JP6818467B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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本発明は、被加熱物に渦電流を生じさせて誘導加熱するための誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器においては、円環状の主加熱コイルと、複数個の副加熱コイルと、主加熱コイル及び副加熱コイルにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバータ回路とを備え、主加熱コイル及び副加熱コイルは、渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の細い線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら巻いて構成されるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−79580号公報
従来の誘導加熱調理器では、絶縁皮膜された0.1mm〜0.3mm程度の細い導線を束にして、この束を複数本撚りながら巻くことで加熱コイルを形成している。このため、加熱コイルの温度を絶縁皮膜の耐熱温度よりも低くする必要があり、加熱コイルへ投入する電力を高くすることができないという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされるもので、被加熱物を誘導加熱する加熱部の耐熱性を向上することができ、加熱部へ投入する電力を向上することができる誘導加熱調理器を得るものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物が載置される天板と、前記天板に形成され、前記被加熱物の載置位置を示す加熱口と、前記天板の前記加熱口の下方に配置され、前記被加熱物を誘導加熱する第1加熱部及び第2加熱部と、磁性材料により形成された第1磁性体と、磁性材料により形成された第2磁性体と、前記第1加熱部を駆動する第1駆動回路と、前記第1駆動回路とは別に設けられ、前記第2加熱部を駆動する第2駆動回路と、を備え、前記第1加熱部は、平板状の導電材料を環状に形成した環状導電体と、前記第1駆動回路からの第1高周波電流が供給されることによって第1高周波磁束を発生する第1コイルと、磁性材料により形成され、前記第1高周波磁束が前記環状導電体と鎖交する磁気回路を構成するコアと、を有し、前記第2加熱部は、導線を巻いて形成した加熱コイルにより構成され、前記第1磁性体は、前記環状導電体の下方に配置され、前記第2磁性体は、前記加熱コイルの下方に配置され、平面視において、前記加熱コイルの外縁が囲む範囲の面積に占める前記第2磁性体の面積の割合が、前記環状導電体の外縁を囲む範囲の面積に占める前記第1磁性体の面積の割合よりも小さいものである。
本発明は、第1加熱部及び第2加熱部の少なくとも一方は、平板状の導電材料を環状に形成した環状導電体を有しているので、耐熱性を向上することができ、投入する電力を向上することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段の駆動回路を示すブロック図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外周板状コイルを模式的に示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外周板状コイルの動作を説明する図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段へ送風される冷却風を説明する斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の内周コイル及び環状導電体を示す断面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す斜視図である。 図11のA−A断面を模式的に示す図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す斜視図である。 実施の形態5に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。 実施の形態6に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。
実施の形態1.
(構成)
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
図1に示すように、誘導加熱調理器100の上部には、鍋などの被加熱物5が載置される天板4を有している。図1では負荷として被加熱物5が載置された例について説明する。天板4には、被加熱物5を誘導加熱するための加熱口として、第1の加熱口1、第2の加熱口2、第3の加熱口3とを備え、各加熱口に対応して、第1の加熱手段11、第2の加熱手段12、第3の加熱手段13を備えており、それぞれの加熱口に対して被加熱物5を載置して誘導加熱を行うことができるものである。
本実施の形態1では、本体の手前側に左右に並べて第1の加熱手段11と第2の加熱手段12が設けられ、本体の奥側ほぼ中央に第3の加熱手段13が設けられている。
なお、各加熱口の配置はこれに限るものではない。例えば、3つの加熱口を略直線状に横に並べて配置しても良い。また、第1の加熱手段11の中心と第2の加熱手段12の中心との奥行き方向の位置が異なるように配置しても良い。
天板4は、全体が耐熱強化ガラスや結晶化ガラス等の赤外線を透過する材料で構成されており、誘導加熱調理器100本体の上面開口外周との間にゴム製パッキンやシール材を介して水密状態に固定される。天板4には、第1の加熱手段11、第2の加熱手段12、及び第3の加熱手段13の加熱範囲(加熱口)に対応して、鍋の大まかな載置位置を示す円形の鍋位置表示が、塗料の塗布や印刷等により形成されている。
天板4の手前側には、第1の加熱手段11、第2の加熱手段12、及び第3の加熱手段13で被加熱物5を加熱する際の投入火力(投入電力)や調理メニュー(湯沸しモード、揚げ物モード等)を設定するための入力装置として、操作部40a、操作部40b、及び操作部40c(以下、操作部40と総称する場合がある)が設けられている。また、操作部40の近傍には、誘導加熱調理器100の動作状態や操作部40からの入力・操作内容等を表示する表示部41a、表示部41b、及び表示部41cが設けられている。
