JP2017225349A - 非接触給電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化され、かつ、低コストで作製可能な非接触給電システムを得る。【解決手段】第1の周波数の交流電力を生成する第1の交流電源と、当該第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流電力を生成する第2の交流電源と、第1の電磁誘導コイルと、第1の共鳴コイルとを有する送電装置と、第2の共鳴コイルと、第2の電磁誘導コイルと、蓄電装置とを有する受電装置と、を有する非接触システムであり、当該第1の電磁誘導コイル及び当該第2の電磁誘導コイルを電磁誘導で共振させることにより、当該第1の周波数で無線通信を行い、当該第1の共鳴コイル及び当該第2の共鳴コイルとの間で磁界共鳴現象を起こすことにより、当該第2の周波数で当該蓄電装置に無線給電を行う非接触給電システムに関する。【選択図】図1

Description

開示される発明の一態様は、非接触送電装置、非接触受電装置および非接触給電システム
に関する。
様々な電子機器の普及が進み、多種多様な製品が市場に出荷されている。近年では、携帯
電話及びデジタルビデオカメラ等の携帯型の電子機器の普及が顕著である。また電力を基
に動力を得る電気自動車等の電気推進移動体も製品として市場に登場しつつある。
携帯電話、デジタルビデオカメラまたは電気推進移動体には、蓄電装置(バッテリ、蓄電
池ともいう)が内蔵されている。当該蓄電装置の充電は、殆どが給電手段である家庭用交
流電源より直接的に接触させて行われているのが現状である。また蓄電装置を具備しない
構成または蓄電装置に充電された電力を用いない構成では、家庭用交流電源より配線等を
介して直接給電し動作させているのが現状である。
一方で非接触により蓄電装置の充電または負荷への給電を行う方式についての研究開発も
進んでおり、代表的な方式として、電磁結合方式(電磁誘導方式ともいう)(特許文献1
参照)、電波方式(マイクロ波方式ともいう)、磁界共鳴方式(共振方式ともいう)(特
許文献2乃至特許文献4参照)が挙げられる。
特許文献2乃至特許文献4に示されるように、磁界共鳴方式の非接触給電技術においては
、電力を受ける側の装置(以下、受電装置という)及び電力を供給する側の装置(以下、
送電装置という)のそれぞれが、共鳴コイルを有している。また受電装置及び送電装置に
は、それぞれ電磁誘導コイルが設けられている。送電装置における電源から共鳴コイルへ
の給電、及び、受電装置における共鳴コイルから負荷への給電は、電磁誘導コイルを介し
て行われる。
送電装置の共鳴コイル及び受電装置の共鳴コイルは、特定の周波数で磁界共鳴現象が発現
するよう、それぞれの共振周波数(LC共振)が調整されている。
これら送電装置の共鳴コイル及び受電装置の共鳴コイルが対向し、磁界共鳴現象を起こす
ことにより、当該共鳴コイル間距離が離れている状態でも、効率の良い電力伝送が実現で
きる(非特許文献1参照)。
また、近年、個別の対象物にID(個体識別番号)を与えることで、その対象物が持って
いる情報の履歴を明確にし、生産、または管理等に役立てるといった個体認識技術が注目
されている。特に、無線通信によりデータの送受信を行うRFID(Radio Fre
quency IDentification)技術が世の中に普及しつつある(特許文
献5参照)。RFID技術を用いた無線通信システムは、無線通信装置(質問器)とデー
タキャリア(応答器)から構成され、無線により両者の間でデータのやりとりを行う通信
システムである。無線通信装置は、リーダ/ライタ、携帯電話、パーソナルコンピュータ
など、無線による信号の送受信が可能であるものを指すが、本明細書においては代表的に
リーダ/ライタと表記する。また、データキャリアは、一般にRFID、RFタグ、ID
タグ、ICタグ、ICチップ、無線タグ、電子タグ等と呼ばれているが、本明細書におい
ては代表的にRFIDと表記する。
RFIDは、電源を持たない受動型のものや、電源を内蔵する能動型のものがある。受動
型のRFIDは、リーダ/ライタから発せられる無線信号(搬送波、または搬送波に変調
波を重畳して生成された振幅変調波)を、RFID内部に設けられた整流回路により直流
電圧に変換する機能を有し、この直流電圧を用いてRFID内部の回路が動作する。
特開2002−101578号公報 特開2010−193598号公報 特開2010−239690号公報 特開2010−252468号公報 特開2006−180073号公報
「ワイヤレス給電2010 非接触充電と無線電力伝送のすべて」日経エレクトロニクス、2010年3月、pp.66−81
上述のように、無線通信によりデータの送受信を行うRFID技術を用いた無線通信シス
テムは、無線通信装置(質問器)とデータキャリア(応答器)の間でデータのやりとりを
行う通信システムである。このようなRFID技術を用いた無線通信システムでは、第1
の周波数、例えば13.56MHzを用いて無線通信が行われる。これにより、効率のよ
い無線通信ができる。
また、無線通信用のアンテナ(コイル)を非接触給電用として用いることができれば、非
接触給電用として新たにアンテナを設ける必要がなくなるので、非接触給電システムの小
型化及び低コスト化が可能となる。
無線給電技術及び非接触給電技術とは、交流電源により生成された交流電力を、送電装置
から受電装置へ伝送する技術である。
ここで、一般的な交流電源を図2に示す。図2(A)に示す交流電源は、ハーフブリッジ
型のスイッチング電源、図2(B)に示す交流電源は、フルブリッジ型のスイッチング電
源である。
図2(A)に示す交流電源は、直流電源301、コンデンサ302、コンデンサ303、
トランジスタ304、トランジスタ305、コイル306を有している。トランジスタ3
04及びトランジスタ305として、例えばnチャネル型MOSトランジスタを用いる。
図2(B)に示す交流電源は、直流電源311、トランジスタ312、トランジスタ31
3、トランジスタ314、トランジスタ315、コイル316を有している。トランジス
タ312乃至トランジスタ315として、例えばnチャネル型MOSトランジスタを用い
る。
図2(A)における交流電源では、トランジスタ304及びトランジスタ305をスイッ
チング素子とし、外部からトランジスタ304及び305のそれぞれのゲートに入力され
る信号により、コイル306への電流を交互に流す。これにより交流電力を生成する。
図2(B)における交流電源では、トランジスタ312、トランジスタ313、トランジ
スタ314、及びトランジスタ315をスイッチング素子とし、外部からトランジスタ3
12及びトランジスタ315のゲートに入力される信号、並びに、トランジスタ313及
