JP2017213066A - 人体用発熱体、および、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する方法 - Google Patents

人体用発熱体、および、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱によって固化した発熱組成物3が人体に与える違和感を緩和させることができる人体用の発熱体1を提供すること。【解決手段】人体用発熱体1は、人体に熱を供給するための発熱体であって、この発熱体1が、少なくとも一部が通気性の積層体6からなる扁平状袋体2と、この扁平状袋体2の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物3と、扁平状袋体2の少なくとも一部に積層された粘着層4とからなり、人体に当てられる面と発熱組成物3との間に弾性層10を有する。【選択図】図1

Description

本発明は人体用発熱体に関し、特に、発熱によって固化した発熱組成物が人体に与える違和感を緩和させることができる人体用の発熱体に関する。
従来から、鉄粉等の金属粉を主成分とする発熱組成物と空気中の酸素とを反応させて得られる反応熱を利用した発熱体が知られており、かかる発熱体を人体と接触させて人体に熱を供給する方法が利用されている。
例えば、足の甲に貼付するための使い捨てカイロが特許第4405437号公報に開示されているが、この使い捨てカイロは、通気性の扁平状袋に、鉄等の酸化性金属を主成分とする発熱組成物が封入されたものであり、この扁平状袋は、一方が通気性合成樹脂フィルムおよび/または不織布からなる通気層と、他方が合成樹脂積層フィルムとからなる袋である。
また、足部の甲側と裏側に対向して配設される一対の扁平な温熱剤収容部を有する足用温熱体が特許第4628699号公報に開示されているが、温熱剤としては鉄粉等のような酸化反応により発熱する発熱剤が用いられ、収容部としては、一方の面が通気性シートであり、他方の面が最外層にナイロンを用い、その内側にポリエチレンフィルム等を積層したシートである袋が用いられ、他方の面の最外層に粘着部が設けられた足用温熱体が開示されている。
特許第4405437号公報 特許第4628699号公報
このような金属粉と酸素との酸化反応を利用した発熱体は、酸化反応の進行に伴って金属粉が凝結して固化し、柔軟性が低下する。そのため、発熱後、長時間熱を供給し続けた発熱体は、発熱体と接触する人体表面にゴワゴワした感触を与えるという問題があり、上記使い捨てカイロや上記足用温熱体などはかかる問題を有するものであった。
例えば発熱体を足の甲部に使用する場合には、上記問題は特に顕著に表われた。すなわち、特に足の甲部には骨が表面に出ていて複雑な凹凸が存在するので、酸化反応の進行により金属粉が凝結し固化した発熱体が接触すると、体表面の凹凸になじみ難く追従し難くなって、ゴワゴワ感が更に過敏に感じられるようになり、痛さすら感じる場合もある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明は人体に熱を供給しつつ、発熱反応によって固化した発熱組成物のゴワゴワ感を緩和する方法、および、この方法に好適な人体用発熱体を提供することを目的とする。
本発明の人体用発熱体は、人体に熱を供給するための発熱体であって、
該発熱体が、
少なくとも一部が通気性の積層体からなる扁平状袋体と、
該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物と、
該扁平状袋体外面の少なくとも一部に積層された粘着層とからなり、
人体に当てられる面と上記発熱組成物との間に弾性層を有することを特徴とする。
本発明の人体用発熱体は、人体に熱を供給するための発熱体であって、
該発熱体が、通気性の積層体および非通気性の積層体で構成された扁平状袋体と、
該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物と、
該扁平状袋体の該通気性の積層体側外面の少なくとも一部に積層された粘着層とからなり、
上記通気性の積層体が、通気性部および弾性層を有することが好ましい。
本発明においては、上記弾性層が、発泡ポリウレタンからなることが好ましい。
また、本発明の人体用発熱体は、さらに不織布を有することが好ましく、通気性フィルム、弾性層および不織布をこの順に有する通気性の積層体、または、通気性フィルム、不織布および弾性層をこの順に有する通気性の積層体を備えることができる。
また、上記弾性層は、発熱後に固化する発熱組成物のゴワゴワ感を緩和し、ソフト感を持続させるものであることが好ましい。
また、上記人体用発熱体は、該粘着層が足部の甲側に貼付されることが好ましい。