なお、操作部40a〜40cと表示部41a〜41cは加熱口毎に設けられている場合や、加熱口を一括して操作部40と表示部41を設ける場合など、特に限定するものではない。なお、操作部40a〜40cは、例えばプッシュスイッチやタクトスイッチなどの機械的なスイッチや、電極の静電容量の変化により入力操作を検知するタッチスイッチなどにより構成されている。また、表示部41a〜41cは、例えばLCD(Liquid Crystal Device)又はLED等で構成されている。
なお、以下の説明においては、操作部40と表示部41とを一体に構成した表示操作部43を設ける場合について説明する。表示操作部43は、例えば、LCDの上面にタッチスイッチを配置したタッチパネルなどによって構成される。
天板4の下方であって本体の内部には、第1の加熱手段11、第2の加熱手段12、及び第3の加熱手段13を備えており、各々の加熱手段は各加熱口に載置された被加熱物5を誘導加熱するように構成されている。
なお、第1の加熱手段11、第2の加熱手段12、及び第3の加熱手段13の少なくとも一つを、例えば輻射によって加熱するタイプの電気ヒータ(例えばニクロム線やハロゲンヒータ、ラジェントヒータ)で構成しても良い。
誘導加熱調理器100の内部には、第1の加熱手段11、第2の加熱手段12、及び第3の加熱手段13のコイルに高周波電力を供給する駆動回路50と、駆動回路50を含め誘導加熱調理器全体の動作を制御するための制御部45とが設けられている。また、誘導加熱調理器100の内部には、本体の内部に冷却風を送風する送風機60が設けられている。
誘導加熱調理器100の後部側には、吸気口46及び排気口47が形成されている。本体内部に設けられた送風機60は、吸気口46から本体の外部の空気を吸気し、本体内部に冷却風を供給する。本体内に供給された冷却風は、本体内部の部品を冷却した後、排気口47から本体の外部に排気される。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。
図3は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す斜視図である。
図2及び図3において、第1の加熱手段11は、加熱口の中央に配置された内周コイル11aと、内周コイル11aの周囲に配置された、外周左板状コイル111b、外周右板状コイル112b、外周上板状コイル111c、及び外周下板状コイル112cとで構成されている。第1の加熱手段11の外周は、第1の加熱口1に対応した略円形状である。
内周コイル11aは、略同心円状に配置された内周内コイル111aと内周外コイル112aとから構成されている。内周内コイル111a及び内周外コイル112aは、円形の平面形状を有し、絶縁皮膜された任意の金属(例えば銅、アルミなど)からなる導電線が円周方向に巻回されることにより構成されている。内周内コイル111a及び内周外コイル112aは、直列に接続されて一つの駆動回路50により駆動制御される。なお、内周内コイル111a及び内周外コイル112aを並列接続してもよく、また、それぞれ独立した駆動回路(インバータ回路)を用いて駆動してもよい。
図3に示すように、内周コイル11aの下には、例えばフェライトなどの磁性材料により形成された複数の磁性体80が設けられている。複数の磁性体80は、内周コイル11aの中心に対して放射状または内周コイル11aの半径方向に延びる棒状に形成されている。内周コイル11aの下に複数の磁性体80を設けることで、高周波磁束が鎖交しやすくなり漏れ磁束が低減する。
外周左板状コイル111bは、環状導電体311bと、磁性コア321bと、外周左一次コイル331bとから構成されている。外周右板状コイル112bは、環状導電体312bと、磁性コア322bと、外周右一次コイル332bとから構成されている。外周上板状コイル111cは、環状導電体311cと、磁性コア321cと、外周上一次コイル331cとから構成されている。外周下板状コイル112cは、環状導電体312cと、磁性コア322cと、外周下一次コイル332cとから構成されている。
以下、外周左板状コイル111b、外周右板状コイル112b、外周上板状コイル111c、及び外周下板状コイル112cを、「外周板状コイル300」と総称する場合がある。
また、4つの環状導電体311b、312b、311c、312cを、「環状導電体310」と総称する場合がある。
また、4つの磁性コア321b、322b、321c、322cを、「磁性コア320」と総称する場合がある。
また、外周左一次コイル331b、外周右一次コイル332b、外周上一次コイル331c、及び外周下一次コイル332cを、「一次コイル330」と総称する場合がある。
環状導電体310は、内周コイル11aの円形の外形にほぼ沿うようにして、内周コイル11aの周辺に配置されている。環状導電体310は、平板状の導電材料を環状に形成し、電気的に閉じた閉回路を構成する。環状導電体310は、例えば、略1/4円弧状(四角状)の平面形状を有している。すなわち、環状導電体310は、内周コイル11aに隣接する1/4円弧状領域において、内周コイル11aの円形の平面形状に実質的に沿って延びるように構成されている。なお、環状導電体310の数は4つに限定されるものではない。また、環状導電体310の形状もこれに限るものではなく、例えば円形の環状導電体310を複数用いた構成でもよい。
環状導電体310の下には、例えばフェライトなどの磁性材料により形成された磁性体70が設けられている。磁性体70は、例えば、平板状に形成されている。1つの環状導電体310に対して1つ又は複数設けられている。例えば図3に示すように、磁性体70は、環状導電体310の外縁よりも大きく形成されている。
このように、環状導電体310の下に磁性体70を設けることで、高周波磁束が鎖交しやすくなり漏れ磁束が低減する。また、磁性体70は、外周側の端部が、環状導電体310よりも外周側に配置されている。このため、環状導電体310から発生した高周波磁束の外周側への漏れ磁束が低減でき、誘導加熱の効率を向上することができる。
一次コイル330は、絶縁皮膜された任意の金属(例えば銅、アルミなど)からなる導電線が磁性コア320に巻回されることにより構成されている。外周左一次コイル331b及び外周右一次コイル332bは、直列に接続されて一つの駆動回路50により駆動制御される。外周上一次コイル331c及び外周下一次コイル332cは、直列に接続されて一つの駆動回路50により駆動制御される。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段の駆動回路を示すブロック図である。
