JP2007319359A - 発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発熱組成物の漏れや偏りが無く、しかも安全である上、不織布自体の伸張性、柔軟性及びソフト感のある良好な使用感を保持し、肌触りや関節への追随性が良好で、しかも優れたモイスチャー効果に起因する美容効果と温熱効果を発現し得る発熱体を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が不織布で形成された基材2と被覆材4との間に、粘体状発熱組成物3或いは、過剰水を包含した粘体状発熱組成物3と保水剤層5を用いて発熱体1を構成したことを特徴とする。 さらに前記発熱体1の不織布に貼付剤層を組み合わせたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材と被覆材のうち少なくとも一方を不織布で形成してなる包材に発熱組成物を積層してなる発熱体に関する。
近年、いわゆる使い捨てカイロと称される、通気性を有する袋材内に発熱組成物を封入した発熱体が広く利用されている。
又、この袋材の片面に粘着剤層を形成して、下着や体表面に直接に貼りつけることができるようにした発熱体も利用されており、更に、この粘着剤層に湿布剤を含有又は担持させて温湿布に利用したり、経皮吸収性薬物を含有又は担持させて、いわゆる薬物の経皮吸収剤として利用したりすることも提案されている(例えば、特許文献1)。
更に、金属粉、塩類及び水を含有し、金属粉の酸化反応に伴って水蒸気を放出する水蒸気発生組成物からなる水蒸気発生部を有し、皮膚又は粘膜に適用される水蒸気発生体であって、該水蒸気発生体の皮膚又は粘膜に適用される面が透湿量4000g/m2・24h以上の透湿性シートからなり、その面から水蒸気が0.01mg/cm2・min以上の水蒸気量で放出され、その水蒸気温度が50℃以下に制御されてなる水蒸気発生体が提案されている(特許文献2)。
特開平2−149272号公報 特許第3049707号公報
一般的に、このような発熱体においては、通気性のフィルムないしシートとして、不織布にポリエチレンフィルムをラミネートし針穴加工等の手段により通気性を持たせたもの、又は不織布に多孔質フィルムを張り合わせたものが用いられている。
これらの、フィルム状ないしシート状の基材の所定領域に発熱組成物を投下した後、被覆材を被せ、更にこの後、基材と被覆材の周縁部とを全周にわたってヒートシール、ホットメルト系接着剤などによって封着する方法が採用されている。
そして、このようにして製造された発熱体は使用時までの発熱反応を抑止するために、気密性の外袋内に密封され、保存されたり、流通に供されたりするのであり、その後の使用に際しては、外袋を破いて発熱体を取り出し、酸素と袋材内の発熱組成物とを接触させることにより発熱反応を開始させるのである。
ところで、発熱体の包材として、不織布単層を使用すると、柔軟性、伸縮性などの使用感、コスト面において優れているが、不織布は繊維間の隙間が大きく、従来の粉体状発熱組成物を使用した場合、使用中において、発熱組成物の粉末が不織布の繊維の間から漏れる、発熱組成物が偏る、通気量が大きすぎて温度制御が困難であるなどの問題があり、
不織布単層では使用することがでず、ポリエチレンなどをラミネートした後に、針穴加工などの手段で通気性を持たせて用いられているのが現状である。
一方、多孔質フィルムを用いた場合は、発熱組成物の漏れについては解消されるが、伸張性が悪く、発熱反応の進行に応じて袋材内が減圧状態となって収縮し、柔軟性が失われ、肌触りや関節への追随性が悪くなるという問題があった。
又、特許文献2のものは、温度調節材を使用して水蒸気量や水蒸気温度が調節されているが、これでは構造が複雑になるなどの問題が有る。
そこで、本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材と被覆材のうち少なくとも一方を不織布単層で形成し、発熱組成物を粘体状発熱組成物、或いは過剰水を含有する粘体状発熱組成物と保水剤層を用いることにより、不織布に発熱組成物を固定させ発熱組成物の粉末の漏れや偏りを防止し、柔軟性や伸縮性があり、しかも体表面にフィット感のある発熱体を完成するに至ったのである。
また、粘体状にすることにより、発熱組成物の空隙率を小さくし、高通気性の不織布を使用しても発熱反応を制御し安全性の高い発熱体を完成するに至ったのである。
