(メルカプト基を有するシランカップリング剤)
本発明で使用されるシランカップリング剤は、下記式(1)で表される。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
式(1)で表される硫黄含有シランカップリング剤(ポリシロキサン)およびその製造方法は、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示され、公知である。
上記式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。なかでも、下記式(12)で表される基であることが好ましい。
−(CH2n−Sx−(CH2n (12)
上記式(12)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(12)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(12)中、*は、結合位置を示す。
上記式(12)で表される基の具体例としては、例えば、−CH2−S2−CH2−C24−S2−C24−C36−S2−C36−C48−S2−C48−CH2−S4−CH2−C24−S4−C24−C36−S4−C36−C48−S4−C48などが挙げられる。
上記式(1)中、Bは炭素数5〜20の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
上記式(1)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(13)で表される基であることが好ましい。
−OR2 (13)
上記式(13)中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(13)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(14)で表される基であることが好ましい。
−(CH2m−SH (14)
上記式(14)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(14)中、*は、結合位置を示す。
上記式(14)で表される基の具体例としては、−CH2SH、−C24SH、−C36SH、−C48SH、−C510SH、−C612SH、−C714SH、−C816SH、−C918SH、−C1020SHが挙げられる。
上記式(1)中、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
上記式(1)中、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。
上記式(1)中、aは、本発明の効果が向上するという理由から、0<a≦0.50であることが好ましい。
上記式(1)中、bは、本発明の効果が向上するという理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89であることがより好ましい。
上記式(1)中、cは、本発明の効果が向上するという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(1)中、dは、本発明の効果が向上するという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記ポリシロキサンの重量平均分子量は、本発明の効果が向上するという理由から、500〜2300であるのが好ましく、600〜1500であるのがより好ましい。本発明における上記ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
上記ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンは、本発明の効果が向上するという理由から、シロキサン単位(−Si−O−)を2〜50個有するものであることが好ましい。
なお、上記ポリシロキサンの骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない。
上記ポリシロキサンの製造方法は公知であり、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された方法にしたがって製造することができる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記多孔質シリカを1〜50質量部、およびメルカプト基を有するシランカップリング剤をシリカの総量(前記多孔質シリカおよびそれ以外のシリカの合計量)に対して3〜20質量%配合し、前記シリカの総量が30〜180質量部であり、かつ前記多孔質シリカの配合量が、前記シリカの総量の80質量%以下であることを特徴とする。
多孔質シリカの配合量が1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に50質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する。
前記シランカップリング剤の配合量が前記シリカに対して3質量%未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると、加工性が悪化する。
前記シリカの総量が30質量部未満であるとスコーチ、耐摩耗性が悪化し、逆に180質量部を超えると転がり抵抗性が悪化する。
前記シリカ中、前記多孔質シリカの割合が80質量%を超えると耐摩耗性が悪化する。
前記多孔質シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、20〜50質量部がさらに好ましい。
前記シランカップリング剤の配合量は、シリカに対して5〜15質量%がさらに好ましい。
前記シリカの総量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、60〜150質量部がさらに好ましい。
前記多孔質シリカの配合量は、前記シリカの総量の15〜70質量%がさらに好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例、実施例1〜4および比較例1〜6
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、混練物をミキサー外に放出させて室温冷却させた。その後、同バンバリーミキサーにおいて加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物または加硫ゴム試験片の物性を測定した。
粘度変化:初めにBS型粘度計(1rpm)を使用し、20℃の条件下で、得られた組成物の初期粘度を測定した(単位:Pa・s)。次に、得られた組成物を70℃の条件下に3日間置いた後の粘度(促進試験後粘度)を、同様に測定した。さらに、測定された初期粘度および促進試験後粘度を、下記式に当てはめて、粘度変化率を求めた。
粘度変化率(%)=(促進試験後粘度/初期粘度)×100
結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が小さいほど粘度変化率が低く、加工性に優れることを示す。
