JP7206954B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は液滴吐出装置に関する。
インクジェットプリンタでは、インク吐出口の高密度化及びインクの吐出周波数の増加に伴ってインク吐出ヘッドと記録媒体との間に渦が発生し、その渦によって、インクの液滴の着弾位置が乱れることが知られている。
このような問題を解決した装置として、例えば、特許文献1に記載された記録装置が知られている。この記録装置は、インク吐出ヘッドと記録媒体との間にガスを吹き出させることによって、渦を大きくして安定させる。その結果、インク吐出ヘッドと記録媒体との間に生じる気流の乱れが抑制され、液滴の着弾位置の乱れが抑制される。
特開2016-165886号公開特許公報
ところで、上記渦流は、複数のインク吐出口が高密度に配列する場合に発生する。つまり、この配置形態を有するインクジェットプリンタでは、画像形成時の液滴デューティ(記録媒体の画像形成領域に対する単位面積当たりの液体の投入量)が大きい場合、多数の液滴が高密度で一斉に吐出されるので、渦流が発生しやすい。一方、液滴デューティが小さい場合、液滴を吐出するインク吐出口が疎らになるので、上記渦流は発生しない。しかし、インク吐出口は、液滴を吐出しないまま大気開放状態が続き、メニスカスの乾燥が進みやすい。さらに、画像形成の高速化に伴い、インクの速乾性が求められるようになり、これもメニスカスの乾燥を助長する。つまり、液滴デューティが小さい場合は、渦流の抑制よりも、メニスカスの乾燥を抑制することが優先される。
これに関して、特許文献1には、インク吐出ヘッドと記録媒体との間に加湿ガスを吹き出すことが記載されている。しかし、特許文献1は、ガスの吹き出しと液滴デューティとの関係ついて、全く言及していない。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、液滴デューティの変化に応じて、液滴の着弾位置の乱れ及びメニスカスの乾燥を抑制することが可能な液滴吐出装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る液滴吐出装置は、複数のノズルと、前記複数のノズルが開口したノズル面とを有する記録ヘッドを備え、前記ノズル面では、前記複数のノズルが走査方向に並んで複数のノズル列を構成し、前記複数のノズル列が前記走査方向と交差する搬送方向に配列しているとともに、前記搬送方向に関して前記複数のノズル列の間及び両側には、複数の開口部が前記ノズル列に沿って開口し、前記複数の開口部は、画像データに基づいて前記複数のノズルから液体を吐出することで、記録媒体に画像を形成するとき、前記記録媒体の画像形成領域について、単位面積当たりの液体の投入量である液滴デューティが閾値未満であれば、前記複数の開口部から加湿空気を噴射し、且つ、前記液滴デューティが前記閾値以上であれば、前記複数の開口部から空気を吸引するよう構成されている。
上記構成によれば、記録ヘッドのノズル面には、複数の開口部が、複数のノズル列の間及び両側に当該ノズル列に沿って設けられている。画像を形成するとき、液滴デューティに応じて、複数の開口部で行う気流の調整内容が変わる。例えば、液滴デューティが閾値以上である場合には、当該複数の開口部が、周囲の空気を吸引する。空気の吸引は、液滴連行流(飛翔する液滴の飛翔軌道に沿う空気流)による渦流の形成を抑制する。そのため、ノズルから吐出される液滴は、その着弾位置が乱れ難くなる。
一方、液滴デューティが閾値未満である場合には、当該複数の開口部が、加湿空気を噴射する。加湿空気の噴射は、液滴を吐出しないままにあるノズルに対して、水分を供給する。ノズルに形成されたメニスカスは、乾燥の進行が抑制される。
従って、液滴デューティの変化に応じて、渦流の発生及びメニスカスの乾燥を抑制することができる。
前記開口部は、前記ノズル列に沿って延在する1つの細長い開口又は前記ノズル列に沿って互いに間隔を介して配列した複数の開口を含んでもよい。
この構成によれば、構造が簡単になる。
前記液滴デューティが閾値未満のとき、前記液滴デューティがゼロから増大するに連れて、前記開口部から噴射される前記加湿空気の噴射速度が所定値からゼロへ向けて減少され、且つ、前記液滴デューティが閾値以上のとき、前記液滴デューティが前記閾値から増大するに連れて、前記開口部から吸引される前記空気の吸引速度がゼロから増大されるように構成されていてもよい。
液滴デューティが増大するに連れて、メニスカスの乾燥防止が必要なノズルの数は減少する一方、液滴連行流の発生に関与するノズルの数が増加する。
この構成によれば、複数の開口部による気流の調整内容(加湿空気の噴射から空気の吸引への変化)が、液滴デューティに対応して、適切に変化する。つまり、低液滴デューティ時のメニスカスの乾燥を適切に防止し、且つ、高液滴デューティ時の着弾の乱れを適切に防止できる。
前記搬送方向において、前記複数のノズル列の上流側、間、及び下流側に配置された前記開口部をそれぞれ上流端開口部、中間開口部、及び下流端開口部とした場合に、前記閾値として、前記中間開口部に対応した第1閾値と、前記下流端開口部に対応した第2閾値と、前記上流端開口部に対応した第3閾値と、を有し、前記第1閾値は前記第2閾値より小さく、前記第2閾値は前記第3閾値より小さくてもよい。