図4に示すように、第1の加熱手段11は、駆動回路50a、50b、50cにより駆動制御される。即ち、内周コイル11aを構成する内周内コイル111aと内周外コイル112aは、駆動回路50aにより駆動制御される。また、外周左一次コイル331bと外周右一次コイル332bは、駆動回路50bにより駆動制御される。外周上一次コイル331cと外周下一次コイル332cは、駆動回路50cにより駆動制御される。
制御部45は、マイコン又はDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等で構成される。制御部45は、表示操作部43からの操作内容等に基づいて、駆動回路50a、50b、50cをそれぞれ制御する。また、制御部45は、動作状態などに応じて、表示操作部43への表示を行う。
図5は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。なお、駆動回路50は加熱手段毎に設けられているが、その回路構成は同一であっても良いし、加熱手段毎に変更しても良い。図5では内周コイル11aを駆動する駆動回路50aについて図示する。
図5に示すように、駆動回路50aは、直流電源回路22と、インバータ回路23と、共振コンデンサ24aとを備える。入力電流検出手段25aは、例えば電流センサで構成され、交流電源(商用電源)21から直流電源回路22へ入力される電流を検出し、入力電流値に相当する電圧信号を制御部45へ出力する。
直流電源回路22は、ダイオードブリッジ22a、リアクタ22b、平滑コンデンサ22cを備え、交流電源21から入力される交流電圧を直流電圧に変換して、インバータ回路23へ出力する。
インバータ回路23は、スイッチング素子としてのIGBT23a、23bが直流電源回路22の出力に直列に接続された、いわゆるハーフブリッジ型のインバータであり、フライホイールダイオードとしてダイオード23c、23dがそれぞれIGBT23a、23bと並列に接続されている。IGBT23aとIGBT23bは、制御部45から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。制御部45は、IGBT23aをオンさせている間はIGBT23bをオフ状態にし、IGBT23aをオフさせている間はIGBT23bをオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。これにより、インバータ回路23は、直流電源回路22から出力される直流電力を20kHz〜100kHz程度の高周波の交流電力に変換して、内周コイル11aと共振コンデンサ24aからなる共振回路に電力を供給する。
共振コンデンサ24aは内周コイル11aに直列接続されており、この共振回路は内周コイル11aのインダクタンス及び共振コンデンサ24aの容量等に応じた共振周波数を有する。なお、内周コイル11aのインダクタンスは被加熱物5(金属負荷)が磁気結合した際に金属負荷の特性に応じて変化し、このインダクタンスの変化に応じて共振回路の共振周波数が変化する。
このように構成することで、内周コイル11aには数十A程度の高周波電流が流れ、流れる高周波電流により発生する高周波磁束によって内周コイル11aの直上の天板4上に載置された被加熱物5を誘導加熱する。スイッチング素子であるIGBT23a、23bは、例えばシリコン系からなる半導体で構成されているが、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いた構成でも良い。
スイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子の通電損失を減らすことができ、またスイッチング周波数(駆動周波数)を高周波(高速)にしても駆動回路の耐熱特性が良好であるため、駆動回路の放熱フィンを小型にすることができ、駆動回路の小型化および低コスト化を実現することができる。
コイル電流検出手段25bは、内周コイル11aと共振コンデンサ24aとからなる共振回路に接続されている。コイル電流検出手段25bは、例えば、電流センサで構成され、内周コイル11aに流れる電流を検出し、コイル電流値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。
なお、図5では内周コイル11aを駆動する駆動回路50aについて説明したが、外周左一次コイル331b及び外周右一次コイル332bを駆動する駆動回路50b、外周上一次コイル331c及び外周下一次コイル332cを駆動する駆動回路50cについても同様の構成を適用することができる。なお、駆動回路50a、50b、50cは、交流電源21に対して並列に接続されても良い。
なお、駆動回路50b、50cのインバータ回路23は、本発明の「第1駆動回路」に相当し、また駆動回路50b、50cの直流電源回路22を含んでも良い。
また、駆動回路50aのインバータ回路23は、本発明の「第2駆動回路」に相当し、また駆動回路50aの直流電源回路22を含んでも良い。
また、外周板状コイル300は、本発明の「第1加熱部」に相当する。
また、内周コイル11aは、本発明の「第2加熱部」及び「加熱コイル」に相当する。
また、磁性体70は、本発明の「第1磁性体」に相当する。
また、磁性体80は、本発明の「第2磁性体」に相当する。
また、一次コイル330は、本発明の「第1コイル」に相当する。
また、磁性コア320は、本発明の「コア」に相当する。
ここで、外周板状コイル300の構成の詳細を、図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外周板状コイルを模式的に示す図である。なお、図6においては、図3に示した外周板状コイル300を上下反転させた状態を示している。また、図6においては説明のため、外周板状コイル300の各部の形状及び大きさの比率を図2、図3とは相違させている。
環状導電体310は、アルミや銅など電気抵抗が小さい金属などの導電材料で形成されている。環状導電体310は、例えば金属板を切削加工やプレス加工などにより電気的に閉じた閉回路を形成する環状に加工した後、環状導電体310を長さ方向の途中で直角方向に折り曲げてL字型に形成されている。環状導電体310は、天板4の下面に配置される水平部310aと、この水平部310aの一端から略垂直に伸びる垂直部310bとを有する。なお、環状導電体310には絶縁皮膜を設けていない。
一次コイル330は、環状導電体310の垂直部310bの背面に、導電線が平板状に巻回されることにより構成されている。図示するように、一次コイル330の一部のコイル束分(直線部分)が環状導電体310の一方の垂直部310bの背面に配置されている。また、一次コイル330の別のコイル束分(直線部分)が環状導電体310の他方の垂直部310bの背面に配置されている。
