JP2017218506A - 易カット性吸収フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストでかつ良好な引裂き性を有する、吸収フィルムを提供する。【解決手段】バインダー2、及びバインダー2中に分散しているゼオライト4を含有している層であって、少なくとも一部の領域において非延伸の気泡6が分散している層を少なくとも一層有する、易カット性吸収フィルム10。【選択図】図1
Description
本発明は、易カット性吸収フィルムに関する。
従来、食品、医薬品、電子部品、精密機械、記録材料等の分野において、水分等に起因する品質劣化を防止するため、これらを包装するための包装材にゼオライト等の吸着体を含有させることが行われている。
特許文献1では、乾燥剤フィルム層及び補強フィルム層を有する、乾燥剤フィルムが開示されている。特許文献1では、この乾燥剤フィルム層には、ゼオライト及び熱可塑性樹脂が含有されており、補強フィルム層は、熱可塑性樹脂で構成されているとしている。
ところで、この乾燥剤フィルムは、手切れ性が悪い。しかしながら、吸収フィルムで作られた包装袋を使用する際は、袋を開封して中身を取り出さなくてはならない。したがって、簡単に手で引き裂ける実用的な包装袋が好まれる。したがって、この包装袋を構成する吸収フィルムの引裂き性を向上させる必要性が存在する。
特許文献2では、発泡したポリオレフィン系樹脂層を有する積層フィルムが開示されている。特許文献2では、この発泡は、熱分解型発泡剤を添加すること、又は物理型発泡剤を圧入することに行うとしており、この発泡によってフィルムの引裂性を向上させるとしている。
また、特許文献3では、弱化樹脂層を有する易引裂き性包装袋が開示されている。特許文献3では、この弱化樹脂層は、樹脂層にレーザービームを照射して発泡させることにより形成されるとしている。
しかしながら、特許文献1に記載のフィルムの引裂き性を向上させるために、特許文献2及び3に記載されている方法を用いることは、別途の材料や設備を要することとなるので、フィルムのコストアップをもたらすことが考えられる。
そこで、低コストでかつ良好な引裂き性を有する、吸収フィルムを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 バインダー、及び上記バインダー中に分散しているゼオライトを含有している層であって、少なくとも一部の領域において非延伸の気泡が分散している層を少なくとも一層有する、易カット性吸収フィルム。
〈2〉 上記気泡の少なくとも一部の投影面積が、0.05mm2以上である、上記〈1〉項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈3〉 0.05mm2以上の投影面積を有する上記気泡が、上記易カット性吸収フィルム50mm×50mmあたり240個以上存在している、上記〈2〉項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈4〉 上記気泡のうちの少なくとも一部の投影面積が0.3mm2以上である、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈5〉 上記ゼオライトの細孔径が、5Å以上である、上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈6〉 上記ゼオライトの含有率が、30質量%以上である、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈7〉 上記易カット性吸収フィルムの一方又は両方の面にスキン層を具備している、上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈8〉 化学発泡剤及びその残留物の含有量の合計が、上記バインダー100質量部に対して、0.1質量部以下である、上記〈1〉〜〈7〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈9〉 MD方向の引裂強さが、TD方向の引裂強さと比較して、60〜130%である、上記〈1〉〜〈8〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈10〉 一部の領域にのみ非延伸の気泡が分散している層を少なくとも一層有し、かつ上記気泡が分散している領域における上記易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さが、上記気泡が分散していない領域における上記易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さと比較して、70%以下である、上記〈1〉〜〈9〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈11〉 JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法に基づいて、TD方向と長手方向とが一致している115mm×50mmの長方形で、かつ短辺の中央から長手方向に45mmのスリットが形成されている試験片を、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mmの条件で上記スリットに沿って引き裂いたときに、引裂きが、上記試験片の上記スリットが形成されている短辺と対向する短辺に到達する、上記〈1〉〜〈10〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈12〉 最外層としてバリア層を更に具備している、上記〈1〉〜〈11〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈13〉 上記〈1〉〜〈12〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルムを具備している、包装袋。
