JP2017537331A - ビタミンdの測定法 - Google Patents

ビタミンdの測定法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017537331A
JP2017537331A JP2017548331A JP2017548331A JP2017537331A JP 2017537331 A JP2017537331 A JP 2017537331A JP 2017548331 A JP2017548331 A JP 2017548331A JP 2017548331 A JP2017548331 A JP 2017548331A JP 2017537331 A JP2017537331 A JP 2017537331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxyvitamin
vitamin
dihydroxyvitamin
binding
binding agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017548331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6602884B2 (ja
Inventor
ファーツ,エルケ
ゲルク,ミハエル
ヨーゼル,ハンス−ペーター
フォーグル,クリスティアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2017537331A publication Critical patent/JP2017537331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6602884B2 publication Critical patent/JP6602884B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/536Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase
    • G01N33/537Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase with separation of immune complex from unbound antigen or antibody
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/26Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against hormones ; against hormone releasing or inhibiting factors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/536Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase
    • G01N33/537Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase with separation of immune complex from unbound antigen or antibody
    • G01N33/539Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase with separation of immune complex from unbound antigen or antibody involving precipitating reagent, e.g. ammonium sulfate
    • G01N33/541Double or second antibody, i.e. precipitating antibody
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/82Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving vitamins or their receptors

Abstract

本発明は、25−ヒドロキシビタミンDのin vitro測定法であって、潜在的に干渉性である化合物、24,25−ジヒドロキシビタミンD3を、24,25−ジヒドロキシビタミンD3に特異的に結合し、そして25−ヒドロキシビタミンDに結合しない結合剤によってブロッキングする、前記方法に関する。

Description

本発明は、25−ヒドロキシビタミンDの測定のためのin vitro法に関し、ここで潜在的干渉化合物である24,25−ジヒドロキシビタミンDを、24,25−ジヒドロキシビタミンDに特異的に結合し、そして25−ヒドロキシビタミンDに結合しない結合剤によってブロッキングする。
背景情報
ビタミンDの適切な供給は、用語「ビタミン」がすでに示唆するように、生命維持に必要である。ビタミンD欠損は、くる病または骨粗鬆症などの深刻な疾患を導く。ビタミンDは、前世紀の初めには、まだ、単一の物質と見なされていたが、ビタミンD系は、ここ数十年のうちに、ビタミンD代謝物の複雑でそして多様なネットワークに変化してきた。現在、40を超える異なるビタミンD代謝産物が知られている(Zerwekh, J.E., Ann. Clin. Biochem. 51(2004)272−281)。
ヒトは、皮膚に対する日光由来の紫外線の作用によってしか、Dビタミンまたはカルシフェロールを産生できない。血中で、ビタミンDは、いわゆるビタミンD結合タンパク質に結合し、そして肝臓に輸送されて、25−ヒドロキシル化によって、25−ヒドロキシビタミンDに変換される。すでに言及した2つの臓器である皮膚および肝臓に加えて、現在では、複数の他の組織が、ビタミンD代謝に関与することが知られる(Schmidt−Gayk, H.ら(監修), “Calcium regulating hormones, vitamin D metabolites and cyclic AMP”, Springer Verlag, Heidelberg (1990) pp. 24−47)。25−ヒドロキシビタミンD、そしてより具体的には、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDは、その量に関して、ヒト生物におけるビタミンDの中心的な保存型である。必要な場合、これらの前駆体を腎臓において変換させて、生物学的に活性である1α,25−ジヒドロキシビタミンD、いわゆるDホルモンを形成することも可能である。生物学的活性ビタミンDは、とりわけ、腸からのカルシウム取り込み、骨ミネラル化を制御し、そして非常に多数の他の代謝経路、例えばインスリン系などに影響を及ぼす。
ビタミンDレベル自体の測定は、被験体または患者のビタミンD状態を決定する際にほとんど有益ではなく、これは、ビタミンD(ビタミンDおよびビタミンD)の濃度が、食品摂取または日光への曝露に応じて大きく変動するためである。さらに、ビタミンDは、循環中(24時間)、比較的短い生物学的半減期を有し、そしてまたこのため、患者のビタミンD状態を決定するために適切なパラメータではない。同じことが、ビタミンDの生理学的活性型(1,25−ジヒドロキシビタミンD)にも当てはまる。これらの生物学的活性型はまた、25−ヒドロキシビタミンDに比較して、比較的少量で、そして非常に増減する濃度で存在する。これらの理由すべてのため、特に、25−ヒドロキシビタミンDの定量化は、被験体または患者の総ビタミンD状態を全体的に分析するために適切な手段である。
25−ヒドロキシビタミンDのようなビタミンD代謝物は、ビタミンD結合タンパク質に高アフィニティで結合し、そしてまた、限定される度合いでアルブミンおよびいくつかのリポタンパク質にも結合する。ビタミンD結合タンパク質からビタミンD代謝物を放出させるのに適した方法は、通常の状況下で、任意の他のタンパク質からもまた、ビタミンD代謝物を放出させるために十分に適切であろう。
25−ヒドロキシビタミンDまたは他のビタミンD化合物のビタミンD結合タンパク質への結合は、ビタミンD化合物の決定を非常に複雑にする。すべての既知の方法は、分析されるビタミンD化合物がビタミンD結合タンパク質と形成する複合体から放出されるかまたは脱離していることを必要とする。以下で、これは、単純化のため、ビタミンD結合タンパク質からのビタミンD化合物の放出と称されるが、もちろん、これは、ビタミンD化合物およびビタミンD結合タンパク質の複合体からのみ放出可能であり、そしてビタミンD結合タンパク質のみからではない。
ビタミンD結合タンパク質は、酸性pHではアンフォールディングするが、pHが中性条件にシフトバックすると、正しく再フォールディングし、そして分析物に再結合する高い傾向を有する。したがって、ビタミンD結合タンパク質からビタミンD化合物をまず放出させ、そして次いで、ビタミンD結合タンパク質を、分析しようとするビタミンD化合物から分離することがしばしば必要である。
25−ヒドロキシビタミンDは臨床的に非常に重要であるため、25−ヒドロキシビタミンDが多かれ少なかれ信頼性を持って決定されることを可能にする多くの方法が文献から知られる。
例えば、Haddad, J.G.ら, J. Clin. Endocrinol. Metab. 33 (1971)992−995、およびEisman, J.A.ら, Anal. Biochem. 80 (1977)298−305は、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いた、血液試料中の25−ヒドロキシビタミンD濃度決定を記載する。
25−ヒドロキシビタミンD決定のための他のアプローチは、とりわけ、ミルク中に存在するものなどのビタミンD結合タンパク質の使用に基づく。したがって、Holick, M.F.およびRay, R.(US 5,981,779)、ならびにDeLucaら(EP 0 583 945)は、ヒドロキシビタミンDおよびジヒドロキシビタミンDに関するビタミンDアッセイであって、これらの物質のビタミンD結合タンパク質への結合に基づき、これらの物質の濃度を、競合試験法によって決定する、前記アッセイを記載する。しかし、この方法の前提条件は、決定しようとするビタミンD代謝物がまず、元来の血液または血漿試料から単離されなければならず、そして例えばクロマトグラフィによって精製されなければならないことである。
Armbruster, F.P.ら(WO 99/67211)は、ビタミンD決定のために、エタノール沈殿によって、血清または血漿試料を調製しなければならないと解説する。この方法において、タンパク質沈殿物は、遠心分離によって除去され、そしてエタノール性上清は可溶性のビタミンD代謝物を含有する。これらを競合結合アッセイにおいて測定可能である。
あるいは、EP 0 753 743は、過ヨウ素酸塩を用いて、血液または血清試料からタンパク質を分離可能であると解説する。この場合、ビタミンD化合物を、過ヨウ素酸で処理した試料由来のタンパク質フリーの上清において決定する。いくつかの商業的試験において、血清または血漿試料の抽出には、アセトニトリルが推奨される(例えばDiaSorinのラジオイムノアッセイにおいて、または「Immundiagnostik」社のビタミンD試験において)。
近年、原理的には、試料中に存在するいずれの結合タンパク質からもビタミンD化合物を放出させるために適しているはずのいくつかの異なる放出試薬が提唱された。しかし、この放出または脱離は、比較的穏やかな条件下で行わなわれ、したがって、結合試験において、放出試薬で処理した試料を直接使用することを可能にしなければならない(例えば、WO 02/57797およびUS 2004/0132104)。近年の非常な努力にもかかわらず、ビタミンDを決定するために利用可能なすべての方法は、労力を要する試料調製、不十分な標準化、試験法間の不十分な一致またはスパイク処理したビタミンDの回収不良のような欠点を有する(これに関しては、特に、Zerwekh, J.E、上記を参照されたい)。
US 7,087,395において、金属水酸化物、ならびにシクロデキストリンおよびその誘導体、および金属サリチル酸塩が、ビタミンD結合タンパク質からビタミンD化合物を放出させるために用いられ、これは、ビタミンD結合タンパク質または他の血清タンパク質の不可逆的な変性を生じる。Triton X100またはTween−20のような界面活性剤が、変性後、ビタミンD化合物が、試料中の脂質およびタンパク質に非特異的に付着することを防ぐために用いられてきている。
ビタミンD化合物に関する試験を自動化することは特に困難である。自動化のためには、非常に困難な問題を解決しなければならず、すなわち綱渡りを切り抜けなければならない:一方で、適切な放出試薬の助けをかりてビタミンD結合タンパク質からビタミンD化合物を放出する必要があり、他方で、試料がさらに直接分析可能であるような条件を選択しなければならない。この直接のさらなる分析の前提条件は、一方で、内因性ビタミンD結合タンパク質が、この分析中にビタミンD化合物に結合しないかまたは有意な度合いには結合せず、そしてしたがって、この分析に干渉せず、そしてもう一方で、用いる放出試薬が、検出試薬、例えば抗体、またはビタミンD結合タンパク質の結合に干渉しないことである。さらに、ヒトにおいては、生化学的に異なって振る舞うビタミンD結合タンパク質の異なるアレルが存在することが知られる。ビタミンD化合物の放出および測定は、多様なアレル/表現型に関して同等でなければならない。
近年(WO2011/144661)、適切な試薬処理を用いるビタミンDアッセイは、オンラインで、そして試料中に存在しうるいずれのビタミンD結合タンパク質も沈殿/分離せずに、実行可能である。この方法は、炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質、これらの総濃度は0.1M〜2.0Mである、還元剤、およびアルカリ化剤を含有するビタミンD放出試薬の使用に基づく。この放出試薬を用いることによって、いずれのビタミンD化合物もビタミンD結合タンパク質から放出され、一方、同時に、試料中に含まれるビタミンD結合タンパク質が不活性化され、そしてもはやビタミンDに結合しない。放出されたビタミンD化合物を適切な手段によって測定可能である。
生物学的試料において、互いに構造的に緊密に関連する、多くのビタミンD関連化合物が存在する。24,25−ジヒドロキシビタミンDは、ほぼすべての生物学的試料において、非常に有意な量で存在し、そして25−ヒドロキシビタミンDの測定に干渉する。その濃度は、試料中の25−ヒドロキシビタミンDの総量に、ならびに個体の臨床的背景に依存しており、異なる医学的背景を持つ患者コホート間の変動を導く。24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合し、そして25−ヒドロキシビタミンDに結合しない結合剤と試料をインキュベーションすることによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによって引き起こされる干渉が回避可能であることを示すことが可能であった。
発明の概要
1つの態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
c)(bb)において形成された複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための、本発明にしたがった方法の使用に関する。
本発明はさらに、1つの態様において、被験体から得た試料において、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための本発明にしたがったin vitro法における、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤の使用に関する。
さらなる態様にしたがって、本発明は、
a)モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤、および
b)ビタミンD結合タンパク質である、25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤
を少なくとも含む、本発明にしたがった方法を実行するためのキットに関する。
図1は、7{2−[2−(2−{(S)−3−[2−[(1R,7aR)−1−((R)−4,5−ジヒドロキシ−1,5−ジメチル−ヘキシル)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−(4E)−イリデン]−エト−(Z)−イリデン]−4−メチレン−シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−エチルカルバモイル}−ヘプタン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(酸のNHSエステル)の化学構造を示す。 図2は、試薬R1中に、ブロッキング剤(第一の結合剤)をそれぞれ含まないまたは含むElecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイを示す。25−ヒドロキシビタミンD(○、25(OH)D);24,25−ジヒドロキシビタミンD(●、24,25(OH)2D3)。図2aは、ブロッキング試薬(第一の結合剤)、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGを含まない結果を示す。 図2は、試薬R1中に、ブロッキング剤(第一の結合剤)をそれぞれ含まないまたは含むElecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイを示す。25−ヒドロキシビタミンD(○、25(OH)D);24,25−ジヒドロキシビタミンD(●、24,25(OH)2D3)。図2bは、干渉除去のため、ブロッキング試薬(第一の結合剤)、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgG(mAb<24,25(OH)2D3>)を含む結果を示す。 2つの異なる試料セットに関して、Elecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイおよびLC−MSビタミンD測定の間の相関を図3aおよび3bに示す。ブロッキング試薬なし(○、第一の結合剤を含まない)およびブロッキング試薬を含む(●、第一の結合剤を含む)。 2つの異なる試料セットに関して、Elecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイおよびLC−MSビタミンD測定の間の相関を図3aおよび3bに示す。ブロッキング試薬なし(○、第一の結合剤を含まない)およびブロッキング試薬を含む(●、第一の結合剤を含む)。