びトランジスタ314のゲートに入力される信号により、コイル316への電流を交互に
流す。これにより交流電力を生成する。
図2(A)及び図2(B)において、トランジスタの駆動周波数が、それぞれの交流電源
の動作周波数になる。このように、交流電源の動作周波数は、RFID技術を用いた無線
通信システムの周波数、例えば13.56MHzとは異なる第2の周波数、例えば100
kHzとなる。すなわち、RFID技術を用いた無線通信システムの第1の周波数では、
電力伝送において、高い伝送効率を得ることができない。
ただし、第1の周波数で駆動する無線通信用の無線通信装置(質問器)及びデータキャリ
ア(応答器)、並びに、第2の周波数で駆動する非接触給電用の送電装置及び給電装置を
、一つの非接触給電システム内に設けると、当該非接触給電システムが大型化してしまい
、また作製コストが高くなってしまう。
以上を鑑みて、開示される発明の一様態では、小型化された非接触送電装置を得ることを
課題の一とする。また、開示される発明の一態様では、小型化された非接触受電装置を得
ることを課題の一とする。また、開示された発明の一態様では、上述の非接触送電装置お
よび非接触受電装置を備える、無線通信及び非接触給電の両方が可能な、小型化された非
接触給電システムを得ることを課題の一とする。
また開示される発明の一様態では、無線通信及び非接触給電の両方が可能な非接触給電シ
ステムにおいて、低コストで作製可能な非接触給電システムを得ることを課題の一とする
本発明の一態様は、上記課題の少なくとも一を解決することを課題とする。
開示される発明の一様態は、第1の周波数の交流電力を生成する第1の交流電源と、当該
第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流電力を生成する第2の交流電源と、電磁誘導
コイルと、共鳴コイルと、当該電磁誘導コイルと電気的に接続され、当該第1の交流電源
及び当該電磁誘導コイルとの接続、又は、当該第2の交流電源及び当該電磁誘導コイルと
の接続を切り替えるスイッチと、当該第1の交流電源及び当該第2の交流電源に電気的に
接続され、当該スイッチを切り替える制御回路とを有することを特徴とする非接触送電装
置に関する。
また開示される発明の一様態は、共鳴コイルと、電磁誘導コイルと、当該電磁誘導コイル
に電気的に接続され、変調信号を生成する負荷変調回路と、当該電磁誘導コイルに伝送さ
れた交流電力を直流電力に変換する整流回路と、当該整流回路で変換された直流電力を平
滑化する平滑化回路と、当該平滑化された直流電力の電圧値を別の電圧値に変換する電圧
変換回路と、当該平滑化回路と当該電圧変換回路との間に設けられたスイッチと、当該電
圧変換回路の出力電力が入力される充電制御回路と、当該充電制御回路により充電が制御
される蓄電装置と、当該負荷変調回路に電気的に接続され、当該スイッチを切り替える制
御回路とを有することを特徴とする非接触受電装置に関する。
開示される発明の一様態は、第1の周波数の交流電力を生成する第1の交流電源と、当該
第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流電力を生成する第2の交流電源と、第1の電
磁誘導コイルと、第1の共鳴コイルとを有する送電装置と、第2の共鳴コイルと、第2の
電磁誘導コイルと、蓄電装置とを有する受電装置と、を有する非接触システムであり、当
該第1の電磁誘導コイル及び当該第2の電磁誘導コイルを電磁誘導で共振させることによ
り、当該第1の周波数で無線通信を行い、当該第1の共鳴コイル及び当該第2の共鳴コイ
ルとの間で磁界共鳴現象を起こすことにより、当該第2の周波数で当該蓄電装置に無線給
電を行うことを特徴とする非接触給電システムに関する。
開示される発明の一様態は、第1の周波数の交流電力を生成する第1の交流電源と、当該
第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流電力を生成する第2の交流電源と、電磁結合
により交流電力が伝送される第1の電磁誘導コイルと、磁界共鳴現象により当該第1の電
磁誘導コイルから伝送された交流電力を伝送する第1の共鳴コイルと、当該第1の電磁誘
導コイルと電気的に接続され、当該第1の交流電源及び当該第1の電磁誘導コイルとの接
続、又は、当該第2の交流電源及び当該第1の電磁誘導コイルとの接続を切り替える第1
のスイッチと、当該第1の交流電源及び当該第2の交流電源に電気的に接続され、当該第
1のスイッチを切り替える第1の制御回路と、を有する送電装置と、当該第2の周波数で
磁界共鳴現象を起こすことにより当該第1の共鳴コイルから当該交流電力が伝送される第
2の共鳴コイルと、電磁結合により当該第2の共鳴コイルから当該交流電力が伝送され、
当該第1の周波数で当該第1の電磁誘導コイルと共振する第2の電磁誘導コイルと、当該
第2の電磁誘導コイルに電気的に接続され、返信信号に基づいて変調信号を生成する負荷
変調回路と、当該第2の電磁誘導コイルに伝送された交流電力を直流電力に変換する整流
回路と、当該整流回路で変換された直流電力を平滑化する平滑化回路と、当該平滑化され
た直流電力の電圧値を別の電圧値に変換する電圧変換回路と、当該平滑化回路と当該電圧
変換回路との間に設けられた第2のスイッチと、当該電圧変換回路の出力電力が入力され
る充電制御回路と、当該充電制御回路により充電が制御される蓄電装置と、当該負荷変調
回路に電気的に接続され、当該返信信号を生成し、当該第2のスイッチを切り替える第2
の制御回路と、を有する受電装置と、を有することを特徴とする非接触給電システムに関
する。
無線通信を行う場合は、第1の制御回路からの信号により、第1のスイッチが第1の交流
電源及び第1の電磁誘導コイルを電気的に接続する。また、第2の制御回路からの信号に
より、第2のスイッチがオフとなる。これにより、第1の電磁誘導コイル及び第2の電磁
誘導コイルとの間で、第1の周波数で電磁誘導により共振が起きる。これにより、送電装
置及び受電装置との間で無線通信が行われる。
無線給電(非接触給電)を行う場合は、第1の制御回路からの信号により、第1のスイッ
チが第2の交流電源及び第1の電磁誘導コイルを電気的に接続する。また、第2の制御回
路からの信号により、第2のスイッチがオンとなる。これにより、第2の交流電源からの
交流電力が、第1の電磁誘導コイルから第1の共鳴コイルへ電磁結合にて伝送される。第
2の周波数で、第1の共鳴コイルから第2の共鳴コイルへ磁界共鳴現象により交流電力が
伝送される。さらに、第2の共鳴コイルから第2の電磁誘導コイルへ電磁結合にて交流電
力が伝送される。伝送された交流電力は、整流回路で整流され、平滑化回路で平滑化され
、直流電力として電圧変換回路に入力される。電圧変換回路で、別の電圧値に変換された
