JP2017214382A - 製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法、混合物、組成物及び錯体形成剤の製造方法 - Google Patents

製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法、混合物、組成物及び錯体形成剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凝集傾向が無いか少ない洗剤及び清浄剤用前駆体となるラセミα−アミノ酸等を好収率で製造する方法の提供。【解決手段】ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法であって、第1級及び第2級アミン並びにアンモニアから選択される少なくとも1種窒素化合物(c)と共に水素の存在下、少なくとも1種の遷移金属を含有する不均一触媒の存在下において、ヒドロキシ酢酸、乳酸、リンゴ酸、α−ヒドロキシグルタル酸、イソクエン酸、タルトロン酸及び酒石酸から選択される対応するα−ヒドロキシカルボン酸、又は、少なくとも1種の対応するα−ヒドロキシカルボン酸の塩を反応させる方法。前記窒素化合物(c)は第1級及び第2級アミン並びにアンモニアから選択され、150〜280℃の温度で、100〜300barの圧力で反応が行われ、前記圧力が水素ガス又は水素含有ガスを反応系へ注入して設定される、ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ラセミα−アミノ酸又はグリシンを製造する方法であって、該ラセミα−アミノ酸又はグリシンに対応するα−ヒドロキシカルボン酸又は該α−ヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種の塩を、遷移金属を少なくとも1種含有する1種以上の不均一触媒の存在下、水素の存在下で、少なくとも1種の窒素化合物(c)と反応させる構成を有し、前記α−ヒドロキシカルボン酸は、ヒドロキシ酢酸、乳酸、リンゴ酸、α−ヒドロキシグルタル酸、イソクエン酸、タルトロン酸及び酒石酸から選択され、前記窒素化合物(c)は、第1級及び第2級のアミン及びアンモニアから選択されることを特徴とする方法に関する。
更に、本発明はラセミα−アミノ酸及び対応するα−ヒドロキシカルボン酸の混合物に関する。
更に、本発明は、本発明に係る混合物の使用方法に関する。
アミノ酸には多様な用途分野がある。例えば、L−アミノ酸は、ペプチド合成用、タンパク合成用に使用される。ラセミアミノ酸も重要な中間体である。
ストレッカー合成によるラセミアミノ酸の製造がそれ自体公知である。それは、特別な安全警戒を必要とする、強毒性物質のシアン化水素酸及び/又は対応するシアン化物の使用が必要だという不利益がある。
米国特許出願公開第2004/092725号明細書は、高圧力及び好ましくは少なくとも300℃でのアンモニアとの反応により、対応するα−ヒドロキシカルボン酸からα−アミノ酸を合成する方法を開示している。しかし、その収率は低い。例えば、374℃でのグリシン合成は収率4.3%と記載され、374℃でのα−アラニン合成は収率2.8%と記載されている。しかし、この種の収率は、産業上工程においては不十分である。また、得られる製造物は、大部分が暗色で、複雑な精製プロセスを必要とする。
米国特許出願公開第2004/092725号明細書
従って、本発明の目的は、α−アミノ酸を好収率で得ることが可能な製法を提供することになる。また、本発明の目的は、発達した凝集傾向が全く無い又は低い、機械食器洗浄用の組成物を含む、洗剤(detergents)及び清浄剤(cleaners)の混合物の製造用の前駆体を提供することでもある。
よって、本発明に係る方法とも称する本発明の範囲内で、当初に記載の方法を発見した。
本発明に係る方法を実行するため、使用する出発材料は、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸(例えば、2又は3種のα−ヒドロキシカルボン酸の混合物又は1種のα−ヒドロキシカルボン酸)である。α−ヒドロキシカルボン酸は、鏡像異性的に純粋な態様で、又は、鏡像異性体の混合物(例えば、問題のα−ヒドロキシカルボン酸の異なる鏡像異性体が存在することを意味する、ラセミ体として)として使用可能である。
α−ヒドロキシカルボン酸は、酸フリー、又は、部分的又は完全に中和された態様で使用可能である。部分的又は完全に中和された態様のα−ヒドロキシカルボン酸を使用する意図であれば、例えば、カリウム塩、特にナトリウム塩等のアンモニウム塩及びアルカリ金属塩が好ましい。
α−ヒドロキシカルボン酸の例は、ヒドロキシ酢酸、乳酸(特にL−乳酸)、 リンゴ酸(特にL−リンゴ酸)、及びα−ヒドロキシグルタル酸、また、イソクエン酸、タルトロン酸及び酒石酸である。特に好ましい例は、ラセミ乳酸、(−)−乳酸及び(+)−乳酸である。
アキラルのグリシンを製造する場合は、ラセミ体は得られないが、グリシンが得られる。
本発明の一実施形態では、本発明の方法を水系媒体中で行う。これは、少なくとも75容積%の水に対し全量で25容積%迄の有機溶媒を含有可能な混合物中、又は水中に、α−ヒドロキシカルボン酸又はその塩を、溶解又は懸濁することを意味すると考えられる。ここでは、有機溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン又は N,N−ジメチルホルムアミドであって、容積%は全連続相に対する値である。アルコールは有機溶媒として不適である。好ましくは、有機溶媒を含まず、又は、連続相に対し、0.1〜5容積%の有機溶媒だけを使用することである。