本発明は、25−ヒドロキシビタミンDに結合する結合剤の存在下で、25−ヒドロキシビタミンDの総量および/または濃度を決定するための方法、ならびにそれに関連するキット、組成物および使用に関する。
1つの態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
c)(bb)において形成された複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
冠詞「a」および「an」は、本明細書において、1または1より多い(すなわち少なくとも1つの)冠詞の文法的目的語を指すために用いられる。
表現「1またはそれより多く」は、1〜50、好ましくは1〜20、やはり好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、または15を示す。
用語「検出」は、分析物の量および/または濃度を決定するための、試料における分析物の定性的または定量的検出、本明細書において、25−ヒドロキシビタミンDなどの分析物の測定を指す。「検出」には、直接および間接的検出を含む、検出の任意の手段が含まれる。
用語「決定する」は、本明細書において、試料における分析物の定性的および定量的検出の両方に関して用いられ、そしてこれには、分析物の量および/または濃度の決定が含まれうる。該用語はまた、物理的パラメータに基づく、分析物の同定および/または任意の特徴付けも含む。
別に言及されない限り、用語「25−ヒドロキシビタミンD」または「ビタミンD化合物」は、以下の構造式IおよびIIにしたがう、ビタミンDの骨格、またはビタミンDの骨格を含有する、すべての天然に存在する化合物を含むと理解されるものとする。
式I
Figure 2017537331
式II
Figure 2017537331
構造式IおよびIIにおいて、ビタミンDの位は、ステロイド命名法にしたがって言及される。25−ヒドロキシビタミンDは、構造式IおよびIIの25位でヒドロキシル化されているビタミンD代謝物、すなわち25−ヒドロキシビタミンDならびに25−ヒドロキシビタミンDを示す。さらなる既知のヒドロキシビタミンD化合物は、例えば1,25−ジヒドロキシビタミンDおよび24,25−ジヒドロキシビタミンD型である。
1,25−ジヒドロキシビタミンDは、構造式IおよびIIの1位ならびに25位にヒドロキシル化を有するビタミンDの活性型(いわゆるDホルモン)を指す。
他の周知のビタミンD化合物は、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよび3−エピ−25−ジヒドロキシビタミンDである。
本発明にしたがった1つの態様において、25−ヒドロキシビタミンDは、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよび3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDからなる群より選択される。好ましい態様において、25−ヒドロキシビタミンDは、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDからなる群より選択される。
24,25−ジヒドロキシビタミンDは、ほぼすべての生物学的試料にかなり大量に存在し、そして25−ヒドロキシビタミンDの測定に干渉する。その濃度は、試料中の25−ヒドロキシビタミンDの総量、ならびに個体の臨床的バックグラウンドに依存し、異なる医学的バックグラウンドを持つ患者コホート間の変動を導く。24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合し、そして25−ヒドロキシビタミンDに結合しない結合剤と、試料をインキュベーションすることによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによって引き起こされる干渉を回避可能であることが示されることが可能であった。
別に言及しない限り、用語「24,25−ジヒドロキシビタミンD」は、ビタミンDの骨格、ならびに以下の構造式IIIにしたがって、炭素原子24および25に、それぞれOH基を含有する、すべての天然に存在する化合物を含むと理解されるものとする。本発明にしたがった態様において、24,25−ジヒドロキシビタミンDは、24,25−ジヒドロキシビタミンD(24(R),25−(OH))である。
式III
Figure 2017537331
分析物(例えば25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD)を含む試料は、液体、ゲルまたは液化可能組成物、好ましくは液体であってもよい。こうした液体は、溶液、懸濁物またはエマルジョンであってもよい。特に、試料は、生物学的試料、特にヒトまたは動物から得られる体性試料、あるいはその混合物である。こうした体性試料を、被験体から回収した後、直接用いてもよいし、または意図する時点で本発明の方法を実行するために、適切な条件下で、例えば凍結によって保存してもよい。特に、被験体を比較するかまたは療法を監視するため、多様な被験体および/または異なる時点に由来する試料を測定してもよい。体性試料の回収は、試料に応じて、当業者によって実行可能である。好ましい態様において、試料は、血液、血清または血漿である。さらにさらなる態様において、試料は血液または血清である。こうした場合、血液を被験体から採取する。当該技術分野に知られる方法によって血液から血清を得ることも可能である。同様に、他の体性試料は、例えば尿を収集することによって、または生検を採取することによって、そして必要であれば試料をさらに処理することによって、得てもよい。
上述のように、試料は、それぞれ、分析物25−ヒドロキシビタミンDおよび24,25−ジヒドロキシビタミンDを含む。
「結合対メンバー」は、結合対(「bp」)のメンバーを指し、これは、分子の1つが、第二の分子と、化学的または物理的手段を通じて結合する、2つの異なる分子を意味する。抗原および抗体結合対メンバーに加えて、他の結合対には、限定なしの例として、ビオチンおよびアビジン、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプチド配列、エフェクターおよび受容体分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤および酵素、ペプチド配列または化学部分(例えばジゴキシン/抗ジゴキシン)および該配列、化学部分または全タンパク質に特異的な抗体、ポリマー性酸および塩基、色素および対応するタンパク質結合剤、ペプチドおよび特異的タンパク質結合剤(例えばリボヌクレアーゼ、S−ペプチドおよびリボヌクレアーゼS−タンパク質)、金属およびそのキレ−ター、アプタマー等が含まれる。さらに、結合対には、元来の結合メンバーの類似体、例えば分析物類似体、または例えば組換え技術または分子操作によって作製される、元来の結合対メンバーに類似であり、そして同じ結合特性を有する結合メンバーが含まれうる。
結合パートナーメンバーは、これらの両方が結合対の相補的メンバーへの結合と同じ方式で結合可能であるならば、結合対メンバーと類似である。こうした結合対メンバーは、例えば標識リガンドまたは標識受容体を提供するための基によって、少なくとも1つの水素原子が置換されることによって修飾されている、例えばリガンドまたは受容体のいずれかであってもよい。結合対メンバーは、分析物に、または分析物に相補的である結合対メンバーに、類似であってもよい。
「結合剤」は、結合対のもう一方のメンバー、対応するターゲット分子、例えば24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する、結合対(「bp」)のメンバーである。結合剤のアフィニティ(K)は、対応するターゲット分子に対して、10−7mol/Lである。結合剤は、好ましくは、10−8mol/Lのアフィニティを有する。さらに好ましい結合剤は、そのターゲット分子に対して、10−9mol/Lのアフィニティを有する。さらにより好ましくは、結合剤は、そのターゲット分子に対して、10−10mol/Lのアフィニティを有する。
当業者が認識するであろうように、用語、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する「第一の結合剤」は、試料中に存在する他の生体分子が、24,25−ジヒドロキシビタミンDに特異的な結合剤に有意には結合しないことを示すよう用いられる。好ましくは、ターゲット分子以外の生体分子に対する特異的結合剤の結合レベルは、ターゲット分子に対するアフィニティの、それぞれ、わずか10%またはそれ未満、好ましくはわずか5%またはそれ未満の結合アフィニティを生じる。24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する好ましい第一の結合剤は、アフィニティに関する、ならびに特異性に関する、上記の最低限の基準のどちらも満たすであろう。
本発明にしたがった「第一の結合剤」は、1つの態様において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および合成抗体(プラスチック抗体)からなる群より選択され、それぞれ、好ましくはモノクローナル抗体または合成抗体であり、さらに好ましくはモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である。第一の結合剤は、1つの態様において、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合し、さらに好ましくは、第一の結合剤は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する。好ましくは、抗体は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合するモノクローナル抗体である。さらに好ましくは、抗体は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合するプラスチック抗体である。
「プラスチック抗体」は、本発明にしたがって、抗体様機能を持つ合成ポリマーナノ粒子である(Hoshino, Y.ら, J. Mater. Chem., 2011, 21, 3517−3521)。本発明にしたがったプラスチック抗体は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに特異的に結合し、そしてこれを中和することが可能である。
本発明にしたがった「第二の結合剤」は、1つの態様において、ビタミンD結合タンパク質(VitD−BP)、あるいは25−ヒドロキシビタミンDに結合する抗体または該抗体の機能的活性部分である。さらに好ましくは、第二の結合剤は、ビタミンD結合タンパク質であり、好ましくは組換えビタミンD結合タンパク質である。さらにさらなる態様において、第二の結合剤は、ビタミンD結合タンパク質の機能的活性部分、好ましくはビタミンD結合タンパク質のドメインIである。
本発明の例において、抗体mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGは、第一の結合剤として成功裡に用いられた。好ましい態様において、第一の結合剤は、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGである。
天然に存在する抗体は、基本構造を共有する、免疫グロブリンとしても知られる球状血漿タンパク質である(〜150kDa(http://en.wikipedia.org/wiki/Dalton_unit))。これらはアミノ酸残基に付加された糖鎖を有するため、糖タンパク質である。各抗体の基本機能単位は、免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含有する)であり;分泌抗体はまた、IgAのように2つのIg単位を持つ二量体、硬骨魚IgMのように4つのIg単位を持つ四量体、または哺乳動物IgMのように5つのIg単位を持つ五量体であることも可能である。本発明において、適切な形式の例には、天然に存在する抗体の形式が含まれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMとして知られる抗体アイソタイプが含まれる。
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖からなる「Y」型分子であり;2つの同一の重鎖および2つの同一の軽鎖が、システイン残基間のジスルフィド結合によって連結される。各重鎖は、長さ約440アミノ酸であり;各軽鎖は、長さ約220アミノ酸である。重鎖および軽鎖は各々、そのフォールディングを安定化させる鎖間ジスルフィド結合を含有する。各鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインで構成される。これらのドメインは、約70〜110アミノ酸を含有し、そしてそのサイズおよび機能にしたがって、異なるカテゴリーに分類される(例えば可変またはV、および定常またはC)。これらは特徴的な免疫グロブリンフォールドを有する、そこでは、保存されるシステインおよび他の荷電アミノ酸間の相互作用によって共に保持される「サンドイッチ」形状を、2つのベータシートが作り出す。
α、δ、ε、γ、およびμによって示される哺乳動物Ig重鎖の5つのタイプがある。存在する重鎖のタイプは、抗体のアイソタイプを定義する;IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM抗体には、それぞれ、これらの鎖が見出される。
別個の重鎖は、サイズおよび組成が異なる;αおよびγは、およそ450アミノ酸を含有し、そしてδはおよそ500アミノ酸を含有する一方、μおよびεはおよそ550アミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、定常領域(CH)および可変領域(VH)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体において同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、αおよびδは、3つのタンデムIgドメインで構成される定常領域、および与えられる柔軟性のためのヒンジ領域を有し;重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリンドメインで構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生される抗体で異なるが、単一のB細胞またはB細胞クローンによって産生されるすべての抗体に関しては同じである。各重鎖の可変領域は、長さおよそ110アミノ酸であり、そして単一のIgドメインで構成される。
哺乳動物においては、λおよびκによって示される2つのタイプの免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は、2つの連続ドメイン:1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおよその長さは、211〜217アミノ酸である。各抗体は、常に同一である2つの軽鎖を含有し;哺乳動物においては、抗体あたり1つのみのタイプの軽鎖、κまたはλが存在する。軽鎖の他のタイプ、例えばι鎖は、より低次の脊椎動物、軟骨魚類および硬骨魚類に見られる。
天然に存在する抗体に加えて、抗体断片を含む人工的抗体形式が開発されてきている。これらのいくつかを以下に記載する。
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似するが、所定の抗体のユニークな特性は、上述のような可変(V)領域によって決定される。より具体的には、可変ループ、各軽鎖(VL)の3つおよび重鎖(VH)上の3つが、抗原への結合に関わる、すなわち抗原特異性に関わる。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と称される。VHおよびVLドメイン両方に由来するCDRが抗原結合部位に寄与するため、最終的な抗原特異性を決定するのは、重鎖および軽鎖の組み合わせであり、そしてどちらか一方ではない。
したがって、用語「抗体」は、本明細書において、天然に存在する抗体に構造的類似性を有し、そしてそれぞれのターゲットに対して特異的に結合可能である、任意のポリペプチドを意味し、結合特異性はCDRによって決定される。したがって、「抗体」は、それぞれのターゲットに結合する、免疫グロブリン由来構造に関するように意図される、限定されるわけではないが、全長または全抗体、抗原結合断片(物理的にまたは概念的に、抗体構造に由来する断片)、前述のいずれかの誘導体、キメラ分子、前述のいずれかと別のポリペプチドの融合体、あるいはそれぞれのターゲットに選択的に結合する任意の代替構造/組成物が含まれる。抗体またはその機能的活性部分は、少なくとも1つの抗原結合性断片を含む、任意のポリペプチドであってもよい。抗原結合性断片は、両方のドメインがともに、特異的抗原に結合可能である方式で配置された、少なくとも重鎖の可変ドメインおよび軽鎖の可変ドメインからなる。「それぞれのターゲット」は、捕捉分子、結合分子および検出分子の場合には分析物であり、そして好ましい捕捉分子としての抗イディオタイプ抗体の場合には結合分子である。
