JP5329170B2 - プラスチックボトル及びプリフォーム - Google Patents

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本発明は、プラスチックボトル及びプリフォームの口部構造に関するものである。
PETボトルに代表されるプラスチックボトルは、射出成形等により成形したプリフォームを二軸延伸ブロー成形等することで製造されるが、近年では、資源・コスト節約の観点からプラスチックボトルの軽量化が進められている。軽量化に際しては、ボトルに商品価値としての強度を持たせる必要がある。
特許文献1には、ボトルの胴部及び肩部を全体的に薄肉にする一方で、ボトルの口部については必要な肉厚を確保してその強度を確保したボトルが開示されている。このボトルの口部では、キャップをネジ締めするためのおねじ部が外周壁に突出形成され、このおねじ部の下側にフランジ状のサポートリングが突出形成されている。
特許文献2及び3に記載のように、タンパーエビデント性を確保したボトルもあり、このようなボトルの口部には、おねじ部とサポートリングとの間にビードリングが形成されている。この種のボトルでキャップを開封操作すると、タンパーエビデントバンドがキャップ本体から切り離されて、最終的にビードリング及びサポートリングによって抜けないように保持される。
特開2001−113589号公報 特開2004−26201号公報 特開2008−143588号公報
近年の資源節約の観点からすれば、口部についても軽量化することが望まれる。この点、特許文献2及び3に記載の口部は、ホットフィル充填によって変形しないように、熱結晶化処理により耐熱性を付与されているものの、その軽量化にはつながっていない。また、特許文献1では、胴部等を軽量化しているに過ぎず、口部については十分な軽量化が図られていない。実際、特許文献1に例示のボトルは、胴部肉厚が0.5mmであるのに対し、口部肉厚が2.2mmと非常に大きなものとなっている。
仮に、特許文献1に記載のボトル口部を軽量化するのに、この胴部と同様の方法を採用したとすれば、口部の全体が薄肉となるため、その強度が著しく低下してしまう。このため、キャップの開封操作によって口部が変形したり、割れるおそれがある。また、キャッピング前のボトル製造過程でのチャッキングによっても、チャッキングされる口部の部位(例えば特許文献2及び3では、サポートリングとビードリングとの間の周壁部分。)が損傷し、タンパーエビデント性を損なうおそれもある。
本発明は、ボトル口部について、強度を犠牲にすることなく軽量化することが可能なプラスチックボトルを提供することをその目的としている。また、本発明は、口部について、強度を犠牲にすることなく軽量化することが可能なプリフォームを提供することをその目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明のプラスチックボトルは、切り離し可能なタンパーエビデントバンド付きキャップにより閉封されるボトル口部の周壁の外周面に、おねじ部とおねじ部の下方にサポートリングと、前記おねじ部と前記サポートリングとの間にビートリングとが突出形成され、前記キャップを操作することによって前記ボトル口部を開封した場合、前記タンパーエビデントバンドが切り離されて前記サポートリング上に落下し、前記ビードリング及び前記サポートリングによって抜けないように当該ボトル口部に残るものにおいて、周壁は、前記ビートリングと前記サポートリングとの間に複数の肉抜き部を有し、前記ボトル口部は、前記ビードリングの基部側下端に、前記周壁の外周面のうち最大径の外周面を有する最大径部を備えており、前記最大径部は、前記ボトル口部を前記キャップにより閉封した場合に前記タンパーエビデントバンドがかかる部分であり、前記複数の肉抜き部は、前記周壁の外周面において、前記最大径部の下縁から前記サポートリングの上縁にかけて周方向に均等間隔で線対称に形成されており、互いに隣り合う肉抜き部の間では、前記最大径部と同一の最大径を有する柱部が前記最大径部に連続している
本発明によれば、一般に厚肉に形成されることが多い部分について部分的に肉厚を減らす構成にしているので、全体を均一に薄肉にする場合に比べて、ボトル口部の強度を損なわずに軽量化することができる。また、ボトル口部を成形する際の樹脂の流動性が阻害されることが抑制され、プリフォームの成形性を損なわずに済む。
