JP2017502398A - プリントシステムにおいて中間物を追跡するための方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、プリントジョブの仕様に従い、プリントシステムでの製造ステップによりプリントジョブを処理するための方法に関する。該プリントシステムは複数の製造モジュールとユーザーインターフェイスとを含み、各製造モジュールは製造ステップを行って該製造ステップの生成物を生成する。当該方法は、生成物を生成する前記複数の製造モジュールのうちの１つの製造モジュールにより製造ステップを行う工程と、前記プリントジョブの仕様を考慮に入れて、前記生成物の現実的な斜視図を構築する工程と、前記現実的な斜視図を前記ユーザーインターフェイスに表示する工程とを含む。本発明はさらに、本発明の方法を行うためのプリントシステムに関する。

Description

本発明は、プリントジョブの仕様に従い、プリントシステムでの製造ステップ（production steps）によりプリントジョブを処理するための方法に関する。該プリントシステムは複数の製造モジュールとユーザーインターフェイスとを含み、各製造モジュールは製造ステップを行って該製造ステップの生成物（resulting product）を生成し、当該方法は、生成物を生成する前記複数の製造モジュールのうちの１つの製造モジュールにより製造ステップを行う工程を含む。

印刷物の製造環境では、プリントジョブの仕様に従って印刷すべき画像データを処理し、オペレーターによって行われるべき動作の予定を決定し、製造の進捗に関する状態フィードバックをプロダクションマネージャーに、そして例えばインターネットを通じて最終顧客に提供するソフトウエアシステムを含むプリントシステムでプリントジョブの製造を管理することができる。ソフトウエアシステムはプリントシステムに又は該プリントシステムに接続されたコンピュータシステムにインストールされ得る。

プリントジョブの最終製品は紙のドキュメント又は任意の他の種類の媒体のドキュメントであり得る。最終製品の特性等のプリントジョブの仕様は、プリントシステムへの製造指示（production order）又はジョブチケットによって送られる。プリントジョブの仕様は、プリントジョブの製造が始まる前にプリントシステムによって解釈される。プリントジョブは、プリントシステムの一部であるプリンタの入力ホルダーである媒体に印刷され、印刷された媒体は、プリントシステムの一部である仕上げ装置で仕上げ処理が施され得る。仕上げステップは、最終製品をもたらす一連の製造ステップの一部であり得る。プリントシステムのユーザーインターフェイスは、プリントシステムにおけるローカルユーザーインターフェイス、ネットワークを通じて有線若しくは無線でプリントシステムに接続されたパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末等のコンピュータシステムにおけるリモートユーザーインターフェイス、又はネットワークを通じて有線若しくは無線で直接的に若しくは間接的にプリントシステムに接続されたモバイル装置におけるリモートユーザーインターフェイスであり得る。

リモートユーザーインターフェイスを含むモバイル装置は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ又はスマートグラスであり得る。また、ユーザーインターフェイスは、オペレーターへの指示を含むオペレーターのためのプリントアウト又はハードコピーであり得る。

本発明はさらに、コンピュータ可読媒体上で具現化されるとともに、本発明の方法に従って印刷物を印刷するための命令を含むコンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラム製品に関する。

本発明は、本発明の方法に従ってプリントジョブを印刷するように構成されたプリントシステムにも関する。

今日、一連の製造ステップにおける生成物を表現するために、テキスト記述又はプリントシステムのユーザーインターフェイスにおける一般的なアイコンによって状態フィードバック又は追跡情報が提供される。しかしながら、製造がいくつかのステップからなり、最終製品が非標準的でむしろ個別化されたものであるような製造環境にいるオペレーターにとっては、さらなる処理を待つ多くの中間物から正しい中間物を特定することは必ずしも容易ではない。このような作業方法は誤りに繋がることがある。

本発明は、プリントジョブを印刷し、正しい生成物を選ぶときに、オペレーターにとってより容易な作業方法を促すことを目的とする。

本発明によれば、この目的はプリアンブルに記載の方法により実現される。当該方法は、プリントジョブの仕様を考慮に入れて、生成物の現実的な斜視図（real-life perspective image）を構築する（establishing）さらなる工程と、前記現実的な斜視図をユーザーインターフェイスに表示するさらなる工程とを含む。