磁性コア320は、例えばフェライトによって構成され、一次コイル330に高周波電流を流した時に発生する高周波磁束が環状導電体310と鎖交する磁気回路を構成するように配置されている。
(加熱動作)
次に、本実施の形態1における誘導加熱調理器の加熱動作について説明する。
図7は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外周板状コイルの動作を説明する図である。なお、図7においては、磁性コア320の図示を省略している。
使用者により、調理開始(火力投入)の指示が表示操作部43にて行われる。調理開始の指示が行われると、制御部45は、誘導加熱させる火力に応じて、駆動回路50a、50b、50cの少なくとも一つを制御して加熱動作を行う。
駆動回路50aが駆動されると、内周コイル11aに高周波電流が供給され、内周コイル11aから高周波磁束が発生する。これにより、内周コイル11aの上方に載置された被加熱物5に渦電流が流れ、この渦電流により被加熱物5が誘導加熱される。
駆動回路50b、50cが駆動されると、駆動回路50b、50cから外周板状コイル300の一次コイル330に高周波電流が供給される。
図7に示すように、一次コイル330に高周波電流が供給されると、一次コイル330の周囲には高周波磁束φ1が発生する。高周波磁束φ1は、磁気抵抗の小さい磁性コア320(フェライト)を通る。磁性コア320からなる磁気回路は、環状導電体310と鎖交するように配置されているので、高周波磁束φ1は環状導電体310と鎖交する。その結果、図7に示すように、環状導電体310には電磁誘導により誘導電流が流れる。
すなわち、外周板状コイル300は、変圧器と同じ動作原理であり、一次コイル330を巻数Nの一次巻線とすると、環状導電体310が巻数1の二次巻線になり、N:1の変圧器と考えることができる。したがって、環状導電体310には、一次コイル330に流れるコイル電流よりも大きな電流(N倍の電流)が、コイル電流と同じ周波数で流れることになる。
環状導電体310に高周波の誘導電流が流れると、図7に示すように環状導電体310の周囲に高周波磁束φ2が発生する。この高周波磁束φ2は環状導電体310の水平部310aの上面に、天板4を介して配置された被加熱物5と鎖交するため、被加熱物5に渦電流が流れ、この渦電流により被加熱物5が誘導加熱される。
なお、内周コイル11aと外周板状コイル300とを別々の駆動回路50により駆動することで、被加熱物5の加熱部位を任意に制御することができる。例えば、小径の被加熱物5を加熱する場合、又は大径の被加熱物5の中央を加熱する場合には、駆動回路50aのみを駆動し内周コイル11aのみによる誘導加熱を行うことができる。また、被加熱物5の形状などに応じて、駆動回路50b又は駆動回路50cの何れか一方を駆動しても良い。
なお、制御部45は、外周板状コイル300へ供給する電力の最大値を、内周コイル11aへ供給する電力の最大値よりも大きくしても良い。
以上のように本実施の形態1においては、外周板状コイル300は、平板状の導電材料を環状に形成した環状導電体310を有している。このため、外周板状コイル300自体の耐熱は、外周板状コイル300の材料(例えば銅)の耐熱で決まる。よって、絶縁皮膜された導線を束にして巻かれた従来の加熱コイルに比べて、耐熱性を大幅に改善することができる。耐熱性が改善することで、外周板状コイル300へ大きな電流を流すことができ、投入電力(投入火力)を高くすることができる。
例えば、従来の加熱コイルは、絶縁皮膜が施された銅線を複数本撚って構成されているため、加熱コイルの耐熱は絶縁皮膜の材質により決まることになる。一般的な誘導加熱調理器には、180℃耐熱の絶縁皮膜が設けられた銅線が用いられるため、加熱コイルの温度を180℃以下で使用する必要があり、投入電力を高くすることができず、また投入電力を高くした場合は、短時間しか通電できない。一方、本実施の形態1における外周板状コイル300の環状導電体310は、プレス加工などにより形成された、絶縁皮膜のない金属板(例えば銅板)により構成されており、金属板の耐熱温度は絶縁皮膜の耐熱温度よりも高いため、従来の加熱コイルと比較して耐熱性を向上することができる。
また、本実施の形態1においては、加熱口の外周側に配置された外周板状コイル300が環状導電体310を有している。このため、外周板状コイル300への投入電力(投入火力)を高くすることができる。よって、被加熱物5の外周部の温度の低下を抑制することができる。したがって、被加熱物5の外周部の高火力化を実現することができ、短時間で美味しく調理することが可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
例えば、被加熱物5としてフライパンを用いて炒め物調理を行った場合、誘導加熱により加熱されたフライパン底の熱は、フライパン外周の上端部から逃げてしまい、フライパン外周温度が低くなり、調理性能が低下し、使い勝手が悪くなることがある。本実施の形態の外周板状コイル300を適用することで、外周板状コイル300への投入電力を高くすることができるため、フライパンの外周温度の低下を抑制することができ、炒めもの調理の性能を改善することができる。
(冷却風の風量)
次に、内周コイル11a及び外周板状コイル300へ送風される冷却風の風量について説明する。
図8は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段へ送風される冷却風を説明する斜視図である。
上述したように、誘導加熱調理器100の内部には、本体の内部に冷却風を送風する送風機60が設けられている。送風機60によって本体内に供給された冷却風は、内周コイル11a及び外周板状コイル300へ送風される。
図8に示すように、環状導電体310の下には、平板状に形成された磁性体70が設けられている。この磁性体70は、例えば環状導電体310の外縁よりも大きく形成されている。一方、内周コイル11aの下には、複数の磁性体80が放射状または半径方向に延びる棒状に形成されている。即ち、平面視において、内周コイル11aの外縁が囲む範囲の面積に占める磁性体80の面積の割合が、環状導電体310の外縁を囲む範囲の面積に占める磁性体70の面積の割合よりも小さく構成されている。
このような構成により、外周板状コイル300へ送風された冷却風は、平板状に形成された磁性体70に衝突し、内周コイル11aへ向かって流れ、内周コイル11aの下方から複数の磁性体80の間を通って内周コイル11aの周囲を通過する流れとなる。よって、内周コイル11aへ供給される冷却風の風量が、環状導電体310へ供給される冷却風の風量よりも大きくなる。したがって、送風機60の風量を小さくしたとしても、内周コイル11aへ供給される冷却風の風量を確保することができる。また、送風機60の小型化、低電力化が可能となる。また、送風機60の運転による騒音を低減することができる。