「全長」または「完全」抗体は、ジスルフィド結合によって相互連結された2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含み;(1)重鎖に関しては、可変領域、ならびに3つのドメインCH1、CH2およびCH3を含む重鎖定常領域;ならびに(2)軽鎖に関しては、軽鎖可変領域、および1つのドメインCLを含む軽鎖定常領域を含む、タンパク質を指す。用語「完全抗体」に関しては、天然に存在する抗体の典型的な全体ドメイン構造を有し(すなわち3または4の定常ドメインの重鎖および1つの定常ドメインの軽鎖ならびにそれぞれの可変ドメインを含む)、各ドメインは、突然変異、欠失、または挿入のような、全体のドメイン構造を変化させないさらなる修飾を含んでもよい。
「抗体の機能的活性部分」または「抗体断片」はまた、上に定義するような少なくとも1つの抗原結合性断片を含有し、そして機能的活性部分(または断片)が由来する完全抗体と本質的に同じ機能および結合特異性を示す。パパインでの限定タンパク質分解的消化は、Igプロトタイプを3つの断片に切断する。各々、1つの全L鎖およびほぼ半分のH鎖を含有する2つの同一のアミノ末端断片は、抗原結合性断片(Fab)である。サイズが同様であるが、両方の重鎖のカルボキシル末端側の半分を含有し、鎖間ジスルフィド結合を有する、第三の断片は、結晶化可能断片(Fc)である。Fcは、炭水化物、補体結合性、およびFcR結合性部位を含有する。限定ペプシン消化は、両方のFab片、およびH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域を含有する、単一のF(ab’)2断片を生じる。F(ab’)2は、抗原結合に関して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断可能である。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域をともに融合させて、一本鎖可変断片(scFv)を形成することも可能である。
完全サイズの抗体の第一世代は、いくつかの問題を提示したため、第二世代抗体の多くは、抗体の断片のみを含む。可変ドメイン(Fv)は、1つのVLおよび1つのVHからなる損なわれていない(インタクト)抗原結合ドメインを含む最小断片である。結合ドメインしか含まないこうした断片は、酵素的アプローチまたは関連遺伝子断片の例えば細菌および真核細胞における発現によって生成できる。異なるアプローチ、例えばFv断片のみ、またはFvに加えて第一の定常ドメインを含む「Y」の上部アームの1つを含む’Fab’断片を用いてもよい。これらの断片は、通常、2つの鎖間にポリペプチド連結を導入することによって安定化され、一本鎖Fv(scFv)の産生を生じる。あるいは、ジスルフィド連結Fv(dsFv)断片を用いてもよい。断片の結合ドメインは、任意の定常ドメインと組み合わせて全長抗体を生産してもよいし、または他のタンパク質およびポリペプチドと融合させてもよい。
組換え抗体断片は、一本鎖Fv(scFv)断片であり、これは、本発明にしたがった抗体の好ましい機能的活性部分である。一般的に、該断片は、その抗原に高いアフィニティを有し、そして多様な宿主において発現可能である。これらおよび他の特性によって、scFv断片は、医学において適用可能であるだけでなく、バイオテクノロジー適用にも潜在能力を有する。上に詳述するように、scFv断片において、VHおよびVLドメインを親水性および柔軟性ペプチドリンカーで連結し、これによって、発現およびフォールディング効率が改善される。通常、約15アミノ酸のリンカーを用い、このうち、(Gly4Ser)3リンカーが最も頻繁に用いられてきている。scFv分子は、用いるリンカーに応じて、タンパク質分解的に容易に分解されうる。遺伝子操作技術の発展とともに、これらの限界は、機能および安定性の改善に焦点を置いた研究によって実質的に克服可能であった。例は、VH−VL二量体が鎖間ジスルフィド結合によって安定化される、ジスルフィド安定化(またはジスルフィド連結)Fv断片の生成である。システインがVLおよびVHドメインのインターフェースに導入され、ジスルフィド架橋を形成し、これが2つのドメインをともに保持する。
scFvの解離は、単量体scFvを生じ、これは二量体(ディアボディ)、三量体(トリアボディ)またはより大きい凝集体、例えばTandAbおよびフレキシボディに複合体化可能であり、これらもまた、本発明にしたがった抗体の機能的活性部分に相当する。
2つの結合ドメインを有する抗体を、単純なポリペプチド連結での2つのscFvの結合を通じて(scFv)2、または2つの単量体の二量体化を通じて(ディアボディ)のいずれかで生成可能である。最も単純な設計は、同じか、類似であるか(二価ディアボディ)または別個の抗原に対する特異性を有する(二重特異性ディアボディ)か、いずれであってもよい、2つの機能的抗原結合ドメインを有するディアボディである。これらの二重特異性抗体は、例えば、ターゲット細胞への新規エフェクター機能(例えば細胞傷害性T細胞)の補充を可能にし、これによって、これらは医学における適用のために非常に有用になりうる。
また、重鎖の4つの可変ドメインおよび軽鎖の4つの可変ドメインを含む抗体形式が開発されてきている。これらの例には、四価二重特異性抗体(TandAbおよびフレキシボディ、Affimed Therapeutics AG、ドイツ・ハイデルベルグ)が含まれる。二重特異性ディアボディとは対照的に、二重特異性TandAbは、1つのポリペプチドのみからなるホモ二量体である。2つの異なる鎖のため、ディアボディは、3つの異なる二量体を構築しうるが、このうち1つしか機能しない。したがって、この均一な産物を産生し、そして精製するほうが、より単純であり、そしてより安価である。さらに、TandAbは、通常、より優れた結合特性(2倍の結合部位数を所持する)およびin vivoでの増加した安定性を示す。フレキシボディは、scFvとディアボディ多量体モチーフの組み合わせであり、細胞表面上の各々まったく離れた2つの分子を連結するために、高い度合いの柔軟性を持つ多価分子を生じる。2より多い機能的抗原結合ドメインが存在し、そしてこれらが別個の抗原に対する特異性を有する場合、抗体は多重特異性である。
要約すると、抗体またはその機能的活性部分に相当する特異的免疫グロブリンタイプには、限定されるわけではないが、以下の抗体が含まれる:Fab(可変軽鎖(VL)、可変重鎖(VH)、定常軽鎖(CL)および定常重鎖1(CH1)ドメインを含む一価断片)、F(ab’)2(ヒンジ領域でジスルフィド架橋または代替によって連結された2つのFab断片を含む二価断片)、Fv(VLおよびVHドメイン)、scFv(VLおよびVHがリンカー、例えばペプチドリンカーによって連結されている一本鎖Fv)、二重特異性抗体分子(本明細書に記載するような特異性を持つ抗体分子であって、限定なしに、別のペプチドまたはタンパク質、例えば抗体または受容体リガンドを含む、該抗体とは異なる結合特異性を有する第二の機能部分に連結された、前記抗体分子)、二重特異性一本鎖Fv二量体、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ(CH3に連結されたscFv)。
限定されるわけではないが、Fv、scFv、ディアボディ分子またはドメイン抗体(Domantis)を含む、特定の抗体分子またはその機能的活性部分を、ジスルフィド架橋を取り込んでVHおよびVLドメインを一列に並べることによって、安定化させることも可能である。慣用的技術、化学的産生またはハイブリッドハイブリドーマからの産生を含む特定の方法、ならびに限定されるわけではないが、BiTETM技術(ペプチドリンカーを含む、異なる特異性の抗原結合領域を所持する分子)および穴内ノブ(knobs−into−holes)操作を含む他の技術を用いて、二重特異性抗体を産生することも可能である。
したがって、抗体分子またはその機能的活性部分は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、(scFv)2、二価抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディまたはミニボディであってもよい。
別の好ましい態様において、抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。モノクローナル抗体は、すべて単一の親細胞のクローンである1つのタイプの免疫細胞によって産生されるため、同一である単一特異性抗体である。キメラ抗体は、免疫原性を減少させるために、1つの種の免疫グロブリンの少なくとも1つの領域が、別の種の免疫グロブリンの別の領域に融合されている抗体である。例えば、ネズミVLおよびVH領域を、ヒト免疫グロブリンの残りの部分に融合させてもよい。特定のタイプのキメラ抗体はヒト化抗体である。ヒト化抗体は、非ヒト抗体のCDRをコードするDNAを、ヒト抗体産生DNAに融合させることによって産生される。次いで、生じたDNA構築物を用いて、CDRのみが非ヒトであるため、通常、非ヒト非経口抗体またはキメラ抗体ほどは免疫原性でない抗体を発現し、そして産生することも可能である。
本発明の好ましい態様において、本発明の方法において用いる抗体分子またはその機能的活性部分は、ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメイン、およびヒトIgA定常ドメインからなる群より選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。
本発明の抗体の文脈で上に詳述したように、天然に存在する抗体の各重鎖は、2つの領域、定常領域および可変領域を有する。哺乳動物免疫グロブリン重鎖の5つのタイプ:γ、δ、α、μ、およびεがあり、これらは、それぞれ、免疫グロブリンIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEのクラスを定義する。
ヒトにおいては4つのIgGサブクラス(IgG1、2、3および4)があり、これらは血清中の存在量にしたがって名付けられている(IgG1が最も豊富である)。IgGサブクラスのFc領域間には、約95%の類似性があるが、ヒンジ領域の構造は比較的異なる。Fabアーム(断片抗原結合)ならびに両方の重鎖の2つのカルボキシ末端ドメインCH2およびCH3の間のこの領域が、分子の柔軟性を決定する。上部ヒンジ(アミノ末端寄り)セグメントは、Fabアーム間の角度の可変性(Fab−Fab柔軟性)ならびに各個々のFabの回転柔軟性を可能にする。下部ヒンジ領域(カルボキシ末端寄り)の柔軟性は、Fc領域に対するFabアームの位置を直接決定する(Fab−Fc柔軟性)。ヒンジ依存性Fab−FabおよびFab−Fc柔軟性は、補体活性化およびFc受容体結合などのさらなるエフェクター機能を誘発する際に重要でありうる。したがって、ヒンジ領域の構造は、4つのIgGクラス各々に、そのユニークな生物学的プロファイルを与える。
ヒンジ領域の長さおよび柔軟性は、IgGサブクラス間で多様である。IgG1のヒンジ領域は、アミノ酸216〜231を含み、そして非常に柔軟であるため、Fab断片は、対称軸の周りを回転し、そして2つの重鎖間ジスルフィド架橋の最初のものを中心にした球内を移動することが可能である。IgG2は、IgG1より短いヒンジを有し、12アミノ酸残基および4つのジスルフィド架橋を有する。IgG2のヒンジ領域はグリシン残基を欠き、比較的短く、そして追加の重鎖間ジスルフィド架橋によって安定化される、固いポリプロリン二重らせんを含有する。これらの特性は、IgG2分子の柔軟性を制限する。IgG3は、ユニークな伸長ヒンジ領域(IgG1ヒンジより約4倍長い)によって他のサブクラスとは異なり、62アミノ酸(21プロリンおよび11システインを含む)を含有し、柔軟性のないポリプロリン二重らせんを形成する。IgG3において、Fab断片は、Fc断片から比較的離れており、分子により高い柔軟性を与える。IgG3の長いヒンジはまた、他のサブクラスに比較してより高いその分子量に関係する。IgG4のヒンジ領域はIgG1のものより短く、そしてその柔軟性は、IgG1およびIgG2のものの中間である。
ビタミンD結合タンパク質を第二の結合剤として用いる場合、このインキュベーション工程中のpHは、1つの態様において、好ましくは、pH6.0〜pH9.0の間で選択される。
1つの態様において、第二の結合剤として、25−ヒドロキシビタミンDに結合する抗体を用いる場合、このインキュベーション工程中のpHは、pH5〜pH8の間であり、好ましくは、このインキュベーション工程中のpHは、pH5.5〜pH7.5の間であろう。
特定の態様にしたがって、第一の結合剤は、モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして第二の結合剤は、ビタミンD結合タンパク質または該ビタミンD結合タンパク質の機能的活性部分である。
さらなる態様において、第一の結合剤は、モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして第二の結合剤は、モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である。
やはりさらなる態様において、第一の結合剤は、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして第二の結合剤は、mAb<25−ヒドロキシビタミンD>または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である。
本発明にしたがった1つの態様において、結合剤は、固定のための手段を所持し、そして固定に使用可能である。固定のための手段は、支持体、好ましくは固体支持体への、共有または非共有的結合を可能にしうる。
用語「固体支持体」または「固相」は、不均一な反応によって、液相中の試薬と相互作用する固相中の材料を指す。固体支持体の使用は、化学、生化学、薬学および分子生物学の分野において周知である。解決しようとする技術的問題に応じて、多くのタイプの固体支持体が開発されてきている。本発明の背景において、これらのうちのいずれを用いてもよい。例えば、本発明の方法において用いられる固体支持体には、シリカ、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、またはフッ化ポリビニリデン、あるいはその組み合わせの構成要素が含まれることも可能である。さらに適切な固体支持体には、限定されるわけではないが、調節孔ガラス、ガラスプレートまたはスライド、ポリスチレン、および活性化デキストランが含まれる。他の側面において、合成有機ポリマー、例えばポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、およびポリスチレンもまた、例示的な支持体表面である。さらに、多糖、例えばセルロースおよびデキストランが支持体表面をさらに例示する例である。他の支持体表面、例えば繊維もまた操作可能である。
例えばコンビナトリアルまたはタンパク質化学において用いられる一般的な樹脂支持体には、ポリスチレン樹脂、例えばジビニルベンゼンで架橋したもの;ヒドロキシメチルポリスチレン;アミノメチルポリスチレン;TentaGl樹脂(TG)およびArgoGel(AG):ポリスチレン/DVB−ポリ(エチレングリコール)グラフトコポリマー(PS−PEG)−Bayer;Crowns/Pins(CP)(放射グラフトポリエチレン/ポリプロピレン支持体);Kieselguhr/ポリアクリルアミドに基づく樹脂(KPA);調節孔ガラス;PEGA−ポリ(エチレングリコール)/ジメチルアクリルアミドコポリマーが含まれる。
実体または支持体の、結合剤、例えばタンパク質または抗体への共有カップリングを可能にする官能基を含むよう修飾されたかまたは活性化された固体支持体を用いて、固体支持体への固定を達成することも可能である。典型的には、脂肪族リンカーアームを使用する。結合剤、特にタンパク質または抗体を、例えばイオン性または疎水性機構を通じて、表面に非共有的に付着させることも可能であり、そしてこれらの機構を局所的に阻害する放出剤によって脱離させる。さらに、結合剤、例えばタンパク質または抗体の、表面、例えばガラスまたは金属酸化物表面への共有付着は、表面をまずアミノシランで活性化することによって達成可能である。次いで、アミン反応性官能基で誘導体化した結合剤を表面に付着させることが可能である。支持体、特に固体支持体を、タンパク質、例えば酵素、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドで、1またはそれより多い付着部位を通じて、共有または非共有結合によって誘導体化して、それによって同じ酸を固体支持体に結合させることも可能である。
(固体)支持体は、容器中に含有されてもよく、容器はチューブ、例えば遠心管またはスピンチューブ、シリンジ、カートリッジ、チャンバー、マルチウェルプレート、または試験管、あるいはその組み合わせである。結合剤のリンカー仲介性結合を可能にするために、(固体)支持体を前処理するかまたは官能化することも可能である。1つの態様において、固体支持体は、通常、適切な接触を可能にする、繊維性または粒子状であってもよい。本発明の方法において使用するために適した(固体)支持体のサイズは、選択する方法にしたがって多様でありうる。第一の結合剤または第二の結合剤を、それぞれ、1つの(固体)支持体のみ(例えば1つの容器またはマルチウェルプレート)に結合させてもよいし、あるいは多数の(固体)支持体(例えばビーズ)に結合させてもよい。本発明の方法において使用するために適した(固体)支持体の形状は、例えば、シート、プレカット・ディスク、シリンダー、単一の繊維、または粒子で構成される固体支持体であってもよい。1つの態様において、(固体)支持体は、最適な接触を可能にする、繊維性または粒子状であってもよい。(固体)支持体のサイズは、多様であることが可能であり、そして実行しようとする方法に応じて選択することが可能である。
