JPH07260792A - C型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の測定方法 - Google Patents

C型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の測定方法

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JPH07260792A
JPH07260792A JP6082160A JP8216094A JPH07260792A JP H07260792 A JPH07260792 A JP H07260792A JP 6082160 A JP6082160 A JP 6082160A JP 8216094 A JP8216094 A JP 8216094A JP H07260792 A JPH07260792 A JP H07260792A
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virus
antigen
hepatitis
hepatisis
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JP6082160A
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Yukihiko Sho
幸彦 庄
Atsushi Sato
佐藤  淳
Haruji Nakamura
春次 中村
Terumasa Arima
暉勝 有馬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インターフェロン等によるC型肝炎ウイルス
の治療の際のC型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価を測
定する方法及びこの方法で使用する検査薬を提供する。 【構成】 C型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の測定
において、測定対象試料をその吸光度が2.0以下にな
るように希釈し、C型肝炎ウイルス抗原ペプチドとして
配列番号1から3に記載のアミノ酸配列のいずれか一つ
を用いることを特徴とするC型肝炎ウイルス抗原に対す
る抗体価の測定方法。 【効果】 本発明によりインターフェロン等によるC型
肝炎の治療効果を明確に判定することが可能となり、モ
ニターリングに非構造蛋白抗原を加えることにより、コ
ア抗体が陰性である患者の治療効果モニターリングを可
能にし、更にこれらの方法に使用する検査薬が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インターフェロン等に
よるC型肝炎ウイルスの治療の際のC型肝炎ウイルス抗
原に対する抗体価を測定する方法及びこの方法で使用す
る検査薬に関する。
【0002】
【従来の技術】非A非B型肝炎ウイルスとは既知の肝炎
を引き起こすウイルス、例えばデルタ肝炎ウイルス、サ
イトメガロウイルス、EBウイルス、経口感染により流
行を起こすA型肝炎ウイルス、主として血液を介して感
染するB型肝炎ウイルス等のいずれにも属さない肝炎ウ
イルスの総称である。非A非B型肝炎ウイルスは大別す
ると2つのタイプに分けることができる。すなわち水伝
播性(経口感染)型と血液伝播性(輸血後感染)型であ
る。前者はE型肝炎ウイルスとして既に同定されており
感染後も慢性化しないことが特徴であるが、後者の血液
伝播性(輸血後感染)型ウイルスはC型肝炎ウイルス
(HCV)とよばれ慢性化しやすく時間が経過すると肝
硬変、肝癌に進行する場合が多く問題である。
【0003】1989年、アメリカのカイロン社の研究
者がHCVのcDNAのクローニングに成功して以来
(Chooら、Science 1989、244、
P.359)多くのHCVクローンがイムノスクリーニ
ング法(Maenoら、1990、Nucleic A
cid Research、18、P.2685、Ta
kamizawaら 1991、J.Virol、6
5、P.1105、Satoら、1993、Acta
Virol.37、P132)やPCR法(Okamo
toら、1992、Virology、188、P33
1)にて単離され種々の遺伝子型(サブタイプ)が提唱
されている。日本では大別すると4つのサブタイプのH
CV(I〜IV型)が存在し、II型に感染している例
が最も多いことが報告されている(Okamotoら、
1992、J.Gen.Virol.73、P.67
3)。
【0004】一方、HCVの感染を調べるための抗HC
V抗体検査薬も種々開発されており、最近では構造蛋白
質(コア蛋白質)と非構造蛋白質とを抗原として組み合
わせた第2世代検査薬が主流で多くの成果をあげている
(Frostら、1993、J.Clin.Mirob