最終製品の正確な特性及び中間物の外観に対する製造ステップの影響を知った上で、現実的な斜視図がプリントジョブの仕様に従って計算される。現実的な斜視図は、製造ステップ後の生成物の外観に似ている。その後、現実的な斜視図がプリントシステムのユーザーインターフェイスに表示される。表示された現実的な斜視図は、どの製造ステップではどの生成物を用いるべきかをオペレーターが認識及び特定するのを助けるとともに、プリントジョブの製造の進捗を可視化するために用いられる。現実的な斜視図は、プリントジョブの開始前に作成及び／又は表示され得る。しかしながら、生成物の全ての仕様が前もって分からない場合又は製造ステップから得られる生成物のための全ての設定が予め定義されていないか若しくは予め選択されていない場合又は実際の製造ステップが対応する製造モジュールで開始される前に全ての設定が分からない場合には、製造ステップが開始された後で、設定を考慮に入れて、即ち実行される製造ステップで選択された、例えばデフォルト設定された製造ステップのパラメータを考慮に入れて現実的な斜視図が生成され得る。

ユーザーインターフェイスが、オペレーターに対する作業指示のハードコピーを印刷するためのプリンタである場合、現実的な斜視図の表示は現実的な斜視図をハードコピーに印刷することによって実現される。

一実施形態によれば、各製造モジュールは、先行する製造モジュールによって生成された生成物を受け取るための入力手段を含み、前記生成物の現実的な斜視図は、前記生成物が入力される前記製造モジュールの入力手段の現実的な斜視図を含む。

製造モジュールの入力手段を示すことで、オペレーターは製造モジュールにおける生成物を設置すべき場所に気付く。

さらなる実施形態によれば、前記現実的な斜視図は、前記生成物をどのように前記入力手段に入力すべきか及び前記入力手段を有する前記製造モジュールにどのような設定を入力すべきかについてオペレーターに対する指示を含む。生成物は、ロール紙の様々な種類の向き、印刷済みの材料を下向きにした入力、印刷済みの材料を上向きにした入力、媒体の短辺入力、媒体の長辺入力等いくつかの方法で入力手段に入力され得る。オペレーターは、片面印刷、両面印刷、インラインステープル留め（inline stapling）、マージンの入力、拡大、トレイの選択、結束材の選択、解像度、印刷モード、印刷速度等、正確な製造を確立するための設定を入力することもできる。

一実施形態によれば、各製造モジュールは出力手段を含み、前記生成物の現実的な斜視図は、前記生成物を製造した前記製造モジュールの出力手段の現実的な斜視図を含む。出力手段を示すことで、オペレーターは製造モジュールによって製造された生成物を見つけることができる場所に気付く。これは、製造モジュールが複数の出力手段を有する場合又は製造モジュールが占有する床面積が大きい場合に有利である。

一実施形態によれば、前記現実的な斜視図を前記ユーザーインターフェイスに表示する工程は、前記プリントジョブの開始前に行われる。全てのジョブの仕様が前もって分かっている場合、製造ステップのための現実的な斜視図の作成はジョブの開始前に行われる。

一実施形態によれば、前記現実的な斜視図を前記ユーザーインターフェイスに表示する工程は、前記プリントジョブの製造の間に行われる。この構成は、ジョブの仕様のミスマッチにより代替的な仕様を適用しなければならない場合に有利である。生成物の現実的な斜視図は、製造モジュールがその生成物の製造を始めたときに作成される。製造ステップの開始直前に、代替的な仕様に従ったリアルタイム画像が作成され、ユーザーインターフェイスに示されるようにしてもよい。このように、オペレーターは代替的な仕様を受け入れて製造ステップを開始させるか又は代替的な仕様を拒否して製造ステップを中断する機会を持つことができる。

一実施形態によれば、 前記生成物の現実的な斜視図は、前記プリントジョブの最初のページに印刷される実際のコンテンツを含む画像と、前記プリントジョブの最後のページに印刷される実際のコンテンツを含む画像と、前記プリントジョブが印刷される媒体を含む画像であって、該媒体は前記プリントジョブに従って印刷される実際のコンテンツの画像を含み、該コンテンツは対応する生成物が生成された場合に目に見える、画像と、仕上げ要素の画像と、前記プリントジョブの少なくとも一部が運ばれるキャリヤ（carrier）の画像との群のうちの少なくとも１つの画像を含む。