いくつかの態様において、固体支持体は、試験片、チップ、特にマイクロアレイまたはナノアレイチップ、マイクロタイタープレートまたは微粒子(ビーズ)である。
多くの商業的試験系は、アビジンまたはストレプトアビジン(SA)でコーティングされた固体支持体、例えばSAコーティングマイクロタイタープレート、SAコーティング格子、またはSAコーティング微粒子(ビーズ)の使用に基づく。
ビオチン化分析物誘導体を、例えば、試験法の前にまたは試験法の間に、このSA固体支持体に結合させる。ビタミンD化合物を検出する際、このビオチン化分析物誘導体化合物は、例えば、ビオチン化25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはビオチン化25−ヒドロキシビタミンDであってもよい。
本発明の1つの態様において、in vitro検出法を競合的アッセイとして実行する。こうした競合的試験において、試験に、定義された量で添加されるビタミンD化合物誘導体は、特異的結合剤の結合部位に関して、試料由来の対応するビタミンD化合物と競合する。より多くのビタミンD化合物が試料中に存在すれば、検出シグナルはより小さくなる。
1つの態様において、ビタミンD化合物誘導体は、ビオチン化ビタミンD化合物である。さらなる態様において、ビオチン化ビタミンD化合物は、ビオチン化25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはビオチン化25−ヒドロキシビタミンDである。さらなる態様において、ビオチン化ビタミンD化合物は、ビオチン化25−ヒドロキシビタミンDである。
1つの態様において、ビタミンD化合物誘導体は、ルテニル化(ruthenylated)ビタミンD化合物である。さらなる態様において、ルテニル化ビタミンD化合物は、ルテニル化25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはルテニル化25−ヒドロキシビタミンDである。さらなる態様において、ルテニル化ビタミンD化合物は、ルテニル化25−ヒドロキシビタミンDである。
上述のように、本明細書に開示するような検出法において使用するための上記の好ましい第二の結合剤は、抗体およびビタミンD結合タンパク質である。ビタミンD結合タンパク質は、競合的アッセイ形式で用いる場合、1またはそれより多い(ビオチン化)ビタミンD化合物誘導体への結合と競合するすべてのビタミンD化合物の統合された測定を導くであろう。1つの態様において、ビタミンD結合タンパク質は、検出可能に標識され、例えばルテニル化されるであろう。
1つの態様において、本発明にしたがった方法は、競合的アッセイ形式で行われ、ここで
i)固体支持体はSAコーティング微粒子(ビーズ)であり、競合剤はビオチン化ビタミンD化合物誘導体であり、そして第二の結合剤はルテニル化ビタミンD結合タンパク質コンジュゲートであるか、または
ii)固体支持体はSAコーティング微粒子(ビーズ)であり、競合剤はルテニル化ビタミンDコンジュゲートであり、そして第二の結合剤はビオチン化ビタミンD結合タンパク質コンジュゲートである。
好ましい態様にしたがって、第一の結合剤は、第二の結合剤への24,25−ジヒドロキシビタミンDの結合を妨げる。さらにさらなる好ましい態様において、第一の結合剤に結合した24,25−ジヒドロキシビタミンDは、第二の結合剤によって結合されることは不可能である。やはりさらなる態様において、第二の結合剤は、第一の結合剤に結合した24,25−ジヒドロキシビタミンDを放出させることができない。
当業者は、被験体から得られる試料中に存在するビタミンD化合物は、ビタミンD結合タンパク質に結合していることを知っている。したがって、本発明にしたがった方法において、ビタミンD結合タンパク質に結合している試料中に存在するビタミンD化合物を、特定の態様では、工程(b)より前に、放出試薬で、ビタミンD結合タンパク質から放出させる。
方法にしたがって、被験体から得られ提供される試料は、1つの態様において、ビタミンD結合タンパク質に結合しているビタミンD化合物を含む。
放出試薬は、ビタミンD結合タンパク質を変性させ、好ましくは、放出試薬は、ビタミンD結合タンパク質を不可逆的に変性させる。
特定の態様において、ビタミンD化合物を、工程(b)の前に、それぞれ、タンパク質分解的分解、酸性放出、アルカリ放出、メタノール放出、エタノール沈殿(WO 99/67211)、過ヨウ素酸塩放出(EP 0 753 743)、アセトニトリル抽出、金属水酸化物放出(US 7,087,395)、シクロデキストリンおよび/またはその誘導体による放出(US 7,087,395)あるいは金属サリチル酸塩放出(US 7,087,395)からなる群より選択される方法によってビタミンD結合タンパク質から放出させる。当業者は、ビタミンD化合物の決定/測定前に、ビタミンD結合タンパク質に結合しているビタミンD化合物を放出させるために適した方法を知っている。近年、試料中に存在するいずれの結合タンパク質からもビタミンD化合物を放出させるために原理上適している、多くの異なる放出試薬が提唱された。
さらなる態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、そして
放出試薬を用いて、ビタミンD結合タンパク質に結合している試料中に存在するビタミンD化合物を放出させ、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
c)(bb)において形成された複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
特定の態様にしたがって、ビタミンD化合物は、工程(b)の前に、アルカリ放出によって、ビタミンD結合タンパク質から放出される。アルカリ条件は、ビタミンD結合タンパク質の変性および調べようとする試料中に存在するビタミンD化合物の放出を生じる。アルカリ化剤の濃度は、工程(b)の前の前処理反応において、「試薬混合物」(=調べようとする試料+アルカリ化剤+さらなる試薬)のpHを、少なくともpH10.0、好ましくは少なくともpH10.5、より好ましくは少なくともpH11.0に増加させるために十分でなければならない。当業者は、試薬混合物のpHが、調べようとする試料+アルカリ化剤+さらなる試薬を混合した時点で測定されなければならないことを知っている。炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質が加水分解されるため、pHは、試薬混合物中で減少するであろう。
放出試薬は、特定の態様において、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質、還元剤およびアルカリ化剤を含む。さらなる特定の態様において、放出試薬は、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩、還元剤およびアルカリ化剤を含む。さらなる特定の態様において、放出試薬は、0.1M〜2.0Mの濃度の加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質、還元剤およびアルカリ化剤を含む。こうした放出試薬および放出法は、WO 2011/144661およびWO 2013/072342に詳細に記載される。
「炭酸水素イオン」(重炭酸イオン)は、実験式HCO および61.01ダルトンの分子量を持つ陰イオンである。
「炭酸水素イオン」は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)および炭酸水素マグネシウム(Mg(HCO)からなる群より選択される化合物である。
「加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出させることが可能な物質」は、本発明の態様にしたがって、炭酸エステルである。「炭酸エステル」は、本発明にしたがって、2つのアルコキシ基が隣接したカルボニル基である。これらの炭酸塩の一般構造は、RO(C=O)ORである。環状炭酸エステル(例えば炭酸エチレン)または非環状炭酸エステル(例えば炭酸ジメチル)ならびにそのヒドロキシル化またはハロゲン化誘導体が入手可能である。
当業者は、適切な還元剤を選択することを知っており、例えばこれらは2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオスレイトール(DTT)からなる群より選択される。
また、当業者は、適切なアルカリ化剤を選択することを知っており、例えばこれらは、NaOH、KOH、Ca(OH)、およびLiOH、またはその混合物からなる群より選択される。
分析物(ビタミンD化合物)の結合分子(ビタミンD結合タンパク質)からの本質的に完全な放出が、本発明にしたがった方法の工程(b)より前に行われれば、好適である。
本発明にしたがった方法の工程(b)において、特定の態様において、第一の結合剤および第二の結合剤を、試料と同時に接触させる。言い換えると、工程(ba)および(bb)は、本発明の方法にしたがって、同時に行われる。
本発明にしたがった方法の工程(b)において、特定の態様において、第一の結合剤を、試料と第二の結合剤を接触させる前または後に、試料と接触させる。言い換えると、特定の態様において、工程(ba)は、本発明の方法にしたがって、工程(bb)の前に行われる。さらなる態様において、工程(ba)は、本発明の方法にしたがって、工程(bb)の後に行われる。
本発明の方法にしたがった態様において、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を、イムノアッセイ法において決定/測定/検出する。
イムノアッセイは、当業者に周知である。こうしたアッセイを実行するための方法、ならびに実際の適用および方法は、関連する教科書に要約される。関連する教科書の例は、Tijssen, P., 酵素−抗体または他の酵素−巨大分子コンジュゲートの調製: Practice and theory of enzyme immunoassays中, pp. 221−278, Burdon, R.H.およびv. Knippenberg, P.H.(監修), Elsevier, Amsterdam(1990)、ならびに免疫学的検出法を扱う、Methods in Enzymology, Colowick, S.P.,およびCaplan, N.O.(監修), Academic Press)の多様な巻、特に、70、73、74、84、92および121巻である。
1つの態様において、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための方法は、酵素連結イムノアッセイ(ELISA)、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)および化学発光イムノアッセイ(CLIA)からなる群より選択される。好ましい態様において、25−ヒドロキシビタミンDは、酵素連結イムノアッセイ(ELISA)において検出される。25−ヒドロキシビタミンDは、さらに好ましい態様において、(電気)化学発光イムノアッセイ(ECLIA)において検出される。25−ヒドロキシビタミンDは、さらなる態様において、ラジオイムノアッセイ(RIA)において検出される。やはり好ましい態様は、25−ヒドロキシビタミンDを決定するための化学発光イムノアッセイ(CLIA)である。さらなる好ましいアッセイは、サンドイッチ蛍光イムノアッセイ(FIA)、微粒子捕捉酵素イムノアッセイ(MEIA)、固相蛍光イムノアッセイ(SPFIA)、粒子濃度蛍光イムノアッセイ(PCFIA)、ラテックス粒子増進を伴うおよび伴わない比濁分析および比濁アッセイ(LPIA)である。また、アッセイは、1つの態様において、試験片の形であってもよい。
現時点では、分析測定のために電気化学発光(ECL)を利用する多くの商業的に入手可能な装置がある。概説に関しては、Richter, M.M., Chem. Rev. 104 (2004)3003−3036を参照されたい。ECLを放出するように誘導可能な種(ECL活性種)が、ECL標識として用いられてきている。ECL標識の例には、有機金属化合物、例えばトリス−ビピリジル−ルテニウム[Ru(bpy)2+部分があり、金属は、例えばVIIおよびVIII族の金属であり、これには、Re、Ru、IrおよびOsが含まれる。ECLプロセスにおいて、ECL標識と反応する種は、本明細書において、ECL共反応物質と称される。ECLのために一般的に用いられる共反応物質には、三級アミン(例えばトリプロピルアミン(TPA))、シュウ酸塩、および過硫酸塩が含まれる。ECL標識および共反応物質の協調した反応によって光が生じ;結合相互作用における結合試薬の関与は、ECL標識から放出されるECLを測定することによって監視可能である。あるいは、ECL活性化合物からのECLシグナルは、化学環境の指標となりうる(例えば、特定のECL共反応物質の存在または破壊を監視するECLアッセイを記載する、米国特許第5,641,623号および第5,643,713号を参照されたい)。ECL、ECL標識、ECLアッセイおよびECLアッセイを行うための指示のさらなる背景に関しては、EP 0 441 875、EP 0 500 305、EP 0 973 035、EP 1 892 524、ならびに公開PCT第WO87/06706号;第WO89/10551号;第WO90/05301号;第WO93/01308号;第WO98/12539号;第WO99/32662号;第WO99/58962号;第WO98/57154号および第WO2001/013095号を参照されたい。
商業的に入手可能なECL装置の非常に優れた性能が示されてきている。これらは、優れた感度、ダイナミックレンジ、正確さ、および複雑な試料マトリックスの耐性を含む理由のために広く使用されてきている。商業的に入手可能な装置は、永続的に再使用可能なフローセルを用いた、フローセルに基づく設計を用いる。
分析物の決定のために利用可能な試料体積は、しばしば限定され、そして1つの試料から決定されるべき異なる分析物が増えてきている。また、アッセイ自動化のためのより迅速な実験装置の開発、および分析物の検出のためのより高感度な方法が必要である。これによって、高感度でそして特異的な電気化学発光アッセイおよびこれを実行するための方法の必要性が生じている。さらに、安全上の問題または環境上の懸念に関連する改善が考慮されるべきである。
さらなる態様において、25−ヒドロキシビタミンDを、サンドイッチアッセイにおいて決定する。
さらなる好ましい態様において、試料中の25−ヒドロキシビタミンDを決定するために、サンドイッチイムノアッセイを用いる。こうしたサンドイッチイムノアッセイは、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、試料中の25−ヒドロキシビタミンDを特異的に検出する。
サンドイッチアッセイにおいて、本発明にしたがった第二の結合剤を、1つの態様において用いて、25−ヒドロキシビタミンDを捕捉し、そして直接または間接的に検出可能であるように標識されている第三の結合剤を用いて、第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDで形成される複合体を捕捉する。
サンドイッチ型アッセイ形式で用いられる第二の結合剤および第三の結合剤は、1つの態様において、それぞれ抗体であるか、またはさらなる態様において、第二の結合剤としてのビタミンD結合タンパク質および第三の結合剤としての抗体の組み合わせを用いる。サンドイッチ型アッセイにおいて、抗体を用いる場合、やはり抗体の機能的活性部分も、1つの態様において使用可能である。
1つの態様において、本発明のキットを、定性的(25−ヒドロキシビタミンDが存在するかまたはしないか)または定量的(25−ヒドロキシビタミンDの量を決定する)または半定量的(相対量、特にカットオフ値より高いかまたは低いかを提供する)イムノアッセイに用いる。
好ましい態様において、25−ヒドロキシビタミンDを電気化学または電気化学発光イムノアッセイ(=ECLIA)において検出する。電気化学または電気化学発光アッセイにおいて、結合した分析物分子を、検出剤(ターゲット分子)に連結された標識によって検出する。電極は、検出剤に連結された化学標識の発光を電気化学的に開始する。標識から放出される光を、光検出装置によって測定し、そしてこれは、結合分析物分子/ターゲット分子複合体の存在または量を示す。ECLA法は、例えば、米国特許第5,543,112号;第5,935,779号;および第6,316,607号に記載される。正確でそして高感度の測定のため、異なる分析物分子濃度に関して、シグナル調節を最大化することも可能である。
用語「標識」または「検出可能標識」は、本明細書において、直接または間接的検出を介して、シグナルを生じることが可能ないずれの物質も指す。したがって、検出可能標識を直接または間接的に検出することも可能である。直接検出のため、本発明において使用するために適した検出標識は、任意の既知の検出可能マーカー基、例えば色素原、蛍光基、化学発光基(例えばアクリジニウムエステルまたはジオキセタン)、電気化学発光化合物、触媒、酵素、酵素基質、色素、蛍光色素(例えばフルオレセイン、クマリン、ローダミン、オキサジン、レゾルフィン、シアニンおよびその誘導体)、コロイド状金属および非金属粒子、ならびに有機ポリマーラテックス粒子より選択されうる。検出可能標識の他の例は、発光金属錯体、例えばルテニウムまたはユーロピウム錯体、例えばECLIAに用いられるようなもの、酵素、例えばELISAに用いられるようなもの、および放射性同位体、例えばRIAに用いられるようなものである。
間接的検出系は、例えば、生物親和性(bioaffine)結合対の第一のパートナーで標識されている検出試薬、例えば検出抗体を含む。
