JP7068323B2 - 少なくとも2種のペグ化された分析物特異的結合剤を使用する免疫アッセイ - Google Patents

少なくとも2種のペグ化された分析物特異的結合剤を使用する免疫アッセイ Download PDF

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Description

本発明は、微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおいて分析物を測定するための方法であって、前記微粒子が結合対の第1のパートナーによりコーティングされており、コーティングされた微粒子と、結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料とを混合するステップであって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤に結合されており、それにより分析物を、分析物特異的結合剤を介してコーティングされた微粒子に結合させる、ステップ、結合対を介して結合した分析物をおよび分析物特異的結合剤含む微粒子を、混合物から分離するステップ、および微粒子に結合した分析物を測定するステップを含む方法に関する。さらに、本発明は、上記の概念を応用する分析物のいくつかの変異体の検出、特にウイルス抗原の検出に関する。
多数の方法およびシステムが、生化学試料および生物試料中の目的の分析物を検出および定量するために開発されてきた。微量の微生物、医薬品、ホルモン、ウイルス、抗体、核酸および他のタンパク質を測定できる方法およびシステムは、研究者および臨床医にとって大きな価値がある。
多くのアッセイ方法は、試料から目的の特定の標的分子を捕捉し、標的分子を決定できる分析物特異的結合剤を使用する。
当分野のかなり多数のものが、結合反応、例えば、抗原-抗体反応、核酸ハイブリッド化技法およびタンパク質-リガンド系に基づいて開発されている。多数の生化学的および生物的結合システムにおける高度な特異性により、研究および診断において、多数の価値あるアッセイ方法およびシステムがもたらされてきた。通常、目的の分析物の存在は、1つまたは複数の分析物特異的結合剤に結合した観察可能な「標識」の存在または不在により示される。
アッセイ感度は、非特異的結合現象によって制限を受けるのが大部分である。したがって、主な難題は、非常に高感度であり、同時に、例えば調査される試料流体により引き起こされる高いバックグラウンドシグナルを潜在的に被っていない、アッセイ技術を着想することである。非特異的な結合は、通常、精度の悪い検出およびより高い(より低い)検出限界に対するバックグラウンドシグナルの向上をもたらす。特に、非特異的結合は、ヒト血漿試料または血清試料等の複合体の生物学的マトリックスが試料流体として使用される場合、さらに一層難題となる。
近年、一層正確で高感度のアッセイが開発されており、このアッセイは、(例えば、超常磁性)微粒子の使用に基づく。とりわけ、このような粒子に基づくアッセイでは、非特異的シグナルへの重要な寄与は、粒子-粒子相互作用および/または粒子-表面相互作用に起因する。
US5,212,063は、ビオチンコンジュゲートを使用する、免疫アッセイによる遊離ビオチンを含有する体液中の分析物を検出する方法を開示している。この文書は、コアからなるポリマー微粒子であって、ビオチンのための複数の結合部位を有するポリマーおよび被覆剤としてタンパク質の少なくとも1つの層を含有するポリマー微粒子を明記している。
WO2013/001447は、シェル構造を含むコーティングを有するプレコート微粒子を記載しており、ここでは、前記シェル構造は、1つまたは複数の親和性分子(すなわち、分析物特異的結合剤)を含む第1の層、および第1の層に結合したさらなる第2の層を含み、前記第1および第2の層は、メッシュを形成する非アフィンスペーサー分子を含み、前記1つまたは複数の親和性分子が、コーティング構造内に埋め込まれており、前記メッシュが、非特異的分子に対する立体障害を生じる。このようなとりわけ処理/コーティングされた微粒子を使用すると、非特異的結合によって発生するバックグラウンドが低減され得る。しかし、最も先進的なアッセイでさえも、検出の下限値(LOD)もしくは測定範囲の一方、または両方に悪影響を及ぼす、有意なレベルの非特異的結合を依然として示す。試験開発者は、アッセイ感度、測定範囲およびアッセイ特異性を妥協しなければならないことがしばしばある。同時に、これらの試験は、迅速で、高感度であり、定量が正確で、さらにコスト効果が高いことが必要である。さらに、試験を行うプラットフォームは、使用の容易さおよび信頼性が必要である。
インビトロ診断法に対する別の難題は、分析物は、2種以上の形態または変形体で存在するということである。ある特定の分析物は、異なる変異体、アイソフォーム、様々な遺伝子型および/または異なる血清型のような異なる変異体として現れるので、インビトロ診断アッセイの設計は、十分なアッセイ感度を保証するため、1種超の分析物特異的結合剤を必要とすることが多い。通常、1種の捕捉構成成分は、他の1種または複数の捕捉構成成分よりも、分析物のある変異体に対して高い親和性を有する。特に、感染症の診断的環境では、通常、分析物のすべての変異体が検出されて、必要な感度を満たさなければならない。
さらに、バックグラウンドノイズに対するシグナルの比、したがってアッセイの感度を向上させることによるアッセイの改善が常に望ましい。アッセイのシグナルの向上はまた、i)感度がそれほど高くない(およびそれほど高価ではない)検出システムが必要となること、ii)貴重な試料を少量しか必要としない、iii)一層小型となる機器および/または小面積で同時に多数のアッセイを行うデバイスを可能にするよう機器が小型化され得ることを含めた、いくつかの機器上の利点を有する。
しかし、とりわけ、粒子に基づくアッセイでは、非特異的シグナルへの重要な寄与は、粒子-粒子相互作用および粒子-表面相互作用に起因する。
したがって、粒子をベースとするアッセイ法、特に様々な変形体で現れる分析物を検出するアッセイ方法の改善ための新規な構造および方法を設計することが必要とされている。多数の検出アッセイにおける限定因子となる、微粒子への非特異的結合および微粒子のクラスター形成を回避することが強く必要とされている。
ここで驚くべきことに、一方では結合対の1つのメンバーに結合し、もう一方では分析物特異的結合剤に結合した、12~30個の間のポリエチレングリコール単位を含むリンカー分子が、微粒子をベースとする結合アッセイにおいて大きな利点を伴って使用できるということが見いだされ、この場合、微粒子は、結合対の他のメンバーによりコーティングされている。さらに、これらの化合物は、従来技術に記載された短鎖リンカー構造と比べると、上記のリンカー分子に結合した少なくとも2種の分析物特異的結合剤が使用される場合、優れたアッセイ感度を実現し、これにより、特に感染症領域において、分析物の信頼性のある高感度検出を実現することが、予期せぬことに見いだされた。
本特許出願に関してその優先権を主張した、出願番号EP17154294.7の出願後に公開されたWO2017/029346は、分析物特異的結合剤を結合対のパートナー(例えば、ビオチン等)に連結させる12~30個の間のポリエチレングリコール単位を含むリンカー分子を使用する、微粒子をベースとするアッセイにおける分析物を検出する方法を開示する。微粒子は、例えばストレプトアビジン等の結合対の他のパートナーでコーティングされている。WO2017/029346は、これらのPEGリンカーを適用する一般的な概念を記載しているが、1種超の形態または変形体で存在する分析物を高い感度で検出することが必要な特異的結合剤の数には取り組んでいない。
微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおいて分析物を測定するための方法であって、前記微粒子が結合対の第1のパートナーによりコーティングされており、a)コーティングされた微粒子と、各々が結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料とを混合するステップであって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤に結合されており、それにより分析物を、分析物特異的結合剤を介してコーティングされた微粒子に結合させる、ステップ、b)結合対を介して結合した分析物および分析物特異的結合剤を含む微粒子を、混合物から分離するステップ、およびc)微粒子に結合した分析物を測定するステップを含む方法が開示される。いくつかの変異体に現れる分析物を測定するための前記方法も開示される。
同様に、個別の容器中、または単一容器ユニットの個別のコンパートメント中に、少なくとも、結合対の第1のメンバーによりコーティングされた微粒子、およびこの結合対の第2のメンバーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤を含むキットであって、前記結合対の前記第2のメンバーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤に結合されている、キットも開示されている。
一実施形態では、本開示は、微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおいて分析物を測定するための方法であって、前記微粒子が結合対の第1のパートナーによりコーティングされており、a)コーティングされた微粒子と、結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料とを混合するステップであって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤に結合されており、それにより分析物を、分析物特異的結合剤を介してコーティングされた微粒子に結合させる、ステップ、b)結合対を介して結合した分析物および分析物特異的結合剤を含む微粒子を、混合物から分離するステップ、およびc)微粒子に結合した分析物を測定するステップを含む方法に関する。
粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイは、例えば、ある特定の比濁アッセイ、ある種のラテックス凝集アッセイ、および幅広い標識技法または検出技法を使用する多数の高感度のサンドイッチタイプのアッセイに幅広く使用される。
「粒子」は、本明細書で使用する場合、体積、質量または平均サイズ等の物理的特性に起因し得る小さな局所的物体を意味する。したがって、微粒子は、対称な、球状、実質的に球状または球体形状であってもよく、または不規則な、非対称形状または形態であってもよい。本発明によって想定される粒子のサイズは、様々なとなり得る。一実施形態では、ナノメートルおよびマイクロメートルの範囲の直径を有する、球形状、例えば微粒子が使用される。一実施形態では、本開示による方法において使用される微粒子は、50ナノメートル~20マイクロメートルの直径を有する。さらなる実施形態では、微粒子は、100nm~10μmの間の直径を有する。一実施形態では、本開示による方法において使用される微粒子は、200nm~5μm、または750nm~5μmの直径を有する。
本明細書の上で定義された微粒子は、当業者の公知の任意の好適な材料を含む、またはこれからなっていてもよく、例えば、それらは、無機材料または有機材料を含む、またはこれらからなる、またはこれらから実質的になっていてもよい。通常、それらは、金属もしくは金属合金または有機材料を含む、またはこれらからなる、またはこれらから実質的になっていてもよいか、あるいは、炭水化物要素を含む、またはこれらからなる、またはこれらから実質的になる。微粒子向けの想定される材料の例には、アガロース、ポリスチレン、ラテックス、ポリビニルアルコール、シリカおよび強磁性金属、合金または組成材料が含まれる。一実施形態では、微粒子は、磁性もしくは強磁性金属、合金または組成物である。さらなる実施形態では、材料は、特異的特性を有することがあり、例えば、疎水性または親水性であってもよい。このような微粒子は、通常、水溶液中に分散しており、微粒子の分離を維持して、非特異的なクラスター形成を回避する小さな陰性表面電荷を保持する。
本発明の一実施形態では、微粒子は、強磁性微粒子であり、本開示による測定方法におけるこのような微粒子の分離は、磁力により促進される。磁力は、溶液/懸濁液から強磁性粒子または磁性粒子を引っ張るため、および所望に応じてそれらの粒子を保持するために適用される一方、溶液/懸濁液の液体は除去され得、粒子は、例えば、洗浄され得る。
本発明による方法において使用される微粒子は、特異的結合の第1のメンバーによりコーティングされている。
「結合対」は、本明細書で使用する場合、高い親和性で、すなわち1ナノモル親和性またはそれより良好な親和性で、互いに結合する2つのパートナーからなる。結合対に関する実施形態は、例えば、受容体およびリガンド、ハプテンおよび抗ハプテン抗体、ならびに天然の高い親和性結合対に基づく結合対からなる結合対である。
受容体-配位子の結合対の一例は、ステロイドホルモン受容体および対応するステロイドホルモンからなる対である。
