JP2001190646A - 光触媒清浄装置 - Google Patents

光触媒清浄装置

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JP2001190646A
JP2001190646A JP2000004859A JP2000004859A JP2001190646A JP 2001190646 A JP2001190646 A JP 2001190646A JP 2000004859 A JP2000004859 A JP 2000004859A JP 2000004859 A JP2000004859 A JP 2000004859A JP 2001190646 A JP2001190646 A JP 2001190646A
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photocatalyst
flow
filter
cleaning device
processing fluid
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Application number
JP2000004859A
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English (en)
Inventor
Masayasu Sugita
全康 杉田
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Ikeda Denso Co Ltd
Original Assignee
Ikeda Denso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理流体に対して光励起触媒物質による触媒
作用を充分に付与して、脱臭効率や殺菌効率を向上させ
ることができる光触媒清浄装置を提供する。 【解決手段】 上流側光触媒フィルタ5 と下流側光触媒
フィルタ6 との間に形成される流通空間8 に、前記各光
触媒フィルタ5,6 に対して紫外線を照射する紫外線照射
手段10を備え、前記上流側光触媒フィルタ5 から流入し
た処理流体が前記流通空間8 を通過して前記下流側光触
媒フィルタ6 から流出するように構成した光触媒清浄装
置において、前記処理流体の流れを阻害する流通阻害手
段12,31,41,51,61,71 を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭装置、空気清
浄機、水浄化装置等として使用され、脱臭作用や殺菌作
用を行う光触媒清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、脱臭装置や空気清浄機等
の清浄化装置類は、例えば臭気物質等の発生に起因して
汚染された空気に対して、脱臭作用や殺菌作用を施すた
めに使用されるものであって、この種の清浄化装置類と
しては、光励起触媒によって臭気物質等を化学的に消臭
する光触媒フィルタを利用して構成された光触媒清浄装
置が実用化されている。
【0003】この光触媒清浄装置は、ケーシングの一端
に空気流入口を形成し且つ他端に空気流出口を形成する
と共に、空気流入口側に上流側光触媒フィルタを、空気
流出口側に下流側光触媒フィルタを夫々配置し、この各
光触媒フィルタの相互間に形成される流通空間に紫外線
ランプを配置した構成とされている。
【0004】前記各光触媒フィルタは、多数の通気孔を
有するハニカム構造とされ、各通気孔の内周面には酸化
チタンや酸化亜鉛等でなる光励起触媒物質が塗布或いは
添着されている。そして、この各通気孔の内周面に前記
紫外線ランプからの紫外線が照射されることによって、
前記光励起触媒物質が励起、触媒化され、この状態にあ
る各通気孔の内周面に処理流体としての汚染空気が接触
することによって、光励起触媒物質による触媒作用が付
与され、脱臭効果や殺菌効果が得られるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光触
媒清浄装置は、上流側及び下流側の各光触媒フィルタの
何れについても、各通気孔の流軸線が、ケーシングの空
気流入口から空気流出口に向かう空気の流れ方向と平行