本発明の一実施形態では、本発明の方法を、4〜14、好ましくは6〜14、特に好ましくは8〜13.5の範囲のpHで行う。
本発明によれば、反応が、少なくとも1種の窒素化合物(c)を用いて行われ、その窒素化合物(c)は、第1級アミン、好ましくは第2級アミン及び更に好ましくはアンモニアから選択される。アミンの例は、特に、C−C10−アルキルアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、tert−ブチルアミン、n−デシルアミン)、また、C−C−シクロアルキルアミン(例えばシクロヘキシルアミン及びモノエタノールアミン)のような芳香族アミンである。2級アミンの例は、特に、ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジイソプロピルアミンのようなジ−C−C10−アルキルアミン、特にジエタノールアミンのようなジ−C−C−ヒドロキシアルキレンアミン、またモノ−C−C10−アルキルモノ−C−C−ヒドロキシアルキレンアミン(例えばN−メチル−N−エタノールアミン)、またピペリジン及びモルホリンのような環状2級アミンである。更に好ましい窒素化合物(c)は、イミノジカルボン酸、特にイミノ二酢酸である。
本発明の好ましい実施形態では、選択される窒素化合物(c)はアンモニア等であり、反応はアンモニアを用いて起こる。アンモニアは、反応混合物に対し、液体アンモニア、ガス状アンモニア若しくはアンモニア性水(“NHOH”)の形で添加可能である。アンモニア塩の態様でのアンモニア添加が望まれる場合は、少なくとも1種の強塩基との組合せ、例えば、NaOH又はKOHとの組合せで、アンモニアを添加することが好ましい。
アンモニアは液体アンモニア又はアンモニア性水の形で添加することが好ましい。
一実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸及び窒素化合物(c)を、モル比が1:1〜1:100の範囲、好ましくは1:2〜1:50の範囲で、特に好ましくは1:3〜1:30の範囲で使用する。ここで、窒素化合物(c)部分は、全窒素化合物(c)の合計を指す。
一実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸及びアンモニアを、モル比1:1〜1:100の範囲で、好ましくは1:2〜1:50の範囲で、特に好ましくは1:3〜1:30の範囲で使用する。
本発明に係る方法は、Hのような水素の存在下で行う。本発明の一実施形態では、本発明に係る方法は、例えば、水素に対するα−ヒドロキシカルボン酸の比率が、全体で、1:1〜1:90の範囲、好ましくは1:2〜1:30の範囲が確立されるように、実行する。他の実施形態では、水素に対するα−ヒドロキシカルボン酸の比率が2:1〜1.01:1を確立する。
本発明の一実施形態では、水素は、不活性ガスであるガスにより、本発明にかかる方法の反応条件下で、例えば窒素ガスを用いて、又はアルゴンのような少なくとも1種の希ガスを用いて、希釈可能である
本発明に係る方法は、少なくとも1種の遷移金属を含む、少なくとも1種の不均一触媒の存在下で実行する。不均一触媒は、ここでは、
(i)微粒子形態で存在する固体支持体上に支持された金属含有触媒、
(ii)非微粒子形態で存在する固体支持体上に支持された金属含有触媒、
(iii)非支持体(支持体を含まない)触媒活性粒子、などである。
本発明の範囲においては、用語触媒は、ここでは、触媒活性種として作用する遷移金属(主金属)、又は、任意にその前駆体、そして任意に存在する支持体及び任意に存在するドーピングである。
「固体支持体」は、ここでは、本発明に係る方法の反応条件下で、固体で、不均一触媒の成形に適したそれらの材料を意味すると考えられる。
「微粒子形態で存在する」とは、平均直径が0.1μm以上2mm以下、好ましくは0.001〜1mm、好ましくは0.005〜0.5mmの範囲、特に0.01〜0.25mmの粒子の態様で、問題の支持体が存在することを意味すると考えられる。
「非微粒子形態で存在する」とは、支持体が、少なくとも一つの寸法(幅、高さ、深さ)において、2mmを超え、好ましくは少なくとも5mmであり、少なくとも1つの更なる寸法、例えば少なくとも1又は両方の更なる寸法が、2mm未満の大きさ、例えば、0.1μm以上2mm以下の範囲になることが可能であることを意味すると考えられる。他の変形例では、非微粒子形態で存在する支持体は、寸法が2mmを超え、好ましくは少なくとも5mmである三次元を有する。好ましい上限は、例えば、10m、好ましくは10cmである。
非微粒子形態で存在する支持体の例は、スチールメッシュ又はニッケルメッシュのような金属メッシュ、スチールワイヤ又はニッケルワイヤのようなワイヤであり、また、例えばビーズ、ラシヒリング(Raschig rings)、糸状(strands)及び錠剤のような成形品である。
本発明の一実施形態では、触媒は、成形品の形態、例えば、錠剤又は糸状のような形態で使用される。
特に好ましい成形品の寸法の例は、寸法6.3mm、3.3mm、2.2mmの錠剤、及び、直径が1.5〜3.0mmの範囲にある糸状である。
微粒子形態で存在する支持体の例は、自由流動性又は懸濁した粉末である。
