JP2001031047A - 食品包装容器 - Google Patents

食品包装容器

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JP2001031047A
JP2001031047A JP20425499A JP20425499A JP2001031047A JP 2001031047 A JP2001031047 A JP 2001031047A JP 20425499 A JP20425499 A JP 20425499A JP 20425499 A JP20425499 A JP 20425499A JP 2001031047 A JP2001031047 A JP 2001031047A
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packaging container
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Makoto Yamazaki
誠 山崎
Keiji Sato
圭二 佐藤
Nagayuki Sata
永行 佐多
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LINING CONTAINER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な層構成を有し、絞り成形性に優れた積
層シートを開発し、該積層シートを用いて、透明性、ガ
スバリヤー性、保香性、衛生性、機械的強度などに優れ
た食品包装容器を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量32〜48モル%のエチ
レン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)から形成
された厚み10〜40μmの無延伸EVOHフィルムの
片面に、接着剤層を介して、厚み200〜1200μm
の無延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂層
がラミネート加工により積層された積層シートを、無延
伸EVOHフィルム層が外面側に配置された容器の形状
に熱成形してなる食品包装容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、ガスバリ
ヤー性、保香性、衛生性、機械的強度などに優れた半剛
性容器からなる食品包装容器に関し、さらに詳しくは、
酸素による変質や変色並びに香気成分の散逸や劣化を防
ぎ、かつ、内容物の品質や状態を外側から確認すること
ができる食品包装容器に関する。本発明の食品包装容器
は、味噌などの香気成分を含有し、酸素に敏感な食品の
包装容器として特に好適である。本発明の食品包装容器
は、簡単な層構成を有する積層シートを、真空成形、圧
空成形、またはこれらの組み合わせなどの熱成形により
容易に得ることができる。
【0002】
【従来の技術】味噌などの香気成分を含有し、微生物学
的・化学的に劣化しやすい食品の包装容器は、ガスバリ
ヤー性と保香性に優れた包装材料により形成されること
が要求される。従来より、保香性包装材料として、例え
ば、硬質塩化ビニル樹脂フィルム、ポリアクリロニトリ
ルフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルムなどの単
層フィルム(シートを含む)が知られている。しかしな
がら、これらのフィルムは、ガスバリヤー性が高くない
か、あるいは熱成形性に劣るものである。ポリエチレン
テレフタレート(PET)/アルミ箔/高密度ポリエチ
レン(HDPE)の層構成を有する多層フィルムは、保
香性とガスバリヤー性に優れた包装材料であるが、不透
明であるため内容物を見ることができない。また、この
多層フィルムは、アルミ箔にクラックが生じやすいた
め、カップやトレーなどの半剛性容器に熱成形すること
が困難である。
【0003】エチレン・ビニルアルコール共重合体(E
VOH)フィルムは、保香性とガスバリヤー性に優れて
いるが、ガスバリヤー性の湿度依存性が高く、高湿度条
件下ではガスバリヤー性が低下するため、一般に、EV
OH層を芯層とする多層フィルムとして使用されてい