本発明による方法に好適な1つのタイプの結合対は、ハプテンおよび抗ハプテン抗体の結合対である。ハプテンは、100~2000ダルトン、好ましくは150~1000ダルトンの分子量を有する有機分子である。このような低分子は、これを担体分子にカップリングさせることにより免疫原性が付与され得、抗ハプテン抗体は、標準的手順に従い、生成され得る。ハプテンは、ステロール、胆汁酸、性ホルモン、コルチコイド、カルデノリド、カルデノリド-グリコシド、ブファジエノリド、ステロイド-サポゲニンおよびステロイドアルカロイド、カルデノリドおよびカルデノリド-グリコシドを含む群から選択され得る。これらの物質の代表例は、ジゴキシゲニン、ジギトキシゲニン、ギトキシゲニン、ストロファンチジン、ジゴキシン、ジギトキシン、ジトキシンおよびストロファンチンである。別の好適なハプテンは、例えばフルオレセインである。
天然の高い親和性結合対に基づく結合対の例は、アミノビオチン、イミノビオチンもしくはデスチオビオチン等のビオチンまたはビオチンアナログと、アジビンもしくはストレプトアビジン、ならびにFimGとDsFの結合対である。ビオチン-(ストレプト)アジビン結合対は、当分野において周知である。FimG-DsF結合対の基本原理は、例えば、WO2012/028697に記載されている。
一実施形態では、結合対は、ハプテンと抗ハプテン抗体、ビオチンまたはビオチンアナログ(アミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン等)とアジビンまたはストレプトアビジン、FimGとDsF、ならびに受容体とリガンドから選択される。
一実施形態では、結合対は、ハプテンと抗ハプテン抗体、およびビオチンまたはビオチンアナログ(アミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン等)/アジビンまたはストレプトアビジン、FimGとDsFから選択される。
一実施形態では、結合対は、ビオチン(またはアミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン等のビオチンアナログ)とアジビンまたはストレプトアビジンである。
一実施形態では、結合対は、ビオチンとストレプトアビジンからなる。
一実施形態では、本発明による結合対は、10kD以上の分子量を有するこのような結合対の第1のパートナー、および1kD以下の分子量を有するこのような結合対の第2の対からなる。上で示した通り、一実施形態では、10kD以上の分子量を有する結合対の第1のパートナーは、本開示による方法において使用される微粒子に結合している(コーティングされている)。
一実施形態では、本開示による微粒子をベースとする方法では、結合対の前記第1のパートナーは、それぞれ、アジビンおよび/またはストレプトアビジンおよびFimGから選択され、結合対の前記第2のパートナーは、それぞれ、ビオチンまたはビオチンアナログ(アミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン等)、およびDsFから選択される。
一実施形態では、本開示による微粒子をベースとする方法では、結合対の前記第1のパートナーは、アジビンおよび/またはストレプトアビジンであり、結合対の前記第2のパートナーは、ビオチンである。
本発明による方法において使用される微粒子は、結合対の第1のパートナーにより「コーティングされている」。このようなコーティングは、最新技術の手順に従って行われる。結合対の第1のパートナーは、吸着により、共有結合により、またはその両方の方法の組合せにより、粒子の表面に結合することができる。微粒子は、場合により、例えば、ウシ血清アルブミンのようなタンパク質とともにさらにインキュベートされて、他のアッセイ構成成分の非特異的結合を低下させることができる。当業者は、非特異的結合のこのような任意選択的遮断に使用される方法を十分に認識している。当分野において使用される専門用語に沿うと、このようなコーティングおよび遮断された微粒子はまた、コーティングされた微粒子と単に称される。
結合対の第1のパートナーの分子は、この結合対の第2のパートナーにとっての多数の近傍の結合部位をもたらす、近接した微粒子上に存在する。実践的な/決まった手順の応用の大部分に関すると、結合対の第1のパートナーは、飽和濃度にある微粒子にコーティングされ、最適なコーティング密度がもたらされる。当業者が認識する通り、コーティング密度は、所望の場合、結合対の第1のパートナーの準最適濃度を使用することにより低下させることができる。結合対の第1のパートナーの準最適濃度がコーティングのために使用される場合、当業者は、結合対の第2のパートナーに分析物特異的結合剤を結合させるために使用されるリンカー長さに適合するよう、平均コーティング密度を選択すると思われる。一般用語:コーティングされた微粒子上の結合対の第1のパートナーの分子間の平均距離は、分析物特異的結合剤を結合対の第2のパートナーに結合させるために使用されるリンカーの長さの最大でも2倍となろう。こうして、この距離は、1つの分子の中心から別の分子の中心までとなる。例として:ポリエチレングリコール単位の平均長さは、約0.38nmである。したがって、12PEG単位を有するリンカーは、長さが約4.5nmを有する。結合対の第2のパートナーの分子を同一微粒子上の前記結合対の第1のパートナーに結合させるために、この粒子上の結合対の第1のパートナーの分子間の平均距離は、9nm以下になると思われる。一実施形態では、結合対の第1のパートナーの分子の平均距離は、9nm以下である。一実施形態では、結合対の第1のパートナーの分子の平均距離は、それぞれ、9nmまたは8nmである。一実施形態では、結合対の第1のパートナーの飽和濃度において/これを用いてコーティングされた微粒子を使用する。
「分析物」または「目的の分析物」または「標的分子」は、分析物特異的結合剤によって結合され得る任意の分子とすることができる。一実施形態では、本発明の文脈内の分析物は、核酸(DNAまたはRNA)分子、ペプチド、タンパク質、薬物分子、ホルモンまたはビタミンである。一実施形態では、本発明の文脈内の分析物は、ペプチド、タンパク質、薬物分子、ホルモンまたはビタミンである。
別の実施形態では、分析物は、いくつかの変異体を含み、一実施形態では、様々な遺伝子型、アイソザイム、アイソフォーム、血清型、または分析物の変異体を含む。一実施形態では、分析物は、感染性因子の抗原である。感染性因子の例は、ヒトに感染する、ウイルス、細菌および原生動物の病原体である。一実施形態では、分析物は、ウイルス抗原、一実施形態では、肝炎ウイルス抗原またはヒトレトロウイルス抗原である。一実施形態では、分析物は、C型肝炎ウイルスまたは肝炎BウイルスまたはHIV抗原である。
さらに別の実施形態では、分析物は、C型肝炎ウイルスコア、NS3またはNS4抗原である。一実施形態では、分析物は、C型肝炎ウイルスコア抗原、遺伝子型1a(分離株1)の全アミノ酸配列を示す、配列番号1内に存在する抗原である。一実施形態では、分析物は、UniProtデータベースによりやはり入手可能な受託番号P26664である、C型肝炎ウイルス遺伝子型1aのアミノ酸配列を示す、配列番号1の全アミノ酸配列を有する。一実施形態では、分析物は、配列番号1の部分配列、一実施形態では、配列番号1の、少なくとも10個の連続したアミノ酸である部分配列、一実施形態では、少なくとも連続した20個のアミノ酸である部分配列である。さらに別の実施形態では、分析物は、配列番号1の変異体において示された抗原の変異体であり、HCVコアの遺伝子型は、文献中に記載されており、例えば、Chooら、PNAS 88巻(1991年)、2451~2455頁を参照されたい。別の実施形態では、分析物は、HCV遺伝子型1-7コアタンパク質の1つの全アミノ酸配列、または少なくとも20個のアミノ酸残基からなるその部分配列を有する。HCV遺伝子型、それらの発生率および世界的分布は、当分野において十分に記載されており、例えば、Messinaら、Hepatology 2015年 61巻(1号)、77~87頁により要約されている。
配列番号1
MSTNPKPQKK NKRNTNRRPQ DVKFPGGGQI VGGVYLLPRR GPRLGVRATR KTSERSQPRG RRQPIPKARR PEGRTWAQPG YPWPLYGNEG CGWAGWLLSP RGSRPSWGPT DPRRRSRNLG KVIDTLTCGF ADLMGYIPLV GAPLGGAARA LAHGVRVLED GVNYATGNLP GCSFSIFLLA LLSCLTVPAS A
一実施形態では、分析物は、配列番号1の変異体であり、前記変異体は、配列番号1の少なくとも10個、一実施形態では、少なくとも20個の連続アミノ酸の部分配列を含み、前記部分配列にわたり90%の配列同一性を有する。例えば、50個のアミノ酸を含む部分配列では、45個のアミノ酸が、配列番号1と同一であり、5個が他のアミノ酸により置き換えられている。一実施形態では、置換アミノ酸残基は、例示すると、バリンをイソロイシンにより置き換えた、または酸性アミノ酸を別の酸性アミノ酸(グルタミン酸/アスパラギン酸)により置き換えた、保存的交換により置き換えられている。
液体試料は、本開示による方法において、分析物の特異的なインビトロ検出のための方法に使用され得る。試料は、分析物を含むことが既知である場合があり、または分析物を含むことが疑われていることがある。一実施形態では、本開示による方法に使用されるインビトロ診断用の試料は、全血液、血清、血漿、髄液、尿または唾液から選択される体液である。一実施形態では、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料は、血清、血漿または髄液である。一実施形態では、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料は、血清または血漿である。
本開示による分析物の測定方法は、少なくとも2種の分析物特異的結合剤を使用する。用語「分析物特異的結合剤」とは、目的の分析物に特異的に結合する分子を指す。
用語「少なくとも2種の分析物特異的結合剤」は、少なくとも2種の分子であって、それぞれが、目的の分析物に特異的に結合するが、分析物に対して異なる親和性を有する、少なくとも2種の分子を指す。一実施形態では、前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤は、2種の異なる抗体とすることができ、その各々は、分析物上の異なるエピトープを認識する。一実施形態では、前記エピトープは、個別のエピトープであり、すなわち、それらのアミノ酸配列またはそれらの認識される結合部位は重ならず、したがって、少なくとも2種の抗体は、その個々のエピトープへの結合に競合せず、したがって、それらは、並行して同時に、分析物に結合(attached)され得るか、またはこれに結合(bound)され得る。抗体が目的の分析物である場合、少なくとも2種の分析物特異的結合剤は、それぞれが、ポリペプチドに基づく抗原である。そのような場合、抗原は、分析物抗体が、少なくとも2種の抗原の両方に結合するが(分析物特異的結合剤として働く)、異なる親和性で結合する程度に、それらのポリペプチド配列が異なる。以下でさらに提示される「分析物特異的結合剤」に関する定義は、変更すべきところは変更して、「少なくとも2種の分析物特異的結合剤」の各々に当てはまる。
本開示の意味における分析物特異的結合剤は、典型的には、分析物との結合または結合することができる捕捉分子(他の用語 目的の分析物;標的分子)を含む。一実施形態において、分析物特異的結合剤は、その対応する標的分子、すなわち分析物に対して少なくとも10l/molの親和性を有する。分析物特異的結合剤は、他の実施形態において、その標的分子に対して10l/molのまたはさらには10l/molの親和性を有する。一実施形態では、その標的分子への分析物特異的結合剤の親和性は、少なくとも1010l/molである。当業者には分かるであろう通り、特異的という用語は、試料中に存在する他の生体分子が、分析物に対して特異的な結合剤と有意に結合しないことを指示するために使用される。一部の実施形態において、標的分子以外の生体分子との結合のレベルは、標的分子の親和性の10%のみ、より好ましくは5%のみまたはそれ以下である結合親和性をもたらす。一実施形態において、分析物以外の分子との結合親和性は、測定不可能である。一実施形態において、分析物特異的結合剤は、親和性についておよび特異性についての上記の最低基準を両方満たすことになる。
一実施形態では、分析物特異的結合剤は、アプタマー、ペプチドアプタマー、タンパク質、オリゴヌクレオチドおよび分子インプリントポリマーからなる群から選択される。
「アプタマー」は、分析物特異的結合剤の文脈で使用される場合、当業者に公知の、分析物に結合可能な、短鎖核酸分子、例えばRNA、DNA、PNA、CNA、HNA、LNAもしくはANA分子、または任意の他の好適な核酸フォーマットとすることができる。
ペプチドアプタマーは、特定のアミノ酸配列を含む、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに特異的に結合することができるアプタマーである。通常、ペプチドアプタマーは、例えば10~20個のアミノ酸を含む、ペプチドループを有する。本開示の文脈において、ペプチドアプタマーは、具体的な実施形態では、一方または両方の末端において、足場構造に結合されていてもよい。足場構造は、任意の分子、好ましくはタンパク質、例えば、良好な溶解度特性を有するタンパク質とすることができる。好適な足場分子は、当業者に公知であると思われる。好適な足場分子の例は、それぞれ、細菌タンパク質チオレドキシン-AおよびFkpA-シャペロンまたはSlyD-シャペロンに基づく。アプタマーペプチドループは、好ましくは、足場分子の還元性活性部位に挿入され得る。代替的に、黄色ブドウ球菌プロテインAおよびそのドメイン、ならびにこれらのドメインの誘導体(プロテインZまたはリポカリン等)は、ペプチドアプタマーとして使用することができる。