微粒子形態で存在する支持体を製造する材料の例は、Al、SiO、アルミノケイ酸塩、ハイドロタルサイト、TiO、ZrO、活性炭素であり、特に、Al、ZrO及びTiOである。
非支持体触媒活性粒子(iii)の例は、ラネー銅、ラネーニッケル及びラネーコバルトのようなラネー金属である。非支持体触媒活性粒子は、例えば、スポンジ又はスケルタル(skeletal)触媒として存在可能である。
支持体及び遷移金属に加え、触媒は1種以上の成形剤(例えばグラファイト又はステアリン酸)を含有することができる。
本発明に係る方法用の金属含有触媒において、触媒活性種として適した遷移金属(主金属)の例は、元素周期表4〜12族の遷移金属であり、特に好ましくは、Ti〜Zn等の元素周期表の4〜12族の第1周期にある遷移金属であり、また、元素周期表の全ての周期における8〜11族の遷移金属である。特に好ましい遷移金属は、Co、Ni及びCuである。
本発明に係る方法で使用する触媒中の遷移金属は、例えば、Zr又はTi等の他の遷移金属と、Caと、Snと、Alと、若しくはNaと共に加える(doped)ことができる。ドーピング(添加)は、加えた遷移金属又はNa、Al若しくはCaの量が、主金属に対し、遷移金属又はNa、Al若しくはCaが0.1mol%以上2mol%以下の範囲で取り込まれたことを意味すると考えられる。本発明の範囲においては、しかしながら、通常付随する、主金属の製造から生じる微量元素が、ドーピングから除外されると考えられる。
本発明の一実施形態では、不均一触媒は、固体支持体に加えた(applied、塗布した)ラネー金属及び遷移金属から選択される。好ましい遷移金属(主金属)は、Ni、Cu及びCoから選択される。
本発明に係る方法に適した触媒を製造し、それを貯蔵するためには、遷移金属は、通常、前駆体、すなわち、酸化物、水酸化物若しくは酸化物水酸化物(oxidehydroxide)、又は合金としての化合物として使用され、触媒は、本発明に係る方法又はインサイチュを実行する前に、好ましくは還元又は問題の合金の少なくとも1種の成分を除去することにより、活性化する。酸化状態がゼロである時間の少なくとも一部の間、本発明に係る方法を比例して実行しながら、不均一触媒中の遷移金属が存在することが好ましい。
本発明の一実施形態では、触媒は、微粒子形態の材料から選択され、各場合で水素による活性化の前に測定されるそれら材料の質量は;
全体で15質量%以上80質量%以下の範囲、好ましくは30質量%以上70質量%以下、特に好ましくは35質量%以上65質量%以下の、1種又は複数種類の、アルミニウムの酸素‐含有化合物(Alとして計算);
全体で5質量%以上35質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上30質量%以下の範囲、特に好ましくは12質量%以上28質量%以下、極めて好ましくは15質量%以上25質量%以下の、1種又は複数種類の、ニッケルの酸素−含有化合物(NiOとして計算);
全体で5質量%以上35質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上30質量%以下の範囲、特に好ましくは12質量%以上28質量%以下、極めて好ましくは15質量%以上25質量%以下の、1種又は複数種類の、コバルトの酸素−含有化合物(CoOとして計算);
全体で1質量%以上20質量%以下の範囲、好ましくは2質量%以上18質量%以下の範囲、特に好ましくは5質量%以上15質量%以下の、1種又は複数種類の、銅の酸素−含有化合物(CuOとして計算);
全体で0.2質量%以上5質量%以下の範囲、好ましくは0.4質量%以上4.0質量%以下の範囲、特に好ましくは0.6質量%以上3.0質量%以下、極めて好ましくは0.7質量%以上2.5質量%以下の、1種又は複数種類の、錫の酸素−含有化合物(SnOとして計算);
を含む。
本発明の一実施形態では、触媒は、微粒子形態の材料から選択され、各場合で水素による活性化の前に測定されるそれら材料の質量は;
22質量%以上45質量%以下、好ましくは25質量%以上40質量%以下の、ジルコニウムの酸素‐含有化合物(ZrOとして計算);
1質量%以上30質量%以下、好ましくは2質量%以上25質量%以下、特に好ましくは5質量%以上15質量%以下の、銅の酸素‐含有化合物(CuOとして計算);
5質量%以上50質量%以下、好ましくは15質量%以上45質量%以下、特に好ましくは25質量%以上40質量%以下の、ニッケルの酸素‐含有化合物(NiOとして計算);
5質量%以上50質量%以下の、コバルトの酸素‐含有化合物(CoOとして計算);
0から10質量%以下の、アルミニウム及び/又はマンガンの酸素‐含有化合物;を有し、
ジルコニウム(ZrOとして計算)の、アルミニウム及び/又はマンガン(Al及び/又はMnOとして計算)に対する質量比は、好ましくは少なくとも2.5、非常に好ましくは、アルミニウム及び/又はマンガンの酸素‐含有化合物の質量%がゼロであり、モリブデンの酸素‐含有化合物が0から5質量%以下、好ましくは質量%がゼロである(MoOとして計算)。
本発明の一実施形態では、触媒は、微粒子形態の材料から選択され、各場合で水素による活性化の前に測定されるそれら材料の質量は、
50質量%以上95質量%以下、好ましくは55質量%以上85質量%以下、特に好ましくは60質量%以上80質量%以下の、ジルコニウムの酸素‐含有化合物(ZrOとして計算);