さらに、前記不織布に通気性を残して貼付剤層を形成することによって不織布の通気性を制御するとともに、貼付剤で体表面を密封状態にして水蒸気の無駄な放出を抑制し、温熱効果及びスチーム効果をより高めた発熱体を完成するに至ったのである。
粘体状発熱組成物とは、従来の発熱組成物に増粘剤を加え粘性により不織布に固定できる発熱組成物を意味し、過剰水を包含する粘体状発熱組成物の場合は、保水剤層とを組み合わせることで、製造工程における発熱反応の抑制および吸水による保水剤層のソフトな弾力性を発現させ、且つ、発熱体内の水分量を増加できるなどの効果により使用感がよく、温熱効果とスチーム効果を持続させることができるとの知見を得たのである。
更に、本発明者は、不織布を貼付剤でコーティングすることによって、コーティング量及び不織布への含浸量により通気量及び透湿度を制御でき、不織布自体の伸張性、ソフト感を失わず使用感の良い貼付剤付き発熱体が得られるとの知見を得たのである。
本発明者は、前記貼付剤付き発熱体において、貼付剤層に透湿性があるため体表面に貼付し使用した場合でも、発熱体内部で発生した水蒸気が貼付剤付き不織布を通じて体表面に供給され、発熱体内部の水分が減少すると、逆に、体表面から発生した汗や水蒸気が発熱体内部へ供給されることにより、発熱反応効率を高め、温熱効果及びモイスチャー効果を高めるとの知見も得たのである。
また、貼付剤付き発熱体において、発汗作用によって発生した汗を貼付剤付き不織布が吸収でき、発汗による貼付力の低下が防止されるため、粘着力を弱くできる結果、皮膚に優しく、継続して同じ部位に貼付しても皮膚へのダメージを緩和できるのである。
加えて、貼付剤付き不織布にも通気性があるため、保存袋を開封した後、剥離紙を剥がしてから体表面に貼付するまでの間、発熱体の裏表面から通気する結果、初期の温度上昇を速めることができるのであり、これを体表面に貼付することで、片面通気となり適温で安定した温熱効果が得られるのである。
又、このように発熱体の使用時には、貼付剤により体表面と発熱体が密着した状態で、温熱とスチームが体表面に供給されるので、外部への水蒸気の無駄な放出が少なく、長時間にわたって温熱効果及びスチーム効果が期待されるのである。
更に、不織布は、柔軟で肌触りが良好であることから、この不織布を用いることにより、発熱体の肌触りや関節への追随性が良くなり、使用感が非常に良くなるとの知見も得たのである。
本発明は、前記知見に基づき完成されたものであり、発熱組成物の漏れや偏りが無く、しかも安全である上、不織布自体の伸張性、柔軟性及びソフト感のある良好な使用感を保持し、肌触りや関節への追随性が良好で、しかも優れたモイスチャー効果に起因する美容効果と温熱効果を発現し得る発熱体を提供することを目的とする。
以上の課題を解決する手段である本発明の発熱体においては、フィルム状ないしシート状の基材とフィルム状ないしシート状の被覆材との間に発熱組成物を積層してなる発熱体において、前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方が、1秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)以下の通気量を有する不織布であることを特徴とするものである。
以下、本発明の発熱体について詳細に説明する。
本発明に係る発熱体においては、フィルム状ないしシート状の基材とフィルム状ないしシート状の被覆材のうち少なくとも一方に特定の不織布を用い、粘体状発熱組成物、或いは過剰水を包含した粘体状発熱組成物と保水剤層を組み合わせたものを積層してなるものである。また、使用する包材に吸水性があり、バリヤー層を解除できる場合には、保水剤層が不要なのである。
そして、本発明においては、前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方を、1秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)以下の通気量の不織布で形成されている点において特徴を有するものであるが、この不織布としてその材質は特に限定されるものではなく、具体的には、例えばポリアミド、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の人工繊維、綿、麻、絹等の天然繊維から選ばれた1種または2種以上の繊維で形成された布体である。
ところで、本発明において、1秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)以下とは100mlの通気に要する時間が1秒以下ということであり、従って、この秒数が小さい程通気量が高くなり、逆に、この秒数が大きくなる程通気量が小さくなる。