適切な結合対の例は、ハプテンまたは抗原/抗体、ビオチンまたはビオチン類似体、例えばアミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン/アビジンまたはストレプトアビジン、糖/レクチン、核酸または核酸類似体/相補的核酸、ならびに受容体/リガンド、例えばステロイドホルモン受容体/ステロイドホルモンである。好ましい第一の結合対メンバーは、ハプテン、抗原およびホルモンを含む。特に好ましいのは、ジゴキシンおよびビオチンならびにその類似体のようなハプテンである。こうした結合対の第二のパートナー、例えば抗体、ストレプトアビジン等は、通常、例えば上述のような検出可能標識による直接検出が可能であるように標識される。
当業者は、第一および/または第二の結合剤を、それぞれ、検出可能標識で標識してもよいことを知っている。当業者は、第一の結合剤に関して選択される標識が、第二の結合剤に関して選択される標識とは異ならなければならないことを知っている。
特定の態様にしたがって、第一の結合剤は、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>であり、そして第二の結合剤は、それぞれ、ビタミンD結合タンパク質、好ましくは標識ビタミンD結合タンパク質、より好ましくはビオチン化またはルテニル化ビタミンD結合タンパク質である。
直接検出のため、本発明における使用のために適した標識基または標識は、任意の既知の検出可能マーカー基から選択されることも可能であり、限定されるわけではないが、色素原、蛍光基、化学発光基(例えばアクリジニウムエステルまたはジオキセタン)、電気化学発光化合物、触媒、酵素、酵素基質、色素、蛍光色素(例えばフルオレセイン、クマリン、ローダミン、オキサジン、レゾルフィン、シアニンおよびその誘導体)、コロイド状金属および非金属粒子、ならびに有機ポリマーラテックス粒子が含まれる。標識基の他の例は、発光金属錯体、例えばルテニウムまたはユーロピウム錯体、酵素、例えばELISAに用いるようなもの、および放射性同位体である。
間接検出系は、例えば、生物親和性結合対の第一のパートナーで標識される検出試薬、例えば検出抗体を含む。適切な結合パートナーはハプテンまたは抗原/抗体、ビオチンまたはビオチン類似体、例えばアミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン/アビジンまたはストレプトアビジン、糖/レクチン、核酸または核酸類似体/相補的核酸、ならびに受容体/リガンド、例えばステロイドホルモン受容体/ステロイドホルモンである。好ましい第一の結合対メンバーは、ハプテン、抗原およびホルモンを含む。特に好ましいのは、ジゴキシンおよびビオチンならびにその類似体のようなハプテンである。こうした結合対の第二のパートナー、例えば抗体、ストレプトアビジン等は、通常、例えば上述のような検出可能標識による直接検出が可能であるように標識される。
特定の態様において、試料中の25−ヒドロキシビタミンDの濃度は、少なくとも1nmol/L(0.4ng/mL)、さらに好ましくは最大500nmol/L(200ng/mL)、さらに好ましくは、10nmol/L(4ng/mL)〜500nmol/L(200ng/mL)の範囲であり、さらに好ましくは10nmol/L(4ng/mL)〜250nmol/L(100ng/mL)の範囲である。
本発明にしたがって、「交差反応」または「交差反応性」は、第一の結合剤、特に抗体が向けられる干渉化合物(例えば24,25−ジヒドロキシビタミンD)とは別個の、決定しようとするビタミンD化合物(例えば25−ヒドロキシビタミンD)に対する結合強度が、分析物で測定される結合強度の10%またはそれ未満、好ましくは5%またはそれ未満を有することを意味する。結合強度は、特に、BiaCoreTMを用いたアフィニティ試験を適用することによって、測定可能である。当業者が知るように、結合アフィニティ(アフィニティまたは結合強度)は、Kで与えられた場合、Kが低ければ、より優れている/より高い。
さらに、実施例において、本発明の第一の結合剤は、25−ヒドロキシビタミンDに対するいずれの有意な交差反応性も示さない;すなわち25−ヒドロキシビタミンDに対する交差反応性が、10%またはそれ未満、特に5%またはそれ未満、特に1%またはそれ未満の交差反応性であることが見出されていることが示されうる。1つの態様において、第一の結合剤は、25−ヒドロキシビタミンDに対する有意な交差反応性をまったく持たず、好ましくは、それぞれ、第一の結合剤は、25−ヒドロキシビタミンDに対して、10%またはそれ未満の交差反応性を有し、さらに好ましくは、第一の結合剤は、25−ヒドロキシビタミンDに対して、5%またはそれ未満の交差反応性を有し、さらに好ましくは、第一の結合剤は、25−ヒドロキシビタミンDに対して、1%またはそれ未満の交差反応性を有する。したがって、24,25−ジヒドロキシビタミンDの存在下であっても、少量の25−ヒドロキシビタミンDもまた、特異的にそして信頼性を持って検出可能である。
本発明にしたがって、K(第一の結合剤)は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する第一の結合剤のアフィニティであり、そしてK(第二の結合剤)は、25−ヒドロキシビタミンDに対する第二の結合剤のアフィニティである。
「アフィニティ」は、2つの種間の相互作用の強度を定義し、そして好ましくは、表面プラズモン共鳴を通じて、特にBiaCore(登録商標)系を用いて、決定される。抗体または抗体断片の場合、アフィニティは、好ましくは、表面プラズモン共鳴を通じて、特にBiaCore(登録商標)系を用いて決定されるK値として決定される。アフィニティの決定は、「抗体−抗原アフィニティおよび動力学の検出および測定のための表面プラズモン共鳴」、Current Opinion in Immunology, 第5巻, 第2号, 1993, 282−286ページに記載されるように実行可能である。
さらに、本発明にしたがって、濃度(第一の結合剤)および濃度(第二の結合剤)は、上述の本発明の方法の工程b)における、それぞれ、第一の結合剤および第二の結合剤のモル濃度である。
さらに、本発明にしたがって、MR(第一の結合剤)は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する結合に関する、第一の結合剤の結合価であり、そしてMR(第二の結合剤)は、25−ヒドロキシビタミンDに対する、第二の結合剤の結合価である。
「結合価」は、本発明にしたがって、結合パートナーの所定の対に関する結合部位の実験的に決定された数と理解される。抗体またはその機能的活性部分に関して、理論的結合価は、典型的には1または2であるが、実験的に決定される結合価は、立体効果のため、非整数の値(例えば1.4)であることも可能である。好ましい第一の結合剤としての抗体の場合、理論的結合価は、典型的には1である。再び、実験的に決定される結合価は、立体効果のため、非整数の値(例えば0.9)であることも可能である。結合価の決定は、Schraeml M.ら(2012) Methods in Molecular Biology Vol. 901, 171−181に記載されるように実行可能である。
25−ヒドロキシビタミンDの本質的に完全な測定を達成するため、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する第一の結合剤のKが、25−ヒドロキシビタミンDに対する第二の結合剤のアフィニティの最大で10倍高く、好ましくは同じであり、さらに好ましくはそれ未満であれば、好都合である。したがって、さらなる好ましい態様において、K(第一の結合剤)/K(第二の結合剤)は、10またはそれ未満、好ましくは1またはそれ未満、より好ましくは0.1またはそれ未満である。
25−ヒドロキシビタミンDの本質的に完全な測定を達成するため、1つの態様において、第一の結合剤の濃度が、それぞれ、第二の結合剤の濃度と同じである、好ましくは少なくとも10倍高い、さらに好ましくは50倍高い、さらに好ましくは100倍高い、やはり好ましくは200倍高い場合、さらに好都合である。したがって、さらにさらなる好ましい態様において、濃度(第一の結合剤)/濃度(第二の結合剤)は、それぞれ、最大200、好ましくは最大100、好ましくは最大50、好ましくは最大10、好ましくは最大1であり、特に濃度(第一の結合剤)は、1(1〜10)nmol/L〜200(1〜10)nmol/Lの範囲であり、そして/または濃度(第二の結合剤)は、1〜10nmol/Lの範囲である。
特定の態様にしたがって、第一の結合剤は、24,25−ヒドロキシビタミンDに対して、それぞれ、第二の結合剤と少なくとも同じ、好ましくはそれより少なくとも10倍高い、さらに好ましくは少なくとも100倍高い結合アフィニティを有する。
別の重要な側面は、本発明の方法において、特に、第一の結合剤および/または第二の結合剤が抗体またはその機能的活性部分である場合、使用する第一の結合剤および第二の結合剤の結合価である。小さい分析物、例えばビタミンD化合物に結合する際、抗体である結合分子は、典型的には、MR=2の結合価を示し、一方、立体的理由のため、抗体である第一の結合剤は、典型的には、MR=1およびそれより小さい結合価を示す。この場合、機能的モル濃度指数を好ましくは考慮するものとする。
分析物(例えばビタミンD化合物、好ましくは25−ヒドロキシビタミンD)の総量を決定するためには、分析物に結合するよう意図される第二の結合剤が、この分析物に対して十分に高いアフィニティを示すならば、さらに好適である。さらに、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合することが意図される第一の結合剤が、この24,25−ジヒドロキシビタミンDに対して十分に高いアフィニティを示すならば好適である。
25−ヒドロキシビタミンDの総量を決定するためには、第一の結合剤に対する24,25−ジヒドロキシビタミンDの本質的に完全な結合を達成するため、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する第一の結合剤のアフィニティが十分に高いならば、さらに好適である。したがって、さらなる態様において、24,25−ジヒドロキシビタミンDへの結合に関する第一の結合剤のKは、10−8mol/Lまたはそれ未満、好ましくは10−9mol/Lまたはそれ未満、より好ましくは10−10mol/Lまたはそれ未満である。
さらにさらなる態様において、25−ヒドロキシビタミンDへの結合に関する第二の結合剤のKは、10−8mol/Lまたはそれ未満、好ましくは10−9mol/Lまたはそれ未満、より好ましくは10−10mol/Lまたはそれ未満である。
第一の結合剤が、25−ヒドロキシビタミンDの偽陽性検出を最小限にするため、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対して特異性を示すならば、さらに好都合である。さらに、第一の結合剤が、特に、第一の結合剤の損失を最小限にし、そして24,25−ジヒドロキシビタミンDへの結合を最大限にするため、24,25−ジヒドロキシビタミンDへの特異性を示すならば、好都合である。したがって、好ましい態様において、第一の結合剤は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに特異的に結合し、特に、24,25−ジヒドロキシビタミンDとは異なるターゲットへの第一の結合剤の結合は、24,25−ジヒドロキシビタミンDへの第一の結合剤の結合の最大5%である。
さらにさらなる特定の態様において、第一の結合剤の濃度は、1(1〜10)nmol/L〜200(1〜10)nmol/Lの範囲、例えば1(1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)nmol/L〜200(1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)nmol/L、特に1〜1000nmol/L、30〜800nmol/L、50〜700nmol/L、100〜600nmol/Lである。
当業者は、こうした方法が、ビタミンD化合物の定量的測定のためには、標準化する必要があることを知っている。さらにさらなる態様において、本発明にしたがった方法を、ビタミンD標準物質によって標準化する。
当業者はまた、本発明にしたがって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための方法はまた、修飾された方法で実行可能であることも知っている。
さらなる態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって、それぞれ、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の第一の複合体、ならびに第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を形成し、そして
c)(b)において形成された第二の複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の第一の複合体を形成し、
bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって該結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を形成し、
c)25−ヒドロキシビタミンDを含まない第二の結合剤から、第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDを含む第二の複合体を分離し、そして
d)(bb)において形成された第二の複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し、
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、
c)試料を標識25−ヒドロキシビタミンDと混合し、試料由来の25−ヒドロキシビタミンDおよび標識25−ヒドロキシビタミンDが25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤への結合に関して競合し、それによって、第二の結合剤および標識25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を得て、
d)第二の複合体中に含まれない標識25−ヒドロキシビタミンDから、工程(c)で得た第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを分離し、そして
e)第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、そして
放出試薬を用いて、ビタミンD結合タンパク質に結合している試料中に存在するビタミンD化合物を放出させ、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し、
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、
c)試料を標識25−ヒドロキシビタミンDと混合し、試料由来の25−ヒドロキシビタミンDおよび標識25−ヒドロキシビタミンDが25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤への結合に関して競合し、それによって、第二の結合剤および標識25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を得て、
d)第二の複合体中に含まれない標識25−ヒドロキシビタミンDから、工程(c)で得た第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを分離し、そして
e)第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法に関する。
使用:
本発明の方法を用いて、25−ヒドロキシビタミンDの総量および/または濃度を検出することも可能である。
1つの態様において、本発明は、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための、本発明の方法にしたがったin vitro法の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、被験体から得た試料において、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための、本発明にしたがったin vitro法における、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤の使用に関する。
好ましくは、本発明の態様にしたがって、第一の結合剤としてmAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>を、そして第二の結合剤としてビタミンD結合タンパク質を用いる。
さらに、本発明は、1つの態様において、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない25−ヒドロキシビタミンDの決定のための本明細書に開示するキットの使用に関する。
キット:
1つの態様において、本発明は、本発明にしたがった方法を実行するためのキットであって、
a)モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤、および
b)ビタミンD結合タンパク質である、25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤
を少なくとも含む、前記キットに関する。
好ましくは、本発明の態様にしたがって、キットにおいて、第一の結合剤としてmAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>を、そして第二の結合剤としてビタミンD結合タンパク質を提供する。
当業者は、本明細書に開示する試薬が、本発明にしたがった方法を実施するためのキットの製造に適していることを知っている。
