JP2017226095A - インクミスト収集装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクミストが捕捉される領域の偏りを抑制することができるインクミスト収集装置及びインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】回転動作によりミスト流入口を介してダクト内に空気を流入させて吸引するファンと、ダクト内においてファンの回転軸に沿って設けられ、吸引される空気中のインクミストを各々捕捉する複数のフィルターとを備え、各フィルターは、ファンの回転軸に垂直な面への投影面積が、ファンがなす円の面積よりも大きく、各フィルターには、ミスト流入口に最も近い最上流フィルターにより捕捉されるインクミストの重量が、他のフィルターの各々により捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる条件を満たすものが用いられ、回転軸に平行な軸方向に隣り合う少なくとも一対のフィルターは、フィルター間において軸方向とは異なる方向に空気が流動する間隔で配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、インクミスト収集装置及びインクジェット記録装置に関する。
従来、ノズルからインクを吐出させて記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置では、ノズルからのインクの液滴の吐出に伴って微小な霧状のインク(インクミスト)が発生する。ノズルの開口部と記録媒体との間を漂うこのインクミストが記録媒体に付着すると、記録画像の画質が低下するという問題がある。また、インクミストがノズルの開口部に付着して固化することにより、ノズルからのインクの吐出方向や吐出量が本来の設定からずれることがあるという問題がある。
これに対し、従来、ノズルの近傍でインクミストを吸引し、フィルターで捕捉して回収する技術がある。例えば、特許文献1には、ファンの回転動作によりダクト内にインクミストを吸引し、ダクト内をファンに向かって流動するインクミストを、ファンに対向する位置に設けられたフィルターにより捕捉する技術が開示されている。このような技術では、インクジェット記録装置の小型化や製造コストの低減のために、効果的にインクミストを吸引できる範囲で可能な限り小さいファンが用いられ、通常、ファンとしては、回転するファンがなす円の面積がフィルターの面積よりも小さいものが用いられる。
特開2009−262492号公報
しかしながら、上記従来の技術では、フィルターのうちファンと対向する領域における吸引力が特に大きくなり、フィルターにおいてインクミストが捕捉される領域が偏ってしまうため、フィルターの交換頻度が高くなってランニングコストの上昇を招くという課題がある。
この発明の目的は、インクミストが捕捉される領域の偏りを抑制することができるインクミスト収集装置及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のインクミスト収集装置の発明は、
インクミスト及び空気を流入させるミスト流入口が設けられたダクトと、
回転動作により前記ミスト流入口を介して前記ダクト内に空気を流入させて当該流入した空気を吸引するファンと、
前記ダクト内の前記ミスト流入口と前記ファンとの間において前記ファンの回転軸に沿って設けられ、空気中のインクミストを各々捕捉する複数のフィルターと、
を備え、
前記複数のフィルターの各々は、前記ファンの回転軸に垂直な面への投影面積が、前記回転動作する前記ファンがなす円の面積よりも大きく、
前記複数のフィルターの各々には、当該複数のフィルターのうち前記ミスト流入口に最も近い最上流フィルターにより捕捉されるインクミストの重量が、前記複数のフィルターのうち前記最上流フィルター以外のフィルターの各々により捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる条件を満たすものが用いられ、
前記複数のフィルターのうち前記回転軸に平行な軸方向に隣り合う少なくとも一対のフィルターは、前記軸方向について、前記吸引される空気が前記一対のフィルターの間において前記軸方向とは異なる方向に流動する間隔で配置されている
ことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクミスト収集装置において、
前記複数のフィルターの各々には、前記最上流フィルターにより当該最上流フィルターの特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値が、前記最上流フィルター以外のフィルターの各々により当該フィルターの各々の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値以下となる条件を満たすものが用いられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクミスト収集装置において、
前記一対のフィルターの間隔は、前記ファンにより空気が吸引されているときの前記一対のフィルターの間における前記軸方向とは異なる方向への空気の流動により、前記最上流フィルターにおける空気の通過面の端部において生じる前記ファンによる空気の吸引力を増大させる大きさであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクミスト収集装置において、
前記複数のフィルターは、前記軸方向について、互いに当該複数のフィルターの厚さの最大値よりも大きい間隔を開けて配置されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のインクミスト収集装置において、
前記最上流フィルターは、前記ダクトに対して着脱可能に設けられていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクミスト収集装置において、
前記複数のフィルターのうち前記ファンに最も近いフィルターは、前記ダクトに対して着脱不能な状態で固定されていることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載のインクミスト収集装置において、
前記複数のフィルターの各々の前記投影面積は、前記回転動作する前記ファンがなす円の面積の10倍以上であり、
前記複数のフィルターのうち前記ファンに最も近いフィルターと前記ファンとの間隔は、前記円の直径の1/2以下である
ことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項8に記載のインクジェット記録装置の発明は、