正しい中間物を容易に特定できるようにするためには現実的な斜視図が可能な限り生成物に似ていることが非常に重要である。

本発明の方法のさらなる実施形態によれば、前記生成物の現実的な斜視図の寸法は、前記プリントジョブの仕様において規定されている寸法に比例する。とりわけ、生成物の幅、長さ、高さ（例えば束の高さ）又は直径は、製造ステップの後の現実のものに比例していなければならない。寸法が現実のものに従ったものである現実的な斜視図は、オペレーターが生成物を容易に認識及び特定できることにつながる。カットシートの生成物の場合、現実的な斜視図における生成物の束の高さはプリントジョブのシートの数を表す。現実的な斜視図中の生成物の束の高さは、使用される媒体の種類にも従っている。例えば、８０枚のシートのジョブに厚い媒体を用いる場合の現実的な斜視図における束の高さは、同じ８０枚のシートのジョブに薄い媒体を用いた場合の現実的な斜視図における束の高さよりも大きくなる。

他の実施形態によれば、前記ユーザーインターフェイスはハードコピーを印刷するためのプリンタを含み、前記現実的な斜視図は該ハードコピーに印刷される。製造ステップのために、現実的な斜視図を示すハードコピーが印刷され得る。いくつかの生成物の現実的な斜視図が少なくとも１つのハードコピーに集められ得る。ハードコピーはオペレーターに対するさらなる指示も含み得る。

本発明は、上述の実施形態のいずれかに係る方法を行うようにコンピュータに命令するよう構成されたコンピュータ実行可能プログラムコードを含む記録媒体にも関する。

本発明は、それぞれが生成物を生成する製造モジュールと、画像を表示するためのユーザーインターフェイスとを含むプリントシステムにも関する。当該プリントシステムは、プリントジョブの仕様と共にプリントジョブを受信するための受信手段と、プリントジョブの仕様に従って、生成物の現実的な斜視図を決定するための決定手段とをさらに含み、各現実的な斜視図は、前記プリントジョブを印刷する前に、印刷している間に又は印刷した後で前記ユーザーインターフェイスに表示可能である。

本発明の利用可能性のさらなる範囲が下記の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び具体例は本発明の好ましい実施形態を示しているものの、それらは例示にすぎないことが分かる。何故なら、本発明の範囲内での様々な変更及び改良がこの詳細な説明から当業者に明らかになるからである。

非限定の実施形態を示す添付の図面を参照しながら、本発明を以下でさらに説明する。
図１は、本発明の方法を適用するように構成されたプリントシステムの図である。 図２は、図１に示すプリントシステムからの生成物の現実的な斜視図を示す。 図３は、図１に示すプリントシステムからの生成物の現実的な斜視図を示す。 図４は、図１に示すプリントシステムからの生成物の現実的な斜視図を示す。 図５Ａは本発明に係る製造プロセスを示す。 図５Ｂは、図５Ａの製造プロセスの生成物の現実的な斜視図を示す。 図５Ｃは、図５Ａの製造プロセスの生成物の現実的な斜視図を示す。 図５Ｄは、図５Ａの製造プロセスの生成物の現実的な斜視図を示す。 図６Ａは、本発明に係る、生成物と、次の製造モジュールの入力手段とを含む現実的な斜視図を示す。 図６Ｂは、本発明に係る、生成物と、対応する入力手段及び対応する出力手段とを含む現実的な斜視図を示す。 図７は、本発明に係る方法の実施形態のフロー図である。 図８は、本発明に係る方法の実施形態のフロー図である。

