JP2018000263A - 座席部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化とコスト低減化を図るために、インサート部材に配風溝を形成し、かつ発泡軟質部材と一体成形した座席部材の製造方法を提供するものである。【解決手段】インサート部材14の内部に通路18を形成すると共に、該通路18に連通して一方に開口する第1通孔20および他方に開口する第2通孔22を形成する工程と、上型30にインサート部材14をセットして、第2通孔22を対応する下型34に指向させる工程と、下型34に設けた閉塞部材38が、上下型30,34の閉成時に各対応の第2通孔22を塞ぎ得る状態の下で、下型34に発泡軟質部材12の原料を供給する工程と、上型30および下型34を閉じて原料を発泡させることで、第2通孔22が閉塞部材38で塞がれた状態の下にインサート部材14と発泡軟質部材12とを一体成形して座席部材10を製造する工程とにより解決した。【選択図】図3

Description

この発明は、座席部材の製造方法に関するものであって、更に詳しくは、内部に調温空気を流通させるダクトとして機能する配風溝を設けたインサート部材と、クッションとして機能する発泡軟質部材とを発泡成形して、調温空気を使用者に供給し得る座席部材を製造する方法に関する。
例えば、乗用車等の車両に設けたエアコンディショナー(以下エアコンという)は、車内の温度を外気温に対して調節することにより、乗員に快適な温度環境(冷房や暖房)を与えるようになっている。このエアコンにおける冷風や温風の吹出口(ルーバー)は、一般にインストルメントパネルに設けられ、乗員は間接的に冷房温度や暖房温度を体感するものである。
しかし高級な車種等によっては、温度調節された空気を座席部材の着座面や背凭れ面から吹き出させることで、着座者に冷房(または暖房)温度を直接感じさせるようにしたものがある。例えば、特開2005−95343号公報の図2および図3には、配風通路41を持つ成形体6をクッションパッド本体5に埋設した空調シートが開示されている。なお、前述した温度調節された空気を座席から吹き出すのではなく、逆に該空気を座席に吸い込むことで着座者に冷涼感を与えるようにした座席部材も存在する。また、本明細書に云う座席部材は、着座部となるシートクッションおよび背凭れ部となるシートバックの何れか、または着座部と背凭れ部との両方を指すものとする。
特開2005−95343号公報
前述した温度調節された空気を着座部や背凭れ部に吹き出す(吸い込む場合もある)機能を備えた座席部材(所謂空調シート)は、エアコンから送り出される調温空気を座席部材の着座面や背凭れ面へ案内するダクトを該座席部材の内部に設ける必要がある。このダクトは、前記の特開2005−95343号公報の段落〔0023〕に開示されている如く、弾性変形可能な樹脂シートを吹き込み成形法などで袋状の成形体6とし、内部に配風通路41を設けるようにしたものである。しかし、前記別体として設けたダクトは、着座者の体重や体重移動を受けても変形しないように剛性を持たせる必要があり、必然的に該ダクトが組み込まれる座席部材の重量も増大する。そこで最近は、別体として成形したダクトを組み込むのではなく、所謂ダクト機能を果たす通風用の溝部をシートクッションに一体発泡で形成したり、配風溝を別部材で蓋をしたりすることで、軽量化とコストの低減とを図るようにした座席部材が普及している。
例えば、図13はポリウレタン等を原料とする発泡軟質部材からなるシート本体11を意匠面側から横断して示す斜視図であり、図10は図13のA−A線断面図である。前記シート本体11の内部には調温空気を通過させるダクト溝13が一体発泡成形してあり、このダクト溝13の裏側は裏面材(蓋体)15により蓋がなされている。また図11は、シート本体11を発泡成形する際に、該シート本体11の裏側に大きく配風溝(ダクト溝)13を形成すると共に、着座面側に開口する吐出孔17を前記配風溝13に連通させたものである。この場合も、前記配風溝13の裏側に開口する部位はフェルト等の裏面材15で覆ってある。更に図12は、シート本体11の内部に配風溝13を一体成形すると共に、該配風溝13を着座面の側において発泡軟質部材やスラブからなる裏面材15で覆うようにしたものである。この場合は、裏面材15に前記配風溝13と連通する吐出孔17を開設することで、調温空気を該吐出孔17から着座面側へ吹き出させる。
