JP5943683B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、発明は誘導加熱装置に関するものである。
従前より、複数の加熱コイルを有し、鍋底の大きさによって高周波電流を供給するコイルを切り替える誘導加熱装置が提案されている。
特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、小径の第1の加熱コイルおよび大径の第2の加熱コイルと、切換スイッチと、ダイオードに逆並列されたトランジスタとを有し、入力電力が設定値より大きい(大鍋が載置された)場合には第1および第2の加熱コイルに高周波電流が流れ、入力電力が設定値より小さい(小鍋が載置された)場合には小径の第1の加熱コイルのみに高周波電流が流れるように切換スイッチを切り換えるように構成されている。
また特許文献2に記載の誘導加熱調理器は、同様に小径の加熱コイルおよび大径の加熱コイルと、各加熱コイルへの高周波電流の供給のオンオフを切り換える複数の切替スイッチと、各加熱コイルの上方に鍋が載置されたか否かを検知する複数の鍋検知装置とを有し、小径の鍋を用いて加熱調理する場合には小径の加熱コイルのみに高周波電流を供給し、大径の鍋を用いて加熱調理する場合には小径および大径の加熱コイルに高周波電流を供給することが提案されている。ただし特許文献2に記載の誘導加熱装置においては、小径の加熱コイルの直径よりやや大きい鍋(中鍋)においては、小径の加熱コイルのみに給電され、大径の加熱コイルへの高周波電流の供給は停止される。
特開昭62−61289号公報 特開昭59−114789号公報
小径および大径の加熱コイルを有する誘導加熱調理器において、小径の加熱コイルの直径より大きく、大径の加熱コイルより小さい鍋(以下、単に「中鍋」という。)を用いて調理加熱するとき、特許文献1および2では小径の加熱コイルのみに高周波電流が供給されるため、中鍋の半径方向外側領域における加熱が十分でないという問題があった。
また中鍋を用いて調理加熱する際にも大径の加熱コイルに高周波電流を供給することにより、中鍋の半径方向外側領域における加熱を改善することは可能であるが、中鍋の半径方向外側領域は、大径の加熱コイルから離間して載置されるため、大径の加熱コイルとの間の磁気的結合が弱く、十分な加熱が阻害されることがあった。
そこで本願発明は、小径の中央加熱コイルの周辺に配置された複数の周辺加熱コイルと鍋との磁気的結合を改善し、鍋の外側領域を周辺加熱コイルにより十分に加熱して、鍋全体を均一に加熱することができる誘導加熱装置を実現することを目的とするものである。
願発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、誘導加熱装置に関し、この誘導加熱装置は、トッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された中央コイル、およびこれに直列に接続された中央共振コンデンサとからなる中央LCR誘導加熱部と、前記トッププレートの下方で前記中央コイルの周囲に配置された複数の周辺コイル、およびこれらに直列に接続された周辺共振コンデンサとからなる複数の周辺LCR誘導加熱部と、前記中央LCR誘導加熱部に高周波電流を供給する中央インバータと、前記各周辺LCR誘導加熱部に高周波電流を互いに独立して供給する複数の周辺インバータと、前記中央インバータおよび前記周辺インバータに所定の駆動周波数を有する制御信号を供給する駆動制御部と、前記中央LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する中央駆動電圧検出手段と、前記各周辺LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する複数の周辺駆動電圧検出手段と、前記中央LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する中央駆動電流検出手段と、前記各周辺LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する複数の周辺駆動電流検出手段と、前記中央LCR誘導加熱部の駆動電圧および駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む中央1次駆動電圧および中央1次駆動電流を抽出する中央1次成分抽出手段と、前記各周辺LCR誘導加熱部の駆動電圧および駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む周辺1次駆動電圧および周辺1次駆動電流を抽出する周辺1次成分抽出手段とを備える。
また駆動制御部は、a)前記中央1次駆動電圧および前記中央1次駆動電流から、前記中央LCR誘導加熱部の負荷抵抗を算出するとともに、前記中央LCR誘導加熱部の負荷抵抗が所定の閾値より大きいとき、その中央コイルの上方に被加熱体が載置されたと判定し、b)前記各周辺1次駆動電圧および前記各周辺1次駆動電流から、前記各周辺LCR誘導加熱部の負荷抵抗を算出するとともに、それぞれの前記各周辺LCR誘導加熱部の負荷抵抗が所定の閾値より大きいとき、その周辺コイルの上方に被加熱体が載置されたと判定し、c)被加熱体が載置されたと判定された前記中央コイルおよび前記各周辺コイルに高周波電流を供給するように前記中央インバータおよび前記周辺インバータを制御する。そして少なくとも1つの前記周辺コイルは、前記トッププレートに対して前記中央コイルより接近して配置され、前記各周辺インバータに供給される制御信号の駆動周波数は、前記各周辺コイルの周辺共振周波数に応じて異なることを特徴とするものである。
本願発明に係る誘導加熱装置によれば、少なくとも1つの周辺コイルをトッププレートに対して中央コイルより接近して配置することにより、各周辺コイルに対して検出される鍋の見かけ上の負荷抵抗を増大させて、特に中鍋の側面部をより強く加熱して、中鍋の全体を均一に加熱することができる。
本願発明に係る誘導加熱調理器1の全体を概略的に図示する斜視図である。 トッププレートの一部を省略してIH加熱部を上から見た平面図である。 本願発明の誘導加熱調理器の電気的構成を模式的に示した概念図である。 本願発明の電源装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。 駆動電圧検出手段および駆動電流検出手段により検出されたコイル駆動1周期における駆動電圧および駆動電流の波形図である。 一般的なLCR共振回路の共振回路モデルを示すものである。 実施の形態1に係るIH加熱部の図2のVII−VII線からみた断面図である。 実施の形態1に係るIH加熱部を下から見た底面図である。 小鍋がIH加熱部の上方に載置された際に、各加熱コイルに供給される駆動電流を示すタイミングチャートである。 中央コイルに供給される高周波電流を増大させた場合の図9と同様のタイミングチャートである。 中鍋がIH加熱部の上方に載置された際に、各加熱コイルに供給される駆動電流を示すタイミングチャートである。 中央コイルに供給される高周波電流を増大させた場合の図11と同様のタイミングチャートである。 大鍋がIH加熱部の上方に載置された際に、各加熱コイルに供給される駆動電流を示すタイミングチャートである。 中央コイルに供給される高周波電流を増大させた場合の図13と同様のタイミングチャートである。 (a)は、周辺コイルとトッププレートとの間の距離を変えた鍋を誘導加熱したときの鍋を上から見た表面温度分布を示すコンター図であり、(b)は鍋の直径を通る中心線に沿った鍋発熱温度の分布を示すグラフである。 (a)は、周辺コイルとトッププレートとの間の距離を変えた鍋を誘導加熱したときの鍋を側面から見たときの側面温度分布を示すコンター図であり、周辺コイルとトッププレートとの間の距離が同一である鍋を誘導加熱したときの鍋を側面から見たときの側面温度分布を示すコンター図である。 実施の形態1の変形例1のIH加熱部を卵焼き調理に用いた場合の図2と同様の平面図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器において、各周辺コイルに供給する高周波電流の駆動周波数を変えて鍋を誘導加熱した際、各周辺コイルの合成抵抗Rを示す。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器において、各周辺コイルに供給する高周波電流の駆動周波数を変えて鍋を誘導加熱した際、各周辺コイルの加熱効率ηを示す。 実施の形態2の変形例2において、各周辺コイルに供給される高周波電流の駆動周波数を周方向に変化させたときの駆動周波数のタイミングチャートである。 実施の形態2の変形例2において、対向する周辺コイルに供給される高周波電流の駆動周波数を交互に変化させたときの駆動周波数のタイミングチャートである。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器のIH加熱部の断面図である。 実施の形態3の変形例3において、各周辺コイルの下方に配置された磁性体を変形したもので、(a)は磁性体の個数を変更し、(b)は磁性体を台形平面形状とし、(c)は磁性体を扇形形状とし、(d)は磁性体をドーナツ形状に変更したものである。
本発明は、任意の誘導加熱装置全般に関するものであり、産業用の焼成炉や乾燥炉などにも適用可能であるが、民生用の加熱調理器としても同等に利用することができる。以下、添付図面を参照して、本発明に係る加熱装置の具体例として、誘導加熱調理器の実施の形態について説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば「上方」、「下方」、「右」および「左」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものでない。
実施の形態1.