さらに、タンパーエビデントバンドがかかる部分の強度が確保されるので、タンパーエビデント性を保持することができる。しかも、最大径部が製造工程で一般的にチャッキングすることが多い部位にあるため、既存の製造設備を改変することなく、チャッキングすることができる。また、最大径部があるので、タンパーエビデントバンドの部位(例えば後述のタブ)の形状を選ばず、既存の仕様のものを用いることができる。加えて、肉抜き部は周壁の外周面に形成されるので、周壁の内周面に形成される場合に比べて、射出成形のための金型を開き易いというメリットもある。
また、最大径部の下側にこれと同径の柱部が面一で連続することになるので、安定してチャッキングできる部分を広く確保することができる。
加えて、肉抜き部のみならず複数の柱部も線対称となるがゆえに、柱部をチャッキングした際のセンタリングを行い易いというメリットがある。また、線対称であるため、ボトル口部を射出成形したときの成形バランスも良くなると共に、射出成形のための金型を開くときに成形不良が起こり難くなる。
上記目的を達成するべく、本発明のプリフォームは、口部の周壁の外周面に、おねじ部と、このおねじ部の下方にサポートリングと、前記おねじ部と前記サポートリングとの間にビートリングとが突出形成された、プリフォームであって、当該プリフォームは、プラスチックボトルに成形された後で、切り離し可能なタンパーエビデントバンド付きキャップにより前記口部を閉封されると共に、前記キャップを操作することによって前記口部を開封した場合、前記タンパーエビデントバンドが切り離されて前記サポートリング上に落下し、前記ビードリング及び前記サポートリングによって抜けないように当該口部に残るものであり、前記周壁は、前記ビートリングと前記サポートリングとの間に複数の肉抜き部を有し、前記口部は、前記ビードリングの基部側下端に、前記周壁の外周面のうち最大径の外周面を有する最大径部を備えており、前記最大径部は、前記口部を前記キャップにより閉封した場合に前記タンパーエビデントバンドがかかる部分であり、前記複数の肉抜き部は、前記周壁の外周面において、前記最大径部の下縁から前記サポートリングの上縁にかけて周方向に均等間隔で線対称に形成されており、互いに隣り合う肉抜き部の間では、前記最大径部と同一の最大径を有する柱部が前記最大径部に連続している。
より好ましくは、最大径部における最大径と肉抜き部における最小径との差が3.0mm以下であるとよい。
この構成によれば、上記の上限値(3.0mm)とすることで、ボトル口部を射出成形する際の樹脂の流動性を確保できる。逆に、上限値を越えると、樹脂が柱部までいき渡らない可能性が高くなり、成形不良が生じ易くなる。
好ましくは、肉抜き部と柱部とをつなぐ部分は、ボトル口部の内側に曲率中心を有する円弧によりR取りされるとよい。この構成によれば、チャッキングに伴ってつなぎ部分に傷が付くのを抑制することができる。
好ましくは、肉抜き部の横断面形状は円弧形状であるとよい。例えば台形形状に比べて、ボトル口部の内方向への力による肉抜き部の応力集中が起き難くなる。
好ましくは、おねじ部は、周壁の外周面を少なくとも一周する連続的な1条ねじからなるとよい。これにより、3条ネジとする場合や、例えばベントスロット付きの非連続の1条ねじとする場合、及び、周壁の外周面を一周すらしない1条ねじとする場合に比べて、おねじ部による口部の補強効果をより一層図ることができる。
より好ましくは、ボトル口部の周壁は、おねじ部が存在する部分の肉厚がおねじ部の下方にある部分の肉厚よりも薄いとよい。例えば、前者の肉厚は0.8mm以上1.3mm以下であることが好ましい。軽量化を図った薄い肉厚に対して上記の1条ねじで補強効果が生まれているので、薄い肉厚でも変形・われなどを抑制することができる。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るプラスチックボトル及びプリフォームを説明する。
以下の説明では、ボトル口部が存在する方を上側とし、ボトル底部が存在する方を下側とする。高さとは、ボトルの中心軸の方向(上下方向)に沿った長さを意味する。横断面形状とは、中心軸に直交する平面(横断面)における断面形状を意味する。周方向とは、横断面形状の輪郭に沿った方向を意味する。