直流電力は、充電制御回路を介して蓄電装置に充電される。
開示される発明の一様態において、当該第2の交流電源は、直流電源及び複数のトランジ
スタを有しており、当該第2の周波数は、当該複数のトランジスタの駆動周波数であるこ
とを特徴とする。
開示される発明の一様態において、当該第1の共鳴コイル及び当該第2の共鳴コイルのそ
れぞれは両端が開放されており、それぞれが浮遊容量を有することを特徴とする。
開示される発明の一様態において、当該第1の共鳴コイル及び当該第2の共鳴コイルのそ
れぞれの両端にコンデンサが電気的に接続されていることを特徴とする。
開示される発明の一様態により、無線通信及び非接触給電の両方が可能な非接触給電シス
テムにおいて、小型化された非接触給電システムを得ることができる。
また開示される発明の一様態により、無線通信及び非接触給電の両方が可能な非接触給電
システムにおいて、低コストで作製可能な非接触給電システムを得ることができる。
非接触給電システムの回路図。 交流電源の回路図。 非接触給電システムの回路図。 非接触給電システムの回路図。 非接触給電システムの動作を示すフローチャート。 非接触給電システムの回路図。 非接触給電システムの動作を示すフローチャート。
以下、本明細書に開示された発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し
、本明細書に開示された発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本明細書
に開示された発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変
更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限
定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分又は同様な機
能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
なお本明細書に開示された発明において、半導体装置とは、半導体を利用することで機能
する素子及び装置全般を指し、電子回路、表示装置、発光装置等を含む電気装置およびそ
の電気装置を搭載した電子機器をその範疇とする。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、説明を分かりやすくす
るために、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示す
る発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、構成要素の混同
を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態の無線通信機能を組み込んだ非接触給電システムの回路図である。
図1に示す非接触給電システムは、送電装置100及び受電装置210を有する。
図1に示す非接触給電システムは、RFID技術を用いた無線通信システムを非接触給電
システムに応用したものである。図1に示す非接触給電システムでは、送電装置100で
発生させる電磁波に振幅変調をかけ、当該振幅変調をかけた電磁波(変調信号)を用いて
送電装置100及び受電装置210間で無線通信を行う。
送電装置100は、第1の周波数の交流電力を生成する第1の交流電源101、第2の周
波数の交流電力を生成する第2の交流電源102、混合器103、送受信回路104、制
御回路105、スイッチ106、電磁誘導コイル107、共鳴コイル108、コンデンサ
109、整合回路110、整合回路111を有している。スイッチ106は、電磁誘導コ
イル107と交流電源101との接続、又は、電磁誘導コイル107と交流電源102と
の接続を、制御回路105からの信号により切り替える。制御回路105として、例えば
マイクロプロセッサを用いる。
また受電装置210は、コンデンサ211、共鳴コイル212、電磁誘導コイル213、
コンデンサ224、負荷231、トランジスタ232、トランジスタ233、負荷234
、整流回路215、平滑化回路216、電圧変換回路217、充電制御回路218、制御
回路219、送受信回路221、蓄電装置222、スイッチ223を有している。なお、
負荷231、トランジスタ232、トランジスタ233、負荷234は負荷変調回路23
5を構成している。電圧変換回路217として、例えばDC−DCコンバータを用いる。
制御回路219として、例えばマイクロプロセッサを用いる。平滑化回路216として、
例えばコンデンサを用いる。
交流電源101は、第1の周波数の交流電力を生成する電源である。交流電源101は通
信用の交流電源であり、例えば13.56MHzの交流電力を生成する。交流電源101
の第1の端子は、混合器103の第1の端子に電気的に接続されている。交流電源101
の第2の端子は、制御回路105の第1の端子に電気的に接続されている。交流電源10
1の第3の端子は、接地されている。
交流電源102は、第2の周波数の交流電力を生成する電源である。交流電源102は給
電用の交流電源であり、例えば100kHzの交流電力を生成する。交流電源102の第
1の端子は、整合回路111の第1の端子に電気的に接続されている。交流電源102の
第2の端子は、制御回路105の第2の端子に電気的に接続されている。交流電源102
の第3の端子は、接地されている。
混合器103は、送受信回路104からの信号に交流電源101からの交流電力を重畳さ
せて、変調信号を生成する機能を有する回路である。混合器103の第1の端子は、交流
電源101の第1の端子に電気的に接続されている。混合器103の第2の端子は、送受
信回路104の第2の端子及び整合回路110の第1の端子に電気的に接続されている。
混合器103の第3の端子は、送受信回路104の第1の端子に電気的に接続されている
送受信回路104は、制御回路105から出力された信号を、混合器103が処理可能な
信号に変換する機能、及び、送電装置100が受信した変調信号を、制御回路105が処
理可能な信号に変換する機能を有する回路である。
送受信回路104の第1の端子は、混合器103の第3の端子に電気的に接続されている
。送受信回路104の第2の端子は、混合器103の第2の端子及び整合回路110の第
1の端子に電気的に接続されている。送受信回路104の第3の端子は、制御回路105
の第3の端子と電気的に接続されている。送受信回路104の第4の端子は、制御回路1
05の第4の端子と電気的に接続されている。なお、混合器103の第2の端子及び整合
回路110の第1の端子、並びに、送受信回路104の第2の端子との間に方向性結合器