iol、31、P.163)。使用抗原としては構造蛋
白質(コア蛋白質)が免疫原性が強くC型慢性肝炎患者
の90%以上が陽性を示すこと、また感染初期において
コア抗体が検出される例が多いことから重要であると考
えられる(Chibaら、1991、Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.、88、P.46
41)。特にコアタンパク領域のN末端側に免疫原性の
強い領域が存在していることが知られており(Naso
ffら、1991、Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A、88、P.5462)、この領域の
アミノ酸配列を基にして合成ペプチドを作製し患者血清
と反応させると高率で反応することが確認されている
(Satoら、1993、Microbiol.Imm
unol.37、P.295)。しかしながらこれらの
検査薬はHCVの感染の有無を調べるものであり、モニ
ターリング用の抗体価の定量に用いられるものではなか
った。
【0005】またC型肝炎の治療には現在主にインター
フェロンが用いられているが、この治療効果をモニター
リングするのに、コア蛋白に対する抗体価を測定する方
法が有用であることが知られており、既にコア蛋白全長
を抗原とした治療モニターング用検査薬が市販されてい
る。これはインターフェロンによってウイルスが減少す
ると同時に、このウイルスのコア蛋白(抗原)が減少し
免疫応答の結果コア抗原に対する抗体も減少することが
考えられる。しかしながらこのモニターリング用検査薬
ではインターフェロン等によるC型肝炎の治療効果が明
確に判定が行えず、またこのコア抗体のみをモニターリ
ングする系ではコア抗体が出現しない少数の患者には適
用できないという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにC型肝炎
の治療にはインターフェロンが有用であるが、この治療
効果をモニターリングする方法としては、コア蛋白に対
する抗体価を測定する方法が有用であることが知られて
おり、既にコア蛋白全長を抗原とした治療モニターリン
グ用検査薬が市販されている。しかしこの方法ではコア
抗体が出現しない少数の患者には適用できないという欠
点があると同時にインターフェロン治療に対し著効を示
した患者でも抗体価があまり減少しない場合が認められ
る。
【0007】また一般にC型肝炎を診断するにはコア蛋
白と非構造蛋白とを抗原として使用するいわゆる第2世
代検査薬が主に使用されているが、スクリーニングには
第2世代検査薬を、またインターフェロン治療効果のモ
ニターリングにはコア抗原のキットを使用することは繁
雑である。本発明の目的はかかる問題を改善するところ
にあり、インターフェロン治療効果のモニターリングに
有用なC型肝炎ウイルスに対する抗体価の測定方法を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は下記の構
成により解決される。すなわち本発明は、C型肝炎ウイ
ルス抗原に対する抗体価の測定において、測定対象試料
をその吸光度が2.0以下になるように希釈し、C型肝
炎ウイルス抗原ペプチドとして配列番号1から3に記載
のアミノ酸配列のいずれか一つを用いることを特徴とす
るC型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の測定方法であ
る。
【0009】本発明で用いられるC型肝炎ウイルス抗原
ペプチドは、配列番号1から3に記載のアミノ酸配列の
いずれか一つからなるものでありHCVのコア蛋白質領
域のアミノ酸配列を基にして種々の長さの配列を有する
ペプチドを作製し得られるものである。より具体的には
本発明の抗原をコードするcDNAは以下のようにして
得られる。
【0010】まず、複数の非A非B型慢性肝炎患者由来
の血清から、例えば、Chomezynskiらによっ
て示されるポリエチレングリコール沈殿法によってファ
ージ粒子を回収し、フェノール抽出、イソプロパノール
沈殿法でRNAを調製する(Chomezynski
ら、1987、Anal.Biochem.162、
P.156)。
【0011】調製したRNAからcDNAの合成は、市
販品のcDNA合成キット(例えば、BRL社)とラン
ダム・プライマー(宝酒造社)を用いて行うことができ
る。
【0012】次に、合成したcDNAを市販品のλgt
llクローニング・キット(BRL社)を用いて、λg
tllファージ・ベクターのEcoRI部位に導入後、
市販品のパッケージング・キット(アマシャム社)を用
いて、in vitroパッケージングを行ってcDN
Aライブラリーを調製することが可能である。
【0013】かかるλgtllファージ内に組み込まれ
たcDNAはλgtllファージ上のβ−gal遺伝子
の中に組込まれるので、ファージの大腸菌への感染後、
IPTG(イソプロピル−β−D−ガラクトピラノシ