インクを吐出するインク吐出部と、
請求項1〜7の何れか一項に記載のインクミスト収集装置と、
を備えることを特徴としている。
本発明に従うと、インクミストが捕捉される領域の偏りを抑制することができるという効果がある。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 ヘッドユニットのインク吐出面及び第1中間ミスト収集部の吸引面を示す底面図である。 第1中間ミスト収集部の断面図である。 ヘッドユニットのインク吐出面及び最終ミスト収集部の吸引面を示す底面図である。 最終ミスト収集部の断面図である。 インクジェット記録装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 ミスト吸引処理の制御部による制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明のインクミスト収集装置及びインクジェット記録装置に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態であるインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
インクジェット記録装置1は、給紙部10と、画像記録部20と、排紙部30と、制御部40(図6)とを備える。インクジェット記録装置1は、制御部40による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像記録部20に搬送し、画像記録部20で記録媒体Pに画像を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像記録部20に記録媒体Pを搬送して供給する媒体供給部12とを有する。媒体供給部12は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを備え、このベルト上に記録媒体Pを載置した状態でローラーを回転させることで記録媒体Pを給紙トレー11から画像記録部20へ搬送する。
画像記録部20は、搬送ドラム21と、受け渡しユニット22と、加熱部23と、ヘッドユニット24(インク吐出部)と、ミスト収集部25(インクミスト収集装置)と、定着部26と、デリバリー部27などを有する。
搬送ドラム21は、円柱面状の外周曲面(搬送面)上に記録媒体Pを保持した状態で図1の図面に垂直な方向(以下では、幅方向と記す。)に延びた回転軸の回りで回転することで記録媒体Pを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。搬送ドラム21は、その搬送面上で記録媒体Pを保持するための図示しない爪部及び吸気部を備える。記録媒体Pは、爪部により端部が押さえられ、かつ吸気部により搬送面に吸い寄せられることで搬送面に保持される。搬送ドラム21は、搬送ドラム21を回転させるための図示しない搬送ドラムモーターを有し、搬送ドラムモーターの回転量に比例した角度だけ回転する。
受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12により搬送された記録媒体Pを搬送ドラム21に引き渡す。受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12と搬送ドラム21との間の位置に設けられ、媒体供給部12から搬送された記録媒体Pの一端をスイングアーム部221で保持して取り上げ、受け渡しドラム222を介して搬送ドラム21に引き渡す。
加熱部23は、受け渡しドラム222の配置位置とヘッドユニット24の配置位置との間に設けられ、搬送ドラム21により搬送される記録媒体Pが所定の温度範囲内の温度となるように搬送ドラム21の搬送面及び記録媒体Pを加熱する。加熱部23は、例えば、赤外線ヒーター等を有し、CPU41(図6)から供給される制御信号に基づいて赤外線ヒーターに通電して当該赤外線ヒーターを発熱させる。
ヘッドユニット24は、記録媒体Pが保持された搬送ドラム21の回転に応じた適切なタイミングで、搬送ドラム21の搬送面に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から記録媒体Pに対してインクを吐出して画像を記録する。ヘッドユニット24は、インク吐出面と搬送面とが所定の距離だけ離隔されるように配置される。本実施形態のインクジェット記録装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット24が記録媒体Pの搬送方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
各ヘッドユニット24は、複数の記録ヘッド242(図2、図6)を備える。記録ヘッド242の各々には、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズルとを各々有する複数の記録素子が設けられている。この記録素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインクを吐出する。
ヘッドユニット24に設けられた記録素子の幅方向についての配置範囲は、搬送ドラム21により搬送される記録媒体Pのうち画像が記録可能な領域の幅方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット24は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
ヘッドユニット24から吐出されるインクとしては、温度によってゲル状又はゾル状に相変化し、紫外線等のエネルギー線を照射することにより硬化する性質を有するものが用いられる。
また、本実施形態では、常温でゲル状であり加熱されることによりゾル状となるインクが用いられる。ヘッドユニット24は、ヘッドユニット24内に貯留されるインクを加熱する図示略のインク加熱部を備え、当該インク加熱部は、CPU41による制御下で動作し、ゾル状となる温度にインクを加熱する。ヘッドユニット24は、加熱されてゾル状となったインクを吐出する。このゾル状のインクが記録媒体Pに吐出されると、インク滴が記録媒体Pに着弾した後、自然冷却されることで速やかにインクがゲル状となって記録媒体P上で凝固する。