ノズルの配置位置により、渦流の発生及びメニスカスの乾燥の進展状態が異なる。しかし、この構成によれば、ノズル位置によらず、このような不具合を適切に防止することができる。具体的には、液滴デューティの増大に対し、中間開口部、下流端開口部、及び上流端開口部の順に、加湿空気の噴射から空気の吸引に切り替わる。このように、渦流が生じやすいノズル列に対応した開口部ほど、早期に加湿空気の噴射から空気の吸引に切り替わる。
前記液滴デューティが第3閾値以上のとき、前記中間開口部の空気吸引速度が、前記上流端開口部及び下流端開口部の空気吸引速度よりも大きくてもよい。
複数のノズル列から液滴が吐出されると、隣接するノズル列間では、より強い渦流が発生する。しかし、上記構成によれば、中間開口部の空気吸引速度が、上流端開口部及び下流端開口部の空気吸引速度よりも大きい。そのため、ノズルの位置に関わらず、渦流の発生を防止することができる。
前記下流端開口部の空気吸引速度が、前記上流端開口部の空気吸引速度よりも大きくてもよい。
記録媒体が搬送されると、記録媒体に伴う気流(以下媒体連行流という)が生じる。ノズル列の並びにおいて、搬送方向の上流側では、液滴連行流及び媒体連行流の相互作用が強い。そのため、上流側のノズル列では渦流の乱れが生じやすく、液滴の着弾乱れを起こす。
この構成によれば、下流端開口部の空気吸引速度が、上流端開口部の空気吸引速度よりも大きいので、媒体連行流の強さに対応して、渦流の発生を防止することができる。
前記液滴デューティが第1閾値未満のとき、前記中間開口部の加湿空気噴射速度が、前記上流端開口部及び下流端開口部の加湿空気噴射速度よりも小さくてもよい。
複数のノズル列から液滴が吐出されると、搬送方向の中間のノズル列は、上流端及び下流端のノズル列から吐出される液滴により、外側の空間から隔離されたような状態となる。さらに、両ノズル列から吐出される液滴から、揮発成分(この場合、水分)が供給される。しかし、上記構成によれば、中間開口部の加湿空気噴射速度が、上流端開口部及び下流端開口部の加湿空気噴射速度よりも小さいので、ノズル列の位置によらず過不足無い均一な加湿ができる。また、無駄な加湿源(この場合、水)の消費が抑制される。
前記上流端開口部の加湿空気噴射速度が、前記下流端開口部の加湿空気噴射速度よりも大きくてもよい。
記録媒体が搬送されると、媒体連行流が生じる。上流端のノズル列では、媒体連行流の影響が強いので、下流端のノズル列よりもメニスカスの乾燥が進みやすい。しかし、この構成によれば、上流端開口部の加湿空気噴射速度が、下流端開口部の加湿空気噴射速度よりも大きいので、ノズル列の位置によらず過不足無い均一な加湿を促進できる。また、無駄な加湿源(この場合、水)の消費がさらに抑制される。
前記加湿空気噴射速度及び前記空気吸引速度は、前記記録媒体の搬送速度が増大するに連れて増大されるように構成されていてもよい。
搬送速度が増大するに連れて、媒体連行流も増大する。このとき、液滴デューティが閾値未満であれば、メニスカスの乾燥が助長され、液滴デューティが閾値以上であれば、渦流の乱れが助長される。しかし、上記構成によれば、加湿空気噴射速度及び空気吸引速度は、記録媒体の搬送速度が増大するに連れて増大される。そのため、搬送速度に依らず、メニスカスの乾燥や着弾の乱れを、適切に防止することができる。
前記画像形成のための液滴の吐出が完了したとき、全ての前記開口部から空気が吸引されるように構成されていてもよい。
液滴連行流及び媒体連行流は、液滴の吐出や記録媒体の搬送が終了しても、若干の間持続する。しかし、上記構成によれば、画像形成のための液滴の吐出が完了したとき、空気が吸引される。そのため、画像形成終了後において、残留する気流に伴う液滴ミストの飛散を防止することができる。
前記画像形成のための液滴の吐出を始める前には、前記加湿空気が全ての前記開口部から前記液滴デューティがゼロに対応した速度で噴射されるように構成されていてもよい。
画像形成のための液滴の吐出を始める前は、ノズル面が大気にさらされた状態にあり、メニスカスの乾燥が心配される。しかし、上記構成によれば、画像形成を始める前の乾燥を防止できる。
本発明は、液滴デューティの変化に応じて、液滴の着弾位置の乱れ及びメニスカスの乾燥を抑制することが可能な液滴吐出装置を提供できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、液滴吐出装置の機能的構成を示すブロック図である。 図3は、記録ヘッドの一部を拡大して示す平面図であり、吐出チャネルを示している。 図4は、記録ヘッドの一部を拡大して示す断面図であり、圧力室を示している。 図5は、記録ヘッドのノズル面におけるノズル列及び開口部の配置の概要を示す模式図である。 図6は、加湿空気及び吸引空気の通流経路の概要を示す模式図である。 図7は、液滴デューティの変化に対する加湿空気の噴射速度及び記録空間の空気の吸引速度の変化を示すグラフであり、図7(A)は、記録シートの搬送速度が低い場合の図、図7(B)は、記録シートの搬送速度が高い場合の図である。 図8は、液滴デューティが大きい場合の記録空間の状態を示す模式図である。 図9は、液滴デューティが小さい場合の記録空間の状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。同一又は相当する要素については、同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。以下の図には、本発明に無関係な要素が省略される場合、誇張等のために寸法が正確でない場合、複数の図面において互いに対応する要素の態様が一致しない場合等があるなお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
