JPH0797398A - C型肝炎用検査薬およびc型肝炎ウイルス抗原ペプチド - Google Patents

C型肝炎用検査薬およびc型肝炎ウイルス抗原ペプチド

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JPH0797398A
JPH0797398A JP27393893A JP27393893A JPH0797398A JP H0797398 A JPH0797398 A JP H0797398A JP 27393893 A JP27393893 A JP 27393893A JP 27393893 A JP27393893 A JP 27393893A JP H0797398 A JPH0797398 A JP H0797398A
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hepatitis
virus
cdna
peptide
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Atsushi Sato
佐藤  淳
Haruji Nakamura
春次 中村
Terumasa Arima
暉勝 有馬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の検査薬では陽性と判定できない検体を
正確に判定するためのC型肝炎ウイルス用検査薬の構築
およびC型肝炎ウイルス抗原ペプチドの取得。 【構成】 複数の非A非B型慢性肝炎患者の血清からR
NAを調整し、調整したRNAを鋳型にしてcDNAを
合成し、合成したcDNAをファージベクターに組み込
みcDNAライブラリーを調整し、該ライブラリーから
非A非B型慢性肝炎患者由来の血清に特異な抗原をコー
ドするcDNAをスクリーニングし、cDNAの配列を
決定する。決定した塩基配列からC型肝炎ウイルスのコ
ア蛋白質領域のアミノ酸配列を基にして種々の長さやサ
ブタイプの配列を有するペプチドを作成し、これらの抗
原を単独により又は組合わせることにより、より高感度
の免疫学的検査が可能なC型肝炎ウイルス用検査薬を構
築し、そして併せてC型肝炎ウイルス抗原ペプチドを取
得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、C型肝炎ウイルスに対
する抗体検査薬およびC型肝炎ウイルス関連抗原ペプチ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】非A非B型肝炎ウイルスとは既知の肝炎
を引き起こすウイルス、例えばデルタ肝炎ウイルス、サ
イトメガロウイルス、EBウイルス、経口感染により流
行を起こすA型肝炎ウイルス、主として血液を介して感
染するB型肝炎ウイルス等のいずれにも属さない肝炎ウ
イルスの総称である。非A非B型肝炎ウイルスは大別す
ると2つのタイプに分けることができる。すなわち水伝
播性(経口感染)型と血液伝播性(輸血後感染)であ
る。前者はE型肝炎ウイルスとして既に同定されており
感染後も慢性化しないことが特徴であるが、後者の血液
伝播性(輸血後感染)ウイルスはC型肝炎ウイルス(H
CV)とよばれ慢性化しやすく時間が経過すると肝硬
変、肝癌に進行する場合が多く問題である。
【0003】1989年、アメリカのカイロン社の研究
者がHCVのcDNAのクローニングに成功して以来
(Chooら、Science 1989、244、
P.359)多くのHCVクローンがイムノスクリーニ
ング法(Maenoら、1990、Nucleic A
cid Research、18、P.2685、Ta
kamizawaら1991、J.Virol、65、
P.1105、Satoら、1993、Acta Vi
rol.37、P132)やPCR法(Okamoto
ら、1992、Virology、188、P331)
にて単離され種々の遺伝子型(サブタイプ)が提唱され
ている。日本では大別すると4つのサブタイプのHCV
(I〜IV型)が存在し、II型に感染している例が最
も多いことが報告されている(Okamotoら、19
92、J.Gen.Virol.73、P.673)。
【0004】一方、HCVの感染を調べるための抗HC
V抗体検査薬も種々開発されており、最近では構造蛋白
質(コア蛋白質)と非構造蛋白質を抗原として組み合わ
せた第2世代検査薬が主流で多くの成果をあげている
(Frostら、1993、J.Clin.Mirob
iol、31、P.163)。使用抗原としては構造蛋
白質(コア蛋白質)が免疫原性が強くC型慢性肝炎患者
の90%以上が陽性を示すこと、また感染初期において
コア抗体が検出される例が多いことから重要であると考
えられる(Chibaら、1991、Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.、88、P.46
41)。特にコアタンパク領域のN末端側に免疫原性の
