JP2017220385A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁調理器として用いた場合に長方形状の鍋底を有する鍋を効率的に加熱でき、さらに放熱効率の向上した誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】磁束を発生する誘導加熱部20に含まれる第1の巻線部22aと第2の巻線部22bを、第1の磁極領域24aか第2の磁極領域24bのどちらか一方から天面の側を通って他方へと向かう磁束経路が形成されるように配線するとともに、第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bに挟まれる中間領域25においては導線28同士の間隔がそれ以外の箇所における導線28同士の間隔よりも広くなるように配線し、誘導加熱部20の背面の側には第1の巻線部22aから第2の巻線部22bにまでわたって延びる磁心を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、調理器具などに用いられる誘導加熱装置に関するものである。
電磁誘導を利用して加熱を行う誘導加熱装置が従来用いられている。誘導加熱装置を調理器具として用いる場合、耐熱ガラスなどの天板上に金属製の鍋(あるいは鍋底に金属板やカーボンを貼り付けた非金属鍋)を載置し、天板下方に設置されたコイルに高周波の交流電流を流す。すると天板上方に交番磁界が発生するので、電磁誘導により鍋底に渦電流が誘起され、この渦電流に対する電気抵抗による発熱で、鍋が加熱される。
こうした誘導加熱装置としての電磁調理器の一例が特許文献1に記載されている。この電磁調理器では、トッププレート(天板)に円形状の鍋底配置部が設けられていて、高周波電流が流れる加熱コイルはその鍋底配置部の下方に設けられる。鍋底配置部が設けられていることにより、使用者は加熱コイルで発生する磁界を最も効率よく鍋底に印加できる場所を認識できるようになっている。
特開2015−159101
しかしながら、特許文献1に記載されている電磁調理器では、鍋底が円形となっている鍋を使用しなければ効率的な加熱が行えない。引用文献1の電磁調理器においては、円形状の鍋底配置部と同じく、加熱コイルも輪郭が円形状となる渦巻き状に形成されているため、天板上方に磁界が発生する領域も加熱コイルから放射状に広がる円形状の領域となる。したがって円形状の鍋底配置部に収まる形状の鍋底でなくては、加熱コイルによる加熱作用を十分に受け取ることができない。このため、鍋底が長方形となっている鍋、例えば卵焼き器を用いた場合は、長方形の鍋底のうち円形状の鍋底配置部に収まる範囲しか加熱されないことになるため、加熱効率が悪いのみならず、鍋底全体の加熱状態が不均一となって、適切な調理を行うことができない。さらに、特許文献1の電磁調理器にも表れているように、従来の卓上型電磁調理器は、装置全体としては長方形状となっていながらも、鍋底配置部は円形となっており、四隅は加熱が行えない死に領域となっている。そのため従来は電磁調理器の寸法に対して鍋底配置部の寸法が小さくなってしまう。
また、誘導加熱を利用した加熱方式では原理上は天板より下方で熱を発生させる必要はないが、実際には高周波電流を生成するためのインバータ回路や、電流が流されるコイルにて熱が発生する。さらに、加熱された鍋底の熱が天板を通じて天板下方まで伝わることもある。天板下方の回路、特にコイルが熱によって高温になってしまうと導電性などの電磁特性が変化して所期の加熱性能が得られなくなるため、従来の誘導加熱装置では天板下方を適温に保つための冷却機構が設けられる。例えば特許文献1の電磁調理器では、その本体部外面に吸気口(底面)と排気口(背面)が設けられており、さらに本体部の内部には送風器が設けられていて、送風器によって吸気口から排気口へと空気を送風することによって、本体部の内部(天板下方)の熱を放熱させるようになっている。