図1に示すように、プラスチックボトル1(以下、「ボトル1」という。)は、上側から順に、口部2、肩部3、胴部4及び底部5を有する。これらの部分(2,3,4及び5)は、一体に形成され、内部に飲料を貯留するためのボトル壁を構成する。飲料としては、水、緑茶、ウーロン茶又は果汁等の非炭酸飲料を挙げることができる。ただし、他の実施態様では、ボトル1に充填される液体は、炭酸飲料又はソース等の食品でもよい。
ボトル1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を主材料として、二軸延伸ブロー成形等の延伸成形法により成形される。
ボトル1の製造工程の一例を説明する。先ず、金型を使用して、金型内に熱可塑性樹脂を射出し、プリフォームを射出成形する。このプリフォームは、口部2と全く同じ形状の口部と、口部の下側に連なる有底の筒状部と、で構成される。射出成形後、口部用の金型を左右方向に開き、筒状部用の金型を上下方向に開いて、プリフォームを取り出し、ブロー成形機にセットする。ブロー成形機にて、プリフォームの筒状部のみを加熱し、延伸ロッドによって筒状部を縦方向に延伸させると共に、圧縮空気を吹き込んで筒状部を横方向に延伸させることで、肩部3、胴部4及び底部5を成形する。これにより、ボトル1の一連の成形が完了する。その後は、洗浄・殺菌処理をして飲料を充填し、飲料の注ぎ口として機能する口部2にキャップ6(参照:図3)を締める。
図2〜図4に示すように、口部2は、上端を開口した円筒状の周壁10を有する。周壁10の内周面12は、上下方向に段差なしで延在する。一方、周壁10の外周面14には、おねじ部16、ビードリング18及びサポートリング20が突出形成される。おねじ部16は、周壁10の上半部程度にわたって存在しており、このおねじ部16の下側に、ビードリング18及びサポートリング20が所定の距離だけ離れて存在する。
おねじ部16は、2条ねじや3条ねじを採用することもできるが、本実施形態ではよりゆるみにくくて強度の高い1条ねじで構成される。おねじ部16のねじ山は、いわゆるベントスロットが形成されたものではなく、その長さ方向に渡って一つの高さが連続する。ねじ山の長さは、外周面14を一周以上、すなわち有効角度を360°以上とすればよく、ここでは約720°(例えば、完全ねじ部650°+不完全ねじ部70°。)となっている。
ビードリング18及びサポートリング20は、いずれも、周方向にわたって外周面14の外方に突出する。サポートリング20は、その基部側下端に肩部3の上部3aが連なる(図4参照)。なお、ビードリング18及びサポートリング20は、別の言い方(例えば、フランジ部など)で呼称されることもある。
ここで、周壁10を肉厚の大きさの観点から上下で区画すれば、周壁10は、図4に示すように、薄肉部10aと、薄肉部10aよりも肉厚の大きい厚肉部10bと、を有するといえる。薄肉部10aは、その外周面におねじ部16が存在する筒状部分であり、厚肉部10bは、おねじ部16の下側にある筒状部分である。厚肉部10bの上端部にはビードリング18が存在し、厚肉部10bの下端部にはサポートリング20が存在する。なお、薄肉部10a及び厚肉部10bは、それぞれ、上下方向において肉厚が一定となっている(図4参照)。
薄肉部10a及び厚肉部10bの各肉厚の大きさは、口部2全体として必要な強度を満たすべく、一方の肉厚を考慮して他方の肉厚が決められる。一般に、ビードリング18とサポートリング20との間の周壁部分は、ボトル1の製造工程でチャッキングされることが多いため、チャッキングに対する強度を確保する必要がある。この点に鑑み、本実施形態の口部2では、当該周壁部分を厚肉部10bとして構成して強度を確保する一方、残りの周壁部分を強度確保に配慮しながら薄肉部10aとして構成している。そして、薄肉部10aに存在するおねじ部16を連続的な1条ねじとして構成することで、薄肉部10aの補強効果を高めている。