(「カプラ」ともいう)を配置してもよい。
方向性結合器は、順方向に伝搬する電力(進行波)若しくは逆方向に伝搬する電力(反射
波)、またはその両方に対応する信号を取り出すことができる。
制御回路105は、受電装置210へ送信する送信信号を生成する機能や、当該送信信号
に応じて受電装置210から返信され、受電装置210の情報を有する返信信号を処理す
る機能を有する。制御回路105の第1の端子は、交流電源101の第2の端子に電気的
に接続されている。制御回路105の第2の端子は、交流電源102の第2の端子に電気
的に接続されている。制御回路105の第3の端子は、送受信回路104の第3の端子に
電気的に接続されている。制御回路105の第4の端子は、送受信回路104の第4の端
子に電気的に接続されている。
整合回路110は、電磁誘導コイル107及び電磁誘導コイル213を電磁誘導により共
振させて無線通信を行う場合に、効率よく無線通信が行われるように、インピーダンスの
不整合を抑制する機能を有する。整合回路110の第1の端子は、送受信回路104の第
2の端子及び混合器103の第2の端子に電気的に接続されている。整合回路110の第
2の端子は、スイッチ106の第1の端子に電気的に接続されている。
整合回路111は、共鳴コイル108及び共鳴コイル212を磁界共鳴させて無線給電を
行う場合に、効率よく無線給電が行われるように、インピーダンスの不整合を抑制する機
能を有する。整合回路111の第1の端子は、交流電源102の第1の端子に電気的に接
続されている。整合回路111の第2の端子は、スイッチ106の第2の端子に電気的に
接続されている。
スイッチ106は、上述のように、電磁誘導コイル107と交流電源101との接続、又
は、電磁誘導コイル107と交流電源102との接続を、制御回路105からの信号によ
り切り替える機能を有する。スイッチ106の第1の端子は、整合回路110の第2の端
子に電気的に接続されている。スイッチ106の第2の端子は、整合回路111の第2の
端子に電気的に接続されている。スイッチ106の第3の端子は、電磁誘導コイル107
の一方の端子に電気的に接続されている。スイッチ106の第4の端子は、制御回路10
5の第5の端子に電気的に接続されている。スイッチ106の第4の端子に入力される制
御回路105からの信号に基づいて、スイッチ106の第1の端子と第3の端子、又は、
スイッチ106の第2の端子と第3の端子が電気的に接続される。スイッチ106の第1
の端子と第3の端子が電気的に接続されると、交流電源101及び電磁誘導コイル107
が電気的に接続される。一方、スイッチ106の第2の端子と第3の端子が電気的に接続
されると、交流電源102及び電磁誘導コイル107が電気的に接続される。
電磁誘導コイル107の一方の端子は、スイッチ106の第3の端子に電気的に接続され
ている。電磁誘導コイル107の他方の端子は接地されている。
共鳴コイル108の一方の端子は、コンデンサ109の一方の端子に電気的に接続されて
いる。共鳴コイル108の他方の端子は、コンデンサ109の他方の端子に電気的に接続
されている。
交流電源102から共鳴コイル108への給電は、電磁誘導コイル107を介して電磁結
合方式を用いて行われる。
送電装置100の電磁誘導コイル107及び受電装置210の電磁誘導コイル213は、
例えば1ループ程度に巻かれたコイルであり、送電装置100の共鳴コイル108及び受
電装置210の共鳴コイル212は、例えば数ループ程度に巻かれたコイルである。
送電装置100の共鳴コイル108、及び後述する受電装置210の共鳴コイル212は
、両端が開放されていてもよい。この場合、共鳴コイル108及び共鳴コイル212はそ
れぞれ浮遊容量を有しかつLC共振回路として機能する。
送電装置100の共鳴コイル108及び受電装置210の共鳴コイル212は、特定の周
波数で磁界共鳴現象が発現するよう、それぞれの共振周波数(LC共振)が調整されてい
る。
これら送電装置100の共鳴コイル108及び受電装置210の共鳴コイル212が対向
し、磁界共鳴現象を起こすことにより、当該共鳴コイル間距離が離れている状態でも、効
率の良い電力伝送が実現できる。
なおコイルを用いた電力伝送技術において、伝送効率を示す指標となるパラメータとして
k×Qがある(kは結合係数、Qは共鳴コイルのQ値)。結合係数kは、給電側の共鳴コ
イルと受電側の共鳴コイルとの結合の度合いを示す係数である。またQ値は、共振回路の
共振のピークの鋭さを表す値である。磁界共鳴方式の非接触給電技術では、高い伝送効率
を実現するため、当該共鳴コイル108及び共鳴コイル212として、Q値が非常に高く
設定された共鳴コイル(例えば、Qは100より大きい(k×Qが1より大きい))を用
いることが好ましい。
受電装置210において、共鳴コイル212の一方の端子は、コンデンサ211の一方の
端子に電気的に接続されている。共鳴コイル212の他方の端子は、コンデンサ211の
他方の端子に電気的に接続されている。
電磁誘導コイル213の一方の端子は、コンデンサ224の一方の端子、負荷231の一
方の端子、送受信回路221の第1の端子、及び整流回路215の第1の端子に電気的に
接続されている。電磁誘導コイル213の他方の端子は、コンデンサ224の他方の端子
、負荷234の一方の端子、及び整流回路215の第2の端子に電気的に接続されている
なお図1において、送電装置100は、電磁誘導コイル107、共鳴コイル108、及び
コンデンサ109(送電素子とする)、並びに、受電装置210は、電磁誘導コイル21
3、共鳴コイル212、及びコンデンサ211(受電素子とする)を有しているが、これ
に限定されない。当該送電素子及び当該受電素子は、それぞれ、ヘリカルアンテナを用い
た磁界型の素子や、メアンダラインアンテナを用いた電界型の素子を用いてもよい。
コンデンサ224は、電磁誘導コイル107及び電磁誘導コイル213との間で電磁誘導
を行う際に必要である。電磁誘導コイル107及び電磁誘導コイル213との間で電磁誘
導により共振が行われることで、無線通信が行われる。
電磁誘導コイル213及びコンデンサ224は、共振回路の一種であるLC回路を構成す
る。共振周波数fは、コイルのインダクタンスをインダクタンスL、コンデンサの容量値
を容量値Cとすると、f=(1/2π)(1/(√L√C))で表される。すなわち、共
振周波数fは、コイルのインダクタンスL及びコンデンサの容量値Cに依存する関数であ
る。よってコイルのインダクタンスL及びコンデンサの容量値Cを変えることにより、共
振周波数fを決定することが可能である。
コンデンサ224の一方の端子は、電磁誘導コイル213の一方の端子、負荷231の一
方の端子、送受信回路221の第1の端子、及び整流回路215の第1の端子に電気的に