核酸またはペプチドアプタマーは、当業者に公知の任意の好適な方法に従い、例えばPCR、または分子合成手法もしくは酵母ツーハイブリッド手法により生成され得る。
「ペプチド」は、分析物特異的結合剤の文脈で使用される場合、2~49個のアミノ酸、アミノ酸誘導体またはそれらの混合物のストレッチを含む、または代替としてこれらからなっていてもよい。ペプチドは、線状、分岐状、環状、またはそれらの混合物とすることができる。ペプチド分析物特異的結合剤はまた、本明細書の上で定義された足場構造に結合していてもよい。
「ポリペプチド」または「タンパク質」は、分析物特異的結合剤の文脈で使用される場合、約50個超のアミノ酸、アミノ酸誘導体またはそれらの混合物のストレッチを含む、または代替としてこれらからなっていてもよい。タンパク質は、線状、分岐状および環状形態を有してもよく、またはこれらの形態の混合物を含む。
一実施形態では、分析物特異的結合剤は、少なくとも50個のアミノ酸のポリペプチドである。理論では、分析物特異的結合剤のポリペプチド長さに上限値はないが、一実施形態では、最大でも10,000個のアミノ酸を有すると予想される。
「オリゴヌクレオチド」は、分析物特異的結合剤の文脈で使用される場合、10~120のヌクレオチド、または12~60、または15~40のヌクレオチドのストレッチを含むことができるか、または代替としてこれらからなっていてもよい。
オリゴヌクレオチド分析物特異的結合剤は、RNA分子もしくはDNA分子、またはそれらの両方の混合物とすることができる。
用語「分子インプリントポリマー」とは、本明細書で使用する場合、抽出されて、その後に、相補性空隙(インプリント)を後に残す分子の存在下で形成されたポリマーを指す。通常、分子インプリントポリマーは、元の分子に対してある特定の化学的親和性を示す。分子インプリントポリマーは、当業者に公知の任意の好適なポリマー単位を含んでもよい。それらの生成のための技法には、バルク、沈殿、エマルション、懸濁、分散、ゲル化、多段階膨潤重合および階層インプリンティング法(hierarchical imprinting method)等の重合技法が含まれる。
分析物特異的結合剤の文脈において使用する「抗体」は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分(断片)、すなわち、分析物に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する抗体または抗体断片を指す。本発明による方法において使用される免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、lgG4、lgA1およびIgA2)、または免疫グロブリン分子の部分クラスとすることができる。抗体は、これが認識するまたは特異的に結合するポリペプチドのエピトープまたは一部に関して記載することができるか、または指定することができる。具体的なエピトープおよびその抗体との相互作用は、当業者に公知と思われる。
用語「分析物特異的結合」は、抗体の文脈において使用される場合、分析物上のエピトープへの抗体の免疫特異的結合を指す。分析物上のそのエピトープを介する抗体の分析物特異的結合の概念は、当業者に十分に明白である。
本明細書における用語「抗体」は、最も広範な意味で使用され、詳細には、所望の生物活性を示す限り、少なくとも2種の異なる抗体および抗体断片から形成される、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単鎖抗体、多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)を包含する。本開示の意味における抗体はまた、1種または複数の他のタンパク質またはペプチドとの抗体の共有結合性または非共有結合性会合により形成される、より大きな融合分子の一部とすることもできる。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され、分離および/または回収されたものである。その自然環境の汚染成分は、抗体の研究、免疫または治療的使用に干渉するであろう材料であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含んでよい。一部の実施形態において、抗体は、還元または非還元条件下、例えば、クマシーブルーまたは銀染色を使用して、SDS-PAGEによって決定された際に、抗体の95重量%より大きくなるまで、および一部の実施形態において、99%より大きくなるまで、精製される。
免疫グロブリンGクラスの抗体は、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖で構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に連結されているのに対し、ジスルフィド連結の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変動する。各重および軽鎖は、規則的間隔の鎖間ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は、一端に、可変ドメイン(V)、続いて、若干数の定常ドメインを有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V)を、およびその他端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第一の定常ドメインと整列され、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列される。特定のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖可変ドメインの間にインターフェースを形成すると考えられる。
抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の重または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは、「VH」と称されてよい。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と称されてよい。これらのドメインは、概して、抗体の最可変部であり、抗原結合部位を含有する。
用語「可変」は、可変ドメインのある特定の部分は抗体間で配列が大幅に異なり、その特定の抗原のための各特定の抗体の結合および特異性において使用されるという事実を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメイン全体に均等に分布しているわけではない。これは、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方において高度可変領域(HVR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然重および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、ベータシート配置を主に採用し、ループ接続を形成する3つのHVRによって接続され、一部の事例において、ベータシート構造の一部を形成する、4つのFR領域を含む。各鎖中のHVRは、FR領域により近接して一緒に結びついており、他の鎖由来のHVRは、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、National Institute of Health、Bethesda、MD(1991)を参照)。定常ドメインは、抗体と抗原との結合に直接関与しないが、抗体依存性細胞毒性への抗体の関わり等、種々のエフェクター機能を呈する。
任意の脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる2つの明らかに区別できる型の1つに割り当てられることができる。
本発明に従う方法において使用される抗体は、任意の動物起源由来のものであってよい。一実施形態において、抗体は、ヒト、ネズミ(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、サル、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマまたはニワトリ抗体である。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、抗体(免疫グロブリン)は、異なるクラスに割り当てられることができる。ヒト免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgAおよびIgAにさらに分割されてよい。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元配置は、周知であり、概して、例えば、Abbasら、Cellular and Mol.Immunology、第4版(W.B.Saunders,Co.、2000)において記述されている。抗体は、抗体と1つまたは複数の他のタンパク質またはペプチドとの共有または非共有会合によって形成された、より大きい融合分子の一部であってよい。
用語「完全長抗体」、「無傷の抗体」および「全抗体」は、以下で定義される通りの抗体フラグメントではなくその実質的に無傷の形態の抗体を指すために、本明細書において交換可能に使用される。該用語は、特に、Fc領域を含有する重鎖を持つ抗体を指す。
「抗体フラグメント」は、好ましくはその抗原結合領域を含む、無傷の抗体の一部を含む。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab’、F(ab’)およびFvフラグメント;一本鎖抗体分子;scFv、sc(Fv)2;二重特異性抗体;ならびに抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体を含む。
抗体のパパイン消化は、それぞれが単一抗原結合部位を持つ「Fab」フラグメント、およびその名称が容易に結晶化するその能力を反映している残留「Fc」フラグメントと呼ばれる、2つの同一の抗原結合フラグメントを産生する。ペプシン処理は、2つの抗原組合せ部位を有し、依然として抗原を架橋することができる、F(ab’)フラグメントを産出する。
Fabフラグメントは、重および軽鎖可変ドメインを含有し、かつ軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)も含有する。Fab’フラグメントは、抗体ヒンジ領域由来の1つまたは複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端における少数の残基の付加により、Fabフラグメントとは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を付帯するFab’についての本明細書における指定である。F(ab’)抗体フラグメントは、当初、それらの間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として産生された。抗体フラグメントの他の化学カップリングも公知である。
「Fv」は、完全抗原結合部位を含有する最小抗体フラグメントである。一実施形態において、二本鎖Fv種は、緊密に非共有会合した1つの重および1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。一本鎖Fv(scFv)種において、1つの重および1つの軽鎖可変ドメインは、フレキシブルペプチドリンカーによって共有結合的に連結されることができ、そのため、軽および重鎖は、二本鎖Fv種(sc(Fv)2)におけるものと同様の「二量体の」構造で会合することができる。各可変ドメインの3つのHVRがVH-VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するように相互作用するのは、この配置においてである。集合的に、6つのHVRは、抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一可変ドメイン(または抗原に対して特異的な3つのHVRのみを含むFvの半分)であっても、抗原を認識し結合する能力を有するが、結合部位全体よりも低い親和性である。
用語「二重特異性抗体」は、2つの抗原結合部位を持つ抗体フラグメントを指し、このフラグメントは、同じポリペプチド鎖(VH-VL)中の軽鎖可変ドメイン(VL)と接続されている重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することにより、ドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対合するように強いられ、2つの抗原結合部位を作成する。二重特異性抗体は、二価または二重特異性であってよい。二重特異性抗体は、例えば、EP404097;WO1993/01161;Hudsonら、Nat.Med.9:129~134(2003);およびHolligerら、PNAS USA 90:6444~6448(1993)において、より完全に記述されている。三重特異性抗体および四重特異性抗体も、Hudsonら、Nat.Med.9:129~134(2003)において記述されている。