上述したように、外周板状コイル300は、内周コイル11aよりも耐熱温度が高いため、内周コイル11aと比較して冷却風の風量を小さくすることができる。このため、環状導電体310の下に設けた磁性体70の面積を大きくすることが可能となる。よって、環状導電体310から発生した高周波磁束が鎖交し易くなり漏れ磁束が低減し、効率よく被加熱物5を誘導加熱することができる。
なお、本実施の形態1では、環状導電体310の下に平板状の磁性体70を設けることで、内周コイル11aへ供給される冷却風の風量を、環状導電体310へ供給される冷却風の風量よりも大きくなる構成としたが、これに限らず任意の部材によって風量を調整しても良い。例えば、内周コイル11a及び環状導電体310を支持する支持部材に開口を設け、内周コイル11aに対応する範囲の開口面積を、環状導電体310に対応する範囲の開口面積よりも大きくしても良い。このような構成においても、内周コイル11aへ供給される冷却風の風量を、環状導電体310へ供給される冷却風の風量よりも大きくすることができる。
(変形例1)
図9は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の内周コイル及び環状導電体を示す断面図である。
図9に示すように、内周コイル11aは、天板4の下面との間に間隔Gを空けて配置されている。
このように間隔Gを設けることで冷却風が通風し易くなり、内周コイル11aの温度上昇を抑制することができる。また、被加熱物5の熱が天板4を介して内周コイル11aへ伝熱しにくくなり、内周コイル11aの温度上昇を抑制することができる。
環状導電体310は、内周コイル11aよりも天板4に近い位置に配置されている。例えば図9に示すように、環状導電体310は、天板4の下面に接触して配置されている。
つまり、環状導電体310の耐熱温度が高いため、冷却風を通風させるための間隔Gを設ける必要が無く、環状導電体310と被加熱物5との距離を短くすることができ、効率よく誘導加熱を行うことができる。
(変形例2)
上記の説明では、環状導電体310の下に、平板状に形成された磁性体70を設けたが、磁性体70の形状、数はこれに限定されない。
図10は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。
図10に示すように、環状導電体310の下には、例えばフェライトなどの磁性材料により形成された複数の磁性体71が設けられている。複数の磁性体71は、棒状に形成されている。また、平面視において、内周コイル11aの外縁が囲む範囲の面積に占める磁性体80の面積の割合が、環状導電体310の外縁を囲む範囲の面積に占める磁性体71の面積の割合よりも小さく構成されている。
なお、その他の構成は図3と同様であり、同様の構成には同一の符号を付する。
このような構成においても、内周コイル11aの下方から複数の磁性体80の間を通過する冷却風の風量が、環状導電体310の下方から複数の磁性体71の間を通過する冷却風の風量よりも大きくなる。したがって、送風機60の風量を小さくしたとしても、内周コイル11aへ供給される冷却風の風量を確保することができる。また、送風機60の小型化、低電力化が可能となる。また、送風機60の運転による騒音を低減することができる。
なお、環状導電体310の外縁を囲む範囲の面積に占める磁性体71の面積の割合が大きいほど、効率よく誘導加熱を行うことができ、環状導電体310を通過する冷却風を少なくして内周コイル11aへの風量を多くすることができる。このようなことから、例えば、平面視において、環状導電体310の外縁を囲む範囲の面積に占める磁性体70の面積の割合が、50%以上であることが望ましい。
(変形例3)
図11は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す斜視図である。
図12は、図11のA−A断面を模式的に示す図である。
なお、図11及び図12においては、一部の構成については図示を省略している。
図11及び図12に示すように、平板状に形成された磁性体70には、環状導電体310が配置される溝70aが形成されている。この溝70aは、環状導電体310の水平部310aの形状に対応する形状を有している。また、溝70aの深さは、環状導電体310の水平部310aの厚さと略同じ深さである。
このような構成により、環状導電体310の内側と外側の側面にも磁性体70が配置されることとなり、環状導電体310から発生した高周波磁束が磁性体70に集中し易くなり誘導加熱の効率を向上することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、内周コイル11aによる誘導加熱と外周板状コイル300による誘導加熱とを交互に切り替える対流調理モードについて説明する。
なお、本実施の形態2における誘導加熱調理器100の構成は、上記実施の形態1と同様である。以下、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(対流調理モード)
使用者により、対流調理モードによる調理開始の指示が行われると、制御部45は、誘導加熱させる火力に応じて、駆動回路50aと駆動回路50b、50cとを所定時間ごとに交互に駆動させる。これにより、内周コイル11aによる誘導加熱と外周板状コイル300による誘導加熱とが所定時間ごとに交互に切り替えられる。
このように、被加熱物5の内周部の加熱と外周部の加熱とを所定時間ごとに変化させることで、煮込み調理での被加熱物5(鍋)の内部の被調理物に対流を発生することができ、味を浸み込ませながら、煮くずれや焦げ付きを抑制することができる。
このような対流調理モードにおいて、制御部45は、内周コイル11aへ供給する電力の最大値を、外周板状コイル300へ供給する電力の最大値よりも大きくしても良い。
例えば、一つの加熱口における上限電力が3000Wである場合、外周板状コイル300へ供給する電力の合計が3000W以下となるように駆動回路50b、50cを制御し、内周コイル11aへ供給する電力が2000W以下となるように駆動回路50aを制御しても良い。
つまり、内周コイル11aについては導線の絶縁皮膜の耐熱等により定めた上限電力以下となるように駆動回路50aを制御し、外周板状コイル300については、規格や回路設計等によって一つの加熱口に対して投入可能な上限電力以下となるように駆動回路50b、50cを制御する。