5質量%以上50質量%以下、好ましくは15質量%以上45質量%以下、特に好ましくは20質量%以上40質量%以下の、ニッケルの酸素‐含有化合物(NiOとして計算);
を含む。
本発明の一実施形態では、ニッケルの銅に対するモル比は1を超え、特に好ましくは1.2を超え、極めて好ましくは1.8以上8.5以下の範囲である。
好ましくは、本発明に係る方法で使用する触媒の触媒活性量は、レニウムを含まず、ルテニウムを含まず、鉄を含まず及び/又は亜鉛を含まず、各場合で金属性(酸化状態=0)でもなく、イオン性(酸化状態がゼロではない)でもない。
本発明の一実施形態では、本発明に係る方法に適した触媒は、BET表面積が1m/g以上1000m/g以下であり、好ましくは10m/g以上500m/g以下である(DIN66131に基づくN吸収による)
本発明に係る方法で使用される、好ましい変種(i)及び(ii)の触媒を製造するために、異なる方法を使用可能である。好ましい変種(i)及び(ii)の触媒は、例えば、水酸化物、炭酸塩、酸化物及び/又は他の成分の塩の粉末状混合物を水と混練し、続く押し出し、その結果の塊の焼き戻し(加熱処理)により得ることができる。
好ましくは、本発明に係る方法で使用する変種(i)及び(ii)の触媒を製造するためには、沈殿法を使用する。従って、好ましい触媒は、例えば、難溶性の酸素−含有アルミニウム、チタン、シリコン及び/又はジルコニウム化合物(沈殿物)の、スラリー存在下で、塩基(bases)を用いて、ニッケル、コバルト、銅及び錫成分の、これら元素を含む塩溶液からの共沈(joint precipitation)、続いて、その結果の沈殿物の洗浄、乾燥及び焼成により得ることができる。使用可能な、難溶性の、酸素−含有アルミニウム、チタン、シリコン及び/又はジルコニウム化合物は、例えば、それらの酸化物、水和酸化物、リン酸塩、ホウ酸塩及びケイ酸塩である。難溶性の、酸素−含有アルミニウム、チタン、シリコン及び/又はジルコニウム化合物のスラリーは、この種の化合物の微粒子粉末を水に懸濁させ、よく撹拌することで作製される。難溶性の、酸素−含有アルミニウム、チタン、シリコン及び/又はジルコニウム化合物のスラリーは、好ましくは、対応する難溶性酸素−含有アルミニウム、チタン、シリコン及び/又はジルコニウム化合物を、アルミニウム、チタン、シリコン及び/又はジルコニウム化合物の水溶液から、塩基を用いて沈殿させることで、好ましくは作製される。
好ましくは、本発明に係る方法で使用する変種(i)及び(ii)の触媒は、それら成分の全部の共沈(混合沈殿、mixed precipitation)を介して製造される。この目的のため、触媒成分を含む塩水溶液が、昇温した温度で撹拌しながら、水性塩基(例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム若しくは水酸化カリウム)と、沈殿が完了するまで、便宜上混合される。アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、ウロトロピン、尿素等の、アルカリ金属非含有塩基と共に作用させることも可能である。使用する塩の種類は、通常、重要ではない。何故なら、この前駆体において、問題なのは、主に塩の水への溶解性であり、一つの判定基準は、比較的高濃度の塩溶液を製造するために必要な、それらの良好な水溶解性であるからである。不要な沈殿の発生であれ、錯体化の結果としての沈殿の防止又は障害であれ、個々の成分の塩を選択する際、自然に塩のみが、障害にはならないそれらのアニオンと共に選択されることが自明だと考えられる。
それら沈殿反応の間に得られる沈殿物は、通常、化学的に不均一で、特に、酸化物、水和酸化物、水酸化物、炭酸塩並びに、使用金属の不溶性塩基塩の混合物からなる。それらが熟成、例えば、任意に昇温下で空気を流しながら、それらが沈殿後しばらくの間放置した場合が、沈殿物のろ過性が好ましいことが証明される。
本発明に係る方法で使用される変種(i)及び(ii)の触媒を得るために、沈殿工程後に得られた沈殿物を、公知の方法で更に処理することができる。先ず、沈殿物を洗浄する。沈殿剤として使用可能な(無機物)塩基により、導入されたアルカリ金属の含有量は、洗浄時間により、温度及び洗浄水の量により、影響を受ける。通常、アルカリ金属の含有量は、洗浄の継続により、又は、洗浄水の温度上昇により、減少する。洗浄後、沈殿物を、通常80℃以上200℃以下、好ましくは100℃以上150℃以下で乾燥させ、次いで焼成することができる。焼成は、300℃から800℃の間の温度、好ましくは400℃以上600℃以下、特に420℃以上550℃以下で行うことができる。
他の実施形態では、本発明に係る方法で使用する変種(i)及び(ii)の触媒は、例えば、小縄、錠剤、ビーズ、リングのような成形品又は粉末状の形で存在する酸化アルミニウム(Al)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、又は、前述の酸化物の少なくとも2種の混合物に、遷移金属塩溶液を含浸させて製造することができる。
酸化アルミニウムを、例えば、無定形、ガンマ、シータ及び/又はデルタ型で、水酸化酸化アルミニウム(aluminum oxohydroxide、ベーマイト)として、好ましくはガンマ型で使用する。
二酸化ジルコニウムを、例えば、無定形、単斜、正方晶、立方晶改変(cubic modification)で使用可能であり、単斜、正方晶及び立方晶改変が好ましい。これらの中でも、単斜改変が特に好ましい。
成形品は、それ自体知られた方法で製造可能である。