になるように配置されている。
【0006】このため、処理流体である汚染空気が、ケ
ーシングの空気流入口から上流側光触媒フィルタ、流通
空間、及び下流側光触媒フィルタを通過して空気流出口
に至るまでの間においては、その流れが直線状になる。
【0007】これに起因して、汚染空気は、各光触媒フ
ィルタの通気孔を抵抗なく短時間で通過することになっ
て、光励起触媒物質による触媒作用を充分に受けること
ができず、特にアルデヒド類や硫化メチル等の分解除去
が困難となって、臭気物質等の分解効率ひいては脱臭効
率や殺菌効率が低下するという問題が生じる。
【0008】なお、ケーシングの一端から他端に至るま
での間に3枚以上の光触媒フィルタを配置し、各光触媒
フィルタ相互間に、紫外線ランプを備えた各流通空間を
設けることも行われている。しかしながら、この構成で
あっても、従来では全ての光触媒フィルタの通気孔の流
軸線が、ケーシング内の空気の流れ方向と平行になるよ
うに設定されているため、前記と同様にして脱臭効率や
殺菌効率の低下を来すことになる。
【0009】本発明は、かかる従来の課題に鑑み、処理
流体に対して光励起触媒物質による触媒作用を充分に付
与して、脱臭効率や殺菌効率を向上させることができる
光触媒清浄装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上流側光触媒
フィルタ5 と下流側光触媒フィルタ6 との間に形成され
る流通空間8 に、前記各光触媒フィルタ5,6 に対して紫
外線を照射する紫外線照射手段10を備え、前記上流側光
触媒フィルタ5 から流入した処理流体が前記流通空間8
を通過して前記下流側光触媒フィルタ6 から流出するよ
うに構成した光触媒清浄装置において、前記処理流体の
流れを阻害する流通阻害手段12,31,41,51,61,71 を備え
たものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳述する。図1〜図3は、本発明に係る光触媒
清浄装置の第1の実施形態を例示する。この光触媒清浄
装置1 は、例えば保冷車の収納庫に設置されて、臭気物
質等を含む処理流体としての汚染空気に対して脱臭作用
や殺菌作用を施すものである。
【0012】図1及び図2に示すように、この光触媒清
浄装置1 は、ケーシング2 の一端に空気流入口3 を備え
且つ他端に空気流出口4 を備え、この両者3,4 間に形成
される空気流通経路に上流側から順に、第1光触媒フィ
ルタ5 、第2光触媒フィルタ6 及び第3光触媒フィルタ
7 を略等間隔で配設した構成とされている。
【0013】前記第1及び第2光触媒フィルタ5,6 によ
って区画された第1流通空間8 と、前記第2及び第3光
触媒フィルタ6,7 によって区画された第2流通空間9 に
は、1個又は2個以上(図例では2個)の紫外線照射手
段としての紫外線ランプ10が夫々配設されている。ま
た、前記第3光触媒フィルタ7 の下流側には、汚染空気
の空気流入口3 側から空気流出口4 側に向かう流れを生
じさせる通気ファン11が配設されている。なお、前記第
1光触媒フィルタ5 の上流側には、ゴミ等の異物を除去
するプレフィルタ(図示略)等が必要に応じて配設され
ている。
【0014】前記各光触媒フィルタ5,6,7 としては、以
下に示す構造のものが使用されている。即ち、各光触媒
フィルタ5,6,7 は、図3に示すように、多数の流通孔12
(以下、通気孔12という) が形成されたハニカム体であ
って、これらの通気孔12は、多数枚の平板13と波状板14
とを交互に配列させることによって形成されている。こ
の場合、前記各光触媒フィルタ5,6,7 の表裏面は、汚染
空気の空気流入口3 側から空気流出口4 側に向かう流れ
方向と直交するように配列され、前記各通気孔12は、各
光触媒フィルタ5,6,7 の表裏面と直交する方向に対し傾
斜して形成されている。
【0015】詳述すれば、前記各通気孔12は、その流軸
線が光触媒フィルタ5,6,7 の表裏面と直交する方向に対
して例えば略45°傾斜しており、図例では、平板13を
光触媒フィルタ5,6,7 の表裏面と直交する方向に対して
傾斜させることによって、各通気孔12が傾斜した状態と
なっている。なお、必要ならば、平板13を光触媒フィル