〈14〉 バインダー、及び上記バインダー中に分散しているゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、上記バインダー中に非延伸の気泡を発生させることを含む、易カット性吸収フィルムの製造方法。
〈15〉 上記ゼオライトの細孔径が、5Å以上である、上記〈14〉項に記載の方法。
〈16〉 上記熱処理を、
上記バインダーの融点+30〜60℃の加熱温度、及び2〜15秒間の加熱時間で行う、上記〈14〉又は〈15〉項に記載の方法。
〈17〉 上記熱処理により、上記易カット性フィルムのTD方向の引裂強さを、上記未発泡の吸収フィルムと比較して70%以下とする、上記〈14〉〜〈16〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈1〉 バインダー、及び上記バインダー中に分散しているゼオライトを含有している層であって、少なくとも一部の領域において非延伸の気泡が分散している層を少なくとも一層有する、易カット性吸収フィルム。
〈2〉 上記気泡の少なくとも一部の投影面積が、0.05mm2以上である、上記〈1〉項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈3〉 0.05mm2以上の投影面積を有する上記気泡が、上記易カット性吸収フィルム50mm×50mmあたり240個以上存在している、上記〈2〉項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈4〉 上記気泡のうちの少なくとも一部の投影面積が0.3mm2以上である、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈5〉 上記ゼオライトの細孔径が、5Å以上である、上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈6〉 上記ゼオライトの含有率が、30質量%以上である、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈7〉 上記易カット性吸収フィルムの一方又は両方の面にスキン層を具備している、上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈8〉 化学発泡剤及びその残留物の含有量の合計が、上記バインダー100質量部に対して、0.1質量部以下である、上記〈1〉〜〈7〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈9〉 MD方向の引裂強さが、TD方向の引裂強さと比較して、60〜130%である、上記〈1〉〜〈8〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈10〉 一部の領域にのみ非延伸の気泡が分散している層を少なくとも一層有し、かつ上記気泡が分散している領域における上記易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さが、上記気泡が分散していない領域における上記易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さと比較して、70%以下である、上記〈1〉〜〈9〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈11〉 JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法に基づいて、TD方向と長手方向とが一致している115mm×50mmの長方形で、かつ短辺の中央から長手方向に45mmのスリットが形成されている試験片を、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mmの条件で上記スリットに沿って引き裂いたときに、引裂きが、上記試験片の上記スリットが形成されている短辺と対向する短辺に到達する、上記〈1〉〜〈10〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈12〉 最外層としてバリア層を更に具備している、上記〈1〉〜〈11〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
〈13〉 上記〈1〉〜〈12〉項のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルムを具備している、包装袋。
〈14〉 バインダー、及び上記バインダー中に分散しているゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、上記バインダー中に非延伸の気泡を発生させることを含む、易カット性吸収フィルムの製造方法。
〈15〉 上記ゼオライトの細孔径が、5Å以上である、上記〈14〉項に記載の方法。
〈16〉 上記熱処理を、
上記バインダーの融点+30〜60℃の加熱温度、及び2〜15秒間の加熱時間で行う、上記〈14〉又は〈15〉項に記載の方法。
〈17〉 上記熱処理により、上記易カット性フィルムのTD方向の引裂強さを、上記未発泡の吸収フィルムと比較して70%以下とする、上記〈14〉〜〈16〉項のいずれか一項に記載の方法。
本発明によれば、低コストでかつ良好な引裂き性を有する、吸収フィルムを提供することができる。
《易カット性吸収フィルム》
図1に示すように、本発明の易カット性吸収フィルム(10)は、バインダー(2)、及びバインダー(2)に分散しているゼオライト(4)を含有している層であって、少なくとも一部の領域において非延伸の気泡(6)が分散している層を少なくとも一層有する。すなわち、本発明の易カット性吸収フィルムは、上記の層だけで構成されていてもよく、又は随意のスキン層を有していてもよい。