図１は、複数のワークステーション８Ｂ、８Ｃを含むプリントシステム１を示す。ワークステーション８Ｂ、８Ｃは、印刷すべき印刷物のための画像データを作成するためのパーソナルコンピュータ又は他の装置であり得る。これらのワークステーションは、印刷物のためのプリントジョブを受信するとともに、必要に応じて部分的画像を導出するように構成されたプリントコントローラ８Ａに画像データを送信するためにネットワークＮへのアクセスを有する。プリントコントローラ８Ａは、プリントエンジン２である第１の製造モジュール２のプリントプロセスを制御する。プリントコントローラ８Ａ及びプリントエンジン２はプリントシステム１の一部である。プリントエンジン２は、プリントジョブを媒体上に印刷するために記録材料を媒体上に適用するのに適している。プリントエンジン２は、ネットワーク線６を通じてプリントコントローラ８Ａに接続されている。プリントエンジン２は内部にプリントコントローラ８Ａを有し得る。プリントエンジンは、選択又は指示等の情報をオペレーターが読むことができるように又は入力することができるようにするためにローカルユーザーインターフェイス１ａを有し得る。この実施形態によれば、プリントシステム１は、プリントコントローラ８Ａに無線接続されたモバイル装置５も含む。モバイル装置５は、本発明の方法に係る現実的な斜視図を表示するためのユーザーインターフェイスを含む。本発明に係るユーザーインターフェイスは、モバイル装置５、ローカルユーザーインターフェイス１ａ、プリントコントローラ８Ａ、ワークステーション８Ｂ及びワークステーション８Ｃのうちの少なくとも１つにあり得る。これらの装置の全てはネットワークＮに接続されているため、本発明によれば、それらのユーザーインターフェイスで示される画像は同期され得る。プリントシステム１は、穿孔機３である第２の製造モジュール３と、結束機４である第３の製造モジュール４とをさらに含む。なお、第１の製造モジュール２、第２の製造モジュール３及び第３の製造モジュール４は適宜選択されたものであり、生成物を通じて最終製品を製造するために構成可能な複数の製造モジュールを形成する他の製造モジュールが想定され得る。開始点Ｓとして、プリントジョブデータ及びプリントジョブの仕様がプリントコントローラ８Ａに送られる。プリントコントローラ８Ａはジョブ情報をプリントエンジン２に送信する。プリントエンジン２は、第１の製造ステップで第１の生成物（プリントジョブの仕様で規定された１つ以上の画像が印刷された媒体）を生成する。第１の生成物は穿孔機３に入力される。穿孔機３は、第２の製造ステップで、孔を有する印刷媒体である第２の生成物を製造する。第２の生成物は結束機４に入力される。結束機４は、第３の製造ステップで、孔を有する綴じられた印刷媒体である第３の生成物を生成する。この例では、第３の生成物がプリントシステム１の最終製品であり、発送部門（expedition department）Ｅｘｐに送られる。

本発明の方法によれば、現実的な斜視図が製造ステップ毎に作成され、この現実的な斜視図がプリントシステム１の少なくとも１つのユーザーインターフェイスに表示される。

図２〜図６は、図１に示すプリントシステムでのワークフローに係る生成物の現実的な斜視図を示す。プリントジョブの処理の前にジョブの仕様がプリントシステム１に知られていたと仮定する。従って、現実的な斜視図はプリントジョブが始まる前に作成されたものと仮定する。

図２は、プリントエンジン２である第１の製造モジュールと、プリントエンジン２によって製造される第１の生成物の第１の現実的な斜視図２０とを示す。現実的な斜視図２０は、高さ２２、幅２１及び長さ２３を有するカットシートの束を表す斜視図を含む。高さ２２、幅２１及び長さ２３のサイズはジョブの仕様、例えばプリントジョブのフォーマット（Ａ４、Ａ３、等）、媒体の重さ及び／又は厚さ、プリントジョブのシートの数に従ったものである。目に見える一番上のシートは、その実際の外観と一致している。この例では、目に見える一番上のシートは、色彩パレットの画像２６、タイトルブロック２５、ページ番号２４及び数あるマージンのうちの右マージン２７を含む。第２のプリントエンジン２によって第１の生成物が生成された場合に見える最初のページのコンテンツを表示することによって、オペレーターは、第１の製造ステップの後にさらなる製造ステップを行うために正しいシートの束を容易に取り出すことができる。第１の生成物は複数の出力ビン１ｂ、1ｃ、１ｄのうちの１つから取り出されるか又はそれらの出力ビンの１つから既に取り出されている場合には生成物を置いておくための在庫収集場所（gathering stock location）から取り出され得る。