る。その具体例としては、PP/EVOH/PP、HD
PE/EVOH/HDPE、PET/EVOH/PPな
どの層構成を有し、各層間に接着剤層が配置されている
多層フィルムが知られている。これらの多層フィルム
は、一般に、Tダイ法によるシート共押出により作成さ
れており、真空成形などの熱成形によりカップまたはト
レーなどの容器に成形することができる。
【0004】このようなEVOH層を芯層とする多層フ
ィルムから形成された容器は、食品と直接接触する内面
側(最内層)にポリプロピレンや高密度ポリエチレンな
どのポリオレフィン系樹脂層がシーラント層として配置
されている。ところが、ポリオレフィン系樹脂層は、香
気成分を吸着、溶解しやすく、食品の風味が薄くなると
いう問題点のあることが指摘されている。最内層をポリ
オレフィン系樹脂以外の保香性に優れた樹脂により形成
することも検討されている。しかし、これらの多層フィ
ルムは、接着剤層を含めると5層以上の層構成となるた
め、製造工程が煩雑で、コストの低減も難しい。
【0005】一方、HDPE/EVOHの層構成を有
し、EVOH層が内面側に配置されたブローボトルが知
られているが、耐油性や耐薬品性を活かして、農薬や工
業薬品の包装容器として使用されているだけである。紙
と樹脂との複合容器であるカートンにおいて、EVOH
層を最内層(香気成分の吸着防止)と中間層(ガスバリ
ヤー層)に2重に配置して、オレンジジュースなどの香
気成分の吸着、溶解を防止したジュース用カートンが開
発されている。しかし、このカートンは、不透明で、層
構成が複雑である。しかも、紙基材の上に各樹脂層を共
押出コーティングしたカートン用の多層シートは、真空
成形などにより所望の大きさや形状を有するカップやト
レーなどの容器に成形することができないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な層構成を有し、絞り成形性に優れた積層シートを開発
し、該積層シートを用いて、透明性、ガスバリヤー性、
保香性、衛生性、機械的強度などに優れた食品包装容器
を提供することにある。また、本発明の目的は、特に味
噌などの香気成分を含有し、酸素に敏感な食品の包装容
器として好適な食品包装容器を提供することにある。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、比較的厚みが小さな無
延伸EVOHフィルムの片面に、接着剤層を介して、比
較的厚みが大きな無延伸PET樹脂層をラミネート加工
により積層してなる積層シートを作成し、真空成形など
の熱成形により、EVOHフィルム層を外面側に配置し
た容器を成形したところ、絞り成形性が良好で、しか
も、透明性、ガスバリヤー性、保香性、衛生性、機械的
強度などに優れており、味噌などの香気成分を含有し、
酸素に敏感な食品の包装容器として好適な食品包装容器
が得られることを見出した。
【0008】従来、EVOHフィルムは、ガスバリヤー
性に優れるものの、高湿度条件下ではガスバリヤー性が
低下するため、高度のガスバリヤー性や保香性が要求さ
れる食品包装材料の分野では、一般に、多層シートの芯
層に配置されており、多層シートからなる食品包装容器
の外面側に配置することは行われていなかった。ところ
が、驚くべきことに、EVOH/接着剤/PETの層構
成を有する前記積層シートからなる熱成形容器は、外面
側にEVOHフィルム層を配置しても、充分に高度のガ
スバリヤー性と保香性を維持することができ、特に味噌
などの固形食品の包装容器として優れていることが判明
した。
【0009】この積層シートは、層構成が簡単であり、
機械的強度も良好で、さらには、絞り成形性に優れてお
り、深絞り成形も可能である。容器内面の食品と接触す
るPET樹脂層は、保香性、衛生性、強度特性に優れて
いる。PET樹脂層は、容器の内側から外側に延出した
フランジ部の表面層を構成することになるが、このフラ
ンジ部でアルミ箔などの蓋材により密封包装することが
可能である。本発明は、これらの知見に基づいて完成す
るに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、エチレン含有量32〜48モル%のエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体(EVOH)から形成された厚み