しかしながら、特許文献1の電磁調理器においては、コイルの導線が密に巻かれるために、コイルを効率的に放熱することができない。特許文献1の加熱コイルの導線が配線される配線部の溝は、円形状の導線固定部の内周部から外周部にかけてほとんど隙間なく並んでいる。そのため、加熱コイルの導線同士の間にはほとんど隙間ができないことになり、送風を行っても、加熱コイルの導線同士の間には空気が流れにくく、導線の一本一本は十分に放熱されない。また加熱コイルは渦巻き状に形成されているため、その渦巻きの中央は導線で何重にも囲まれることになる。そのため、渦巻きの中央部には送風された空気が到達しにくくなっており、ただでさえ本体部外面の排気口から遠くて熱がこもりやすい中央部の熱を効率よく放熱することができない。
そこで、本発明は、誘導加熱装置において、電磁調理器として用いた場合に長方形状の鍋底を有する鍋を効率的に加熱できるようにするとともに、放熱効率の向上した誘導加熱装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る誘導加熱装置は、誘導加熱装置であって、天面と背面とを有し、前記天面の側に磁束を発生させるための誘導加熱部と、前記誘導加熱部の前記背面の側に配置される磁心と、を備えており、前記誘導加熱部は、第1の磁極領域および第2の磁極領域を含んでおり、かつ、前記第1の磁極領域周りに導線が巻き回されて成る第1の巻線部と、前記第2の磁極領域周りに導線が巻き回されて成る第2の巻線部とを有しており、前記第1の磁極領域および前記第2の磁極領域は、前記天面の側からの平面視において互いの間に位置する中間領域を挟んで第1の方向に並んでおり、前記第1の巻線部および前記第2の巻線部は、各々の導線に交流電圧が印加されることで前記第1の磁極領域または第2の磁極領域の一方から他方へと前記天面の側を通って向かう磁束経路が形成されるように配置されており、前記第1の巻線部および前記第2の巻線部を成す導線は、前記中間領域における導線同士の前記第1の方向内での間隔が、前記中間領域以外の箇所における導線同士の間隔よりも広くなるように配線されており、前記磁心は、前記誘導加熱部の前記背面の側において、前記第1の巻線部から前記第2の巻線部にまでわたって前記第1の方向に延びていて、前記背面の側を通る磁束を、自身を貫く経路内に束縛するよう配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る誘導加熱装置は、上記構成に加えて、第1の巻線部および第2の巻線部は誘導加熱部の天面の側からの平面視において長方形状または正方形状に巻き回されていて、前記誘導加熱部が平面視において長方形状に形成されていてもよい。
また、本発明に係る誘導加熱装置は、上記構成に加えて、磁心は第1の方向に延びる複数の磁心材で構成されており、前記磁心材のそれぞれは前記第1の方向と直交する第2の方向において互いに間隔を空けて配置されていてもよい。
また、本発明に係る誘導加熱装置は、上記構成に加えて、磁心の延びている範囲が、第1の磁極領域内から第2の磁極領域内までとなっていてもよいし、あるいは、磁心の延びている範囲が、誘導加熱部の第1の方向の一端から他端までとなっていてもよい。
本発明によれば、磁束を発生させるための誘導加熱部を、従来のように輪郭が円形となる渦巻き状に配線された単一のコイルで構成するのではなく、第1の方向に並ぶ複数の磁極領域をそれぞれ取り囲む複数の巻線部で構成し、交流電圧の印加時にこれらの磁極領域の一方から他方へと向かう磁束経路が形成されるようにしている。さらに誘導加熱部の背面の側では磁心が第1の方向に延びていて、背面の側では磁束が磁心を貫く経路内に束縛されるようになっている。このため、誘導加熱部の天面の側では、磁束は放射状に広がるのではなく、磁極領域の並び方向(第1の方向)に沿う領域に集中することになる。磁束が1つの方向に沿う領域に集中するということはつまり、概ね長方形状の領域内に磁束が集中するということであるので、天面の側に卵焼き器などの長方形状の鍋底を有する鍋を配置したとき、誘導加熱部が加熱作用を及ぼす領域の形状と加熱対象の鍋底の形状が一致することになり、長方形状の鍋底を効率よく、かつ均一に加熱することができる。特に巻線部がそれぞれ長方形状または正方形状となっていて誘導加熱部が長方形状に形成されていれば、誘導加熱部から発生する磁束を漏れなく加熱対象に向かわせることができて、高い加熱効率が得られる。さらに、誘導加熱部が長方形状であれば鍋底配置部も長方形とすることができるので、従来のような死に領域を無くすことができ、誘導加熱装置全体の寸法が小さくとも鍋底配置部を広くとることができる。