タ5,6,7 の表裏面と直交する方向に対して傾斜させず
に、波状板14の稜線を光触媒フィルタ5,6,7 の表裏面と
直交する方向に対して傾斜させることによって、各通気
孔12を傾斜させるようにしても良い。
【0016】前記各通気孔12の内周面には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、又はこれらの混合物等でなる光励起触媒
物質が塗布或いは添着されている。そして、この各通気
孔12の内周面に前記紫外線ランプ10からの紫外線が照射
されることによって、前記光励起触媒物質が励起、触媒
化され、そのような状態にある各通気孔12の内周面に汚
染空気が接触することによって、触媒作用が付与され、
脱臭や殺菌が施されるようになっている。
【0017】このような構造の各光触媒フィルタ5,6,7
をケーシング2 内に組み込んだ態様は、図1及び図2に
示すように、第1流通空間8 の上流側の第1光触媒フィ
ルタ5 と、その下流側の第2光触媒フィルタ6 とでは、
その両者の各通気孔12が平面視で相反する方向に傾斜し
ている。更に、第2流通空間9 の上流側の第2光触媒フ
ィルタ6 と、その下流側の第3光触媒フィルタ7 とにつ
いても、その両者の各通気孔12が平面視で相反する方向
に傾斜している。換言すれば、各光触媒フィルタ5,6,7
の通気孔12は、空気流入口3 から空気流出口4 に向かう
汚染空気の流れ方向に対して傾斜しており、且つ、隣り
合う上流側と下流側との光触媒フィルタの各通気孔12の
傾斜方向が、相互に異なっていることになる。そして、
この隣り合う上流側と下流側との光触媒フィルタの各通
気孔12の相対角度は、例えば略90°となるように設定
されている。
【0018】この第1の実施形態に係る光触媒清浄装置
1 によれば、通気ファン11の駆動によって空気流入口3
からケーシング2 内に導かれた汚染空気は、第1光触媒
フィルタ5 、第1流通空間8 、第2光触媒フィルタ6 、
第2流通空間9 及び第3光触媒フィルタ7 を通過して、
空気流出口4 から排出される。
【0019】この場合、空気流入口3 側から直進してき
た汚染空気は、同図に矢印a1で示すように、一方側に向
かって屈曲又は湾曲して第1光触媒フィルタ5 を通過し
て第1流通空間8 に流入した後、例えば同図に矢印a2
示すように、他方側に向かって屈曲又は湾曲して第2光
触媒フィルタ6 に至る。また、第2光触媒フィルタ6を
通過して第2流通空間9 に流入した汚染空気は、例えば
同図に矢印b1で示すように、前記一方側に向かって屈曲
又は湾曲して第3光触媒フィルタ7 を通過した後、同図
に矢印b2で示すように、前記他方側に向かって屈曲又は
湾曲して空気流出口4 から流出する。
【0020】このように、汚染空気が各光触媒フィルタ
5,6,7 を通過する際には、その流れが屈曲又は湾曲する
ことを余儀なくされ、直線状の流れが阻害される。従っ
て、各光触媒フィルタ5,6,7 の傾斜状の各通気孔12によ
って、汚染空気の流れに対して抵抗が付与されると共
に、第1及び第2流通空間8,9 におけるその通過時間或
いは滞在時間が長くなる。
【0021】この結果、各光触媒フィルタ5,6,7 の各通
気孔12を汚染空気が通過し難くなって、その通過に要す
る時間、即ち各通気孔12の内周面の光励起触媒物質と汚
染空気との接触時間が長くなる。従って、汚染空気に対
しては、充分な触媒作用が付与されて、アルデヒド類や
硫化メチル等が適切に分解除去され、臭気物質等の分解
効率ひいては脱臭効率や殺菌効率の向上を図ることがで
きる。
【0022】また、各光触媒フィルタ5,6,7 の通気孔12
が傾斜しているので、非傾斜の場合と比較して通気孔12
の内周面の面積が大きくなり、これによっても光励起触
媒物質と汚染空気との接触時間が長くなり、脱臭効率や
殺菌効率の向上を図ることができる。
【0023】更に、この光触媒清浄装置1 の構造によれ
ば、ケーシング2 の外側からその内部を直視した場合に
は、第1及び第3光触媒フィルタ5,7 の通気孔12が傾斜
しているため、紫外線ランプ10が見え難く、作業者の目
を紫外光から保護できるという利点も得られる。
【0024】なお、この第1の実施形態では、各光触媒
フィルタ5,6,7 の通気孔12の大きさを全て同一とした