用語「モノクローナル抗体」は、本明細書で使用される場合、実質的に均質な抗体の集団から取得された抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能な突然変異、例えば自然発生突然変異を除き、同一である。故に、修飾語句「モノクローナル」は、抗体の特徴を、離散的な抗体の混合物ではないとして指示する。ある特定の実施形態において、そのようなモノクローナル抗体は、典型的には、標的と結合するポリペプチド配列を含む抗体を含み、ここで、標的結合ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの単一標的結合ポリペプチド配列の選択を含むプロセスによって取得されたものである。例えば、選択プロセスは、ハイブリドーマクローン、ファージクローンまたは組み換えDNAクローンのプール等、複数のクローン由来の独自のクローンの選択であることができる。選択された標的結合配列は、例えば、標的に対する親和性を改善するように、標的結合配列をヒト化するように、細胞培養中におけるその産生を改善するように、インビボでのその免疫原性を低減させるように、多重特異性抗体を作成するように等、さらに変更され得ること、ならびに、変更された標的結合配列を含む抗体も、本発明のモノクローナル抗体であることが理解されるべきである。典型的には異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一決定基に向けられる。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体調製物は、典型的には他の免疫グロブリンによって汚染されていないという点で、有利である。
修飾語句「モノクローナル」は、抗体の特徴を、抗体の実質的に均質な集団から取得されるとして指示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするとして解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、KohlerおよびMilstein.、Nature、256:495~97(1975);Hongoら、Hybridoma、14(3):253~260(1995)、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版、1988);Haemmerlingら、Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563~681(Elsevier、N.Y.、1981))、組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clacksonら、Nature、352:624~628(1991);Marksら、J.Mol.Biol.222:581~597(1992);Sidhuら、J.Mol.Biol.338(2):299~310(2004);Leeら、J.Mol.Biol.340(5):1073~1093(2004);Fellouse、PNAS USA 101(34):12467~12472(2004);ならびにLeeら、J.Immunol.Methods 284(1-2):119~132(2004)を参照)、およびヒト免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子座または遺伝子の一部またはすべてを有する動物においてヒトまたはヒト様抗体を産生するための技術(例えば、WO1998/24893;WO1996/34096;WO1996/33735;WO1991/10741;Jakobovitsら、PNAS USA 90:2551(1993);Jakobovitsら、Nature 362:255~258(1993);Bruggemannら、Year in Immunol.7:33(1993);米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;および同第5,661,016号;Marksら、Bio/Technology 10:779~783(1992);Lonbergら、Nature 368:856~859(1994);Morrison、Nature 368:812~813(1994);Fishwildら、Nature Biotechnol.14:845~851(1996);Neuberger、Nature Biotechnol.14:826(1996);ならびにLonbergおよびHuszar、Intern.Rev.Immunol.13:65~93(1995)を参照)を含む、様々な技法によって作製されてよい。
本明細書におけるモノクローナル抗体は、重および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と一致するかまたは相同であるのに対し、鎖の残りは、別の種に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と一致するかまたは相同である、「キメラ」抗体、および、そのような抗体のフラグメントを、それらが所望の生物活性を呈する限り、具体的に含む(例えば、米国特許第4,816,567号およびMorrisonら、PNAS USA 81:6851~6855(1984))。キメラ抗体は、抗体の抗原結合領域が、例えば、マカクザルを目的の抗原で免疫化することによって産生される抗体に由来する、PRIMATIZED(登録商標)抗体を含む。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含有するキメラ抗体である。一実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、この場合、レシピエントのHVRに由来する残基は、マウス、ラット、ウサギ、または所望の特異性、親和性および/または能力を有する非ヒト霊長類等の、非ヒト種のHVR(ドナー抗体)に由来する残基によって置き換えられている。一部の例では、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基により置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体中またはドナー抗体中に見いだされない残基を含むことができる。これらの修飾は、抗体性能をさらに精密化するためになされ得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、通常、2つの可変ドメインのすべてを実質的に含み、この場合、非ヒト免疫グロブリンの可変ドメインに相当する超可変ループのすべてまたは実質的にすべて、およびFRのすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリン配列の可変ドメインである。ヒト化抗体はまた、場合により、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常、ヒト免疫グロブリンの一部を含むであろう。さらなる詳細に関すると、Jonesら、Nature 321巻:522~525頁(1986年);Riechmannら、Nature 332巻:323~329頁(1988年);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2巻:593~596頁(1992年)を参照されたい。やはり、例えば、Vaswani and Hamilton、Ann.Allergy,Asthma&Immunol.1巻:105~115頁(1998年);Harris、Biochem.Soc.Transactions 23巻:1035~1038頁(1995年);Hurle and Gross、Curr.Op.Biotech.5巻:428~433頁(1994年);および米国特許第6,982,321号および同第7,087,409号を参照されたい。
「ヒト抗体」は、ヒトにより生成する抗体のアミノ酸配列に相当する、および/または本明細書において開示されたヒト抗体を作製するための技法のいずれかを使用して作製されたアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合性残基を含む、ヒト化抗体を具体的に排除する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリを含む、当業者に公知の様々な技法を使用して生成することができる。Hoogenboom and Winter、J.Mol.Biol.、227巻:381号(1991年);Marksら、J.Mol.Biol.、222巻:581号(1991年)。同様に、Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、77頁(1985年);Boernerら、J.Immunol.、147巻(1号):86~95頁(1991年)に記載された方法が、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である。van Dijkおよびvan de Winkel、Curr.Opin.Pharmacol.、5巻:368~74頁(2001年)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してこのような抗体を産生するように改変されるが、その内因性遺伝子座が不能化されたトランスジェニック動物、例えば免疫付与ゼノマウス(xenomice)に、抗原を投与することによって調製することができる(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関しては米国特許第6,075,181号および同第6,150,584号を参照されたい)。同様に、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術により生成されるヒト抗体に関しては、例えば、Liら,PNAS USA、103巻:3557~3562頁(2006年)も参照されたい。
用語「高度可変領域」、「HVR」または「HV」は、本明細書で使用される場合、配列中で高度可変であるおよび/または構造的に定義されたループを形成する、抗体可変ドメインの領域を指す。概して、抗体は、6つのHVR:VHに3つ(H1、H2、H3)およびVLに3つ(L1、L2、L3)を含む。天然抗体において、H3およびL3は、6つのHVRのうちで最も多様性を見せ、特にH3は、抗体に優れた特異性を付与する上で独自の役割を果たすと考えられる。例えば、Xuら、Immunity 13:37~45(2000);JohnsonおよびWu、Methods in Molecular Biology 248:1~25(Lo編、Human Press、Totowa、NJ、2003)を参照されたい。実際に、重鎖のみからなる自然発生ラクダ科抗体は、軽鎖の非存在下で機能的かつ安定である。例えば、Hamers-Castermanら、Nature 363:446~448(1993)およびSheriffら、Nature Struct.Biol.3:733~736(1996)を参照されたい。
様々なHVRの描写が利用されており、それらは本明細書に包含される。Kabat相補性決定領域(CDR)であるHVRは、配列可変性に基づき、最も一般的に使用される(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991))。Chothiaは、代わりに構造ループの位置を参照する(ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196:901~917(1987))。AbM HVRは、Kabat CDRとChothia構造ループとの間の妥協を表し、オックスフォード分子AbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される。「接触」HVRは、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づく。これらのHVRのそれぞれからの残基が、以下で注記される。
Figure 0007068323000001
HVRは、次の通りの「伸長HVR」を含んでよい:VLに、24~36または24~34(L1)、46~56または50~56(L2)、および89~97または89~96(L3)、ならびにVHに、26~35(H1)、50~65または49~65(H2)、および93~102、94~102または95~102(H3)。可変ドメイン残基は、これらの伸長HVR定義のそれぞれについて、Kabatら、上記に従って番号付けされる。