10〜40μmの無延伸EVOHフィルムの片面に、接
着剤層を介して、厚み200〜1200μmの無延伸ポ
リエチレンテレフタレート(PET)樹脂層がラミネー
ト加工により積層された積層シートを、無延伸EVOH
フィルム層が外面側に配置された容器の形状に熱成形し
てなる食品包装容器が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体(EVOH)は、エチレン含有量
が32〜48%のエチレン・酢酸ビニル共重合体のケン
化物である。EVOHは、エチレン含有量が上記範囲内
にあることによって、溶融成形性に優れ、ガスバリヤー
性と機械的強度とのバランスが良好なフィルムに成形す
ることができる。EVOHには、所望により、少量成分
としてアイオノマーやナイロンなどを添加することがで
きる。エチレン・酢酸ビニル共重合体のケン化度は、ガ
スバリヤー性の観点から90モル%以上であることが好
ましい。
【0012】EVOHは、押出成形性に優れているた
め、Tダイ法やインフレーション法などにより、無延伸
フィルムに製膜することができる。この無延伸EVOH
フィルムは、透明性、ガスバリヤー性、保香性などに優
れている。無延伸EVOHフィルムは、無延伸であるこ
とにより、PET樹脂層と積層した場合に、熱成形が可
能で絞り成形性に優れた積層シートとなる。本発明で使
用する無延伸EVOHフィルムの厚みは、10〜40μ
m、好ましくは15〜40μm、より好ましくは20〜
30μmである。この厚みが小さすぎると、充分なガス
バリヤー性と保香性を得ることが困難になる。この厚み
が大きすぎると、ガスバリヤー性などの性能が飽和し、
また、経済的ではない。
【0013】本発明で使用するポリエチレンテレフタレ
ート(PET)樹脂とは、エチレングリコールとテレフ
タル酸またはテレフタル酸ジメチルとを金属触媒を用い
て重縮合させたホモポリマー;酸成分であるテレフタル
酸またはテレフタル酸ジメチルの一部(通常、1〜10
モル%)をイソフタル酸またはイソフタル酸ジメチルに
置き換えたコポリエステル、グリコール成分であるエチ
レングリコールの一部(通常、1〜34モル%)を1,
4−シクロヘキサンジメタノールに置き換えたコポリエ
ステル、酸成分の一部をイソフタル酸またはイソフタル
酸ジメチルに置き換え、かつ、グリコール成分の一部を
1,4−シクロヘキサンジメタノールに置き換えたコポ
リエステルなどのコポリマー(Co−PET);などで
ある。
【0014】PET樹脂の固有粘度(IV値)は、好ま
しくは0.65〜1.00、より好ましくは0.70〜
0.85である。PET樹脂のIV値がこの範囲にある
ことにより、PET樹脂の押出成形による生産性が安定
化し、無延伸PETシートとEVOHフィルムとが積層
された積層シートの熱成形による生産性も良くなり、さ
らには、得られた容器の耐衝撃強度などの物理的性質が
優れたものとなる。
【0015】PET樹脂層は、無延伸・無配向であるこ
とにより、無延伸EVOHフィルムと積層した場合に、
熱成形が可能で、絞り成形性に優れた積層シートにな
る。無延伸PET樹脂層として、無延伸PETシートを
使用することができるが、この場合は、無延伸PETシ
ートと無延伸EVOHフィルムとを接着剤を用いてラミ
ネート加工して積層することになる。無延伸PETシー
トを押出機とTダイを用いた溶融押出法により製膜する
ときに、溶融押出直後のPETシートを予め片面に接着
剤を塗布した無延伸EVOHフィルムと冷却ロールとニ
ップロールとの間で圧着し、熱融着させる。この方法
は、インラインでの熱融着ラミネーション方式である。
【0016】PET樹脂層の厚みは、200〜1200
μm、好ましくは300〜1000μmである。このP
ET樹脂層の厚みが薄すぎると、積層シートにした場
合、その積層シートで熱成形した容器の物理的強度、ガ
スバリヤー性、保香性が不十分となる。このPET樹脂
層の厚みが厚すぎると、熱成形時に結晶化(白化)しや
すくなり、容器の透明性や耐衝撃性が損なわれる。特に
大容量の容器で、高度の耐衝撃強度、透明性、及びヒー
トシール性が要求される場合には、前述の如き各種ポリ
エチレンテレフタレートコポリマー(Co−PET)を
使用することで、これらの物性を改善することができ
る。そのために、無延伸PET樹脂層を、ポリエチレン