図1に示すように、本発明の易カット性吸収フィルム(10)は、バインダー(2)、及びバインダー(2)に分散しているゼオライト(4)を含有している層であって、少なくとも一部の領域において非延伸の気泡(6)が分散している層を少なくとも一層有する。すなわち、本発明の易カット性吸収フィルムは、上記の層だけで構成されていてもよく、又は随意のスキン層を有していてもよい。
本発明者らは、バインダーにゼオライト及び非延伸の気泡を分散させることにより、フィルムの引裂強さを低減できることを見出した。理論に拘束されることを望まないが、バインダー中のゼオライト及び非延伸の気泡が、引裂きのきっかけになるためであると考えられる。
非延伸の気泡は、一部の領域のみにおいて分散していてもよく、又は全部の領域において分散していてもよい。ここで、「(非延伸の気泡が)一部の領域のみにおいて分散している」とは、図2(a)に示すように、非延伸の気泡(6)が局所的に分散している結果、易カット性吸収フィルムが、気泡が分散している領域(A)と気泡が分散していない領域(B)とに分かれており、それによって気泡が分散している領域(A)において引裂強さが低減していることを意味する。また、「(非延伸の気泡が)全部の領域において分散している」とは、図2(b)に示すように、非延伸の気泡(6)が全体に分散しており、それによって全体の領域において引裂強さが低減していることを意味する。
更に、本発明の易カット性吸収フィルムでは、気泡が延伸されていないことにより、MD方向(延伸方向:Machine direction)の引裂強さとTD方向(垂直方向:Transverse direction)の引裂強さとの差が緩和され、その結果MD方向のみならず、TD方向にフィルムを引き裂いた場合にも、直線的に、かつ弱い力で引き裂くことができることとなると考えられる。特に、本発明の一実施態様においては、本発明の易カット性吸収フィルムは、MD方向の引裂強さが、TD方向の引裂強さと比較して、60%以上、70%以上、又は80%以上であり、かつ130%以下、120%以下、110%以下、又は100%以下であることができる。
なお、本明細書において、「直線的に引き裂くことができる」とは、JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法に基づいて、TD方向と長手方向とが一致している115mm×50mmの長方形で、かつ短辺の中央から長手方向に45mmのスリットが形成されている試験片を、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mmの条件でスリットに沿って引き裂いたときに、引裂きが、試験片のスリットが形成されている短辺と対向する短辺に到達することを意味するものである。
また、本明細書において、「引裂強さ」は、上記のトラウザー引裂法に基づいて、115mm×50mmの長方形で、かつ短辺の中央から長手方向に45mmのスリットが形成されている試験片について、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mm、測定距離150mmとして経時的に測定し、40〜140mmの平均値を算出した2回の測定値の平均値をいう。ここで、この試験片は、全体に気泡が分散しているものであってもよく、又は気泡が分散していないものであってもよい。
特に少なくとも一部の領域にのみ非延伸の気泡を有している層を少なくとも一層有している場合において、気泡が分散している領域における易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さが、気泡が分散していない領域における易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さと比較して、70%以下、60%以下、又は50%以下であることができる。このことは、本発明の易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さが、気泡を有していないことを除いて同一である吸収フィルムのTD方向の引裂強さと比較して、上記の範囲内であることができることを意味するものである。
JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法は、例えば株式会社東洋精機製作所のストログラフVE10Dを用いて行うことができる。
また、本発明の易カット性吸収フィルムは、化学発泡剤及びその残留物の含有量の合計が、バインダー100質量部に対して、0.1質量部以下、0.05質量部以下、又は0.01質量部以下であり、特に化学発泡剤及びその残留物を含有していない。このように、化学発泡剤及びその残留物の含有量が低い、又はこれらを含有していないことは、易カット性吸収フィルムの化学的安定性等に関して好ましいことがある。
気泡少なくとも一部の投影面積は、0.05mm2以上であることが好ましい。0.05mm2以上の投影面積を有する気泡は、易カット性吸収フィルム50mm×50mmあたり240個以上、250個以上、又は260個以上存在していることが、フィルムを直線的にカットしやすくする観点から好ましい。本発明におけるフィルム中の気泡は、ミシン目カットラインのような役割を果たす。気泡の総数が多いほど直進カット性が向上するのは、気泡が密に配列した状態になることで、引裂きが粘弾性の強い樹脂中を通過する割合が減少するためだと考えられる。
気泡のうちの少なくとも一部の投影面積は、0.3mm2以上であることが好ましい。サイズの大きい気泡は、近傍で発生した複数の気泡が合体することで生成したと考えられる。サイズの大きい気泡が存在すると、引裂きが気泡中を通過する確率が高くなり、引裂きが粘弾性の強い樹脂中を通過する割合がさらに減少するため、直進カット性がさらに向上すると考えられる。
ゼオライトの含有率は、フィルムの引裂強さを良好に低減させる観点から、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、又は35質量%以上であることが好ましく、また製膜性を確保する観点から、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、又は45質量%以下であることが好ましい。また、ゼオライトの含有率が上記の範囲内であれば、本発明の易カット性吸収フィルムの吸収性を実用上問題のないものとすることができる。