接続されている。コンデンサ224の他方の端子は、電磁誘導コイル213の他方の端子
、負荷234の一方の端子、及び整流回路215の第2の端子に電気的に接続されている
上述のように、負荷変調回路235は、負荷231、トランジスタ232、トランジスタ
233、負荷234から構成されている。
負荷231の一方の端子は、コンデンサ224の一方の端子、電磁誘導コイル213の一
方の端子、送受信回路221の第1の端子、及び整流回路215の第1の端子に電気的に
接続されている。負荷231の他方の端子は、トランジスタ232のソース又はドレイン
の一方に電気的に接続されている。
トランジスタ232のゲートは、送受信回路221の第2の端子及びトランジスタ233
のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ232のソース又はドレインの一方は
、負荷231の他方の端子に電気的に接続されている。トランジスタ232のソース又は
ドレインの他方は、トランジスタ233のソース又はドレインの一方に電気的に接続され
ており、かつ、接地されている。
トランジスタ233のゲートは、送受信回路221の第2の端子及びトランジスタ232
のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ233のソース又はドレインの一方は
、トランジスタ232のソース又はドレインの他方に電気的に接続されており、かつ、接
地されている。トランジスタ233のソース又はドレインの他方は、負荷234の他方の
端子に電気的に接続されている。
負荷234の一方の端子は、電磁誘導コイル213の他方の端子、コンデンサ224の他
方の端子、及び整流回路215の第2の端子に電気的に接続されている。負荷234の他
方の端子は、トランジスタ233のソース又はドレインの他方に電気的に接続されている
整流回路215は、4つのダイオードから構成される整流ブリッジである。整流回路21
5は、交流電力を直流電力に変換する交流−直流変換器(AC−DCコンバータ)として
機能する。整流回路215の第1の端子は、電磁誘導コイル213の一方の端子、コンデ
ンサ224の一方の端子、負荷231の一方の端子、及び送受信回路221の第1の端子
に電気的に接続されている。整流回路215の第2の端子は、電磁誘導コイル213の他
方の端子、コンデンサ224の他方の端子、及び負荷234の一方の端子に電気的に接続
されている。整流回路215の第3の端子は、平滑化回路216の一方の端子及びスイッ
チ223の第1の端子に電気的に接続されている。整流回路215の第4の端子は接地さ
れている。
平滑化回路216は、整流回路215から出力された直流電力を蓄え、かつ放出すること
により、直流電力を平滑化する機能を有する。平滑化回路216として、本実施の形態で
はコンデンサを用いる。平滑化回路216の一方の端子は、整流回路215の第3の端子
及びスイッチ223の第1の端子に電気的に接続されている。平滑化回路216の他方の
端子は、接地されている。
スイッチ223は、平滑化回路216及び整流回路215、並びに、電圧変換回路217
及び制御回路219の第1の端子との接続のオン及びオフを切り替える機能を有する。当
該接続のオン及びオフの切り替えは、制御回路219の第2の端子からの信号に基づいて
行われる。スイッチ223の第1の端子は、整流回路215の第3の端子及び平滑化回路
216の一方の端子に電気的に接続されている。スイッチ223の第2の端子は、電圧変
換回路217の第1の端子及び制御回路219の第1の端子に電気的に接続されている。
スイッチ223の第3の端子は、制御回路219の第2の端子に電気的に接続されている
電圧変換回路217は、直流電力の電圧値を別の電圧値に変換する電圧変換回路である。
電圧変換回路217の第1の端子は、制御回路219の第1の端子及びスイッチ223の
第2の端子に電気的に接続されている。電圧変換回路217の第2の端子は、充電制御回
路218の第1の端子に電気的に接続されている。
充電制御回路218は、電圧変換回路217から出力された直流電力の蓄電装置222へ
の充電を制御する回路である。充電制御回路218の第1の端子は、電圧変換回路217
の第2の端子に電気的に接続されている。充電制御回路218の第2の端子は、蓄電装置
222の正極に電気的に接続されている。
蓄電装置222の正極は、充電制御回路218の第2の端子に電気的に接続されている。
蓄電装置222の負極は接地されている。
送受信回路221は、制御回路219から出力された信号を負荷変調回路235が処理可
能な信号に変換する機能、及び、受電装置210が受信した変調信号を、制御回路219
が処理可能な信号に変換する機能を有する回路である。送受信回路221の第1の端子は
、電磁誘導コイル213の一方の端子、コンデンサ224の一方の端子、負荷231の一
方の端子、及び整流回路215の第1の端子に電気的に接続されている。送受信回路22
1の第2の端子は、トランジスタ232のゲート及びトランジスタ233のゲートに電気
的に接続されている。送受信回路221の第3の端子は、制御回路219の第3の端子に
電気的に接続されている。送受信回路221の第4の端子は、制御回路219の第4の端
子に電気的に接続されている。
制御回路219は、送電装置100から送信される信号を処理する機能や、受電装置21
0の情報を有する返信信号を生成する機能や、電圧変換回路217に入力される電力(電
圧及び電流)を検知する機能、スイッチ223のオン及びオフを制御する機能を有する。
制御回路219の第1の端子は、電圧変換回路217の第1の端子及びスイッチ223の
第2の端子に電気的に接続されている。制御回路219の第2の端子は、スイッチ223
の第3の端子に電気的に接続されている。制御回路219の第3の端子は、送受信回路2
21の第3の端子に電気的に接続されている。制御回路219の第4の端子は、送受信回
路221の第4の端子に電気的に接続されている。
図1に示す非接触給電システムでは、無線通信を行う場合は、スイッチ106を交流電源
102及び電磁誘導コイル107に接続する。また、スイッチ223をオフにする。
図1に示す非接触給電システムで、無線給電(非接触給電)を行う場合は、スイッチ10
6を交流電源101及び電磁誘導コイル107に接続する。また、スイッチ223をオン
にする。
図1に示す非接触給電システムの動作のフローチャートを図5に示す。また図1に示す非
接触給電システムの動作において、当該非接触給電システムの構成要素のうち、その動作
に関与しない構成要素を点線で表したものが図3及び図4である。
非接触給電システムの給電が開始される(S101)と、まず初期化動作として、電源を
通信用の電源である交流電源101に設定され、給電用の電源である交流電源102がオ