このような構成での寸法の一例を挙げると、厚肉部10bの肉厚は好ましくは約2.0mmであり、薄肉部10aの肉厚は、好ましくは0.8mm以上1.3mm以下であり、より好ましくは1.0mm以上1.2mm以下である。薄肉部10aの肉厚が0.8mm未満となると、おねじ部16の補強効果だけでは薄肉部10aの強度を確保することが難しくなる上、成形サイクルが増加し、プリフォームの製造効率が低下する。一方、薄肉部10aの肉厚が1.3mmを越えたのでは、口部2の軽量化にとって不十分となる。薄肉部10aの肉厚が1.0mm以上1.2mm以下であれば、強度確保及び軽量化を両立しやすい。
次に、部分的に薄肉にすることで軽量化した厚肉部10bの肉抜き構造を説明する。この肉抜き構造は、上記の構造(周壁10の上下を薄肉部10a及び厚肉部10bで区画するもの。)と組み合わされるとより効果的なものであるが、単独で用いる場合(すなわち、周壁10の肉厚が上下方向で一定の場合)にも軽量化に好適なものである。
厚肉部10bは、ビードリング18の基部側下端に最大径部22を有し、この最大径部22の下側に複数の肉抜き部24及び複数の柱部26を有する。最大径部22は、周壁10の外周面14のうち、最大径の外周面を有する筒状部分であり、例えば1.4mmの高さを有する。柱部26は、最大径部22と同一の最大径及び肉厚を有する部分であり、最大径部22に面一で連続する。肉抜き部24と柱部26とをつなぐ部分28は、図5に示すように、両者をなだらかにつなぐように、口部2の内側に曲率中心を有する円弧によりR取りされる。
複数の肉抜き部24は、最大径部22の下縁からサポートリング20の上縁にかけて、周方向に均等間隔で且つ線対称に外周面14に形成される。そして、互いに隣り合う肉抜き部24,24の間に柱部26が形成される。本実施形態では、計8個の肉抜き部24及び柱部26が周方向に交互に並んでいるが、その数は限定されるものではない。
図5に示すように、肉抜き部24の横断面形状は、口部2の内方向へと湾曲した円弧形状からなる。肉抜き部24の円弧形状のR(曲率半径)は、5〜50mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは30mmである。5mm未満のRでは小さすぎるため、アンダーカットとなり、プリフォームを金型から取り出し難くなる。一方、50mmを越えるRでは大きすぎるため、軽量化のための肉抜き効果を十分に得ることができない。
肉抜き部24は、その中央部が最も薄肉であり、その両端にかけて徐々に厚肉化されている。この最も薄肉の部分は、肉抜き部24における最小径の部分を構成しており、その肉厚は、上記した薄肉部10aの肉厚と同じ又は同程度とすることができる。ただし、成形時の樹脂の流動性及び強度を確保できる限り、肉抜き部24の最小の肉厚を薄肉部10aの肉厚と同程度にする必要はない。肉抜き部24の最小径と最大径部22の最大径との差は、直径で3.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm〜2.0mmである。3.0mmを越えると、プリフォームを射出成形する際に、熱可塑性樹脂が肉抜き部24の両端にまで行き渡らなくなる可能性がある。逆に、3.0mm以下であれば、射出成形時の熱可塑性樹脂の流動が阻害されず、成形不良を回避することができる。
次に、図4を参照して、キャップ6について説明する。
キャップ6は、回転操作されることで口部2に嵌合し、口部2の開口を閉じるものである。キャップ6は、タンパーエビデント性(不正開封表示機能)を有しないものでもよいが、ここではタンパーエビデント性を有するものを例に説明する。
キャップ6は、キャップ本体30及びタンパーエビデントバンド32を有し、キャップ本体30は、口部2の上方を覆う円盤状の蓋部36と、口部2の側方を覆う円筒部38と、を有する。円筒部38は、蓋部36の周縁から垂下した部分である。円筒部38の内周面には、口部2のおねじ部16に螺合するねじ部40が形成されている。
タンパーエビデントバンド32は、円筒部38の下端に切り離し可能なブリッジ42を介して連結されている。タンパーエビデントバンド32の下部内面には、タブ44(係止部)が上側内向きに形成されており、タブ44は、ビードリング18と最大径部22とによって画成された段部に係合している。