図1〜図17を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1について以下詳細に説明する。図1は、本願発明に係る誘導加熱調理器1の全体を概略的に図示する斜視図である。図1および図2において、誘導加熱調理器1は、概略、筐体2、その上側表面のほぼ全体を覆うガラスなどで形成されたトッププレート3、左右に配置された一対のIH加熱部10,11、中央に配置された中央加熱部4、および調理用グリル5を有する。なお、中央加熱部4は、IH(誘導加熱)方式またはラジエント方式のいずれの加熱方式を採用するものであってもよい。
なお、図1では図中左側に示すIH加熱部10のみが本願発明に係るIH加熱部として図示説明するが、図中右側、あるいは両方のIH加熱部10,11が本願発明を採用するものであってもよい。また、調理用グリル5が筐体2のほぼ中央に配置された、いわゆるセンタグリル構造を有する誘導加熱調理器1について例示的に説明するが、本願発明は、これに限定されるものではなく、調理用グリル5がいずれか一方の側面に偏ったもの(いわゆるサイドグリル構造を有する誘導加熱調理器)、または調理用グリル5を具備しない誘導加熱調理器にも同様に適用することができる。
誘導加熱調理器1は、ユーザがIH加熱部10,11、中央加熱部4および調理用グリル5を操作するために用いられる操作パネル6および火力調整ダイヤル7a,7b、ならびにこれらの制御状態を表示するための液晶表示部8を備える。また誘導加熱調理器1は、トッププレート3上の後面側に設けられた吸気窓9aおよび一対の排気窓9bを有する。さらに、後述のように、誘導加熱調理器1にはIH加熱部10,11に高周波電流を供給する電源装置12が内蔵されている。
図2(a)は、トッププレート3の一部を省略してIH加熱部10を上から見た平面図である。図示のように、IH加熱部10は、中央に配置された少なくとも1つの加熱コイル(以下、単に「中央コイル」という。)20と、中央コイル20の周囲に配置された複数(好適には4つ以上)の加熱コイル(以下、単に「周辺コイル」という。)30a〜30dとを有する。すなわちIH加熱部10は、少なくとも1つの中央加熱コイル20と複数の周辺加熱コイル30a〜30dが協働して(一組として)単一の鍋Kを加熱するものである。
本願発明に係る中央コイル20は、直列に接続された内側中央コイル20aおよび外側中央コイル20bを有していてもよく、ともに円形の平面形状を有し、絶縁被膜された任意の金属からなる導電線(たとえばリッツ線等)の巻線が渦巻状に捲回されることにより構成されている。一方、各周辺コイル30a〜30dは、1/4円弧状(バナナ状または胡瓜状)の平面形状を有し、同様の導電線を各周辺コイル30a〜30dの1/4円弧状の形状に沿って捲回することにより形成されている。すなわち、各周辺コイル30a〜30dは、外側中央コイル20bに隣接する1/4円弧状領域において外側中央コイル20bの円形の平面形状に実質的に沿って延びるように構成されている。そして中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dは、互いの巻線間に間隙を設け、互いに対する磁気的結合に影響が少なくなるように配置されている。また、中央コイル20および周辺コイル30a〜30dは、これらを支持するコイルベース14上に固定されており、コイルベース14の下方には磁気抵抗を低減するための棒状の磁性体(フェライトコア)15,16が配設されている(図7)。
なお、中央コイル20および周辺コイル30は、図2(a)の他、たとえば図2(b)〜図2(d)に示すような個数および配置構成を有するものであってもよい。図2(a)〜図2(d)において、中央コイル20および周辺コイル30上に示す矢印は、ある時点における高周波電流の向きの一例を示すものであり、図中、中央コイル20と各周辺コイル30a〜30dの内側に流れる電流はコイルの近接部分において同一方向となるように制御されている。
図3は、本願発明の誘導加熱調理器1の電気的構成を模式的に示した概念図である。具体的には、図3に示す誘導加熱調理器1は、概略、中央コイル20に高周波電流を流すための中央インバータ40および各周辺コイル30a〜30dに高周波電流を流すための周辺インバータ50a〜50dからなる電源装置12と、鍋Kなどの被加熱体の載置状態を検知する検知回路部(1次成分抽出手段)60(70)と、検知回路部60(70)が検知したインピータンス(負荷抵抗)や共振周波数等の負荷情報を元に各インバータ40,50a〜50dを制御する駆動制御部80とを有する。
図3の概念図において、ユーザが火力調整ダイヤル7(図示せず)を操作して、所望の「火力」が設定されると、駆動制御部80は、中央インバータ40および各周辺コイル30a〜30dが中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに、設定された火力に応じた適当な高周波電流が独立して供給されるように、各インバータ40,50a〜50dを制御する。
ここで図4を参照しながら、電源装置12の具体的構成およびその動作について詳細に説明する。図4は、本願発明に係る電源装置12の電気的構成を示す回路ブロック図である。電源装置12は、概略、商用電源ACを直流電流に変換するコンバータ(例えばダイオードブリッジ)92と、コンバータ92の出力端に接続された平滑用コンデンサ94と、平滑用コンデンサ94に並列に接続された中央コイル20のための中央インバータ40と、同様に平滑用コンデンサ94に並列に接続された各周辺コイル30a〜30dのための周辺インバータ50a〜50dとを備える。
コンバータ92および平滑用コンデンサ94からなる整流回路は、全波整流または半波整流するものであってもよく、直流成分を得るためのインダクタンスやコンデンサを含むフィルタ回路(ともに図示せず)を有するものであってもよい。
各インバータ40,50a〜50dは、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などのスイッチング素子(図示せず)を有し、当業者に知られた任意のものを用いることができ、たとえばハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成することができる。
また各インバータ40,50a〜50dは、整流回路の直流電圧から高周波電流を生成し、それぞれ中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに高周波電流を独立して供給するものである。図4において、中央コイル20と周辺コイル30a〜30dは、それぞれ、インダクタンスLおよび抵抗Rの等価回路として図示されている。また中央インバータ40は、中央コイル20と共振する共振用コンデンサ42を介して中央コイル20に接続されており、中央コイル20と共振用コンデンサ42は中央LCR誘導加熱部44を構成している。同様に、各周辺インバータ50a〜50dは、各周辺コイル30a〜30dと共振する共振用コンデンサ52a〜52dを介して各周辺コイル30a〜30dに接続されており、各周辺コイル30と共振用コンデンサ52〜52dはそれぞれ周辺LCR誘導加熱部54a〜54dを構成している。すなわち、中央インバータ40および周辺インバータ50a〜50dは、駆動制御部80からの制御信号を受けて、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに任意の駆動条件で高周波電流を供給することができる。
中央コイル20と周辺コイル30a〜30dに高周波電流が供給されると、その周囲に交流磁場を形成し(交流磁場が導電体からなる被加熱体Kに鎖交し)、被加熱体Kに渦電流を形成して、被加熱体K自体を加熱する。
一般に、LCR誘導加熱部44,54の負荷抵抗Rは、被加熱体Kの有無または載置状態(被加熱体Kに鎖交する交流磁場)に依存して変動する。すなわち負荷抵抗Rは、鍋Kが載置されていないときの加熱コイル20,30自体の線抵抗Rに、鍋Kを載置したことによる鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rを加えたものに相当する(R=R+R)。
また本願発明に係る中央LCR誘導加熱部44は、図4に示すように、中央LCR誘導加熱部44の両端に印加される駆動電圧Vを検出する中央駆動電圧検出手段46と、中央LCR誘導加熱部44に流れる駆動電流Iを検出する中央駆動電流検出手段48と、中央1次成分抽出手段60とを有する。同様に、各周辺LCR誘導加熱部54a〜54dは、その両端に印加される駆動電圧Vを検出する周辺駆動電圧検出手段56a〜56dと、各周辺LCR誘導加熱部54a〜54dに流れる駆動電流Iを検出する周辺駆動電流検出手段58a〜58dと、周辺1次成分抽出手段70a〜70dとを有する。
