JP2017206313A - プラスチックボトル - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化した場合であっても落下衝撃に対する強度を高めることが可能なプラスチックボトルを提供すること。
【解決手段】二軸延伸ブロー成形されてなるプラスチックボトルの底部6は、ボトルを自立させた場合に接地される周縁部21と、周縁部21から隆起するように形成された中央部23と、中央部23の中心部にてさらに一段高く隆起するように突出形成されたドーム部25と、を備える。複数の凹状溝27の各々について、少なくとも周縁部21及び中央部23に亘って形成するが、ドーム部25には形成しないようにした。
【選択図】図3
【解決手段】二軸延伸ブロー成形されてなるプラスチックボトルの底部6は、ボトルを自立させた場合に接地される周縁部21と、周縁部21から隆起するように形成された中央部23と、中央部23の中心部にてさらに一段高く隆起するように突出形成されたドーム部25と、を備える。複数の凹状溝27の各々について、少なくとも周縁部21及び中央部23に亘って形成するが、ドーム部25には形成しないようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、二軸延伸ブロー成形されてなるプラスチックボトルの底部構造に関するものである。
飲料用のPETボトルなどのプラスチックボトルとして、射出成形等により成形したプリフォームを二軸延伸ブロー成形等することで製造したものが知られている。近年では、環境への配慮の観点から、ボトル素材資源である樹脂の使用量をできるだけ少なくし、それによりボトルを軽量化することが進められている(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかし、軽量化によって薄肉化したボトルは、機械的強度が低下する。このため、軽量ボトルに商品価値としての強度を持たせる様々な工夫が施されている。また、落下強度の向上を図ったボトルも知られている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
意匠登録第1254725号
ところで、本発明者は、非特許文献1に記載のようなボトルに内容物が冷えて充填されている場合に、ボトルが落下すると、まれにボトル底部の中心部にクラックが発生する現象を見い出した。また、この現象は、ボトルが傾斜して落下した場合に発生することを確認した。この現象を検討したところ、図6(A)に示すように、ボトル1´が傾斜して落下した際、最初に接地するボトル底部6´の外周縁に加わる負荷が、放射状の凹状溝27´を介してボトル底部6´の中心部25´に伝わり、中心部25´にて応力集中が起きることが原因であろうとの知見を得た。特に、この中心部25´は、二軸延伸ブロー成形を用いた場合にはボトル内へとドーム状に突出しているが、配向結晶されていない部分であるため、ボトル底部6´の他の部分に比べて強度が低い。それゆえ、応力集中によるクラックが発生し易い箇所となっており、さらなる改善が求められた。
そこで、本発明は、軽量化した場合であっても落下衝撃に対する強度を高めることが可能なプラスチックボトルを提供することをその目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明のプラスチックボトルは、二軸延伸ブロー成形されてなり底部を有する筒状のものにおいて、底部が、プラスチックボトルを自立させた場合に接地される周縁部と、周縁部から隆起するように形成された中央部と、中央部の中心部にてさらに一段高く隆起するように突出形成されたドーム部と、各々が、少なくとも周縁部及び中央部に亘って形成されるがドーム部には形成されていない複数の凹状溝と、を備えたものである。
本発明によれば、ボトルが傾斜して落下した際の衝撃によって、底部の周縁部に負荷が加わっても、この負荷が凹状溝を伝ってドーム部に伝播されることが抑制される。これにより、ドーム部での応力集中及びそれに起因するクラックの発生を回避することができる。よって、軽量化した場合にも、落下衝撃に対する強度を高めることを可能にしつつ、一方で底部の強度を複数の凹状溝で補強することができる。
このような本発明のプラスチックボトルの構成は、いわゆる軽量ボトルであるほど好適なものである。ここで、軽量ボトルを定義すると、例えば、プラスチックボトルの容量V(ml)とプラスチックボトルの成形で使用される樹脂使用量W(g)との関係W/Vが、0.015以上0.035以下である。W/Vが0.035を超えるボトルは、もはや“軽量”のボトルとは言えず、また、W/Vが0.015未満のボトルは、肉厚が薄くなり過ぎてボトルとして機能し得ないからである。