なお、駆動回路50aと駆動回路50bと駆動回路50cとを所定時間ごとに任意の順序で駆動させてもよい。この場合、制御部45は、外周左板状コイル111b及び外周右板状コイル112bへ供給する電力の合計が定格電力(例えば3000W)以下となるように駆動回路50bを制御し、外周上板状コイル111c及び外周下板状コイル112cへ供給する電力の合計が定格電力(例えば3000W)以下となるように駆動回路50cを制御する。
以上のように本実施の形態2においては、外周板状コイル300による誘導加熱と内周コイル11aによる誘導加熱とを交互に切り替える対流調理モードにおいて、外周板状コイル300へ供給する電力を、内周コイル11aへ供給する電力よりも大きくする。
このため、外周板状コイル300への投入電力を高くすることができる。例えば、被加熱物5として大きな鍋を用いて煮込み調理を行った場合、外周板状コイル300への投入電力が低くなると、加熱部位(面積)の大きな外周部を十分に加熱することできず、外周板状コイル300と内周コイル11aの投入電力の切り替えによる対流煮込みが不十分となることがある。本実施の形態2においては、被加熱物5の加熱部位(面積)の大きな外周部を十分に加熱することができ、対流煮込みをより強化することが可能となり、被加熱物5にしっかりと味を浸み込ませることが可能な、使い勝手の良い誘導加熱調理器を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、外周板状コイル300へ供給する高周波電流の周波数を、内周コイル11aへ供給する高周波電流の周波数よりも高くする動作について説明する。
なお、本実施の形態3における誘導加熱調理器100の構成は、上記実施の形態1と同様である。以下、上記実施の形態1又は2との相違点を中心に説明する。
一般に、誘導加熱調理器用の被加熱物5の中には、非磁性体の金属の中央部に磁性金属を溶射又は貼り付けたものがある。例えば、非磁性体のアルミ材質のフライパンの底の中央部にステンレスなどの磁性体金属が貼り付けられた貼付フライパンや、フライパンの底に鉄などの磁性体をコーティングした溶射フライパンなどが多く存在する。
このような異種金属の被加熱物5が加熱口に載置された場合、内周コイル11aと外周板状コイル300の駆動周波数を同一、あるいは近似した周波数に設定すると、中央部(内周部)と外周部を共に加熱することできず、内周部のみ加熱、または外周部のみ加熱されることになる。
以下、異種金属の被加熱物5を誘導加熱する動作を説明する。
使用者により、異種金属の被加熱物5を加熱調理する操作が行われると、制御部45は、駆動回路50a、50b、50cをそれぞれ駆動させる。制御部45は、外周板状コイル300へ供給する高周波電流の周波数を、内周コイル11aへ供給する高周波電流の周波数よりも高くする。例えば、駆動回路50b、50cの駆動周波数を60kHzに設定し、外周板状コイル300へ60kHzの高周波電流を供給する。また、駆動回路50aの駆動周波数を22kHzに設定し、内周コイル11aへ22kHzの高周波電流を供給する。
ここで、駆動回路50b、50cの駆動周波数を、駆動回路50aの駆動周波数よりも可聴周波数(20kHz)以上高く設定する。近接する2つのコイルの駆動周波数の差分に起因して、鍋などの被加熱物5から異音(うなり音)が発生することがある。本実施の形態3では、駆動周波数の差分を可聴周波数よりも高く設定しているため、異音が聞こえず、異音の発生を抑制することができる。
なお、誘導加熱させる火力に応じて、各駆動回路50におけるオンデューティ比を可変しても良い。
また、被加熱物5の材質を判定する負荷判定手段を備え、加熱口に載置された被加熱物5が異種金属の材質であるか否かを判定し、異種金属で有る場合には、上記動作を行うようにしても良い。
以上のように本実施の形態3においては、外周板状コイル300へ供給する高周波電流の周波数を、内周コイル11aへ供給する高周波電流の周波数よりも高くする。
このため、異種金属の被加熱物5の内周部および外周部を共に誘導加熱することができる。よって、貼付フライパンや溶射フライパンを用いた炒め物調理を行った場合でも、調理性能を確保した、使い勝手の良い誘導加熱調理器を得ることができる。もちろんフライパン底の材質が一種類(一様)の場合は、内周コイル11aと外周板状コイル300の駆動周波数を同一にすることで同様の効果を得ることができる。
特に、外周板状コイル300へ供給する高周波電流の周波数を高くする場合、外周板状コイル300を駆動する駆動回路50b、50cのスイッチング素子に窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いることで、高周波駆動でのスイッチング素子の損失を抑制することができ、より一層の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図13は、実施の形態4に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す斜視図である。
図13に示すように、本実施の形態4における外周板状コイル300は、分割されていない一つの環状導電体310dと、磁性コア320dと、一次コイル330dとから構成されている。
環状導電体310dは、内周コイル11aよりも径が大きい円形形状を有し、内周コイル11aに対して同心円状に配置されている。即ち、内周コイル11aは、加熱口の中央に配置され、環状導電体310dは、内周コイル11aの外周側に配置されている。
一次コイル330dは、絶縁皮膜された任意の金属(例えば銅、アルミなど)からなる導電線が磁性コア320dに巻回されることにより構成されている。
磁性コア320dは、例えばフェライトによって構成され、一次コイル330dに高周波電流を流した時に発生する高周波磁束が環状導電体310dと鎖交する磁気回路を構成するように配置されている。
環状導電体310dの下には、例えばフェライトなどの磁性材料により形成された棒状の磁性体71が複数設けられている。なお、磁性体71の形状はこれに限定されず、平板状のフェライトでも良い。
なお、その他の構成及び加熱動作は上記実施の形態1〜3の何れかと同様である。
以上のように本実施の形態4においては、外周板状コイル300を分割せずに、一つの環状導電体310dで構成することにより、外周板状コイル300の抵抗およびインダクタンスを大きくすることができる。インダクタンスが大きくなることで外周コイルの電力変換効率が改善するため、一次コイル330に流す高周波電流を低くすることが可能となり、変換損失の少ない誘導加熱調理器100を得ることができる。
なお、外周板状コイル300と内周コイル11aには、別々の駆動回路50により高周波電流が供給されるため、被加熱物5にフライパンや大きな鍋を用いた場合でも同様の効果を奏することができる。
実施の形態5.