また、本発明の人体用発熱体は、上記人体用発熱体を人体に適用した際に、発熱組成物が有する温度の影響を緩和させることができる弾性層を有することが好ましい。
本発明の方法は、少なくとも一部が通気性の積層体からなる扁平状袋体と、該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物とからなる人体用発熱体を人体に適用する際に、
人体に当てる面と、上記発熱組成物との間に弾性層を設けておき、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する方法である。
また、本発明の方法は、通気性の積層体および非通気性の積層体で構成された扁平状袋体と、該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物とからなる人体用発熱体を人体に適用する際に、
上記通気性の積層体に、通気性部および弾性層を設けておき、人体用発熱体の該通気性の積層体側を人体表面に直接接触または間接接触させて人体に熱を供給しつつ、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する方法であることが好ましい。
ここで、上記人体用発熱体が適用される人体は、足甲部であることが好ましい。
本発明の方法は、上記人体用発熱体が、上記通気性の積層体の表面の少なくとも一部に粘着層を有することが好ましい。
また、本発明の人体用発熱体は、人体に熱を供給するための発熱体であって、該発熱体が、少なくとも一部が通気性の積層体で構成された扁平状袋体と、
該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物とからなり、
人体に当てる面と上記発熱組成物との間に弾性層を有することを特徴とする。
本発明によれば、人体に熱を供給しつつ、発熱反応によって固化した発熱組成物のゴワゴワ感を緩和する方法を実現することができた。また、発熱により固化した発熱組成物を有する発熱体が人体に与えるゴワゴワ感を緩和することができる人体用発熱体を実現することができた。特に、本発明によれば、足甲部に熱を供給するための発熱体として好適な人体用発熱体を実現することができた。また、換言すれば、本発明の人体用発熱体を用いれば、長時間、人体、特に足甲部に、ゴワゴワ感を与えることなく、人体に熱を与え続けることができた。
本発明の人体用発熱体の一実施形態の構造を示す模式図であり、(a)はその平面図であり、(b)は断面図である。 従来の発熱体の構造を示す模式図であり、(a)はその平面図であり、(b)は断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、発熱体を人体に適用する際に、人体に熱を供給しつつ、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する方法である。本発明に用いられる人体用発熱体は、扁平状袋体と、この扁平状袋体の内部に封入された発熱組成物と、粘着層とから構成されており、この扁平状袋体は、少なくとも一部が通気性の積層体(以下「通気性積層体」と称すこともある)からなり、該通気性の積層体は人体側に配置される。本発明においては、扁平状袋体は 通気性の積層体(人体側積層体)および非通気性の積層体(以下「非通気性積層体」と称すこともある)で構成され、粘着層は、上記通気性の積層体の外面の少なくとも一部に積層されることが好ましい。
本発明における扁平状袋体の通気性積層体は、人体と接触(直接または間接)する側の積層体であり、通気性部および弾性層からなる。通気性部は、少なくとも1層以上の通気性を有する層からなり、通気性を有する層としては、通気性フィルムや、その通気性フィルムに不織布、織布、紙等を積層したものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に好ましく用いられる通気性フィルムとしては、不織布、一軸または二軸延伸された多孔質フィルム、無孔フィルムに貫通孔をもうけたものなどが挙げられる。その多孔質フィルムは、その平均孔径が0.5〜1000μmの貫通孔を有することが好ましい。
多孔質フィルムとしては、フィルムを一軸または二軸延伸することによって得られたものなどが好ましく使用される。そのフィルムの材料としては、合成樹脂等が用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上混合した樹脂でもよい。
貫通孔の形成方法としては特に限定されるものではないが、例えば、フィルムに極細針(熱針を含む。)を貫通させて形成してもよく、あるいは、ダイヤモンド(人工のものを含む)や金属粉等を固着したドラムをフィルムに押圧して貫通孔を形成したもの、更にはレーザーによって貫通孔を形成したもの等が挙げられる。