また本発明によれば、第1の磁極領域と第2の磁極領域に挟まれた中間領域は平面視において中央部に位置することになるが、この中間領域では導線同士の間隔が広くなっているので、導線同士の間に空気が通りやすくなっており、従来であれば熱がこもりやすい中央部からの放熱が行いやすくなっている。さらに、中間領域以外の部分では中間領域よりも密に導線が配線されることになるため、中央部での放熱効率を確保しつつも、誘導加熱部全体での巻線の巻数は多くすることができ、巻数の多い巻線から発生する多量の磁束によって強い加熱性能が得られる。したがって、強い加熱性能と高い放熱効率を両立することができる。さらに、磁心が第2の方向において互いに間隔を空けた複数の磁心材で構成されていれば、磁心材同士の間にも空気が通りやすくなるため、放熱効率をより高めることができる。
また本発明によれば、誘導加熱部の背面の側の磁束は、誘導加熱部の背面の側で第1の方向に延びる磁心内に束縛されるので、磁心が配置されていなければ誘導加熱部から第1の方向や第2の方向において遠く離れた位置にまで広がっていたはずの磁束も、誘導加熱部近くに束縛されることになる。よって誘導加熱部の天面の側に鍋などの加熱対象を置くと、多くの磁束がその加熱対象の底面に作用することとなり、高い加熱効率が得られる。またこの場合、遠く離れた位置にまで広がろうとする磁束は、第1の方向とも第2の方向とも異なる方向、すなわち誘導加熱部の天面から離れる方向(高さ方向)へ広がることになる。このため、誘導加熱部から発生する磁束は誘導加熱部の天面の側で高い位置まで到達することになる。すると、加熱対象の鍋底が誘導加熱部の天面からある程度離れた高い位置にあっても、その高い位置まで磁束が到達するので、高い位置においても加熱を行うことができる。このため、加熱中の鍋を振り上げたとしても、振り上げられて高い位置へ行った鍋に対して加熱を継続することが可能である。よって本発明の誘導加熱装置であれば、加熱中の鍋を振り上げて具材を宙に舞わせる調理法、いわゆるあおり炒めを行ったとしても加熱が中断されることはなく、電磁調理器として用いた際に多様な調理法を実行することができる。特に、磁心が第1の磁極領域内から第2の磁極領域内までの範囲に配置されていれば、第1の磁束領域と第2の磁束領域との間に磁束が集中することとなり、より多くの磁束を加熱対象に作用させることができる。またこの場合、磁束は誘導加熱部の外部に広がることができず、高さ方向に広がる磁束が多くなって、あおり炒めが行いやすくなる。
本発明の実施形態の一例としての誘導加熱装置における誘導加熱部を模式的に示す平面図。 図1の誘導加熱部および磁心の配置を示す斜視図。 図1,図2のA−A断面図であり、(a)は中間領域と外周側とで導線を同じ高さに配置した場合の図、(b)は中間領域と外周側とで導線の高さを変えた場合の図。 誘導加熱部と交流電源との接続の様子を模式的に示す回路図。 誘導加熱部の別例を示す回路図であり、(a)は第1の巻線部と第2の巻線部を角丸長方形状にした場合の図、(b)両巻線部の内側端部同士を接続した場合の図、(c)は両巻線部を並列接続した場合の図。
図1に、本発明に係る誘導加熱装置において磁束を発生させるために用いられる誘導加熱部20の一例を示し、図2にその斜視図、図3(a)にこれらのA−A断面図を示す。この誘導加熱部20は図2,図3(a)に示すように、誘導加熱装置において加熱対象が載置される天板12(耐熱ガラスなど、高耐熱性かつ磁力の影響を受けにくい材質が望ましい)の下方に配置されており、図1は誘導加熱部20を天板12側から見た場合の平面図であって、天板12を破線で示している。以下においては、誘導加熱部20について、天板12側の面を天面、その反対側の面を背面と呼ぶ。
図1に示すように、誘導加熱部20は第1の巻線部22aと第2の巻線部22bを有している。これら第1の巻線部22aと第2の巻線部22bはそれぞれ平面視で長方形状に巻き回された導線28から成っており、第1の巻線部22aと第2の巻線部22bとが合わさって誘導加熱部20全体は長方形状となっている。なおこの導線28は図1には図示しない交流電源に接続されて高周波電流が流されるので、表皮効果を抑制するために撚り線で導線28を構成するのが望ましい。