図３は、第２の製造モジュールである穿孔機３と、穿孔機３によって製造される第２の生成物の第２の現実的な斜視図３０とを示す。第２の現実的な斜視図３０は、穿孔機３によって形成される孔３１を表す複数のサブ画像を第２の現実的な斜視図がさらに含む点を除けば第１の現実的な斜視図２０に似ている。第２の現実的な斜視図３０上に見える孔３１の数は、穿孔機３に関するプリントジョブの仕様に従ったものである。

第２の現実的な斜視図３０がプリントシステムのユーザーインターフェイスに示されている。本発明に係る現実的な斜視図は、プリントキューにあるプリントジョブ毎に示され、プリントジョブはオペレーターによって選択される。

図４は第３の製造モジュール４である結束機４と、結束機４によって製造される第３の生成物の第３の現実的な斜視図５０とを示す。結束機４は一連の製造モジュールのうちの最後の製造モジュールであるため、第３の生成物はプリントジョブの最終製品となる。第３の現実的な斜視図５０は、ある位置でシートの束の周りに巻かれた結束コード５１を第３の現実的な斜視図５０がさらに含む点を除けば第２の現実的な斜視図３０に似ている。結束コード５１の位置及び幅は、結束機４に関するジョブの仕様によって決定される。第３の現実的な斜視図５０は、梱包又は発送等のさらなるステップのためにオペレーターが第３の生成物を素早く認識、特定及び取り出しできるようにするのに適している。

本発明に係るプリントシステムでは、印刷、複写、ステープル留め、穿孔、縫合、結束、トリミング、包装、梱包、シーリング、折り加工、ページ挿入、切断、仕分け、ラミネート加工、ワニス加工といった製造ステップが想定され得る。タッチスクリーンユーザーインターフェイスの場合、現実的な斜視図をスクロール可能な又はスワイプ可能なリストに並べてもよい。

他の実施形態によれば、生成物の現実的な斜視図が図１に示すプリントシステムでのワークフローに従って示される。特定の製造モジュールでプリントジョブを処理する前の段階では、プリントジョブの仕様はプリントシステム１に知られているが、製造モジュール２、３、４の設定はプリントコントローラ８Ａに知られていないと仮定する。従って、現実的な斜視図はプリントジョブの処理の間に作成されると仮定する。

図５Ａは、本発明に係る製造環境９０を示す。製造環境は、大判プリンタ９１、自動カッター９３及び大型の平らなテーブル９６からなる。大判プリンタ９１はユーザーインターフェイス画面９７と、印刷済み材料を媒体のロールから巻き上げるための巻き上げユニット９２とを備える。自動カッター９３は、巻き上げられた印刷済み材料を吊り上げるための吊り上げ（hang-up）ユニット９５と、カットした材料を置くための平面９４とを備える。自動カッター９３は、印刷済み材料のロールを別々のシートにカットするように構成されている。大型の平らなテーブル９６は、オペレーターがシート、パネル、バナー等の大きな材料の作業を行うのに用いられる。第１の矢印９０Ａは、大判プリンタ９１で印刷されたロールが自動カッター９３に搬送され得ることを示す。第２の矢印９０Ｂは、カットした材料が自動カッター９３から大型の平らなテーブル９６に搬送され得ることを示す。

図５Ｂ〜図５Ｄは、図５の製造プロセスの現実的な斜視図を示す。第１の製造ステップによれば、大判プリンタ９１によってロール上の粘着性媒体（self-adhesive media）にいくつかの画像が印刷される。ロールは巻き上げユニット９２によって巻き上げられる。ロール上に印刷した後、ロールが巻き上げユニット９２から取り外され、例えば貯蔵室に搬送される。

図５Ｂは、いくつかの印刷画像のうちの１つの画像９１２を含むロール９１１を示す第１の現実的な斜視図９１Ａを示す。１つの画像９１２が現実のものに従ってロール９１１上に見える。オペレーターは、現実的な斜視図９１Ａにより貯蔵室又は任意の他の場所でロール９１１を特定できる。第１の製造ステップの後、オペレーターのハンドヘルド装置、ワークステーションモニター又は予め印刷された作業注文書（pre-printed work order form）は、第２の製造ステップのためにオペレーターがロール９１１を探し、それを自動カッター９３に装着しなければならない旨の表示と共に第１の現実的な斜視図９１Ａを示す。