中央1次成分抽出手段60および周辺1次成分抽出手段70a〜70dは、同様の回路構成を有し、同様の動作を行うものであるから、「1次成分抽出手段」として、その構成および動作を以下説明する。
インバータ40,50は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などのスイッチング素子を含むものであり、IGBTを所定の駆動周波数(たとえば30kHz)を有する制御信号(ゲート信号)で駆動するとき、駆動電圧検出手段46,56および駆動電流検出手段48,58は、図5に示すような高周波変調された駆動電圧Vおよび駆動電流Iを検出する。
高周波変調された駆動電圧Vおよび駆動電流Iは、図5に示すように、駆動周波数の整数倍の高次周波数成分を含む合成波形として表される。そして本願発明に係る1次成分抽出手段60,70a〜70dは、駆動電圧検出手段46,56および駆動電流検出手段48,58で検出された駆動電圧Vおよび駆動電流I(図5)を、たとえば駆動周波数の2倍以上の整数倍(たとえば30倍)のサンプリング周波数を用いて離散フーリエ変換することにより、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分だけを抽出するものである。より具体的には、1次成分抽出手段60,70a〜70dは、アナログ信号として検出された駆動電圧Vおよび駆動電流Iを高いサンプリング周波数でデジタル信号に変換してサンプリングするA/D変換器(図示せず)を有し、ここでサンプリングされた複数の高次周波数成分を有する信号から1次成分のみの信号を抽出するものである。なお高次周波数成分を有する信号から1次成分のみの信号を抽出する手法およびアルゴリズムとしては任意のものを利用することができ、一般に市販されたソフトウェアを用いて駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分だけを抽出することができる。
このとき、本願発明に係る1次成分抽出手段(検知回路部)60,70a〜70dは、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分として次式のように複素表示することができる。
ここでV,Iは駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分を示し、V1Re,I1ReはV,Iの実部、V1Im,I1ImはV,Iの虚部、そしてjは虚数単位を示す。
また、各LCR誘導加熱部44,54のインピーダンスZ、および駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相(駆動電流Iに対する駆動電圧Vの位相またはインピーダンスZの位相)θは次式で表される。
ここでIm(Z)およびRe(Z)はそれぞれインピーダンスZの虚部および実部を意味する。なお、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相は、arctanの代わりにarcsinまたはarccosを用いて算出してもよい。位相θが90度付近ではarctanは発散し、誤差を多く含み得るので、arcsinまたはarccosを用いて位相θを算出することが好ましい場合がある。
さらに本願発明に係る誘導加熱調理器1は、図4に示すように、各インバータ40,50および1次成分抽出手段60,70a〜70dに電気的に接続された駆動制御部80を備える。本願発明に係る駆動制御部80は、[数2]より1次成分抽出手段60,70a〜70dが抽出した複素表示の1次成分の駆動電圧Vおよび駆動電流Iから、LCR誘導加熱部44,54のインピーダンスZおよび駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相(偏角)θを算出し、これに基づいて各インバータ40,50に適当な駆動信号(ゲート信号)を供給するものである。
同様に、本願発明に係る駆動制御部80は、次式で表されるLCR誘導加熱部44,54の有効電力値Wおよび電流実効値Iを算出することができる。
ここでI はIの複素共役を示す。
以上のように、本願発明に係る駆動制御部80は、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から、LCR誘導加熱部44,54のインピーダンスZ、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの位相(駆動電流Iに対する駆動電圧Vの位相またはインピーダンスZの位相)θ、有効電力値Wおよび電流実効値Iを算出することができる。
一方、LCR誘導加熱部を含む一般のLCR回路において、負荷抵抗R、インピーダンスZ、加熱コイル20,30のインダクタンスLおよび共振周波数Frは次式で表される。
ここでωは1次成分の周波数f(定義より駆動周波数と同一、ω=2πfで表される)であり、Cは共振コンデンサ24の静電容量であって、ともに既知である。したがって本願発明に係る駆動制御部80は、[数2]で算出したθを用いて、[数4]から共振周波数Frと負荷抵抗R(=R+R)を求めることができる。
同様に、共振周波数Frは以下のように求めることができる。上記[数2]および[数4]のように、負荷抵抗R、インピーダンスZは次式で表わされる。
上記[数5]より、中央コイルおよび周辺コイル20,30のインダクタンスLは次式で表すことができる。
したがって、上記[数6]より得られたインダクタンスLと共振コンデンサ42,52の既知の静電容量Cより共振周波数Frを求めることができる。
本願発明に係る駆動制御部80は、以下詳述するように、複数の中央コイルおよび周辺コイル20,30のそれぞれに対して、駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から共振周波数Fr(またはインダクタンスL)と負荷抵抗Rとを検出することにより、被加熱体Kの載置面積(鍋Kの有無を含む)および被加熱体Kの材質を検知して、中央コイルおよび周辺コイル20,30に対する鍋Kの負荷抵抗の比に応じて供給すべき電力を制御することができる。
すなわち駆動制御部80は、中央コイル20のLCR誘導加熱部44の両端に印加される中央1次駆動電圧Vおよびこれに流れる中央1次駆動電流Iから、LCR誘導加熱部44の負荷抵抗(RL1)を算出するとともに、負荷抵抗(RL1)が所定の閾値(RL1th)より大きいとき(RL1>RL1th)、その中央コイルの上方に鍋Pが載置されたと判定する。同様に、駆動制御部80は、各周辺コイル30a〜30dのLCR誘導加熱部54の両端に印加される周辺1次駆動電圧Vおよびこれらに流れる周辺1次駆動電流Iから、各LCR誘導加熱部54a〜54dの負荷抵抗(RL21,RL22,RL23,RL24)を算出するとともに、負荷抵抗(RL21,RL22,RL23,RL24)がそれぞれの所定の閾値(RL21th,RL22th,RL23th,RL24th)より大きいとき、各周辺コイル30a〜30dの上方に鍋Pが載置されたと判定する。
そして、駆動制御部80は、鍋Pが載置されたと判定された中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに高周波電流を供給するように中央インバータ40および各周辺インバータ50a〜50dを制御する
また駆動制御部80は、中央コイル20のLCR誘導加熱部44の中央1次駆動電圧Vおよび中央1次駆動電流Iから、中央コイル20の中央共振周波数(Fr)を算出し、各周辺1次駆動電圧Vおよび各周辺1次駆動電流Iから、各周辺コイル30a〜30dの周辺共振周波数(Fr21,Fr22,Fr23,Fr24)を算出する。このとき、駆動制御部80は、中央共振周波数(Fr)より高い駆動周波数を有する制御信号を中央インバータ40に供給するとともに、中央共振周波数(Fr)より可聴域周波数(ΔFr=約20Hz〜約20kHz)以上高い駆動周波数(Fr21,Fr22,Fr23,Fr24>Fr+ΔFr)を有する制御信号を各周辺インバータ50a〜50dに供給する。
なお本願発明に係る駆動制御部80は、図2の高周波変調された駆動電圧および駆動電流の単一の周期(すなわち、駆動周波数が30kHzのとき、1周期は約33マイクロ秒)において検知された位相から、複数の加熱コイルのそれぞれに対して、共振周波数Fr(または加熱コイル20,30のインダクタンスL)と負荷抵抗Rを極めて短い時間で算出することができる。
以上のように、検知回路部(1次成分抽出手段)60,70は、各LCR誘導加熱部44,54について抽出された駆動電圧Vおよび駆動電流Iの1次成分から、共振周波数Fr(またはインダクタンスL)と負荷抵抗Rとを検出することができる。
図6は、一般的なLCR共振回路の共振回路モデルを示すものである。LCR誘導加熱部44,54が鍋Kを加熱する電力Pは、LCR誘導加熱部44,54に流れる駆動電流Iの2乗および負荷抵抗(合成抵抗)Rに比例し、負荷抵抗Rは、上述のとおり、加熱コイル20,30自体の線抵抗Rに、鍋Kを載置したことによる鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rを加えたものに相当する。