ド)などの誘導物質による該ファージ上のラクトースオ
ペロンのプロモーターの誘導によりβ−ガラクトシダー
ゼとの融合蛋白質として容易に発現が確認される。
【0014】この様にして、cDNAを組込んだλgt
llファージcDNAライブラリーから目的とする非A
非B型慢性肝炎患者の血清特異的に反応する抗原をコー
ドするcDNAをスクリーニングするには、ヤングら、
(Youngら 1983、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.U.S.A.、80、P.1194)に
示された方法に従って行うことができる。つまり、λg
tllファージを大腸菌に感染させ、IPTGを含む培
地で培養する。形成されたプラークを発現されたβ−ガ
ラクトシダーゼとの融合蛋白質と共にニトロセルロース
メンブレンに写しとり、非A非B型慢性肝炎患者由来の
血清に含まれる抗体と反応させ、さらにHRP(西洋ワ
サビパーオキシダーゼ)で標識した抗ヒトIgG抗体と
反応させた後に発色させることによって、非A非B型慢
性肝炎患者由来の血清に含まれる抗体と反応性のある融
合蛋白質を発現しているプラークを選択することができ
る。
【0015】次に2次スクリーニングとして、こうして
選択されたプラークの中から同様な方法で、非A非B型
慢性肝炎患者由来の血清に含まれる抗体とは反応する
が、B型肝炎患者由来の血清および正常人の血清とは反
応しないプラークを選択する。
【0016】さらに、2次スクリーニングにパスしたλ
gtll組換えファージの持つcDNAの塩基配列を決
定することになるが、その方法は以下のようにする。ま
ず、Molecular Cloning(Mania
tisら Cold spring harbor l
aboratory press 1989)の方法に
したがって少量のファージDNAを調製し、このファー
ジDNAを制限酵素EcoRIで完全にあるいは部分分
解して得られるcDNAをpUC系統のプラスミド・ベ
クターヘサブクローニングする。そしてこのプラスミド
DNAを調製して、例えば、デュポン社製のDNAシー
クエンサーを用いて塩基配列を決定することができる。
この方法により得られたクローンの配列は本発明者らに
より既に特許出願されている(国際公開番号WO92/
09634号明細書)。
【0017】得られたクローンのうちコア蛋白領域由来
であるクローンS29の配列(国際公開番号WO92/
09634号明細書)に基づき、長さの異なる3種類の
ペプチドを合成した。すなわちアミノ酸7から30まで
の24アミノ酸(以下24mer 配列番号1)、アミ
ノ酸1から30までの30アミノ酸(以下30merあ
るいはS29−1、配列番号2)、アミノ酸2から41
までの40アミノ酸(以下40mer、配列番号3)、
である。これらペプチドの合成は公知の固相ペプチド合
成法により行われる。さらに得られたペプチドは逆層液
体クロマトグラフィー等で精製し用いることが好まし
い。また実施例から明らかな通りコアタンパクN末端側
の領域を抗原として使用すると、配列が短いほどシャー
プな反応が得られ好ましい。また抗C型肝炎ウイルス抗
体の力価を定量するためにはさらに患者血清と高率に反
応する抗原を選択するのが好ましく、例えばコア抗体が
陰性の患者においては非構造蛋白抗原をコア蛋白抗原と
組み合わせて用いることによりより正確にモニターリン
グできる。このように本発明は配列番号1から3に示さ
れるコア蛋白N末端側の短いペプチドを用いるものであ
るが、中でも配列番号1(24mer)は配列番号2
(30mer)に比べて患者血清での陽性率が若干低下
することからモニターリングには30merが最も好ま
しく用いられる。またこれらコア抗原ペプチドに非構造
蛋白抗原、好ましくは配列番号4に示されるNS3抗原
を組み合わせることにより、コア抗体が出現しない少数
の患者に対しても非構造蛋白抗原(NS3)を加えるこ
とにより治療モニターリング可能であること、この測定
系によりC型肝炎のスクリーニングとインターフェロン
治療効果のモニターリングが同時に可能となるものであ
る。
【0018】本発明においてC型肝炎ウイルス抗原に対
する抗体価を測定する際には、測定血清を希釈し吸光度
2.0以下(より好ましくは1.5以下)とすることに
より定量性が得られる。吸光度2.0以下にするために
は測定対象である血清をPBS溶液等を用いることで1
0/3倍から1000/3倍の範囲で希釈することが好
ましい。
【0019】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。
【0020】実施例1 ペプチドの作製 国際公開番号WO92/09634号明細書に記載され
た方法で得られたクローンのうちコア蛋白領域由来であ
るクローンS29の配列に基づき、長さの異なる3種類
のペプチドを合成した。すなわちアミノ酸7から30ま
での24アミノ酸(以下24mer 配列番号1)、ア