本発明の実施形態に係る液滴吐出装置として、インクを記録シートへ吐出するインク吐出装置を例に説明する。ただし、吐出される液体は、インクに限られない。液体の吐出対象も、シート状のものに限られない。つまり、液滴吐出装置は、インク吐出装置には限定されず、記録液を記録媒体に吐出する装置であればよい。
[液滴吐出装置の構成]
図1は、液滴吐出装置1の模式図である。図1において、紙面に直交する方向が走査方向 (左右方向)であり、左から右に向かう方向が搬送方向であり、走査方向及び搬送方向に直交する方向が上下方向である。搬送方向は走査方向に交差する方向であればよく、ここでは、走査方向に直交する方向である。このとき、キャリッジ12は、走査方向に往復移動する。記録シートPは、搬送方向に沿って、プラテン11上を搬送される。
図1を参照すると、液滴吐出装置1は、下から順に、給紙トレイ10、プラテン11及びキャリッジ12が組み付けられている。給紙トレイ10は、複数の記録シート(記録紙)Pを収容する。給紙トレイ10の上方には、走査方向に長寸のプラテン11が設けられている。プラテン11は、平板部材であり、搬送される記録シートPを下から支える。プラテン11の更に上方には、キャリッジ12が設けられている。キャリッジ12は、記録ヘッド13等が搭載されている。また、プラテン11の搬送方向下流側には、排紙トレイ14が設けられており、記録を終えた記録シートPを受け取る。
給紙トレイ10から排紙トレイ14までの経路が、シート搬送路20である。シート搬送路20は、湾曲パス21、ストレートパス22、及びエンドパス23の3つのパスに分割できる。このうち、ストレートパス22では、記録シートPが、プラテン11に載置され、所定間隔を介して記録ヘッド13と対向する。記録ヘッド13からは、液滴101が吐出され、記録シートPには、画像が形成されることになる。
液滴吐出装置1は、記録シートPを搬送するシート搬送機構として、給送ローラ30、搬送ローラ31及び排出ローラ34を備えている。具体的には、給送ローラ30が、給紙トレイ10の直上に設けられている。搬送ローラ31は、ピンチローラ32と組んで搬送ローラ部33を構成し、湾曲パス21とストレートパス22とを繋ぐ。排出ローラ34は、拍車ローラ35と組んで排出ローラ部36を構成し、ストレートパス22とエンドパス23を繋ぐ。
ここで、シート搬送機構が駆動されると、給送ローラ30によって、記録シートPが給紙トレイ10から湾曲パス21に繰り出される。記録シートPは、搬送ローラ部33により、プラテン11上に載置され、記録ヘッド13により画像が記録される。記録済みの記録シートPは、排出ローラ部36によって、排紙トレイ14に排出される。
図2は、液滴吐出装置1の機能的構成を示すブロック図である。液滴吐出装置1の制御部40は、第1基板と第2基板を備える。第1基板にはCPU41、ROM42、RAM43、及びEEPROM44が実装され、第2基板にはASIC45が実装されている。ASIC45には、2つのモータドライバIC46,47とヘッドドライバIC48とポンプドライバIC52が接続されている。モータドライバIC46は搬送モータ50を駆動する。モータドライバIC47はキャリッジモータ51を駆動する。ヘッドドライバIC48は、記録ヘッド13の圧電素子71(後述)を駆動する。圧電素子71は、インクを吐出するアクチュエータを構成する。ポンプドライバIC52は、ポンプ53を駆動する。
液滴吐出装置1は、ユーザ又は他の通信装置から印刷指令を受けると、CPU41が、ROM42に記憶されたプログラムに基づいて各種の実行指令をASIC45へ出力する。ASIC45は、この指令に基づいて、各ドライバIC46~48を制御する。
これにより、記録シートPの繰り出しと搬送、この搬送に同期したインクの吐出等、記録処理が実行される。具体的には、モータドライバIC46は、搬送モータ50を駆動して、3つのローラ30、31、34を回転させる。モータドライバIC47は、キャリッジモータ51を駆動して、キャリッジ12を走査方向へ移動させる。ヘッドドライバIC48は、圧電素子を駆動して、アクチュエータを変形させる。なお、アクチュエータは、記録ヘッド13の圧力室を構成している。
このうち、ヘッドドライバIC48は、パルス状の駆動電圧を出力する。この駆動電圧は、第1電位v1と第2電位v2(>v1)との間で、電位が変化する。駆動電圧が第1電位v1であるとき、圧力室73は第1容積V1となる。駆動電圧が第2電位v2であるとき、圧力室73は第2容積V2(<V1)となる。このように、駆動電圧の印加により、アクチュエータは、圧力室73の容積を変化する。
また、液滴吐出装置1は、種々のセンサ(例えば、記録シートPの位置検出用の先端検出センサ、キャリッジの位置検出用のエンコーダ等)を備える。制御部40は、これらセンサからの信号に基づき、各ドライバIC46~48を制御し、記録シートPに画像を形成する。ポンプドライバIC52によるポンプ53の制御(駆動)については、後述する。