強い領域が存在していることが知られており(Naso
ffら、1991、Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A、88、P.5462)、この領域の
アミノ酸配列を基にして合成ペプチドを作製し患者血清
と反応させると高率で反応することが確認されている
(Satoら、1993、Microbiol.Imm
unol.37、P.295)。しかしながらSugi
taniらはPCR法にてHCV−RNAが検出される
にもかかわらず抗体が従来の検査薬では検出されない検
体がいまだ存在していることを報告している(sugi
taniら、Lancet、1992、339、P.1
018)。したがってこのような検体を陽性と判定でき
る抗体検査薬の開発が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在市販されている抗
体検査薬は1種類の遺伝子型ウイルス由来の抗原を使用
しており、異なる遺伝子型のHCVに感染している検体
に対しては反応しない可能性が考えられる。例えば感染
検体がHCVのコア蛋白に対する抗体を保有していて
も、抗体検査薬で使用されているコア抗原の遺伝子型と
検体の感染しているウイルスの遺伝子型とが一致しなけ
れば、検体の保有する抗体が抗原と交差反応を起こさず
陰性と判定される場合がある。また抗原の調製次第では
(例えば他の異種蛋白との融合蛋白を使用したり、不必
要に長い配列を抗原として使用すること)、抗原に存在
する抗原決定部位が物理的にブロックされ、反応しない
ことも考えられる。このようなことが原因でPCR法に
てHCV−RNAが検出されるにもかかわらず抗体が従
来の検査薬では検出されない検体がいまだ存在している
と考えられる。
【0006】したがって本発明は上述したことが原因で
陽性と判定できない検体を正確に判定する検査薬を構築
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはHC
Vのコア蛋白質領域のアミノ酸配列を基にして種々の長
さや種々のサブタイプの配列を有するペプチドを作製
し、感染者血清との反応性を検討した結果、抗原の配列
の長さを変えたりサブタイプの異なる配列を使用すると
異なった反応が認められ、これら抗原を組合わせるとさ
らに高感度な検査薬が構築できることを見出だした。
【0008】本発明の抗原をコードするcDNAの配列
は以下のようにして入手した。まず、複数の非A非B型
慢性肝炎患者由来の血清から、例えば、Chomezy
nskiらによって示されるポリエチレングリコール沈
殿法によってファージ粒子を回収し、フェノール抽出、
イソプロパノール沈殿法でRNAを調製する(Chom
ezynskiら、1987、Anal.Bioche
m.162、P.156)。
【0009】調製したRNAからcDNAの合成は、市
販品のcDNA合成キット(例えば、BRL社)とラン
ダム・プライマー(宝酒造社)を用いて行うことができ
る。
【0010】次に、合成したcDNAを市販品のλgt
11クローニング・キット(BRL社)を用いて、λg
t11ファージ・ベクターのEcoRI部位に導入後、
市販品のパッケージング・キット(アマシャム社)を用
いて、in vitroパッケージングを行ってcDN
Aライブラリーを調製することが可能である。
【0011】かかるλgt11ファージ内に組み込まれ
たcDNAはλgt11ファージ上のβ−ga1遣伝子
の中に組込まれるので、ファージの大腸菌への感染後、
IPTG(イソプロピル−β−D−ガラクトピラノシ
ド)などの誘導物質による該ファージ上のラクトースオ
ペロンのプロモーターの誘導によりβ−ガラクトシダー
ゼとの融合蛋白質として容易に発現が確認される。
【0012】この様にして、cDNAを組込んだλgt
11ファージcDNAライブラリーから目的とする非A
非B型慢性肝炎患者の血清特異的に反応する抗原をコー
ドするcDNAをスクリーニングするには、ヤングら、
(Youngら1983、Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.、80、P.1194)に示
された方法に従って行うことができる。つまり、λgt
11ファージを大腸菌に感染させ、IPTGを含む培地
で培養する。形成されたプラークを発現されたβ−ガラ
クトシダーゼとの融合蛋白質と共にニトロセルロースメ
ンプレンに写しとり、非A非B型慢性肝炎患者由来の血
清に含まれる抗体と反応させ、さらにHRP(西洋ワサ
ビパーオキシダーゼ)で標識した抗ヒトIgG抗体と反
応させた後に発色させることによって、非A非B型慢性
肝炎患者由来の血清に含まれる抗体と反応性のある融合
蛋白質を発現しているプラークを選択することができ
る。
【0013】次に2次スクリーニングとして、こうして
選択されたプラークの中から同様な方法で、非A非B型
慢性肝炎患者由来の血清に含まれる抗体とは反応する
が、B型肝炎患者由来の血清および正常人の血清とは反