ところで、座席部材の軽量化とコストの低減とを図るために、ウレタンフォームの如き発泡軟質部材の肉厚を、座席に要求される諸性能を担保しながら、なるべく薄くする試みがなされている。この場合は、座席部材の嵩上げ材として機能するインサート部材を使用し、該インサート部材と前記発泡軟質部材とを一体に成形した座席部材を製造している。このインサート部材(嵩上げ材)としては、発泡ポリプロピレン(EPP)や発泡ポリスチレン(EPS)、その他ポリスチレンとポリオレフィンとをブレンドした複合樹脂等の発泡硬質部材が選択的に使用され、前記発泡軟質部材と金型内で一体発泡されて前記座席部材が得られる。しかし、図10〜図12に述べたような配風溝をシートクッションに一体的に発泡成形すると、クッション部を形成する発泡軟質部材を薄肉化して、該シートクッションを軽量化することができない。
前述した難点に鑑み本願の出願人は、図8に示す構造の通気シートとして機能する座席部材を案出し、これにつき別途特許出願を行った。この座席部材について、図8および図9を参照して簡単に説明すると、座席部材10におけるインサート部材としての発泡硬質部材14には、配風溝としての通路18が形成されており、該座席部材10に加わる使用者の体重は主として該インサート部材14が受けるようになっている。また、前記インサート部材14は、ウレタンフォームのような発泡軟質部材12により上から包み込むようにして一体発泡されることで、前記座席部材10が成形されている。そして、前記インサート部材としての発泡硬質部材14に形成した第1通孔20は、前述した空調用空気を送り出すエアコンの送気口(図示せず)に接続されて、該空調用空気が該第1通孔20を介して前記通路18に供給される。また前記インサート部材14の着座面に指向する側には、前記第1通孔20と連通する適宜数の第2通孔22が開設されている。そして、前記発泡軟質部材12を後述の金型中で発泡成形する際に、同時に該発泡軟質部材12に適宜数の第3通孔24が成形され、該第3通孔24は、前記第2通孔22と対応的に連通接続するようになっている。従って、前記エアコンから送り出された調温空気は、前記第1通孔20を介して前記インサート部材14に画成した通路18へ流入し、夫々の前記第2通孔22および第3通孔24を介して前記座席部材10の着座面の側へ送り出される。なお、図8に示すように、前記座席部材10の着座面は通気性を有する表皮材23により覆われているので、前記発泡軟質部材12の第3通孔24から吹き出される調温空気は、該表皮材23の通気孔を介して着座者に接触する。なお、前記表皮材23としては、例えば、通気性のある織物、立体織物、立体編物あるいは不織布等が使用される。この表皮材23の裏面には、裏打ち材として通気性パッドが積層されて、シートクッションを覆うトリムカバーになる。
ここで前記インサート部材としての発泡硬質部材14は、ビーズ発泡成形体である。具体的には、発泡ポリプロピレン(EPP)または発泡ポリスチレン(EPS)もしくは、ポリスチレンとポリオレフィンとをブレンドした複合樹脂としてもよい。前記発泡ポリプロピレン(EPP)には、(株)カネカ製の商品名:エペラン−PPがある。また、発泡ポリスチレン(EPS)には、(株)カネカ製の商品名:カネパール、発泡ポリエチレンには、(株)カネカ製の商品名:エペラン等が市販されている。前記複合樹脂には、発泡ポリエチレン共重合ポリスチレン樹脂(積水化成品工業(株)製の商品名:ピオセラン)がある。
また前記発泡軟質部材12は、前記インサート部材14と一体に発泡成形される発泡ポリウレタンを使用することが推奨される。