特定の態様において、キットはまた、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質、還元剤およびアルカリ化剤を有する、試薬組成も含み、好ましくは、キットは、本発明にしたがった第一の結合剤および第二の結合剤に加えて、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質、2mM〜30mMの還元剤、1M〜1.5Mのアルカリ化剤の溶液を有する試薬組成を含む。
さらなる特定の態様において、キットは、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオスレイトール(DTT)からなる群より選択される還元剤、ならびにNaOH、KOH、Ca(OH)からなる群より選択されるアルカリ化剤の1M〜1.5Mの溶液を含む。
さらに、キットは、1つの態様において、ビタミンD標準物質を含む。
本発明にしたがったキットは、ビタミンD化合物に関する自動化試験において使用するために適していることが証明されてきている。本発明は、好ましくは、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない25−ヒドロキシビタミンDの決定のための、本発明にしたがったキットの使用に関する。
25−ヒドロキシビタミンDに関する試験は、好ましくは完全に自動化されている。この場合、「完全に自動化されている」は、実験者が、調べようとする試料およびビタミンD化合物を測定するためのすべての構成要素を含有する試薬パックを、自動化分析装置に乗せさえすればよく、そしてすべてのさらなる工程が、分析装置によって自動的に行われることを意味する。完全に自動化された試験は、特に好ましくは、Roche DiagnosticsのElecsys(登録商標)分析装置上で行われる。
さらなる態様において、本発明にしたがって、それぞれ、試薬組成物、第一の結合剤および第二の結合剤を、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない25−ヒドロキシビタミンDの決定のためin vitro法において用い、ここで、25−ヒドロキシビタミンDは、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、および3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDを含む群より選択され、好ましくは、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンDである。
すでに上述したように、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDが、診断のためのビタミンDの特に関連のある型である。本発明にしたがったin vitro法において、25−ヒドロキシビタミンDまたは25−ヒドロキシビタミンDに対する特異的抗体を通じた、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDあるいは両方の特異的検出もまた、好ましい態様に相当する。
別に定義しない限り、本明細書に用いる技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の一般的な当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。Singletonら, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 第2版, J. Wiley & Sons, ニューヨーク州ニューヨーク(1994); March, Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structure, 第4版, John Wiley & Sons, ニューヨーク州ニューヨーク(1992); Lewin, B., Genes V, Oxford University Press刊行(1994), ISBN 0−19−854287−9; Kendrew, J.ら(監修), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.刊行(1994), ISBN 0−632−02182−9;ならびにMeyers, R.A.(監修), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc.刊行(1995), ISBN 1−56081−569−8は、当業者に、本出願で用いる用語の多くに関する一般的な手引きを提供する。
本発明の実施は、別に示さない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の、技術分野の技術範囲内である、慣用的な技術を使用するであろう。こうした技術は、文献、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版(1989); Gait, M.J., Oligonucleotide Synthesis (1984); Freshney, R.I. (監修), Animal Cell Culture (1987); Methods in Enzymology, Academic Press, Inc.; Ausubel, F.M.ら(監修), Current Protocols in Molecular Biology, (1987)および定期的な改訂; Mullisら(監修), PCR: The Polymerase Chain Reaction (1994)に十分に説明される。
本発明のさらなる場合による特徴および態様は、好ましい態様の続く説明に、好ましくは、付随する請求項と組み合わせて、より詳細に開示されるであろう。この中で、それぞれの場合による特徴は、単離された様式で、ならびに当業者が理解するであろうように、任意に受け入れられうる組み合わせで、実現可能である。本発明の範囲は、好ましい態様によっては制限されない。
本発明の知見を要約して、以下の態様が好ましい:
1. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)ビタミンD結合タンパク質に結合しているビタミンD化合物を含む、被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
c)(bb)において形成された複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法。
2. 試料が、血液、血清または血漿である、請求項1記載の方法。
3. ビタミンD結合タンパク質に結合している、試料中に存在するビタミンD化合物を、放出試薬を用いて、工程(b)の前に、ビタミンD結合タンパク質から放出させる、請求項1および2のいずれか一項記載の方法。
4. 放出試薬が、ビタミンD結合タンパク質を変性させ、好ましくは放出試薬がビタミンD結合タンパク質を不可逆的に変性させる、請求項3記載の方法。
5. ビタミンD化合物が、工程(b)の前に、それぞれ、タンパク質分解的分解、酸性放出、アルカリ放出、メタノール放出、エタノール沈殿、過ヨウ素酸塩放出、アセトニトリル抽出、金属水酸化物放出、シクロデキストリンおよび/またはその誘導体による放出あるいは金属サリチル酸塩放出からなる群より選択される方法によってビタミンD結合タンパク質から放出される、請求項3および4のいずれか一項記載の方法。
6. 放出試薬が、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩および/または加水分解に際して0.1M〜2.0Mの濃度で炭酸水素イオン(HCO )を放出可能な物質、還元剤およびアルカリ化剤を含む、請求項3〜4のいずれか一項記載の方法。
7. −K(第一の結合剤)/K(第二の結合剤)が10またはそれ未満、好ましくは1またはそれ未満、より好ましくは0.1またはそれ未満であり;そして/または
−濃度(第一の結合剤)/濃度(第二の結合剤)が最大で200、好ましくは最大で100、好ましくは最大で50、より好ましくは最大で10である;
ここで、K(第一の結合剤)は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する第一の結合剤のアフィニティであり、そしてK(第二の結合剤)は、25−ヒドロキシビタミンDに対する第二の結合剤のアフィニティであり、そして
濃度(第一の結合剤)および濃度(第二の結合剤)は、それぞれ、工程b)における、第一の結合剤および第二の結合剤のモル濃度であり、特に濃度(第一の結合剤)は、1(1〜10)nmol/L〜200(1〜10)nmol/Lの範囲であり、そして/または濃度(第二の結合剤)は、1〜10nmol/Lの範囲である
請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
8. −24,25−ジヒドロキシビタミンDへの結合に関する第一の結合剤のKが、10−8mol/Lまたはそれ未満、好ましくは10−9mol/Lまたはそれ未満、より好ましくは10−10mol/Lまたはそれ未満であり;そして/または
−25−ヒドロキシビタミンDへの結合に関する第二の結合剤のKが、10−8mol/Lまたはそれ未満、好ましくは10−9mol/Lまたはそれ未満、より好ましくは10−10mol/Lまたはそれ未満である
請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
9. a)被験体がヒトであり;そして/または
b)方法が、酵素連結イムノアッセイ(ELISA)、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)および化学発光イムノアッセイ(CLIA)からなる群より選択され;そして/または
c)25−ヒドロキシビタミンDが、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンDおよび3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDからなる群より選択され;そして/または
d)25−ヒドロキシビタミンDが、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDからなる群より選択され;そして/または
e)第一の結合剤が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および合成抗体(プラスチック抗体)からなる群より選択され、好ましくは合成抗体またはモノクローナル抗体であり、さらに好ましくはモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり;そして/または
f)第二の結合剤がビタミンD結合タンパク質、好ましくは組換えビタミンD結合タンパク質であり;そして/または
g)第一の結合剤がモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして第二の結合剤がビタミンD結合タンパク質または該ビタミンD結合タンパク質の機能的活性部分であり;そして/または
h)第一の結合剤が、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>であり、そして第二の結合剤が、ビタミンD結合タンパク質、好ましくは標識ビタミンD結合タンパク質、より好ましくはルテニル化ビタミンD結合タンパク質であり;そして/または
i)第一の結合剤が、モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして第二の結合剤が、モノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり;そして/または
j)第一の結合剤が、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして第二の結合剤が、mAb<25−ヒドロキシビタミンD>または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、固体支持体上に固定可能であり;そして/または
k)第一の結合剤が、第二の結合剤への24,25−ジヒドロキシビタミンDの結合を防止し;そして/または
l)第一の結合剤に結合した24,25−ジヒドロキシビタミンDが、第二の結合剤によって結合不可能であり;そして/または
m)第二の結合剤が、第一の結合剤に結合している24,25−ジヒドロキシビタミンDを放出することが不可能であり;そして/または
n)第一の結合剤が、24,25−ヒドロキシビタミンDに対して、それぞれ、第二の結合剤と少なくとも同じ、好ましくはそれより少なくとも10倍高い、さらに好ましくは少なくとも100倍高い結合アフィニティを有し;そして/または
o)それぞれ、第一の結合剤が、25−ヒドロキシビタミンDに対して、有意な交差反応性を持たず、好ましくは、第一の結合剤が、25−ヒドロキシビタミンDに対して、10%またはそれ未満の交差反応性を有し、さらに好ましくは、第一の結合剤が、25−ヒドロキシビタミンDに対して、5%またはそれ未満の交差反応性を有し、さらに好ましくは、第一の結合剤が、25−ヒドロキシビタミンDに対して、1%またはそれ未満の交差反応性を有し;そして/または
p)請求項1の工程(b)にしたがった第一の結合剤および第二の結合剤が、試料と同時に接触し;そして/または
q)第二の結合剤と試料を接触させる前またはさせた後に、請求項1の工程(b)にしたがった試料と第一の結合剤を接触させ;そして/または
r)試料中の25−ヒドロキシビタミンDの濃度が、少なくとも1nmol/L(0.4ng/mL)、さらに好ましくは最大500nmol/L(200ng/mL)、さらに好ましくは、10nmol/L(4ng/mL)〜500nmol/L(200ng/mL)の範囲であり、さらに好ましくは10nmol/L(4ng/mL)〜250nmol/L(100ng/mL)の範囲であり;そして/または
s)方法がビタミンD標準物質によって標準化される
請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
10. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための、請求項1〜9のいずれか一項記載のin vitro法の使用。
11. 被験体から得た試料において、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法における、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤の使用。
12. a)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤、第一の結合剤はモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である、および
b)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤、第二の結合剤はビタミンD結合タンパク質である、
を少なくとも含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法を実行するためのキット。
13. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって、それぞれ、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の第一の複合体、ならびに第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を形成し、そして
c)(b)において形成された第二の複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法。
14. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の第一の複合体を形成し、
bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって該結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を形成し、
c)25−ヒドロキシビタミンDを含まない第二の結合剤から、第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDを含む第二の複合体を分離し、そして
d)(bb)において形成された第二の複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDを決定する
工程を含む、前記方法。
15. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し、
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、
c)試料を標識25−ヒドロキシビタミンDと混合し、試料由来の25−ヒドロキシビタミンDおよび標識25−ヒドロキシビタミンDが25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤への結合に関して競合し、それによって、第二の結合剤および標識25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を得て、
d)第二の複合体中に含まれない標識25−ヒドロキシビタミンDから、工程(c)で得た第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを分離し、そして
e)第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法。
16. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
a)被験体から得た試料を提供し、そして
放出試薬を用いて、ビタミンD結合タンパク質に結合している試料中に存在するビタミンD化合物を放出させ、
