JP2010158839A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気体を用紙に対して噴射して乾燥を促す構成において、用紙めくれを防止する。
【解決手段】プリンター1は用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって記録部2、インク乾燥部3、を備えている。インク乾燥部3は乾燥装置15を備え、乾燥装置15はノズルプレート22に形成された噴射孔(22a〜22c)から記録用紙Pに対して噴射し、インクの乾燥を促進する。ノズルプレート22は底面が凹形状となるように形成されており、これにより用紙搬送方向においては、第1群Y1を構成する噴射孔22aが、温風噴射方向が用紙搬送方向下流側を向き、第2群Y2を構成する噴射孔22cが、温風噴射方向が用紙搬送方向上流側を向いている。用紙先端が乾燥装置15に入る際、第1群Y1を構成する噴射孔22aから噴射される温風は下流側を向くため、用紙先端のめくれが防止される。
【選択図】図3
【解決手段】プリンター1は用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって記録部2、インク乾燥部3、を備えている。インク乾燥部3は乾燥装置15を備え、乾燥装置15はノズルプレート22に形成された噴射孔(22a〜22c)から記録用紙Pに対して噴射し、インクの乾燥を促進する。ノズルプレート22は底面が凹形状となるように形成されており、これにより用紙搬送方向においては、第1群Y1を構成する噴射孔22aが、温風噴射方向が用紙搬送方向下流側を向き、第2群Y2を構成する噴射孔22cが、温風噴射方向が用紙搬送方向上流側を向いている。用紙先端が乾燥装置15に入る際、第1群Y1を構成する噴射孔22aから噴射される温風は下流側を向くため、用紙先端のめくれが防止される。
【選択図】図3
Description
本発明は、ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置に関し、特に被記録媒体の乾燥を促進する乾燥手段を備えた記録装置に関する。
以下、記録装置の一例としてのインクジェットプリンターを例に説明する。インクジェットプリンターにおいては、特許文献1に示される様に、記録用紙をヒーターにより加熱することによって記録用紙に含まれる水分を蒸発させ、その水分を含む空気を排気装置により排気する構成を備えたものがある。また特許文献2には、温風を用紙に対して噴射することにより用紙に着弾したインクを乾燥させる乾燥手段を備えたプリンターが示されている。
特許第3075329号公報
特開2002−292841号公報
温風を用紙に対して噴射する場合、用紙先端或いは後端のめくれが発生する場合がある。特に、用紙先端のめくれが生じると、用紙進行方向に存在する構成要素に衝突してジャムとなる虞があり、好ましくない。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、気体を用紙に対して噴射して乾燥を促す乾燥手段を備えた記録装置において、用紙めくれを防止することにある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、気体を用紙に対して噴射して乾燥を促す乾燥手段を備えた記録装置において、用紙めくれを防止することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、被記録媒体に対し気体を噴射することにより被記録媒体の乾燥を促進する乾燥手段と、を備え、前記乾燥手段は、被記録媒体の搬送方向に沿って複数の気体噴射孔を備え、前記複数の気体噴射孔のうち、被記録媒体の搬送方向上流側の気体噴射孔は、その気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向下流側に向いており、前記複数の気体噴射孔のうち、被記録媒体の搬送方向下流側の気体噴射孔は、その気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向上流側に向いていることを特徴とする。
本態様によれば、乾燥手段は被記録媒体の搬送方向に沿って複数の気体噴射孔を備え、このうち搬送方向上流側のものは、その気体噴射方向が搬送方向下流側を向いているので、被記録媒体の先端が乾燥手段の乾燥エリアに入る際、この先端に対して向かっていく様な気流(被記録媒体搬送方向下流側から上流側に向かう気流)が発生せず、これにより先端のめくれが発生することを確実に防止できる。