このように、軽量化とコスト低減化を図るために、インサート部材を発泡軟質部材と一体成形した座席部材に関して、該インサート部材にエアコンに接続される配風溝を設けることで、使用者の体重を受けても容易に変形することがない通気シートとしての座席部材が得られる。そして本発明は、前記インサート部材に前記配風溝をどのように形成し、かつ発泡軟質部材と一体成形した座席部材の製造方法を提供するものである。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、インサート部材の内部に空調用空気の通路を形成すると共に、該空調用空気の通路に連通して該インサート部材の上型キャビティ面に開口する第1通孔および該空調用空気の通路に連通して該インサート部材の下型キャビティ面に開口する第2通孔を形成する工程と、
開放した上型のキャビティに前記インサート部材をセットして、前記第2通孔を対応する下型のキャビティに指向させる工程と、
前記下型のキャビティに前記第2通孔の数に対応して突出するよう設けた閉塞部材が、上下型の閉成時に各対応の第2通孔を塞ぎ得る状態の下で、開放中の前記下型に発泡軟質部材の原料を供給する工程と、
前記上型および下型を閉じて前記原料を発泡させることで、前記インサート部材における前記第2通孔が前記閉塞部材で塞がれた状態の下に該インサート部材と発泡軟質部材とを一体成形して座席部材を製造する工程とからなることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、内部に形成されて調温空気が流通する通路と、該通路に連通して一方の側に開口する第1通孔および発泡軟質部材が発泡する他方の側に開口して該通路に連通する第2通孔とを備えたインサート部材と、金型内で発泡して前記インサート部材と一体になる際に、前記第2通路に連通される第3通路が同時に形成されている発泡軟質部材とからなる座席部材を簡単に製造することができる。
請求項2に記載の発明では、前記閉塞部材の外周は前記発泡軟質部材に形成されるべき第3通孔の内周に一致すると共に、該閉塞部材の頂部は前記上下型を閉成した際に、該インサート部材に形成されている前記第2通孔を閉塞し得る面積に設定されていることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、金型を閉成して発泡軟質部材の原料を発泡させる際に、閉塞部材の頂部がインサート部材の第2通孔を完全に閉塞してシールするので、発泡時の原料が前記第2通孔に侵入することがない。また、閉塞部材が存在している領域で発泡は規定されるので、金型から座席部材を脱型したとき、前記発泡軟質部材には該閉塞部材の抜け跡として第3通孔が形成されている。
請求項3に記載の発明では、前記閉塞部材の頂部には先細りの突出部が設けられ、前記上下型を閉成した際に該突出部は前記インサート部材に形成した前記第2通孔に圧着的に挿入されるようになっていることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、金型を閉成した際に、閉塞部材の頂部に設けた突出部がインサート部材の第2通孔に挿入されてガイドすることで該第2通孔に圧着的に挿入されるため、閉塞部材の頂部が第2通孔を完全に閉塞し得る。
請求項4に記載の発明では、前記下型のキャビティに設けられる前記閉塞部材は、その頂部に前記突出部を有する部材と、該突出部を有しない部材とが混在していることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、閉塞部材における突出部によるガイドがあった方が良い第2通孔と、そのようなガイドを必要としない第2通孔とを対応的に混在使用することができる。
請求項5に記載の発明では、前記閉成した上下型の内部で前記発泡軟質部材をインサート部材に一体成形した後に、上下型を開放して前記座席部材を脱型することで、前記発泡軟質部材には前記閉塞部材の外形に倣った内形の第3通孔が形成され、この第3通孔は前記インサート部材に形成されている前記第2通孔と連通していることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、閉塞部材の外形形状に倣った第3通孔が発泡軟質部材に同時に成形され、しかも該第3通孔はインサート部材の第2通孔と対応的に連通している。