応しないプラークを選択する。
【0014】さらに、2次スクリーニングにパスしたλ
gt11組換えファージの持つcDNAの塩基配列を決
定することになるが、その方法は以下のようにする。ま
ず、Molecular Cloning(Mania
tisらCold Spring harbor la
boratory Press 1989)の方法にし
たがって少量のファージDNAを調製し、このファージ
DNAを制限酵素EcoRIで完全にあるいは部分分解
して得られるcDNAをpUC系統のプラスミド・ベク
ターヘサブクローニングする。そしてこのプラスミドD
NAを調製して、例えば、デュポン社製のDNAシーク
エンサーを用いて塩基配列を決定することができる。こ
の方法により得られたクローンの配列は本発明者らによ
り既に特許出願されている(国際公開番号WO92/0
9634)。
【0015】得られたクローンのうちコア蛋白領域由来
であるクローンS29の配列(国際公開番号WO92/
09634)に基づき、長さの異なる4種類のペプチド
を合成した。すなわちアミノ酸7から30までの24ア
ミノ酸(以下24mer 配列番号1)、アミノ酸1か
ら30までの30アミノ酸(以下30merあるいはS
29−1、配列番号6)、アミノ酸2から41までの4
0アミノ酸(以下40mer、配列番号2)、アミノ酸
2から51までの50アミノ酸(以下50mer、配列
番号3)である。またクローンS29はアミノ酸1から
30までの30アミノ酸の領域では遺伝子型でIII、
IVに属するが(アミノ酸配列はIII、IV型どちら
も同一)他の遺伝子型(II型)に属するクローンS5
6(国際公開番号WO92/09634)の配列に基づ
いてアミノ酸1から30までの30アミノ酸のペプチド
を合成した(以下T109、配列番号5)。さらに残り
の遺伝子型(I型)に関してもチョーらの配列(Cho
oら、1991、Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A、88、P.2451)に基づいてアミ
ノ酸1から30までの30アミノ酸のペプチドを合成し
た(T108、配列番号4)。これらペプチドの合成は
公知の固相ペプチド合成法により行われる。さらに得ら
れたペプチドは逆層液体クロマトグラフィー等で精製す
ることが可能である。得られたペプチドは単独で、ある
いは複数組み合わせて使用することができる。本発明の
検査薬において複数組み合わせて使用する方法としては
例えば長さの異なるS29−1と40merのペプチ
ド、あるいはサブタイプの異なるT109と40mer
のペプチドを組み合わせることが望ましい。もちろん抗
原性が失われないのなら3種類以上のペプチドを組み合
わせることも可能である。例えばS29−1とT108
と40merを組み合わせることが望ましい。
【0016】本発明の抗原あるいはその一部を主要な構
成成分として含有する血清診断法の診断薬について述る
が、採用する免疫学的検出方法に応じて種々の診断薬を
設計することができる。例えば、検出方法としてオクタ
ロニー法(MO)、免疫電気泳動法(IES、IE
P)、補体結合反応法(CF)、免疫粘着血球凝集反応
法(IAHA)、一元平板免疫拡散法(SRID)を利
用する場合には、本発明の抗原をそのまま使用して適当
な形態に調製すればよい。一例として一元平板免疫拡散
法を利用する場合を示せば、支持体として寒天、アガロ
ース、デンプン、ポリアクリルアミドなどの中から適当
なものを選び、これを緩衝液に溶解し、次に本発明の物
質を添加混合し、得られる溶液をガラス板上あるいはプ
ラスチック容器内に流して固化し、固化ゲル平板に被検
血清注入用の孔を開ければよい。この孔に披検血清を注
入して拡散する抗体と抗原の反応を観察することによっ
て診断が可能である。
【0017】しかるに、検出方法として血球凝集反応法
(PHA)を利用する場合には本発明の抗原あるいはそ
の一部、人工的の合成したエピトープ部分を含む物質を
微粒子に結合させる必要がある。微粒子としては哺乳類
および鳥類の血球が通常用いられるが、その他、ポリス
チレンラテックス、ポリエステルラテックス、塩化ビニ
ル、ベントナイト、ガラスビーズなどの約1−10μの
粒子も使用することができる。本発明抗原と微粒子を結
合させるには、例えば、グルタールアルデヒド、ホルム
アルデヒド、タンニン酸、ビスジアドダイズベンチジ
ン、塩化クロム、カルボジイミドなどを使用すればよ
く、本発明の抗原が結合した微粒子と披検血清を混ぜた
後、凝集反応を起こすか否かで診断を行うことができ
る。
【0018】また、本発明の抗原を放射性免疫測定法
(RIA)や酵素抗体法(ELISA)などに利用する
場合には、本発明の抗原あるいはその一部、人工的に合
成したエピトープ部分を含む物質を適当な固相に結合さ
せ、さらに血清中のヒト抗体と結合する2次抗体(抗ヒ
ト抗体)を放射能標識または酵素標識する必要がある。
固相としてはマイクロプレート、チューブ、ビーズ、磁