また、複数の気体噴射孔のうち、被記録媒体の搬送方向下流側の気体噴射孔は、その気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向上流側に向いているので、被記録媒体の後端が乾燥手段の乾燥エリアから出る際、この後端に対して向かって行く様な気流(被記録媒体搬送方向上流側から下流側に向かう気流)が発生せず、これにより後端のめくれが発生することを確実に防止できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向下流側に向く気体噴射孔の第1群と、気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向上流側に向く気体噴射孔の第2群と、前記第1群と前記第2群との間に位置する気体噴射孔の第3群と、のこれらが各々独立して気体噴射のオンオフ切り換えを実行可能に構成され、前記第1群の気体噴射孔の上流側に、被記録媒体の通過を検出する第1センサーを、前記第2群の気体噴射孔の下流側に、被記録媒体の通過を検出する第2センサーを、それぞれ備え、前記第1センサー及び前記第2センサーがいずれも被記録媒体の無し状態を検出する場合には、少なくとも前記第1群及び前記第2群の気体噴射孔からの気体噴射は停止しており、前記第1センサーが被記録媒体の無し状態から有り状態への変化を検出すると、前記第1群の気体噴射孔からの気体噴射を開始し、次いで前記第1センサーが被記録媒体の有り状態から無し状態への変化を検出すると、前記第1群の気体噴射孔からの気体噴射を停止し、次いで前記第2センサーが被記録媒体の無し状態から有り状態への変化を検出すると、前記第2群の気体噴射孔からの気体噴射を開始し、次いで前記第2センサーが被記録媒体の有り状態から無し状態への変化を検出すると、前記第2群の気体噴射孔からの気体噴射を停止することを特徴とする。
本態様によれば、被記録媒体の先端が乾燥手段の乾燥エリアに入る際には第1群がオンとなり、第1群から噴射される気体により先端の押さえ付け効果が得られ、先端めくれが防止される。尚、第1群の噴射方向は下流側を向いているので、先端に向かう気流が発生せず、先端がめくれることがない。次いでこの先端が乾燥手段の乾燥エリアから出る際には第2群がオフとなっていることから、先端に向かう気流が発生せず先端めくれが防止される。
次に、被記録媒体の後端が乾燥手段の乾燥エリアに入る際には第1群がオフとなっているので、後端に向かう気流を無くして後端めくれが防止される。次いでこの後端が乾燥手段の乾燥エリアから出る際には第2群がオンとなっていることから、後端の押さえ付け効果が得られ後端めくれが防止される。尚、第2群の噴射方向は上流側を向いているので、後端に向かう気流が発生せず、後端がめくれることがない。
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記気体噴射孔は、被記録媒体の搬送方向と直交する方向に複数配置されており、被記録媒体の搬送方向と直交する方向に対する気体噴射方向は、被記録媒体の中心部から側端部に向かうに従って、被噴射面に対して成す角度が減少する様に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、被記録媒体の搬送方向と直交する方向(以下「被記録媒体の幅方向」と言う)における被記録媒体の中心部から側端部に向かう気流が形成される。これにより、被記録媒体に生じた皺を除去する(伸ばす)ことができ、或いは皺の発生を防止することができる。
また、被記録媒体に気体を噴射した後に、当該気体が被記録媒体の外側に移動する距離を短くすることができるので、被記録媒体から放出された水分を含む空気を速やかに被記録媒体から遠ざけることができ、被記録媒体を高速に移動させる場合であっても水分を含んだ空気が下流側に移動してしまうことを抑止でき、ひいては下流側の構成要素を結露させてしまうことを防止できる。加えて、気流が被記録媒体の中心部から側端部に向かうので、乾燥手段から噴射された気体によって被記録媒体側端部が浮き上がる(カールする)ことを防止できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1は本発明に係る記録装置としてのインクジェットプリンター(以下「プリンター」と言う)1の要部側面図、図2(A)は同要部平面図、図2(B)は用紙搬送方向から記録部2を見た正面図、図3は乾燥装置15の側断面図、図4(A)は乾燥装置15を下側から見た平面図、図4(B)はノズルプレート22を用紙搬送方向から見た断面図、図5は他の実施形態に係るプリンター1’の要部側面図、図6は他の実施形態に係る乾燥装置15’の側断面図、図7は他の実施形態に係る乾燥装置15”の側断面図、図8は乾燥装置15”の制御内容を示すフローチャートである。