キャップ6により口部2を閉封した図4に示す状態では、タブ44がビードリング18及び最大径部22にかかることにより、キャップ6は抜き止めされる。この状態で、キャップ6を開封方向に回転操作すると、ブリッジ42が破断して、タンパーエビデントバンド32がキャップ本体30から切り離され、サポートリング20の上面に落下する。落下後のタンパーエビデントバンド32は、上端部がビードリング18に面し、サポートリング20とビードリング18とによって上下方向に容易に抜けないように保持される。より詳細には、開封後も口部2に残り続けるタンパーエビデントバンド32は、下方への移動をサポートリング20によって規制されると共に、上方への移動をタブ44がビードリング18に突き当たることで規制される。
以上説明した本実施形態のボトル1の口部2の作用効果について説明する。
1.強度及び軽量化等の観点
一般にチャッキングを考慮して厚肉に形成されることが多い部分(ビードリング18からサポートリング20までの周壁部分)について、部分的に厚みを薄くするための肉抜き部24を形成している。これにより、軽量化を図りつつも、全体の厚みを薄くする場合に比べて口部2の強度を犠牲にしなくて済む。また、上記したように、補強効果のある薄肉部10aを口部2に設定しているので、薄肉部10aの変形・われを防止しつつ口部2全体の軽量化を図ることができる。
さらに、タンパーエビデントバンド32がかかる部分に最大径部22があるので、既存の口部と同じ厚みの部位を口部2に一部残すことができる。これにより、最大径部22の強度が確保されるので、タンパーエビデント性を保持することができると共に、キャップ6も既存のものを用いることができる。
また、肉抜き部24の横断面形状を円弧形状にしているので、ボトル1内の減圧に伴って口部2の内方向に力が作用しても、肉抜き部24での応力集中が起き難くなる。同様に、炭酸飲料を充填してボトル1内が加圧になっても、肉抜き部24での応力集中が起き難くなる。これにより、横断面形状を例えば台形形状とする場合に比べて、肉抜き部24の強度低下を抑制することができる。
2.チャッキングの観点
ボトル1の製造工程では、プリフォームをブロー成形機に移動させる場合などに、口部2をチャッキングする。このチャッキングされることが多い部分に最大径部22があるので、既存の製造設備をそのまま使用しても口部2を変形させることなくチャッキングすることができる。
また、最大径部22の下側に柱部26が段差なしで連続しているので、チャッキングが上下方向にズレた場合にも安定したチャッキングを提供することができる。換言すれば、柱部26自体もチャッキングされる部位として活用することができる。また、複数の柱部26が線対称に配置されているので、柱部26をチャッキングした際にセンタリングを行い易くもなる。さらに、柱部26の両端に位置するつなぎ部28がR取りされているので、チャッキングしたときに傷が付くのを抑制することができる。
3.熱可塑性樹脂の流動性及び型抜きの観点
プリフォームを射出成形する際の熱可塑性樹脂の流動性は、ボトル1の生産性に影響する。この点、肉抜き部24を円弧形状に肉抜きしているので、肉抜き部24を成形するための樹脂の流動性を確保し易い。また、樹脂の流動方向に対して肉厚部も均等に設けられていることから、口部2の成形時に成形性を阻害しにくいというメリットもある。さらに、周壁10の外周面14に形成しているので、肉抜き部24を周壁10の内周面12に形成する場合に比べて、口部2用の金型を左右方向に開き易い。しかも、肉抜き部24及び柱部26の配置が線対称であるため、成形バランスも良くなる上、金型を左右方向に抜く際に成形不良が生じ難くなる。したがって、ボトル1の生産性を向上することができる。
本実施形態の変形例
上記した口部2の構造は、本発明の範囲を逸脱しない限り適宜設計変更することができる。例えば、周壁10の内周面12及び外周面14のどちらにも肉抜き部24を形成することが可能であるが、上記の型抜きのし易さの観点からすれば、外周面14に形成した方が好ましい。さらに、口部2を熱結晶化する熱処理を施すことで、口部2に耐熱性を付与してもよい。
実施形態に係るプラスチックボトルの正面図である。 図1のプラスチックボトルの口部を拡大して示す斜視図である。 図2の口部の正面図である。 図2の口部をキャップで閉じた状態を示す半断面図である。 図3のV−V線で切断した横断面図である。
符号の説明