が、第1光触媒フィルタ5 の通気孔12よりも第2光触媒
フィルタ6 の通気孔12を小さくしても良く、またこれに
代えて或いはこれと共に、第2光触媒フィルタ6 の通気
孔12よりも第3光触媒フィルタ7 の通気孔12を小さくし
ても良い。
【0025】図4は、本発明に係る光触媒清浄装置の第
2の実施形態を例示する。この光触媒清浄装置20が前述
の第1の実施形態に係る光触媒清浄装置1 と相違してい
る点は、ケーシング2 の一側壁2aと他側壁2bとの間の寸
法よりも各光触媒フィルタ5,6,7 の幅方向寸法が短くな
るようにし、その差分に相当する寸法の第1〜第3壁部
21,22,23を、各フィルター5,6,7 の配設位置に対応させ
且つケーシング2 の一側壁2aと他側壁2bとに交互に突設
した点である。従って、隣り合う光触媒フィルタは、幅
方向に対して相反する方向に変位するように配設されて
いる。
【0026】前記各壁部21,22,23は、各光触媒フィルタ
5,6,7 の通気孔12の上流端が下流端に対して変位してい
る側に存在している。そして、汚染空気が第1及び第2
光触媒フィルタ5,6 を夫々通過して第1及び第2流通空
間8,9 に流入した場合に、その流入方向側に第2及び第
3壁部22,23 が夫々存在するように位置関係が設定され
ている。
【0027】その他の構成要件については同一であるの
で、図4において、前述の第1の実施形態に係る光触媒
清浄装置1 と共通の構成要件については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0028】この第2の実施形態に係る光触媒清浄装置
20の構成によれば、汚染空気が第1及び第2光触媒フィ
ルタ5,6 を夫々通過して第1及び第2流通空間8,9 に流
入した場合には、第2及び第3壁部22,23 に夫々衝突
し、これに起因して例えば同図に矢印c,dで示すよう
に流れの屈曲の度合いが大きくなる。この結果、汚染空
気の流れに対して付与される抵抗が更に大きくなると共
に、第1及び第2流通空間8,9 におけるその通過時間或
いは滞在時間が大幅に長くなり、これに伴って各光触媒
フィルタ5,6,7 の各通気孔12を汚染空気が流れ難くなっ
て、その内周面の光励起触媒物質との接触時間も大幅に
長くなる。
【0029】図5は、本発明に係る光触媒清浄装置の第
3の実施形態を例示する。この光触媒清浄装置30が前述
の第1の実施形態に係る光触媒清浄装置1 と相違してい
る点は、第3光触媒フィルタ7 及び第2流通空間8 が設
けられていない点と、第1及び第2光触媒フィルタ5,6
として通気孔12が非傾斜状のものを使用した点と、汚染
空気の乱流を生じさせる乱流発生体31を流通空間8 に配
置した点とである。この乱流発生体31は、上流側に向か
って凹状となる凹状体、或いは波形を呈する波形体等で
構成され、ケーシング2 に固定されている。なお、第1
及び第2光触媒フィルタ5,6 の通気孔12は、前述の場合
と同様に傾斜していても良い。
【0030】その他の構成要件については同一であるの
で、図5において、前述の第1の実施形態に係る光触媒
清浄装置1 と共通の構成要件については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0031】この第3の実施形態に係る光触媒清浄装置
30の構成によれば、第1光触媒フィルタ5 を通過して流
通空間8 に流入した汚染空気は、乱流発生体31に衝突す
ることによって、例えば同図に矢印eで示すように、そ
の流れが乱される。従って、汚染空気の直線状の流れ
が、乱流の発生に起因して阻害され、その流れに対して
抵抗が付与されると共に、流通空間8 におけるその通過
時間或いは滞在時間が長くなる。この結果、各光触媒フ
ィルタ5,6 の各通気孔12を汚染空気が流れ難くなり、光
励起触媒物質との接触時間が長くなる。
【0032】図6は、本発明に係る光触媒清浄装置の第
4の実施形態を例示する。この光触媒清浄装置40が前述
の第3の実施形態に係る光触媒清浄装置30と相違してい
る点は、流通空間8 に、乱流発生体を設けることに代え
て、ファンやプロペラ等の空気流攪拌手段41を配設した
点である。このファンやプロペラ等は、電気的手段等に
よって強制的に回転駆動されるものであっても良く、ま