[記録ヘッドの構成]
図3は、記録ヘッド13において、流路の配置形態を示す部分概略図である。記録ヘッド13は、マニホールド(共通流路)60、複数の吐出チャネル(個別流路)70等を備える。マニホールド60は、複数の吐出チャネル70に共通であり、上流側端部がインクタンク(不図示)に連通している。吐出チャネル70は、マニホールド60の出口72aから連通流路72、圧力室73を介してノズル75に至る個別流路である。複数の吐出チャネル70は、搬送方向に等間隔で並んで、チャネル列を形成している。さらに、複数のチャネル列が、走査方向に沿って並ぶ。ノズル75も、ノズル列81を構成し、チャネル列と同様の配列形態を有する。また、図3に示していないが、ノズル列81に沿って、開口部82が形成されている。これらノズル列81及び開口部82については、後で詳しく説明する。
図4は、図3において線IV-IVで切断した断面図であり、吐出チャネル70の拡大図である。ここで、図4において、記録ヘッド13は、2つの部材(流路部材13aとアクチュエータ)の積層体として表されている。しかし、2つの部材も、それぞれ複数の層やプレートの積層体である。
連通流路72が、マニホールド60と圧力室73とを接続する。ディセンダ74は、圧力室73とノズル75とを接続する。また、圧力室73の開口が、振動板71aに塞がれている。振動板71aは、圧電素子71とともに、アクチュエータを構成する。圧電素子71は、圧電層を2つの電極(個別電極と共通電極)挟んだ積層体である。個別電極には駆動電圧が印加され、共通電極は接地電位にある。
圧電素子71は、駆動電圧が印加されると、面方向(上下方向と直交する方向)に伸縮する。一方、振動板71aは、自発的に変形しない。そのため、アクチュエータは、圧力室73に向かって変位し、圧力室73内のインクが吐出されることになる。
一方、流路部材13aも、複数のプレートの積層体である。各プレートには、貫通孔、窪み、溝等が形成されている。複数のプレートは、積層されて流路部材13aを成し、内部に上述の各種流路を構成している。このとき、積層体13aの下面は、ノズル面13bとなり、全てのノズル75が開口している。なお、図4において、各プレートの境界(接合面)は、その図示が省略されている。
本実施形態では、開口部(図4に不図示)82(図5参照)が、ノズル面13bに開口している。記録ヘッド13とプラテン11(図1参照)との間の空間(以下、記録空間という)に対して、この開口部82は、加湿空気を噴射し、又は、空気を吸引する。つまり、積層体13aの内部には、開口部82に連通する空気の流路(空気の通流経路)も形成されている。
[ノズル列及び開口部の配置]
図5は、ノズル列81及び開口部82の配置を示す模式図である。
図5を参照すると、ノズル面13bには、複数のノズル列81が、搬送方向に延び、走査方向に沿って並んでいる。そして、ノズル列81に沿って、開口部82が形成されている。開口部82は、1つの細長い開口である。これは、互いに間隔を介して配列した複数の開口であってもよい。
この構成により、簡単な構成によって、複数のノズル列81の全体に渡って、着弾位置の乱れを防止し、且つ、ノズル75に形成されたメニスカスの乾燥を防止することができる。
なお、図5には、2つのノズル列81しか示されていないが、実際には、2以上のノズル列81が形成されている。これに対応して、複数のノズル列81の上流、間、及び下流に形成された開口部82を、それぞれ、上流端開口部82C、中間開口部82A、及び下流端開口部82Bという。つまり、中間開口部82Aは、1以上設けられている。
[加湿空気及び吸引空気の通流経路]
図6は、加湿空気及び吸引空気の通流経路の模式図である。空気の通流経路は、給排開口91、加湿空気タンク92、2つの三方弁93、95、吸引空気処理器94、ポンプ53、開口部82等を含む。これらの要素は、図6のように配置され、加湿空気供給経路90A及び空気吸引経路90Bを構成している。
このうち、加湿空気供給経路90Aは、給排開口91から、加湿空気タンク92、三方弁93、ポンプ53、及び三方弁95を経て開口部82に至る。加湿空気は、この配列に沿って流れる。このとき、三方弁95により、吸引空気処理器94がバイパスされている。一方、空気吸引経路90Bは、開口部82から、吸引空気処理器94、三方弁95、ポンプ53、及び三方弁93を経て給排開口91に至る。吸引空気は、この配列に沿って流れる。このとき、三方弁93により、加湿空気タンク92がバイパスされている。
この加湿空気供給経路90A及び空気吸引経路90Bは、少なくとも、上流端開口部82C、1以上の中間開口部82A、及び下流端開口部82B毎に設けられるが、1つの開口部82毎に設けてもよい。
給排開口91(図5に不図示)は、例えば、ノズル75及び開口部82を避けて、ノズル面13bの周縁部に設けられている。開口部82に加湿空気が供給されるとき、給排開口91から加湿用の空気が吸引される。開口部82から空気が吸引されるとき、給排開口91からこの空気が排出される。
加湿空気タンク92は、液滴吐出装置1の適所に設けられている。加湿空気タンク92は、水を貯留している。給排開口91からの空気は、水の水面下に供給され、その後、水中を上昇しながら加湿される。これにより、加湿空気タンク92の上部空間は、加湿空気で満たされることになる。