加熱電力Pを増大させるためには、駆動電流Iを増大させるか、負荷抵抗(合成抵抗)Rを増大させる必要がある。ただし、駆動電流Iを増大させると、中央コイルおよび周辺コイル20,30自体の線抵抗Rによる電力損失が増大するので、鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rを増大させることにより、加熱電力Pを増大させることが好ましい。
そして駆動制御部80は、たとえば検知回路部60,70で検知された負荷抵抗R(合成抵抗R=R+R)が所定の値を超えない場合、すなわち鍋Kによる見かけ上の負荷抵抗Rが小さいとき、中央コイル20または周辺コイル30a〜30d上には鍋Kが載置されていないか、鍋Kの一部のみが載置されていると判断して、その中央コイル20または周辺コイル30a〜30dに対する高周波電流の供給を停止または抑制することができる。
また駆動制御部80は、たとえば検知回路部60,70で検知された共振周波数Frが所定の値を超える場合、中央コイル20または周辺コイル30a〜30d上に載置された鍋Kが非磁性体金属またはアルミニウムなどで構成されていることを判断して、その中央コイル20または周辺コイル30a〜30dに対する高周波電流の駆動周波数を共振周波数Frより大きくして負荷抵抗Rを増大させ、加熱効率を改善することができる。
図7(a)〜(c)は、実施の形態1に係るIH加熱部10の図2のVII−VII線からみた断面図である。図8は、IH加熱部10を下から見た底面図である。このIH加熱部10は、上述のように、コイルベース14の上面に支持された中央コイル20および複数の周辺コイル30(図7(a)〜(c)では周辺コイル30a,30cのみ図示)と、コイルベース14の下面に支持された複数の磁性体(フェライトコア)15,16と、コイルベース14の周縁部に固定された磁性キャンセルリング18とを有する。磁性体15,16のそれぞれは、中央コイル20および周辺コイル30の下方に配置されている。各フェライトコア15,16は半径方向の磁気抵抗を低減するためのものである。フェライトコア15,16は棒状に形成され、半径方向に沿って(放射状に)配置されるものであってもよい。また磁性キャンセルリング18は、鍋Kの加熱に寄与しない磁束が半径方向外側に漏洩すること遮断するものである。
図7(a)〜(c)に示すように、実施の形態1に係るIH加熱部10において、少なくとも1つ(好適にはすべて)の周辺コイル30a〜30dは、トッププレート3に対して中央コイル20より接近して配置されている。すなわち各周辺コイル30a〜30dとトッププレート3の下面との間の距離dが、中央コイル20とトッププレート3の下面との間の距離dより小さくなるように構成されている。
トッププレート3を介してIH加熱部10の上方に載置される鍋Kは、さまざまな大きさ(直径D)を有し得る。たとえば小鍋K(図7(a))、中鍋K(図7(b))、および大鍋K(図7(c))を以下のように定義する。すなわち、小鍋Kは中央コイル20の直径とほぼ同程度以下の直径を有するもの、中鍋Kは中央コイル20より大きく各周辺コイル30a〜30dを含むIH加熱部10全体の直径より小さいもの、および大鍋Kは、IH加熱部10全体の直径以上の直径を有するものとする。
小鍋K(図7(a))がIH加熱部10の上方に載置されたとき、中央1次成分抽出手段(検知回路部)60は、中央コイル20の負荷抵抗R(インピーダンス)を検出し、所定の値以上であることを判断することにより、被加熱体が中央コイル20の上方に載置されたことを検知する。一方、周辺1次成分抽出手段70は、鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rが検知されないため、周辺コイル30a〜30dの負荷抵抗Rが所定値より小さいとき、小鍋Kが周辺コイル30a〜30dの上方に載置されていないと判定する。このとき駆動制御部80は、中央コイル20には高周波電流を供給するが、周辺コイル30a〜30dに対する高周波電流の供給を停止するように中央インバータ40および各周辺インバータ50a〜50dを制御する。こうして小鍋Kの加熱に寄与しない磁束を形成する周辺コイル30a〜30dによる電力消費を回避し、高い加熱効率を実現することができる。
中鍋K(図7(b))がIH加熱部10の上方に載置されたとき、検知回路部(中央1次成分抽出手段および周辺1次成分抽出手段)60,70は、小鍋Kの場合と同様、中央コイル20の所定値以上の負荷抵抗R(インピーダンス)を検出するので、被加熱体が中央コイル20の上方に載置されたことを検知する。一方、中鍋Kは各周辺コイル30a〜30dの一部の上方に載置されるので、従来式の誘導加熱調理器においては、検知回路部70により検知される合成抵抗R(特に、鍋Kの見かけ上の負荷抵抗R)はあまり大きくなく、限定的なものとなる。しかしながら、実施の形態1に係るIH加熱部10は、各周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離dが、中央コイル20とトッププレート3の下面との間の距離dより小さくなるように構成されているため、各周辺コイル30a〜30dと被加熱体Kとの間の磁気的結合を、中央コイル20と被加熱体Kとの間の磁気的結合より強めることができる。すなわち、従来式の誘導加熱調理器においては、各周辺コイル30a〜30dの負荷抵抗R(インピーダンス)が所定値以下であると検知回路部70a〜70dにより検知されて、各周辺インバータ50a〜50dへの給電を抑制または停止されるように制御されていた場合であっても、本願発明によれば、各周辺コイル30a〜30dに高周波電流が供給されるように、駆動制御部80は各周辺インバータ50a〜50dを制御するとともに、距離dが距離dより小さいことに起因して、より大きな磁場を中鍋Kの周縁部に供給して、加熱効率を改善することができる。さらに換言すると、実施の形態1に係る誘導加熱調理器1は、距離dが距離dより小さくなるように構成することにより、各周辺コイル30a〜30dに対して検出される鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rを増大させて(各周辺インバータ50a〜50dによる磁場を鍋Kにより強く鎖交させるようにして)、特に中鍋Kのいわゆる鍋肌(側面部)をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱することができる。
大鍋K(図7(c))がIH加熱部10の上方に載置されたとき、検知回路部60,70は、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dの負荷抵抗R(インピーダンス)が所定の値以上となり、大鍋KがIH加熱部10の全体の上方に載置されたことを検知する。このとき駆動制御部80は、中央コイル20および周辺コイル30a〜30dに高周波電流が供給されるように中央インバータ40および各周辺インバータ50a〜50dを制御する。こうして実施の形態1に係る誘導加熱調理器1は、大鍋Kを最も効率よく加熱することができる。
小鍋K(図7(a))、中鍋K(図7(b))、および大鍋K(図7(c))の駆動条件のいくつかの具体例について以下説明する。
図9は、小鍋KがIH加熱部10の上方に載置されたときに、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流(高周波電流)の大きさを示すタイミングチャートであり、図中、駆動電流が供給されているときにON、供給されていないときにOFFと表記されている(以下同様)。上述のように、小鍋Kが載置されたことを中央1次成分抽出手段60のみが検知すると、駆動制御部80は、ユーザが所望する火力を得るために必要な駆動電流が中央コイル20に供給されるように中央インバータ40のみを制御し、周辺インバータ50a〜50dへの制御信号の供給を停止する。図10は、ユーザが所望する火力が大きいとき、中央コイル20に供給される高周波電流を増大させた場合の、図9と同様のタイミングチャートである。