請求項6に記載の発明では、前記インサート部材は発泡硬質部材であることを要旨とする。
本発明によれば、内部に形成されて調温空気が流通する通路と、該通路に連通して一方の側に開口する第1通孔および発泡軟質部材に接する他方の側に開口して該通路に連通する第2通孔とを備えたインサート部材と、金型内で発泡して前記インサート部材と一体になる際に、前記第2通路に連通される第3通路が同時に形成される発泡軟質部材とからなる座席部材を簡単に製造することができる。
座席部材の内部に設けられるインサート部材の横断面図であって、中央に配風溝としての通路が設けられると共に、該通路に連通する第1通孔および第2通孔が夫々反対側に開口した状態を示している。 図1に示すインサート部材を構成する第1半体および第2半体を分離状態で示す横断側面図である。 本発明に係る座席部材の製造方法に使用する金型の横断面図であって、上型を開放させた状態で示している。 図3に示す金型の横断面図であって、上型を下型に向けて閉成している途中の状態を示している。 図3に示す金型の横断面図であって、上型を下型に対して閉成した状態を示している。 下型に突設した閉塞部材と、上型のキャビティにセットしたインサート部材の第2通孔との関係を概略的に示す拡大横断面図であって、(a)は図4に符号Aで示す円形部分を拡大したもので、インサート部材の第2通孔が、上型の閉成に伴い閉塞部材の頂部に設けた突出部に向けて接近しつつある状態を示している。(b)は図5に符号Bで示す円形部分を拡大したもので、金型が閉成して閉塞部材の頂部がインサート部材の第2通孔を閉塞していると共に、突出部が第2通孔中に挿入されている状態を示している。 下型に突設した閉塞部材と、上型のキャビティにセットしたインサート部材の第2通孔との関係を概略的に示す拡大横断面図であって、(a)はインサート部材の第2通孔が、上型の閉成に伴い閉塞部材の頂部に向けて接近しつつある状態を示し、(b)は金型が閉成して閉塞部材の頂部がインサート部材の第2通孔を閉塞している状態を示している。 本発明に係る製造方法により製造される座席部材の一部横断面図である。 図8に示す座席部材を各部材別に分離状態で示す一部横断面図である。 図13をA−A線で切断したものであって、配風溝を一体発泡成形した従来技術に係るクッションシートの概略横断面図である。 配風溝が裏側に一体形成されると共に、該配風溝を裏側から蓋材で蓋をした従来のクッションシートの概略横断面図である。 配風溝が表側に一体形成されると共に、該配風溝を表側から蓋材で蓋をした従来のクッションシートの概略横断面図である。 本発明の実施例に係る座席部材の意匠面を横断面で示す斜視図である。
次に、本発明に係る座席部材の製造方法の実施例を、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施例に係る製造方法により製造される座席部材は、前述したように、インサート部材としての発泡硬質部材に配風溝としての通路を形成しておりながら剛性を確保し、かつ該インサート部材にシートクッションとなる発泡軟質部材を一体的に発泡成形して得たものである。
図8に示した座席部材10を製造するには、図1および図2に示すインサート部材14を別の金型(図示せず)を使用して予め製造しておき、このインサート部材14を図3に示す金型35の上型30にセットした後に、図5に示す如く該金型35内で発泡軟質部材12の原料Uを発泡させることで、前記インサート部材14を該発泡軟質部材12で一体的に包み込んだ前記座席部材10が得られる。そこで、座席部材10を製造する工程を段階的に以下説明する。
図1は、前記座席部材10の一部を構成するインサート部材14の横断面を示すもので、該インサート部材14の内部には前記通路18、第1通孔20および第2通孔22が形成されている。また図2は、図1に示す前記インサート部材14を上下に分割した2つの半体として分離状態で示している。