表現「Kabatのような可変ドメイン残基番号付け」または「Kabatのようなアミノ酸位置番号付け」およびそれらの変化形は、Kabatら、上記における抗体のコンピレーションの重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用された番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用して、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはHVRの短縮またはそれへの挿入に対応する、より少ないまたは追加のアミノ酸を含有してよい。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一アミノ酸挿入部(Kabatによれば残基52a)、および重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatによれば残基82a、82bおよび82c等)を含んでよい。残基のKabat番号付けは、所与の抗体について、抗体の配列の相同性の領域における「標準」Kabat番号付き配列とのアライメントによって決定されてよい。
一実施形態では、少なくとも2種の抗原特異的結合剤は、分析物のエピトープに結合する抗体である。エピトープは、抗体によって特異的に結合した抗原の部分である。エピトープは、線状(1つのポリペプチド鎖上に連続または隣接するアミノ酸)または立体構造(抗体のパラトープ/抗原結合部位と相互作用する三次元ポリペプチド構造)のどちらかとすることができる。一実施形態では、前記エピトープは、個別のエピトープであり、すなわち、それらのアミノ酸配列またはそれらの認識される結合部位は重ならず、したがって、少なくとも2種の抗体は、その個々のエピトープへの結合と競合せず、したがって、それらは、並行して同時に、分析物に結合(attached)され得るか、またはこれに結合(bound)され得る。本発明の実施形態では、少なくとも2種のウイルス抗原特異的結合剤は抗体であり、その1つは、配列番号1のアミノ酸の位置140~172内、一実施形態では、アミノ酸の位置157~169内のエピトープに結合し、その1つは、配列番号1のアミノ酸の位置20~80内、一実施形態では、アミノ酸の位置65~71内、一実施形態では、アミノ酸の位置32~36内、一実施形態では、アミノ酸の位置37~46内のエピトープに結合する。
本明細書において開示された通り、結合対の第2のパートナーは、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して分析物特異的結合剤に結合されている。
用語「リンカー」は、第1の部分を第2の部分またはそれより多い部分にコンジュゲート(連結)するために使用され得る、二官能性部分または多官能性部分を意味する。互いに結合した第一および第二の部分を含むコンジュゲートは、2つの反応性官能基を有するリンカーを使用して、好都合に調製され得る。そのようなコンジュゲートにおいて、2つの部分は、このリンカー「を介して」結合される。当業者には明白なように、そのようなコンジュゲートにおいて、リンカーの官能性部分は、結合の一部として存在し、未反応の官能性部分としてではない。
本発明者らは、12~30個のエチレングリコール単位を含むリンカーは、本明細書において開示された驚くべき知見に重要であると考えている。分析物の測定のための微粒子をベースとするアッセイに関する従来技術では、短鎖PGE含有リンカー分子しか、深く考えられていない。US5,521,319は、バイオ分子のビオチン化に非常に有用であることが証明された新規試薬を開示している。リンカーの長さは、短鎖、すなわち最大で5単位のエチレンオキシド、好ましくはたった1~3単位のエチレンオキシドとなることが教示されており、2つのこのような単位が最も好ましい。この教示とは反対に、ここで驚くべきことに、微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおいて、長鎖リンカー分子(12~30個の間のエチレンオキシド単位(=PEG12~30)を含む)は、結合対の第2のメンバー、例えばビオチンを分析物特異的薬剤に結合させるために使用する場合、有利であるということが見いだされている。
PEG-リンカーを介して、標的分子にビオチンを連結するまたはカップリングするための適切な試薬は、例えば、式Iによる試薬である。
Figure 0007068323000002
認識される通り、式I中の(n)は、エチレングリコール単位の数に関する。nは、好ましくは12~30である。
本発明の方法は、幅広いフォーマットにおいて構築され得る。このようなフォーマットには、例えばサンドイッチアッセイ等の当分野で公知のフォーマットが含まれる。(例えば、以下の参照文献:Nonradioactive Labeling and Detection of Molecules、Kessler,C.(編)、Springer-Verlag:Berlin 1992年;The Immunoassay Handbook、Wild,D.(編)、Stackton Press:New York 1994年;Keller,G.H.and Manak,M.M.DNA Probes、第2版.、MacMillan Publishers Ltd.:London、1993年;Tietz Textbook of Clinical Chemistry 第2版、Burtisら(編)、W.B.Saunders and Co.:Philadelphia、1994年を参照されたい)。
本開示による方法では、分析物が測定される。当業者が容易に認識する通り、微粒子に結合した分析物の測定は、通常、適切なアッセイ構成成分上の標識により運搬または生成されるシグナルを測定し、分析物用の標準曲線から分析物の濃度を算出することにより、すなわちこうして、分析物を測定することにより通常、行われる。標識が通常、結合するアッセイ構成成分は、さらなる分析物特異的結合剤である(サンドイッチタイプのアッセイ)。標識が測定される前に、標識化アッセイ構成成分の部分を含む微粒子は、微粒子に結合していない、標識化アッセイ構成成分の部分から分離される。
一実施形態では、本開示の方法は、サンドイッチアッセイフォーマットで実施される。
典型的なサンドイッチアッセイフォーマットには、結合対の第1のパートナーによりコーティングされた微粒子と、各々が結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料であって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されている、試料と、検出可能に標識化されたさらなる分析物特異的結合剤とを混合するステップを含む。当業者に明白な通り、これらの構成成分が混合されて、分析物により検出可能に標識化された分析物特異的結合剤、(結合対の第2のパートナーおよび結合対の第1のパートナーに結合した)分析物特異的結合剤を微粒子に結合させるのに十分なある期間、インキュベートされる。一実施形態では、洗浄工程、このような混合/インキュベートを含まないサンドイッチアッセイが、単一反応容器中で行われる。4つの成分(それぞれ、コーティングされた微粒子、試料、各々が結合対の第2のパートナーに結合した分析物特異的結合剤、および検出可能に標識化した分析物特異的結合剤)を添加および混合する順序は、重要ではない。一実施形態では、洗浄工程、結合対の第1のメンバーによりコーティングされた微粒子、試料、および結合対の第2のパートナーに結合した分析物特異的結合剤の添加および混合を含むサンドイッチアッセイは、単一反応容器で行われる。この第1の(分析物捕捉)工程の後、分析物が、ここで結合した微粒子が洗浄された後に、検出可能に標識化した分析物特異的結合剤を加える。第1の3つの成分(それぞれ、コーティングされた微粒子、試料および結合対の第2のパートナーに結合した分析物特異的結合剤)を添加および混合する順序は、重要ではない。
サンドイッチ型アッセイフォーマットでは、一実施形態では、それぞれ、各々が結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤、ならびに各々が異なるエピトープおよび非重なりエピトープにおいて分析物に結合する、検出可能に標識化した分析物特異的結合剤。
分析物特異的結合剤または分析物を標識するための方法は、当業者に周知であり、例えば、Haugland(2003年)Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals,Molecular Probes,Inc.;Brinkley(1992年)Bioconjugate Chem.3巻:2号;Garman、(1997年)Non-Radioactive Labeling:A Practical Approach、Academic Press、London;Means(1990年)Bioconjugate Chem.1巻:2号;Glazerら、Chemical Modification of Proteins.Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology(T.S.Work and E.Work(編))American Elsevier Publishing Co.、New York;Lundblad,R.L. and Noyes,C.M.(1984年)Chemical Reagents for Protein Modification、第I巻およびII巻、CRC Press、New York;Pfleiderer,G.(1985年)「Chemical Modification of Proteins」、Modern Methods in Protein Chemistry、H.Tschesche(編)、Walter DeGruyter、Berlin and New York;and Wong(1991年)Chemistry of Protein Conjugation and Cross-linking、CRC Press(Boca Raton、Fla.);DeLeon-Rodriguezら、Chem.Eur.J.10巻(2004年)1149~1155頁;Lewisら、Bioconjugate Chem.12巻(2001年)320~324頁;Liら、Bioconjugate Chem.13巻(2002年)110~115頁;Mierら.Bioconjugate Chem.16巻(2005年)240~237頁に豊富に記載されている。
検出可能に標識化されるという用語は、直接的にまたは間接的に検出され得る標識を包含する。
間接的に検出可能に標識化されるとは、例えば、ハプテンによる標的化、および直接的に検出可能な標識を担持する抗ハプテン抗体によってこのようなハプテン化された化合物の検出を指すか、または酵素を用いる標識化、および適切な色素基質の転化をもたらす、その対応する酵素活性によるこのような酵素の検出を指す。様々な酵素-基質標識が入手可能であり、開示されている(例えば、US4,275,149を参照されたい)。酵素は、一般に、様々な技法を使用して測定され得る、発色性基質の化学的変化を触媒する。例えば、酵素は、基質の色調変化を触媒することがあり、これは、分光測光法により測定され得る。代替的に、酵素は、基質の蛍光または化学発光法を改変することがある。化学発光性基質は、化学反応により電子的に励起された状態になり、次に、測定可能な(例えば、化学蛍光光度計を使用)光を発光することができるか、またはエネルギーを蛍光受容体に与える。酵素による標識の例には、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ;US4,737,456)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ(ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)等)、アルカリホスファターゼ(AP)、(3-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼおよびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環式オキシダーゼ(ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼ等)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼ等が含まれる。ポリペプチドに酵素をコンジュゲートする技法は、O’SullivanらのMethods in Enzymにおける、「Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay」(J.Langone&IT Van Vunakisによる編集)、Academic Press、New York、73巻(1981年)147~166頁に記載されている。
酵素-基質組合せの例(US4,275,149;US4,318,980)には、例えば:基質として水素ペルオキシダーゼとのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)(水素ペルオキシダーゼは、色素前駆体(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)または3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB))を酸化する);発色性基質としてパラ-ニトロフェニルホスフェートとのアルカリホスファターゼ(AP);および発色性基質(例えば、p-ニトロフェニル-(3-D-ガラクトシダーゼ)または蛍光性基質である4-メチルウンベリフェリル-(3-D-ガラクトシダーゼ)との(3-D-ガラクトシダーゼ(3-D-Gal)が含まれる。