テレフタレートコポリマー(Co−PET)/ポリエチ
レンテレフタレートホモポリマー(A−PET)/ポリ
エチレンテレフタレートコポリマー(Co−PET)の
3層構成とすることが好ましい。Co−PET/A−P
ET/Co−PETの厚み構成は、通常、5〜30%/
40〜90%/5〜30%である。このような3層構成
とすることにより、無延伸PET樹脂層の耐衝撃性、透
明性、ヒートシール性、物理的強度などが良好となる。
【0017】本発明で使用する積層シートは、無延伸E
VOHフィルムの片面に、接着剤層を介して、PET樹
脂層をラミネート加工により積層することにより得るこ
とができる。ラミネート加工としては、特に限定されな
いが、例えば、無延伸EVOHフィルムと無延伸PET
シートをドライラミネーション方式で積層する方法があ
る。この方式では、液状の接着剤をいずれか一方または
双方の上に塗布し、乾燥させて、加熱圧でフィルムとシ
ートを貼り合わせる。好ましいドライラミネーション方
式としては、無延伸EVOHフィルムの片面に熱硬化型
の液状の接着剤を塗布し、乾燥させた後、無延伸PET
シートをロール間で貼り合わせる方法を挙げることがで
きる。
【0018】好ましいラミネート加工として、熱融着ラ
ミネーション方式がある。この熱融着ラミネーション方
式では、片面に熱可塑性ポリエステル系接着剤層を設け
た無延伸EVOHフィルムと、PET樹脂を押出機とT
ダイによりシート状に溶融押出したPETシートとを、
該接着剤層を介して、冷却ロールとニップロールとの間
で圧着して貼り合わせる。前記のドライラミネーション
方式では、非常に硬くて厚い無延伸PETシートと、柔
軟で薄い無延伸EVOHフィルムとを貼り合わせる際
に、機械的な圧着力が均一になり難く、その結果、積層
シートの層間接着強度が不均一になるという欠陥が発生
しやすい。このような欠陥のある積層シートを容器に熱
成形したり、また、成形後に使用すると、無延伸EVO
Hフィルムが剥れやすい。無延伸EVOHと無延伸PE
Tシートとでは、その性質が全く異なり、厚みも大幅に
異なるため、ラミネート加工が極めて困難である。
【0019】このような問題点は、前述の熱融着ラミネ
ーション方式を用いることにより克服することができ
る。より具体的には、無延伸PETシートに対して良好
な接着性を示す熱可塑性ポリエステル系接着剤を選択
し、この接着剤を予め無延伸EVOHフィルムの片面に
塗布し、乾燥させて、接着剤層を形成しておく。次に、
PET樹脂を押出機とTダイを用いてシート状に溶融押
出して製膜する際に、無延伸EVOHフィルムを送り込
んで、溶融押出直後のPETシートと無延伸EVOHフ
ィルムとを、接着剤層を介して、冷却ロールとニップロ
ールとの間で圧着して貼り合わせる。この方法によれ
ば、未だPET樹脂が高温で溶融状態にあり、柔軟で弾
性があるので、PETシートと薄い無延伸EVOHフィ
ルムとを接着剤層を介して均一な圧力で貼り合わせるこ
とができる。この方法で得られた積層シートを容器に熱
成形した後、各部分の層間接着強度を測定すると、平均
して安定な層間接着強度値が得られる。
【0020】無延伸EVOHフィルムとPET樹脂層間
の接着剤としては、熱可塑性ポリエステル系樹脂を溶剤
で希釈して溶液としたものが好ましく、これをグラビア
ロールなどで無延伸EVOHフィルムの片面に塗工す
る。接着剤層の厚みは、乾燥して溶剤を除去した後で、
通常0.5〜5μm、好ましくは0.8〜3μm、より
好ましくは1〜2μmである。アンカー剤としては、熱
硬化型でイソシアネート系のものが好適である。
【0021】無延伸EVOHフィルム/接着剤層/無延
伸PET樹脂層の層構成を有する積層シートは、熱成形
することにより、所望の形状と大きさの容器に成形する
ことができる。熱成形とは、シート成形とも呼ばれ、真
空成形、圧空成形、及びこれらを組み合わせた成形法で
ある。これらの中でも、真空成形が通常である。容器の
形状としては、カップやトレーがあるが、味噌などの固
形食品の包装容器としてはカップが普通である。カップ
の形状としては、例えば、底面や開口部が円形のもの、
楕円形のもの、正方形のもの、長方形のもの、五角形以
上の多角形のものなどが挙げられる。
【0022】本発明の食品包装容器は、熱成形時に絞り
加工されるが、容器の高さ(H)と幅(W)との比(H
/W)で表される絞り比は、通常1/5〜2/1、好ま