多孔質フィルムや、貫通孔を設けたフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、強度、貫通孔を形成する際の容易性、取扱性および経済性等の観点から、10〜500μmであることが好ましく、更に好ましくは15〜200μmである。
通気性積層体を構成する弾性層としては、発泡ポリウレタンなどが好ましく用いられる。弾性層は、単層でも複数層でもよい。
弾性層の厚みは特に限定されるものではないが、発熱によって固化した発熱組成物の違和感を緩和する観点から、500〜2000μmであることが好ましい。また、かかる厚み範囲の弾性層が人体と接触する側に配置されていれば、発熱体の発する熱をマイルドに伝達することができる。
弾性層には、他の層が積層されていてもよく、例えば、不織布、織布(不織布、織布とも、メッシュ状のものを含む。)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)等の熱可塑性樹脂フィルムなどが積層されていてもよい。不織布を積層すると、風合い、質感等を改良することができる。
本発明に用いられる不織布(又は織布)としては、例えば、天然繊維または人造繊維で形成されたものなどが挙げられる。
天然繊維としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば木綿、カポック、マニラ麻、サイザル麻、絹、羊毛、モヘア、カシミヤ、ラクダ、アルパカなどが挙げられる。
また、人造繊維としては再生繊維、半合成繊維、合成繊維などが挙げられる。再生繊維としては、例えばビスコースレーヨンまたは銅アンモニアレーヨンなどが挙げられ、半合成繊維としては、例えばアセテートなどが挙げられ、合成繊維としては、例えばポリアミド系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリ塩化ビニリデン系合成繊維、アクリル系合成繊維、モダクリル系合成繊維、ポリオレフィン系合成繊維、フルオロカーボン系合成繊維又はポリウレタン系合成繊維等が挙げられる。
不織布の目付は特に限定されるものではないが、例えば、20〜70g/mであることが好ましく、20〜50g/mであることが更に好ましい。
本発明において、通気性積層体は、発熱組成物に近い方から、通気性フィルム、弾性層および不織布をこの順に有するか、あるいは、通気性フィルム、不織布、弾性層をこの順に有することが好ましい。
本発明における扁平状袋体の他方側を構成する非通気性積層体は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどからなる非通気性のフィルムやシートが挙げられ、これらのフィルム等の単層または2以上積層した積層体でもよい。また、非通気性積層体には、不織布が積層されていてもよく、この場合には、最外層として積層されることが好ましい。
通気性積層体を構成する各層および非通気性積層体の各層は、接着剤等の方法によって積層されていてもよいし、他の方法によって積層されていてもよい。また、通気性積層体および非通気性積層体の端部を接合して袋体を形成する方法としては、熱融着、接着剤等による方法や、一般的な方法が使用される。
本発明においては、開放部のない扁平状袋体の内部に発熱組成物が封入されている。本発明に用いられる発熱組成物は、空気の存在下で発熱反応を起こすものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、鉄粉等の金属粉と、この金属粉に酸化反応を起こさせたり、pHの調整及び触媒作用を有する活性炭、金属粉表面の酸化被膜を破壊し、金属粉の酸化反応を円滑に進行させるための塩化物、更に水、および該水によるベトツキをなくするために用いられる保水剤からなるものが好ましい。
発熱組成物としては、安全性、経済性、長時間にわたる温熱効果および保存性等の観点から、金属粉として鉄粉を用い、成分比率が鉄40〜75重量%、活性炭1〜10重量%、塩化物1〜10重量%、水10〜40重量%、保水剤1〜40重量%からなるものが好ましい。
塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等の金属塩化物が挙げられる。
保水剤としては、保水性が高く、発熱組成物においてそのベトツキを無くするものであれば特に限定されるものではないが、例えば、バーミュライト、シリカ粉、木粉、吸水性ポリマーなどが挙げられる。
本発明の人体用発熱体は、扁平状袋体の通気性積層体に粘着層を有する。この粘着層に用いられる粘着層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤などが挙げられる。
なお、本発明においては、扁平状袋体を構成する通気性積層体側を、人体表面側に配置して使用するならば、粘着層はなくてもよい。
本発明の人体用発熱体は、人体と接触する側に弾性部を有するので、発熱反応の進行に伴い発熱組成物が固化しても、これによるゴワゴワ感を緩和することができ、発熱反応開始時のソフト感を持続することができる。また、柔軟性の低下を防ぐことができるので、発熱体で発生した熱を効率よく人体に伝達することができる。さらにまた、人体と接触する側に弾性部を有するので、人体用発熱体が外気の冷気等により影響を受けた冷たい感覚や、発熱組成物の発熱反応により影響を受ける熱い感覚を緩和することができるので、人体の肌に対して優しく、使い心地の良い発熱体である。特に、本発明の人体用発熱体は、複雑な凹凸を有する足の甲部に対しても好ましく適用することができる。
以下に、本発明の実施形態の1つである足甲部に使用する実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の人体用発熱体の構造の一実施形態を、図1を用いて説明する。図1の(a)はその模式的平面図であり、(b)は模式的断面図である。図1の(a)および(b)において、1は本発明の人体用発熱体であり、この人体用発熱体1は、扁平状袋体2と、この扁平状袋体2の内部に封入された、発熱組成物3と、粘着層4とからなる。また、この扁平状袋体2は、一方の面が非通気性積層体5、他方の面が通気性積層体6で構成されていて、開放部のない扁平袋状に形成されている。粘着層4は通気性積層体6の外面に設けられている。
実施例で用いられる人体用発熱体1では、非通気性積層体5は、袋体の内側から、非通気性フィルム7としてポリエチレンフィルム(ジェイフィルム社製、厚み60μm)、および、不織布8としてポリエチレンテレフタレート不織布(東洋紡社製、厚み約0.2mm)が積層されている。
また、実施例で用いられる人体用発熱体1では、通気性積層体6は、袋の内側から、通気性フィルム9として、多孔質フィルム(興人フィルム&ケミカルズ社製、厚み約70μm)、弾性層10として、発泡ポリウレタン(クラボウ社製、厚み1.8mm)、および、不織布11として、ポリエチレンテレフタレート不織布(東洋紡社製、厚み約0.15mm)であり、多孔質フィルム、発泡ポリウレタンおよびポリエチレンテレフタレート不織布はホットメルトスプレーラミされている。
また、発熱組成物は、金属粉として鉄粉を用い、成分比率が鉄40〜75重量%、活性炭1〜10重量%、塩化物1〜10重量%、水10〜40重量%、保水剤1〜40重量%からなるものが用いられており、実施例で用いられる人体用発熱体1では、発熱組成物3として、成分比率が鉄60重量%、活性炭3重量%、塩化ナトリウム3重量%、水31重量%、保水剤3重量%からなるものが用いられた。さらにまた、発熱組成物3の充てん量が500〜7000g/mの範囲に調整された。
扁平状袋体2は、非通気性積層体5と通気性積層体6の周縁部12がヒートシールによって熱融着されている。
通気性積層体6の外側に粘着層4が設けられている。実施例では、粘着剤としてアクリル系粘着剤が使用され、縞模様の形状の粘着剤層(厚み19μm)が形成され、粘着層4の外側には、剥離紙13として、サンエー化研社製、厚み約40〜50μm)が積層された。
得られた人体用発熱体1は、気密性のある2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした外袋に収納した。
次に、比較例の足用発熱体を作製した。比較例の足用発熱体21の構造を図2に示すが、図2の(a)はその模式的平面図であり、(b)は模式的断面図である。すなわち、比較例の足用発熱体21は、扁平状袋体22と、この扁平状袋体22の内部に封入された、発熱組成物23と、粘着層24とからなる。また、この扁平状袋体22は、一方の面が非通気性積層体25、他方の面が通気性積層体26で構成されていて、開放部のない扁平状に形成されている。粘着層24は非通気性積層体25の外面に設けられている。
通気性積層体26は、通気性フィルム27として、多孔質フィルム(興人フィルム&ケミカルズ社製、厚み約70μm)、および、不織布28を積層した。また、非通気性積層体25は、非通気性フィルムとしてポリエチレンフィルム(ジェイフィルム社製、厚み60μm)が用いられた。
また、発熱組成物23は、実施例で使用した発熱組成物3と同様のものを使用した。
扁平状袋体22は、通気性積層体26と非通気性積層体25の周縁部30がヒートシールによって熱融着されている。
非通気性積層体25の外側に、実施例と同様にして粘着層24が設けられているが、粘着剤の種類、形状、粘着層の厚み等は実施例と同様にした。また、粘着層24の外側には、剥離紙29として実施例と同様のものが積層された。