すなわち前記インサート部材14は、図2に示すように、下方の第1半体26および上方の第2半体28の分割体からなる。前記インサート部材14の一方を構成する前記第1半体26は、適宜の個所に前記第1通孔20が形成されており、この第1通孔20は前記エアコンの調温空気の吹出口(図示せず)に接続される。また、前記インサート部材14の他方を構成する前記第2半体28には、前述した配風溝としての通路18が所要の長さで形成されていて、前記第1半体26と合体した際に、該通路18は閉成されるようになっている。なお、前記第1半体26に形成した第1通孔20は、前記第2半体28に第1半体26を重ね合わせて前記通路18の開放部を閉成したときに、該通路18に相互と連通するよう予め位置設定がなされている。また、前記第2半体28の上面(第1半体26により塞がれない側の面)には適宜数の前記第2通孔22が形成され、夫々の第2通孔22は前記通路18に連通している。従って、第1半体26と第2半体28とを合体させた後の前記インサート部材14には、その内部に前記通路18が画設されていると共に、図1において該インサート部材14の下面には前記第1通孔20が開口し、また上面には前記第2通孔22が開口していることになる。
すなわち、前述した調温空気を流通させる前記通路18および該通路18に夫々連通して前記インサート部材14の反対側(第1半体26と第2半体28)に開口する前記第1通孔20および第2通孔22は、図示しない別の各金型において、図2に示す前記第1半体26および第2半体28として発泡成形される。そして各金型で成形された前記第1半体26および第2半体28を、図1に示すように上下に積み重ねることで前記インサート部材14が得られる。なお、図2において、前記第2半体28の下底面には前記通路18が、第2通孔22から延設されて下方に向け開放している。従って、図1に示すように前記第2半体28の下底面を前記第1半体26で覆うことにより、前記通路18の開放部は該第1半体26により塞がれて完全な通路になる。この場合、前記第1半体26に開設した前記第1通孔20が前記第2半体28の前記通路18に連通するよう位置設定されていることは勿論である。
そして図8および図9に示すように、前記インサート部材14に一体発泡成形される前記発泡軟質部材12には、該インサート部材14に形成した前記第2通孔22と対応的に連通する第3通孔24が形成されている。従って、前記インサート部材14と発泡軟質部材12とを一体発泡成形して製造される前記座席部材10の着座面には、前記第3通孔24が多数存在していることになる。そして、前記座席部材10は通気性を有する前記表皮材23により被覆されるため、着座者に前記エアコンからの調温された空気が供給される。
先に図1および図2を参照して説明したように、前記第1半体26および第2半体28を合体させた前記インサート部材14の内部には、調温空気が流通する前記通路18および該通路18と連通して夫々反対方向に開口する前記第1通孔20および第2通孔22が形成されている。そこで、前記座席部材10を製造するには、前記インサート部材14に前記発泡軟質部材12の原料Uを発泡させることで得られた該発泡軟質部材12には、前記第2通孔22と連通する前記第3通孔24(図8参照)が同時に成形されている必要がある。しかも、前記インサート部材14には複数の前記第2通孔22が開設してあるので、前記発泡軟質部材12の原料Uが発泡する過程において、発泡途中の原料Uが該第2通孔22に侵入することがないようにする必要がある。
そこで本発明の実施例の製造方法では、図3〜図7に示す金型35を使用する。図3〜図5は、下型34および上型30からなる金型35を示す横断面であって、該上型30はヒンジ部29を介して該下型34に対し斜めに傾動開閉自在に軸支されている。この金型35は、キャビティに発泡軟質部材12の原料Uを温調した環境下で発泡させるものであるから、図示しないが前記下型34および上型30には発熱ヒータが内蔵される。金型閉成時には、キャビティ内の発泡軟質部材12の発泡内圧に抗うため、上下型34,30を締付け固定する鎖錠装置が設けられている。また前記下型34の内側に形成したキャビティ36および前記上型30の内側に形成したキャビティ32は、前記金型35により最終的に製造される前記座席部材10の外形を規定する凹凸形状になっている。なお、図3において、前記発泡軟質部材12の原料Uは、上下型30,34を開放した状態で注入してもよいし、上下型30,34を閉じた状態で、前記上型30に別途設けた注入孔(図示せず)を利用して注入してもよい。