図11および図12は、中鍋KがIH加熱部10の上方に載置されたときに、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流の大きさを示すタイミングチャートである。中鍋Kが載置されたことを検知回路部60,70が検知すると、駆動制御部80は、ユーザが所望する火力を得るために必要な駆動電流が中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給されるように中央インバータ40および周辺インバータ50a〜50dを制御する。駆動制御部80は、図11では中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流が一定となるように、図12では中央コイル20に供給される駆動電流が各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流に比して大きくなるように中央インバータ40および周辺インバータ50a〜50dを制御している。図12において、各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流は、同等であってもよいが、互いに異なるものであってもよい。ユーザが所望する火力Pは、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流により生じる電力の合計値である。したがって駆動制御部80は、検知回路部(1次成分抽出手段)60,70で検知された各LCR誘導加熱部44,54の共振周波数Fr(またはインダクタンスL)と負荷抵抗Rに応じて適当な火力配分するように、各インバータ40,50a〜50dを個別に制御してもよい。
実施の形態1に係るIH加熱部10は、各周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離dが、中央コイル20とトッププレート3の下面との間の距離dより小さくなるように構成されているため、中鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rが大きくなり、中鍋Kのいわゆる鍋肌(側面部)をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱することができる。
図13および図14は、大鍋KがIH加熱部10の上方に載置されたときに、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流の大きさを示すタイミングチャートである。大鍋Kが載置されたことを検知回路部60,70が検知すると、駆動制御部80は、ユーザが所望する火力を得るために必要な駆動電流が中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給されるように中央インバータ40および周辺インバータ50a〜50dを制御する。駆動制御部80は、図13では中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流が一定となるように、図14では中央コイル20に供給される駆動電流が各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流に比して大きくなるように中央インバータ40および周辺インバータ50a〜50dを制御している。中鍋KがIH加熱部10の上方に載置された場合と同様、図14に示す各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流は、同等であってもよいが、互いに異なるものであってもよい。また、ユーザが所望する火力Pは、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される駆動電流により生じる電力の合計値である。駆動制御部80は、検知回路部60,70で検知された各LCR誘導加熱部44,54の共振周波数Fr(またはインダクタンスL)と負荷抵抗Rに応じて適当な火力配分するように、各インバータ40,50a〜50dを独立的に制御してもよい。
図15(a)および図15(b)は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器1の加熱効果を示す解析結果を示すものである。この実験のために作製された誘導加熱調理器において、周辺コイル30aとトッププレート3との間の距離をd(1mm)とし、その他の周辺コイル30b〜d(および中央コイル20)とトッププレート3との間の距離をd(3mm)として構成した(d<d)。実験に際して、中央コイル20による加熱効果を排除するため、中央コイル20への給電を停止して、各周辺コイル30a〜30dには同一の高周波電流を供給した。図15(a)は、この実験で誘導加熱されたときの鍋Kの上から見た表面温度分布を示すコンター図である。図15(b)は、直径を通る中心線に沿った鍋発熱温度の分布(太実線)を示すグラフである。図15(b)は、比較例として、すべての周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離をd(3mm)として構成された誘導加熱調理器を用いて、同一の加熱条件で各周辺コイル30a〜30dに高周波電流を供給したときの鍋発熱温度の分布(細実線)を示すものである。
とりわけ図15(b)から明らかなように、周辺コイル30aとトッププレート3との距離が短いとき(d<d)、たとえば一般的な中鍋Kの側面部(鍋肌部分)の位置が鍋発熱温度の分布にピークと重なるようにIH加熱部10を構成すると、中鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rを増大させることができ、中鍋Kの鍋肌をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱することができる。
図16(a)および図16(b)は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器1の加熱効果を示す実験結果を示すものである。図16(a)は、各周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離をd(1mm)とし、中央コイル20とトッププレート3との間の距離をd(3mm)として構成した誘導加熱調理器1を用いて加熱した鍋Kの側面から見たときの側面温度分布を示すコンター図である(d<d)。図16(b)は同様に、各周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離d、および中央コイル20とトッププレート3との間の距離dをともに3mmとして構成した誘導加熱調理器1を用いて加熱した鍋Kの側面から見たときの側面温度分布を示すコンター図である(d=d)。
図16(a)および図16(b)から明らかなように、実施の形態1に係る誘導加熱調理器1において、周辺コイル30とトッププレート3との距離を短くすると(d<d)、中鍋Kの鍋肌をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱することができる。
変形例1.
図7(a)〜(c)に示すIH加熱部10においては、すべての周辺コイル30a〜30dがトッププレート3に対して中央コイル20により近接して配置されていてもよいとして説明した(d<d)が、中央コイル20を挟む対向する周辺コイル(たとえば周辺コイル30b,30d)のみがトッププレート3に対して中央コイル20により近接して配置され、その他の周辺コイル(たとえば周辺コイル30a,30c)はトッププレート3に対して中央コイル20と同程度の距離を隔てて配置してもよい。被加熱体Kは、図17に示すように、調理方法(たとえば卵焼き)によっては前後方向に延びた矩形の平面形状を有するものがある。この場合、検知回路部60,70は、中央コイル20および周辺コイル30b,30dの上方には鍋K(卵焼き器)が載置されていると検知し、駆動制御部80は、中央コイル20および周辺コイル30b,30にのみ高周波電流を供給するように中央インバータ40および周辺インバータ50b,50dを制御する。
卵焼きは、たとえば卵焼き器内で半熟状態に固まった卵を図17の手前側に巻き、さらにそれを奥手側に移動させて、新たに溶き卵を卵焼き器内の手前側に入れて、再び半熟状態となった卵を含めて手前側に巻くことにより調理する。このとき手前側の溶き卵が完全に固まる前に手前側に巻く必要があるので、より奥手側の溶き卵を早く固めた上で巻くことが好ましい。したがって駆動制御部80は、奥手側の周辺コイル30dに流れる駆動電流が、手前側の周辺コイル30bに流れる駆動電流より大きくなるように周辺コイル30b,30dを制御してもよい。逆に、半熟状態に固まった卵を図17の奥手側に巻くことにより卵焼きを調理するときは、駆動制御部80は、周辺コイル30bに流れる駆動電流を周辺コイル30dに流れる駆動電流より強くなるように周辺インバータ50b,50dを制御してもよい。操作パネル6は、上記卵焼きの作り方(半熟状態に固まった卵を手前側または奥手側の一方)をユーザが選択できるスイッチ等を有することが好ましい。
また、中央コイル20を挟んで対向する周辺コイル30b,30dは、トッププレート3に対してその他の周辺コイル30a,30cおよび中央コイル20より接近して配置してもよい。これにより、上記変形例1で説明したように手前側および奥手側の周辺コイル30b,30dの見かけ上の負荷抵抗Rを増大させて、より強く加熱することができる。
実施の形態2.