尚、以下では図1、図2(A)、図3、図4(A)、図5〜図7の左右方向を「用紙搬送方向」と言い、また同図において左方向を用紙搬送方向の「上流側」と言い、同右方向を「下流側」と言うこととする。また、用紙搬送方向と直交する方向(図2(A)、図4(A)において上下方向、図2(B)、図4(B)において左右方向)を「用紙幅方向」と言うこととする。尚、本実施形態において記録用紙Pは上流側から下流側に向かって搬送される。
[第1実施形態]
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態に係るプリンター1は、用紙幅をカバーする長さに構成されたインクジェット式の記録ヘッド(記録手段)10A、10Bを備える、いわゆるラインヘッド方式を採用する高スループットインクジェットプリンターであり、インク吐出ヘッドを用紙幅方向に往復動させることなく、被記録媒体の一例としての記録用紙Pを用紙搬送方向に移動させながら記録ヘッド10A、10Bからインクを吐出して記録を実行する。
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態に係るプリンター1は、用紙幅をカバーする長さに構成されたインクジェット式の記録ヘッド(記録手段)10A、10Bを備える、いわゆるラインヘッド方式を採用する高スループットインクジェットプリンターであり、インク吐出ヘッドを用紙幅方向に往復動させることなく、被記録媒体の一例としての記録用紙Pを用紙搬送方向に移動させながら記録ヘッド10A、10Bからインクを吐出して記録を実行する。
より詳しくは、プリンター1は用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって記録部2と、インク乾燥部3と、のこれらを備えている。尚、記録部2の更に上流側には図示を省略する給紙装置が設けられており、この給送装置から記録用紙Pが記録部2へと給送されるようになっている。
記録部2は、搬送手段5Aと、記録ヘッド10A、10Bと、排気手段11と、を備えている。記録ヘッド10A、10Bは、図2(A)に示す様に複数のヘッド10aが用紙幅方向に千鳥状に配置されて構成されており、各々のヘッド10aには、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックなどの各色のインクノズル(図示せず)が、記録用紙Pの搬送方向に色毎にずらして配設されている。各インクノズル(図示せず)には、各色用のインクタンク(図示せず)から、インク供給チューブ(図示せず)を介してインクが供給される様になっている。
そして各インク吐出ノズルから必要量のインク滴が吐出されることにより、記録用紙P上に微小なインクドットが形成される。これを各色毎に行うことにより、搬送ベルト6に吸着された記録用紙Pを一度通過させるだけで、記録を完了させることができる様になっている。
搬送手段5Aは、図示を省略するモータにより駆動される駆動ローラー7と従動回転可能な従動ローラー8とを備えており、またこれらローラーに係回される搬送ベルト6を備えて構成されている。搬送ベルト6は、多数の吸引孔(図示せず)を有しており、吸引装置(図示せず)により前記吸引孔を介して記録用紙Pが吸着され、下流側へ確実に搬送される様になっている。
搬送手段5Aにおいて搬送ベルト6の内側にはプラテンヒーター9を備えており、このプラテンヒーター9により記録用紙Pが例えば45℃程度に加熱され、後のインク乾燥のより一層の促進を図るようになっている。尚、排気手段11、および搬送ベルト6と対向配置されるガイド板13については、後に説明する。
次に記録部2の下流側に設けられたインク乾燥部3は、乾燥手段としての乾燥装置15と、搬送手段5Bとを備えている。乾燥装置15は、送風ファン(図示せず)とヒーター(図示せず)とを備えており、外気がヒーターにより加熱されて成る温風を吸気口16から白矢印で示すように取り入れ、これをノズルプレート22に形成された噴射孔(22a〜22c)から記録用紙Pに対して噴射し、インクの乾燥を促進する。尚、乾燥装置15の内部構成については後に詳述する。また、搬送手段5Bについては、上述した記録部2を構成する搬送手段5Aに対してプラテンヒーター9を備えないほかは同一構成であるので、その説明は省略する。
続いて乾燥装置15について図3及び図4を参照しながら詳述する。乾燥装置15は、チャンバー21に吸気口16を備えており、この吸気口16から白矢印で示す様に温風を取り入れる。チャンバー21の底面(搬送ベルト6と対向する面)は、ノズルプレート22により構成されており、このノズルプレート22には、温風を噴射する噴射孔22a〜22cが用紙搬送方向に沿って、また用紙幅方向に沿って複数形成され、この噴射孔22a〜22cから記録用紙Pに向けて温風が噴射され、記録用紙Pの乾燥を促進する様になっている。