第２の製造ステップによれば、ロール９１１が自動カッター９３の吊り上げユニット９５に装着される。ロールを別々のシート９４にカットするために自動カッター９３が始動される。

図５Ｃは、束９３１における別々のシート９４を示す第２の現実的な斜視図９３Ａを示す。束９３１の一番上のシートは、ロール９１１からカットされた第１のシートに印刷された画像９３２を示す。画像９３２は、第１の現実的な斜視図９１Ａにある画像９１２と同じである。現実的な斜視図９３Ａは硬質ボード（rigid boards）の束９３３も示す。オペレーターは、製造プロセスの次のステップを処理するためにシートの束９３１と硬質ボードの束９３３とを必要とする。オペレーターは、第２の現実的な斜視図９３Ａにより貯蔵室又は任意の他の場所で束９３１及び束９３３を特定できる。

第２の製造ステップの後、オペレーターのハンドヘルド装置、ワークステーションのモニター又は予め印刷された作業注文書は、第３の製造ステップのために、オペレーターが自動カッター９３によって製造されたシートの束９３１を探すとともに、硬質ボードの束９３３を取ってくるべき旨の表示と共に第２の現実的な斜視図９３Ａを示す。

第３の製造ステップによれば、シートの束９３１と、硬質ボードの束９３３のうちのシートの束９３１に合致する数の硬質ボードとが大型の平らなテーブル９６に運ばれる。オペレーターは、束９３１を構成する粘着性材料のシートを１つ１つ硬質ボードに適用し、束９３１のシート毎に適用を繰り返す。

図５Ｄは、粘着性材料が適用された硬質ボードの束９６１を示す第３の現実的な斜視図９６Ａを示す。第１の製造ステップで粘着性材料に印刷が行われている。第３の現実的な斜視図９６Ａは、第２の現実的な斜視図９３Ａにおける画像９３２と同じ印刷画像９６２を含む第１の硬質ボードの束９６１を示す。オペレーターは、硬質ボードの束９６１を配送部門に送る前に束９６１をさらに処理するために、例えば、梱包機（図示せず）で束９６１を梱包するために、硬質ボードの束９６１を必要とする。

第３の製造ステップの後、オペレーターのハンドヘルド装置、ワークステーションのモニター又は予め印刷された作業注文書は、オペレーターが束９６１を梱包し、梱包した束９６１を配送部門に持っていくべき旨の表示と共に第３の現実的な斜視図９６Ａを示す。オペレーターは、第３の現実的な斜視図９６Ａにより貯蔵室又は任意の他の場所で束９６１を特定できる。

図６Ａは、生成物１０２と、次の製造モジュール１０３の入力手段１０４とを含む現実的な斜視図１００を示す。オペレーターは、製造モジュール１０３の正しい入力手段１０４を探す上で支援される。製造モジュール１０３の入力手段１０４に生成物１０２をどのように入力すべきかオペレーターに指示するために、現実的な斜視図１００上に追加の指示１０５が規定される。この場合、指示１０５は、ロールの向きを上面が上向き（top-up）になるようにしてロール１０２を入力するようオペレーターに指示する。指示１０５は、製造モジュール１０３に適用すべきさらなる設定も含み得る。部屋番号３Ｂ２５．７によって示される正しい保管場所でオペレーターが生成物を探すことができるように、現実的な斜視図１００に保管場所１０８が規定される。

図６Ｂは、生成物１０２と、次の製造モジュール１０３に対応する入力手段１０４と、生成物１０２を製造した製造モジュール１０７に対応する出力手段１０６とを含む現実的な斜視図１０１を示す。出力手段１０６を示すことで、オペレーターは、製造モジュール１０７によって製造された生成物１０２を見つけることができる場所に気付く。これは、生成物を製造する製造モジュールが２つ以上の出力手段を有している場合又は生成物を製造する製造モジュールが占有する床面積が大きい場合に有利である。