そして、図3において前記上型30のキャビティ32には、前記別工程で成形済みの前記インサート部材14(図2)がセットされる。この際の前記インサート部材14のセット姿勢は、図1に示す該インサート部材14に設けた前記第1通孔20が前記上型30のキャビティ32側に指向すると共に、該インサート部材14に設けた前記第2通孔22が対応的に開口している前記下型34のキャビティ36に指向させてある。なお、前記インサート部材14が前記上型30のキャビティ32にセットされる面は、図3や図1では平坦に描かれているが、実際には前記インサート部材14のセット面は座席のパイプフレーム等の諸部材を収納するための凹凸による起伏に富んだものであるから、該上型30のキャビティ32にも前記凹凸に対応した凸凹が設けられている。このため、前記インサート部材14を前記上型30のキャビティ32にセットする際も、前記凹凸同士を嵌合させることで位置決めがなされると共に、容易に脱落しないようになっている。
また前記下型34のキャビティ36には、前記上型30のキャビティ32にセットした前記インサート部材14の第2通孔22に対応する数の閉塞部材38が上方へ突出するように設けられている。すなわち、前記閉塞部材38が前記下型34のキャビティ36に突設される数と位置は、図4および図5に示すように、前記上型30を前記下型34に向けて閉成した際に、該上型30のキャビティ32にセットした前記インサート部材14における所要数の前記第2通孔22が該閉塞部材38により塞がれるような位置関係に設定してある。
前記閉塞部材38の外周(外部輪郭形状)は、金型35における前記座席部材10の発泡成形が終了して脱型した場合に、前記発泡軟質部材12に形成される前記第3通孔24の内周(内部輪郭形状)に一致する寸法に設定してある。また、前記閉塞部材38には、図6に示すように突出部40を頂部に有するものと、図7に示すように前記突出部40を頂部に有さないものとがあり、必要に応じて両スタイルの何れかに突設されたり、両スタイルのものが混在的に突設される場合もある。そして、何れのスタイルの前記閉塞部材38であっても、該閉塞部材38の頂部38aは平坦であって、図5に示すように前記上型30を前記下型34に向けて閉成した際に、前記インサート部材14に形成した前記第2通孔22の開口部を完全に閉塞し得る面積に設定されている。
図7(a),(b)に示す前記閉塞部材38は、その頂部38aに何も形成されていない平坦面として形成されている。しかし図6(a),(b)に示す前記閉塞部材38は、その頂部38aに該閉塞部材38と同軸的に先細りの突出部40が設けられている。この突出部40は、図6(b)に示すように、前記金型35の上下型34,30を閉成した際に、前記インサート部材14に形成した対応の前記第2通孔22に圧着的に挿入される寸法に設定されている。なお、図6に示す前記閉塞部材38では、前記突出部40の外周に前記頂部38aが存在するようになっており、図6(b)に示すように、上下型34,30を閉成したときに前記閉塞部材38の頂部38aが前記インサート部材14における各対応の第2通孔22を完全に閉塞すると共に、該突出部40が該第2通孔22に挿入されることは勿論である。