本発明の一実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸に対し、0.1質量%以上120質量%以下の触媒を使用する。
本発明に係る方法の一実施形態では、温度が150℃以上280℃以下の範囲、好ましくは170℃以上250℃以下で行われる。
本発明に係る方法の一実施形態では、圧力が10bar以上300bar以下の範囲、好ましくは100bar以上250bar以下、特に好ましくは150bar以上200bar以下で行われる。
本発明に係る方法は、バッチ式、連続、若しくは半連続で行うことができる。
本発明の一実施形態では、全反応混合物又は反応混合物の特定成分が循環可能である(例えば、窒素含有化合物(c)、特にアンモニア、若しくは、α−ヒドロキシカルボン酸の溶液)
本発明の一実施形態では、本発明に係る方法は、基本一定温度(本発明に係る方法の間、例えば10℃以下、好ましくは5℃以下変動する温度)で、バッチ式で行うことが可能である。
本発明の一実施形態では、本発明に係る方法は、1分以上48時間以下の期間に亘って行うことができる。本発明に係る方法を連続して行うことが要求される場合は、期間は、平均滞留時間(residence time)の意味だと考えられる。
本発明の一実施形態では、本発明に係る方法は、変種(i)又は(iii)に係る触媒の少なくとも1種の懸濁液として、特に、1時間以上48時間以下、好ましくは2時間以上24時間以下の範囲の反応時間で、実行することができる。
本発明の他の実施形態では、本発明に係る方法は、変種(ii)に係る触媒と共に、特に、1分以上10時間以下の範囲で、好ましくは30分以上5時間以下の反応時間で実行することができる。
時間を計測する際、反応混合物の加熱、冷却、後処理、ラセミα−アミノ酸の分離、減圧又は触媒の活性化等の動作のために使用する時間(期間)は、考慮に入れない。
本発明の一実施形態では、本発明に係る方法を実行するために使用可能な混合は、例えば、撹拌、振とう、回転、循環、スタティックミキサー又は空気式ミキサー(pneumatic mixers)を介したポンピングによる。
特定の論理に対する好適な例を付与する意図無しに、本発明に係る方法の過程において、α−ヒドロキシカルボン酸が、最初にα−ケトカルボン酸へ酸化(例えば脱水素)され、次いでα−ケトカルボン酸が、対応するα−イミノカルボン酸に変性し、そして、ラセミα−アミノカルボン酸に還元される。
これにより、水及びラセミα−アミノカルボン酸又はラセミα−アミノ酸の塩を含有し、触媒(残留物)、出発材料(α−ヒドロキシカルボン酸又は窒素化合物(c)、特にアンモニア)、α−ヒドロキシカルボン酸の分解物質(例えばプロピオン酸、酢酸又はギ酸)のような更なる成分も含有可能な反応混合物が得られる。
本発明の一実施形態では、結果として得られる反応混合物を、後処理する。本発明の具体的な実施形態では、ラセミα−アミノ酸又はラセミα−アミノ酸の塩が分離される。
後処理のためには、例えば、1種以上の下記作業を行うことが可能である。
(i)触媒の非活性化;
(ii)例えばろ過、例えばケーキろ過又はクロスフローろ過により、又は沈降若しくは遠心分離により、活性又は非活性化した触媒を分離;
(iii)例えば蒸発、蒸留、もしくはスプレー乾燥により、水及び窒素化合物(c)、特にアンモニアの完全又は部分除去;
(iv)酸(特にブレンステッド酸)を用いた、又は、硫酸若しくは塩酸を用いた、窒素化合物(c)、特にアンモニアの中和;
(v)例えば、使用したα−ヒドロキシカルボン酸の還元の結果、製造されることがある副製造物の分離;
(vi)例えば、ブレンステッド酸又はブレンステッド塩基を用いたpH調整;
(vii)イオン交換法による、α−ヒドロキシカルボン酸の未反応物からの、α−アミノ酸の分離。
本発明の一実施形態では、製造したラセミα−アミノ酸又はラセミα−アミノ酸の塩を精製の目的で再結晶させる。多様な溶媒を、再結晶のために使用可能である。その中でも好ましいのは、例えば、水及び水含有混合物、例えば、水とエタノールの混合物である。好ましくは、水、又は、pH7.1〜14、好ましくはpH9〜12の水性塩基から再結晶化する水性塩基は、希水酸化カリウム溶液、特に、希水酸化ナトリウム溶液である。
再結晶化は1回以上行うことができる。結晶化ラセミα−アミノ酸又は結晶化ラセミα−アミノ酸の塩は、母液から、例えば、デカンテーション又はろ過若しくはろ過とデカンテーションの組み合わせにより分離可能である。
一実施形態では、精製(純粋な)ラセミα−アミノ酸又はラセミα−アミノ酸の精製塩(例えば精製ナトリウム塩又は精製カリウム塩)、若しくは、部分中和精製ラセミα−アミノ酸が得られる。
本発明の他の実施形態は、下記成分を含有する混合物を提供する。この混合物は;
(a)91質量%以上99.9質量%以下の範囲のラセミα−アミノ酸(好ましくは95質量%以上99.9質量%以下)、及び
(b)0.1質量%以上9質量%以下の範囲の対応するα−ヒドロキシカルボン酸であって、ヒドロキシ酢酸、乳酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシグルタル酸、イソクエン酸、タルトロン酸及び酒石酸から選択されるα−ヒドロキシカルボン酸(好ましくは0.5質量%以上5質量%以下)、
(各場合において、純粋な形、若しくは、好ましくはカリウム又はアンモニウム、特にナトリウムを用いた、部分又は完全中和)を有し、質量%は各場合において全混合物に対するデータであり、それらは同様に本発明により提供される。