た汚染空気の流れに起因して回転するものであっても良
い。更に、このファンやプロペラ等の回転軸は、空気流
入口3 から空気流出口4 に向かう方向に沿うようにして
も良く、またその方向と直交する方向に沿うようにして
も良い。
【0033】その他の構成要件については同一であるの
で、図6において、前述の第3の実施形態に係る光触媒
清浄装置30と共通の構成要件については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0034】この第4の実施形態に係る光触媒清浄装置
40の構成によれば、第1光触媒フィルタ5 を通過して流
通空間8 に流入した汚染空気は、空気流攪拌手段41によ
ってその流れが攪拌され、例えば同図に矢印fで示すよ
うに、その流れが乱される。従って、汚染空気の直線状
の流れが、攪拌による乱流の発生に起因して阻害され、
その流れに対して抵抗が付与されると共に、流通空間8
におけるその通過時間或いは滞在時間が長くなる。この
結果、各光触媒フィルタ5,6 の各通気孔12を汚染空気が
流れ難くなり、光励起触媒物質との接触時間が長くな
る。
【0035】図7は、本発明に係る光触媒清浄装置の第
5の実施形態を例示する。この光触媒清浄装置50が前述
の第3の実施形態に係る光触媒清浄装置30と相違してい
る点は、流通空間8 に、乱流発生体を設けることに代え
て、汚染空気の流れ方向を変化させるルーバー等の流れ
方向変化手段51を配置した点である。この流れ方向変化
手段51は、時間経過と共にその流れ方向が可変とされた
可動型のものであっても良く、またその流れ方向が一定
とされた固定型のものであっても良い。
【0036】その他の構成要件については同一であるの
で、図7において、前述の第3の実施形態に係る光触媒
清浄装置30と共通の構成要件については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0037】この第5の実施形態に係る光触媒清浄装置
50の構成によれば、第1光触媒フィルタ5 を通過して流
通空間8 に流入した汚染空気は、流れ方向変化手段51に
よってその流れが変更され、例えば同図に矢印gで示す
ような経路に沿って流れる。従って、汚染空気の直線状
の流れが、その流れの変化に起因して阻害され、その流
れに対して抵抗が付与されると共に、流通空間8 におけ
るその通過時間或いは滞在時間が長くなる。この結果、
各光触媒フィルタ5,6 の各通気孔12を汚染空気が流れ難
くなり、光励起触媒物質との接触時間が長くなる。
【0038】図8は、本発明に係る光触媒清浄装置の第
6の実施形態を例示する。この光触媒清浄装置60が前述
の第3の実施形態に係る光触媒清浄装置30と相違してい
る点は、流通空間8 に、乱流発生体を設けることに代え
て、異なる突出寸法で突出する複数個の突出体61を突設
した点である。これらの突出体61は、ケーシング2 の左
右側壁又は上下側壁若しくは全側壁に設けられている。
なお、これらの突出体61は、汚染空気の流れ方向に対し
て凹凸を形成するものであっても良く、また汚染空気の
流れと直交する面内において凹凸を形成するものであっ
ても良い。
【0039】その他の構成要件については同一であるの
で、図8において、前述の第3の実施形態に係る光触媒
清浄装置30と共通の構成要件については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0040】この第6の実施形態に係る光触媒清浄装置
60の構成によれば、第1光触媒フィルタ5 を通過して流
通空間8 に流入した汚染空気は、複数個の突出体61の凹
凸の影響を受けて、例えば同図に矢印hで示すように、
その流れが乱される。従って、汚染空気の直線状の流れ
が、乱流の発生によって阻害され、その流れに対して抵
抗が付与されると共に、流通空間8 におけるその通過時
間或いは滞在時間が長くなる。この結果、各光触媒フィ
ルタ5,6 の各通気孔12を汚染空気が流れ難くなり、光励
起触媒物質との接触時間が長くなる。
【0041】図9は、本発明に係る光触媒清浄装置の第
7の実施形態を例示する。この光触媒清浄装置70が前述
の第3の実施形態に係る光触媒清浄装置30と相違してい
る点は、流通空間8 に、乱流発生体を設けることに代え