本発明の好ましい一態様によれば、複数の凹状溝は、全体としてドーム部を中心とした放射状となるように延在するとよい。こうすることで、ボトル底部の強度を局所的ではなく全体的に効率良く補強することができる。
好ましくは、各凹状溝におけるドーム部側の一端とドーム部の下端との間(以下、本段落において、この間にある部分を「非凹状溝部分」という。)の距離は、1mm以上であり、且つ、各凹状溝の長さよりも短いとよい。1mm未満であると、凹状溝を伝播する負荷がドーム部の下端の直近にまで達するため、ドーム部での応力集中を効果的に抑制できない可能性がある。一方、非凹状溝部分の長さが凹状溝の長さを越えると、凹状溝による本来の補強効果が期待できない可能性がある。したがって、非凹状部分の長さを上記のとおりとすることで、ドーム部での応力集中の抑制と凹状溝による補強効果とを両立することができる。
好ましくは、各凹状溝は、ドーム部側の一端部の深さ及び幅の少なくとも一つがドーム部側にかけて徐々に小さくなるように形成されるとよい。この構成とは逆に、当該一端部の深さ又は幅が大きいと、それだけ例えばプリフォームの底部(成形後に、ボトルの底部の一部となる。)から延伸させるのが困難となる。しかし、上記構成とすることで、凹状溝を含む底部の成形性に配慮した強度の確保が可能となる。
好ましくは、本発明のプラスチックボトルは、筒状の胴部と、胴部の下端と周縁部の外縁とをつなぐ湾曲した下部周壁部と、を更に備えるとよく、複数の凹状溝の少なくも一つは、下部周壁部にも形成されるとよい。こうすることで、凹状溝による補強効果を下部周壁部にももたらすことができ、強度をより高めることができる。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るプラスチックボトルを説明する。
以下の説明では、ボトル底部が存在する方を下側とし、ボトル口部が存在する方を上側とする。高さとは、ボトルの中心軸の方向(上下方向)に沿った長さを意味する。横断面とは、ボトルの中心軸に直交する平面における断面形状を意味する。
以下の説明では、ボトル底部が存在する方を下側とし、ボトル口部が存在する方を上側とする。高さとは、ボトルの中心軸の方向(上下方向)に沿った長さを意味する。横断面とは、ボトルの中心軸に直交する平面における断面形状を意味する。
図1に示すように、プラスチックボトル(以下、「ボトル1」という。)は、口部2及び本体部3からなり、本体部3は、上側から順に、肩部4、胴部5及び底部6を有する。口部2及び本体部3は、一体に形成されており、内部に飲料を貯留するための有底筒状のボトル壁を構成する。飲料としては、水、緑茶、ウーロン茶又は果汁等の非炭酸飲料を挙げることができる。ただし、他の実施態様では、ボトル1に貯留される内容物は、炭酸飲料、ゼリー飲料又はソース等の食品を用いることもできる。
口部2は、上端が開口しており、飲料の注ぎ口として機能する。口部2の開口は、図示省略したキャップにより開閉される。肩部4は、横断面が下方にかけて徐々に拡大してなり、ボトル1において最小径の口部2を、ボトル1において最大幅を構成する胴部5の上端に連続させる。口部2、肩部4及び胴部5の形状は、特に限定されるものではなく、適宜設計することができる。例えば、持ち易さ向上のためのくびれ、強度向上のための凹リブ、及び減圧吸収のためのパネルの少なくともいずれかを胴部5に形成することができる。
ボトル1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて、二軸延伸ブロー成形法により成形される。ただし、他の実施態様では、ボトル1の樹脂材料として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの他の可塑性樹脂を用いることもできる。
ボトル1の製造工程の一例を説明する。先ず、金型内にポリエチレンテレフタレートを射出し、プリフォームを射出成形する。図2に示すように、プリフォーム10は、口部2と全く同じ形状の口部12と、口部12の下側に連なる有底の筒状部14と、で構成される。プリフォーム10を二軸延伸ブロー成形機にセットし、筒状部14のみを加熱する。そして、延伸ロッドを口部12から挿入して筒状部14の底部に突き当て、この延伸ロッドによって筒状部14を縦方向に延伸させると共に、エアブローによって筒状部14を横方向に延伸させる。延伸させた筒状部14の部位を金型の内面に押し付け、その後固化させる。この金型の内面をボトル1の本体部3に対応した形状に作製しておくことで、本体部3が成形される。これにより、ボトル1の一連の成形が完了する。