図14は、実施の形態5に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。
図14において、第1の加熱手段11は、中央に配置された内周板状コイル12a(第1加熱部)と、内周板状コイル12aの周囲に配置された外周コイル12b、12c(第2加熱部)とで構成されている。第1の加熱手段11の外周は、第1の加熱口1に対応した略円形状である。
内周板状コイル12aは、上記実施の形態1と同様に、環状導電体310、磁性コア320(図示省略)、一次コイル330(図示省略)とを備えている。
環状導電体310dの下には、例えばフェライトなどの磁性材料により形成された棒状の磁性体(図示省略)が複数設けられている。なお、磁性体の形状はこれに限定されず、平板状のフェライトでも良い。例えば、平面視において、環状導電体310の外縁を囲む範囲の面積に占める磁性体の面積の割合が50%以上であることが望ましい。
外周コイル12bは、外周左コイル121bと外周右コイル122bとから構成されている。外周コイル12cは、外周上コイル121cと外周下コイル122cとから構成されている。外周左コイル121bと外周右コイル122bは、直列に接続されて一つの駆動回路50により駆動制御される。また、外周上コイル121cと外周下コイル122cは、直列に接続されて一つの駆動回路50により駆動制御される。
外周左コイル121b、外周右コイル122b、外周上コイル121c、及び外周下コイル122c(以下「外周コイル」とも言う)は、内周板状コイル12aの円形の外形にほぼ沿うようにして、内周板状コイル12aの周辺に配置されている。
4つの外周コイルは、略1/4円弧状(バナナ状または胡瓜状)の平面形状を有しており、絶縁皮膜された任意の金属(例えば銅、アルミなど)からなる導電線を外周コイルの1/4円弧状の形状に沿って巻きつけることで構成される。すなわち、外周コイルは、内周板状コイル12aに隣接する1/4円弧状領域において、内周板状コイル12aの円形の平面形状に実質的に沿って延びるように構成されている。なお、外周コイルの数は4つに限定されるものではない。また、外周コイルの形状もこれに限るものではなく、例えば円形の外周コイルを複数用いた構成でもよい。
本実施の形態5における第1の加熱手段11は、駆動回路50a、50b、50cにより駆動制御される。即ち、内周板状コイル12aを構成する一次コイル330は、駆動回路50aにより駆動制御される。また、外周コイル12bを構成する外周左コイル121bと外周右コイル122bは、駆動回路50bにより駆動制御される。また、外周コイル12cを構成する外周上コイル121cと外周下コイル122cは、駆動回路50cにより駆動制御される。
なお、その他の構成は上記実施の形態1と同様である。また、加熱動作は上記実施の形態1〜3の何れかと同様である。
このような構成においても上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態5においては、加熱口の中央に配置された内周板状コイル12aが環状導電体310を有している。このため、内周板状コイル12aへの投入電力(投入火力)を高くすることができる。このため、例えば、小径の被加熱物5を高火力で誘導加熱することができ、短時間で美味しく調理することが可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
実施の形態6.
図15は、実施の形態6に係る誘導加熱調理器の第1の加熱手段を模式的に示す平面図である。
図15において、第1の加熱手段11は、中央に配置された内周板状コイル12a(第1加熱部)と、内周コイル11aの周囲に配置された、外周左板状コイル111b、外周右板状コイル112b、外周上板状コイル111c、及び外周下板状コイル112c(第2加熱部)とで構成されている。
内周板状コイル12aは、上記実施の形態5と同様の構成である。
外周左板状コイル111b、外周右板状コイル112b、外周上板状コイル111c、及び外周下板状コイル112cは、上記実施の形態1と同様の構成である。
なお、その他の構成は上記実施の形態1と同様である。また、加熱動作は上記実施の形態1〜3の何れかと同様である。
このような構成により、内周板状コイル12a、外周左板状コイル111b、外周右板状コイル112b、外周上板状コイル111c、及び外周下板状コイル112cの全てについて、耐熱性を大幅に改善することができる。
1 第1の加熱口、2 第2の加熱口、3 第3の加熱口、4 天板、5 被加熱物、11 第1の加熱手段、11a 内周コイル、12 第2の加熱手段、12a 内周板状コイル、12b 外周コイル、12c 外周コイル、13 第3の加熱手段、21 交流電源、22 直流電源回路、22a ダイオードブリッジ、22b リアクタ、22c 平滑コンデンサ、23 インバータ回路、23a、23b IGBT、23c、23d ダイオード、24a 共振コンデンサ、25a 入力電流検出手段、25b コイル電流検出手段、40 操作部、40a〜40c 操作部、41 表示部、41a〜41c 表示部、43 表示操作部、45 制御部、46 吸気口、47 排気口、50 駆動回路、50a 駆動回路、50b 駆動回路、50c 駆動回路、60 送風機、70 磁性体、70a 溝、71 磁性体、80 磁性体、100 誘導加熱調理器、111a 内周内コイル、111b 外周左板状コイル、111c 外周上板状コイル、112a 内周外コイル、112b 外周右板状コイル、112c 外周下板状コイル、121b 外周左コイル、121c 外周上コイル、122b 外周右コイル、122c 外周下コイル、300 外周板状コイル、310 環状導電体、310a 水平部、310b 垂直部、310d 環状導電体、311b 環状導電体、311c 環状導電体、312b 環状導電体、312c 環状導電体、320 磁性コア、320d 磁性コア、321b 磁性コア、321c 磁性コア、322b 磁性コア、322c 磁性コア、330 一次コイル、330d 一次コイル、331b 外周左一次コイル、331c 外周上一次コイル、332b 外周右一次コイル、332c 外周下一次コイル。

Claims (16)

  1. 被加熱物が載置される天板と、