得られた比較例の人体用発熱体21は、気密性のある2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした外袋に収納した。
次に、以下のようにして官能試験を行った。
すなわち、外袋に収納した実施例の人体用発熱体1および比較例の人体用発熱体21を、温度4℃±2℃の環境下に2時間放置した。その後、温度20℃±3℃の環境下にて、外袋から人体用発熱体1を取り出し、すばやく剥離紙13をはがして粘着層4を被験者の左足の甲部に貼付し、ほぼ同時に比較例の人体用発熱体21を外袋から取り出し、剥離紙29をはがして粘着層24を該被験者の右足の甲部に貼付し、すぐに靴を履いた。人体用発熱体1,21を貼付した直後から1分までの間の温冷感について、官能評価を行った。
温冷感の官能評価の評価基準は以下のとおりである。すなわち、実施例の発熱体1の方が比較例の発熱体21よりも温かく感じるか、もしくは比較例の発熱体21の方が実施例の発熱体1よりも冷たく感じた場合には記号「A」、実施例の発熱体1と比較例の発熱体21のどちらが温かいとも冷たいとも言えない場合には記号「B」、比較例の発熱体21の方が実施例の発熱体1よりも温かく感じた場合、もしくは実施例の発熱体1の方が比較例の発熱体21よりも冷たく感じた場合には記号「C」で示す。
ただし、被験者は女性10人であり、各人、左足甲部と右足甲部とで、それぞれ2回ずつ官能試験を行った。その結果を表1に示す。
また、使用終了時のソフト感についても以下に示す官能試験を行った。すなわち、上記温冷感の官能試験で官能評価を行った後、実施例の発熱体1および比較例の発熱体21を被験者の足甲部にセットしたまま、温度15℃±5℃の環境下にて、8時間使用した時点で、足甲部に感じるソフト感につき官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
ソフト感の官能評価の評価基準は以下のとおりである。すなわち、実施例の発熱体1の方が比較例の発熱体21よりもソフトであると感じた場合には記号「A」、実施例の発熱体1と比較例の発熱体21のソフト感に差異が認められない場合には記号「B」、比較例の発熱体21の方が実施例の発熱体1よりもソフトであると感じた場合には記号「C」で示した。
Figure 2017213066
表1から明らかなように、貼付時の温冷感試験において、比較例の発熱体21の方が実施例の発熱体1より温かく感じた、と答えた被験者は0人であった。また、比較例の発熱体21を足甲部に貼付した際にはかなり冷たさを感じるが、実施例の発熱体1を貼付した際には冷たさを感じず、むしろ温かさを感じる被験者も見受けられた。これは、実施例の発熱体1は、発熱組成物3と足甲部との間に弾性層10が介在しているため、冷たい環境下で保存されて冷たくなった発熱組成物3の冷たさが伝わりにくく、断熱効果が発揮されていると考えられる。したがって、冬場(4℃±2℃)に発熱体を貼付する場合でも、貼付時の冷感を抑制することができ、貼付後すぐにあまり冷たさを感じないまま発熱が開始され、発熱体により足甲部が温められる。すなわち、本発明の人体用発熱体は、人体へ適用して直ぐに、あまり冷たさを感じないまま発熱体による温熱感が保証されることが確認された。なお、本発明の発熱体は上記したように弾性層が介在しているので、発熱組成物の発熱が進み温度がかなり上昇したとしても、発熱した発熱組成物自体の熱さが直接足甲部に伝達されることはなく、マイルドな温感になると予想される。
また、表1における使用終了時のソフト感試験から明らかなように、使用終了時に実施例の発熱体1より比較例の発熱体21の方がソフトであると感じた、と答えた被験者は0人であった。実施例および比較例の発熱組成物3,23は、8時間使用後、いずれも固化する現象が認められた。しかしながら、実施例の発熱体1は固化した発熱組成物3と足甲部との間に弾性層10が介在しているので、固化して固くなった感触が足甲部には伝わりにくくなっており、ゴワゴワ感が緩和され、使用開始時のソフト感を持続することができた。一方、比較例の発熱体21は、発熱組成物23と足甲部との間に弾性層が介在していないので、固化して固くなった発熱組成物23の感触が足甲部にダイレクトに伝わり、被験者の足甲部に発熱組成物23のごつごつしたエッジ部が当たり、違和感が生じた。なお、実施例の発熱体1では、固化した発熱組成物3に起因する違和感を感じることなく、むしろ弾性層10自体の有するソフト感を感じる被験者も見受けられた。