ミスト収集部25は、ヘッドユニット24のノズルからのインク吐出に伴って発生する微小な霧状のインク(インクミスト)を吸引して捕捉する。ミスト収集部25は、ここでは、4つ設けられている。そのうちの2つは、ヘッドユニット24のうち搬送方向上流側の2つに対し、それらの搬送方向下流側に取り付けられた第1中間ミスト収集部251であり、1つは、搬送方向について最も下流側にあるヘッドユニット24に対し、その搬送方向上流側に取り付けられた第2中間ミスト収集部252であり、残りの1つは、ヘッドユニット24と定着部26との間に独立して設けられる最終ミスト収集部253である。第1中間ミスト収集部251、第2中間ミスト収集部252及び最終ミスト収集部253は、吸引ファンにより内部の空気を排気することにより、搬送ドラム21の搬送面と対向する吸引面からインクミストを吸引して収集する。ミスト収集部25の構造については後述する。
定着部26は、搬送ドラム21の幅方向の幅に亘って配置された発光部を有する。定着部26は、搬送ドラム21に載置された記録媒体Pに対して当該発光部から紫外線等のエネルギー線を照射することにより記録媒体P上に吐出されたインクに対して所定のエネルギーを付与し、これによりインクを硬化させて定着させる。定着部26の発光部は、搬送方向についてミスト収集部25の配置位置からデリバリー部27の受け渡しドラム271の配置位置までの間において、搬送ドラム21の搬送面と対向して配置される。
デリバリー部27は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを有するベルトループ272と、記録媒体Pを搬送ドラム21からベルトループ272に受け渡す円筒状の受け渡しドラム271とを有し、受け渡しドラム271により搬送ドラム21からベルトループ272上に受け渡された記録媒体Pをベルトループ272により搬送して排紙部30に送出する。
排紙部30は、デリバリー部27により画像記録部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31を有する。
制御部40は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。制御部40の機能動作については、後に詳述する。
図2は、ヘッドユニット24のインク吐出面及び第1中間ミスト収集部251の吸引面を示す底面図である。なお、第2中間ミスト収集部252の構造は、この第1中間ミスト収集部251と搬送方向に垂直な面に対して対称な構造であり、以下では説明を省略する。
ヘッドユニット24では、記録素子のノズル243が幅方向について交互に配置されるような位置関係で搬送方向に隣接して配置された2つの記録ヘッド242により、ヘッドモジュール242Mが構成されている。また、8つのヘッドモジュール242Mが、ノズル243からインクを吐出可能な範囲が幅方向に連続的に繋がるような位置関係で、幅方向についての配置範囲が互いに一部重複するように千鳥格子状に配置されてラインヘッドが構成されている。
第1中間ミスト収集部251は、ヘッドユニット24の搬送方向下流側に隣接しヘッドユニット24の幅方向の長さに亘って幅方向に延びるミスト流入部251aと、ミスト流入部251aの端部に接続されヘッドユニット24に対し幅方向に隣り合う位置に設けられた本体部251bとを有する。このように、第1中間ミスト収集部251は、ヘッドユニット24よりも幅方向に長い形状を有し、当該ヘッドユニット24よりも長い部分では、ヘッドユニット24の幅方向に隣接する位置まで搬送方向に広がったL字形状となっている。
ミスト流入部251aの搬送面と対向する面(吸引面)には、円形状の複数のミスト流入口2511が幅方向に配列されて設けられている。また、本体部251bの搬送方向上流側の側面には、吸引ファン2512(ファン)が設けられている。
なお、ミスト流入口2511の形状は、円形以外の形状であっても良い。また、ここでは、各ミスト流入口2511のサイズを均一に表現しているが、各ミスト流入口2511での吸引力が均一になるように、ミスト流入口2511と吸引ファン2512との位置関係などに応じて適宜サイズを異ならせても良い。
図3は、第1中間ミスト収集部251の断面図である。図3(a)は、図2における断面線A1−A1での断面図を示し、図3(b)は、図3(a)における断面線A2−A2での断面図を示す。
第1中間ミスト収集部251は、その内部において、ミスト流入口2511に連通する空間がミスト流入部251a及び本体部251bに亘って設けられることで、吸引された空気が流動するダクト2517を構成している。吸引ファン2512は、当該ダクト2517の本体部251bにおける端部に設けられている。吸引ファン2512は、その回転動作により、ダクト2517内の空気を搬送方向上流側に向けて外部に排気し、これによりミスト流入口2511からインクミストを含む空気をダクト2517内に流入させるとともに当該流入した空気を吸引する。
ダクト2517内のミスト流入口2511からファン2512に向かう空気の流動経路のうち本体部251bに対応する部分には、吸引ファン2512の回転軸2512aに平行な軸方向(吸引ファン2512による空気の吸引方向)について互いに異なる位置に、平板形状の第1フィルター2513(最上流フィルター)及び第2フィルター2514が、ダクト2517の軸方向に垂直な断面全体に亘って設けられている。本実施形態では、第1フィルター2513及び第2フィルター2514は、軸方向に垂直となるように設けられ、第1フィルター2513は、空気の通過面が第2フィルター2514を介して吸引ファン2512に対向し、第2フィルター2514は、空気の通過面が直接吸引ファン2512に対向している。また、第2フィルター2514は、軸方向について、第1フィルター2513に対して間隔d1をおいて下流側に配置され、かつ、吸引ファン2512との軸方向についての間隔d2が、回転動作する吸引ファン2512がなす円の直径D1の1/2以下となる位置に配置されている。詳しくは、第2フィルター2514と回転軸2512aとの交点と、吸引ファン2512のうち軸方向について第2フィルター2514に最も近い部分との軸方向の距離が、直径D1の1/2以下となっている。また、上記の間隔d1は、第1フィルター2513及び第2フィルター2514の何れの厚さよりも大きくなっている。また、第1フィルター2513及び第2フィルター2514の面積は、それぞれ、回転動作する吸引ファン2512がなす円(即ち、直径D1の円)の面積の10倍以上となっている。
第1フィルター2513及び第2フィルター2514には、例えば、スポンジ部材などの多孔質で空気を通過させるものが用いられる。また、第1フィルター2513では、第2フィルター2514よりも密度が大きい(目の細かい)部材が用いられている。即ち、第1フィルター2513により当該第1フィルター2513の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値は、第2フィルター2514により当該第2フィルター2514の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値以下となっている。この結果、第1中間ミスト収集部251において捕捉されるインクミストの大部分は、第1フィルター2513により捕捉され、第1フィルター2513により捕捉されるインクミストの重量は、第2フィルター2514により捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる。