又、本発明で好適に用いられる不織布を製造するにあたり、繊維間の接着方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えば樹脂接着、熱接着、ニードルパンチ、スパンレースなどの方法があるが、伸張性、ソフト感、肌触りや関節への追随性、発熱組成物の固定などの観点から、スパンレースが好ましい。
ところで、不織布の通気度はその坪量や繊維間の接着方法などにより調節することができるのであり、本発明においては、一般的な不織布の1秒/100ml(ガーレ式デンソメータ 株式会社東洋精機製作所 型式G−B2Cで測定した値)以下の通気性を有するものが用いられるのであり、また、本発明においては、発熱組成物の隠蔽性、染み出し防止、発熱組成物の固定、発熱組成物の漏れ防止などの観点から、不織布としてはその坪量が、40g/m2以上、より好ましくは60g/m2以上のものが望ましい。
ところで、本発明の発熱体において、前述の不織布には貼付剤がコーティングされてその部位の通気量が5秒/100ml以上に制御されているものが望ましい。
この場合において、前述の不織布に貼付剤をコーティングするタイミングとしては、当該不織布に貼付剤をコーティングしてから基材として使用する場合と、発熱体製造後に貼付剤を積層する、つまり貼付剤層を形成する方法が挙げられる。
本発明において、前述の不織布に貼付剤をコーティングする面積は、全面でも一部でもよいが、水蒸気の無駄な放出を抑制する点で全面もしくは発熱体の周縁部に貼付剤層があることが好ましい。
本発明で用いられる貼付剤の種類としては特に限定されるものではないが、特に、疎水性のものが望ましく、しかも皮膚刺激の少ない皮膚用のホットメルト系粘着剤やアクリル系の粘着剤が好ましい。
本発明において、貼付剤のコーティング量が、少な過ぎると貼付力が不足し、使用中に発熱体が剥がれる恐れがあり、一方、多すぎると通気性、透湿性が失われて所要の吸汗作用やモイスチャー効果が得られない恐れがあり、従って、これらの観点から、貼付剤のコーティング量としては、使用される不織布の坪量にもよるが、一般に、50g/m2から500g/m2の範囲、特に、100g/m2から300g/m2の範囲が一層好ましい。
本発明においては、基材と被覆材の両方を不織布で形成する場合に加えて、基材のみを不織布で形成する場合、更に被覆材のみを不織布で形成する場合があり、即ち、基材又は被覆材のいずれか一方を不織布以外のフィルムないしシートで形成しても良いのである。
本発明において、不織布以外のフィルムないしシートとしては、目的に応じて特に限定されるものではない。一般的には、不織布に樹脂層をラミネートした2層のものが挙げられるのであり、又、その素材の選択に当たり、伸縮性、フィット性、シール性などを考慮して選ぶのが好ましい。
この基材及び被覆材からなる包材に通気性を必要とする場合には、針穴、レーザー光などの穴加工や延伸方法により多孔質フィルムを得るなどの方法を用いることができる。
本発明において、基材又は被覆材に伸張性や伸縮性が要求される場合には、変性ポリエチレン、ポリウレタン、変性ポリエステルなどの伸縮性の不織布に変性ポリエチレン、ポリウレタン、変性ポリエステルなどのフィルムを張り合わせたものや、樹脂をラミネートしたものが用いられる。
本発明において、基材と被覆材とから発熱体を製造するにあたり、この基材と被覆材とを重ね合わせてその周縁部を接着すれば良く、この周縁部を接着する方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えばホットメルトによる熱接着シールやヒートシール更に超音波シールなどから選ぶことができる。
本発明で用いられる発熱組成物の材料としては、公知の使い捨てカイロに使用されている、鉄粉40〜75重量%の範囲、活性炭1〜10重量%の範囲、塩化物2〜4の範囲及び水20〜40重量%の範囲のものを必須成分としたものに、増粘剤を配合し粘性を発現させた粘体状発熱組成物を用いることを特徴とするものである。
そして、本発明においては、混練や過剰水により、発熱組成物中の空隙率を著しくゼロに近づけ、包材の吸水性や保水剤層により、当該発熱組成物中のバリヤーとなっている水を吸収し空隙率を生成させて発熱反応を制御するものである。
前記粘体状発熱組成物とは、発熱組成物に増粘剤を配合し、水との混練によって粘性を発現させてなるものであり、この粘体状発熱組成物は不織布に固定され易いのである。