フになる(S102)。すなわち、スイッチ106の第1の端子及び第3の端子が電気的
に接続され、交流電源101と電磁誘導コイル107が電気的に接続される(図3参照)
次いで、制御回路105で生成された送信信号(受電装置210の検知信号)が、送受信
回路104、混合器103、整合回路110、スイッチ106、電磁誘導コイル107を
介して、交流電源101からの交流電力と重畳して受電装置210に送信される(S10
3)。
上述のように、受電装置210の電磁誘導コイル213及びコンデンサ224は、共振回
路の一種であるLC回路を構成している。電磁誘導コイル213及びコンデンサ224は
、共振周波数f(例えば13.56MHz)で共振現象が生じるように、電磁誘導コイル
213のインダクタンスL、コンデンサ224の容量値Cが設定されている。
これにより、ステップS103の無線通信は、例えば、13.56MHzという周波数で
行われる。
このとき、電磁誘導コイル107及び電磁誘導コイル213は、電磁誘導共振現象を利用
することで無線通信が行われる。なお、当該電磁誘導コイル107及び電磁誘導コイル2
13間で電磁誘導共振が発生する周波数は、共鳴コイル108及び共鳴コイル212の間
に生じる磁界共鳴現象には影響を及ぼさない。
送電装置100からの送信信号(受電装置210の検知信号)は、受電装置210の電磁
誘導コイル213、送受信回路221を介して、制御回路219に送信される。
制御回路219から、送信信号に対する返信信号が送受信回路221の第2の端子を介し
て、負荷変調回路235に入力される。これにより負荷変調回路235は、返信信号に基
づいて変調信号を生成する。当該変調信号は、電磁誘導コイル213及び電磁誘導コイル
107が電磁誘導により共振することにより、送電装置100に送信される。当該変調信
号は、電磁誘導コイル107、及び送受信回路104を介して、制御回路105に伝送さ
れる。これにより、受電装置210の有無が検知される。
送電装置100からの送信信号(受電装置210の検知信号)により、受電装置210の
存在を検知した場合(S104)、送電装置100から送信信号(受電装置210の状態
取得リクエスト信号)を送信する(S105)。受電装置210の存在を検知しなかった
場合(S104)は、再度、送電装置100から受電装置210に送信信号(受電装置2
10の検知信号)を送信する(S103)。
送電装置100からの送信信号(受電装置210の状態取得リクエスト信号)を用いて、
受電装置210が受電可能かどうか、送電装置100の制御回路105により判断される
(S106)。受電装置210が受電可能な場合、制御回路105からの信号により、ス
イッチ106の第2の端子及び第3の端子が電気的に接続され、交流電源102及び電磁
誘導コイル107が電気的に接続される。また、制御回路219からの信号により、スイ
ッチ223がオンになる(図4参照)。以上により、電源が通信用の電源である交流電源
101から、給電用の電源である交流電源102に切り替えられる(S107)。
給電用の電源である交流電源102で生成された交流電力は、スイッチ106、電磁誘導
コイル107を介して、共鳴コイル108に伝送された後、磁界共鳴現象により、共鳴コ
イル108から受電装置210の共鳴コイル212に伝送される。これにより、交流電源
102の交流電力が給電される(S108)。
送電装置100の共鳴コイル108及びコンデンサ109、並びに、受電装置210の共
鳴コイル212及びコンデンサ211は、それぞれ、共振回路の一種であるLC回路を構
成している。送電装置100の共鳴コイル108及びコンデンサ109、並びに、受電装
置210の共鳴コイル212及びコンデンサ211は、それぞれが同じ共振周波数fで共
振現象(磁界共鳴現象)が生じるように、共鳴コイル108のインダクタンスL及びコン
デンサ109の容量値C、並びに、共鳴コイル212のインダクタンスL及びコンデンサ
211の容量値Cを設定する。磁界共鳴現象を用いて、送電装置100から受電装置21
0への無線給電を実現する。ステップS108の無線給電は、例えば100kHzの共振
周波数fを用いて行う。
以上のように、受電装置210に伝送された交流電力は、共鳴コイル212、電磁誘導コ
イル213を介して整流回路215に伝送される。当該交流電力は、整流回路215によ
り整流、すなわち直流電力に変換される。さらに当該直流電力は平滑化回路216により
平滑化される。平滑化された直流電力は、スイッチ223を介して電圧変換回路217に
入力される。電圧変換回路217により電圧値を変換される。当該電圧値を変換された直
流電力は、充電制御回路218に制御される蓄電装置222に蓄えられる。
蓄電装置222に一定時間給電を実施(S109)後、電源を給電用の電源である交流電
源102から、通信用の電源である交流電源101に切り替える(S111)。より具体
的には、送電装置100の制御回路105からの信号により、スイッチ106の第1の端
子及び第3の端子を電気的に接続する。これにより、交流電源102及び電磁誘導コイル
107を電気的に接続する。また、制御回路219からの信号により、スイッチ223を
オフにする(図3参照)。
次いで、送電装置100から送信信号(受電装置210の状態取得リクエスト信号)を送
信する(S112)。受電装置210が正常に給電できている場合(S113)は、給電
を完了する(S114)。受電装置210の給電が完了した場合(S114)は、終了処
理(S116)を行い、給電を終了する(S117)。
給電が完了してない場合(S114)は、電源を通信用の電源である交流電源101から
、給電用の電源である交流電源102に切り替え(S107)、再度、交流電源102か
らの給電を行う(S108)。
また、受電装置210が正常に給電できていない場合(S113)は、異常検知処理(S
115)を行い、終了処理(S116)を行い、給電を終了する(S117)。
以上のようにして、本実施の形態の非接触給電システムは、無線通信は交流電源101を
用いて行い、無線給電(非接触給電)は、交流電源102を用いて行う。
以上本実施の形態により、無線通信及び非接触給電の両方が可能な非接触給電システムに
おいて、無線通信のシステム及び非接触給電のシステムを別々に作製する必要がない。そ
のため、本実施の形態により、小型で、かつ、低コストで作製可能な非接触給電システム
を得ることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、実施の形態1とは異なる構造を有する非接触給電システムについて説
明する。
図6に、図1とは異なる非接触給電システムの回路図を示す。図6に示す非接触給電シス
テムは、送電装置120及び受電装置210を有する。なお、図6に示す受電装置210