三方弁93は、ポンプ53の一方の接続口を、加湿空気タンク92及び加湿空気タンク92のバイパス経路の何れかに接続する。開口部82に加湿空気が供給されるとき、三方弁93は、ポンプ53と加湿空気タンク92とを接続する。開口部82から空気が吸引されるとき、三方弁93は、ポンプ53とバイパス経路とを接続する。三方弁93の動作は、ASIC45に接続された弁ドライバIC(不図示)によって制御される。
三方弁95は、ポンプ53の他方の接続口を、吸引空気処理器94及び吸引空気処理器94のバイパス経路の何れかに接続する。開口部82に加湿空気が供給されるとき、三方弁93は、ポンプ53とバイパス経路とを接続する。開口部82から空気が吸引されるとき、三方弁93は、ポンプ53と吸引空気処理器94とを接続する。三方弁93の動作は、ASIC45に接続された別の弁ドライバIC(不図示)によって制御される。
ポンプ53は、正回転して、開口部82に向けた気流を作る(噴射動作)。このとき、加湿空気が開口部82から噴射される。また、ポンプ53は、逆回転して、給排開口91に向けた気流を作る(吸引動作)。このとき、記録空間の空気が開口部82から吸引される。ポンプ53の動作は、ASIC45に接続されたポンプドライバIC52によって制御される。
吸引空気処理器94は、開口部82から空気が吸引されるとき、空気中のインクミストを除去する。ポンプ53の汚染や動作不良が抑制される。
以上の構成において、開口部82に加湿空気が供給されるとき、三方弁93がポンプ53を加湿空気タンク92に接続し、三方弁95がポンプ53を吸引空気処理器94のバイパス経路に接続する。この状態でポンプ53が噴射動作を行うと、給排開口91に取り込まれた空気は、加湿空気タンク92で加湿され、加湿空気として開口部82から記録空間に噴射される。
また、開口部82から空気が吸引されるとき、三方弁93がポンプ53を加湿空気タンク92のバイパス経路に接続し、三方弁95がポンプ53を吸引空気処理器94に接続する。この状態でポンプ53が吸引動作を行うと、記録空間の空気は、開口部82から吸引され、吸引空気処理器94で浄化された後、給排開口91から排出される。なお、加湿空気の噴射速度及び記録空間の空気の吸引速度は、それぞれ、ポンプ53の吐出圧力及び吸引圧力に概ね比例する。
[動作]
次に、液滴吐出装置1の動作を説明する。図7は、液滴デューティに対する加湿空気の噴射速度及び記録空間の空気の吸引速度の関係を示す。ここで、記録シートPの相対的な搬送速度(この場合、キャリッジ12の移動速度)は、図7(A)の場合よりも、図7(B)の場合の方が大きい。
図7(A)及び図7(B)において、横軸は液滴デューティを表し、縦軸は開口部82を通過する気流の速度を表す。横軸同士では、液滴デューティについて、同じ縮尺にしてある。縦軸は、正の領域が加湿空気の噴射速度に相当する。一方、負の領域は、記録空間の空気の吸引速度(負の噴射速度)に相当する。また、図7のグラフにおいて、液滴デューティがゼロの位置は、画像形成が行われていない状態を意味し、画像形成の準備動作中にも相当する。本実施形態では、画像形成の準備動作中、図示された速度で加湿空気が噴射される。
また、参照符号F1は、中間開口部82Aの特性曲線(液滴デューティ-気流の速度曲線)を示す。参照符号F2は、下流端開口部82Bの特性曲線を示す。参照符号F3は、上流端開口部82Cの特性速度曲線を示す。
また、参照符号TH1は、液滴デューティの閾値であって、中間開口部82Aの閾値(第1閾値)を示す。参照符号TH2は、下流端開口部82Bの閾値(第2閾値)を示す。参照符号TH3は、下流端開口部82Cの閾値(第3閾値)を示す。いずれの閾値においても、開口部82を通過する気流の種類と方向が変化する。液滴デューティが大きくなると、加湿空気の噴射から空気の吸引に切り替わる。
上述の搬送速度が低い場合として、高画質モードでの印刷が例示される。搬送速度が高い場合として、ドラフトモードでの印刷が例示される。
図7(A)の3つの特性曲線F1~F3及び図7(B)の3つの特性曲線F1~F3に対応する制御データは、制御部40の記憶部(例えば、ROM42)に記憶されている。制御部40は、これらの制御データに基づいて、対応するポンプドライバIC52を制御し、それぞれポンプ53を駆動する。ポンプ53は、液滴デューティが閾値未満であれば正回転し、閾値以上であれば逆回転する。
図5、図6、及び図7を参照すると、ここで、液滴デューティがゼロの場合、全ての開口部82から、加湿空気が噴射される。噴射速度は、相対的な搬送速度(この場合、キャリッジ12の移動速度)が低いほど低い。図7(a)の場合、第1噴射速度SP1である。図7(b)の場合、図7(a)の場合に比べて搬送速度が高いので、第2噴射速度SP2(>SP1)である。画像形成の準備動作中は、ノズル面13bが大気にさらされた状態にある。メニスカスの乾燥が心配されるが、これにより、搬送速度に依らず、画像形成を始める前の乾燥を防止できる。
画像形成中の動作について説明する。開口部82を通過する気流の種類、方向及び強度は、開口部82の配置位置によって、それぞれ異なる特性曲線(液滴デューティ-気流の速度曲線)に基づいて制御される。本実施形態では、上流端開口部82C、中間開口部82A、及び下流端開口部82Bは、液滴デューティに関する閾値が、その配置位置に対応して異なる。