前記増粘剤としては、水溶性で増粘効果があり、発熱組成物の材料と著しい物性の変化を起こさないものであれば限定されるものではない。特にCMC、ポリエチレンオキサイドなどが少量で増粘効果が得られ、発熱反応効率を低下させないので好ましい。
又、本発明において、過剰水を包含するとは、発熱組成物中の材料が吸水して正常な発熱反応を継続できる保水能力以上に水分を包含させ、発熱反応を抑制した状態をいう。
本発明においては、発熱組成物が過剰水を包含した粘体状発熱組成物であり、この粘体状発熱組成物の層間、または、この粘体状発熱組成物層のいずれかの面に保水剤層が設けられてなることにより、発熱体製造工程において、保水剤層に粘体状発熱組成物中の水分の一部が移行するまでの間、当該粘体状発熱組成物中の水分がバリヤー層となって発熱反応を制御し無駄な発熱反応を抑制できるのである。
そして、本発明の発熱体は、保存用の外袋に密封された後に、過剰水を保水剤層が吸収して発熱反応が正常に行われる状態になるのであり、製造工程における品質の劣化を防止する役割を果すのである。
また、保水剤層を設けることにより、保水剤層に吸収された過剰水が発熱体の使用中に徐々に発熱組成物に供給され発熱反応に寄与するだけでなく、水蒸気発生にも寄与し、温熱効果及びモイスチャー効果をより一層持続することができるのである。
又、粘体状発熱組成物層中に、保水剤層の一部ないし全部を埋没させることにより、過剰水の吸収効率が高まり、相対的に保水剤の量を低減させることが出来る。
前記保水剤としては、水を円滑に且つ大量に吸収するものであれば、吸水性高分子や吸水性の天然の物質等、特に限定されるものではないが、主として水を円滑、且つ大量に吸水する粉体状のもの、特に、粉体状の吸水性ポリマーが吸水量も大きく安定しており、計量性に優れ、吸水により膨潤し弾力性を発現し取り扱いが容易などの点で好ましい。
ここで、主として水を円滑、且つ大量に吸水することによりフレーク状、ゲル状ないしペースト状になるものとしては、吸水性高分子材料を好適に使用することができるのであり、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びその塩などの合成高分子系、デキストランなどの如き天然系、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの如き半合成系化合物から選ばれた少なくとも1種ないし2種以上を適宜混合したものなどが挙げられる。
又、前記保水剤の積層量は、粘体状発熱組成物から過剰な水分を吸収し、発熱反応を正常にする量が必要である。従って、発熱組成物中の水分の過剰程度にもよるが、通常発熱組成物量に対して重量比で、1〜20%程度の吸水性ポリマーなどの保水剤を積層することが望ましい。
そして、前述のように、本発明の発熱体において、貼付剤がコーティングされた部分の不織布の通気量が5秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)以上に制御されているものが望ましく、特に、その部位の通気量が10秒/100mlから500秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)の範囲とするのが望ましく、この通気量が500秒/100mlを超えると所要の吸汗作用やモイスチャー効果が得られない恐れがあるので好ましくない。また、この貼付剤層は体表面への貼付面側の一部ないし全面に設けられるが、水蒸気の無駄な放出を抑制する意味で、全面に貼付可能な貼付剤層を形成してなるものが好ましい。
本発明において、前記貼付剤層としては、粘着剤層、薬物投与層又は化粧料層などから選ばれた少なくとも1種の粘着性を有する層であれば特に限定されるものではなく、この貼付剤層には、粘着剤に薬物、化粧料などから選ばれたものを配合した層を挙げることができる。
ところで、本発明の発熱体においては、体表面が顔、身体、関節その他の部位であり、これらの各部位に貼付されるように全体形状が加工されてなるものが望ましい。
本発明に係る発熱体おいては、基材と被覆材のうち少なくとも一方が不織布で形成され、粘体状発熱組成物が不織布の繊維に固定され、発熱組成物の粉末の漏れや偏りが防止されるなどの効果を奏するのである。
又、本発明に係る発熱体において、粘体状発熱組成物中の空隙率の生成を制御できる結果、当該発熱組成物への通気量を制御できるので、急激な発熱反応による水蒸気の短時間での発熱体外への放出を抑制し、安全に温熱効果とスチーム効果を持続できるなどの効果を奏するのである。