また、第2フィルター2514には、ファン2512の吸引により当該第2フィルター2514を軸方向に通過しようとする空気の一部を通過させずに軸方向とは異なる方向に流動させるような通過抵抗を有するものが用いられる。
また、第1フィルター2513は、ダクト2517に対して着脱可能に設けられ、交換可能とされている。第1フィルター2513が交換される場合には、本体部251bの側面に設けられた開口部2515から第1フィルター2513が引き抜かれ、また開口部2515から新しいフィルター2513がダクト2517内に挿入されて、フィルター2513の先端の位置が固定部材2516により規定された状態で固定される。
他方で、第2フィルター2514は、ダクト2517に対して着脱不能な状態で固定されている。
吸引ファン2512の回転動作により、ミスト流入口2511を介してダクト2517内に流入したインクミストを含んだ空気は、ダクト2517内のうちミスト流入部251aに対応する部分では、幅方向に流動する。そして、当該空気は、ダクト2517のうち本体部251bに対応する部分に到達すると、軸方向に流動し、第1フィルター2513を通過するときに大部分のインクミストが当該第1フィルター2513に捕捉される。ここで、第1フィルター2513を通過した空気は、第1フィルター2513の下流側に第2フィルター2514が設けられていることで、第1フィルター2513及び第2フィルター2514の間の空間において軸方向と異なる方向に流動する。即ち、第1フィルター2513と第2フィルター2514との軸方向についての間隔d1は、第1フィルター2513及び第2フィルター2514の間の空気が軸方向と異なる方向に流動する間隔に調整されている。このように、第1フィルター2513を通過した空気は、第2フィルター2514を軸方向に素通りするのではなく、第2フィルター2514の通過抵抗により一部が軸方向と異なる方向に流動して第2フィルター2514を通過するタイミングが遅延される。
上述のように、吸引される空気が第2フィルター2514を通過する前に軸方向と異なる方向に流動する結果、第1フィルター2513と第2フィルター2514との間において吸引により生じる負圧の分布の偏りが少なくなり、第1フィルター2513の位置において生じる吸引力の軸方向と垂直な面内での分布の偏りが少なくなる。即ち、第1フィルター2513における空気の通過面の端部において生じる吸引力が増大する。これにより、当該第1フィルター2513の各位置で一定量以上の空気が吸引されて通過するため、第1フィルター2513の全面においてインクミストが捕捉される。換言すれば、第1フィルター2513の全面においてインクミストが捕捉されるような空気流が第1フィルター2513の位置に発生する。
なお、吸引ファン2512による吸引の強さは、インクミストが吸引可能な強度以上であり、かつ、記録媒体Pを移動させたりヘッドユニット24から吐出されたインクの飛翔経路に影響を及ぼしたりする強度未満に限定される。吸引ファン2512自体の動作強度(回転速度)の調整が困難な構成の場合には、ミスト流入口2511の数、サイズや、第1フィルター2513及び第2フィルター2514の厚みや材質などによって吸引力を適宜な強さに減衰させて調整を行うことができる。
図4は、ヘッドユニット24のインク吐出面及び最終ミスト収集部253の吸引面を示す底面図である。
最終ミスト収集部253は、搬送方向について最も下流側のヘッドユニット24の搬送方向下流側に隣接し、幅方向の長さがヘッドユニット24の幅方向の長さと略等しい直方体形状の筐体を有する。
最終ミスト収集部253の搬送面と対向する面(吸引面)のうちヘッドユニット24に近い側の端部近傍には、円形状の複数のミスト流入口2531が幅方向に配列されて設けられている。ミスト流入口2531の形状及び数は、第1中間ミスト収集部251におけるミスト流入口2511と同一である。また、最終ミスト収集部253の搬送方向上流側の側面には、3つの吸引ファン2532(ファン)が設けられている。
図5は、最終ミスト収集部253の断面図である。図5(a)は、図4における断面線B1−B1での断面図を示し、図5(b)は、図5(a)における断面線B2−B2での断面図を示す。
最終ミスト収集部253の筐体は、その内部において、ミスト流入口2531に連通する空間が設けられることで、吸引された空気が流動するダクト2537を構成している。吸引ファン2512は、ダクト2537の搬送方向下流側の端部に設けられている。吸引ファン2532は、その回転動作により、当該ダクト2537内の空気を搬送方向下流側に向けて外部に排気し、これによりミスト流入口2531からインクミストを含む空気をダクト2537内に流入させるとともに当該流入した空気を吸引する。
ダクト2537内のミスト流入口2531からファン2532に向かう空気の流動経路には、吸引ファン2532の回転軸2532aに平行な軸方向について互いに異なる位置に、平板形状の第1フィルター2533(最上流フィルター)及び第2フィルター2534が、ダクト2537の吸引軸方向に垂直な断面全体に亘って設けられている。本実施形態では、第1フィルター2533及び第2フィルター2534は、軸方向に垂直となるように設けられ、第1フィルター2533は、空気の通過面が第2フィルター2534を介して吸引ファン2532に対向し、第2フィルター2534は、空気の通過面が直接吸引ファン2532に対向している。第2フィルター2534は、軸方向について、第1フィルター2533に対して間隔d1をおいて下流側に配置され、かつ吸引ファン2532との軸方向についての間隔d2が、回転動作する吸引ファン2532がなす円の直径D2の1/2以下となる位置に配置されている。詳しくは、第2フィルター2534と回転軸2532aとの交点と、吸引ファン2532のうち軸方向について第2フィルター2534に最も近い部分との軸方向の距離が、直径D2の1/2以下となっている。また、上記の間隔d1は、第1フィルター2533及び第2フィルター2534の何れの厚さよりも大きくなっている。また、第1フィルター2533及び第2フィルター2534の面積は、回転動作する吸引ファン2532がなす円(即ち、直径D2の円)の面積の合計値に対して10倍以上となっている。