液滴デューティについて、上流端開口部82Cには第1閾値TH1が割り付けられ、中間開口部82Aには第2閾値TH2が割り付けられ、下流端開口部82Bには第3閾値TH3が割り付けられている。いずれの部位においても、液滴デューティが閾値未満である場合、開口部82は加湿空気を噴射する。一方、液滴デューティが閾値以上である場合、開口部82は記録空間の空気を吸引する。
また、特性曲線の傾向は、右肩下がりである。そのため、液滴デューティが増大するに連れて、開口部82から噴射される加湿空気は、噴射速度が所定の速度(液滴デューティがゼロでの速度)からゼロ(液滴デューティが閾値での速度)へ向けて減少する。さらに、液滴デューティが増大するに連れて、開口部82から吸引される空気は、吸引速度がゼロから増大される。
なお、図7(a)の場合と図7(b)の場合では、液滴デューティがゼロでの速度が異なるが、液滴デューティに関する閾値は共通である。そのため、開口部82を通過する気流の強度(速度)は、図7(a)の場合、図7(b)の場合に比べて、その変化率が大きい。
ここで、液滴デューティに関する閾値は、第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値の順に小さいので、中間開口部82A、下流端開口部82B、及び上流端開口部82Cの順に、加湿空気の噴射から記録空間の空気の吸引に切り替わる。
従って、液滴デューティが第1閾値TH1未満のときは、加湿空気の噴射速度は、中間開口部82A、下流端開口部82B、上流端開口部82Cの順に小さい。また、液滴デューティが第3閾値TH3以上のときは、空気の吸引速度は、中間開口部82A、下流端開口部82B、上流端開口部82Cの順に大きい。
{記録空間の空気の吸引}
図8は、液滴デューティが大きい場合について、記録空間の気流状態を示す模式図である。液滴101が吐出されると、その周囲の空間では、液滴連行流(吐出方向の空気の流れ)102を生じる。この液滴連行流102は、記録シートPで反転する。反射した液滴連交流は、記録シートPに向かう液滴連行流102に引き込まれる(点線)。液滴デューティが大きい場合(例えば、高密度に並ぶ多数のノズル75からの連続的一斉吐出時)、反射した液滴連交流がノズル75の並びに沿って連なり、渦流(不図示)が発生する。この渦流は、液滴101の飛翔軌道に影響を及ぼし、液滴の着弾位置を乱す要因となる。
しかし、ノズル面13bには、複数の開口部82(82A,82B,82C)が、各ノズル列81に対応して設けられている。そして、複数の開口部82(82A,82B,82C)から、周囲の空気が吸引される。これにより、図8に示すように、吸引空気流104が生じる。吸引空気流104は、その一部が反射した液滴連行流であり、記録空間から排出される。その分、反射した液滴連行流は、渦流の形成に寄与しない。つまり、記録空間は、気流が安定する。その結果、液滴連行流102は生じるが、渦流の形成が抑制される。そのため、吐出される液滴101は、その着弾位置が乱れ難くなる。
ところで、液滴連行流102は、ノズル列81の両側で発生する。隣接するノズル列81の間では、単独のノズル列81の片側(搬送方向における上流側又は下流側)に比べて、強い渦流が発生する可能性もある。しかし、本実施形態では、中間開口部82Aの空気吸引速度が、上流端開口部82C及び下流端開口部82Bの空気吸引速度よりも大きい。そのため、ノズル列81の位置に依らず、渦流の発生を防止することができる。
さらに、画像形成中は、キャリッジ12が、記録シートPと相対移動している。視点をキャリッジ12に置くと、記録シートP近傍には、相対移動に伴う気流(媒体連行流103)が実効的に生じる。走査方向について、全ノズル列81の下流側(記録シートPの相対移動方向の上流側)では、液滴連行流102及び媒体連行流103の方向が逆行の関係にある。そのため、液滴連行流102は弱まる。一方、全ノズル列81の上流側(記録シートPの相対移動方向の下流側)では、液滴連行流102及び媒体連行流103の方向が、同行の関係にある。そのため、液滴連行流102は弱まらない。しかし、本実施形態では、上述のように、記録シートPの相対移動方向(キャリッジ12の走査方向と逆の方向)に関して、下流端開口部82Bの空気吸引速度が、上流端開口部82Cの空気吸引速度よりも大きい。そのため、ノズル列81の位置に依らず、全体的に渦流の発生を防止することができる。
{加湿空気の噴射}
図9は、液滴デューティが小さい場合について、記録空間の気流状態を示す模式図である。図9において、参照符号105は、開口部82から噴射される加湿空気の流れを示す。
液滴デューティが小さい場合でも、液滴101の飛翔に伴い、液滴連行流102は生じる。このとき、液滴101の分布が疎らのため、渦流の発生には至らない。しかし、液滴101の吐出に与らないノズル75では、メニスカスが乾燥する。メニスカスの乾燥は、外気に触れやすいノズル75ほど進む。例えば、走査方向について、中間のノズル列81よりも、上流端及び下流端のノズル列81が外気に触れやすい。この不具合は、加湿空気の供給で解消される。