そして、第1の巻線部22aと第2の巻線部22bはそれぞれ長方形状の領域を取り囲んでいる。以下、第1の巻線部22aに取り囲まれた領域を第1の磁極領域24a、第2の巻線部22bに取り囲まれた領域を第2の磁極領域24bと呼ぶ。言い換えると、第1の巻線部22aは第1の磁極領域24a周りに導線28が巻き回されたものであり、第2の巻線部22bは第2の磁極領域24b周りに導線28が巻き回されたものということになる。
これら第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bは図中のX方向(平面視における第1の方向)に並んでいる。以下、X方向内で第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bとの間に挟まれた領域を中間領域25と呼ぶ。図1に示す通り、この中間領域25においては導線28同士の間隔が広くなっている。その一方で、中間領域25以外の部分では、導線28同士の間隔が狭くなっている。このような巻き方を安定して行うためには、導線28を配置すべき経路に沿って導線28固定のための溝が形成されたプレートなどを用意しておくとよい。
また、図2に示すように、誘導加熱部20の背面の側にはフェライトなどの磁性体からなる磁心材32が複数配置されている。これら複数の磁心材32をまとめて磁心30と呼ぶ。磁心材32は棒状に形成されており、磁心材32のそれぞれは、その長手方向がX方向に沿うように配置されている。ここでは、図中左下側の第1の磁極領域24aの中央近くから、図中右上側の第2の磁極領域24bの中央近くにまでわたって、各磁心材32が配置されている。これにより、磁心30は第1の磁極領域24aを取り囲む第1の巻線部22aから、第2の磁極領域24bを取り囲む第2の巻線部22bにまでわたって延びていることになる。そして磁心30を構成する複数の磁心材32は、図中のY方向(平面視においてX方向と直交する第2の方向)に並んでおり、各々の磁心材32はY方向において互いに間隔を空けて配置されている。
以上のように配置された誘導加熱部20の導線28に交流電圧を印加すると、図3(a)に示すように、天面の側に磁束40が発生する。図3(a)に示す通り、磁束40が天面の側で通る経路は、第1の磁極領域24aか第2の磁極領域24bのどちらか一方側から天面の側へ延び、天板12を越えて、天板12からZ方向(X方向ともY方向とも異なる高さ方向)に離れた位置を通って、第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bの他方側へと至る経路となる。背面の側においては、第1の磁極領域24aか第2の磁極領域24bのどちらか一方側から背面の側へ至った磁束40は、磁心30内に束縛され、磁心30内をX方向に貫く経路をたどった後、第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bの他方側から天面の側へと向かう。なお図3(a)においては、背面の側では図示を簡略化するため最も外側の磁束40の経路のみ示している。また磁心30よりもさらに背面の側には誘導加熱部20を取り囲むようにして、金属製(アルミニウムなど)の磁束遮断板14が配置されている。この磁束遮断板14が磁気シールドとして作用することにより、磁心30よりもさらに背面の側や誘導加熱部20の図中左右外側などの、誘導加熱部20の天面の側以外の領域にはほとんど磁束経路が形成されないようになっている。ここでは図示しないが、この磁束遮断板14の底面や外周面には空気の吸入口または排気口となる通気口をいくらか設けておいてもよい。