以下では、本発明の易カット性吸収フィルムの各構成要素について説明する。
〈バインダー〉
バインダーとしては、混練性に優れた熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン系樹脂等から選択される少なくとも1種、又はこれらの組合せを用いることができる。
バインダーとしては、混練性に優れた熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン系樹脂等から選択される少なくとも1種、又はこれらの組合せを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレンと酸素含有エチレン性不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。ポリエチレンとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、メタロセン触媒によるポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチレン等が挙げられる。ポリプロピレンとしては、プロピレンホモポリマー、メタロセン触媒によるポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。エチレンと酸素含有エチレン性不飽和単量体との共重合体としては、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)、カルボン酸変性EVA、EAA(エチレン−アクリル酸コポリマー)、EMAA(エチレン−メタクリル酸コポリマー)、EEA(エチレン−エチルアクリレートコポリマー)、EMAC(エチレン−メチルアクリレートコポリマー)等が挙げられる。
〈ゼオライト〉
ゼオライトは、バインダーに分散しているゼオライトである。
ゼオライトは、バインダーに分散しているゼオライトである。
ゼオライトとしては、主に水分を吸着対象とした親水性ゼオライト、主にアウトガスを吸着対象とした疎水性ゼオライト、及びこれらの組合せを用いることができる。本発明の易カット性吸収フィルムで吸着すべき気体に応じ、当業者は、ゼオライトの種類を随意に選択することができる。特に、親水性ゼオライトと疎水性ゼオライトとの組合せを用いる場合、それぞれのゼオライトの量を調節することにより、水分の吸収性及びアウトガスの吸収性を調節することができる。
親水性ゼオライトは、Si/Alモル比が、1.5以下であるゼオライトである。このSi/Alモル比は、1.5以下、又は1.0以下であることができる。
ここで、Si/Alモル比が小さいことは、ゼオライトが親水性の性質を有することを意味する。したがって、親水性ゼオライトは、主に水分を吸着対象とした物理吸着剤である。
親水性ゼオライトとしては、例えばA型、X型、又はLSX型のゼオライトを用いることができる。これらは単独で使用してもよく、また組み合わせて用いてもよい。
疎水性ゼオライトは、Si/Alモル比が、1.5よりも大きいゼオライトである。このSi/Alモル比は、1.5超、2.0以上、5.0以上、10.0以上、30.0以上、50.0以上、又は100.0以上であることができる。
Si/Alモル比が大きいことは、ゼオライトが疎水性の性質を有することを意味する。したがって、疎水性ゼオライトは、内容物からのアウトガス等を吸着対象とした物理吸着剤である。ここで、アウトガスは、内容物から放出される揮発性の有機ガスや無機ガス(水蒸気は除く)である。具体的には、アウトガスとしては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、酢酸エチル等のエステル、メタン、エタン等の脂肪族炭化水素、エタノール等のアルコール、及びアセトアルデヒド等のアルデヒドが挙げられる。このようなアウトガスは、においに関して好ましくない場合があるだけでなく、内容物に悪影響を与えることもある。
疎水性ゼオライトとしては、例えばベータ型、ZSM−5型、フェリエナイト型、モルデナイト型、L型、又はY型のゼオライトを使用することができる。また、ZSM−5型ゼオライトの類縁体であるZSM−11、シリカライト、シリカライト−2、ペンタシル型メタロケイ酸塩を使用することもできる。これらは単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
ゼオライトの細孔径は、5Å以上、7Å以上、又は10Å以上であることが、熱処理により気泡を良好に生じさせる観点から好ましい。
ゼオライトの粒子径は、10μm以下、8μm以下、又は5μm以下であることが、フィルムにおけるゼオライトの分散性の観点から好ましい。
〈気泡〉
気泡は、図3及び図4に示すように、バインダー中に分散している非延伸の気泡である。ここで言う非延伸の気泡とは、図5に示すような製膜中に偶然発生した延伸されている気泡ではない。非延伸の気泡は、製膜後のフィルムに意図的な発泡によって発生させた気泡であってよく、この気泡は、例えばバインダー樹脂に分散しているゼオライトに吸着されている水分やガスを、熱処理する温度と時間を制御することによって、気泡としてバインダー樹脂中に抱き込ませたものであってよい。
気泡は、図3及び図4に示すように、バインダー中に分散している非延伸の気泡である。ここで言う非延伸の気泡とは、図5に示すような製膜中に偶然発生した延伸されている気泡ではない。非延伸の気泡は、製膜後のフィルムに意図的な発泡によって発生させた気泡であってよく、この気泡は、例えばバインダー樹脂に分散しているゼオライトに吸着されている水分やガスを、熱処理する温度と時間を制御することによって、気泡としてバインダー樹脂中に抱き込ませたものであってよい。