さらに、本実施形態では、中間開口部82Aの加湿空気105の噴射速度が、上流端開口部82C及び下流端開口部82Bの加湿空気105の噴射速度よりも小さい。そのため、ノズル列81の位置によらず、過不足無い均一な加湿ができる。また、無駄な加湿源(この場合、水)の消費が抑制される。
また、キャリッジ12が走査されると、媒体連行流103が実効的に生じる。走査方向について、下流端(記録シートPの相対移動方向の上流端)のノズル列81では、媒体連行流103の影響が強いので、上流端(記録シートPの相対移動方向の下流端)のノズル列81よりもメニスカスの乾燥が進みやすい。しかし、本実施形態では、記録シートPの相対移動方向に関して、上流端開口部82Cの加湿空気105の噴射速度が、下流端開口部82Bの加湿空気105の噴射速度よりも大きい。そのため、ノズル列81の位置によらず、過不足無い均一な加湿ができる。また、無駄な加湿源の消費が、よりいっそう抑制される。
{加湿空気噴射と空気吸引との切り替え}
本実施形態では、上述のように、液滴デューティの増大に対し、中間開口部82A、下流端開口部82B、及び上流端開口部82Cの順に、加湿空気の噴射から記録空間の空気の吸引に切り替わる。このとき、防止すべき渦流が強い開口部ほど、早期に記録空間の空気の吸引が始まる。そのため、ノズル列81の位置によらず、着弾位置の乱れを適切に防止することができる。
{以上の構成による総合効果}
図3、図5~図9を参照すると、液滴吐出装置1では、液滴デューティが増大するに連れて、メニスカスの乾燥防止が必要なノズル75の数は減少する一方、液滴連行流102の発生に関与するノズル75の数が増加する。
本実施形態では、上述のように、液滴デューティに関して、閾値(TH1~TH3)がある。液滴デューティが閾値を跨ぐとき、開口部81を通過する気流の種類と方向が切り替わる。さらに、液滴デューティが変化すると、この気流の強度も変化する。そのため、低液滴デューティ時のメニスカスの乾燥を適切に防止し、且つ、高液滴デューティ時の着弾の乱れを適切に防止することができる。
{搬送速度と加湿空気噴射及び空気吸引との関係}
本実施形態では、加湿空気の噴射速度及び記録の空気の吸引速度が、記録シートPの相対的な搬送速度が増大するに連れて、増大される。
搬送速度が増大するに連れて、媒体連行流103も増大する。そのため、液滴デューティが閾値TH1~TH3未満であれば、メニスカスの乾燥がさらに進み、液滴デューティが閾値TH1~TH3以上であれば、さらに生じやすくなる。しかし、本実施形態では、上記のように、加湿空気の噴射速度及び記録空間の空気の吸引速度が、記録シートPの搬送速度が増大するに連れて、増大される。そのため、メニスカスの乾燥や弾の乱れを、記録シートPの相対的な搬送速度によらず、適切に防止することができる。
{画像形成動作の完了後}
図3、図8、及び図9を参照すると、液滴吐出装置1では、画像形成のための液滴101の吐出が完了したとき、全ての開口部82(82A~82C)から記録空間の空気が吸引される。
液滴連行流102及び媒体連行流103は、液滴101の吐出や記録シートPの搬送が終了しても、若干の間持続する。しかし、本実施形態では、画像形成のための液滴101の吐出が完了したとき、記録空間の空気が吸引される。そのため、画像形成終了後において、渦流の形成やこれに伴う液滴ミストの飛散を防止することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、キャリッジに搭載される記録ヘッド13を備える液滴吐出装置1に本発明を適用する形態を例示したが、本発明はこれには限定されない。例えば、ラインヘッドを備える液滴吐出装置に、上記と同様に本発明を適用することができる。
上記実施形態では、液滴を吐出する吐出ヘッド(記録ヘッド13)が記録シートPに対して移動する液滴吐出装置1に本発明を適用する形態を例示したが、本発明はこれには限定されない。例えば、記録シートPが吐出ヘッドに対して移動する液滴吐出装置に、上記と同様に本発明を適用することができる。
開口部82を通過する気流の速度は、液滴デューティが同じでも、記録シートPの搬送速度が高い程、大きくしていた。同様に、温度や湿度に対しても、同様の調整を行ってもよい。温度が高い程、メニスカスの乾燥が進むので、気流の速度も大きくすることが好適である。これにより、温度に依らず、画像形成を始める前の乾燥を防止できる。また、湿度が低い程、メニスカスの乾燥が進むので、気流の速度も大きくすればよい。これにより、湿度に依らず、画像形成を始める前の乾燥を防止できる。
上記実施形態では、記録シートPの搬送速度について、図7(a)の場合と図7(b)の場合の2つを例示した。しかし、搬送速度について、3つ以上の段階に対応して、液滴デューティ-気流の速度曲線が設定されていてもよい。もちろん、連続的に変化する搬送速度について、この特性曲線が用意されていてもよい。
上記実施形態では、液滴吐出装置の記録ヘッドがシリアル型であったが、ライン型でもよい。画像形成に際して、前者の場合、上述のように、記録ヘッドが記録シートPに対して相対的に移動する。後者の場合は、記録シートPが、記録ヘッドに対して相対的に移動する。しかし、記録ヘッドと記録シートPとの相対移動方向に関して、両者は、ノズル列の延びる方向が直交する点で共通する。つまり、両者は、本願発明の課題を共有し、上述の構成とその動作をライン型の装置に適用することで、ライン型の装置においても、本願発明と同等の効果を享受できる。なお、相対移動方向とは、本願発明では、走査方向に相当する。また、ライン型の構成であれば、記録シートPが搬送される搬送方向に相当する。