しくは1/4〜1/1、より好ましくは1/3〜1/1
である。必要に応じて、絞り比が1/2〜2/1の深絞
り成形加工が可能である。なお、容器の幅(W)は、開
口部が円形の場合には、その直径(口径)を表し、正方
形のものはその一辺の長さを表すが、長方形などのよう
に開口部の幅が場所により異なる場合には、平均値を意
味することとする。具体的に、長方形の場合には、開口
部の短辺と長辺の長さの平均値を幅(W)とする。
【0023】図1にその断面図を示すように、本発明の
食品包装容器1は、無延伸EVOHフィルム層2が外面
側に配置され、接着剤層4を介して、無延伸PET樹脂
層3が内面側に配置されている。無延伸PET樹脂層3
は、容器の開口端で内側から外側にフランジ部を形成す
るように延出させることができる。本発明の食品容器
は、常法に従って、シーラント層を備えたアルミ箔や積
層シートなどの蓋材でフランジ部をシールすることによ
り、食品を密封包装することができる。本発明の食品包
装容器は、透明性、ガスバリヤー性、保香性、衛生性、
機械的強度などに優れており、特に味噌などの香気成分
を含有し、酸素に敏感な食品の包装容器として好適であ
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。 [実施例1]エチレン含有量が44モル%、メルトフロ
ーレート(MFR)が6g/10分の市販のEVOHを
用いて、厚みが30μmの無延伸EVOHフィルムを作
成した。この無延伸EVOHフィルムの片面に、イソシ
アネート系のアンカー剤、次いで熱可塑性ポリエステル
系接着剤を、グラビアコーターにより各1μmの厚さに
塗布し、乾燥させ、室温で2日間エージングさせた。一
方、PET樹脂として、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール(CHDM)の含有量が3.5モル%のポリエチ
レンテレフタレートコポリマー(Co−PET;IV値
=0.80)とポリエチレンテレフタレートホモポリマ
ー(IV値=0.80)とを用いて、ベント式二軸押出
機とTダイにより、Co−PET(15%)/A−PE
T(70%)/Co−PET(15%)の層構成(厚み
構成)のPETシートとして溶融押出し、PET樹脂が
高温である間に、無延伸EVOHフィルムと、接着剤層
を介して、Tダイ直下の65℃以下に冷却した冷却ロー
ルとニップロールとの間で圧着して貼り合わせ、合計厚
みが1000μmの積層シートを作成した。得られた積
層シートは、外層から順に、無延伸EVOHフィルム/
接着剤層/無延伸PET樹脂層の基本的層構成を有する
ものである。この積層シートを真空成形することによ
り、底(トップ)110(114)mm×110(11
4)mm、高さ90mm、底四隅Rコナー付き、及び上
部フランジ幅5mmの容器を成形した。この容器の絞り
比(H/W=90/114)は、0.79であった。
【0025】[実施例2]実施例1において、CHDM
含有Co−PETに代えて、イソフタル酸(IPA)の
含有量が2.5モル%のポリエチレンテレフタレートコ
ポリマー(Co−PET;IV値=0.82)を用いた
こと以外は、実施例1と同様にして3層構成のPETシ
ート(Co−PET/A−PET/Co−PET)を溶
融押出し、PET樹脂が高温である間に、無延伸EVO
Hフィルムと、接着剤層を介して、Tダイ直下の65℃
以下に冷却した冷却ロールとニップロールとの間で圧着
して貼り合わせ、合計厚みが1000μmの積層シート
を作成した。このようにして得られた積層シートを用
い、実施例1と同様に真空成形して、同じ形状と大きさ
の容器を作成した。
【0026】[比較例1]厚み1000μmの硬質塩化
ビニル樹脂の無延伸シートを用いて、実施例1と同じ形
状と大きさの容器を成形した。
【0027】[比較例2]厚み1000μmのポリアク
リロニトリルの無延伸シートを用いて、実施例1と同じ
形状と大きさの容器を成形した。
【0028】[比較例3]合計厚みが1000μmのP
P/接着剤/EVOH/接着剤/PPの層構成を有する
無延伸積層シートを用いて、実施例1と同じ形状と大き
さの容器を成形した。この積層シートのEVOH層の厚
みは、20μmである。
【0029】<性能評価>実施例1及び比較例1〜3で
得られた各容器に味噌750gを入れ、窒素ガスフラッ