図18〜図21を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態2について説明する。鍋K全体の均一加熱を実現するために、実施の形態1では各周辺コイル30a〜30dを中央コイル20よりトッププレート3に接近して配置するものであるのに対し、実施の形態2に係る誘導加熱調理器1は、各周辺コイル30a〜30dに供給される高周波電流の駆動周波数を調整する点を除き、実施の形態1の誘導加熱調理器1と同様の構成を有するので、重複する内容については説明を省略する。
鍋Kを加熱する電力(加熱電力)Pは、次式に示すように駆動周波数fの関数で求められる。
ここで、kは比例定数であり、μは鍋Kの透磁率であり、ρは鍋Kの抵抗率であり、Nはコイルの巻数である。すなわち比例定数k、透磁率μ、および抵抗率ρは鍋Kの固有の物理定数である。一方、Iはコイルに流れる駆動電流の大きさであり、fはコイルに流れる高周波電流の駆動周波数であり、本願発明に係る誘導加熱調理器1では、これらの駆動電流Iおよび駆動周波数fは、駆動制御部80により制御可能なものである。
実施の形態1において、各周辺コイル30a〜30dをトッププレート3に対して中央コイル20より接近して配置した上で(d<d)、図9〜図14のタイミングチャートに示すように、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給する駆動電流(高周波電流)Iを独立して制御することにより、鍋K全体を均一に加熱することについて説明した。
しかしながら、とりわけ中鍋Kの鍋肌をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱するため、各周辺コイル30a〜30dに供給する駆動電流Iを増大させると、[数8]に関して上記説明したように、加熱コイル20,30自体の線抵抗Rによる電力損失も増大する。したがって、各周辺コイル30a〜30dに供給する駆動電流Iを増大させることなく、各周辺コイル30a〜30dに流れる高周波電流Iの駆動周波数fを増大させることにより、加熱電力Pを増大させることが好ましい。
一方、本願発明によれば、駆動制御部80は[数4]から共振周波数Frおよび合成抵抗R(=R+R)を求めることができる。したがって、駆動制御部80は駆動周波数fを共振周波数Frより大きい任意の値に調整することにより、加熱電力Pを制御することができる。
図18は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器1の効果を示すグラフである。すなわち鉄または磁性SUSからなる中鍋Kを被加熱体として、中央コイル20には20kHz(一定)の駆動周波数fを有する所定(一定)の大きさの高周波電流を供給し、各周辺コイル30a〜30dには、24kHz、26kHz、28kHz、および30kHzの駆動周波数fを有する所定(一定)の大きさの高周波電流を供給したときの合成抵抗Rを示す。図18のグラフにおいて、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離d,dをすべて3mmとした場合に負荷検知部70a〜70dで検知された合成抵抗Rを×印で示した(d=d)。また比較例として、実施の形態1に係る誘導加熱調理器1に関し、中央コイル20とトッププレート3との間の距離dを1mmとし、周辺コイル30a〜30dとトッププレート3との間の距離dとの間を3mmとした場合に負荷検知部70a〜70dで検知された合成抵抗Rを○印で示した(d<d)。
図18のグラフ(×印)から明らかなように、各周辺コイル30a〜30dに供給される高周波電流の駆動周波数fが大きいほど、合成抵抗Rは大きい。したがって実施の形態2に係る誘導加熱調理器1は、各周辺コイル30a〜30dに供給する高周波電流の大きさを一定としつつ、駆動周波数fを増大させることにより、各周辺コイル30a〜30d自体の線抵抗Rによる電力損失を増大させることなく、合成抵抗R(鍋Kの加熱電力P)を増大させることができる。また実施の形態1において(図18のグラフの丸印)、周辺コイル30a〜30dをトッププレート3に対して中央コイル20より接近して配置した場合も同様に(d<d)、合成抵抗Rをより増大させることができ、中鍋Kの鍋肌をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱することができる。
図19は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器1の別の観点での効果を示すグラフである。駆動条件等は、図18をプロットしたときと同様である。縦軸は、鍋Kを載置したことによる鍋Kの見かけ上の負荷抵抗Rを合成抵抗Rで割ったもの(R/R)とするものであり、加熱効率ηに対応するものである。
図19のグラフ(×印)から明らかなように、各周辺コイル30a〜30dに供給される高周波電流の駆動周波数fが大きいほど、加熱効率ηは大きい。したがって実施の形態2に係る誘導加熱調理器1は、各周辺コイル30a〜30dに供給する高周波電流の大きさを一定としつつ、駆動周波数fを増大させることにより、各周辺コイル30a〜30d自体の線抵抗Rによる電力損失を増大させることなく、加熱効率ηを増大させることができる。また実施の形態1において(図19のグラフの丸印)、周辺コイル30a〜30dをトッププレート3に対して中央コイル20より接近して配置した場合も同様に(d<d)、加熱効率ηをより増大させることができる。すなわち、実施の形態2によれば、駆動周波数fを増大させることにより、加熱効率ηを増大させることができる。
ところで、電磁誘導加熱とは、コイルに高周波電流を流すときに生じる交番磁場により、金属材料からなる被加熱物内で渦電流が誘起され、そのジュール熱(抵抗加熱)により被加熱物が加熱されることをいい、表皮効果とは、高周波電流が導体を流れるとき、電流密度が導体の表面で高く、表面から離れると低くなる現象のことをいう。すなわち、高周波電流が供給される中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dにより生じる渦電流は、表皮効果により鍋Kの鍋底金属の表面近傍で多く流れ、鍋Kの鍋底金属表面からの深さの方向に沿って指数関数的に減少する。このとき高周波電流の浸透深さ(表皮深さ)δは、次式で求められる。
同様に、μは鍋Kの透磁率であり、ρは鍋Kの抵抗率であり、fはコイルに流れる高周波電流の駆動周波数である。すなわち浸透深さδは、駆動周波数fの平方根に反比例する。したがって、駆動制御部80は、コイルに流れる高周波電流の駆動周波数fを大きくするほど、鍋Kの表面近傍において、高周波電流が集中し、抵抗分が増大し、より多くの加熱電力Pを発生させることができる。したがって、鍋Kの本体がアルミニウム等の非磁性金属からなり、トッププレートに接する面のみ鉄等の磁性金属で構成された鍋Kを誘導加熱する場合においても、高周波電流fの駆動周波数を高くすることにより、非磁性金属からなる鍋Kの側面の金属を発熱させることができる。
なお、互いに隣接する中央コイル20および複数の周辺コイル30a〜30dにそれぞれ独立して異なる駆動周波数(たとえばf,f)を有する高周波電流を供給すると、一般に、駆動周波数f,fの周波数差(ΔF=|f−f|)に相当する「うなり」振動現象が発生し、この周波数差ΔFが特に人間の可聴周波数帯域(約20Hz〜約20kHz)に入るとユーザに著しい不快感を与える。
そこで、実施の形態2に係る誘導加熱調理器1において、載置された鍋Kが鉄等の磁性金属で構成されていると検知回路部60,70a〜70dにより検知された場合、駆動制御部80は、たとえば中央コイル20には20kHzの駆動周波数を有する高周波電流を供給し、各周辺コイル30a〜30dに供給する高周波電流の駆動周波数を(可聴周波数帯域の最大値である約20kHz以上大きい)約40kHz以上となるように中央インバータ40を制御することが好ましい。
また、実施の形態2に係る誘導加熱調理器1において、載置された鍋Kがアルミニウム等の非磁性金属で構成されていると検知回路部60,70により検知された場合、駆動制御部80は、たとえば中央コイル20には40kHzの駆動周波数を有する高周波電流を供給し、各周辺コイル30a〜30dに供給する高周波電流の駆動周波数を約60kHz以上となるように中央インバータ40を制御することが好ましい。
以上説明したように、実施の形態2に係る誘導加熱調理器1によれば、各周辺コイル30a〜30dに供給する高周波電流の大きさを一定としつつ、駆動周波数fを増大させることにより、各周辺コイル30a〜30d自体の線抵抗Rによる電力損失を増大させることなく、合成抵抗R(鍋Kの加熱電力P)を増大させることができる。したがって、とりわけ中鍋KがIH加熱部10の上方に載置された場合であっても、各周辺コイル30a〜30dの合成抵抗Rをより増大させることにより、中鍋Kの鍋肌をより強く加熱して、中鍋Kの全体を均一に加熱することができる。
具体的に、実施の形態2によれば、IHクッキングヒータ用として一般に市販されている中鍋Kであって、各周辺コイル30a〜30dとの磁気結合が相対的に弱い鍋であっても、高周波電流の駆動周波数を高く設定することにより、中鍋Kの周囲(鍋肌)を十分に加熱することができる。同様に、IHクッキングヒータ用として汎用されている鍋Kのうち、非磁性金属で構成された本体にトッププレート3と接地する部分のみに磁性金属を貼り付け、または蒸着して構成された鍋であっても、高周波電流の駆動周波数fを高く設定することにより、鍋Kの周囲(鍋肌)を十分に加熱することができる。
なお、とりわけ周辺コイル30に高周波電流を供給する周辺インバータ50a〜50dに用いられるスイッチング素子として、電力損失の少ないSiCデバイスを用いることが好ましい。
変形例2.