直接的に検出可能な標識は、検出可能なシグナルをもたらすか、またはそれらは、第2の標識と相互作用して、第1または第2の標識によりもたらされる検出可能なシグナルを改変して、例えば、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)をもたらすかのどちらかである。蛍光色素および発光性(化学発光性および電気化学発光性色素を含む)色素等の標識(Briggsら、「Synthesis of Functionalised Fluorescent Dyes and Their Coupling to Amines and Amino Acids」、J.Chem.Soc.、Perkin-Trans.1(1997年)1051~1058頁)は、検出可能なシグナルを与え、一般に、標識化に適用可能である。一実施形態では、検出可能に標識化されたとは、検出可能なシグナルをもたらす、またはそれをもたらすことが誘発可能な標識、すなわちそれぞれ、蛍光標識、化学発光性標識または電気化学発光性標識を指す。
本開示による一実施形態では、微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイは、化学発光性標識または電気化学発光性標識、および対応する光検出システムを利用する。標識により生じる光が測定され、分析物の存在または量を直接的または間接的に示す。
電気化学発光性(ECL)アッセイは、目的の分析物の存在および濃度の、高感度で正確な測定を実現する。このような技法は、適切な化学的環境において、電気化学的に酸化または還元される場合、発光に誘発され得る標識または他の反応剤を使用する。このような電気化学化学ルミネッセンスは、特定の時間に、および特定の方法で、作用電極に印加される電圧により引き起こされる。標識により生じる光が測定され、分析物の存在または量を示す。このようなECL技法の一層十分な説明の場合、米国特許第5,221,605号、米国特許第5,591,581号、米国特許第5,597,910号、PCT公開出願WO90/05296、PCT公開出願WO92/14139、PCT公開出願WO90/05301、PCT公開出願WO96/24690、PCT公開出願US95/03190、PCT公開出願US97/16942、PCT公開出願US96/06763、PCT公開出願WO95/08644、PCT公開出願WO96/06946、PCT公開出願WO96/33411、PCT公開出願WO87/06706、PCT公開出願WO96/39534、PCT公開出願WO96/41175、PCT公開出願WO96/40978、PCT/US97/03653および米国特許出願第08/437,348号(米国特許第5,679,519号)が参照される。Knightら(Analyst、1994年、119巻:879~890頁)およびそれらに引用された参照文献により、ECLの分析的応用の1994年の総説も参照される。一実施形態では、本説明による方法は、電気化学発光性標識を使用して実施される。
上記の通り、電気化学化学ルミネッセンスは、特定の時間に、および特定の方法で、作用電極に印加される電圧により引き起こされる。従来技術において詳細に記載されていないことは、作用電極上の微粒子の分布が、アッセイの質に大きな影響を及ぼすということである。経験則では、粒子間により多くの凝集物が存在するほど、1つまたは複数のアッセイ特徴の質は低下する。粒子の凝集により、測定間に一層高い変形係数のばらつき、より高いバックグラウンドシグナルおよび/またはアッセイ感度の低下がもたらされる。
容易に想像され得る通り、少なくとも2種の分析物特異的結合剤であって、その各々が結合対の第2のパートナーに結合しており、分析物特異的結合剤の1分子あたり、第2の結合パートナーの2つ以上の分子を含む、上記の少なくとも2種の分析物特異的結合剤の使用は、結合対の第1のパートナー(その多数の分子)によりコーティングされた微粒子の凝集を容易にもたらすことができる。したがって、従来技術では、多くの試みが行われ、分析物特異的結合剤の1つの分子、および結合対の第2のパートナーの1つの分子からなるコンジュゲートが生成される。このような1:1のコンジュゲートを得るのに好適な方法は、例えば、US6,391,571に記載されている。
部位特異的タンパク質標識化、とりわけタンパク質の部位特異的一標識化のための最も重要な最近の手法の1つは、酵素反応により、特定部位において、これらのタンパク質へのバイオ直交官能基を取り込ませることである。「enzymatic labeling of proteins」に関する最近の総説に関すると、M.Rashidianら、Bioconjugate Chemistry 24巻(2013年)1277~1294頁を参照されたい。この総説に包含される部位特異的コンジュゲートに使用するための酵素には、ホルミルグリシン生成酵素、シアリルトランスフェラーゼ、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、O-GlcNAc翻訳後修飾、ソルタギング、トランスグルタミナーゼ、ファルネシルトランスフェラーゼ、ビオチンリガーゼ、リポ酸リガーゼおよびN-ミリストイルトランスフェラーゼが含まれる。
驚くべきことに、実施例の項目全体に示す通り、それぞれが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介してその各々が結合対の第2のパートナーの単一分子に結合されている、少なくとも2種の分析物特異的結合剤、例えば一ビオチン化抗体は、特に、アッセイ感度に関して、非常に良好なアッセイ性能をもたらす。これは、感染が、感染後の早期および後期段階において確実に検出されなければならない、感染疾患領域における等の、様々な診断分野において非常に重要である。
さらに、その各々が、結合対の第2のパートナーに結合した、少なくとも2種の分析物特異的結合剤であって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されている、上記の少なくとも2種の分析物特異的結合剤の使用は、標準カップリング化学の使用により得られる1:1の化学両論ほど高いコンジュゲートの一ビオチン化または除去を必要としないように思われる。予測される通り、1:1の化学両論より高いコンジュゲートを含むコンジュゲート調製物は、ビーズ凝集をもたらす傾向がある。しかし、この影響は、結合対の第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤に結合されている場合、1:1の化学両論より大きい場合でさえも、ほとんど目視可能ではなく、顕著ではない。
可能な説明は、これらの比較的長鎖で可撓性のあるPEGリンカーにより、存在しており、コーティングされた微粒子の近傍内のこのような結合対の第1のパートナーの結合部位に結合対の第2のパートナーの多数を迅速に結合することを可能にする。それとは反対に、分析物特異的結合剤上の結合対のいくつかの第2のパートナーは、非常に短いリンカーを有するので、同一微粒子上の別の第1の結合パートナーに結合することはできず、むしろ、第2の微粒子上の適切な第1の結合パートナーを探そうとする傾向があり、こうして、ビーズが凝集する傾向を明らかに促進する。
結合対の第2のパートナーによる「過剰標識化」を回避するため、これまで、標準的化学は、比較的低い、分析物特異的結合剤と結合対の第2のメンバーとの比を使用しなければならない。平均で、コンジュゲート調製の1:1の化学両論を実現するため、通常、結合対(例えば、ビオチン化試薬中のビオチン)の第2のパートナーは、分析物特異的結合剤(例えば、抗体)よりも1.3倍過剰に使用される。このような1.3~1のカップリング条件では、得られるコンジュゲート調製物は、非コンジュゲート抗体を約37%、一ビオチン化抗体を約37%を含むが、さらには、それぞれ、二重、三重または三重超のビオチン化抗体を18%、6%および2%を含む。通常、1:1コンジュゲートとなるフラクションは、市販の免疫アッセイにおいて最適結果を実現するために精製されなければならない。
それとは反対に、結合対の第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤に結合されている場合、一層高いモル比で結合対の第2のメンバーをカップリング/結合させる場合でさえも、標準カップリング化学が使用され得、1:1のコンジュゲートを含むフラクションの単離を必要としない。これに明白な通り、本方法におけるこのようなコンジュゲートの性能に加え、このようなコンジュゲートの生成における大きな利点が本明細書において開示されている。
一実施形態では、本開示は、組成物中に含まれている結合対の第2のパートナーに結合した、コンジュゲートされた特異的結合剤であって、前記組成物において、分析物特異的結合剤に結合した結合対の第2のパートナー間の平均モル比が、1:1またはそれより高い、コンジュゲートされた特異的結合剤に関する。
一実施形態では、本開示は、組成物中に含まれている結合対の第2のパートナーに結合した、コンジュゲートされた特異的結合剤であって、前記組成物において、分析物特異的結合剤に結合した結合対の第2のパートナー間の平均モル比は、1.1~10の間である、コンジュゲートされた特異的結合剤に関する。
一実施形態では、本開示は、組成物中に含まれている結合対の第2のパートナーに結合した、コンジュゲートされた特異的結合剤であって、前記組成物において、分析物特異的結合剤に結合した結合対の第2のパートナー間の平均モル比が、1.2~6の間である、コンジュゲートされた特異的結合剤に関する。
一実施形態では、本開示は、微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおいて分析物を測定するための方法であって、前記微粒子が結合対の第1のパートナーによりコーティングされており、a)コーティングされた微粒子と、各々が結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料とを混合するステップであって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されており、それにより分析物を、少なくとも2種の分析物特異的結合剤を介してコーティングされた微粒子に結合させ、その各々が結合対の第2のパートナーに結合した、前記コンジュゲートされた特異的結合剤が組成物中に含まれ、前記組成物中、分析物特異的結合剤に結合した結合対の第2のパートナー間の平均モル比が1.1またはそれより高いステップ、b)結合対を介して結合した分析物および分析物特異的結合剤を含む微粒子を、混合物から分離するステップ、およびc)微粒子に結合した分析物を測定するステップを含む方法に関する。
一実施形態では、本発明は、個別の容器中、または単一容器ユニットの個別のコンパートメント中に、少なくとも、結合対の第1のパートナーによりコーティングされた微粒子、および各々が前記結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤を含むキットであって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されている、キットに関する。
単一の容器ユニットという用語は、Roche diagnostics製のElecsys(登録商標)分析器シリーズのような多くの自動分析器について、ある特定の分析物を測定するために必要とされる試薬が、「試薬パック」の形態で、すなわち、分析器に適合させ、異なるコンパートメント内に、目的の分析物の測定に必要とされるすべての主な試薬を含有する、1つの容器ユニットとして提供されるという事実に関する。
一実施形態において、本発明は、結合対の前記第一のパートナーが、アビジンまたはストレプトアビジンであり、前記結合対の前記第二のパートナーが、ビオチン、またはアミノビオチン、イミノビオチンもしくはデスチオビオチン等のビオチンアナログから選択される、キットに関する。
一実施形態では、本開示は、個別の容器中、または単一容器ユニットの個別のコンパートメント中に、少なくとも、アジビンまたはストレプトアビジンによりコーティングされた微粒子、および少なくとも2種のビオチン化分析物特異的結合剤を含むキットであって、前記ビオチンが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されている、キットに関する。
一実施形態では、本発明は、上で指定したキットに関し、前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤は、ウイルス抗原特異的結合剤であり、一実施形態では、ウイルス抗原-特異的抗体である。本発明のさらに別の実施形態では、前記少なくとも2種のウイルス抗原特異的結合剤の1つは、配列番号1のアミノ酸の位置140~172内、一実施形態では配列番号1のアミノ酸の位置157~169内のエピトープに結合する抗体であり、前記少なくとも2種のウイルス抗原特異的結合剤の1つは、配列番号1のアミノ酸の位置20~80内、一実施形態ではアミノ酸の位置65~71内、一実施形態では、アミノ酸の位置32~36内、一実施形態では、アミノ酸の位置37~46内のエピトープに結合する抗体である。
本発明のさらなる実施形態では、キットのすべての実施形態は、検出可能に標識化されたさらなる分析物特異的結合剤をさらに含む。別の実施形態では、前記標識化抗体は、配列番号1のアミノ酸の位置100~120内のエピトープに結合する。