    前記天板に形成され、前記被加熱物の載置位置を示す加熱口と、
    前記天板の前記加熱口の下方に配置され、前記被加熱物を誘導加熱する第1加熱部及び第2加熱部と、
    磁性材料により形成された第1磁性体と、
    磁性材料により形成された第2磁性体と、
    前記第1加熱部を駆動する第1駆動回路と、
    前記第1駆動回路とは別に設けられ、前記第2加熱部を駆動する第2駆動回路と、
    を備え、
    前記第1加熱部は
    平板状の導電材料を環状に形成した環状導電体と、
    前記第1駆動回路からの第1高周波電流が供給されることによって第1高周波磁束を発生する第1コイルと、
    磁性材料により形成され、前記第1高周波磁束が前記環状導電体と鎖交する磁気回路を構成するコアと、を有し、
    前記第2加熱部は、導線を巻いて形成した加熱コイルにより構成され、
    前記第1磁性体は、前記環状導電体の下方に配置され、
    前記第2磁性体は、前記加熱コイルの下方に配置され、
    平面視において、
    前記加熱コイルの外縁が囲む範囲の面積に占める前記第2磁性体の面積の割合が、
    前記環状導電体の外縁を囲む範囲の面積に占める前記第1磁性体の面積の割合よりも小さい
    誘導加熱調理器。
  2. 前記加熱コイル及び前記環状導電体へ送風する送風機を備え、
    前記加熱コイルへ供給される風量が、前記環状導電体へ供給される風量よりも大きい
    請求項に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記第1磁性体は、
    1つの前記環状導電体に対して1つ又は複数設けられ、
    平面視において、
    前記環状導電体の外縁を囲む範囲の面積に占める前記第1磁性体の面積の割合が、50%以上である
    請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記第1磁性体は、平板状のフェライトにより構成された
    請求項1〜3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記第1磁性体は、前記環状導電体が配置される溝が形成された
    請求項1〜4の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記第1磁性体は、前記加熱口の外周側の端部が、前記環状導電体よりも外周側に配置された
    請求項1〜5の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記環状導電体は、前記加熱コイルよりも前記天板に近い位置に配置された
    請求項1〜6の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記環状導電体は、前記天板に接触した
    請求項1〜7の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記環状導電体及び前記加熱コイルは、それぞれ径が異なり、同心円状に配置された
    請求項1〜8の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記加熱コイルは、前記加熱口の中央に配置され、
    前記環状導電体は、前記加熱コイルの外周側に配置された
    請求項に記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記環状導電体は、前記加熱口の中央に配置され、
    前記加熱コイルは、前記環状導電体の外周側に配置された
    請求項に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記環状導電体は、一つの前記加熱口に対して複数設けられ、
    前記加熱コイルは、前記加熱口の中央に配置され、
    複数の前記環状導電体は、前記加熱コイルの周辺に配置された
    請求項1〜8の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  13. 被加熱物が載置される天板と、
    前記天板に形成され、前記被加熱物の載置位置を示す加熱口と、
    前記天板の前記加熱口の下方に配置され、前記被加熱物を誘導加熱する第1加熱部及び第2加熱部と、
    前記第1加熱部を駆動する第1駆動回路と、
    前記第1駆動回路とは別に設けられ、前記第2加熱部を駆動する第2駆動回路と、
    前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記第1加熱部は、
    平板状の導電材料を環状に形成した環状導電体と、
    前記第1駆動回路からの第1高周波電流が供給されることによって第1高周波磁束を発生する第1コイルと、
    磁性材料により形成され、前記第1高周波磁束が前記環状導電体と鎖交する磁気回路を構成するコアと、を有し、
    前記第2加熱部は、導線を巻いて形成した加熱コイルにより構成され、
    前記制御装置は、
    前記第1加熱部へ供給する電力の最大値を、前記第2加熱部へ供給する電力の最大値よりも大きくする
    導加熱調理器。
  14. 前記制御装置は、
    前記第1加熱部による誘導加熱と前記第2加熱部による誘導加熱とを交互に切り替える調理モードにおいて、
    前記第1加熱部へ供給する電力を、前記第2加熱部へ供給する電力よりも大きくする
    請求項13に記載の誘導加熱調理器。
  15. 前記制御装置は、
    前記第1加熱部へ供給する電力が3000W以下となるように前記第1駆動回路を制御し、
    前記第2加熱部へ供給する電力が2000W以下となるように前記第2駆動回路を制御する
    請求項13又は14に記載の誘導加熱調理器。
  16. 前記制御装置は、
    前記第1加熱部へ供給する高周波電流の周波数を、前記第2加熱部へ供給する高周波電流の周波数よりも高くする
    請求項13〜15の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
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