1:ボトル、 2:口部、 6:キャップ、 10:周壁、 10a:薄肉部、 10b:厚肉部、 14:外周面、 16:おねじ部、 18:ビードリング、 20:サポートリング、 22:最大径部、 24:肉抜き部、 26:柱部、 28:つなぎ部分、 32:タンパーエビデントバンド、 44:タブ

Claims (8)

  1. 切り離し可能なタンパーエビデントバンド付きキャップにより閉封されるボトル口部の周壁の外周面に、おねじ部と、このおねじ部の下方にサポートリングと、前記おねじ部と前記サポートリングとの間にビートリングとが突出形成され
    前記キャップを操作することによって前記ボトル口部を開封した場合、前記タンパーエビデントバンドが切り離されて前記サポートリング上に落下し、前記ビードリング及び前記サポートリングによって抜けないように当該ボトル口部に残る、プラスチックボトルにおいて、
    前記周壁は、前記ビートリングと前記サポートリングとの間に複数の肉抜き部を有し、
    前記ボトル口部は、前記ビードリングの基部側下端に、前記周壁の外周面のうち最大径の外周面を有する最大径部を備えており、
    前記最大径部は、前記ボトル口部を前記キャップにより閉封した場合に前記タンパーエビデントバンドがかかる部分であり、
    前記複数の肉抜き部は、前記周壁の外周面において、前記最大径部の下縁から前記サポートリングの上縁にかけて周方向に均等間隔で線対称に形成されており、
    互いに隣り合う肉抜き部の間では、前記最大径部と同一の最大径を有する柱部が前記最大径部に連続している、プラスチックボトル。
  2. 前記最大径部における最大径と前記肉抜き部における最小径との差が、3.0mm以下である、請求項に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記肉抜き部と前記柱部とをつなぐ部分は、前記ボトル口部の内側に曲率中心を有する円弧によりR取りされている、請求項又はに記載のプラスチックボトル。
  4. 前記肉抜き部の横断面形状は、円弧形状である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
  5. 前記おねじ部は、前記周壁の外周面を少なくとも一周する連続的な1条ねじからなる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
  6. 前記ボトル口部の周壁は、前記おねじ部が存在する部分の肉厚が当該おねじ部の下方にある部分の肉厚よりも薄い、請求項に記載のプラスチックボトル。
  7. 当該プラスチックボトルは、二軸延伸ブロー成形された飲料用のものである、請求項1ないしのいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
  8. 口部の周壁の外周面に、おねじ部と、このおねじ部の下方にサポートリングと、前記おねじ部と前記サポートリングとの間にビートリングとが突出形成された、プリフォームであって、
    当該プリフォームは、プラスチックボトルに成形された後で、切り離し可能なタンパーエビデントバンド付きキャップにより前記口部を閉封されると共に、前記キャップを操作することによって前記口部を開封した場合、前記タンパーエビデントバンドが切り離されて前記サポートリング上に落下し、前記ビードリング及び前記サポートリングによって抜けないように当該口部に残るものであり、
    前記周壁は、前記ビートリングと前記サポートリングとの間に複数の肉抜き部を有し、
    前記口部は、前記ビードリングの基部側下端に、前記周壁の外周面のうち最大径の外周面を有する最大径部を備えており、
    前記最大径部は、前記口部を前記キャップにより閉封した場合に前記タンパーエビデントバンドがかかる部分であり、
    前記複数の肉抜き部は、前記周壁の外周面において、前記最大径部の下縁から前記サポートリングの上縁にかけて周方向に均等間隔で線対称に形成されており、
    互いに隣り合う肉抜き部の間では、前記最大径部と同一の最大径を有する柱部が前記最大径部に連続している、プリフォーム。
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