ここで、ノズルプレート22に形成された噴射孔は、用紙搬送方向上流側に設けられた第1群(符号Y1で示す範囲に形成された噴射孔22a)と、用紙搬送方向下流側に設けられた第2群(符号Y2で示す範囲に形成された噴射孔22c)と、第1群と第2群との間に設けられた第3群(符号Y3で示す範囲に形成された噴射孔22b)と、に分けられている。
ノズルプレート22は、その底面が凹形状を成すように形成されており、これにより用紙搬送方向においては、第1群Y1を構成する噴射孔22aが、温風噴射方向が用紙搬送方向下流側を向き、第2群Y2を構成する噴射孔22cが、温風噴射方向が用紙搬送方向上流側を向いている。尚、第3群Y3を構成する噴射孔22bは、温風噴射方向が被噴射面(記録用紙Pの記録面)に対してほぼ垂直に(真っ直ぐに)なっている。
また、用紙幅方向では、図4(B)の矢印で示すように用紙中心部から側端部に向かうに従って、被噴射面に対して成す角度が減少するようになっている。尚、図3において符号αは、ノズルプレート22において第1群Y1が形成された部分の被噴射面に対する傾き角(入口側傾き角)を示しており、符号βは第2群Y2が形成される部分の傾き角(出口側傾き角)を示していて、本実施形態ではα=βに設定されている。しかしながら、適宜入口側傾き角と出口側傾き角を異なる様に設定しても良い。
以上の構成により、記録用紙Pの先端が乾燥装置15の乾燥エリア(乾燥装置15と対向するエリア)に入る際、第1群Y1を構成する噴射孔22aが下流側方向に向いているので用紙先端に向かっていく様な気流が発生せず、先端のめくれが防止され、用紙先端はチャンバー21の下部周縁に引っ掛かることなく確実に乾燥装置15の乾燥エリアに入ることができる。
次に、用紙後端が乾燥装置15の乾燥エリアから出た際、第2群Y2を構成する噴射孔22cが上流側方向に向いているので、用紙後端に向かっていく様な気流が発生せず、同様に後端めくれが防止される。尚、乾燥装置15の乾燥エリア内部では、第2群Y2は用紙先端に対して向かっていく様な気流を形成するが、乾燥装置内部では温風の噴射作用により用紙が搬送ベルト6に押し付けられているので、めくれが防止される。また仮に或る程度めくれても、ノズルプレート22によりそのめくれが規制される。
更に、用紙幅方向では、噴射方向が図4(B)に示すように用紙中心部から側端部に向かうに従って、被噴射面に対して成す角度が減少するようになっているので、用紙中心部から側端部に向かう気流が形成される。これにより、用紙に生じた皺を除去する(伸ばす)ことができ、或いは皺の発生を防止することができる。
また、用紙に温風を噴射した後に、当該温風が用紙の外側に移動する距離を短くすることができるので、用紙から放出された水分を含む空気を速やかに用紙から遠ざけることができ、用紙を高速に移動させる場合であっても水分を含んだ空気が下流側に移動してしまうことを抑止でき、ひいては下流側の構成要素を結露させてしまうことを防止できる。加えて、気流が用紙の中心部から側端部に向かうので、噴射された温風によって用紙側端部が浮き上がる(カールする)ことを防止できる。
尚、乾燥装置15において用紙幅方向両端部には図4(A)に示すように吸入口19が形成されており、噴射孔22a〜22cから噴射された温風が吸入口19から吸入され、排気口17を介して図3の白矢印で示す様に外部に排出されるようになっている。
続いて、乾燥装置15を利用したインクミスト回収手段について説明する。チャンバー21において上流側には送風口18が設けられており、チャンバー21内に取り入れられた温風の作用により、この送風口18から温風が上流側方向に送出される様に構成されている。尚、この送風口18は用紙幅方向に長く、おおよそ搬送手段5(搬送ベルト6)の幅に形成されており、そして送出される温風は流速が低く、緩やかな気流を形成する様になっている。
この送風口18からの送風により、図1の矢印で示すように記録部2において搬送ベルト6(記録用紙P)の上側には下流側から上流側に向けた空気の移動(緩やかな流れ)が発生し、そして記録ヘッド10Aの上流側に設けられた排気手段11から吸い込まれ、白矢印で示す様に上方に排出される。
即ち、記録ヘッド10A、10Bからインクが吐出されるとインクミストが発生し、このインクミストが規則性無く浮遊してしまうと装置の構成要素に付着して悪影響を及ぼす虞がある。そこで、乾燥装置15を利用し、上述の通り下流側から上流側に向けて空気の移動を発生させて排気手段11によりインクミストを回収することにより、インクミストの浮遊を防止することができる。
尚、符号13は記録部2において搬送ベルト6の上部を覆うガイド板を示しており、このガイド板13によりインクミストの飛散を防止するとともに、下流側から上流側に向けた空気の流れが搬送ベルト6(記録用紙P)との間で確実に形成される様になっている。尚、ガイド板13の両端部は図2(B)に示すように下方に折れ曲がっており、これにより密閉性の向上が図られている。