て、汚染空気を減速して通過させる通気性を有するフィ
ルタ部材等の減速流通手段71を配置した点である。この
減速流通手段71は、布、フェルト、フィルム、障子紙等
で構成され、これらは、ケーシング2 に固定され、或い
はのれん状に取り付けられる。
【0042】その他の構成要件については同一であるの
で、図9において、前述の第3の実施形態に係る光触媒
清浄装置30と共通の構成要件については、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0043】この第7の実施形態に係る光触媒清浄装置
70の構成によれば、第1光触媒フィルタ5 を通過して流
通空間8 に流入した汚染空気は、減速流通手段71を通過
する際に、例えば同図に矢印iで示すようにその流れが
減速されて直進し、又は同図に矢印jで示すようにその
流れが乱される。従って、汚染空気の流れが、減速及び
/又は乱流の発生に起因して阻害され、その流れに対し
て抵抗が付与されると共に、流通空間8 におけるその通
過時間或いは滞在時間が長くなる。この結果、各光触媒
フィルタ5,6 の各通気孔12を汚染空気が流れ難くなり、
光励起触媒物質との接触時間が長くなる。
【0044】以上、本発明の各実施形態について詳述し
たが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものでは
なく、その他種々の態様で実施することができる。
【0045】例えば、前記各実施形態では、処理流体が
汚染空気である空気清浄機或いは空気脱臭機等の光触媒
清浄装置に本発明を適用したものであるが、処理流体が
汚染水等である水浄化装置等の光触媒清浄装置に本発明
を適用しても良い。
【0046】また、前記各実施形態では、光触媒フィル
タとして、波状板と平板とを交互に配列させたハニカム
体を使用したが、通気孔が六角形等の多角形とされたハ
ニカム体を使用しても良い。
【0047】更に、前記第1、第2実施形態では、隣り
合う光触媒フィルタは、両者の通気孔が傾斜して形成さ
れたものであるが、この両者の何れか一方の通気孔が傾
斜し、他方の通気孔が非傾斜のものであっても良い。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、上流側光触媒フィルタ
5 と下流側光触媒フィルタ6 との間に形成される流通空
間8 に、前記各光触媒フィルタ5,6 に対して紫外線を照
射する紫外線照射手段10を備え、前記上流側光触媒フィ
ルタ5 から流入した処理流体が前記流通空間8 を通過し
て前記下流側光触媒フィルタ6 から流出するように構成
した光触媒清浄装置において、前記処理流体の流れを阻
害する流通阻害手段12,31,41,51,61,71 を備えたので、
処理流体が各光触媒フィルタ5,6 に亘って直線状に通過
する場合と比較して、その流れに付与される抵抗が増大
すると共に、流通空間8 内での処理流体の滞在時間が長
くなる。従って、処理流体が各光触媒フィルタ5,6 を通
過する際の時間が長くなって、触媒作用を受ける時間が
長くなり、脱臭効率や殺菌効率の向上を図ることができ
る。
【0049】そして、前記流通阻害手段は、前記上流側
光触媒フィルタ5 と下流側光触媒フィルタ6 との少なく
とも何れか一方の流通孔12を傾斜させて形成し、且つ前
記各光触媒フィルタ5,6 の流通孔12の方向性が相互に異
なるように構成されているので、上流側光触媒フィルタ
5 から流通空間8 に流入した処理流体は、下流側光触媒
フィルタ6 から流出するまでの間に、その流れが屈曲又
は湾曲することを余儀なくされる。従って、処理流体の
直線状の流れが阻害され、前記と同様にして、処理流体
が各光触媒フィルタ5,6 による触媒作用を受ける時間が
長くなり、脱臭効率や殺菌効率の向上を図ることができ
る。
【0050】また、前記流通阻害手段は、前記流通空間
8 に配置され且つ前記処理流体に乱流を発生させる乱流
発生手段31,41,61を備えているので、流通空間8 内での
乱流の発生に起因して、処理流体の流れに付与される抵
抗が増大すると共に、流通空間8 内での処理流体の滞在
時間が長くなる。従って、前記と同様にして、処理流体
が各光触媒フィルタ5,6 による触媒作用を受ける時間が
長くなり、脱臭効率や殺菌効率の向上を図ることができ