ラセミα−アミノ酸は、グリシンと、各場合で、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、−アミノプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−アミノマロン酸、2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸並びに2,3−ジアミノコハク酸のラセミ体から選択される。
対応するα−ヒドロキシカルボン酸(b)は、エナンチオマー富化又は好ましくはラセミとすることができる。
ラセミα−アミノ酸(a)がラセミ体であることの証明は、例えば施光により提供される。
本発明の好ましい実施形態では、本発明に係る混合物において、ラセミα−アミノ酸(a)がラセミα−アラニンから選択され、α−ヒドロキシカルボン酸(b)が好ましくはラセミ乳酸から選択される(各場合において、純粋な形、若しくは、好ましくはカリウム又はアンモニウム、特にナトリウムを用いた、部分又は完全中和)。
本発明に係る混合物は、例えば、本発明の方法により作製される。
本発明は、更に、錯体形成剤を製造するための、本発明に係る混合物の使用方法も提供する。本発明は更に、少なくとも1種の本発明に係る混合物を用いた錯体形成剤の製造方法を提供する。
本発明に係る混合物は、例えば、錯体形成剤を製造するために使用可能である。例えば、ラセミα−アラニンとラセミ乳酸の混合物を、例えば、エトキシ化、続いてアルコール性CH−OH基の酸化により、又は、HCN/HCHOを用いたストレッカー合成により、ラセミメチルグリシンジ酢酸(MGDA)を製造するために使用可能である。乳酸部分、特にラセミ乳酸部分は、MGDAを製造する間のような場合で特に問題にならない。乳酸とラセミMGDAの混合物(例えばナトリウム又はカリウムと共に完全又は部分中和、若しくは精製酸(純粋な酸)として)が得られる。本発明は、更に、本発明に係る混合物を少なくとも1種含有する組成物を提供する。
本発明は、特に、下記成分を含有する混合物を提供する。
(a)0.1質量%以上5質量%以下の範囲の乳酸(好ましくはラセミ体);
(b)ラセミの95質量%以上99.9質量%以下の範囲のN,N−メチルグリシンジ酢酸;(各場合において、純粋な形、若しくは、好ましくはカリウム又はアンモニウム、特にナトリウムを用いた、部分又は完全中和)。
本発明は、下記実施例により詳細に説明される。特に言及しない限りは、%で示す値は質量%である。明細書の範囲において、用語触媒は、不活性化触媒についても使用される。
I. 触媒の作製
I.1 触媒I.1の作製
下記のものを同時に撹拌しながら、65℃迄加熱した撹拌槽に導入した。
・硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸銅、硝酸アルミニウム及び塩化(II)錫の水溶液であって、変換したNi3.9%、Co3.9%、Cu1.9%、Al5.5%及びSn0.5%(「遷移金属塩溶液」)を含むもの、及び、
・20質量%濃度(% strength by weight)の炭酸ナトリウム水溶液。
これに、一定流の遷移金属溶液を供給した。20質量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液の計量を、ガラス電極で測定されるpHが5.7になるよう調整し、一定に維持した。ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅及び錫化合物の沈殿により、懸濁液を形成した。懸濁液の温度は、65℃であった。沈殿を完了した際、空気を1時間吹込み、次いで、懸濁液のpHを、炭酸ナトリウム溶液を用いて7.4の値に調整した。この方法で得た懸濁液をろ過し、ろ過液の電気伝導率がca.20mSになる迄、ろ過ケーキを鉱質除去水で洗浄した。ろ過ケーキを、次いで、乾燥キャビネット中、150℃の温度で乾燥した。この方法で得た水酸化炭酸塩混合物を、次いで、500℃の温度で4時間に亘って焼成した。触媒塊を、次いで、3質量%のグラファイトと混合し、3.3mm錠剤が得られるよう成形した。この方法で得た錠剤を、280℃以上300℃以下の温度で、12時間に亘って水素で還元した。還元触媒の表面不活性化(パッシベーション)を、室温で「希釈」空気(酸素含有量がせいぜい5容積%、N中空気)で行った。この方法で得た触媒I.1の組成を、下記表1に示す。
I.2 触媒I.2の作製
下記のものを同時に、撹拌しながら、65℃迄加熱した撹拌槽に導入した。
・硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸銅及び酢酸ジルコニウムの水溶液であって、変換したNiO7質量%、CoO7質量%、CuO3.25質量%及びZrO7.75質量%(「遷移金属塩溶液」)を含むもの、及び、
・20質量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液。