第1フィルター2533の部材は、第1中間ミスト収集部251における第1フィルター2513の部材と同一であり、第2フィルター2534の部材は、第2フィルター2514の部材と同一である。また、第1フィルター2533は、ダクト2537に対して着脱可能に設けられて交換可能とされており、他方で第2フィルター2534は、ダクト2537に対して着脱不能な状態で固定されている。
吸引ファン2532の回転動作により、ミスト流入口2531を介してダクト2537内に吸引されたインクミストを含んだ空気は、ダクト2537内において軸方向に流動する。そして、当該空気は、第1フィルター2533を通過するときに大部分のインクミストが当該第1フィルター2533に捕捉される。また、第1フィルター2533を通過した空気は、第2フィルター2514の通過抵抗により、第1フィルター2513及び第2フィルター2514の間の空間において一部が軸方向と異なる方向に流動して第2フィルター2514を通過するタイミングが遅延される。
このように、最終ミスト収集部253においても、第1中間ミスト収集部251及び第2中間ミスト収集部252と同様に、吸引される空気が第2フィルター2534を通過する前に軸方向と異なる方向に流動する結果、第1フィルター2533の位置において生じる吸引力の軸方向と垂直な面内での分布の偏りが少なくなり、第1フィルター2533の全面においてインクミストが捕捉される。
最終ミスト収集部253では、複数の吸引ファン2532が用いられることで、インクミストが第1フィルター2533で十分に捕捉される範囲で第1中間ミスト収集部251及び第2中間ミスト収集部252よりも吸引力が強くなるように設定されている。また、このような設定のために、吸引ファン2532の直径D2を、第1中間ミスト収集部251の吸引ファン2512の直径D1と異ならせても良い。このとき、吸引ファン2532の吸気によりヘッドユニット24から吐出されたインクの飛翔に影響が生じないように、ヘッドユニット24と最終ミスト収集部253との間の距離が定められる。
図6は、インクジェット記録装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、加熱部23と、記録ヘッド駆動部241及び記録ヘッド242を有するヘッドユニット24と、吸引ファン駆動部51及び吸引ファン2512、2532を有するミスト収集部25と、定着部26と、制御部40と、搬送駆動部52と、入出力インターフェース53と、バス54などを備える。
記録ヘッド駆動部241は、記録ヘッド242の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じて圧電素子を変形動作させる駆動信号を供給することにより、記録ヘッド242のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
吸引ファン駆動部51は、制御部40の制御に基づいてミスト収集部25の吸引ファン2512、2532をそれぞれ回転動作させる。吸引ファン駆動部51は、吸引ファン2512、2532の動作有無を一括して切り替え可能であっても良い。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)及び記憶部44を有する。
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。また、CPU41は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42は、不揮発性メモリーを含んでいても良い。
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM43に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。
記憶部44には、入出力インターフェース53を介して外部装置2から入力されたプリントジョブ(画像記録命令)及び当該プリントジョブに係る画像データが記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されても良い。
搬送駆動部52は、CPU41から供給される制御信号に基づいて搬送ドラム21の搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム21を所定の速度及びタイミングで回転させる。また、搬送駆動部52は、CPU41から供給される制御信号に基づいて媒体供給部12、受け渡しユニット22、及びデリバリー部27を動作させるためのモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Pの搬送ドラム21への供給及び搬送ドラム21からの排出を行わせる。
入出力インターフェース53は、外部装置2と制御部40との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース53は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか又はこれらの組み合わせで構成される。
バス54は、制御部40と他の構成との間で信号の送受信を行うための経路である。
外部装置2は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース53を介して画像記録命令(プリントジョブ)及び画像データ等を制御部40に供給する。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるミスト収集動作について説明する。
このインクジェット記録装置1では、プリントジョブの実行命令が取得されから、プリントジョブに係る一連の画像記録動作の終了後、新たなプリントジョブの実行命令が取得されないまま所定時間が経過するまでの間継続的にミスト収集部25を動作させる。
図7は、本実施形態のインクジェット記録装置1において実行されるミスト吸引処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
このミスト吸引処理は、プリントジョブの実行命令が取得された場合に起動される処理である。
ミスト吸引処理が開始されると、制御部40(CPU41)は、現在ミスト吸引に係る動作を停止中であるか否かを判別する(ステップS101)。停止中ではないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、別個にミスト吸引処理が実行されているので、制御部40は、開始されたミスト吸引処理を終了する。
停止中であると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、制御部40は、吸引ファン駆動部51に制御信号を出力し、吸引ファン2512、2532の回転動作を開始させる(ステップS102)。