図3及び図4に示すように、底部6は、ボトル1を自立させた場合に接地される周縁部21と、周縁部21からボトル内方へと隆起するように形成された中央部23と、中央部23の中心部にてさらに一段高く隆起するように突出形成されたドーム部25と、を備える。また、底部6には、底部6の強度を補強するリブとして機能する凹状溝27が複数形成される。
周縁部21は、円環状からなる平坦な幅狭の部位で構成される。ボトル1を設置面28に自立させた場合に、ボトル1が接触する唯一の部分が周縁部21である。周縁部21の外縁21aは、所定の高さを有する下部周壁部29によって胴部5の下端5aに連続する。下部周壁部29は、互いにサイズの異なる胴部5と底部6とをなめらかに連ねるために、下方にかけて徐々に縮径するように湾曲形成される。なお、下部周壁部29によって、全体として底面視円形の底部6を横断面円形の胴部5につなぐことができることはもちろん、横断面方形の胴部5にもなめらかにつなぐことができる。
中央部23は、周縁部21の内縁21bから上向きに延在する全体としてドーム状にせりあがった部位であり、周縁部21よりも大きな面積を有する。別の観点で換言すると、中央部23は、全体として底面視円形からなり、その中心部が設置面28から最も離れるように、設置面28に対して凹部となる。なお、別の実施態様によっては、中央部23及び周縁部21からなる部分を全体として底面視方形とすることも可能である。
ドーム部25は、中央部23のせり上がり頂点部に形成された部位であり、中央部23と同心で且つ中央部23よりも小さい径で形成される。ドーム部25は、ボトル1内に突出する頂部31及び周壁部33からなる。頂部31は、底部6において最も上方に位置し、周壁部33の上端33aに連続する。周壁部33は、上端33aから下端33bにかけて僅かに拡開するように形成され、下端33bが中央部23の内縁に連続する。
複数の凹状溝27は、全部で8個あり、全体としてドーム部25を中心とした放射状となるように延在する。凹状溝27の数は、底部6の強度の観点などから適宜変更することができるが、少なくとも2個、好ましくは4個以上であるとよい。また、複数の凹状溝27は、均等の間隔で延在するとよい。各凹状溝27は、中央部23、周縁部21及び下部周壁部29に亘って形成されるが、いずれの凹状溝27もドーム部25には形成されない。すなわち、各凹状溝27は、中央部23にある一端27aから下部周壁部29にある他端27bにかけて延在し、その途中で周縁部21を横断するが、一端27aはドーム部25に対して非連続となる。
他端27bは、下部周壁部29の高さ方向の途中に形成される。他端27を下部周壁部29にも形成することで、下部周壁部29の強度はもちろんのこと、下部周壁部29と底部6とのコーナー部(すなわち、周縁部21の外縁21a)の強度を補強することができる。ただし、他の実施態様では、他端27bを下部周壁部29と胴部5との境界に位置させてもよい。あるいは、他端27bを下部周壁部29に位置させず、周縁部21に位置させてもよい。例えば、複数の凹状溝27の全部を周縁部21及び中央部23にのみ形成してもよいし、あるいは、複数の凹状溝27の一部を周縁部21及び中央部23にのみ形成して、残りの少なくとも一つの凹状溝27を下部周壁部29にも形成してもよい。
各凹状溝27の長さ、幅、深さ及び断面形状は、適宜設計することができる。例えば、凹状溝27の幅及び深さは、長さ方向に亘って一定とすることができる。ただし、軽量ボトルにおける二軸延伸ブロー成形のし易さの観点からすれば、凹状溝27の幅及び深さの少なくとも一つは長さ方向において可変することが好ましい。その理由を説明すると、先ず、軽量ボトルではプリフォーム10のための樹脂量が少なくなる。凹状溝27の一端27a側の部分の幅又は深さが大きい場合、少ない樹脂量のプリフォーム10の筒状部14を延伸させるのは困難となる。そこで、本実施形態では、軽量ボトルにおける成形のし易さを確保するために、凹状溝27の一端27a側の部分の幅及び深さの少なくとも一つ、好ましくは両方を、一端27aにかけて徐々に小さくしている。より詳細には、凹状溝27は、一端27aを含む一端部27cが尖塔状からなり、周縁部21に存在する部位27dにかけて幅及び深さが徐々に大きくなるように形成される。
ここで、軽量ボトルとは、一般に、ボトルの容量V(ml)に対してボトルで使用される樹脂使用量W(g)を低減したボトルをいう。本明細書では、W/Vが0.015以上0.035以下であるものを軽量ボトルとして定義する。W/Vが0.035を超えるボトルは、樹脂使用量が多いために、もはや“軽量”のボトルとは言えないからである。また、W/Vが0.015未満のボトルは、樹脂使用量が少ないために、肉厚が薄くなり過ぎてボトルとして機能し得ないからである。本実施形態のボトル1は軽量ボトルに適したものであり、このボトル1として好適な一例を示すと、容量Vが500ml、樹脂使用量Wが12g、W/Vが0.024である。