非延伸の気泡のアスペクト比は、5.0以下であることができる。ここで、アスペクト比は、気泡の形状を楕円近似したときの、長軸の長さの短軸の長さに対する比を意味するものである。このアスペクト比は、4.0以下、3.0以下、又は2.0以下であることができる。
一方、図5に示すような延伸されている気泡は、インフレーション法等によるフィルムの製膜中に発生した気泡が、フィルムの延伸によってMD方向に大きく伸びた結果、アスペクト比が5超となったものである。
気泡の投影面積は、0.05mm2以上、0.08mm2以上、0.10mm2以上、0.20mm2以上、又は0.30mm2以上であることが、引裂強さを良好に低減させる観点から好ましい。ここで、投影面積は、JIS P8145に準拠して、きょう雑物測定図表を用いて目視で評価したものである。
また、上記の投影面積を有する気泡は、易カット性吸収フィルム50mm×50mmあたり、240個以上、250個以上、又は270個以上であることが、フィルムを直線的にカットしやすくする観点から好ましい。
〈スキン層〉
スキン層は、易カット性吸収フィルムの一方又は両方の面に積層されている随意の層である。本発明の易カット性吸収フィルムがスキン層を有することにより、ゼオライトの脱落を防止すること、及び易カット性吸収フィルムの表面を平滑化させることができる。
スキン層は、易カット性吸収フィルムの一方又は両方の面に積層されている随意の層である。本発明の易カット性吸収フィルムがスキン層を有することにより、ゼオライトの脱落を防止すること、及び易カット性吸収フィルムの表面を平滑化させることができる。
スキン層は、熱可塑性樹脂で構成されていてよい。熱可塑性樹脂としては、バインダー樹脂に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。スキン層を構成する熱可塑性樹脂は、バインダー樹脂を構成する熱可塑性樹脂と同種であっても異なっていてもよい。
スキン層の厚さは、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることが、易カット性吸収フィルムの表面を良好に平滑化させる観点から好ましく、また30μm以下、25μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることが、易カット性吸収フィルムの易カット性を良好に維持する観点から好ましい。
〈バリア層〉
本発明の易カット性吸収フィルムは、バリア層を有していてもよく、好ましくは最外層としてバリア層を有している。
本発明の易カット性吸収フィルムは、バリア層を有していてもよく、好ましくは最外層としてバリア層を有している。
バリア層としては、アルミニウム箔、純アルミニウム、合金アルミニウム等の金属箔、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロンMXD6等のポリアミド類又はそれらのコート品、アルミニウム蒸着PETフィルム、シリカ蒸着PETフィルム、アルミナ蒸着PETフィルム等の蒸着フィルムから選ばれる少なくとも1種、又はこれらを組み合わせて用いることができる。
バリア層の厚さは、包材としての強度適性及び易カット性を両立させる観点から、用いる材料に応じて適宜選択することができる。
例えば、バリア層がアルミニウム箔である場合、9μm以上、15μm以上、又は20μm以上であり、かつ50μm以下、45μm以下、又は40μm以下であることが好ましい。
バリア層がPETである場合、12μm以上、15μm以上、又は20μm以上であり、かつ60μm以下、50μm以下、又は40μm以下であることが好ましい。
バリア層がナイロン(登録商標)である場合、12μm以上、15μm以上、又は17μm以上であり、かつ30μm以下、25μm以下、又は20μm以下であることが好ましい。
《包装袋》
本発明の包装袋は、上記の易カット性吸収フィルムを具備している。
本発明の包装袋は、上記の易カット性吸収フィルムを具備している。
特に、本発明の包装袋は、上記の易カット性吸収フィルムを1枚又は複数枚具備しており、かつ1枚又は複数枚の易カット性吸収フィルムの一部がこの積層体の他の部分又は他のフィルムとヒートシールされていることによって袋状にされている、易カット性包装袋であってよい。ここで、他のフィルムは、他の易カット性吸収フィルムであってもよく、又は易カット性吸収フィルム以外の他のフィルムであってもよい。
本発明の包装袋は、内容物を収納している内容物入り包装袋であることができる。
〈内容物〉
内容物としては、外気との接触又は内容物自体から発生するガスや湿気によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療機器、電子部品等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
内容物としては、外気との接触又は内容物自体から発生するガスや湿気によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療機器、電子部品等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
《易カット性吸収フィルムの製造方法》
易カット性吸収フィルムを製造する本発明の方法は、熱処理工程を含む。また、本発明の方法は、上記の熱処理の前に、未発泡の吸収フィルムを製膜することを含んでもよい。
易カット性吸収フィルムを製造する本発明の方法は、熱処理工程を含む。また、本発明の方法は、上記の熱処理の前に、未発泡の吸収フィルムを製膜することを含んでもよい。
本発明者らは、ゼオライトを含有している未発泡の吸収フィルムを熱処理することにより、バインダーに非延伸の気泡を分散させることができ、それによって化学発泡剤の添加やレーザービームの使用を伴うことなく、低コストで未発泡の吸収フィルムの引裂強さを低減できることを見出した。理論に拘束されることを望まないが、これは、熱処理によって、バインダーを軟化させつつ、ゼオライトが意図せず吸着したガス及び/又はゼオライトにあらかじめ吸着させたガスを揮発させ、そしてこれを気泡としてバインダーに抱き込ませることができることに起因すると考えられる。