ミノ酸1から30までの30アミノ酸(以下30mer
あるいはS29−1,配列番号2)、アミノ酸2から4
1までの40アミノ酸(以下40mer、配列番号
3)、である。これらペプチドはペプチド自動合成装置
(アメリカ アプライド バイオシステムズ社製 モデ
ル431A)を用いて固相合成法で合成し、得られたペ
プチドを逆層クロマトグラフィーで精製した。得られた
ペプチドは常法に従い組成分析を行い目的とするペプチ
ドであることを確認した。また大腸菌で発現させたS4
蛋白については国際公開番号WO92/09634号明
細書の方法を用いて精製し使用した。
【0021】実施例2 マイクロプレートEIAの作製 実施例1記載の4種類の単独合成ペプチドおよびS29
−1と精製S4抗原とを組み合わせたマイクロプレート
EIAを作製した。単独合成ペプチドおよびS29−1
と精製S4抗原とを0.5μg/mlの濃度になるよう
にPBS溶液(0.1M燐酸緩衝液)100μlに溶解
し、マイクロプレートの各ウエルに加え4℃で一晩反応
させた。抗原溶液を吸引除去しさらに0.5%のBSA
を含むPBSを4℃で一晩反応させブロッキングした。
このブロッキング液を吸引除去し、洗浄液(0.025
%のTween20を含む1/2PBS溶液)で洗浄し
て各種抗原固相化プレートとした。
【0022】実施例3 患者血清抗体価の測定 インターフェロンで治療を実施し著効を示したC型慢性
肝炎患者の血清を、治療前、インターフェロン投与8週
間後、18週間後、24週間後(終了時)、終了時から
8週間後、18週間後、24週間後の計7点について各
血清をPBS溶液にて10/3倍、10倍、100/3
倍、100倍、1000/3倍に希釈し、各ELISA
にて抗体価を測定した。 この抗体価を対数変換し、対
数曲線の傾きを抗体価の減少率とした。なお各ELIS
Aの測定方法およびカットオフ値は国際公開番号WO9
2/09634号明細書に記載の方法と同様に行った
(カットオフ値は陰性コントロール値+0.3とし
た)。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1ではインターフェロン投与前の抗体価
を100としたときのインターフェロン投与終了6か月
後のカットオフインデックスの減少率を示した。コア抗
原ペプチドの長さが短いほど減少率が高く治療効果をよ
りクリアーに示していた。これはコア蛋白の長さを短く
していくと、抗原上に存在するエピトープが限定される
ためシャープな反応を示すのではないかと推測される。
抗体価のモニターリングでは30merより24mer
の系が優れていたが、24merは30merに比べて
患者血清での陽性率が若干低下することを考え合わすと
(特許出願中、特願平05−273938号明細書)モ
ニターリングでは30merが適当であると考えられ
る。
【0025】表2では表1と同様にインターフェロンで
治療を実施し著効を示したC型慢性肝炎患者の血清を、
治療前、インターフェロン投与8週間後、18週間後、
24週間後(終了時)、終了時から8週間後、18週間
後、24週間後の計7点について各血清をPBS溶液に
て10/3倍、10倍、100/3倍、100倍、10
00/3倍に希釈し、S29−1と精製S4抗原を組み
合わせたマイクロプレートEIAにて抗体価を測定しカ
ットオフインデックスの減少率を比較した。参考までに
市販キットであるJCC−2(オーソ社)による測定も
行った。著効例に関してはS29−1と精製S4を組み
合わせた系で十分抗体価の減少が確認できた。特に血清
KTでは著効を示したにもかかわらずコア抗体(JCC
−2)は顕著には減少しなかったが(投与終了後24週
後で10.0%)、S29−1と精製S4を組み合わせ
た系では投与終了後24週後で抗体価が54.8%減少
し明確に判定することができた。これはコア抗原に加え
て非構造蛋白抗原を加えたことによる効果と考えられ
る。
【0026】
【表2】
【0027】表3ではインターフェロンで治療を行った
患者検体についてコアペプチド(30mer、S29−
1)と非構造蛋白(S4)とを組み合わせた第2世代検
査薬で抗体価を測定した。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】著効を示した12例(HCV−RNAが陰
性化した症例)に関しては1例を除き治療終了6か月後
のカットオフインデックスがインターフェロン投与前と
比較して約60%以上減少した。またインターフェロン
投与終了時と治療終了6か月後を比較しても全例でカッ
トオフインデックスが減少していた。これに対して無効
例では治療終了6か月後のカットオフインデックスがイ
ンターフェロン投与前と比較して減少する傾向にあった
が、インターフェロン投与終了時と治療終了6か月後を
比較してみると1例を除き上昇した。このように第2世
代検査薬の抗体価の推移はHCV−RNAと臨床経過を
よく反映していた。特にインターフェロン投与終了時と