本実施形態では、チャンバー21に送風口18をそのまま接続しているが(図3におけるA部)、送風口18からの風量はインク着弾精度に影響を与えないよう極力小さい方が望ましく、例えばA’部に示す送風口18’のように仕切板21aを設けて風量を抑えるようにしても良く、即ちチャンバー21内部において温風の流れによどみが生じる場所やノズルプレート22の端部などに設けることが望ましい。
また、本実施形態では下流側から上流側に向かう空気の流れを形成したが、その逆に図5の矢印で示すように上流側から下流側に向かう空気の流れを形成しても良い。図5において符号1’、2’、3’はそれぞれ他の実施形態に係るプリンター、記録部、インク乾燥部を示しており、また符号12は送風手段を、符号20は吸入口を示している。
吸入口20は、図6に示すように乾燥装置15’の排気口17に接続されており、乾燥装置15’の排気流による負圧を利用して空気を吸入し、上流側から下流側に向かう空気の流れを記録部2に形成する様になっている。尚、図5及び図6に示す実施形態、また更に図7及び図8に示す実施形態(後述)において、既に説明した構成要素と同一構成には同一符号を付しており、以下ではその説明は省略することとする。
続いて、図7及び図8を参照しながら更に他の実施形態について説明する。図7に示す乾燥装置15”は、用紙搬送方向上流側の噴射孔22a(第1群Y1)、用紙搬送方向下流側の噴射孔22c(第2群Y2)、中間の噴射口22b(第3群Y3)、のこれらがそれぞれ専用の吸気口16a、16b、16cを備えており、これにより各々が独立して温風噴射のオンオフ切り換えを実行可能となっている。
また、乾燥装置15”の入口(第1群Y1の上流側近傍)には用紙の通過を検出する「第1センサー」としての入口センサー25(例えば、反射式の光学センサー)が設けられており、また出口(第2群Y2の下流側近傍)には用紙の通過を検出する「第2センサー」としての出口センサー26(例えば、反射式の光学センサー)が設けられており、これらセンサーが図示を省略する乾燥装置15”の制御手段へ検出情報を送信する様に構成されている。
以下、この乾燥装置15”を用いた制御について図8を参照しながら説明する。尚、吸気口16aに向けて温風を送出するダクト(図示せず)を以下「入口ダクト」と言い、以下同様に吸気口16bに向けて温風を送出するダクト(図示せず)を「出口ダクト」、吸気口16cに向けて温風を送出するダクト(図示せず)を「中央ダクト」、と言う。
記録用紙Pに対して乾燥を行う場合には、先ず中央ダクトをONし(ステップS101)、次いで入口センサー25が用紙無し状態から有り状態への変化を検出するか否か(即ち、用紙先端の通過を検出するか否か)を監視する(ステップS102)。
用紙先端の通過を検出した場合(肯定枝)、入口ダクトをONし(ステップS103)、以降は入口センサー25が用紙有り状態から無し状態への変化を検出するか否か(即ち、用紙後端の通過を検出するか否か)を監視する(ステップS104)。用紙後端の通過を検出した場合(肯定枝)、入口ダクトをOFFする(ステップS105)。
以上により、用紙先端が乾燥装置15”の乾燥エリアに入る際には、第1群の噴射孔22aの噴射方向が下流側を向いているので、用紙先端に向かう気流が発生せず、用紙先端がめくれてチャンバー21の下縁に当接しジャムとなることがない。また乾燥エリアに入った後は第1群の噴射孔22aから噴射される温風により用紙先端が搬送ベルト6に押さえ付けられ、先端めくれが防止される。尚、用紙後端が乾燥装置15”の乾燥エリアに入った後は入口ダクトがOFFとなっているので、第1群の噴射孔22aにより用紙後端に向かう気流が発生せず、後端めくれが防止される。
次に、出口センサー26が用紙無し状態から有り状態への変化を検出するか否か(即ち、用紙先端の通過を検出するか否か)を監視し(ステップS106)、用紙先端の通過を検出した場合(肯定枝)、出口ダクトをONし(ステップS107)、以降は出口センサー26が用紙有り状態から無し状態への変化を検出するか否か(即ち、用紙後端の通過を検出するか否か)を監視する(ステップS108)。用紙後端の通過を検出した場合(肯定枝)、出口ダクトをOFFする(ステップS109)。
以上により、用紙先端が乾燥装置15”から出る際には、出口ダクトがOFFとなっているので、第2群の噴射孔22cから用紙先端に向かう気流が発生せず、用紙先端がめくれることを防止できる。また、用紙後端が乾燥装置15”から出る際には、用紙後端の押さえ付け効果が得られ、後端めくれが防止される。また、第2群の噴射孔22cの噴射方向が上流側を向いているので、用紙後端に向かう気流が発生せず、後端めくれが防止される。
そして、印刷ジョブが全て終了したか否かを判断し(ステップS110)、終了した場合には(肯定枝)、中央ダクトをOFFし、終了する。終了していない場合には(否定枝)、ステップSS102以降を繰り返し実行する。
