JP2002053117A - 合成樹脂製壜体の耐熱用口筒部 - Google Patents

合成樹脂製壜体の耐熱用口筒部

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JP2002053117A JP2000244872A JP2000244872A JP2002053117A JP 2002053117 A JP2002053117 A JP 2002053117A JP 2000244872 A JP2000244872 A JP 2000244872A JP 2000244872 A JP2000244872 A JP 2000244872A JP 2002053117 A JP2002053117 A JP 2002053117A
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Tomoyuki Ozawa
知之 小澤
Hiroaki Sugiura
弘章 杉浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＰＣＯ（プラスチック・クロージャー・オン
リー）口筒部の構造を利用して耐圧を兼ねたＰＣＯ耐熱
用口筒部を得ることにより、ＰＣＯ口筒部の耐熱化を確
実にかつ簡単に得ると共に、大幅な省資源化を実現する
ＰＣＯ耐熱用口筒部を得るようにする。 【解決手段】 耐熱用口筒部２０の筒壁２１と同じ内外
径寸法の筒壁２を有し、連続ネジ構造のネジ山３の始端
部分であるネジ山延長部４を、筒壁２上端面からの距離
を一定にした構成で、大きい中心角範囲にわたって延長
形成し、ビードリング６およびネックリング７を、ＰＣ
Ｏ口筒部１０のそれと等しい構造とし、全体を熱結晶化
により白化することにより、不正な収縮変形を発生する
ことなく、充分な耐熱性と省資源化効果とを発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂等により延伸ブロー成形された合成樹脂
製壜体の、プラスチック製ピルファープルーフキャップ
専用の耐圧も兼ねた耐熱用口筒部の構造に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】合成樹脂製壜体、特にはポリエチレンテ
レフタレート樹脂製２軸延伸ブロー成形壜体の、プラス
チック製ピルファープルーフキャップ専用の口筒部とし
て、炭酸飲料用壜体に用いられる図６ないし図８に示し
たＰＣＯ（プラスチック・クロージャー・オンリー）口
筒部１０が知られている。
【０００３】このＰＣＯ口筒部１０は、筒壁１１の外周
面に、間欠ネジ山１２を刻設すると共に、この間欠ネジ
山１２の下方に突周条状のビードリング１４とネックリ
ング１５を順に突周設し、間欠ネジ山１２のネジ谷径ｒ
３は、口筒外径ｒ１よりも小さく設定されており、間欠
ネジ山１２の始端部であるネジ山始端部１３は、約中心
角９０°の範囲で延長しており、このネジ山始端部１３
の上側ネジ面は、図８に示すように、そのフランク角ｆ
が約０°となっている。
【０００４】ＰＣＯ口筒部１０において、ネジを間欠ネ
ジ山１２構造としたのは、開封時に炭酸ガス等の内圧の
逃げを良くして、キャップ３０の吹き飛びを防止するた
めであり、ネジ山始端部１３を設けたのは、キャップ３
０のネジ山との引っ掛かりにより、開封時の内圧による
キャップ３０の吹き飛びを防止するためである。
【０００５】ＰＣＯ口筒部１０は、アルミ製ピルファー
プルーフキャップを組付けることなく、このアルミ製ピ
ルファープルーフキャップに比べて遙に小さい組付け力
および操作力しか要さないプラスチック製ピルファープ
ルーフキャップだけを組付けるので、ビードリング１４
およびネックリング１５に大きな機械的強度を与える必
要がなく、その分、ビードリング１４およびネックリン
グ１５の寸法を小さくすることができること、また同じ
理由により、筒壁１１の肉抜きが可能となり、これによ
りネジ谷径ｒ３を口筒外径ｒ１よりも小さくすることが
できること、さらにネジを断続した間欠ネジ山１２とし
たことによって、ＰＣＯ口筒部１０全体の樹脂量が、他
のピルファープルーフキャップ組付け用口筒部に比べて
大幅に少なくなっている。
【０００６】なお、ＰＣＯ口筒部１０において、ネジ山
始端部１３の上側ネジ面のフランク角ｆが約０°となっ
ているので、ネジ山始端部１３をその全長にわたって充
分な高さで成形することができ、これにより開封当初
に、キャップ３０のネジ山に対して、ネジ山始端部１３
が確実に引っ掛かるようにしているのである。
【０００７】このように、ネジ山始端部１３の上側ネジ