ここで、「引裂強さを低減できる」とは、易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さを、未発泡の吸収フィルムと比較して、70%以下、60%以下、又は50%以下とすることができることを意味するものである。
本発明の方法において、未発泡の吸収フィルムは、化学発泡剤の含有量が、バインダー100質量部に対して、0.1質量部以下、0.05質量部以下、又は0.01質量部以下であり、特に化学発泡剤を含有していない。このように、未発泡の吸収フィルムの化学発泡剤の含有率が低い、又は含有していないことにより、得られる易カット性吸収フィルムに化学発泡剤及びその残留物の含有量を少なくすること、又はこれらを含有させないことにつながり、易カット性吸収フィルムの化学的安定性等に関して好ましいことがある。
未発泡の吸収フィルムにおけるゼオライト及びバインダーは、易カット性吸収フィルムに関して挙げたゼオライト及びバインダーを用いることができる。
また、易カット性吸収フィルムを製造する本発明の方法は、随意の他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば未発泡の吸収フィルムの作製工程、バリア層の積層工程等が挙げられる。易カット性吸収フィルムを製造する本発明の方法が他の工程を含む場合、上記の熱処理工程は、未発泡の吸収フィルムの作製工程の後であれば、どの段階で行ってもよい。
〈熱処理工程〉
熱処理工程は、バインダー、及びゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、未発泡の吸収フィルム内部に非延伸の気泡を発生させることを意味する。この熱処理は、熱ロール、熱プレス等の加熱設備により行うことができる。熱処理の際には、加熱設備への樹脂の付着を防止するため、ステンレス鋼板等で未発泡の吸収フィルムを挟んで行うことが好ましい。
熱処理工程は、バインダー、及びゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、未発泡の吸収フィルム内部に非延伸の気泡を発生させることを意味する。この熱処理は、熱ロール、熱プレス等の加熱設備により行うことができる。熱処理の際には、加熱設備への樹脂の付着を防止するため、ステンレス鋼板等で未発泡の吸収フィルムを挟んで行うことが好ましい。
この熱処理は、未発泡の吸収フィルム全体の領域に対して行うこともでき、又は未発泡の吸収フィルムの一部の領域のみに対して行うこともできる。特に、非延伸の気泡を未発泡の吸収フィルムの一部の領域のみに対して熱処理を行った場合には、この一部の領域のみにおいて非延伸の気泡を分散させることができる。
この熱処理は、バインダーの融点+30℃以上、バインダーの融点+35℃以上、又はバインダーの融点+40℃以上の加熱温度で行うことが、ゼオライト中のガスを良好に脱離させ、かつバインダーを良好に軟化させる観点から好ましい。また、この熱処理は、バインダーの融点+60℃以下、バインダーの融点+55℃以下、又はバインダーの融点+50℃以下の加熱温度で行うことが、バインダーを過度に溶融させて気泡をつぶすことを防止する観点から好ましい。
また、この熱処理は、2秒以上、3秒以上、又は4秒以上の加熱時間で行うことが、ゼオライト中のガスを良好に脱離させ、かつバインダーを良好に軟化させる観点から好ましく、また15秒以下、10秒以下、又は7秒以下の加熱時間で行うことが、バインダーを過度に溶融させて気泡をつぶすことを防止する観点から好ましい。ここで、加熱時間は、未発泡の吸収フィルムが加熱部に接触して加熱されている時間を意味するものである。
〈未発泡の吸収フィルムの作製工程〉
未発泡の吸収フィルムの作製工程は、マスターバッチ作製工程、及び製膜工程を含む随意の工程である。
未発泡の吸収フィルムの作製工程は、マスターバッチ作製工程、及び製膜工程を含む随意の工程である。
{マスターバッチ作製工程}
マスターバッチ作製工程は、バインダー、及びゼオライトを溶融混練することにより行うことができる。混練は、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用いて行うことができる。
マスターバッチ作製工程は、バインダー、及びゼオライトを溶融混練することにより行うことができる。混練は、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用いて行うことができる。
{製膜工程}
製膜工程は、上記のマスターバッチを、例えばインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形、押出成形又は射出成形等により製膜することにより行うことができる。また、未発泡の吸収フィルムがスキン層を有する場合には、別途スキン層用マスターバッチを用意し、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法等で製膜することができる。
製膜工程は、上記のマスターバッチを、例えばインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形、押出成形又は射出成形等により製膜することにより行うことができる。また、未発泡の吸収フィルムがスキン層を有する場合には、別途スキン層用マスターバッチを用意し、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法等で製膜することができる。
〈積層工程〉
積層工程は、未発泡の吸収フィルム又は易カット性吸収フィルムにバリア層を積層させることにより行うことができる。積層方法としては、これに限られないが、押出ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