b)試料を
(ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し、
(bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、
c)試料を標識25−ヒドロキシビタミンDと混合し、試料由来の25−ヒドロキシビタミンDおよび標識25−ヒドロキシビタミンDが25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤への結合に関して競合し、それによって、第二の結合剤および標識25−ヒドロキシビタミンDの間の第二の複合体を得て、
d)第二の複合体中に含まれない標識25−ヒドロキシビタミンDから、工程(c)で得た第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを分離し、そして
e)第二の複合体中に含まれる標識25−ヒドロキシビタミンDを測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
工程を含む、前記方法。
図面の説明
本発明はさらに、以下の実施例および図によって解明される。実際の保護範囲は、本発明に付随する請求項から生じる。態様を図に模式的に示す。
図1:図1は、7{2−[2−(2−{(S)−3−[2−[(1R,7aR)−1−((R)−4,5−ジヒドロキシ−1,5−ジメチル−ヘキシル)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−(4E)−イリデン]−エト−(Z)−イリデン]−4−メチレン−シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−エチルカルバモイル}−ヘプタン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(酸のNHSエステル)の化学構造を示す。
図2:図2は、試薬R1中に、ブロッキング剤(第一の結合剤)をそれぞれ含まないまたは含むElecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイを示す。25−ヒドロキシビタミンD(○、25(OH)D);24,25−ジヒドロキシビタミンD(●、24,25(OH)2D3)。
図2aは、ブロッキング試薬(第一の結合剤)、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGを含まない結果を示す。
図2bは、干渉除去のため、ブロッキング試薬(第一の結合剤)、mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgG(mAb<24,25(OH)2D3>)を含む結果を示す。
図3:2つの異なる試料セットに関して、Elecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイおよびLC−MSビタミンD測定の間の相関を図3aおよび3bに示す。ブロッキング試薬なし(○、第一の結合剤を含まない)およびブロッキング試薬を含む(●、第一の結合剤を含む)。
実施例1
24,25−ジヒドロキシビタミンDに対するブロッキング試薬の合成法
1.1 抗原および抗原コンジュゲートの合成
7−{2−[2−(2−{(S)−3−[2−[(1R,7aR)−1−((R)−4,5−ジヒドロキシ−1,5−ジメチル−ヘキシル)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−(4E)−イリデン]−エト−(Z)−イリデン]−4−メチレン−シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−エチルカルバモイル}−ヘプタン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(図1の酸のNHSエステル)の合成
出発材料24,25−O−イソプロピリデン−24R,25−ジヒドロキシビタミンDの合成は、Sestelo, Jose Perez; Cornella, Ivan; De Una, Olga; Mourino, Antonio; Sarandeses, Luis A., Chemistry − A European Journal (2002), 8(12), 2747−2752に記載される。構造を図1に示す。
100mgの出発材料および26.8mgのDMAPをフラスコ中で乾燥させ、そして20mlのジクロロメタンを添加した。121μlトリエチルアミンを添加した後、86.7mgホスホゲンを、トルエン20%溶液として添加した。溶液を不活性大気下で45分間攪拌し、そして室温(RT;RTは当業者には、20℃〜25℃(68°F〜77°F)として知られる)で光から保護し、そして10mlジクロロメタン中に溶解した324.6mgのジアミノ−ジオキサ−オクタンを添加した。同じ条件下で、混合物をさらに一晩攪拌した。産物を調製用HPLCによって精製した。収率=72mg。
アセトニトリル中、168mgオクタンジオン酸ビスN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、68μlトリエチルアミンと室温(RT)で一晩反応させることによって、55mgのアミン誘導体をNHSエステルに変換した。ほぼ1gのDowex 50WXHの添加によって、保護基を切断し、そして反応が完了するまで連続して攪拌した。産物を調製用HPLCによって精製した。収率16mg。HPLC−ESI−MS:M=844.7Da
抗原コンジュゲートの合成:
上述の5.63mgのNHSエステルを、500μl DMSOに溶解し、そして50mg KLH(キーホール・リンペットヘモシアニン、Sigma H8283)の溶液に添加した。pHをpH=8.3に調整し、そして溶液を一晩攪拌した。混合物をAmicon攪拌セルにおいて精製した。
アミノ基の分析:抗原−KLH比、およそ500:1
1.2 24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する抗体の生成
ウサギB細胞PCRを用いた抗体発展:
24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する抗体の生成のため、16週齢のZiKaウサギを、KLHにカップリングした24,25−ジヒドロキシビタミンDで免疫した。すべてのウサギを反復免疫に供した。最初の月は、動物を毎週免疫した。2ヶ月目以降は、動物を月1回免疫した。各免疫に関して、500μg KLHカップリング24,25−ジヒドロキシビタミンDを、1mL 140mM NaClに溶解し、そして1ml CFAで乳化した。免疫開始45日後および105日後に、力価の発展を評価する。免疫原に対する力価は、ELISAによって検出可能になるとき、抗体は、Seeberら、2014に記載されるようなB細胞クローニングによって発展される。HEK293細胞の一過性トランスフェクションによって、組換え全長ウサギIgGを産生する。
力価分析:
24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する血清力価を決定するため、24,25−ジヒドロキシビタミンDのビオチン化変異体をストレプトアビジンコーティング96ウェルプレートにカップリングした。免疫キャンペーン開始の45日後および105日後に、各ウサギの少量の血清を収集する。ビオチン化24,25−ジヒドロキシビタミンDを、15ng/mLの濃度で、プレート表面に固定した。各ウサギ由来の血清を、1%BSAを含むPBS中に希釈し、そして希釈をプレートに添加した。血清を、希釈1:300、1:900、1:2700、1:8100、1:24300、1:72900、1:218700および1:656100で試験した。結合した抗体をHRP標識F(ab’)ヤギ抗ウサギFcγ(Dianova)および基質としてのABTS(Roche)で検出した。
実施例2
結合アッセイへの24,25−ジヒドロキシビタミンDに対するブロッキング試薬の適用
アッセイ法に応じて、24,25−ジヒドロキシビタミンDに特異的に結合する、ブロッキング試薬(例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体の機能的活性部分、または合成抗体(プラスチック抗体))を、処理前に、あるいは放出試薬、アッセイ希釈剤またはアッセイ緩衝剤に添加して、アッセイのそれぞれの標識結合構成要素(コンジュゲート)の前にまたはそれと一緒に、試料中のビタミンD化合物と接触させる。
例えば、Elecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイにおける24,25−ジヒドロキシビタミンDのブロッキングを記載する:
・0.075mg/mLのmAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGを、ルテニル化ビタミンD結合タンパク質コンジュゲートを含有するElecsys(登録商標)ビタミンD総イムノアッセイの試薬R1に添加した。
・ビタミンD代謝物を含まないマトリックス(普遍的希釈剤)中、25−ヒドロキシビタミンD(○、25(OH)D)または24,25−ジヒドロキシビタミンD(●、24,25(OH)2D3)いずれかの希釈シリーズで、ビタミンD総アッセイ適用を実行した。
・参照(ブロッキング試薬を含まない)は、25−ヒドロキシビタミンDおよび24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する交差反応性を示した(表1および図2a)。
・ブロッキング試薬を伴うイムノアッセイ適用は、24,25−ジヒドロキシビタミンDへの減少した交差反応性を示す一方、25−ヒドロキシビタミンDに対する特異性は影響を受けない(表1および図2b)。
表1: 25−ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)および24,25−ジヒドロキシビタミンD(24,25(OH)2D3)に関するシグナルダイナミクス(B/B0として示される)に対するmAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGの効果
Figure 2017537331
mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgGの陽性効果はまた、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDのみに特異的であるLC−MS/MSに対して改善された相関で、2つの異なる試料セットに関して独立に見られることが可能であった。ブロッキング剤を伴わない(○)と、相関は0.92(左)または0.79(右)であった。mAb<24,25−ジヒドロキシビタミンD>rK−IgG(●、24,25(OH)2D3)を添加した後、相関は、それぞれ、0.94(左)または0.90(右)に改善された。

Claims (15)

  1. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法であって:
    a)ビタミンD結合タンパク質に結合しているビタミンD化合物を含む、被験体から得た試料を提供し、
    b)試料を
    (ba)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤と混合し、それによって、該第一の結合剤および24,25−ジヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
    (bb)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤と混合し、それによって該第二の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDの間の複合体を形成し;
    c)(bb)において形成された複合体を測定し、それによって、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わない、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定する
    工程を含む、前記方法。
  2. 前記試料が、血液、血清または血漿である、請求項1記載の方法。
  3. ビタミンD結合タンパク質に結合している、試料中に存在する前記ビタミンD化合物を、放出試薬を用いて、工程(b)の前に、ビタミンD結合タンパク質から放出させる、請求項1または2のいずれか一項記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の方法であって、
    −K(第一の結合剤)/K(第二の結合剤)が10またはそれ未満であり;そして/または
    −濃度(第一の結合剤)/濃度(第二の結合剤)が最大で200である;
    ここで、K(第一の結合剤)は、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対する第一の結合剤のアフィニティであり、そしてK(第二の結合剤)は、25−ヒドロキシビタミンDに対する第二の結合剤のアフィニティであり、そして
    濃度(第一の結合剤)および濃度(第二の結合剤)は、それぞれ、工程b)における、第一の結合剤および第二の結合剤のモル濃度であり、特に濃度(第一の結合剤)は、1(1〜10)nmol/L〜200(1〜10)nmol/Lの範囲であり、そして/または濃度(第二の結合剤)は、1〜10nmol/Lの範囲である
    前記方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の方法であって、
    −24,25−ジヒドロキシビタミンDへの結合に関する第一の結合剤のKが、10−8mol/Lまたはそれ未満であり;そして/または
    −25−ヒドロキシビタミンDへの結合に関する第二の結合剤のKが、10−8mol/Lまたはそれ未満である
    前記方法。
  6. 酵素連結イムノアッセイ(ELISA)、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)および化学発光イムノアッセイ(CLIA)からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記25−ヒドロキシビタミンDが、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンDおよび3−エピ−25−ヒドロキシビタミンDからなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記第一の結合剤がモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分であり、そして前記第二の結合剤がビタミンD結合タンパク質または該ビタミンD結合タンパク質の機能的活性部分である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 前記第一の結合剤が、24,25−ジヒドロキシビタミンDに対して、前記第二の結合剤と、少なくとも同じ結合アフィニティを有する、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記第二の結合剤が、第一の結合剤に結合している24,25−ジヒドロキシビタミンDを放出させることが不可能である、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記第一の結合剤が、25−ヒドロキシビタミンDに対する有意な交差反応性を持たない、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記決定のin vitro法が競合アッセイとして行われる、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するための、請求項1〜12のいずれか一項記載のin vitro法の使用。
  14. 被験体から得た試料において、24,25−ジヒドロキシビタミンDによる干渉を伴わずに、25−ヒドロキシビタミンDの濃度を決定するためのin vitro法における、24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤および25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤の使用。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項記載の方法を実行するためのキットであって、
    a)24,25−ジヒドロキシビタミンDに結合する第一の結合剤、該第一の結合剤はモノクローナル抗体または該モノクローナル抗体の機能的活性部分である、および
    b)25−ヒドロキシビタミンDに結合する第二の結合剤、該第二の結合剤はビタミンD結合タンパク質である、
    を少なくとも含む、前記キット。
JP2017548331A 2014-12-08 2015-12-04 ビタミンdの測定法 Active JP6602884B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14196778.6 2014-12-08
EP14196778 2014-12-08
PCT/EP2015/078693 WO2016091755A1 (en) 2014-12-08 2015-12-04 Method for measurement of vitamin d

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017537331A true JP2017537331A (ja) 2017-12-14