磁束40が図3(a)に示すような経路をたどるようにするためには、第1の磁極領域24aに発生する磁極と第2の磁極領域24bに発生する磁極とが逆の極性となるように配線する必要がある。そのような配線の一例を図4に示す。図4に示す配線では、平面視において第1の巻線部22aと第2の巻線部22bとがどちらも同じ巻き方向(ここでは右巻き)かつ同じ巻数となっており、第1の巻線部22aの外側端部と第2の巻線部22bの外側端部とが接続されることにより第1の巻線部22aと第2の巻線部22bとが電気的に直列接続しており、第1の巻線部22aの内側端部と第2の巻線部22bの内側端部がそれぞれ交流電源50(商用電源に接続されて高周波交流を生成するインバータ回路等)に接続されている。ここで、第1の巻線部22aと第2の巻線部22bに関する「外側」および「内側」とは、各々が形成する「渦」の内外のことであり、すなわち各々が取り囲む第1の磁極領域24aまたは第2の磁極領域24bに対して遠ざかる側を「外側」、近づく側を「内側」と呼んでいる。なお、平面上に描写する都合上、図4では交流電源50へと繋がる配線が第1の巻線部22aや第2の巻線部22bの導線28をまたいでいるように描いているが、実際の誘導加熱装置においては装置自体に厚み(Z方向寸法)があるので、例えば図2に示す通り、厚み方向に迂回することで他の導線28と干渉しないように配線することができる。
このように配線した場合、例えば図4中の矢印Iで示す方向に電流が流れる瞬間においては、第1の巻線部22aには内側から外側へ向かう電流が流れる一方で、第2の巻線部22bには外側から内側へ向かう電流が流れる。先述の通り第1の巻線部22aの巻き方向と第2の巻線部22bの巻き方向は同じなので、これらに互いに逆巻きの電流(この場合、第1の巻線部22aに左ネジ方向電流、第2の巻線部22bに右ネジ方向電流)が流れることになる。そのため、第1の磁極領域24aに生じる磁極と第2の磁極領域24bに生じる磁極とは逆の極性となる。電流の向きが矢印Iで示す方向の場合、第1の磁極領域24aの天面の側にはN極、第2の磁極領域24bの天面の側にはS極が現れるので、この瞬間において生じる磁束は、天面の側においては第1の磁極領域24aから第2の磁極領域24bへ向かう経路をたどる。
電源が交流電源50であるため、電流の流れる向きは定期的に反転するが、矢印Iと反対向きに電流が流れる場合でも第1の巻線部22aと第2の巻線部22bに流れる電流が互いに逆巻きであることは変わらず、今度は第1の磁極領域24aの天面の側にS極、第2の磁極領域24bの天面の側にはN極が現れて、磁束は天面の側において、第2の磁極領域24bから第1の磁極領域24aへ向かう経路をたどるようになる。このように、図4のように配線が行われていれば、第1の磁極領域24aに生じる磁極と第2の磁極領域24bに生じる磁極とは常に逆の極性となる。よって、交流電圧が印加されることによって、第1の磁極領域24aまたは第2の磁極領域24bの一方から天面の側を通って他方へと向かう磁束経路が形成されることになる。
以上のように構成された本実施形態の誘導加熱部20が有する第1の巻線部22aおよび第2の巻線部22bの導線28に交流電圧を印加すると、第1の巻線部22aおよび第2の巻線部22bが長方形状であり、しかも磁心30がX方向に延びて配置されていることにより、誘導加熱部20から天面の側に発生する磁束はX方向に沿う領域に集中し、その磁束が集中する領域、すなわち図1に仮想線で示す加熱領域60の平面視形状は、長方形状となる。加熱領域60が長方形状となるため、この加熱領域60に長方形状の鍋底を有する卵焼き器などを配置した場合、その鍋底の形状と加熱領域60の形状が一致し、長方形状の鍋底が無駄なくかつ満遍なく加熱される。
また本実施形態においては、図1に示すように、第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bに挟まれてX方向の中央部に位置する中間領域25では、誘導加熱部20のX方向の端部(左右端)における導線28同士の間隔や、Y方向内での導線28同士の間隔と比べて、X方向内での導線28同士の間隔が広くなっている。このため、中間領域25では導線28同士の間でY方向に空気が通りやすくなっている。すなわち、X方向中央部に位置する中間領域25は通風性がよくなっているので、中間領域25においては導線28からの発熱や、鍋などの加熱対象から天板12を通じて伝わってくる熱が放熱されやすくなっており、従来の電磁調理器のように中央部に熱がこもってしまうことはない。