治療終了6か月後のカットオフインデックスの増減はイ
ンターフェロン治療による効果を反映していた。
【0032】コアペプチド(S29−1)と非構造蛋白
(S4)とを組み合わせた第2世代検査薬をモニターリ
ング用に使用できる利点は短いコア合成ペプチド(S2
9−1)を使用していることで現在市販されている検査
薬と比較してよりシャープにモニターリング可能である
こと、またNS3抗原(S4)をあわせて使用している
のでコア抗体が陰性の患者においてもモニターリング適
用可能であること、著効例に関してはコア抗体のみをモ
ニターリングするより明確に抗体価の減少がみられるこ
とが挙げられる。また陽性率の高いコアペプチドと非構
造蛋白とを組み合わせたいわゆる第2世代検査薬でスク
リーニングとインターフェロン治療効果のモニターリン
グが同時に可能であることは、スクリーニングとモニタ
ーリングをキットを変えて測定している現状から考えて
よりシンプルな診断が行えると考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明によりインターフェロン等による
C型肝炎の治療効果を明確に判定することが可能とな
る。また本発明ではコア蛋白抗原と非構造蛋白抗原(N
S3)を使用した第2世代検査薬がインターフェロン治
療効果のモニターリングに適用できることを示した。こ
れによりコア抗体が陰性である患者の治療効果モニター
リングが可能になると同時に、スクリーニングとモニタ
ーリングが同じ検査薬キットで行えるようになった。
【0034】
【配列表】配列番号1はHCVのコア蛋白領域由来のク
ローンS29の配列(国際公開番号WO92/0963
4号明細書)に基づき合成されたアミノ酸7から30ま
での24アミノ酸配列を示す。配列番号2はHCVのコ
ア蛋白領域由来のクローンS29の配列(国際公開番号
WO92/09634号明細書)に基づき合成されたア
ミノ酸1から30までの30アミノ酸配列を示す。配列
番号3はHCVのコア蛋白領域由来のクローンS29の
配列(国際公開番号WO92/09634号明細書)に
基づき合成されたアミノ酸2から41までの40アミノ
酸配列を示す。配列番号4は非A非B型肝炎ウイルスの
非構造蛋白領域由来のcDNA配列及ひ該DNA配列が
コードするアミノ酸配列を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 春次 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 有馬 暉勝 鹿児島県鹿児島市平之町5−1−403号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の
    測定において、測定対象試料をその吸光度が2.0以下
    になるように希釈し、C型肝炎ウイルス抗原ペプチドと
    して配列番号1から3に記載のアミノ酸配列のいずれか
    一つを用いることを特徴とするC型肝炎ウイルス抗原に
    対する抗体価の測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象試料を10/3倍から1000
    /3倍の範囲で希釈することを特徴とする請求項1記載
    のC型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の測定方法。
  3. 【請求項3】 配列番号1から3に記載のアミノ酸配列
    のいずれか一つのC型肝炎ウイルスコア抗原ペプチドと
    C型肝炎ウイルス非構造蛋白抗原ペプチドとを用いるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のC型肝炎ウイル
    ス抗原に対する抗体価の測定方法。
JP6082160A 1994-03-16 1994-03-16 C型肝炎ウイルス抗原に対する抗体価の測定方法 Pending JPH07260792A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020506386A (ja) * 2017-02-02 2020-02-27 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 少なくとも2種のペグ化された分析物特異的結合剤を使用する免疫アッセイ

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JP2020506386A (ja) * 2017-02-02 2020-02-27 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 少なくとも2種のペグ化された分析物特異的結合剤を使用する免疫アッセイ

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