面のフランク角ｆが約０°となっていても、装着される
キャップ３０が圧力用であるため、開封当初に速やかに
内圧を逃がすことができるように、パッキングであるラ
イニング３２の外側部分に小さなシール機能しか与えな
いように、このライニング３２の外側部分の下端位置を
規制設定するシールリップ３１が高い位置に位置してい
るので、このシールリップ３１が、キャップ３０の装着
時に、ネジ山始端部１３の上側面に強く突き当たって、
キャップ３０の装着を不良とする恐れがない。
【０００８】また、アルミも含めたピルファープルーフ
キャップ用の口筒部として、図９および図１０に示し
た、全体を熱結晶化した耐熱用口筒部２０が知られてい
る。
【０００９】この耐熱用口筒部２０は、筒壁２１の外周
面に、連続したネジ山２２を刻設すると共に、このネジ
山２２の下端と繋がって高さ幅の大きいビードリング２
４を設け、このビードリング２４の下方に厚みの大きな
ネックリング２５を設けており、ネジ山２２の上端部で
あるネジ山始端部２３は短い長さとなっており、ネジ山
２２のネジ谷径ｒ３は口筒外径ｒ１と同じとなってい
る。
【００１０】耐熱用口筒部２０において、ビードリング
２４の高さ幅、およびネックリング２５の厚みが大きい
ので、アルミ製ピルファープルーフキャップ装着時の強
力な組付け加工力および取扱い操作力に耐えることがで
き、ビードリング２４がネジ山２２と連続していると共
に、その高さ幅が大きいので、熱結晶化により白化した
際に、縦方向に不正な収縮変形が発生しないようになっ
ており、耐熱用口筒部２０の口筒外径ｒ１とネジ谷径ｒ
３とは同じ値となっているので、筒壁２１の径方向に沿
った肉厚変化は、充分に小さく、かつ周方向に沿って充
分に均等な分布となって、熱結晶化に伴う径方向の収縮
変形が、周方向に沿って均等化して発生することにな
り、そして筒壁２１の壁厚、すなわち口筒外径ｒ１と口
筒内径ｒ２との差は、熱結晶化に伴う不正収縮変形の発
生の抑制効果を発揮する範囲内で、消費樹脂量を少なく
するために、できるだけ小さい値に設定している。
【００１１】このように、ＰＣＯ口筒部１０と耐熱用口
筒部２０とを比較すると、ＰＣＯ口筒部１０に消費され
る合成樹脂材料量は、耐熱用口筒部２０のそれと比べて
小さく、それゆえＰＣＯ口筒部１０に熱結晶化処理によ
り耐熱性を付与することができるのならば、大幅な省資
源化を得ることができることになり、特に最近のピルフ
ァープルーフキャップはプラスティック製が主流となっ
ているので、耐熱性の付与されたＰＣＯ口筒部１０は、
きわめて広い範囲での適用が可能となる。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たＰＣＯ口筒部１０に熱結晶化処理を施すと、熱結晶化
に伴う収縮変形が不正に発生し、キャップの装着が不良
となると共に、シール性が大幅に低下する、と云う問題
が発生する。
【００１３】これは、間欠ネジ山１２構造であること、
ネジ谷径ｒ３が口筒外径ｒ１よりも小さく成形されてい
ること、ビードリング１４およびネックリング１５の高
さ幅が小さく、ビードリング１４が間欠ネジ山１２から
分離して成形されていること等により、ＰＣＯ口筒部１
０の平均壁厚に比べた壁厚の変化程度が大き過ぎるため
と思われる。
【００１４】また、通常のキャップ３０は、ライニング
３２の外側部分にシール機能を付与すべく、シールリッ
プ３１が、圧力用キャップの場合よりも下位に設けられ
ているため、図８に示すように、キャップ３０を装着し
た際に、延長設されたネジ山始端部１３の上面に、キャ
ップ３０のシールリップ３１が強く突き当たり、これに
よりキャップ３０の装着が不良となる場合がある、と云
う問題が発生する。
【００１５】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく創案されたもので、ＰＣＯ口筒
部の構造を利用してＰＣＯ耐熱用口筒部を得ることを技
術的課題とし、もってＰＣＯ口筒部の耐熱化を確実にか
つ簡単に得ると共に、大幅な省資源化を実現するＰＣＯ
耐熱用口筒部を得ることを目的とする。
【００１６】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
る本発明の手段は、熱結晶化した耐熱用口元である耐熱
用口筒部の筒壁と同じ内外径寸法の筒壁を有すること、
この筒壁の外周に設けた連続したネジ山の始端部分であ
るネジ山延長部を、筒壁の上端面からの距離を一定にし
た構成で、できるだけ大きい中心角範囲にわたって延長
形成すること、ネジ山の下方に設けたビードリングおよ
びネックリングを、プラスチック製ピルファープルーフ