積層工程は、未発泡の吸収フィルム又は易カット性吸収フィルムにバリア層を積層させることにより行うことができる。積層方法としては、これに限られないが、押出ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
《易カット性包装袋の製造方法》
易カット性包装袋を製造する本発明の方法は、熱処理工程、及び製袋工程を含む。この方法においては、熱処理工程を先に行ってもよく、又は製袋工程を先に行ってもよい。
易カット性包装袋を製造する本発明の方法は、熱処理工程、及び製袋工程を含む。この方法においては、熱処理工程を先に行ってもよく、又は製袋工程を先に行ってもよい。
〈熱処理工程〉
熱処理工程は、バインダー、及びゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、未発泡の吸収フィルム内部に非延伸の気泡を発生させることを意味するものであり、易カット性吸収フィルムの製造方法に関して挙げた方法により行うことができる。
熱処理工程は、バインダー、及びゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、未発泡の吸収フィルム内部に非延伸の気泡を発生させることを意味するものであり、易カット性吸収フィルムの製造方法に関して挙げた方法により行うことができる。
ここで、未発泡の吸収フィルムは、製袋工程及び積層工程を経る前の未発泡の吸収フィルムであってもよく、又はこれらの工程の少なくともいずれかを経た後の未発泡の吸収フィルムであってもよい。
〈製袋工程〉
製袋工程は、未発泡の吸収フィルム又は易カット性吸収フィルムの一部を、これらの他の部分又は他のフィルムとヒートシールすることにより行うことができる。ここで、他のフィルムは、他の未発泡の吸収フィルム若しくは他の易カット性吸収フィルムであってもよく、又はこれらのフィルム以外の他のフィルム、特に他の易カット性フィルムであってもよい。未発泡の吸収フィルムを用いて製袋した場合には、製袋後に熱処理工程を行う。
製袋工程は、未発泡の吸収フィルム又は易カット性吸収フィルムの一部を、これらの他の部分又は他のフィルムとヒートシールすることにより行うことができる。ここで、他のフィルムは、他の未発泡の吸収フィルム若しくは他の易カット性吸収フィルムであってもよく、又はこれらのフィルム以外の他のフィルム、特に他の易カット性フィルムであってもよい。未発泡の吸収フィルムを用いて製袋した場合には、製袋後に熱処理工程を行う。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《フィルムの作製》
〈例1〜10〉
ゼオライト(13X、ユニオン昭和株式会社、細孔径:10Å、Si/Alモル比:1.23)40質量部、及び低密度ポリエチレン(ペトロセン202、東ソー株式会社、融点106℃)60質量部を配合し、そして二軸押出機(PCM70、株式会社池貝)を用いて溶融混練法により、フィルムの中間層に用いるマスターバッチを作製した。
〈例1〜10〉
ゼオライト(13X、ユニオン昭和株式会社、細孔径:10Å、Si/Alモル比:1.23)40質量部、及び低密度ポリエチレン(ペトロセン202、東ソー株式会社、融点106℃)60質量部を配合し、そして二軸押出機(PCM70、株式会社池貝)を用いて溶融混練法により、フィルムの中間層に用いるマスターバッチを作製した。
次いで、上記のマスターバッチを中間層用に、直鎖状低密度ポリエチレン(エボリューSP2520、株式会社プライムポリマー、融点122℃)をスキン層用にそれぞれ用い、インフレーション法により共押出して、中間層の両面にスキン層を有する2種3層構造のフィルムを作製した。このフィルムの作製は、インフレーション成形機(TUL−600R、株式会社プラコー)を使用して行った。中間層の厚さは60μmとし、各スキン層の厚さは10μmとした。
次いで、熱ロール(MRK−350Y、株式会社エム・シー・ケー)又は熱プレス機(IMC−1959、株式会社井元製作所)を用い、表1に示す加熱温度及び加熱時間の条件で各フィルムを熱処理して、例1〜10のフィルムを作製した。なお、表1において、温度及び加熱時間の欄に「−」と記載しているものは、熱処理をしていないことを意味するものである。
《評価》
〈引裂き性〉
作製した各フィルムについて、MD方向及びTD方向の引裂き性を評価した。引裂き性の評価は、引裂強さの測定、及び引裂きの直進性の観察により行った。
〈引裂き性〉
作製した各フィルムについて、MD方向及びTD方向の引裂き性を評価した。引裂き性の評価は、引裂強さの測定、及び引裂きの直進性の観察により行った。
引裂強さの測定は、JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法に基づいて、株式会社東洋精機製作所のストログラフVE10Dを用いて、115mm×50mmの長方形で、かつ短辺の中央から長手方向に45mmのスリットが形成されている試験片について、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mm、測定距離150mmとして経時的に測定し、40〜140mmの平均値を算出した2回の測定値の平均値を評価した。
各フィルムの引裂きの直進性は、図6(a)に示すように直線状に引き裂くことができた場合を「○」とし、図6(b)に示すように長辺の側端に達した場合を「△」とした。また、引裂きの終端の到達位置を、引裂き始点から幅方向へのズレ値として表示した。
〈発泡〉
作製した各フィルムについて、発泡の有無を目視で確認した。次いで、発泡が確認されたフィルム50mm×50mmあたりの発泡を、表1に示すように、JIS P8145に準拠して、きょう雑物測定図表を用いて投影面積ごとに分類した。
作製した各フィルムについて、発泡の有無を目視で確認した。次いで、発泡が確認されたフィルム50mm×50mmあたりの発泡を、表1に示すように、JIS P8145に準拠して、きょう雑物測定図表を用いて投影面積ごとに分類した。