性ビーズなどが使用でき、固相に結合した抗原と披検血
清を反応させB/F分離を行なった後、抗原と結合した
抗体を抗ヒト抗体(2次抗体)で検出することによって
血清中の抗体量を検出することができる。2次抗体の放
射能標識としてはヨウ素125やヨウ素131が利用で
き、クロラミンT法などで結合させることができる。ま
た、2次抗体の標識酵素としては、例えば、グルコース
オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダ
ーゼ、ベータガラクトシダーゼなどを使用することがで
き、酵素と抗体との結合法としては有機化学的方法、免
疫学的標識法、アビジン/ビオチン反応を介する方法、
組合わせ架橋法などが知られている。詳細は、例えば、
生化学実験法11、エンザイムイムノアッセイ(東京化
学同人 1989)を参照されたい。さらに、特殊な酵
素抗体法(ELISA)として、本発明の抗原を結合さ
せた固相に披検血清中の抗体を捕捉し、さらに抗体と酵
素標識した抗原を反応させることによって抗体を検出す
ることも可能である。
【0019】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。
【0020】実施例1 合成ペプチドの作製 得られたクローンのうちコア蛋白領域由来であるクロー
ンS29の配列(国際公開番号WO92/09634)
に基づき、長さの異なる4種類のペプチドを合成した。
すなわちアミノ酸7から30までの24アミノ酸(以下
24mer 配列番号1)、アミノ酸1から30までの
30アミノ酸(以下30mer、配列番号6)、アミノ
酸2から41までの40アミノ酸(以下40mer、配
列番号2)、アミノ酸2から51までの50アミノ酸
(以下50mer、配列番号3)である。またクローン
S29はアミノ酸1から30までの30アミノ酸の領域
では遺伝子型でIII、IVに属するが(アミノ酸配列
はIII、IV型どちらも同一)他の遺伝子型(II
型)に属するクローンS56(国際公開番号WO92/
09634)の配列に基づいてアミノ酸1から30まで
の30アミノ酸のペプチドを合成した(以下T109、
配列番号5)。さらに残りの遺伝子型(I型)に関して
もチョーらの配列(Chooら、1991、Proc.
Natl.Acad.Sci.U.S.A、88、P.
2451)に基づいてアミノ酸1から30までの30ア
ミノ酸のペプチドを合成した(T108、配列番号
4)。これらペプチドはペプチド自動合成装置(アメリ
カ アプライド バイオシステムズ社製モデル431
A)を用いて固相合成法で合成し、得られたペプチドを
逆層クロマトグラフィーで精製した。得られたペプチド
は常法に従い組成分析を行い目的とするペプチドである
ことを確認した。
【0021】実施例2 マイクロプレートEIAの作
製および献血検体との反応 実施例1記載の6種類の合成ペプチドを抗原とするマイ
クロプレートEIAを作製した。合成した各ペプチドを
0.5μg/mlの濃度になるようにPBS溶液(0.
1M燐酸緩衝液)に溶解し、マイクロプレートの各ウエ
ルに100μlずつ加え4℃で一晩反応させた。抗原溶
液を吸引除去しさらに0.5%のBSAを含むPBSを
4℃で一晩反応させブロッキングした。このブロッキン
グ液を吸引除去し、洗浄液(0.025%のTween
20を含む1/2PBS溶液)で洗浄した。洗浄後、緩
衝液(0.25%BSA及び0.05%のTween2
0を含むPBS)200μlに血清20μl加え37℃
で60分反応させた。プレートを洗浄液で3回洗浄後、
ペルオキシダーゼ標識マウス抗ヒトIgGモノクローナ
ル抗体(カッペル社製)と37℃で15分反応させた。
さらにプレートを3回洗浄後、基質液を加え37℃で1
5分反応させ1N硫酸を加えて反応を停止した後450
nmの吸光度を測定した。その結果を表1および表2に
示す。なお測定検体としてはウイルス肝炎研究財団より
供与された献血検体パネル血清99例、および献血検体
9414例を東レ社製HCV抗体キットとアボットラボ
ラトリー社製PHA法 さらに HCV EIA アボ
ット IIで測定したときの乖離例34例について各ペ
プチドを用いたELISA法にて測定した。また陽性を
示した検体はオーソ社製イムノブロットアッセイ(RI
BA II)にての測定と必要に応じてPCR法を用い
たHCV−RNAの測定を行った。なお各ペプチドのE
LISAのカットオフ値は陰性コントロール+0.3と
した。各ELISAのカットオフ値は以下の通りであ
る。
【0022】24mer 0.348, 30mer
(S29−1) 0.386, 40mer 0.35
4, 50mer 0.369, T108 0.38
0,T109 0.376。
【0023】なお表中でHCV−RNAはPCR法を用
いたHCV−RNAの測定結果、RIBA IIはオー
ソ社製イムノブロットアッセイ(RIBA II)にて
の測定結果でありC22−3+とはコア蛋白に反応して