このような好適な一例における凹状溝27及びドーム部25の寸法の一例を挙げる。
先ず、凹状溝27の幅及び深さは、1mm以上5mm以下であることが好ましく、3mmであることがより好ましい。1mm未満であると、凹状溝27の本来の補強効果が期待できない。一方、5mmを超えたのでは、成形上、凹状溝27の角部の肉厚が薄くなり、その結果、凹状溝27において肉厚に差が生じ、部分的な強度低下を招く。これに対し、1mm以上5mm未満であれば、補強効果及び良成形性を両立し易い。凹状溝27の幅及び深さが上記のように可変する場合には、最も大きい部分についてこれらの寸法とすればよく、凹状溝27の一端27aは中央部23の平面部分にほぼ段差なく連なるとよい。
先ず、凹状溝27の幅及び深さは、1mm以上5mm以下であることが好ましく、3mmであることがより好ましい。1mm未満であると、凹状溝27の本来の補強効果が期待できない。一方、5mmを超えたのでは、成形上、凹状溝27の角部の肉厚が薄くなり、その結果、凹状溝27において肉厚に差が生じ、部分的な強度低下を招く。これに対し、1mm以上5mm未満であれば、補強効果及び良成形性を両立し易い。凹状溝27の幅及び深さが上記のように可変する場合には、最も大きい部分についてこれらの寸法とすればよく、凹状溝27の一端27aは中央部23の平面部分にほぼ段差なく連なるとよい。
次に、ドーム部25の直径(周壁部33の上端33a側又は下端33b側の直径)は、7mm以上であることが好ましい。ドーム部25の頂部31は、二軸延伸ブロー成形の際の延伸ロッドが接触される部分となるが、その部分の長さが7mm未満であると、成形がし難くなるからである。
ドーム部25の高さ(すなわち、頂部31と周壁部33の下端33bとの距離)は1mm以上であることが好ましい。1mm以上であれば、ドーム部25に応力集中が起こりにくいからである。
ドーム部25の頂点と設置面28との距離、すなわち頂部31と周縁部21との間の上下方向の長さL1は、6mm以上15mm以下であることが好ましく、8mmであることがより好ましい。6mm未満であると、飲料を充填したボトル1の内圧により、中央部23が下側に膨らんでしまい、ボトル1の自立安定性が低下する。一方、15mmを越えると、二軸延伸ブロー成形の際に頂部31から延伸させる距離が長くなるため、周縁部21の肉厚(特に外縁21aの肉厚)が薄くなり、強度が低下してしまう。これに対し、6mm以上15mm以下であれば、自立安定性及び良成形性を両立し易い。
ドーム部25の高さ(すなわち、頂部31と周壁部33の下端33bとの距離)は1mm以上であることが好ましい。1mm以上であれば、ドーム部25に応力集中が起こりにくいからである。
ドーム部25の頂点と設置面28との距離、すなわち頂部31と周縁部21との間の上下方向の長さL1は、6mm以上15mm以下であることが好ましく、8mmであることがより好ましい。6mm未満であると、飲料を充填したボトル1の内圧により、中央部23が下側に膨らんでしまい、ボトル1の自立安定性が低下する。一方、15mmを越えると、二軸延伸ブロー成形の際に頂部31から延伸させる距離が長くなるため、周縁部21の肉厚(特に外縁21aの肉厚)が薄くなり、強度が低下してしまう。これに対し、6mm以上15mm以下であれば、自立安定性及び良成形性を両立し易い。
また、ドーム部25の下端33bと凹状溝27の一端27aとの距離L2(参照:図3(B))については、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mmであることがより好ましい。10mmを超えると、凹状溝27が存在しないために補強されていない中央部23の中心周辺部分が大きくなり、上記同様にボトル1の内圧によって膨出変形し、ボトル1の自立安定性が低下する。一方、1mm未満であると、後述する凹状溝27を伝播する負荷がドーム部25の下端33bにまで達するため、ドーム部25での応力集中を効果的に抑制できない可能性がある。これに対し、1mm以上10mm以下であれば、自立安定性及びドーム部25での応力集中の抑制を両立し易い。なお、凹状溝27による補強効果の観点からすれば、距離L2は、凹状溝27の長さよりも短いことが好ましい。
以上説明したボトル1の作用効果について説明する。