上記説明から、当業者にとっては、多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきである。
本発明の液滴吐出装置は、液滴デューティの変化に応じて液滴の着弾位置の乱れ及びメニスカスの乾燥を抑制することが可能な液滴吐出装置として有用である。
1 液滴吐出装置
13 記録ヘッド
48 ドライバIC
52 ポンプドライバIC
75 ノズル
81 ノズル列
82 開口部
82A 中間開口部
82B 下流端開口部
82C 上流端開口部
90A 加湿空気供給経路
90B 空気吸引経路
91 給排開口
92 加湿空気タンク
93 三方弁
94 吸引空気処理器
101 液滴
102 液滴連行流
103 媒体連行流
104 吸引空気流
105 加湿空気
F1~F3 液滴デューティ-噴射速度/吸引速度曲線
OM1 画像形成準備動作
OM2 画像形成動作
SP1 第1噴射速度
SP2 第2噴射速度
TH1~TH3 第1~第3閾値

Claims (11)

  1. 複数のノズルと、前記複数のノズルが開口したノズル面とを有する記録ヘッドを備え、
    前記ノズル面では、
    前記複数のノズルが走査方向に並んで複数のノズル列を構成し、前記複数のノズル列が前記走査方向と交差する搬送方向に配列しているとともに、前記搬送方向に関して前記複数のノズル列の間及び両側には、複数の開口部が前記ノズル列に沿って開口し、
    前記複数の開口部は、画像データに基づいて前記複数のノズルから液体を吐出することで、記録媒体に画像を形成するとき、前記記録媒体の画像形成領域について、単位面積当たりの液体の投入量である液滴デューティが閾値未満であれば、前記複数の開口部から加湿空気を噴射し、且つ、前記液滴デューティが前記閾値以上であれば、前記複数の開口部から空気を吸引するよう構成されている、液滴吐出装置。
  2. 前記開口部は、前記ノズル列に沿って延在する1つの細長い開口又は前記ノズル列に沿って互いに間隔を介して配列した複数の開口を含む、請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記液滴デューティが閾値未満のとき、前記液滴デューティがゼロから増大するに連れて、前記開口部から噴射される前記加湿空気の噴射速度が所定値からゼロへ向けて減少され、且つ、前記液滴デューティが閾値以上のとき、前記液滴デューティが前記閾値から増大するに連れて、前記開口部から吸引される前記空気の吸引速度がゼロから増大されるように構成されている、請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記搬送方向において、前記複数のノズル列の上流側、間、及び下流側に配置された前記開口部をそれぞれ上流端開口部、中間開口部、及び下流端開口部とした場合に、
    前記閾値として、前記中間開口部に対応した第1閾値と、前記下流端開口部に対応した第2閾値と、前記上流端開口部に対応した第3閾値と、を有し、
    前記第1閾値は前記第2閾値より小さく、前記第2閾値は前記第3閾値より小さい、請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記液滴デューティが第3閾値以上のとき、前記中間開口部の空気吸引速度が、前記上流端開口部及び下流端開口部の空気吸引速度よりも大きい、請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記下流端開口部の空気吸引速度が、前記上流端開口部の空気吸引速度よりも大きい、請求項5に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記液滴デューティが第1閾値未満のとき、前記中間開口部の加湿空気噴射速度が、前記上流端開口部及び下流端開口部の加湿空気噴射速度よりも小さい、請求項4乃至6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記上流端開口部の加湿空気噴射速度が、前記下流端開口部の加湿空気噴射速度よりも大きい、請求項7に記載の液滴吐出装置。
  9. 前記加湿空気噴射速度及び前記空気吸引速度は、前記記録媒体の搬送速度が増大するに連れて増大されるように構成されている、請求項3乃至8のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  10. 前記画像形成のための液滴の吐出が完了したとき、全ての前記開口部から空気が吸引されるように構成されている、請求項1乃至9のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  11. 前記画像形成のための液滴の吐出を始める前には、前記加湿空気が全ての前記開口部から前記液滴デューティがゼロに対応した速度で噴射されるように構成されている、請求項1乃至10のいずれかに記載の液滴吐出装置。
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