は、図1に示す受電装置210と同じ装置であるので、説明は割愛する。
図6に示す送電装置120は、交流電源121、混合器123、送受信回路124、制御
回路125、整合回路130、電磁誘導コイル127、共鳴コイル128、コンデンサ1
29を有している。
交流電源121は、周波数可変の交流電源である。交流電源121の詳細な回路は、図2
(A)及び図2(B)に示される。
図2(A)に示すハーフブリッジ型のスイッチング電源は、トランジスタ304及びトラ
ンジスタ305をスイッチング素子とし、外部からトランジスタ304及びトランジスタ
305のそれぞれのゲートに入力される信号により、コイル306への電流を交互に流す
。これにより交流電力を生成する。
図2(A)に示すハーフブリッジ型のスイッチング電源を交流電源121として用いる場
合は、トランジスタ304及びトランジスタ305のゲートに入力される信号の周波数を
変化させることにより、無線通信用の周波数(第1の周波数ともいう)の交流電力及び無
線給電用の周波数(第2の周波数ともいう)の交流電力を得ることが可能である。
図2(B)に示すフルブリッジ型のスイッチング電源は、トランジスタ312、トランジ
スタ313、トランジスタ314、及びトランジスタ315をスイッチング素子とし、外
部からトランジスタ312及びトランジスタ315のゲートに入力される信号、並びに、
トランジスタ313及びトランジスタ314のゲートに入力される信号により、コイル3
16への電流を交互に流す。これにより交流電力を生成する。
図2(B)に示すフルブリッジ型のスイッチング電源を交流電源121として用いる場合
は、トランジスタ312及びトランジスタ315のゲートに入力される信号、並びに、ト
ランジスタ313及びトランジスタ314のゲートに入力される信号の周波数を変化させ
ることにより、無線通信用の周波数(第1の周波数ともいう)の交流電力及び無線給電用
の周波数(第2の周波数ともいう)の交流電力を得ることが可能である。
以上により、本実施の形態の非接触給電システムでは、交流電源を2つでなく1つのみ設
置し、当該1つの交流電源の周波数を変化させることにより、無線通信及び無線給電の両
方を行う。
交流電源121の第1の端子は、混合器123の第1の端子に電気的に接続されている。
交流電源121の第2の端子は、制御回路125の第1の端子に電気的に接続されている
。交流電源121の第3の端子は、接地されている。
混合器123は、混合器103と同じ素子であり、送受信回路124からの信号に交流電
源121からの交流電力を重畳させて、変調信号を生成する機能を有する回路である。混
合器123の第1の端子は、交流電源121の第1の端子に電気的に接続されている。混
合器123の第2の端子は、送受信回路124の第2の端子及び整合回路130の第1の
端子に電気的に接続されている。混合器123の第3の端子は、送受信回路124の第1
の端子に電気的に接続されている。
送受信回路124は、送受信回路104と同じ素子であり、制御回路125から出力され
た信号を、混合器123が処理可能な信号に変換する機能、及び、送電装置120が受信
した変調信号を、制御回路125が処理可能な信号に変換する機能を有する回路である。
送受信回路124の第1の端子は、混合器123の第3の端子に電気的に接続されている
。送受信回路124の第2の端子は、混合器123の第2の端子及び整合回路130の第
1の端子に電気的に接続されている。送受信回路124の第3の端子は、制御回路125
の第2の端子と電気的に接続されている。送受信回路124の第4の端子は、制御回路1
25の第3の端子と電気的に接続されている。
制御回路125は、制御回路105と同じ素子であり、受電装置210へ送信する送信信
号を生成する機能や、当該送信信号に応じて受電装置210から返信され、受電装置21
0の情報を有する返信信号を処理する機能を有する。
制御回路125の第1の端子は、交流電源121の第2の端子に電気的に接続されている
。制御回路125の第2の端子は、送受信回路124の第3の端子に電気的に接続されて
いる。制御回路125の第3の端子は、送受信回路124の第4の端子に電気的に接続さ
れている。
整合回路130は、電磁誘導コイル127及び電磁誘導コイル213を電磁誘導により共
振させて無線通信を行う場合、及び、共鳴コイル128及び共鳴コイル212を磁界共鳴
させて無線給電を行う場合、効率よく無線通信及び無線給電が行われるように、インピー
ダンスの不整合を抑制する機能を有する。整合回路130の第1の端子は、送受信回路1
24の第2の端子及び混合器123の第2の端子に電気的に接続されている。整合回路1
30の第2の端子は、電磁誘導コイル127の一方の端子に電気的に接続されている。
電磁誘導コイル127の一方の端子は、整合回路130の第2の端子に電気的に接続され
ている。電磁誘導コイル127の他方の端子は接地されている。
共鳴コイル128の一方の端子は、コンデンサ129の一方の端子に電気的に接続されて
いる。共鳴コイル128の他方の端子は、コンデンサ129の他方の端子に電気的に接続
されている。
図6に示す非接触給電システムの動作のフローチャートを図7に示す。
非接触給電システムの給電が開始される(S201)と、まず初期化動作として、交流電
源121をオフにする(S202)。
次いで、交流電源121を通信用の周波数でオンにする(S203)。すなわち、図2(
A)又は図2(B)で示される電源に含まれるトランジスタを通信用の周波数(第1の周
波数)で駆動する。この周波数は、例えば、13.56MHzである。
次いで、制御回路125で生成された送信信号(受電装置210の検知信号)が、送受信
回路124、混合器123、整合回路130、電磁誘導コイル127を介して、交流電源
121からの交流電力と重畳して受電装置210に送信される(S205)。
このとき、電磁誘導コイル127及び電磁誘導コイル213は、電磁誘導共振現象を利用
することで無線通信が行われる。なお、当該電磁誘導コイル127及び電磁誘導コイル2
13の電磁誘導共振現象の周波数では、共鳴コイル128及び共鳴コイル212の間に生
じる磁界共鳴現象には影響を及ぼさない。
送電装置120からの送信信号(受電装置210の検知信号)は、受電装置210の電磁
誘導コイル213、送受信回路221を介して、制御回路219に送信される。
制御回路219から、送信信号に対する返信信号が送受信回路221の第2の端子を介し
て、負荷変調回路235に入力される。これにより負荷変調回路235は、返信信号に基
づいて変調信号を生成する。当該変調信号は、電磁誘導コイル213及び電磁誘導コイル
127が電磁誘導により共振することにより、送電装置120に送信される。当該変調信
号は、電磁誘導コイル127、及び送受信回路124を介して、制御回路125に伝送さ