スコーチ:JIS K6300に従い、125℃で試験した。結果は標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほどスコーチ性に優れることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、室温で測定した。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
ウェットグリップ性能:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
転がり抵抗性:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほど低転がり抵抗性であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2018002875
*1:SBR(旭化成(株)製E581、水酸基を有するスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、Tg=−27℃、重量平均分子量=1,260,000、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220、Tg=−105℃)
*3:カーボンブラック(キャボットジャパン社製ショウブラックN339)
*4:シリカ−1(エボニックデグッサ社製Ultrasil 9000GR、窒素吸着比表面積(NSA)=213m/g、CTAB比表面積(CTAB)=193m/g、NSA/CTAB=1.1、DBP吸収量=220ml/100g)
*5:シリカ−2(ローディア社製Zeosil 1165MP、窒素吸着比表面積(NSA)=160m/g、CTAB比表面積(CTAB)=159m/g、NSA/CTAB=1.0、DBP吸収量=200ml/100g)
*6:多孔質シリカ−1
DBP吸油量=492ml/100g、
細孔容積Vp=3.8ml/g、
メタノール滴定による疎水化度=48容量%、
オクタメチルシクロテトラシロキサンによる表面処理有り(炭素濃度=8.1%)、
比表面積=502m/g
D50=2.2μm
*7:多孔質シリカ−2
DBP吸油量=150ml/100g、
細孔容積Vp=1.0ml/g、
メタノール滴定による疎水化度=46容量%、
オクタメチルシクロテトラシロキサンによる表面処理有り(炭素濃度=7.5%)、
比表面積=509m/g
D50=3.0μm
*8:シランカップリング剤−1(平均組成式C25OSi−O[(CH2CH2O)5−C13272−(CH23−SHで表される硫黄含有シランカップリング剤、エボニクデグサ社製Si363)
*9:シランカップリング剤−2(上記式(1)を満たす化合物。組成式=(−C36−S4−C36−)0.071(−C8170.571(−OC251.50(−C36SH)0.286SiO0.75、信越化学工業(株)製9511D)
*10:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*11:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*12:老化防止剤(フレキシス社製6PPD)
*13:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*14:加硫促進剤CZ(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*15:加硫促進剤DPG(住友化学(株)製ソクシノールD−G)
*16:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄、硫黄の含有量=95.24質量%))
表1の結果から、実施例のゴム組成物は、特定の平均Tgを有するジエン系ゴムに対し、特定範囲のDBP吸油量および細孔容積を満たす多孔質シリカ、それ以外のシリカおよび特定のシランカップリング剤を特定量でもって配合し、かつシリカの総量を特定範囲に定めたので、従来の代表的な標準例の組成物に比べ、加工性、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性および耐摩耗性が同時に改善されていることが分かる。
これに対し、比較例1はシリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、スコーチ、耐摩耗性が悪化した。
比較例2は、多孔質シリカの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、ジエン系ゴムの平均Tgが本発明で規定する下限未満であるので、スコーチ、ウェットグリップ性能が悪化した。
比較例4は、シランカップリング剤の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、粘度変化、スコーチが悪化した。
比較例5は、シランカップリング剤の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、耐摩耗性が悪化した。
比較例6は、多孔質シリカのDBP吸油量および細孔容積が本発明で規定する下限未満であるので、耐摩耗性が悪化した。

Claims (6)

  1. 平均ガラス転移温度(Tg)が−60〜−20℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、
    DBP吸油量が300ml/100gを超えかつ800ml/100g以下であり、なおかつ細孔容積Vpが2〜10ml/gである多孔質シリカを1〜50質量部、および
    メルカプト基を有するシランカップリング剤をシリカの総量(前記多孔質シリカおよびそれ以外のシリカの合計量)に対して3〜20質量%配合し、
    前記シリカの総量が30〜180質量部であり、かつ
    前記多孔質シリカの配合量が、前記シリカの総量の80質量%以下である
    ことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記メルカプト基を有するシランカップリング剤が、下記(1)の組成式で表されることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
    (A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
    (式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
  3. 前記多孔質シリカのメタノール滴定による疎水化度が30〜60容量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記多孔質シリカが表面処理され、かつ前記表面処理濃度が炭素濃度として5〜10%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記多孔質シリカ以外のシリカが、窒素吸着比表面積(NSA)194〜225m/g、CTAB比表面積(CTAB)180〜210m/g、DBP吸収量190ml/100g以上 、前記NSAとCTABの比(NSA/CTAB)が0.9〜1.4であり、かつ
    前記シリカの総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して60〜150質量部である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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