結果を表1に示す。
表1から、気泡が確認された例4〜7及び10のフィルムと、熱処理を行っていない例1のフィルムのTD方向の引裂強さを比較すると、例4〜7及び10のフィルムはいずれも例1のフィルムのTD方向の引裂強さの70%以下に低減できたことが理解できよう。
また、表1から、投影面積が0.05mm2以上である気泡が240個以上確認された例4〜6のフィルムについては、MD方向及びTD方向の引裂きの直進性が良好になっていることが理解できよう。
また、熱処理を行った例2〜10のフィルムは、熱処理を行っていない例1のフィルムと同等の吸収性を有することが確認できている。
2 バインダー
4 ゼオライト
6 気泡
10、10a、10b 易カット性吸収フィルム
A 気泡が分散している領域
B 気泡が分散していない領域
4 ゼオライト
6 気泡
10、10a、10b 易カット性吸収フィルム
A 気泡が分散している領域
B 気泡が分散していない領域
Claims (17)
- バインダー、及び前記バインダー中に分散しているゼオライトを含有している層であって、少なくとも一部の領域に非延伸の気泡が分散している層を少なくとも一層有する、易カット性吸収フィルム。
- 前記気泡の少なくとも一部の投影面積が、0.05mm2以上である、請求項1に記載の易カット性吸収フィルム。
- 0.05mm2以上の投影面積を有する前記気泡が、前記易カット性吸収フィルム50mm×50mmあたり240個以上存在している、請求項2に記載の易カット性吸収フィルム。
- 前記気泡のうちの少なくとも一部の投影面積が0.3mm2以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 前記ゼオライトの細孔径が、5Å以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 前記ゼオライトの含有率が、30質量%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 前記易カット性吸収フィルムの一方又は両方の面にスキン層を更に具備している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 化学発泡剤及びその残留物の含有量の合計が、前記バインダー100質量部に対して、0.1質量部以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- MD方向の引裂強さが、TD方向の引裂強さと比較して、60〜130%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 一部の領域にのみ非延伸の気泡が分散している層を少なくとも一層有し、かつ前記気泡が分散している領域における前記易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さが、前記気泡が分散していない領域における前記易カット性吸収フィルムのTD方向の引裂強さと比較して、70%以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- JIS K7128−1に準拠したトラウザー引裂法に基づいて、TD方向と長手方向とが一致している115mm×50mmの長方形で、かつ短辺の中央から長手方向に45mmのスリットが形成されている試験片を、試験速度200mm/min、つかみ具間距離75mmの条件で前記スリットに沿って引き裂いたときに、引裂きが、前記試験片の前記スリットが形成されている短辺と対向する短辺に到達する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 最外層としてバリア層を更に具備している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルム。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の易カット性吸収フィルムを具備している、包装袋。
- バインダー、及び前記バインダー中に分散しているゼオライトを含有している、未発泡の吸収フィルムを熱処理して、前記バインダー中に非延伸の気泡を発生させることを含む、易カット性吸収フィルムの製造方法。
- 前記ゼオライトの細孔径が、5Å以上である、請求項14に記載の方法。
- 前記熱処理を、
前記バインダーの融点+30〜60℃の加熱温度、及び2〜15秒間の加熱時間で行う、請求項14又は15に記載の方法。 - 前記熱処理により、前記易カット性フィルムのTD方向の引裂強さを、前記未発泡の吸収フィルムと比較して70%以下とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016113869A JP2017218506A (ja) | 2016-06-07 | 2016-06-07 | 易カット性吸収フィルム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019093521A1 (ja) | 2017-11-13 | 2019-05-16 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板用絶縁皮膜を形成するための塗布液、および方向性電磁鋼板の製造方法 |
JP2019199496A (ja) * | 2018-05-14 | 2019-11-21 | 東ソー株式会社 | 易剥離性フィルム及び蓋材 |
JP2021160308A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 共同印刷株式会社 | 直線カット性透明吸湿フィルム |
-
2016
- 2016-06-07 JP JP2016113869A patent/JP2017218506A/ja active Pending
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