れる。これにより、受電装置210の有無が検知される。
送電装置120からの送信信号(受電装置210の検知信号)により、受電装置210の
存在を検知した場合(S205)、送電装置100から送信信号(受電装置210の状態
取得リクエスト信号)を送信する(S206)。受電装置210の存在を検知しなかった
場合(S205)は、再度、送電装置120から受電装置210に送信信号(受電装置2
10の検知信号)を送信する(S204)。
送電装置120からの送信信号(受電装置210の状態取得リクエスト信号)により、受
電装置210が受電可能かどうか、送電装置120の制御回路125により判断される(
S207)。受電装置210が受電可能な場合、交流電源121の通信用の周波数の電力
供給を止め(S208)、給電用の周波数の電力供給を開始する(S209)。すなわち
、図2(A)又は図2(B)に示される電源に含まれるトランジスタのゲートに入力され
る信号を、無線通信用の周波数(第1の周波数ともいう)を有する信号から無線給電用の
周波数(第2の周波数ともいう)を有する信号に切り替える。この無線給電用の周波数は
、例えば、100kHzである。
またこのとき、制御回路219からの信号により、スイッチ223がオンになる。
以上のように、受電装置210に伝送された交流電力は、共鳴コイル212、電磁誘導コ
イル213を介して整流回路215に伝送される。当該交流電力は、整流回路215によ
り整流、すなわち直流電力に変換される。さらに当該直流電力は平滑化回路216により
平滑化される。平滑化された直流電力は、スイッチ223を介して電圧変換回路217に
入力される。電圧変換回路217により電圧値を変換される。当該電圧値を変換された直
流電力は、充電制御回路218に制御される蓄電装置222に蓄えられる。
蓄電装置222に一定時間給電を実施(S211)後、交流電源121の給電用の周波数
の電力供給を止め(S212)、通信用の周波数の電力供給を開始する(S213)。す
なわち、図2(A)又は図2(B)に示される電源に含まれるトランジスタのゲートに入
力される信号を、無線給電用の周波数を有する信号から無線通信の周波数を有する信号に
切り替える。この無線給電の周波数は、例えば、13.56MHzである。またこのとき
、制御回路219からの信号により、スイッチ223をオフにする。
次いで、送電装置120から送信信号(受電装置210の状態取得リクエスト信号)を送
信する(S214)。受電装置210が正常に給電できている場合(S215)は、給電
を完了する(S217)。受電装置210の給電が完了した場合(S217)は、終了処
理(S218)を行い、給電を終了する(S219)。
給電が完了してない場合(S217)は、交流電源121の通信用の周波数の電力供給を
止め(S208)、その後給電用の周波数の電力供給を開始し(S209)、再度、交流
電源121からの給電を行う。
また、受電装置210が正常に給電できていない場合(S215)は、異常検知処理(S
216)を行い、終了処理(S218)を行い、給電を終了する(S219)。
以上本実施の形態により、無線通信及び非接触給電の両方が可能な非接触給電システムに
おいて、無線通信のシステム及び非接触給電のシステムを別々に作製する必要がない。そ
のため、本実施の形態により、小型で、かつ、低コストで作製可能な非接触給電システム
を得ることができる。
100 送電装置
101 交流電源
102 交流電源
103 混合器
104 送受信回路
105 制御回路
106 スイッチ
107 電磁誘導コイル
108 共鳴コイル
109 コンデンサ
110 整合回路
111 整合回路
120 送電装置
121 交流電源
123 混合器
124 送受信回路
125 制御回路
127 電磁誘導コイル
128 共鳴コイル
129 コンデンサ
130 整合回路
210 受電装置
211 コンデンサ
212 共鳴コイル
213 電磁誘導コイル
215 整流回路
216 平滑化回路
217 電圧変換回路
218 充電制御回路
219 制御回路
221 送受信回路
222 蓄電装置
223 スイッチ
224 コンデンサ
231 負荷
232 トランジスタ
233 トランジスタ
234 負荷
235 負荷変調回路
301 直流電源
302 コンデンサ
303 コンデンサ
304 トランジスタ
305 トランジスタ
306 コイル
311 直流電源
312 トランジスタ
313 トランジスタ
314 トランジスタ
315 トランジスタ
316 コイル

Claims (4)

  1. 送電装置と受電装置とを有する非接触給電システムであって、
    前記送電装置は、
    第1の周波数の交流電力を生成する第1の交流電源と、
    前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流電力を生成する第2の交流電源と、
    第1の電磁誘導コイルと、
    第1の共鳴コイルと、
    前記第1の電磁誘導コイルと電気的に接続され、前記第1の交流電源及び前記第1の電磁誘導コイルとの接続、又は、前記第2の交流電源及び前記第1の電磁誘導コイルとの接続を切り替える第1のスイッチと、
    前記第1の交流電源及び前記第2の交流電源に電気的に接続され、前記第1のスイッチを切り替える第1の制御回路と、を有し、
    前記受電装置は、
    第2の共鳴コイルと、
    第2の電磁誘導コイルと、
    蓄電装置と、を有し、
    前記第1の電磁誘導コイル及び前記第2の電磁誘導コイルを電磁誘導で共振させることにより、前記第1の周波数で無線通信を行い、
    前記第1の共鳴コイル及び前記第2の共鳴コイルとの間で磁界共鳴現象を起こすことにより、前記第2の周波数で前記蓄電装置に無線給電を行うことを特徴とする非接触給電システム。
  2. 請求項1において、
    前記第2の交流電源は、直流電源及び複数のトランジスタを有しており、
    前記第2の周波数は、前記複数のトランジスタの駆動周波数であることを特徴とする非接触給電システム。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1の共鳴コイル及び前記第2の共鳴コイルのそれぞれは、両端が開放されたコイルであり、浮遊容量によるコンデンサを有することを特徴とする非接触給電システム。
  4. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1の共鳴コイル及び前記第2の共鳴コイルのそれぞれの両端にコンデンサが電気的に接続されていることを特徴とする非接触給電システム。
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