以上の結果から明らかなように、本発明により、人体に熱を供給しつつ、発熱反応によって固化した発熱組成物のゴワゴワ感を緩和する方法を実現することができた。特に、骨が表面に浮き出ていて複雑な凹凸を有する足甲部に適用してさえも、ゴワゴワ感を感じさせずに人体を温めることができた。また、本発明の人体用発熱体を用いれば、人体に熱を供給しつつ、発熱反応によって固化した発熱組成物が人体に与える違和感を緩和することができた。
1 人体用発熱体
2 扁平状袋体
3 発熱組成物
4 粘着層
5 非通気性積層体
6 通気性積層体
7 非通気性フィルム
8 不織布
9 通気性フィルム
10 弾性層
11 不織布
13 剥離紙
12,30 周縁部(ヒートシール)
21 比較例の人体用発熱体(足用発熱体)
22 扁平状袋体
23 発熱組成物
24 粘着層
25 非通気性積層体
26 通気性積層体
27 通気性フィルム
28 不織布
29 剥離紙

Claims (12)

  1. 人体に熱を供給するための発熱体であって、
    該発熱体が、
    少なくとも一部が通気性の積層体からなる扁平状袋体と、
    該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物と、
    該扁平状袋体の少なくとも一部に積層された粘着層とからなり、
    人体に当てられる面と上記発熱組成物との間に弾性層を有することを特徴とする人体用発熱体。
  2. 前記発熱体が、
    通気性の積層体および非通気性の積層体で構成された扁平状袋体と、
    該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物と、
    該扁平状袋体の該通気性の積層体側外面の少なくとも一部に積層された粘着層とからなり、
    上記通気性の積層体が、通気性部および弾性層を有することを特徴とする請求項1に記載の人体用発熱体。
  3. 上記弾性層が、発泡ポリウレタンからなることを特徴とする請求項1に記載の人体用発熱体。
  4. 通気性フィルム、弾性層および不織布をこの順に有する通気性の積層体、又は、通気性フィルム、不織布および弾性層をこの順に有する通気性の積層体を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の人体用発熱体。
  5. 上記弾性層が、発熱後に固化する発熱組成物のゴワゴワ感を緩和し、ソフト感を持続させるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の人体用発熱体。
  6. 上記人体用発熱体は、該粘着層が足部の甲側に適用されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の人体用発熱体。
  7. 上記人体用発熱体を人体に適用した際に、発熱組成物が有する温度の影響を緩和させることができる弾性層を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の人体用発熱体。
  8. 少なくとも一部が通気性の積層体からなる扁平状袋体と、該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物とからなる人体用発熱体を人体に適用する際に、
    人体に当てる面と、上記発熱組成物との間に弾性層を設けておき、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する方法。
  9. 通気性の積層体および非通気性の積層体で構成された扁平状袋体と、該扁平袋状体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物とからなる人体用発熱体を人体に適用する際に、
    上記通気性の積層体に、通気性部および弾性層を設けておき、該通気性の積層体側を人体表面に直接接触または間接接触させて人体に熱を供給しつつ、発熱によって固化した発熱組成物が人体に違和感を与えることを防止する請求項8に記載した方法。
  10. 上記人体用発熱体が適用される人体が、足甲部であることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
  11. 上記人体用発熱体が、上記通気性の積層体の表面の少なくとも一部に粘着層を有することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 人体に熱を供給するための発熱体であって、
    該発熱体が、少なくとも一部が通気性の積層体で構成された扁平状袋体と、
    該扁平状袋体の内部に封入された、空気の存在によって発熱する発熱組成物とからなり、
    人体に当てる面と上記発熱組成物との間に弾性層を有することを特徴とする人体用発熱体。
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