JP7015402B2 - 電磁誘導加熱装置 - Google Patents
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Description
本発明は、金属製鍋を誘導加熱する電磁誘導加熱装置に関する。
電磁誘導加熱調理器は、トッププレートに金属製鍋などの負荷が載置された場合、高周波インバータから加熱コイルに高周波電流を流し、コイルに近接して配置された金属製鍋に渦電流を発生させ、金属製鍋自体の電気抵抗により発熱させるものである。
この電磁誘導加熱調理器では、加熱コイルから生じる磁束が外部に漏洩すると、放射される雑音の磁界強度の増大や制御回路の誤動作等の原因となるため、漏洩磁束対策として加熱コイル周囲に電磁シールド用導電部材として環状導電体を設けている。
例えば、特許文献1の要約書には、複数のシールド電線(電磁シールド用導電部材)を横並びに配置する場合に、外側のシールド電線を内側のシールド電線より導体断面積が小さいものを使用し、また、内側のシールド電線よりも外側のシールド電線の上面を低く配設することにより、加熱コイルの上面への風通しを良化する誘導加熱装置が開示されている。
上述した特許文献1でも、外部への漏洩磁界を低減できるが、次に掲げる問題がある。
特許文献1では、複数ある電磁シールド用導電部材(シールド電線)が加熱コイルに対して横並びに配置されている。この場合、加熱コイルから距離が遠くなるに従い加熱コイルから生じた磁束は減衰することから、加熱コイルと導電部材の間の距離が遠くなるにつれてシールド効果が低減していく。そのため、電磁シールド用導電部材を同心円状に複数配置する構成では、外周側の電磁シールド用導電部材では、十分なシールド効果が得られないという問題がある。
そこで、本発明では、複数の電磁シールド用導電部材を効果的に配置することで、十分なシールド効果を得つつ、特許文献1と同様に、加熱コイルの十分な冷却も実現できる電磁誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の電磁誘導加熱装置は、被加熱物を加熱する加熱コイルと、該加熱コイルの外周側面に対向配置され、該加熱コイルから生じる磁束を前記被加熱物に導く磁性体と、該磁性体より外側で前記加熱コイルの外周側面を囲む第一環状導電体を備え、該第一環状導電体は、前記磁性体との対向部に、周方向に延び、四方が囲まれたスリットを有するものとした。
本発明によれば、電磁シールド用導電部材によるシールド効果を高め、漏洩磁界が少ない電磁誘導加熱装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1の電磁誘導加熱装置の基本構成図である。この電磁誘導加熱装置は、トッププレート6に載置された被加熱物5(金属製鍋等)を誘導加熱するものであり、その内部に、加熱コイル1と、加熱コイル1から生じた磁束を被加熱物5に導く磁性体2と、加熱コイル1の外周側面を取り囲む電磁シールド用導電部材である環状導電体3を備える。加熱コイル1には、インバータ4から高周波交流電流が供給され、交流電流により加熱コイル1から磁界が発生し、被加熱物5が誘導加熱される。
まず、図2を用いて、一般的な環状導電体30を用いた、本実施例の比較例を説明する。図2上の斜視図に示すように、比較例の加熱コイル1は、内側巻線1aと外側巻線1bで構成されており、これらからなる加熱コイル1から生じた磁束は、加熱コイル1の下面および外周側面に対向配置された断面略L字状の磁性体2を通って被加熱物5と鎖交する。磁束が磁性体2を通過する際、加熱コイル1外部への漏洩磁束を低減するために、磁性体2の外側には、加熱コイルの外周側面を囲むように環状導電体30が配置されている。
なお、比較例の環状導電体30は、一体構成のものである。
なお、比較例の環状導電体30は、一体構成のものである。
図2下の拡大図は、図2上の点線部を拡大したものであり、環状導電体30の電流分布を模式的に示したものである。ここに示す様に、比較例の環状導電体30に流れる主電流IAは、加熱コイル1から発生した磁束を打ち消す方向に流れ、外部に漏洩する磁束を低減させている。しかしながら、磁性体2の外周側面との対向部においては、環状導電体30に鎖交する磁束が強いことから、対向部にのみループ電流IBが生じる。これにより、主電流IAと局所的な磁束集中により誘起されるループ電流IBの合成電流が環状導電体30に流れていた。
図3に比較例の環状導電体30の電流ベクトル図を示す。ループ電流IBは、環状導電体30の上部で主電流IAと同方向に流れ、下部で主電流IAと逆方向に流れるため、比較例の磁性体2の対向部付近では、環状導電体30の上部の電流ベクトル密度が高く、下部で低くなり、上部に電流が集中していることが確認できる。これにより、環状導電体30の交流的なインピーダンスが増加するため、環状導電体30に流れる電流が減り、シールド効果が劣化し、外部への漏洩磁束が増加する。
次に、図4を用いて、二分割した環状導電体31を用いた、本実施例を説明する。なお、比較例と共通する点は重複説明を省略する。図4上の斜視図に示すように、本実施例の環状導電体31は、上側導電部材31aと下側導電部材31bに二分割されており、両者は空隙を隔てて積層配置されている。なお、両者の間には図示しない樹脂製のスペーサが設けられており、空隙を所定の寸法に維持することができるようになっている。
図4下の拡大図は、図4上の点線部を拡大したものであり、上側導電部材31aと下側導電部材31bの電流分布を模式的に示したものである。ここに示す様に、環状導電体3を分割することで、個々の導電部の断面積が縮小され、個々のループ電流IBが減少する。比較例では導電部の断面積が大きく、比較的大きなループ電流IBが生じるため、環状導電体30上部での電流集中が発生しているが、本実施例では、個々のループ電流IBが減少するため、各導電部の上部での電流集中を抑制することが可能となる。なお、図4では、上側導電部材31aと下側導電部材31bを同形状としているが、上側導電部材31aの断面積を、下側導電部材31bの断面積より小さくすることで、上側導電部材31aの上部での電力集中を更に抑制しても良い。