以上説明した実施形態では、記録ヘッドとして用紙幅方向に往復動させることなく記録を実行可能な所謂ラインヘッドを用いたが、用紙幅方向に往復動させながら記録を行う記録ヘッドを備える記録装置に本発明を適用可能なことは言うまでもない。また、例えば温風を噴射する噴射孔を用紙幅方向に移動可能に構成し、一例として上述した乾燥装置15を用紙幅方向に往復動可能に構成して、当該乾燥装置15を用紙幅方向に移動させながら乾燥を行うように構成することもでき、この場合乾燥装置15を用紙幅方向に大型化することなく、より用紙幅の大きい用紙に対応することができる。
1 インクジェットプリンター、2 記録部、3 インク乾燥部、5A、5B 搬送手段、6 搬送ベルト、7 駆動ローラー、8 従動ローラー、9 プラテンヒーター、10A、10B 記録ヘッド、11 排気手段、12 送風手段、13 ガイド板、15 乾燥装置、16 吸気口、17 排気口、18 送風口、19、20 吸入口、21 チャンバー、22 ノズルプレート、25 入口センサー、26 出口センサー、P 記録用紙
Claims (3)
- 被記録媒体を搬送する搬送手段と、
被記録媒体に対し気体を噴射することにより被記録媒体の乾燥を促進する乾燥手段と、を備え、
前記乾燥手段は、被記録媒体の搬送方向に沿って複数の気体噴射孔を備え、
前記複数の気体噴射孔のうち、被記録媒体の搬送方向上流側の気体噴射孔は、その気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向下流側に向いており、
前記複数の気体噴射孔のうち、被記録媒体の搬送方向下流側の気体噴射孔は、その気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向上流側に向いている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項2に記載の記録装置において、気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向下流側に向く気体噴射孔の第1群と、気体噴射方向が被記録媒体の搬送方向上流側に向く気体噴射孔の第2群と、前記第1群と前記第2群との間に位置する気体噴射孔の第3群と、のこれらが各々独立して気体噴射のオンオフ切り換えを実行可能に構成され、、
前記第1群の気体噴射孔の上流側に、被記録媒体の通過を検出する第1センサーを、前記第2群の気体噴射孔の下流側に、被記録媒体の通過を検出する第2センサーを、それぞれ備え、
前記第1センサー及び前記第2センサーがいずれも被記録媒体の無し状態を検出する場合には、少なくとも前記第1群及び前記第2群の気体噴射孔からの気体噴射は停止しており、
前記第1センサーが被記録媒体の無し状態から有り状態への変化を検出すると、前記第1群の気体噴射孔からの気体噴射を開始し、次いで前記第1センサーが被記録媒体の有り状態から無し状態への変化を検出すると、前記第1群の気体噴射孔からの気体噴射を停止し、
次いで前記第2センサーが被記録媒体の無し状態から有り状態への変化を検出すると、前記第2群の気体噴射孔からの気体噴射を開始し、次いで前記第2センサーが被記録媒体の有り状態から無し状態への変化を検出すると、前記第2群の気体噴射孔からの気体噴射を停止する、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1または2に記載の記録装置において、前記気体噴射孔は、被記録媒体の搬送方向と直交する方向に複数配置されており、
被記録媒体の搬送方向と直交する方向に対する気体噴射方向は、被記録媒体の中心部から側端部に向かうに従って、被噴射面に対して成す角度が減少する様に構成されている、
ことを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009002542A JP2010158839A (ja) | 2009-01-08 | 2009-01-08 | 記録装置 |
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JP2009002542A JP2010158839A (ja) | 2009-01-08 | 2009-01-08 | 記録装置 |
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-
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- 2009-01-08 JP JP2009002542A patent/JP2010158839A/ja active Pending
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