る。
【0051】更に、前記流通阻害手段は、前記流通空間
8 に配置され且つ前記処理流体の流れ方向を変化させる
流れ方向変化手段51を備えているので、流通空間8 内で
の処理流体の流れの変化に起因して、その流れに付与さ
れる抵抗が増大すると共に、流通空間8 内での処理流体
の滞在時間の長くなる。従って、前記と同様にして、処
理流体が各光触媒フィルタ5,6 による触媒作用を受ける
時間が長くなり、脱臭効率や殺菌効率の向上を図ること
ができる。
【0052】また、前記流通阻害手段は、前記流通空間
8 に配置され且つ前記処理流体を減速して通過させる減
速流通手段71を備えているので、流通空間8 内での流れ
の減速に起因して、その流れに付与される抵抗が増大す
ると共に、流通空間8 内での処理流体の滞在時間が長く
なる。従って、前記と同様にして、処理流体が各光触媒
フィルタ5,6 による触媒作用を受ける時間が長くなり、
脱臭効率や殺菌効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る光触媒清浄装置
の構成要素である光触媒フィルタを示す単体斜視図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【図9】本発明の第7の実施形態に係る光触媒清浄装置
を示す横断平面図である。
【符号の説明】
1,20,30,40,50,60,70 光触媒清浄装置 2 ケーシング 5 上流側光触媒フィルタ 6 下流側光触媒フィルタ (上流側光触媒フィルタ) 7 下流側光触媒フィルタ 8,9 流通空間 10 紫外線照射手段 (紫外線ランプ) 12 流通阻害手段 (傾斜状の流通孔) 21,22,23 流通阻害手段 (壁部) 31 流通阻害手段 (乱流発生体) 41 流通阻害手段 (乱流発生手段) 51 流通阻害手段 (流れ方向変化手段) 61 流通阻害手段 (突出体) 71 流通阻害手段 (減速流通手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側光触媒フィルタ(5) と下流側光触
    媒フィルタ(6) との間に形成される流通空間(8) に、前
    記各光触媒フィルタ(5)(6)に対して紫外線を照射する紫
    外線照射手段(10)を備え、前記上流側光触媒フィルタ
    (5) から流入した処理流体が前記流通空間(8) を通過し
    て前記下流側光触媒フィルタ(6) から流出するように構
    成した光触媒清浄装置において、前記処理流体の流れを
    阻害する流通阻害手段(12)(31)(41)(51)(61)(71)を備え
    たことを特徴とする光触媒清浄装置。
  2. 【請求項2】 前記流通阻害手段は、前記上流側光触媒
    フィルタ(5) と下流側光触媒フィルタ(6) との少なくと
    も何れか一方の流通孔(12)を傾斜させて形成し、且つ前
    記各光触媒フィルタ(5)(6)の流通孔(12)の方向性が相互
    に異なるように構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の光触媒清浄装置。
  3. 【請求項3】 前記流通阻害手段は、前記流通空間(8)
    に配置され且つ前記処理流体に乱流を発生させる乱流発
    生手段(31)(41)(61)を備えていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の光触媒清浄装置。
  4. 【請求項4】 前記流通阻害手段は、前記流通空間(8)
    に配置され且つ前記処理流体の流れ方向を変化させる流
    れ方向変化手段(51)を備えていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の光触媒清浄装置。
  5. 【請求項5】 前記流通阻害手段は、前記流通空間(8)
    に配置され且つ前記処理流体を減速して通過させる減速
    流通手段(71)を備えていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の光触媒清浄装置。
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