図5に本実施例の環状導電体31の電流ベクトル図を示す。ここに示す様に、環状導電体31を上側導電部材31aと下側導電部材31bに分割することで、特に磁性体2の対向部付近での電流集中が抑制されている。従って、単一部品で構成されていた比較例の環状導電体30に比べ、電流が流れる実効的な断面積が増大する。これにより、環状導電体の交流的なインピーダンスが低減するため、環状導電体31に流れる電流が比較例よりも増え、シールド効果が強化され、外部へ漏洩される磁束が低減する。
(変形例)
次に、図6の斜視図を用いて、三分割した環状導電体32を用いた、本実施例の変形例を説明する。なお、上述の構成と共通する点は重複説明を省略する。本変形例では、環状導電体32を、上側導電部材32a、中導電部材32b、下側導電部材32cに三分割した構成を示す。この様に、環状導電体3を二分割以上しても同様の原理でシールド効果が強化されることは言うまでもない。
(変形例)
次に、図6の斜視図を用いて、三分割した環状導電体32を用いた、本実施例の変形例を説明する。なお、上述の構成と共通する点は重複説明を省略する。本変形例では、環状導電体32を、上側導電部材32a、中導電部材32b、下側導電部材32cに三分割した構成を示す。この様に、環状導電体3を二分割以上しても同様の原理でシールド効果が強化されることは言うまでもない。
以上説明した様に、本実施例の環状導電体31、32を用いることで、加熱コイル外部に漏洩する磁束が低減する。また、環状導電体間の空隙から冷却風を供給することが可能となるため、比較例の構成に比べ、加熱コイル1の温度が低下し損失が低減するという効果も得られる。
次に、図7を用いて実施例2の環状導電体33を説明する。なお、上述の構成と共通する点は重複説明を省略する。
ここに示すように、本実施例では、加熱コイル1、磁性体2の配置は実施例1と同様であるが、環状導電体33の構造が異なっており、磁性体2との外側面と対向部に、磁性体2の外周部の長さよりも長いスリット7を有した一体構成のものとしている。
このようなスリット7を設けることにより、一体構成の環状導電体33を用いる場合であっても、磁性体2の対向部に生じるループ電流IBを図4下のように分割することができるため、主電流IAを比較例と同等に維持しつつ、ループ電流IBを低減させることが可能となる。本実施例では、磁性体2の対向部以外に関しては環状導電体33の断面積を減少させる必要がないため、実施例1よりも電流が流れる実効的な断面積が増大するので、より大きなシールド効果を得ることができる。また、環状導電体33を単一部品で構成しているため、実施例1に比べて組み立て性が向上する。
次に、図8を用いて実施例3の環状導電体34を説明する。なお、上述の構成と共通する点は重複説明を省略する。
ここに示すように、本実施例では、加熱コイル1、磁性体2の配置は実施例1、2と同様であるが、環状導電体34の構造が異なっており、上側導電部材34aと下側導電部材34bに分割され、上側導電部材34aは、磁性体2との対向部にスリット7を有したものとしている。
実施例1の図5でも示した様に、環状導電体3を単純に二分割した場合、上側導電部材31aには、下側導電部材31bよりも大きな電流が流れていることが分かる。そこで、本実施例では、上側導電部材34aに実施例2で説明したスリット7を設けることで、実施例1、実施例2各々の作用が組み合わさり、より大きなシールド効果を得ることができる。
以上説明した様に、本実施例の環状導電体34を用いることで、加熱コイル外部に漏洩する磁束が、実施例1、2に比べて低減する。また、上側導電部材34a、下側導電部材34b間の空隙や、上側導電部材34aに設けられたスリット7から冷却風を得ることが可能となるため、実施例1、2に記された加熱コイルに比べて加熱コイルの温度が低下し損失が低減するという効果も得られる。
1 加熱コイル、
1a 内側巻線、
1b 外側巻線、
2 磁性体、
3、30、31、32、33、34 環状導電体、
4 インバータ、
5 被加熱物、
6 トッププレート、
7 スリット、
IA 主電流、
IB ループ電流
1a 内側巻線、
1b 外側巻線、
2 磁性体、
3、30、31、32、33、34 環状導電体、
4 インバータ、
5 被加熱物、
6 トッププレート、
7 スリット、
IA 主電流、
IB ループ電流
Claims (3)
- 被加熱物を加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルの外周側面に対向配置され、該加熱コイルから生じる磁束を前記被加熱物に導く磁性体と、
該磁性体より外側で前記加熱コイルの外周側面を囲む第一環状導電体を備え、
該第一環状導電体は、前記磁性体との対向部に、周方向に延び、四方が囲まれたスリットを有することを特徴とする電磁誘導加熱装置。 - 請求項1に記載の電磁誘導加熱装置において、
前記磁性体より外側で前記加熱コイルの外周側面を囲む第二環状導電体を備え、
前記第二環状導電体は前記第一環状導電体よりも下方に位置することを特徴とする電磁誘導加熱装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電磁誘導加熱装置において、
前記スリットの周方向の長さは、前記磁性体の周方向の長さよりも長いことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
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JP2012104322A (ja) | 2010-11-09 | 2012-05-31 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱調理器 |
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JP2016157651A (ja) | 2015-02-26 | 2016-09-01 | 日立アプライアンス株式会社 | 誘導加熱装置 |
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- 2021-01-06 JP JP2021000807A patent/JP7015402B2/ja active Active
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