さらに上でなされた定義および説明は、変更すべきことは変更して、本明細書に記載されたすべての実施形態に適用される。
本発明の知見を要約すれば、以下の実施形態が特に想定される。
1.微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおいて、分析物を測定する方法であって、前記微粒子が、結合対の第1のパートナーによりコーティングされており、
a)コーティングされた微粒子と、各々が結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料とを混合するステップであって、
結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されており、それにより分析物を、前記分析物特異的結合剤を介してコーティングされた微粒子に結合させる、ステップ、
b)結合対を介して結合した分析物を含む微粒子および分析物特異的結合剤を、混合物から分離するステップ、および
c)微粒子に結合した分析物を測定するステップ
を含む方法。
2.前記微粒子が、50nm~20μmの直径である、実施形態1による方法。
3.前記微粒子が強磁性であり、ステップ1(b)における分離が、磁力によるものである、実施形態1または2による方法。
4.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤が、少なくとも50個のアミノ酸のポリペプチドである、実施形態1から3のいずれかによる方法。
5.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤が、最大でも10,000個のアミノ酸のポリペプチドである、実施形態1から4のいずれかによる方法。
6.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤が、抗体またはその抗原結合性断片である、実施形態1から5のいずれかによる方法。
7.前記分析物が、サンドイッチアッセイフォーマットで測定される、実施形態1から6のいずれかによる方法。
8.微粒子に結合した分析物の前記測定するステップが、電気化学発光性標識の使用に基づく、実施形態1から7のいずれかによる方法。
9.結合対の前記第1のパートナーが、それぞれ、アジビンおよび/またはストレプトアビジン、ならびにFimGから選択され、結合対の前記第2のパートナーが、それぞれ、ビオチンまたはビオチンアナログ(アミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン等)、およびDsFから選択される、実施形態1から8のいずれかによる方法。
10.結合対の前記第1のパートナーが、アジビンおよび/またはストレプトアビジンであり、結合対の前記第2のパートナーがビオチンである、実施形態1から9のいずれかによる方法。
11.その各々が結合対の第2のパートナーに結合した前記分析物特異的結合剤の各々が組成物中に含まれており、前記組成物において、分析物特異的結合剤に結合した結合対の第2のパートナー間の平均モル比が、1.1またはそれより高い、実施形態1から10のいずれかによる方法。
12.前記分析物が、いくつかの変異体を含む、実施形態1から11のいずれかによる方法。
13.前記いくつかの変異体が、様々な遺伝子型、アイソザイム、アイソフォーム、血清型、または前記分析物の変異体である、実施形態1から12のいずれかによる方法。
14.前記分析物が、ペプチド、タンパク質、薬物分子、ホルモンまたはビタミンである、実施形態1から13のいずれかによる方法。
15.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の各々が、前記分析物のエピトープに結合する、実施形態1から14のいずれかによる方法。
16.前記エピトープが個別のエピトープである、実施形態1から15のいずれかによる方法。
17.前記分析物が感染因子の抗原である、実施形態1から16のいずれかによる方法。
18.前記分析物がウイルス抗原である、実施形態1から17のいずれかによる方法。
19.前記分析物が、肝炎ウイルス抗原またはヒトレトロウイルス抗原である、実施形態18による方法。
20.前記分析物が、C型肝炎ウイルスまたはB型肝炎ウイルスまたはHIV抗原である、実施形態18から19のいずれかによる方法。
21.前記分析物がC型肝炎ウイルスコア抗原である、実施形態19から20のいずれかによる方法。
22.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置140~172内、一実施形態ではアミノ酸の位置157~169内のエピトープに結合する抗体であり、前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置20~80内、一実施形態では、アミノ酸の位置65~71内、一実施形態では、アミノ酸の位置32~36内、一実施形態では、アミノ酸の位置37~46内のエピトープに結合する抗体である、実施形態21による方法。
23.前記分析物が感染因子に対する抗体である、実施形態1から14のいずれかによる方法。
24.個別の容器中、または単一容器ユニットの個別のコンパートメント中に、少なくとも、結合対の第1のパートナーによりコーティングされた微粒子、および前記結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤を含むキットであって、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されている、キット。
25.結合対の前記第1のパートナーが、アジビンまたはストレプトアビジンであり、前記結合対の前記第2のパートナーが、ビオチンまたはビオチンアナログ(アミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン等)から選択される、実施形態24のキット。
26.個別の容器、または単一の容器ユニットの個別のコンパートメント中に、検出可能に標識化されたさらなる分析物特異的結合剤をさらに含む、実施形態24から25のいずれかによるキット。
27.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤が、ウイルス抗原特異的結合剤であり、一実施形態ではウイルス抗原-特異的抗体である、実施形態24~26のうちのいずれかによるキット。
28.前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置140~172内、一実施形態ではアミノ酸の位置157~169内のエピトープに結合する抗体であり、前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置20~80内、一実施形態では、アミノ酸の位置65~71内、一実施形態では、アミノ酸の位置32~36内、一実施形態では、アミノ酸の位置37~46内のエピトープに結合する抗体である、実施形態24から27のいずれかによるキット。
29.検出可能に標識化された前記さらなる分析物特異的結合剤が、配列番号1のアミノ酸の位置100~120内のエピトープに結合する抗体である、実施形態26~28のいずれかによるキット。
下記の実施例、図および配列は、本発明の理解を補助するために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲において説明されている。修正は、本発明の趣旨から逸脱することなく、説明された手順でなされ得ることが理解される。
上述の発明は、明確な理解を目的とするため、例示および実施例によって、ある程度詳細に記載されるが、本記載および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
実施例1
方法
モノクローナル抗体
適切な動物の免疫付与に必要な組換えHCVコア抗原は、大腸菌(E.coli)発現プラスミドに所望の抗原アミノ酸配列をコードするDNA断片を挿入し、次いでタンパク質を過剰発現して精製することによる、当分野で公知の標準的技法を使用して得た。これらの標準分子生物学的方法は、例えば、Sambrook、J.ら、Molecular cloning:A laboratory manual;Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、1989年に記載されている。
HCVコアに対するマウスまたはウサギモノクローナル抗体は、それぞれ、標準ハイブリドーマ技術により、または当業者に公知の組換え核酸技法により、および例えばWO2016/091755に記載された同様の方法で調製した。
以下の実施例における、捕捉化合物として使用したHCVコアタンパク質に対するモノクローナル抗体は、HCVコアタンパク質(配列番号1)のエピトープaa157~169、またはaa32~36、またはaa37~46、またはaa65~71に結合する。非常に類似したエピトープおよびそれらの決定は、EP1308507に既に記載されている。検出化合物として、EP0967484およびEP1308507にやはり記載されたエピトープに関連するエピトープである、コアエピトープaa102~112に結合することが可能なモノクローナル抗体を選択した。マウスおよびウサギの免疫付与に関すると、HCV遺伝子型1によりコードされる全ポリタンパク質を開示する、ジーンバンク受託番号P26664.3 GI:130455(配列番号1)による、遺伝子型1aのHCVコア抗原配列を使用した。
特に、WO03/000878(A2)、US2009/0291892(A1)、WO2013/107633(A1)に開示された手順後の大腸菌(Escherichia coli)SlyDによる組換え融合タンパク質としてアミノ酸110~171に由来するペプチド、またはBoulant,S.ら、2005年、J.Virol.79巻:11353~11365頁により記載された手順後に、組換えタンパク質としてアミノ酸2~169に由来するペプチドのどちらかを免疫付与に使用した。追加的手法では、公知の方法によって免疫付与するために、KLH(キーホールリンペットヘモシアニン)に結合したアミノ酸82~117または9~48のどちらかに由来する多重ペプチドを使用した。
タンパク質決定
精製ポリペプチドのタンパク質濃度は、ポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて算出したモル吸光度を使用して、または比色定量BCA法を使用して、280nmにおける光学密度(OD)を決定することにより決定した。
実施例2
活性化ビオチン化試薬の合成
幅広く使用されるリンカービオチン-DDSのような最先端の活性化ビオチンを含むリンカー(ビオチン化試薬)の合成は、EP632810に開示されている。
ビオチン-PEGn-NHS-ビオチン化試薬(CAS番号365441-71-0;n=エチレンオキシド単位数)は、IRIS Biotech GmbHから得るか、または自家で合成するかのどちらか一方であった。
de novo合成では、エチレンオキシド単位の個々の数の制御は、Chen and Baker、J.Org.Chem.1999年、64巻、6840~6873頁に記載された方法に従い、テトラエチレングリコール等のより短いPEGの段階的伸長により確実にした。
第1の工程では、ビスートリチルーPEG1を得た(明白な通り、nは、エチレングリコール単位の数を表す)。
1の脱保護は、室温で1時間、ジオキサン中の1M HCl中で攪拌することにより行った。溶媒蒸発後、残留物を濁りのない溶液が得られるまで、メタノール中で還流し、フラスコを4℃で一晩、維持した。濾過後、この溶液をヘキサンにより抽出し、メタノール層を蒸発させて乾燥すると、油状物またはワックスとして、対応するPEG-ジオール2を得た(粘度は、PEG単位(n)の長さ/数に依存する)。
次に、酸官能基の導入は、Seitz and Kunz、J.Org.Chem.1997年、62巻、813~826頁に従い、ナトリウムを触媒とするPEG-ジオールのアクリル酸tert-ブチルへの付加により行った。この方法で化合物3を得た。
HO-PEG-COOtBu3(1当量)およびトリエチルアミン(2.5当量)の塩化メチレン溶液に、塩化メチルスルホニル(2当量)を0℃で滴下して加えた。1時間、攪拌した後、水溶液を後処理し、後に、溶媒蒸発を続けた。
メシレート4(1当量)を、ジメチルホルムアミド中、室温で2日間、攪拌することにより、NaN(2当量)と直接反応させた。固体およびジメチルホルムアミドを除去した後、ジエチルエーテルにより、次いでNaCOにより水溶液を後処理した。
粗生成物5は、酢酸エチル/メタノール15/1でシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製した。アジド5(1当量)の還元は、室温で4/1のテトラヒドロフラン/水中で、トリフェニルホスフィン(1.1当量)と24時間、攪拌することにより行った。溶媒蒸発の後、残留物を水に懸濁させて、酢酸エチルにより数回、洗浄した。水層を溶媒蒸発させて、乾燥すると、アミン6が無色油状物として得られた。
tert-ブチルエステルの開裂は、水中の5%トリフルオロ酢酸により行った。アミノ-PEG-酸7を、数回、水とともに溶媒蒸発させることにより得た。
ビオチンは、ジメチルホルムアミド中、室温で一晩、対応するN-ヒドロキシスクシンイミドエステル8(1.05当量)とトリエチルアミン(4当量)とをカップリングすることにより導入した。