これに、一定流の遷移金属溶液を供給した。20質量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液の計量を、ガラス電極で測定されるpHが7.5になるよう調整し、一定に維持した。ニッケル、コバルト、銅及びジルコニウム化合物の沈殿により、懸濁液を形成した。懸濁液の温度は、65℃であった。沈殿を完了した際、この方法で得た懸濁液をろ過し、ろ過液の電気伝導率がca.20mSになる迄、ろ過ケーキを鉱質除去水で洗浄した。ろ過ケーキを、次いで、乾燥キャビネット中、120℃の温度で乾燥した。この方法で得た水酸化炭酸塩混合物を、次いで、400℃の温度で2時間に亘って焼成した。触媒塊を、次いで、3.3mm錠剤が得られるよう成形した。この方法で得た錠剤を、280℃以上300℃以下の温度で、12時間に亘って水素で還元した。還元触媒の表面不活性化(パッシベーション)を、室温で「希釈」空気(酸素含有量がせいぜい5容積%、N中空気)で行った。この方法で得た触媒I.2の組成を、下記表1に示す。
Figure 2017214382
II. α−アラニン(ラセミ体)の製造
II.1 ラネーニッケル触媒を用いたα−アラニンの製造
触媒としてラネー触媒を10g、L−乳酸のナトリウム塩の36質量%水溶液を74g、及び、液体アンモニア45gを、初期投入として300mlのオートクレーブに導入した。20barの水素を注入し、混合物を200℃に加熱した。更に水素を注入し、圧力を200barに上昇させた。混合物を、次いで、24時間、200bar水素、200℃で撹拌した。16時間後、一定部分(aliquot)を取り、乳酸を基に、64%の変換率を測定し、H NMR分光法により判定した。全24時間後、混合物を室温迄冷却、減圧し、触媒をろ過して、45gの水と未反応のアンモニアを蒸留除去した。
これにより、ラセミα−アラニン79mol%と、ラセミ乳酸21mol%とを含有する混合物を得た(各場合でナトリウム塩)。残留湿気は、ラセミα−アラニン及びラセミ乳酸(各場合でナトリウム塩)の合計に対し、20質量%であった。
II.2 ラネーニッケル触媒を用いたα−アラニンの製造
触媒としてのラネーニッケル10g、36質量%濃度のL−乳酸のナトリウム塩水溶液74g、及び液体アンモニア45gを、初期投入として300mlオートクレーブに導入した。水素20barを注入し、混合物を210℃迄加熱した。更なる水素注入により、圧力を次いで200bar迄上昇させた。混合物を、次いで、200bar水素、210℃で、24時間撹拌した。16時間後、一定部分を取り、乳酸を基に、89%で変換率を測定し、H NMR分光法により判定した。全24時間後、混合物を室温迄冷却、減圧し、触媒をろ過して、45gの水と未反応のアンモニアを蒸留除去した。
これにより、ラセミα−アラニン92mol%と、ラセミ乳酸8mol%とを含有する、本発明GM−AM.1に係る混合物を得た(各場合でナトリウム塩)。それは、ラセミα−アラニン91.9質量%の、ラセミ乳酸8.1質量%に対する質量比と対応する(各場合で遊離酸に基づく)。
GM−AM.1は、(±)−MGDA及びラセミ乳酸の混合物を作製する目的で、非常に容易に処理可能であった。
II.3 Ni−Co−Cu−Sn触媒併用によるα−アラニン製造
10gの触媒I.1を、ステンレス鋼製の触媒バスケットに充填した。このように充填された触媒バスケットを、300mlオートクレーブ内に配置し、250℃で24時間に亘って水素で処理した。触媒はこれにより活性化された。この系を減圧し、室温まで冷却し、36質量%濃度のL−乳酸のナトリウム塩水溶液74g及び液体アンモニア45gを添加した。水素20barを注入し、混合物を200℃迄加熱した。圧力を、次いで、更なる水素注入により、200barに上昇させた。混合物を、次いで、200bar水素、200℃で、24時間撹拌した。16時間後、一定部分を取り、乳酸を基に、64%で変換率を測定し、H NMR分光法により判定した。全24時間後、その系を室温迄冷却、減圧し、触媒バスケットを触媒と共に除去し、45gの水と未反応のアンモニアを蒸留除去した。
これにより、ラセミα−アラニン79mol%と、ラセミ乳酸21mol%とを含有する混合物を得た(各場合でナトリウム塩)。残留湿気は、ラセミα−アラニン及びラセミ乳酸(各場合でナトリウム塩)の合計に対し、15質量%であった。
反応混合物上のガス空間の分析により、メタンの0.15容積%の分率が分かった。
II.4 Ni−Co−Cu−Sn触媒を用いたα−アラニンの製造
10gの触媒I.1をステンレス鋼製の触媒バスケットに充填した。このように充填された触媒バスケットを、300mlオートクレーブ内に配置し、250℃で24時間に亘って水素で処理した。触媒はこれにより活性化された。この系を減圧し、室温まで冷却し、36質量%濃度のL−乳酸のナトリウム塩水溶液74g及び液体アンモニア45gを添加した。水素20barを注入し、混合物を210℃迄加熱した。圧力を、次いで、更なる水素注入により、200barに上昇させた。混合物を、次いで、200bar水素、210℃で、24時間撹拌した。16時間後、一定部分を取り、乳酸を基に、85%で変換率を測定し、H NMR分光法により判定した。全24時間後、その混合物を室温迄冷却、減圧し、触媒バスケットを触媒と共に除去し、45gの水と未反応のアンモニアを蒸留除去した。
これにより、ラセミα−アラニン92mol%と、ラセミ乳酸8mol%とを含有する、本発明に係る混合物を得た(各場合でナトリウム塩)。それは、実施例2による本発明GM−AM.1に係る混合物と、その組成において対応していた。
II.5 Ni−Co−Cu触媒併用によるα−アラニン連続製造