制御部40は、プリントジョブに係る画像記録動作が終了しているか否かを判別する(ステップS103)。終了していないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、制御部40は、ステップS103の処理を繰り返す。終了していると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、制御部40は、新たなプリントジョブの実行命令が有る(取得されている)か否かを判別する(ステップS104)。取得されていると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、制御部40の処理は、ステップS103に戻る。
新たな記録動作命令がないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、制御部40は、記録動作の終了から所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS105)。所定時間が経過していないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS104に戻る。所定時間が経過したと判別された場合には(ステップS105で“YES”)、制御部40は、吸引ファン駆動部51に制御信号を出力して吸引ファン2512、2532の回転動作を停止させる(ステップS106)。そして、制御部40は、ミスト吸引処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係るミスト収集部25(インクミスト収集装置)は、インクミスト及び空気を流入させるミスト流入口2511(2531)が設けられたダクト2517(2537)と、回転動作によりミスト流入口2511(2531)を介してダクト2517(2537)内に空気を流入させて当該流入した空気を吸引する吸引ファン2512(2532)と、ダクト2517(2537)内のミスト流入口2511(2531)とファン2512(2532)との間において吸引ファン2512(2532)の回転軸2512a(2532a)に沿って設けられ、空気中のインクミストを各々捕捉する第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)と、を備え、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)の各々の面積は、回転動作する吸引ファン2512(2532)がなす円の面積よりも大きく、各フィルターには、流入口2511(2531)に最も近い第1フィルター2513(2533)により捕捉されるインクミストの重量が、第2フィルター2514(2534)により捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる条件を満たすものが用いられ、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)は、回転軸2512a(2532a)に平行な軸方向について、吸引される空気が当該第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)の間において軸方向とは異なる方向に流動する間隔で配置されている。
このような構成によれば、吸引ファン2512(2532)により吸引される空気が第2フィルター2514(2534)を通過する前に軸方向とは異なる方向に流動する結果、第1フィルター2513(2533)と第2フィルター2514(2534)との間に吸引により生じる負圧の分布の偏りが少なくなり、第1フィルター2513(2533)の位置に生じる吸引力の、吸引方向と垂直な面内での分布の偏りが少なくなる。これにより、第1フィルター2513(2533)におけるより広い領域で空気が吸引されて通過するため、第1フィルター2513においてインクミストが捕捉される領域を広げることができる。即ち、第1フィルター2513(2533)においてインクミストが捕捉される領域の偏りを抑制することができる。この結果、第1フィルター2513(2533)の交換頻度を低く抑えることができ、これによりミスト収集部25のランニングコストを低減させることができる。
また、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)には、上流側の第1フィルター2513(2533)により当該第1フィルター2513(2533)の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値が、第2フィルター2514(2534)により当該第2フィルター2514(2534)の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値以下となる条件を満たすものが用いられている。このような構成によれば、ミスト収集部25において捕捉可能なインクミストのほとんどを第1フィルター2513(2533)において捕捉することができる。よって、第2フィルター2514(2534)の交換頻度を低下させ、あるいは交換不要とすることができるため、フィルター交換の手間を最小限とすることができ、またミスト収集部25のランニングコストを低減させることができる。
また、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)の間隔は、吸引ファン2512(2532)により空気が吸引されているときの当該第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)の間における軸方向とは異なる方向への空気の流動により、第1フィルター2513(2533)における空気の通過面の端部において生じる吸引ファン2512(2532)による空気の吸引力を増大させる大きさである。これにより、第1フィルター2513(2533)においてインクミストが捕捉される領域の偏りをさらに抑制することができる。また、第1フィルター2513(2533)の交換頻度をより低くすることができる。
また、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)は、軸方向について、当該第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)の厚さの最大値よりも大きい間隔d1を開けて配置されている。これにより、第1フィルター2513(2533)と第2フィルター2514(2534)との間において空気を効果的に軸方向とは異なる方向に流動させることができる。