更に、本発明に係る発熱体において、保水剤層を設けることにより、保水剤層に吸収された過剰水が使用中に徐々に発熱組成物に供給され、発熱反応に寄与するだけでなく、水蒸気発生にも寄与し温熱効果及びモイスチャー効果をより一層持続することが出来る。
また、吸水した保水剤層は、フレーク状、ゲル状ないしペースト状などになりソフトで、弾力性などを有する結果、良好な使用感が得られるのである。
そして、本発明に係る発熱体において、保水剤層中に吸水された過剰な水分は、当該発熱組成物の発熱反応に伴い徐々に放出されて長時間の発熱反応及び水蒸気発生に使用されるなどの効果を奏するのである。
本発明に係る発熱体においては、貼付剤のコーティング量及び貼付剤の不織布への含浸量によって、通気量及び透湿度が制御された貼付剤層が形成できるのであり、また、この貼付剤層を粘着剤層、薬物投与層又は化粧料層などとして利用することができるなどの効果を奏するのである。
加えて、本発明に係る発熱体においては、通気性及び透湿性を有する貼付剤層の形成により、体表面に固定して、より温熱効果及びスチーム効果の高い発熱体を完成することができるのであり、また、水蒸気発生面が体表面に密着貼付されることによって、水蒸気の無駄な放出を極力減少させることができる結果、発熱反応の効果を高めることができるのであり、しかも不織布は、柔軟で肌触りが良好であることから、本発明の発熱体においては、この不織布を用いることにより、発熱体の肌触りや関節への追随性が良くなり、使用感が非常に良くなるなどの効果を奏するのである。
ところで、本発明に係る発熱体においては、特許文献2のような温度調節材を必要とすることなく簡易な構造で、しかも安全で効果的な温熱効果及びスチーム効果が得られるなどの効果を奏するのである。
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本実施例で用いられる粘体状発熱組成物の製造手順は以下のとおりである。
鉄粉(川崎製鉄株式会社製 商品名 KB90)100重量部、活性炭(日本ノリット株式会社製 商品名 SA−PLUS)2重量部、食塩3重量部、CMC(第一工業製薬株式会社製 商品名 セロゲンHH)0.4重量部、ポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社製 商品名 アルコックス E―240)0.4重量部を混合し、その後、水40重量部を加えて混練し、粘体状発熱組成物3を得た。
そして、図1(a)・(b)に示すように、発熱体1を製造するにあたり、基材2としての不織布(シンワ株式会社製 ポリエステルスパンレース不織布 坪量80g/m2)上の適宜箇所に前記粘体状発熱組成物3を、顔面状で、しかも厚さ800μmの版を使用してスクリーン印刷により積層し、その上に、保水剤(サンダイヤポリマー株式会社製、商品名 サンフレッシュ ST−500D)を重量比で粘体状発熱組成物3の5%を散布、積層して保水剤層5を形成した後、さらにその上にホットメルト(日本エヌエスシー株式会社製 商品名 ME136E)をホットメルトガン(サンツール株式会社製 モデル STC−1)でスプレー塗布し、その上から非通気性の被覆材4(シンワ株式会社製 ポリエステルスパンレース不織布 坪量30g/m2に30μmの変性ポリエチレンラミネート処理を施したもの)を被覆し貼り合わせ図1のようにカットして発熱体1を製造した。
図1(b)は、前記発熱体1の断面図であり、この発熱体1においては、基材2が通気量0.1秒/100ml(ガーレ式デンソメータ 株式会社東洋精機製作所 型式G−B2Cで測定した値)の不織布で形成されており、また、発熱組成物として前記粘体状発熱組成物3を用い、この発熱組成物3が基材(不織布)2の繊維間に固定されて、当該発熱組成物3の漏れや偏りが防止されるように構成されている。
基材2を王研式透気度(旭精工株式会社製 EYO型 測定範囲5〜3000秒)によって、透気度で測定したが、通気量が大きすぎて測定が困難であった。また、リッシー法 (型式L80-4000型)による透湿度の測定も測定不能であった。
得られた発熱体1の基材(不織布)2側を、市販のヒアルロン酸ジェルを塗った顔面上に載置して使用した。3分後には温度が40℃に達し、柔軟で顔面によくフィットし、40℃から50℃の温度で多量の水蒸気が発生し、温熱効果及びモイスチャー効果を20分間持続することが認められた。