いることを示している。Nとは陰性の意味である。下線
を引いたサンプルは陽性であることを示している。
【0024】表1に示されるように長さを変えたペプチ
ドでは40merのペプチドの反応性が最も高くさらに
配列を長くした50merより反応性が高かった(サン
プルNo.25、No.K−67)。またNo.50−
47のサンプルでは24mer、30merでは陽性を
示したが配列を長くした40merのペプチドでは反応
しなくなった。このサンプルはPCR法でHCV−RN
Aが陽性を示しているが、市販の検査薬(アボットI
I)では陰性である。このように異なる長さを有するコ
アペプチドを用いることにより、異なった反応を示す検
体が見出された。これらの検体を正確に判定するために
は異なる長さを有するコアペプチド、望ましくは30m
erと40merのペプチドを組み合わせて使用するこ
とが有用である。表2では異なる遺伝子型の配列を有す
るコアペプチドの反応性を示した。4サンプルで乖離す
る結果が得られ、1つの遺伝子型のコアペプチドでは完
全に判定できないことを示している。これらの検体を正
確に判定するためには異なる遺伝子型の配列を有するコ
アペプチドを組み合わせて使用することが有用である。
【0025】
【発明の効果】本発明によって、C型肝炎ウイルスに感
染した血清と反応性のある抗原を入手することができ、
これら抗原を複数組み合わせることにより、より高感度
の免疫学的検査が可能である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【配列表】配列番号1はC型肝炎ウイルスのコア蛋白質
領域由来のクローンS29の遺伝子配列(国際公開番号
WO92/09634)に基づいて合成されたペプチド
のアミノ酸7〜30までの24アミノ酸配列を示す。配
列番号2はC型肝炎ウイルスのコア蛋白質領域由来のク
ローンS29の遺伝子配列に基づいて合成されたペプチ
ドのアミノ酸2〜41までの40アミノ酸配列を示す。
配列番号3はC型肝炎ウイルスのコア蛋白質領域由来の
クローンS29の遺伝子配列に基づいて合成されたペプ
チドのアミノ酸2〜51までの50アミノ酸配列を示
す。配列番号4はC型肝炎ウイルスのコア蛋白質領域由
来の遺伝子I型(Chooetal 1991,Pro
c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,8
8,P.2451)の遺伝子配列に基づいて合成された
ペプチドのアミノ酸1〜30までの30アミノ酸配列を
示す。配列番号5はC型肝炎ウイルスのコア蛋白質領域
由来のクローンS29の遺伝子配列(国際公開番号WO
92/09634)に基づいて合成されたペプチドのア
ミノ酸1〜30までの30アミノ酸配列を示す。配列番
号6はC型肝炎ウイルスのコア蛋白質領域由来のクロー
ンS29の遺伝子配列に基づいて合成されたペプチドの
アミノ酸1〜30までの30アミノ酸配列を示す。
【配列表】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
フロントページの続き (72)発明者 有馬 暉勝 鹿児島県鹿児島市平之町5−1−403号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C型肝炎ウイルスのコア蛋白領域由来ペ
    プチドを少なくとも2種類以上組み合わせて使用するこ
    とを特徴とするC型肝炎用検査薬。
  2. 【請求項2】 C型肝炎ウイルスのコア蛋白領域由来ペ
    プチドが異なるサブタイプのものである請求項1記載の
    C型肝炎用検査薬。
  3. 【請求項3】 C型肝炎ウイルスのコア蛋白領域由来ペ
    プチドが配列表1から5に記載のアミノ酸配列のいずれ
    かからなるペプチドである請求項1または2記載のC型
    肝炎用検査薬。
  4. 【請求項4】 C型肝炎ウイルスに対する抗体に反応性
    を有し、配列表1から5に記載のアミノ酸配列のいずれ
    かからなるC型肝炎ウイルスのコア蛋白領域由来ペプチ
    ド。
JP27393893A 1993-09-28 1993-09-28 C型肝炎用検査薬およびc型肝炎ウイルス抗原ペプチド Pending JPH0797398A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005312358A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Abbott Japan Co Ltd 特異性の改良されたc型肝炎ウイルス(hcv)抗体測定法
WO2023282243A1 (ja) * 2021-07-06 2023-01-12 株式会社先端生命科学研究所 E型肝炎ウイルス感染の検出方法、e型肝炎ウイルス感染検出用抗原ポリペプチド及びキット

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