その一方で、誘導加熱装置の筐体外面に形成された排気口に近くて元々放熱性の高いX方向の端部(図中左右側)やY方向の端部(図中上下側)、つまり誘導加熱部20の外周側では、導線28同士の間隔が狭くなっているので、中間領域25での導線28同士の間隔を広くとりつつも、誘導加熱部20全体のX方向寸法をむやみに増大させることなく、導線28の巻数を多く確保することができる。また導線28が第1の巻線部22aと第2の巻線部22bとに分散しているので、従来のような単一の渦巻き状コイルと同じだけの量の磁束を発生させるために必要な1つの巻線部あたりの巻数を、単一の渦巻き状コイルの巻数に比べて半分にすることができる。
さらに本実施形態においては、誘導加熱部20の背面の側でX方向に延びる複数の磁心材32は、Y方向に間隔を空けて配置されているので、背面の側では磁心材32同士の間でX方向に空気が通りやすくなっている。従って、誘導加熱部20の背面の側で良好な放熱効率が得られる。特にX方向中央部の背面の側ではX方向にもY方向にも空気が通りやすくなっており、非常に放熱性が高いことになる。
また本実施形態においては、図3(a)に示す通り磁心30が誘導加熱部20の背面の側において第1の磁極領域24a内から第2の磁極領域24b内までの範囲で配置されているため、誘導加熱部20から発生する磁束40は、背面の側では磁心30内に束縛され、天面の側では第1の磁極領域24aまたは第2の磁極領域24bの一方から他方へと至る経路内に束縛されて、X方向には誘導加熱部20の近くに束縛される。つまり図3(a)に示すように、磁束40は、図中で最も外側のものでも磁心30の一端側の地点(すなわち第1の磁束領域24a内の地点)と他端側の地点(すなわち第2の磁束領域24b内の地点)とを結ぶ磁束経路をたどるようになるため、磁束40が第1の磁束領域24aおよび第2の磁束領域24bよりもX方向外側(図中左右端側)へ広がることはない。そのため第1の磁束領域24aと第2の磁束領域24bとの間に磁束40が集中し、天板12上に置かれる鍋などの加熱対象には多くの磁束40が作用することになり、加熱効率が高くなっている。さらに天面の側の磁束40はZ方向に高い位置にまで広がるので、加熱中の鍋をZ方向に高く振り上げても鍋の加熱が継続されることになり、あおり炒めが行いやすくなっている。
なお、本実施形態においては図1,図4に示すように第1の巻線部22aと第2の巻線部22bを長方形状としているが、配線の方法はこれに限るものではなく、例えば図5(a)に示すように、Y方向端部が曲線状になった角丸長方形の形状を描くように配線してもよい。この場合でも、磁心30をX方向に沿って配置することで、天面の側で広がろうとする磁束をこの磁心30の上方領域に束縛することができるので、誘導加熱部20が加熱作用を及ぼす領域の形状を概ね長方形状とすることができる。また通風性が確保できるのであれば、図5(a)に示すように、磁心30を単一の板状磁性体で構成してもよい。さらに、磁心30の配置される範囲を、図5(a)に示す通り、第1の巻線部22aの図中左端から第2の巻線部22bの図中右端までの範囲、つまり誘導加熱部20のX方向一端からX方向他端までとしてもよい。この場合には、誘導加熱部20の平面視面積が狭くても磁束がX方向に広がる範囲を広くすることができて、加熱領域を広く取ることが可能になる。
また、本実施形態においては図4に示すように第1の巻線部22aの外側端部と第2の巻線部22bの外側端部とを接続しているが、例えば図5(b)に示すように内側端部同士を接続してもよい。また図4においては第1の巻線部22aと第2の巻線部22bとをどちらも同じ巻き方向とし、さらにこれらを直列接続しているが、第1の磁極領域24aと第2の磁極領域24bに生じる磁極が逆の磁性となるように配線できるのであれば、巻き方向が逆向きになっていてもよいし、並列接続してもよい。ただし、隣り合う導線が発生する磁束が互いに打ち消し合うことのないよう、隣り合う導線には同じ向きの電流が流れるように配線することが望ましい。例えば第1の巻線部22aの巻き方向と第2の巻線部22bの巻き方向を逆向きにして、さらに第1の巻線部22aと第2の巻線部22bとを並列接続する場合には、図5(c)に示す通り、外側端部同士を交流電源50の一端に接続し、内側端部同士を交流電源50の他端に接続するよう配線すればよい。なお図4について前述したのと同じく、図5(a),(b),(c)において他の導線28をまたぐように描かれている配線は、実際には他の導線28と干渉しないように配線することが可能である。