また、第1フィルター2513(2533)は、ダクト2517(2537)に対して着脱可能に設けられている。これにより、捕捉されたインクミストにより第1フィルター2513(2533)の目が詰まった場合にも、第1フィルター2513(2533)を交換することにより引き続きインクミストを捕捉することができる。
また、第2フィルター2514(2534)は、ダクト2517(2537)に対して着脱不能な状態で固定されている。これにより、第2フィルター2514(2534)を着脱可能とするための構成が不要となるため、ミスト収集部25の構成を簡素化することができ、また製造コストを低減させることができる。
また、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)の各々の面積は、回転動作する吸引ファン2512(2532)がなす円の面積の10倍以上であり、第2フィルター2514(2534)と吸引ファン2512(2532)との間隔は、上記円の直径の1/2以下である。このように第1フィルター2513(2533)の面積が吸引ファン2512(2532)の回転に対して10倍以上となるような構成では、第1フィルター2513(2533)においてインクミストが捕捉される領域の偏りが特に生じやすくなるが、第2フィルター2514(2534)による空気の軸方向とは異なる方向への流動により当該領域の偏りを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、インクを吐出するヘッドユニット24と、ミスト収集部25と、を備えるため、ミスト収集部25において効率良くインクミストを捕捉、収集することができる。また、ミスト収集部25の第1フィルター2513(2533)の交換頻度を低く抑えることができるため、インクジェット記録装置1のランニングコストを低減させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、第1中間ミスト収集部251、第2中間ミスト収集部252及び最終ミスト収集部253の各々において、2つのフィルター(第1フィルター及び第2フィルター)が設けられている例を用いて説明したが、フィルターは、吸引ファンの回転軸に沿って3つ以上設けられていても良い。この場合、各フィルターとしては、ミスト流入口に最も近い最上流フィルターにより捕捉されるインクミストの重量が、他のフィルターよりそれぞれ捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる条件を満たすものが用いられる。また、各フィルターには、最上流フィルターにより当該最上流フィルターの特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値が、最上流フィルター以外のフィルターの各々により当該フィルターの各々の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値以下となる条件を満たすものが用いられる。また、フィルター同士の軸方向についての配置間隔が、各フィルターの厚さの最大値よりも大きくなるように調整され、かつ互いに隣り合う少なくとも一対のフィルターの軸方向についての間隔が、当該一対のフィルターの間において軸方向と異なる方向に空気を流動させることが可能な範囲で調整される。また、複数のフィルターのうち少なくとも最上流フィルターが着脱可能に設けられていれば良く、他のフィルターは、着脱可能であっても無くても良い。
また、上記実施形態では、第1フィルター2513(2533)として、第2フィルター2514(2534)よりも目の細かいものを用いる例を挙げて説明したが、これに限られない。即ち、各フィルターとしては、ミスト流入口に最も近い最上流フィルター(第1フィルター2513(2533))により捕捉可能なインクミストの直径の最小値が、他の各フィルター(第2フィルター2514(2534))により捕捉可能なインクミストの直径の最小値以下となる条件を満たすものとすることができ、例えば、第1フィルター2513(2533)及び第2フィルター2514(2534)に同一のフィルターが用いられても良い。
また、最上流フィルターにより捕捉されるインクミストの重量が、他の各フィルターの各々により捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる条件を満たす範囲で、各フィルターとして、最上流フィルターにより捕捉可能なインクミストの直径の最小値が、他の各フィルターにより捕捉可能なインクミストの直径の最小値よりも大きくなるようなものを用いても良い。
また、上記実施形態では、第2フィルター2514、2534がダクト2517(2537)に対して着脱不能な状態で固定されている例を用いて説明したが、これに限られず、着脱可能に設けられていても良い。
また、第1フィルター2513及び第2フィルター2514は、吸引ファン2512の回転軸2512aに対して直角以外の角度をなすように傾斜して設けられていても良い。同様に、第1フィルター2533及び第2フィルター2534は、吸引ファン2532の回転軸2532aに対して直角以外の角度をなすように傾斜して設けられていても良い。これらの場合には、回転軸に垂直な面への各フィルターの投影面積が、回転動作する吸引ファンがなす円の面積よりも大きくなるような配置とされる。
また、上記実施形態では、搬送方向について上流側の3つのヘッドユニット24の下流側にそれぞれ第1中間ミスト収集部251又は第2中間ミスト収集部252が配置され、最下流のヘッドユニット24の下流側に最終ミスト収集部253が配置される例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、各ヘッドユニット24の搬送方向下流側にそれぞれ第1中間ミスト収集部251又は第2中間ミスト収集部252が配置される構成としても良い。また、ヘッドユニット24の搬送方向の配置スペースに余裕がある場合には、各ヘッドユニット24の搬送方向下流側にそれぞれ最終ミスト収集部253と同一の構成のミスト収集部を設けても良い。
また、第1中間ミスト収集部251、第2中間ミスト収集部252及び最終ミスト収集部253における吸引ファンの取付位置は、上記実施形態に示した位置に限られず、吸引ファンからの排気がインクジェット記録装置1の記録動作に影響しない範囲で任意に変更することができる。例えば、吸引ファンをミスト収集部の鉛直上方側の面(吸引面とは反対側の面)に取り付けても良い。また、第1フィルター及び第2フィルターは、吸引ファンの位置に合わせて、空気の通過面が吸引ファンに対向する位置に取り付ければ良い。