実施の形態2に係る駆動制御部80は、上述のとおり、各周辺コイル30a〜30dに供給する高周波電流の駆動周波数fを独立して制御して、加熱電力P(加熱効率η)を制御することができる。すなわち駆動制御部80は、各周辺コイル30a〜30dに対する加熱電力Pを供給するタイミングを任意に制御することができる。
一方、各周辺コイル30a〜30dに同一の加熱電力Pを供給すると、鍋Kが均一に加熱される反面、自然対流が生じにくく、水分等の食材が均等に加熱されにくい。そこで各周辺コイル30a〜30dに対する加熱電力Pを順次変化させる(強弱を加える)ことにより、食材の自然対流を促進させ、ひいては食材が鍋Kの底面に焦げ付くのを防止することができる。なお、各周辺コイル30a〜30dの加熱電力Pの強弱変化は、供給される高周波電流の駆動周波数fにより制御されるため、各周辺コイル30a〜30d自体の線抵抗Rによる電力損失の増大を回避することができる。
具体的に、図20および図21を参照しながら、変形例2に係る駆動制御部80の駆動方法について説明する。図20および図21は、中鍋KがIH加熱部10の上方に載置されたときに、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dに供給される高周波電流(駆動電流)の駆動周波数fを示すタイミングチャートである。
図20において、調理加熱期間中、駆動制御部80は、中央コイル20に供給される高周波電流の駆動周波数fを、たとえば20kHz(f)で一定とし、周辺コイル30aに供給される高周波電流の駆動周波数fを、期間tにおいて40kHz(f)で一定とし、その他の期間t〜tにおいて20kHz(f)で一定とするように各インバータ40,50aを制御する。同様に、駆動制御部80は、周辺コイル30b,30c,30dに供給される高周波電流の駆動周波数fは、それぞれ期間t、期間t、期間tにおいて40kHz(f)で一定とし、その他の期間において20kHz(f)で一定とするように各インバータ40,50b,50c,50dを制御する。このように制御することにより、周辺コイル30a〜30dの加熱電力Pにおいて周方向に強弱変化が形成され、鍋K内の食材に対流を促進し、食材が鍋Kの底面への焦げ付きを防止することができる。
図21において、調理加熱期間中、駆動制御部80は、中央コイル20に供給される高周波電流の駆動周波数fを、たとえば20kHz(f)で一定とし、対向する周辺コイル30a,30cに供給される高周波電流の駆動周波数fを、期間tにおいて40kHz(f)で一定とし、期間tにおいて20kHz(f)で一定とするように各インバータ40,50a,50cを制御する。同様に、駆動制御部80は、対向する周辺コイル30b,30dに供給される高周波電流の駆動周波数fを、期間tにおいて40kHz(f)で一定とし、期間tにおいて20kHz(f)で一定とするように各インバータ40,50b,50dを制御する。このように制御することにより、互いに対向する周辺コイル30a〜30dの加熱電力Pにおいて強弱変化が形成され、鍋K内の食材に対流を促進し、食材が鍋Kの底面への焦げ付きを防止することができる。
実施の形態3.
図22および図23を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態3について説明する。鍋K全体の均一加熱を実現するために、実施の形態1では各周辺コイル30を中央コイル20よりトッププレート3に接近して配置するものであるのに対し、実施の形態3に係る誘導加熱調理器1は、周辺コイル30に対向して配設される棒状の磁性体16の体積を増加させることにより合成抵抗Rを増大させる点を除き、上記実施の形態の誘導加熱調理器1と同様の構成を有するので、重複する内容については説明を省略する。
図23(a)〜(d)は、IH加熱部10を下から見た底面図である。図8を参照して上記説明したように、コイルベース14の下方には磁気抵抗を低減するためのフェライトコア(磁性体)15,16が配設されている。図22(a)および図22(b)は、図7(a)〜図7(c)と同様のIH加熱部10の断面図である。図22(a)に示すIH加熱部10は、実施の形態3において、各周辺コイル30a〜30dの下方に配置されたフェライトコア16が中央コイル20の下方に配置されたフェライトコア15より厚くなるように(容積が大きくなるように)構成したものである。図22(b)に示すIH加熱部10は、中央コイル20および各周辺コイル30a〜30dからトッププレート3までの距離を同一にしたもので、同様に、各周辺コイル30a〜30dの下方に配置された磁性体16が中央コイル20の下方に配置された磁性体15より厚くなるように構成したものである。
一般に、コイルの巻数Nと磁束φの積は、コイルのインダクタンスLとコイルに流れる電流Iの積に等しく(Nφ=LI)、磁束密度Bは、磁束φをコイルの断面積Sで割ったものであり(B=φ/S)、かつ磁場の強さHと透磁率μの積に等しいので(B=μH)、次式が成り立つ。
したがって、コイルの巻数N、コイルの断面積S、磁場の強さH、およびコイルに流れる電流Iが一定であるとき、上式のKは定数となり、コイルのインダクタンスLは、透磁率μに比例する。すなわち各周辺コイル30a〜30dの下方に配置された磁性体16の容積が大きくなるように構成すると、各周辺コイル30a〜30dのインダクタンスLが比例的に増大する。
ここで各周辺コイル30a〜30dのインダクタンスをL1、鍋KのインダクタンスをL2とすると、各周辺コイル30a〜30dと鍋Kとの間の結合係数kは、両者の相互インダクタンスMを用いて次式で表される。
結合係数kが大きくなると、次式で示すように2次側の鍋Kに発生する磁束φ2が増大する。
磁束φ1は周辺コイル30a〜30dが発生する磁束であり、磁束φ2は鍋Kが発生する磁束であるので、磁束φ2が増大する。また、磁束φと電流Iには次式のような関係があるので、磁束が増大すると鍋Kに流れる電流が増大し、鍋Kの加熱量を増大させることができる。
以上説明したように、実施の形態3に係る誘導加熱調理器1によれば、各周辺コイル30a〜30dの下方に配置された周辺磁性体16が中央コイル20の下方に配置された中央磁性体15より容積が大きくなるように構成することにより、鍋Kの表面に流れる電流を増大させ、鍋Kの周囲(鍋肌)を十分に加熱することができる。

変形例3.