図3〜図5に示した金型35を使用して座席部材10を製造するには、図3に示す上型30のキャビティ32に前記インサート部材14を前述した姿勢でセットする。また、開放状態にある下型34のキャビティ36には、前記発泡軟質部材12の原料Uを所要量供給しておく。そして図4に示すように前記上型30を閉じて行くと、前記インサート部材14に設けた前記第2通孔22は、前記下型34のキャビティ36に突設した各対応の前記閉塞部材38に接近する。そして最終的に図5に示す如く前記金型35を閉成すると、図6(b)に示すように前記閉塞部材38の頂部38aは前記インサート部材14の各対応の第2通孔22の開口をシールして閉塞する。従って、前記金型35内で発泡軟質部材12の原料Uが発泡しても、この原料Uの一部が前記第2通孔22の内部へ侵入することがない。また、図6(a)および(b)に示すように、前記閉塞部材38の頂部38aに設けた前記突出部40は、前記上型30の閉成に伴って前記第2通孔22へ先に侵入してガイドする役割を果たす。なお、図7(a)および(b)は、前記閉塞部材38の頂部38aに前記突出部40は形成されていないので、該頂部38aは前記第2通孔22の開口をシールして閉塞するだけの役割を果たす。
図5に示す閉成状態の金型35内で一定のキュアタイムを経ることで、図8に示す前記座席部材10が成形される(但し、表皮材23は設けてない)。次いで、前記上型30を開放して、前記下型34から前記座席部材10を取り出すと、該座席部材10の一部を構成する前記発泡軟質部材12には、前記閉塞部材38の外形輪郭に倣った内形輪郭を有する前記第3通孔24が形成されている。すなわち、前記第3通孔24は前記閉塞部材38を抜いた跡であると言い換えることができる。この第3通孔24は、前記インサート部材14に予め形成されている前記第2通孔22と連通することになるので、前記第1通孔20および通路18を経て供給される調温空気は、該第2通孔22および第3通孔24を介して前記座席部材10の着座面へ供給される。
10 座席部材,12 発泡軟質部材,14 インサート部材(発泡硬質部材),
18 通路,20 第1通孔,22 第2通孔,24 第3通孔,30 上型,
32 キャビティ,34 下型,36 キャビティ,38 閉塞部材,
38a 頂部,40 突出部

Claims (6)

  1. インサート部材の内部に空調用空気の通路を形成すると共に、該空調用空気の通路に連通して該インサート部材の上型キャビティ面に開口する第1通孔および該空調用空気の通路に連通して該インサート部材の下型キャビティ面に開口する第2通孔を形成する工程と、
    開放した上型のキャビティに前記インサート部材をセットして、前記第2通孔を対応する下型のキャビティに指向させる工程と、
    前記下型のキャビティに前記第2通孔の数に対応して突出するよう設けた閉塞部材が、上下型の閉成時に各対応の第2通孔を塞ぎ得る状態の下で、開放中の前記下型に発泡軟質部材の原料を供給する工程と、
    前記上型および下型を閉じて前記原料を発泡させることで、前記インサート部材における前記第2通孔が前記閉塞部材で塞がれた状態の下に該インサート部材と発泡軟質部材とを一体成形して座席部材を製造する工程とからなる
    ことを特徴とする座席部材の製造方法。
  2. 前記閉塞部材の外周は前記発泡軟質部材に形成されるべき第3通孔の内周に一致すると共に、該閉塞部材の頂部は前記上下型を閉成した際に、該インサート部材に形成されている前記第2通孔を閉塞し得る面積に設定されている請求項1記載の座席部材の製造方法。
  3. 前記閉塞部材の頂部には先細りの突出部が設けられ、前記上下型を閉成した際に該突出部は前記インサート部材に形成した前記第2通孔に圧着的に挿入されるようになっている請求項1または2記載の座席部材の製造方法。
  4. 前記下型のキャビティに設けられる前記閉塞部材は、その頂部に前記突出部を有する部材と、該突出部を有しない部材とが混在している請求項3記載の座席部材の製造方法。
  5. 前記閉成した上下型の内部で前記発泡軟質部材をインサート部材に一体成形した後に、上下型を開放して前記座席部材を脱型することで、前記発泡軟質部材には前記閉塞部材の外形に倣った内形の第3通孔が形成され、この第3通孔は前記インサート部材に形成されている前記第2通孔と連通している請求項1乃至4の何れか一項に記載の座席部材の製造方法。
  6. 前記インサート部材は発泡硬質部材である請求項1乃至5の何れか一項に記載の座席部材の製造方法。
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