溶媒蒸発後、粗生成物9を、アセトニトリル/水中、RP-HPLCによって精製した。
最後に、塩化メチレン中、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.1当量)およびエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(1.1当量)と反応させることにより、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル10が形成した。反応の完了後、反応混合物を塩化メチレンにより希釈し、水により洗浄した。溶媒蒸発および乾燥により、それぞれ、エチレンオキシド単位の数に応じて、油状物、ワックスまたは固体として、純粋なビオチン-PEG-NHS10となった。
Figure 0007068323000003
実施例3
抗体の標識化
それぞれ、ビオチンおよびルテニウム部分の抗体へのカップリング:
当業者が十分に精通している最新技術に従って、抗体を得て精製した。
標識化前に、ペプシンにより検出用抗体を開裂させて、F(ab’)断片を得て、妨害になり易いFc断片を除去した(この方法は、A. Johnstone and R.Thorpe in Immunochemistry in Practice、Blackwell Scientific 1987年により記載されている)。精製したF(ab’)断片は、ホモ二官能性架橋剤であるスベリン酸二スクシンイミジル基質(DSS)によりさらに重合し、S400ゲル濾過クロマトグラフィーを適用して、最適サイズ範囲のF(ab’)ポリマーを集めた(この原理は、DE3640412に記載されている)。
個々の標識を結合するため、一般に、抗体のリシンε-アミノ基を、N-ヒドロキシスクシンイミド活性化化合物により標的化した。10mg/mlのタンパク質濃度において、抗体をそれぞれ、N-ヒドロキシ-スクシンイミド活性化ビオチン化試薬(ビオチン-DDSまたはビオチン-PEG24-NHS)およびN-ヒドロキシ-スクシンイミド活性化ルテニウム標識化試薬と反応させた。ビオチン化またはルテニウム標識化試薬の標識/タンパク質比を、それぞれ、5~6:1または15:1とした。この反応緩衝液を50mMリン酸カリウム(pH8.5)、150mM KClとした。この反応物を室温で15分間、行い、L-リシンを添加することにより停止し、10mMの最終濃度とした。標識の加水分解不活性化を回避するために、個々の保存溶液を乾燥DMSO(Sigma-Aldrich、ドイツ)中で調製した。粗製抗体コンジュゲートをゲル濾過カラム(Superdex 200HI Load)に通すことにより、または透析により、カップリング反応後、未反応遊離ビオチンまたはルテニウム標識を除去した。
実施例4
プロトタイプElecsys HCVコア抗原アッセイ
Elecsys HCVコア抗原プロトタイプアッセイの測定は、自動化cobas(登録商標)e601分析器(Roche Diagnostics GmbH)で、サンドイッチアッセイフォーマットで行った。この分析器でのシグナル検出は、電気化学化学ルミネッセンスに基づく。このサンドイッチアッセイにおいて、1つまたは複数の捕捉抗体-ビオチン-コンジュゲート(すなわち分析物特異的結合剤)を、ストレプトアビジンをコーティングした磁気ビーズの表面に固定化する。検出-抗体(さらなる分析物特異的結合剤)は、シグナル伝達部分として、錯体形成したルテニウムカチオンを有する。分析物の存在下で、ルテニウム錯体を固相に架橋して、分析器の測定細胞に含まれる白金電極において励起後、620nmの光を発光させる。シグナル出力は、任意の光単位である。測定は、いくつかの供給元から購入した、HCVコア抗原陽性および陰性ヒト血清ならびに血漿の試料で行った。
実験HCVコア抗原アッセイを、以下の通り実施した。HCV抗原陽性試料の正常ヒト血清50μl、および事前処理試薬(PT:0.25M KOH、1.125M KCl、1.5% 塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HTAC)、0.75%オクチルグリコシド)を含有する界面活性剤25μlを、9分間、一緒にインキュベートして抗原を放出させて、次に、2μg/mlの個々の捕捉抗体-ビオチンコンジュゲートまたは2種の異なる抗体-ビオチンコンジュゲート(それぞれ、1μg/ml)の混合物を35μl、ならびに同一アッセイ用緩衝液R1およびR2(200mMのリン酸カリウム(pH6.5)、225mMのKCl、0.5%タウロデオキシコール酸ナトリウム、0.3%zwittergent3-14、0.1%オキシピリオン(oxypyrion)、0.01%メチルイソチアゾリノン、0.2%ウシ血清アルブミン、0.2%ウシIgG、50μg/mlのMAK33-IgG1、50μg/mlのMAK33-F(ab’)-ポリ、50μg/mlのMAK IgG2b/Fab2a-ポリ)中の1μg/mlの検出抗体ルテニウム標識コンジュゲート40μlを加えた。さらに9分間のインキュベート時間後、50μlのストレプトアビジンをコーティングした常磁性微粒子を加え、さらに9分間、インキュベートした。この後、HCVコア抗原を検知した(これらの実験で発生した電気化学発光性シグナルによる)。
表1および2中のデータは、HCV抗原陽性試料および正常な(陰性)試料で測定された実際のカウント、およびそれぞれ、短鎖ビオチン標識ビオチン-DDS(表1、最新技術)および長鎖ビオチン標識ビオチン-PEG24-NHS(表2、本発明)でコンジュゲートした捕捉抗体に関する参照値に対する回収率を示す。
この設定では、すべての測定値に対するカットオフ(試料に反応性があるまたは陽性とみなされる点よりも上、および試料に反応性がないまたは陰性であると分類される点よりも下の決定点)を、同一実験設定で、陰性(正常)試料のシグナルの3倍として測定した。例えば、正常な(陰性)試料のバックグラウンドシグナルが約700カウントを示す場合、カットオフは、約2100カウントで設定する。結果として、2100を超えるカウントを示す試料はすべて、反応性があるとして分類する。
HCVコア抗原エピトープaa157~169を認識する捕捉抗体は、最高の特異的シグナルを生成し、参照として選択した。表2から分かる通り、本発明による長鎖ビオチン標識ビオチン-PEG24-NHSを使用する限り、任意の他の捕捉抗体と参照抗体とを2μg/ml(R1中)の合計濃度まで混合することにより、シグナルレベルは、2μg/mlの参照抗体単独によって生成するシグナルレベルに非常に近い。
これとは対照的に、および表1から分かる通り、最新技術において公知の短鎖ビオチン標識ビオチン-DDSをコンジュゲートした捕捉抗体の類似混合物は、単独で使用した参照抗体に比べて、強力なシグナル後退を示す。個々の抗体組合せに依存する、参照値に対するシグナルの回収率は、約40%に過ぎないか、または極大75%となる一方、本発明による長鎖リンカービオチン標識を使用する回収率は、少なくとも92%であり、それぞれ、91%、95%および96%の平均値となる(表2)。これは、より長鎖のものに対してよりも、短鎖のビオチン標識でコンジュゲートしたストレプトアビジン(streptavin)コーティング固相を有するビオチン化捕捉抗体の競合の方が強力であることを示す。
HCVコア抗原の様々な遺伝子型の信頼性の高い認識を評価するために、長鎖ビオチン標識ビオチン-PEG24-NHSでコンジュゲートした1つまたは2つの捕捉抗体を使用して、プロトタイプElecsys HCVコア抗原アッセイを行った。R1中の各抗体の抗体濃度を、混合物変異体向けにさらに最適化した。HCV遺伝子型1および3のセロコンバージョンパネルは、ZeptoMetrix Corporationから購入した。表3のデータは、単一抗体変異体よりも捕捉抗体の混合物の方が有利であることを明確に示す。1種の抗体の代わりに、長鎖ビオチン標識ビオチン-PEG24-NHSに連結したHCVコア抗原(本発明)に結合する2種の抗体を使用すると、大部分のセロコンバージョン試料の場合にシグナルが増大し、その結果、アッセイは、HCV遺伝子型1および3を確実に検出する。長鎖ビオチン標識にコンジュゲートした少なくとも2種の分析物特異的結合剤を使用する、本発明による手法により、一層高いシグナルがもたらされ、したがって、感度の改善、特にHCVコア抗原検出に対するアッセイ感度の改善がもたらされる。
Figure 0007068323000004
Figure 0007068323000005
Figure 0007068323000006

Claims (15)

  1. 微粒子をベースとする分析物特異的結合アッセイにおける分析物の測定のための方法であって、前記微粒子が、結合対の第1のパートナーによりコーティングされており、
    a)コーティングされた微粒子と、各々が結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤と、分析物を含むことが疑われるまたは含む試料とを混合するステップであって、ここで前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤はそれぞれが同じ分析物に特異的に結合するものであり、
    結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されており、それにより分析物を、前記分析物特異的結合剤を介してコーティングされた微粒子に結合させる、ステップ、
    b)結合対を介して結合した分析物を含む微粒子および分析物特異的結合剤を、混合物から分離するステップ、および
    c)微粒子に結合した分析物を測定するステップ
    を含む方法。
  2. 前記微粒子に結合した分析物を測定するステップが、電気化学発光性標識の使用に基づく、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分析物がいくつかの変異体を含む、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記いくつかの変異体が、様々な遺伝子型、アイソザイム、アイソフォーム、血清型、または前記分析物の変異体である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記分析物が感染性因子の抗原である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記分析物がウイルス抗原である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記分析物が、肝炎ウイルス抗原またはヒトレトロウイルス抗原である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記分析物が、C型肝炎ウイルスまたはB型肝炎ウイルスまたはHIV抗原である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記分析物がC型肝炎ウイルスコア抗原である、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置140~172内のエピトープに結合する抗体であり、前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置20~80内のエピトープに結合する抗体である、請求項1から9に記載のいずれかに記載の方法。
  11. 個別の容器中、または単一容器ユニットの個別のコンパートメント中に、少なくとも、結合対の第1のパートナーによりコーティングされた微粒子、およびそれぞれが前記結合対の第2のパートナーに結合している少なくとも2種の分析物特異的結合剤を含むキットであって、ここで前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤はそれぞれが同じ分析物に特異的に結合するものであり、結合対の前記第2のパートナーが、12~30個のエチレングリコール単位(PEG12~30)を含むリンカーを介して前記分析物特異的結合剤の各々に結合されている、キット。
  12. 結合対の前記第1のパートナーが、アジビンまたはストレプトアビジンであり、前記結合対の前記第2のパートナーが、ビオチン、アミノビオチン、イミノビオチンおよびデスチオビオチンから選択される、請求項11に記載のキット。
  13. 前記少なくとも2種の分析物特異的結合剤が、ウイルス抗原特異的結合剤である、請求項11または12に記載のキット。
  14. 前記少なくとも2種のウイルス抗原特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置140~172内のエピトープに結合する抗体であり、前記少なくとも2種のウイルス抗原特異的結合剤の1つが、配列番号1のアミノ酸の位置20~80内のエピトープに結合する抗体である、請求項13に記載のキット。
  15. 個別の容器中、または単一の容器ユニットの個別のコンパートメント中に、検出可能に標識されたさらなる分析物特異的結合剤をさらに含み、検出可能に標識された前記さらなる分析物特異的結合剤が、配列番号1のアミノ酸の位置100~120内のエピトープに結合する抗体である、請求項11から14のいずれかに記載のキット。
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