図７は、本発明に係る方法の第１の実施形態のフロー図を示す。この方法は、プリントジョブの仕様に従い、プリントシステムでの製造ステップによりプリントジョブを印刷するのに適している。プリントシステムは複数の製造モジュールとユーザーインターフェイスとを含む。各製造モジュールは製造ステップを行って生成物を製造する。開始点Ａから第１のステップＳ１に到達する。第１の実施形態に係る方法の第１のステップＳ１によれば、プリントシステムでプリントジョブが受信される。プリントジョブは、ジョブの仕様と、プリントシステムでのジョブデータとを含む。通常、プリントジョブはプリントシステムのコントロールユニットに送られ、プリントキューに加えられる。プリントジョブの仕様は、プリント設定及び仕上げ設定を含むプリントジョブ設定に関する。

第２のステップＳ２によれば、プリントジョブの仕様から、製造ステップ及びプリントシステムの対応する製造モジュールが導出される。導出された複数の製造モジュールには少なくとも１つのプリントモジュールが含まれる。

第３のステップＳ３では、扱うべき製造モジュールがまだあるかが確認される。Ｙｅｓの場合、当該方法は第４のステップＳ４に進む。

Ｎｏの場合、最後のステップＳ６で全ての製造モジュールによってプリントジョブが処理される。オペレーターは、生成物の全ての現実的な斜視図を好きなように用いることができ、生成物の現実的な斜視図により生成物を認識、特定できるとともにその場所を特定（locate）できる。オペレーターは場所特定した生成物を、該生成物を製造した製造モジュールから次の製造モジュールに運ぶことができる。

第４のステップＳ４では、製造モジュールによって製造されるべき生成物の現実的な斜視図がプリントシステムのコントロールユニットによって作成される。生成物の現実的な斜視図は、ジョブの仕様に従って規定される。

第５のステップＳ５では、現実的な斜視図がプリントシステムのユーザーインターフェイスの画面に表示される。

ユーザーインターフェイスがオペレーター指示のハードコピーを印刷するためのプリンタである場合、現実的な斜視図はそのハードコピーに印刷される。ハードコピーは予め印刷された作業注文書であり得る。ハードコピーは製造ステップ毎に印刷され得る。作成された複数の現実的な斜視図を少なくとも１つのハードコピーにまとめてもよい。

当該方法は、扱うべき次の製造モジュールがあるかを確認するために点Ｅ（図１１Ａも参照）に戻る。

製造モジュールでプリントジョブを処理する順番で生成物の現実的な斜視図を表示してもよい。現実的な斜視図はスクロール可能な画像のリストで示してもよい。

図８は、本発明に係る方法の第２の実施形態のフロー図を示す。第２の実施形態が第１の実施形態と異なっている点は、製造ステップの実行後に現実的な斜視図が生成される点である。開始点Ａから第１のステップＴ１に到達する。第２の実施形態に係る方法の第１のステップＴ１によれば、ジョブの仕様と共にプリントジョブがプリントシステムで受信される。通常、プリントジョブはプリントシステムのコントロールユニットに送られ、プリントキューに加えられる。プリントジョブの仕様は、プリント設定及び仕上げ設定を含むプリントジョブ設定に関する。

第２のステップＴ２によれば、プリントジョブの仕様から、製造ステップ及びプリントシステムの対応する製造モジュールが導出される。導出された複数の製造モジュールには少なくとも１つのプリントモジュールが含まれる。

第３のステップＴ３では、扱うべき製造モジュールがまだあるか確認される。Ｎｏの場合、プリントジョブは完全に処理されており、当該方法は終了点Ｂで終了する。扱うべき製造モジュールがまだある場合、当該方法は第４のステップＴ４へと進む。

第４のステップＴ４によれば、製造モジュールによって製造されるべき生成物の現実的な斜視図が作成される。生成物の現実的な斜視図はジョブの仕様に従っている。

第５のステップＴ５によれば、作成された現実的な斜視図がプリントシステムのユーザーインターフェイスの画面に表示される。

第６のステップＴ６によれば、製造モジュールはジョブの仕様に従ってプリントジョブの対応部分を処理している。当該方法は、扱うべき次の製造モジュールがあるかを確認するために第３のステップＴ３に戻る。