シュした後、容器上部をシーラント層を備えたアルミ箔
でシールして密封包装した。この包装体を常温で6ヶ月
保存し、その保存状態を評価した。また、各シートの成
形性も併せて評価した。 (1)成形性 各シートの成形性は、熱成形での絞り加工性を肉厚が均
一に分布しているか否かを目視で観察して、以下の基準
で評価した。 ◎:肉厚が極めて均一である、 ○:肉厚が均一である、 △:肉厚に若干のバラツキがある。 (2)味噌の保存性 味噌の保存性は、味噌の味、匂い、及び色の変化を官能
試験でチェックし、以下の基準で評価した。 ◎:良好である、 ○:普通である、 △:やや劣る。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、無延伸EVOHフィル
ム/接着剤層/無延伸PET樹脂層という簡単な層構成
を有し、絞り成形性に優れた積層シートを用いて、無延
伸EVOHフィルム層を外面側に配置することにより、
透明性、ガスバリヤー性、保香性、衛生性、機械的強度
などに優れた食品包装容器が提供される。本発明の食品
包装容器は、特に味噌などの香気成分を含有し、酸素に
敏感な食品の包装容器として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品包装容器の断面図である。
【符号の説明】
1:容器 2:無延伸EVOHフィルム層 3:無延伸PET樹脂層 4:接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐多 永行 茨城県猿島郡境町下小橋867−11 ライニ ングコンテナー株式会社内 Fターム(参考) 3E033 AA10 BA13 BA16 BA18 BB08 CA03 CA16 CA18 DA08 DD01 FA04 GA03 4F100 AK42B AK42C AK42D AK69A BA02 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA28 EC18 GB23 JD02 JK01 JN01 YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量32〜48モル%のエチ
    レン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)から形成
    された厚み10〜40μmの無延伸EVOHフィルムの
    片面に、接着剤層を介して、厚み200〜1200μm
    の無延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂層
    がラミネート加工により積層された積層シートを、無延
    伸EVOHフィルム層が外面側に配置された容器の形状
    に熱成形してなる食品包装容器。
  2. 【請求項2】 無延伸PET樹脂層が、ポリエチレンテ
    レフタレートコポリマー(Co−PET)/ポリエチレ
    ンテレフタレートホモポリマー(A−PET)/ポリエ
    チレンテレフタレートコポリマー(Co−PET)の3
    層構成を持つものである請求項1記載の食品包装容器。
  3. 【請求項3】 容器の高さ(H)と幅(W)との比(H
    /W)で表される絞り比が、1/5〜2/1である請求
    項1または2に記載の食品包装容器。
  4. 【請求項4】 ラミネート加工が、ドライラミネーショ
    ン方式、または熱融着ラミネーション方式である請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の食品包装容器。
  5. 【請求項5】 熱融着ラミネーション方式が、片面に熱
    可塑性ポリエステル系接着剤層を設けた無延伸EVOH
    フィルムと、PET樹脂を押出機とTダイによりシート
    状に溶融押出したPETシートとを、該接着剤層を介し
    て、冷却ロールとニップロールとの間で圧着して貼り合
    わせる方式である請求項4記載の食品包装容器。
  6. 【請求項6】 味噌用容器である請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の食品包装容器。
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