各周辺コイル30a〜30dの下方に配置された磁性体16が中央コイル20の下方に配置されたものより容積が大きくなるように構成するために、実施の形態3では厚みがより大きい磁性体16を用いたが、これに限定されるものではない。具体的には、各周辺コイル30a〜30dのインダクタンスLを増大させるために、各周辺コイル30a〜30dの下方に配置された棒状の磁性体16の個数を3つから4つ(またはそれ以上)に変更し(図23(a))、それらの磁性体16を台形平面形状に形成し(図23(b))、周辺磁性体16を扇形状に形成し(図23(c))、ドーナツ形状に形成してもよい(図23(d))。
1…誘導加熱調理器、2…筐体、3…トッププレート、4…中央加熱部、5…調理用グリル、6…操作パネル、7…火力調整ダイヤル、8…液晶表示部、9a…吸気窓、9b…排気窓、10,11…IH加熱部、12…電源装置、14…コイルベース、15,16…磁性体(フェライトコア)、18…磁性キャンセルリング、20…中央コイル、30…周辺コイル、40…中央インバータ、42…中央共振用コンデンサ、44…中央LCR誘導加熱部、46…中央駆動電圧検出手段、48…中央駆動電流検出手段、50…周辺インバータ、52…周辺共振用コンデンサ、54…周辺LCR誘導加熱部、56…周辺駆動電圧検出手段、58…周辺駆動電流検出手段、60…中央1次成分抽出手段(検知回路部)、70…周辺1次成分抽出手段(検知回路部)、80…駆動制御部、92…コンバータ、94…平滑用コンデンサ、K…被加熱体(鍋)。

Claims (6)

  1. トッププレートと、
    前記トッププレートの下方に配置された中央コイル、およびこれに直列に接続された中央共振コンデンサとからなる中央LCR誘導加熱部と、
    前記トッププレートの下方で前記中央コイルの周囲に配置された複数の周辺コイル、およびこれらに直列に接続された周辺共振コンデンサとからなる複数の周辺LCR誘導加熱部と、
    前記中央LCR誘導加熱部に高周波電流を供給する中央インバータと、
    前記各周辺LCR誘導加熱部に高周波電流を互いに独立して供給する複数の周辺インバータと、
    前記中央インバータおよび前記周辺インバータに所定の駆動周波数を有する制御信号を供給する駆動制御部と、
    前記中央LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する中央駆動電圧検出手段と、
    前記各周辺LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する複数の周辺駆動電圧検出手段と、
    前記中央LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する中央駆動電流検出手段と、
    前記各周辺LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する複数の周辺駆動電流検出手段と、
    前記中央LCR誘導加熱部の駆動電圧および駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む中央1次駆動電圧および中央1次駆動電流を抽出する中央1次成分抽出手段と、
    前記各周辺LCR誘導加熱部の駆動電圧および駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む周辺1次駆動電圧および周辺1次駆動電流を抽出する周辺1次成分抽出手段とを備え、
    駆動制御部は、
    a)前記中央1次駆動電圧および前記中央1次駆動電流から、前記中央LCR誘導加熱部の負荷抵抗を算出するとともに、前記中央LCR誘導加熱部の負荷抵抗が所定の閾値より大きいとき、その中央コイルの上方に被加熱体が載置されたと判定し、
    b)前記各周辺1次駆動電圧および前記各周辺1次駆動電流から、前記各周辺LCR誘導加熱部の負荷抵抗を算出するとともに、それぞれの前記各周辺LCR誘導加熱部の負荷抵抗が所定の閾値より大きいとき、その周辺コイルの上方に被加熱体が載置されたと判定し、
    c)被加熱体が載置されたと判定された前記中央コイルおよび前記各周辺コイルに高周波電流を供給するように前記中央インバータおよび前記周辺インバータを制御し、
    少なくとも1つの前記周辺コイルは、前記トッププレートに対して前記中央コイルより接近して配置され
    前記各周辺インバータに供給される制御信号の駆動周波数は、前記各周辺コイルの周辺共振周波数に応じて異なることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. トッププレートと、
    前記トッププレートの下方に配置された中央コイル、およびこれに直列に接続された中央共振コンデンサとからなる中央LCR誘導加熱部と、
    前記トッププレートの下方で前記中央コイルの周囲に配置された複数の周辺コイル、およびこれらに直列に接続された周辺共振コンデンサとからなる複数の周辺LCR誘導加熱部と、
    前記中央LCR誘導加熱部に高周波電流を供給する中央インバータと、
    前記各周辺LCR誘導加熱部に高周波電流を互いに独立して供給する複数の周辺インバータと、
    前記中央インバータおよび前記周辺インバータに所定の駆動周波数を有する制御信号を供給する駆動制御部と、
    前記中央LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する中央駆動電圧検出手段と、
    前記各周辺LCR誘導加熱部の両端に印加される駆動電圧を検出する複数の周辺駆動電圧検出手段と、
    前記中央LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する中央駆動電流検出手段と、
    前記各周辺LCR誘導加熱部に流れる駆動電流を検出する複数の周辺駆動電流検出手段と、
    前記中央LCR誘導加熱部の駆動電圧および駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む中央1次駆動電圧および中央1次駆動電流を抽出する中央1次成分抽出手段と、
    前記各周辺LCR誘導加熱部の駆動電圧および駆動電流から、前記駆動周波数と同一の周波数を有する1次成分を含む周辺1次駆動電圧および周辺1次駆動電流を抽出する周辺1次成分抽出手段とを備え、
    駆動制御部は、
    a)前記中央1次駆動電圧および前記中央1次駆動電流から、前記中央LCR誘導加熱部の負荷抵抗を算出するとともに、前記中央LCR誘導加熱部の負荷抵抗が所定の閾値より大きいとき、その中央コイルの上方に被加熱体が載置されたと判定し、
    b)前記各周辺1次駆動電圧および前記各周辺1次駆動電流から、前記各周辺LCR誘導加熱部の負荷抵抗を算出するとともに、それぞれの前記各周辺LCR誘導加熱部の負荷抵抗が所定の閾値より大きいとき、その周辺コイルの上方に被加熱体が載置されたと判定し、
    c)被加熱体が載置されたと判定された前記中央コイルおよび前記各周辺コイルに高周波電流を供給するように前記中央インバータおよび前記周辺インバータを制御し、
    少なくとも1つの前記周辺コイルは、前記トッププレートに対して前記中央コイルより接近して配置され
    4つの前記周辺コイルが前記中央コイルの周囲に配置され、
    前記中央コイルを挟んで対向する前記周辺コイルは、前記トッププレートに対してその他の前記周辺コイルおよび前記中央コイルより接近して配置されていることを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 駆動制御部は、
    d)中央1次駆動電圧および中央1次駆動電流から、中央コイルの中央共振周波数を算出し、各周辺1次駆動電圧および各周辺1次駆動電流から、各周辺コイルの周辺共振周波数を算出し、
    e)前記中央共振周波数より高い駆動周波数を有する制御信号を中央インバータに供給するとともに、前記駆動周波数より可聴域周波数以上高い駆動周波数を有する制御信号を各周辺インバータに供給することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 4つの周辺コイルが中央コイルの周囲に配置され、
    駆動制御部は、
    f)各周辺コイルに供給される高周波電流による電力が時間とともに周方向に変化するように、前記各周辺インバータに供給する制御信号の駆動周波数を制御することを特徴とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  5. 4つの周辺コイルが中央コイルの周囲に配置され、
    駆動制御部は、
    g)前記中央コイルを挟んで対向する2組の周辺コイルに供給される高周波電流による電力が時間とともに交互に変化するように、各周辺インバータに供給する制御信号の駆動周波数を制御することを特徴とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  6. 中央コイルの下方に設けた少なくとも1つの中央磁性体と、
    各周辺コイルの下方にそれぞれ設けた少なくとも1つの周辺磁性体とを有し、
    トッププレートに対して中央コイルより接近して配置された周辺コイルの下方に設けた周辺磁性体は、中央コイルの下方に設けた中央磁性体より容積が大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
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