図5は、比較例に係るボトルの底部まわりを示したものであり、本実施形態のボトル1と同一の構成要素について同一の符号に「´」が付けられている。ボトル1との主な相違点は、凹状溝27´がドーム部25´にも形成されている点と、凹状溝27´の深さ及び幅が長さ方向に亘って一定である点である。
図6は、冷えた飲料が貯留されているボトル1、1´が傾斜して落下した場合を示したものである。図6(A)に示すボトル1´の場合には、設置面28´に最初に接触した底部6´の衝突点40´からの衝撃負荷は、矢印43´のように衝突点40´に近い凹状溝27´を伝播して、最終的にドーム部25´に伝わる。その結果、ドーム部25´で応力集中が起きる。この応力集中の影響は、例えば容量が500mlといったサイズが小さいボトル1´ほど大きくなる。ドーム部25´は、二軸延伸ブロー成形の際に配向結晶されていない部分であるゆえに比較的強度が低いため、応力集中によってドーム部25´にクラックが発生し、ボトル1´の商品価値を下げることがある。
これに対し、図6(B)に示すボトル1の場合には、底部6の衝突点40からの衝撃負荷は、その衝突点40に近い凹状溝27を伝わるものの、ドーム部25には直接伝わらない。これは、凹状溝27がドーム部25に達しないように形成されているからである。この場合には、凹状溝27が存在しない中央部23の中心周辺部分(非凹状溝部分)の全体で衝撃負荷が緩和されるため、ドーム部25での応力集中が抑制される。これにより、応力集中に起因したクラックの発生が抑制される。
以上説明したように、本実施形態のボトル1によれば、軽量ボトルにした場合にも、凹状溝27による底部6の補強効果を奏しながら、落下衝撃に対する耐久性を向上することができる。特に、本実施形態の上記した構成は、容量が小さいボトル1であるほど、ドーム部25への衝撃負荷の伝播を抑制するのに有用である。
本実施形態の変形例について説明する。
凹状溝27の一端27aをドーム部25に形成しない限り、中央部23の態様を変更することができる。例えば、ドーム部25を除く中央部23の部分を段付きに形成してもよい。また、中央部23に環状の凹状リブを形成してもよく、この凹状リブが凹状溝27の一部を横切るようにしてもよい。
凹状溝27の一端27aをドーム部25に形成しない限り、中央部23の態様を変更することができる。例えば、ドーム部25を除く中央部23の部分を段付きに形成してもよい。また、中央部23に環状の凹状リブを形成してもよく、この凹状リブが凹状溝27の一部を横切るようにしてもよい。
複数の凹状溝27については、3個以上あれば放射状の態様をとり得るが、放射状の態様をとらなくてもよい。また、各凹状溝27は、直線的に延びる態様のみならず、一部が湾曲して延びる態様、例えば底面視三日月状に延びる態様として形成してもよい。
1:ボトル、 5:胴部、 6:底部、 21:周縁部、 23:中央部、 25:ドーム部、 27:凹状溝、 27a:一端、 27b:他端、27c:一端部、 28:設置面、 29:下部周壁部、 31:頂部、 33:周壁部
Claims (6)
- 二軸延伸ブロー成形されてなる、底部を有する筒状のプラスチックボトルにおいて、
前記底部は、
当該プラスチックボトルを自立させた場合に接地される周縁部と、
前記周縁部から隆起するように形成された中央部と、
前記中央部の中心部にてさらに一段高く隆起するように突出形成されたドーム部と、
各々が、少なくとも前記周縁部及び前記中央部に亘って形成されるが、前記ドーム部には形成されていない複数の凹状溝と、を備えた、プラスチックボトル。 - 当該プラスチックボトルの容量V(ml)と当該プラスチックボトルの成形で使用される樹脂使用量W(g)との関係W/Vが、0.015以上0.035以下である、請求項1に記載のプラスチックボトル。
- 前記複数の凹状溝は、全体として前記ドーム部を中心とした放射状となるように延在する、請求項1又は2に記載のプラスチックボトル。
- 前記各凹状溝における前記ドーム部側の一端と当該ドーム部の下端との間の距離は、1mm以上であり、且つ、当該各凹状溝の長さよりも短い、請求項3に記載のプラスチックボトル。
- 前記各凹状溝は、前記ドーム部側の一端部の深さ及び幅の少なくとも一つが当該ドーム部側にかけて徐々に小さくなるように形成されている、請求項3又は4に記載のプラスチックボトル。
- 筒状の胴部と、
前記胴部の下端と前記周縁部の外縁とをつなぐ湾曲した下部周壁部と、を更に備えており、
前記複数の凹状溝の少なくも一つは、前記下部周壁部にも形成されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
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