JP6602884B2 JP6602884B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=52015951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017548331A Active JP6602884B2 (ja) 2014-12-08 2015-12-04 ビタミンdの測定法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US11415576B2 (ja)
EP (1) EP3230739B1 (ja)
JP (1) JP6602884B2 (ja)
KR (1) KR102425339B1 (ja)
CN (1) CN107003305B (ja)
ES (1) ES2717535T3 (ja)
WO (1) WO2016091755A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2017209523A1 (en) 2016-01-22 2018-08-09 Affimedix, Inc. Device for detection of vitamin D metabolites
JP7068323B2 (ja) 2017-02-02 2022-05-16 エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー 少なくとも2種のペグ化された分析物特異的結合剤を使用する免疫アッセイ
WO2019020599A1 (en) 2017-07-27 2019-01-31 Roche Diagnostics Gmbh MULTIPLE EPITOPE FUSION PROTEIN OF HCV ANTIGEN AND USES THEREOF
CN108519448B (zh) * 2018-04-04 2021-04-13 北京市心肺血管疾病研究所 25-羟基维生素d在制备大动脉炎患者疾病活动性评判试剂盒中的应用
CN108918848B (zh) * 2018-05-22 2021-09-10 德康润生物科技(北京)有限公司 维生素d释放剂及其制备方法与应用
CN109188001A (zh) * 2018-08-13 2019-01-11 深圳天辰医疗科技有限公司 一种25-羟基维生素d的检测试剂及其制备方法和试剂盒
CN109813592A (zh) * 2019-03-26 2019-05-28 济南维瑞医药科技开发有限公司 一种植物油中维生素d3的鉴别前处理方法
CN110058028B (zh) * 2019-05-05 2021-03-02 苏州长光华医生物医学工程有限公司 一种24,25-双羟基维生素d免疫检测试剂盒及其应用
CN111983071A (zh) * 2020-08-13 2020-11-24 上海交通大学医学院附属上海儿童医学中心 一种末梢微量血维生素d质谱检测方法
EP4222502A1 (en) * 2020-09-29 2023-08-09 F. Hoffmann-La Roche AG A method for determining the level of vitamin d and metabolites thereof

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02101060A (ja) * 1988-10-05 1990-04-12 Toyo Jozo Co Ltd 新規な24r,25−ジヒドロキシビタミンd↓3誘導体及びその製造法
JPH045287A (ja) * 1990-04-20 1992-01-09 Bio Sensor Kenkyusho:Kk ビタミンd類定量用試薬およびその製法
US5821020A (en) * 1995-07-14 1998-10-13 Nhh Biologics Vitamin D assay
JP2013518258A (ja) * 2010-01-25 2013-05-20 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド ビタミンd3、ビタミンd2、およびこれらの代謝体の定量分析
JP2013529304A (ja) * 2010-05-20 2013-07-18 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー ビタミンd化合物の解離試薬
US20130252342A1 (en) * 2010-06-30 2013-09-26 Micromass Uk Limited Detection And Quantification Of Vitamin D Metabolites Using An Alkylamine To Form Stable Adducts For Mass Spectrometric Analysis
US20140147878A1 (en) * 2010-10-29 2014-05-29 Cohesive Technologies Inc. Lc-ms separation and detection of vitamin d metabolites

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4722889A (en) * 1985-04-02 1988-02-02 Leeco Diagnostics, Inc. Immunoassays using multiple monoclonal antibodies and scavenger antibodies
US6316607B1 (en) 1986-04-30 2001-11-13 Igen International, Inc. Electrochemiluminescent assays
DE3751516T2 (de) 1986-04-30 1996-02-15 Igen Inc Elektrochemilumineszenz-testverfahren.
US5935779A (en) 1988-11-03 1999-08-10 Igen International Inc. Methods for improved particle electrochemiluminescence assay
DE68916608T2 (de) * 1988-10-05 1995-01-26 Asahi Chemical Ind 1-Alpha oder 24R, 25-Dihydroxyvitamin-D3-Derivate, Verfahren zu ihrer Herstellung und Bestimmungsmethode unter Verwendung derselben.
ATE180057T1 (de) 1988-11-03 1999-05-15 Igen Int Inc Elektrochemilumineszente testverfahren
CA2002083C (en) 1988-11-03 2001-01-09 Haresh P. Shah Enhanced electrochemiluminescence
JPH0534345A (ja) 1991-02-19 1993-02-09 Tdk Corp 化学発光を利用する抗原・抗体の測定方法
JP3053112B2 (ja) 1991-07-10 2000-06-19 イゲン,インコーポレーテッド 粒子濃縮と化学発光検出を利用する改良発光検定のための方法ならびに装置
JPH06109727A (ja) 1992-08-14 1994-04-22 Wisconsin Alumni Res Found 1,25−ジヒドロキシビタミンdの検定法
US5466416A (en) 1993-05-14 1995-11-14 Ghaed; Ali Apparatus and methods for carrying out electrochemiluminescence test measurements
US5641623A (en) 1995-01-04 1997-06-24 Martin; Mark T. Electrochemiluminescence assay
US5643713A (en) 1995-06-07 1997-07-01 Liang; Pam Electrochemiluminescent monitoring of compounds
US6319670B1 (en) 1995-05-09 2001-11-20 Meso Scale Technology Llp Methods and apparatus for improved luminescence assays using microparticles
FR2764381A1 (fr) 1997-06-09 1998-12-11 Univ De Neuchatel Detecteur electrochimioluminescent
SG70621A1 (en) 1997-11-28 2000-02-22 United Microelectronics Corp Method of fabricating tetra-state mask read only memory
US6200531B1 (en) 1998-05-11 2001-03-13 Igen International, Inc. Apparatus for carrying out electrochemiluminescence test measurements
US6787660B1 (en) 1998-06-25 2004-09-07 Immundiagnostik Ag Functional vitamin D derivatives and a method for determining 25-hydroxy-vitamin D and 1α, dihydroxy-vitamin D
DE19828441A1 (de) 1998-06-25 1999-12-30 Roche Diagnostics Gmbh Verwendung derivatisierter Reagenzien in Chemilumineszenz- und Elektrochemilumineszenz-Nachweisverfahren
AU777180B2 (en) 1999-07-19 2004-10-07 Organon Teknika B.V. Device and method for mixing magnetic particles with a fluid
US6136268A (en) 1999-08-17 2000-10-24 Orion Diagnostica Method for luminescence measurements
US7087395B1 (en) 2001-01-16 2006-08-08 Quest Diagnostics Investments Incorporated Vitamin D assay
US20040132104A1 (en) 2003-01-07 2004-07-08 Sackrison James L. Vitamin D assay
JP4852614B2 (ja) 2005-09-29 2012-01-11 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー ビタミンd化合物のための放出試薬
ATE530895T1 (de) 2006-08-25 2011-11-15 Hoffmann La Roche Zelle zur durchführung elektrochemilumineszenter messungen
CN201885997U (zh) 2010-08-24 2011-06-29 上海惠中医疗科技有限公司 一种氯离子微型电极
BR112014009500B1 (pt) 2011-11-18 2022-04-19 F. Hoffmann-La Roche Ag Método in vitro para a liberação de um composto de vitamina d, método in vitro para medição de um composto de vitamina d e uso de uma composição reagente
US9618523B2 (en) * 2013-02-28 2017-04-11 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Methods and reagents for determining isomeric analytes

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02101060A (ja) * 1988-10-05 1990-04-12 Toyo Jozo Co Ltd 新規な24r,25−ジヒドロキシビタミンd↓3誘導体及びその製造法
JPH045287A (ja) * 1990-04-20 1992-01-09 Bio Sensor Kenkyusho:Kk ビタミンd類定量用試薬およびその製法
US5821020A (en) * 1995-07-14 1998-10-13 Nhh Biologics Vitamin D assay
JP2013518258A (ja) * 2010-01-25 2013-05-20 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド ビタミンd3、ビタミンd2、およびこれらの代謝体の定量分析
JP2013529304A (ja) * 2010-05-20 2013-07-18 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー ビタミンd化合物の解離試薬
US20130252342A1 (en) * 2010-06-30 2013-09-26 Micromass Uk Limited Detection And Quantification Of Vitamin D Metabolites Using An Alkylamine To Form Stable Adducts For Mass Spectrometric Analysis
US20140147878A1 (en) * 2010-10-29 2014-05-29 Cohesive Technologies Inc. Lc-ms separation and detection of vitamin d metabolites

Also Published As

Publication number Publication date
US11415576B2 (en) 2022-08-16
US20170269068A1 (en) 2017-09-21
JP6602884B2 (ja) 2019-11-06
EP3230739A1 (en) 2017-10-18
CN107003305B (zh) 2021-04-02
BR112017008985A2 (pt) 2018-01-23
KR20170093820A (ko) 2017-08-16
KR102425339B1 (ko) 2022-07-25
EP3230739B1 (en) 2019-01-23
ES2717535T3 (es) 2019-06-21
CN107003305A (zh) 2017-08-01
WO2016091755A1 (en) 2016-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6602884B2 (ja) ビタミンdの測定法
JP6336911B2 (ja) アドレノメジュリンアッセイおよび成熟アドレノメジュリンの測定方法
JP6471099B2 (ja) 1,25−ジヒドロキシビタミンdを検出するための方法及びキット並びに関連する抗体
CN111566214A (zh) 抗人IgG4单克隆抗体及利用该抗体的人IgG4测定试剂
US20240027467A1 (en) Nanobody Exchange Chromatography
KR20230005936A (ko) 치료 단백질에 대한 중화 항체 검정
JP2023099089A (ja) 干渉抑制薬物動態イムノアッセイ
US20200141930A1 (en) Method for determining the total amount and/or concentration of an analyte in the presence of a binding molecule as well as kits, compositions and uses relating thereto
US11505614B2 (en) Antibodies binding to soluble BCMA
CN117285637B (zh) 一种抗独特型抗体及其应用
BR112017008985B1 (pt) Método in vitro para a determinação da concentração de 25-hidroxivitamina d, uso de um método in vitro, uso de um primeiro agente de ligação e kit
US20230110651A1 (en) Assays to quantitate drug and target concentrations
JP7331000B2 (ja) 補体c3転換酵素のプロテアーゼ活性を測定するためのスループットの高い方法
US20230073007A1 (en) Switching binder, preparation method therefor, and pharmaceutical composition, assay kit, and antigen and antibody assay method, each using same
WO2020264410A1 (en) Troponin t binding agents and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6602884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250