また、本実施形態においては第1の巻線部22aと第2の巻線部22bの導線28を平面的に配線しているが、巻数を増やすために上下(Z方向)に複数段巻くようにしてもよい。特に中央領域25では導線28同士の間隔を広くとりつつ平面的に1段で配線するようにして、誘導加熱部20の外周側では上下に複数段巻くようにすれば、外周側での配線のために必要な平面的スペースが少なく済み、その分、中間領域25を広くとって中央部の放熱性能を高めることができる。また、外周側の導線28を複数段ではなく1段とする場合でも、図3(b)に示すように、中間領域25と外周側とで導線28の高さを変え、外周側の導線28を天板12からZ方向に離して(外周側での配線を低い位置にして)配置することにより、外周側では導線28が天板12からの熱を受けず、さらに天板12と導線28との間に空気が通りやすくなって、外周側においても放熱性が高くなる。また、図3(a),(b)では中間領域25における導線28を天板12の真下に配置しているが、天面の側に天板12を越えて磁束40を発生させることが可能な限りにおいて、中間領域25でも導線28を天板12から少し離して配置してもよい。
20 誘導加熱部
22a 第1の磁極領域
22b 第2の磁極領域
24a 第1の巻線部
24b 第2の巻線部
25 中間領域
28 導線
30 磁心
32 磁心材
40 磁束

Claims (5)

  1. 誘導加熱装置であって、
    天面と背面とを有し、前記天面の側に磁束を発生させるための誘導加熱部と、
    前記誘導加熱部の前記背面の側に配置される磁心と、
    を備えており、
    前記誘導加熱部は、第1の磁極領域および第2の磁極領域を含んでおり、かつ、前記第1の磁極領域周りに導線が巻き回されて成る第1の巻線部と、前記第2の磁極領域周りに導線が巻き回されて成る第2の巻線部とを有しており、
    前記第1の磁極領域および前記第2の磁極領域は、前記天面の側からの平面視において互いの間に位置する中間領域を挟んで第1の方向に並んでおり、
    前記第1の巻線部および前記第2の巻線部は、各々の導線に交流電圧が印加されることで前記第1の磁極領域または第2の磁極領域の一方から他方へと前記天面の側を通って向かう磁束経路が形成されるように配置されており、
    前記第1の巻線部および前記第2の巻線部を成す導線は、前記中間領域における導線同士の前記第1の方向内での間隔が、前記中間領域以外の箇所における導線同士の間隔よりも広くなるように配線されており、
    前記磁心は、前記誘導加熱部の前記背面の側において、前記第1の巻線部から前記第2の巻線部にまでわたって前記第1の方向に延びていて、前記背面の側を通る磁束を、自身を貫く経路内に束縛するよう配置されていること
    を特徴とする誘導加熱装置。
  2. 第1の巻線部および第2の巻線部は誘導加熱部の天面の側からの平面視において長方形状または正方形状に巻き回されていて、前記誘導加熱部が平面視において長方形状に形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 磁心は第1の方向に延びる複数の磁心材で構成されており、前記磁心材のそれぞれは前記第1の方向と直交する第2の方向において互いに間隔を空けて配置されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 磁心の延びている範囲が、第1の磁極領域内から第2の磁極領域内までとなっていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 磁心の延びている範囲が、誘導加熱部の第1の方向の一端から他端までとなっていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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