また、第1中間ミスト収集部251及び第2中間ミスト収集部252において、吸引ファンが2以上設けられていても良い。また、最終ミスト収集部253における吸引ファンの数は、3つに限られず、2つ以下又は4つ以上であっても良い。
また、上記実施形態では、ミスト流入口2511、2531として円形の開口部を例に挙げて説明したが、これに限られず、インクミストにより目が詰まらない範囲で細かいメッシュやより大きな格子などが設けられていても良い。
また、ミスト流入口2511、2531は、搬送ドラム21の搬送面(搬送面に載置された記録媒体P)と略平行に対向する面に設けられたものに限られない。ミスト流入口2511、2531が記録媒体Pに対して傾いている形状を有するもの、ヘッドユニット24に面した搬送方向上流側側面の下端付近などにミスト流入口2511、2531が設けられたものや、ミスト流入口2511、2531が平面上にではなく、凹部内や突起部などに設けられたものであっても良い。
また、ミスト流入口2511(2531)と吸引ファン2512(2532)との位置関係や、ダクト2517(2537)の形状などは、適宜設計されて良い。
また、上記実施形態では、シングルパス形式のインクジェット記録装置1を例に挙げて説明したが、ヘッドユニットを主走査方向に走査させながら画像の記録を行うインクジェット記録装置に本発明を適用しても良い。この場合には、ミスト収集部は、ヘッドユニットとともに移動するように、例えばキャリッジに取り付けられても良いし、ヘッドユニットの走査幅の両端に固定されていても良い。ミスト収集部をヘッドユニットとともに移動させる場合には、ミスト収集部は、走査方向についてヘッドユニットの上流側及び/又は下流側に設けられても良いし、走査方向に垂直な方向に設けられても良い。
また、上記実施形態では、搬送ドラム21により記録媒体Pを搬送する例を用いて説明したが、これに代えて、例えば2本のローラーに支持されローラーの回転に応じて移動する搬送ベルトにより記録媒体Pを搬送しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 インクジェット記録装置
2 外部装置
10 給紙部
11 給紙トレー
12 媒体供給部
20 画像記録部
21 搬送ドラム
22 受け渡しユニット
23 加熱部
24 ヘッドユニット
241 記録ヘッド駆動部
242 記録ヘッド
242M ヘッドモジュール
243 ノズル
25 ミスト収集部
251 第1中間ミスト収集部
251a ミスト流入部
251b 本体部
252 第2中間ミスト収集部
253 最終ミスト収集部
2511,2531 ミスト流入口
2512,2532 吸引ファン
2512a,2532a 回転軸
2513,2533 第1フィルター
2514,2534 第2フィルター
2517,2537 ダクト
26 定着部
27 デリバリー部
30 排紙部
31 排紙トレー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
51 吸引ファン駆動部
52 搬送駆動部
53 入出力インターフェース
54 バス
P 記録媒体

Claims (8)

  1. インクミスト及び空気を流入させるミスト流入口が設けられたダクトと、
    回転動作により前記ミスト流入口を介して前記ダクト内に空気を流入させて当該流入した空気を吸引するファンと、
    前記ダクト内の前記ミスト流入口と前記ファンとの間において前記ファンの回転軸に沿って設けられ、空気中のインクミストを各々捕捉する複数のフィルターと、
    を備え、
    前記複数のフィルターの各々は、前記ファンの回転軸に垂直な面への投影面積が、前記回転動作する前記ファンがなす円の面積よりも大きく、
    前記複数のフィルターの各々には、当該複数のフィルターのうち前記ミスト流入口に最も近い最上流フィルターにより捕捉されるインクミストの重量が、前記複数のフィルターのうち前記最上流フィルター以外のフィルターの各々により捕捉されるインクミストの重量よりも大きくなる条件を満たすものが用いられ、
    前記複数のフィルターのうち前記回転軸に平行な軸方向に隣り合う少なくとも一対のフィルターは、前記軸方向について、前記吸引される空気が前記一対のフィルターの間において前記軸方向とは異なる方向に流動する間隔で配置されている
    ことを特徴とするインクミスト収集装置。
  2. 前記複数のフィルターの各々には、前記最上流フィルターにより当該最上流フィルターの特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値が、前記最上流フィルター以外のフィルターの各々により当該フィルターの各々の特性に応じて捕捉可能なインクミストの直径の最小値以下となる条件を満たすものが用いられていることを特徴とする請求項1に記載のインクミスト収集装置。
  3. 前記一対のフィルターの間隔は、前記ファンにより空気が吸引されているときの前記一対のフィルターの間における前記軸方向とは異なる方向への空気の流動により、前記最上流フィルターにおける空気の通過面の端部において生じる前記ファンによる空気の吸引力を増大させる大きさであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクミスト収集装置。
  4. 前記複数のフィルターは、前記軸方向について、互いに当該複数のフィルターの厚さの最大値よりも大きい間隔を開けて配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクミスト収集装置。
  5. 前記最上流フィルターは、前記ダクトに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクミスト収集装置。
  6. 前記複数のフィルターのうち前記ファンに最も近いフィルターは、前記ダクトに対して着脱不能な状態で固定されていることを特徴とする請求項5に記載のインクミスト収集装置。
  7. 前記複数のフィルターの各々の前記投影面積は、前記回転動作する前記ファンがなす円の面積の10倍以上であり、
    前記複数のフィルターのうち前記ファンに最も近いフィルターと前記ファンとの間隔は、前記円の直径の1/2以下である
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のインクミスト収集装置。
  8. インクを吐出するインク吐出部と、
    請求項1〜7の何れか一項に記載のインクミスト収集装置と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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