このように、中間物の現実的な斜視図を見るオペレーターは、次の製造ステップが始まる前に中間物を特定することができる。オペレーターは次の製造ステップを始めるために次の製造モジュールに中間物を運ぶことができる。

製造モジュールでプリントジョブを処理する順番に生成物の現実的な斜視図を表示してもよい。現実的な斜視図が作成され次第、ユーザーインターフェイスの画面上の表示可能で且つスクロール可能な現実的な斜視図のリストにそれが加えられ得るか又はユーザーインターフェイスの画面上に個別で表示され得る。

上記の開示は例示を意図したものに過ぎず、本発明の範囲を限定すること意図していない。本発明の範囲は下記の請求の範囲を参照して決定すべきである。

Claims (11)

1. プリントジョブの仕様に従い、プリントシステムでの製造ステップによりプリントジョブを処理するための方法であって、該プリントシステムは複数の製造モジュールとユーザーインターフェイスとを含み、各製造モジュールは製造ステップを行って該製造ステップの生成物を生成し、当該方法は、
   ａ）生成物を生成する前記複数の製造モジュールのうちの１つの製造モジュールにより製造ステップを行う工程と、
   ｂ）前記プリントジョブの仕様を考慮に入れて、前記生成物の現実的な斜視図を構築する工程と、
   ｃ）前記現実的な斜視図を前記ユーザーインターフェイスに表示する工程と、
   を含む方法。
2. 各製造モジュールは、先行する製造モジュールによって生成された生成物を受け取るための入力手段を含み、前記生成物の現実的な斜視図は、前記生成物が入力される前記製造モジュールの入力手段の現実的な斜視図を含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記現実的な斜視図は、前記生成物をどのように前記入力手段に入力すべきか及び前記入力手段を有する前記製造モジュールにどのような設定を入力すべきかについてのオペレーターに対する指示を含む、請求項２に記載の方法。
4. 製造モジュールは出力手段を含み、前記生成物の現実的な斜視図は前記生成物を製造した前記製造モジュールの出力手段の現実的な斜視図を含む、請求項２に記載の方法。
5. 前記現実的な斜視図を前記ユーザーインターフェイスに表示する工程は、前記プリントジョブの開始前に行われる、請求項１に記載の方法。
6. 前記現実的な斜視図を前記ユーザーインターフェイスに表示する工程は、前記プリントジョブの製造の間に行われる、請求項１に記載の方法。
7. 前記生成物の現実的な斜視図は、前記プリントジョブの最初のページに印刷される実際のコンテンツを含む画像と、前記プリントジョブの最後のページに印刷される実際のコンテンツを含む画像と、前記プリントジョブが印刷される媒体を含む画像であって、該媒体は前記プリントジョブに従って印刷される実際のコンテンツの画像を含み、該コンテンツは対応する生成物が生成された場合に見ることができる、画像と、仕上げ要素の画像と、前記プリントジョブの少なくとも一部が運ばれるキャリヤの画像との群のうちの少なくとも１つの画像を含む、請求項１に記載の方法。
8. 前記生成物の現実的な斜視図の寸法は、前記プリントジョブの仕様において規定されている寸法に比例する、請求項１に記載の方法。
9. 前記ユーザーインターフェイスはハードコピーを印刷するためのプリンタを含み、前記現実的な斜視図は該ハードコピーに印刷される、請求項１に記載の方法。
10. 請求項１乃至９のいずれか一項に記載の方法を行うようにコンピュータに命令するよう構成されたコンピュータ実行可能プログラムコードを含む記録媒体。
11. それぞれが生成物を生成する製造モジュールと、画像を表示するためのユーザーインターフェイスとを含むプリントシステムであって、当該プリントシステムは、
    プリントジョブの仕様と共にプリントジョブを受信するための受信手段と、
    プリントジョブの仕様に従って、生成物の現実的な斜視図を決定するための決定手段と、
    をさらに含み、
    前記現実的な斜視図は、前記プリントジョブを印刷する前に、印刷している間に又は印刷した後で前記ユーザーインターフェイスに表示可能である、プリントシステム。

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