なお、この発熱体1は、使用に供されるまで、図示しない非通気性の外袋に密封され、保存、流通に供されるのである。
実施例2
過剰水を包含する粘体状発熱組成物3の製造方法は、実施例1の活性炭2重量部が5重量部に、水40重量部が47重量部に変更した以外は同じである。
図2(a)・(b)・(C)に示すように、発熱体1を製造するにあたり、基材2としての不織布(シンワ株式会社製 ポリエステルスパンレース不織布 坪量60g/m2)上の適宜箇所に、前記過剰水を包含する粘体状発熱組成物3を、縦横70mm×100mm、厚さ0.8mmの孔版を使用し、スクリーン印刷により積層し、さらにその上に、保水剤(サンダイヤポリマー株式会社製、サンフレッシュ ST−500D)を重量比で粘体状発熱組成物3の8%散布、積層して保水剤層5を形成し、被覆材4(シンワ株式会社製 ポリエステルスパンレース不織布 坪量30g/m2に30μmの変性ポリエチレンラミネート処理を施したもの)を被覆し発熱組成物3の周縁部をヒートシールした。
この場合、前記被覆材4は、針穴の縦横の間隔が5mmピッチで、その通気量が50秒/100ml(ガーレ式デンソメータ 株式会社東洋精機製作所 型式G−B2C)のものを使用した。
次いで、セパレーター(剥離紙)に皮膚用貼付剤(積水フラー社製 銘柄JM−6028)が140g/m2となるようにコーティングして皮膚用貼付剤層6を形成し、前記発熱体1の基材(不織布)2に貼りあわせた後、縦横90mm×120mmの長方形の形状にカットして発熱体1を製造した。
ところで、セパレーター(剥離紙)を除いた貼付剤層6付基材(不織布)2の通気量は、50秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)、透湿度は175.9g/m・24hr(リッシー法 型式L80-4000型)であった。(また、王研式透気度(旭精工株式会社製 EYO型 測定範囲5〜3000秒)による透気度測定では、1325秒であった。)
得られた実施例2の貼付剤層付き発熱体1を肩に貼付して使用し、温度計測器(安立計器株式会社製 DATA COLLEDTOR AM-7002 TEPE E)による測定の結果38〜42℃の温度で約10時間にわたって温熱効果及びスチーム効果を持続することが出来た。
この使用中、発熱組成物の漏れや偏りがなく、汗による貼付剤の粘着の低下も見られなかった。
なお、この貼付剤層付き発熱体1は、使用に供されるまで、図示しない非通気性の外袋に密封され、保存、流通に供されるのである。
図1において(a)図は、実施例1に係る本発明の発熱体を示す分解斜視図である。 図1において(b)図は、実施例1に係る本発明の発熱体の断面図である。 図2において(a)図は、実施例2に係る本発明の発熱体を示す平面図である。 図2において(b)図は、実施例2に係る本発明の発熱体の要部断面図である。図2において(c)図は、実施例2に係る本発明の発熱体の体表面への貼付時の断面図である。
符号の説明
1 発熱体
2 基材(不織布)
3 発熱組成物
4 被覆材
5 保水剤層
6 皮膚貼付剤層

Claims (5)

  1. フィルム状ないしシート状の基材とフィルム状ないしシート状の被覆材との間に発熱組成物を積層してなる発熱体において、前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方が、1秒/100ml以下の通気量を有する不織布であることを特徴とする発熱体。
  2. 発熱組成物が粘体状発熱組成物である請求項1に記載の発熱体。
  3. 発熱組成物が過剰水を包含した粘体状発熱組成物であり、この粘体状発熱組成物の層間、または、この粘体状発熱組成物層のいずれかの面に保水剤層が設けられてなる請求項1又は2に記載の発熱体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発熱体においてその不織布は貼付剤でコーティングされその部位の通気量が5秒/100ml(ガーレ式デンソメータ)以上に制御されている発熱体。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発熱体が適用される体表面が顔、身体、関節その他の部位であり、これらの各部位に貼付されるように全体形状が加工されてなる発熱体。
JP2006152142A 2006-05-31 2006-05-31 発熱体 Pending JP2007319359A (ja)

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