500mlの触媒I.2を、寸法が長さ2m、円径3cmでリターンパイプを備えた固定−床反応器に充填した。触媒を、圧力をかけずに280℃で24時間に亘って水素により処理した。触媒は、これにより、活性化した。固定床が連続して底部から頂部迄、55質量%のL−乳酸のナトリウム塩の水溶液91g/h、アンモニアガス227g/h及び、水素100L/h(stp)を用いて運転されるように、固定−床反応器を操作した。リターンポンプは502g/hの反応混合物を必要とした。210℃の温度と、200barの圧力を確立した。減圧後、ラセミα−アラニン及びラセミ乳酸のナトリウム塩を、モル比83:17で含有する水溶液を得た。
II.6 Ni−Co−Cu触媒併用によるα−アラニン連続製造
500mlの触媒I.2を、寸法が長さ2m、円径3cmの固定−床反応器に充填した。触媒を、圧力をかけずに280℃で24時間に亘って水素により処理した。触媒は、これにより、活性化した。固定床が連続して底部から頂部迄、60質量%のL−乳酸のナトリウム塩の水溶液69g/h、アンモニアガス77g/h及び、水素50L/h(stp)を用いて運転されるように、固定−床反応器を操作した。200℃の温度と、50barの圧力を確立した。その系を、コントロールバルブを介して減圧し、本発明GM−AM.6に係る混合物を得た。その混合物は、ラセミα−アラニンとラセミ乳酸とを、それぞれナトリウム塩として、モル比92:8含有していた。
GM−AM.6は、(±)−MGDA及びラセミ乳酸の混合物を作製する目的で、非常に容易に処理可能であった。

Claims (15)

  1. ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法であって、
    該ラセミα−アミノ酸又はグリシンに対応するα−ヒドロキシカルボン酸、又は該α−ヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種の塩を、少なくとも1種の遷移金属を含有する少なくとも1種の不均一触媒の存在下、水素の存在下に、少なくとも1種の窒素化合物(c)と反応させる工程を含み、
    前記α−ヒドロキシカルボン酸は、ヒドロキシ酢酸、乳酸、リンゴ酸、α−ヒドロキシグルタル酸、イソクエン酸、タルトロン酸及び酒石酸から選択され、
    前記窒素化合物(c)は、第1級及び第2級アミン並びにアンモニアから選択されることを特徴とするラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  2. 不均一触媒は、固体支持体に塗布したラネー金属及び遷移金属から選択される請求項1に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  3. 前記遷移金属は、Ni、Cu及びCoから選択される請求項1又は2に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  4. ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造中、前記不均一触媒中の前記遷移金属は、少なくとも一時的に酸化数がゼロの状態で存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  5. 前記窒素化合物(c)はアンモニアから選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  6. 当該製造方法が、150〜280℃の範囲の温度で行われる請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  7. 前記α−ヒドロキシカルボン酸は、ラセミ乳酸、(−)−乳酸及び(+)−乳酸から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  8. α−ヒドロキシカルボン酸の塩は、α−ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩から選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  9. 当該製造方法は、10〜300bar以下の範囲の圧力で行われる請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  10. 当該製造方法は、水系媒体中で行われる請求項1〜9のいずれか1項に記載のラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  11. 前記製造方法は、グリシン又は製造されたラセミα−アミノ酸を精製するための再結晶化工程を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造ラセミα−アミノ酸又はグリシンの製造方法。
  12. それぞれ純粋な形態、又は部分的若しくは完全に中和された形態の、
    (a)91〜99.9質量%の範囲のラセミα−アミノ酸と、
    (b)0.1〜9質量%の範囲の、α−ヒドロキシカルボン酸と、を含み、
    それぞれの質量%の値は、全混合物に対するものである混合物。
  13. ラセミα−アミノ酸(a)がラセミα−アラニンから選択され、α−ヒドロキシカルボン酸(b)がラセミ乳酸から選択される請求項12に記載の混合物。
  14. 請求項12又は13に記載の、少なくとも1種の混合物を含む組成物。
  15. 錯体形成剤を製造するために、請求項12又は請求項13に記載の混合物を使用する方法。
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