キャップ専用口元であるＰＣＯ口筒部のビードリングお
よびネックリングと等しい構造に成形すること、口筒部
の全体を熱結晶化により白化させること、にある。
【００１７】筒壁の口筒外径および口筒内径が、耐熱用
口筒部の筒壁のそれと同じであり、またネジ山も耐熱用
口筒部のネジ山と同じであるので、熱結晶化に伴う筒壁
の径方向の収縮変形は、不正変形となることなく、均等
な適正変形となる。
【００１８】また、ビードリングおよびネックリング
は、不正変形の発生したＰＣＯ口筒部のそれと同じであ
るが、ネジ山を連続構造としたこと、およびネジ山延長
部を設けることにより、筒壁上端面に、引け状となった
不正収縮変形を発生させないようにしている。
【００１９】すなわち、ネジ山延長部が設けられたこと
により、筒壁上端面からネジ山延長部を含めたネジ山の
各部までの距離の差を、小さくすることができ、これに
より各部に発生する縦方向の熱収縮変形量の差を小さく
して、筒壁上端面に引け状となった不正収縮変形を生じ
させないのである。
【００２０】このように、口筒部は、ＰＣＯ口筒部に比
べて、ネジ山が連続ネジ山構造となっていること、ネジ
谷径が口筒外径と同じであること、そして口筒内外径が
耐熱用口筒部のそれと同じであることにより、消費樹脂
量が多くなっているものの、耐熱用口筒部に比べれば、
ビードリングおよびネックリングを、ＰＣＯ口筒部のそ
れと同じにして、その大きさを大幅に小さくしているこ
とから、その消費樹脂量は少なくなっている。
【００２１】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明に、ネジ山延長部の上側ネジ面のフランク角を、ネジ
山と略同一とした、ことを加えたものである。
【００２２】この請求項２記載の発明にあっては、ネジ
山延長部の上側ネジ面のフランク角をネジ山のそれと略
同じにした、すなわちネジ山延長部の上側ネジ面を、外
方に下降傾斜した傾斜面としたので、耐熱用キャップの
シールリップが、圧力用キャップのシールリップに比べ
てやや下位に位置していても、キャップ装着時に、上方
から対向するキャップのシールリップに対して、ネジ山
延長部の上側ネジ面が下方に逃げる状態となり、このた
めキャップのシールリップがネジ山延長部の上側ネジ面
に強く突き当たることは全くなく、口筒部に対するキャ
ップの装着を適正に達成することができる。
【００２３】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図１
ないし図５を参照しながら説明する。図１は、本発明の
一実施例を施した壜体の全体正面図を示すもので、壜体
は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の２軸延伸ブロ
ー成形壜体で、有底四角筒形状をした胴部７の上端に、
四角錐台筒形状をした肩部８を介して、本発明による口
筒部１を起立連設している。
【００２４】口筒部１は、円筒形状をした筒壁２の外周
面上半部分に、連続したネジ山３を略２巻の長さで刻設
し、また筒壁２の外周面下半部分に、図６に示した従来
技術のＰＣＯ口筒部１０におけるビードリング１４およ
びネックリング１５と同じ構造の、ビードリング５およ
びネックリング６が設けられている。
【００２５】ネジ山３は、図９に示した従来技術の耐熱
用口筒部２０におけるネジ山２２と同じ連続螺条構造を
していると共に、その口筒外径ｒ１と口筒内径ｒ２とネ
ジ谷径ｒ３の関係は、従来技術の耐熱用口筒部２０と同
じとなっているが、ネジ山３の大きさ（突出高さおよび
幅寸法）は、装着対象がプラスチック製ピルファープル
ーフキャップだけであるので、ＰＣＯ口筒部１０の場合
と同様に、耐熱用口筒部２０のネジ山２２よりも小さく
設定されており、省資源化の一助としている。
【００２６】ネジ山３の上端部である始端部には、この
ネジ山３を延長した形態で、できるだけ大きい中心角範
囲（図示実施例の場合、略９０°）にわたってネジ山延
長部４（図４参照）が連続形成されており、このネジ山
延長部４の下側ネジ面は、ネジ山３の下側ネジ面をその
まま延長した構成となっているが、ネジ山延長部４の上
側ネジ面は、そのフランク角ｆをネジ山３のそれと略等
しくしているものの、リード角は０°で、筒壁２の上端
面との距離を、予め設定された一定値にしている。
【００２７】すなわち、ネジ山延長部４は、始端側に延
長されたネジ山３を、延長端に近づくに従って、その突
出高さを減少させることなく、徐々にその縦幅を減少さ
せた構造となっているのである。
【００２８】このように、ネジ山延長部４の上側ネジ面
は、フランク角ｆで外方に下降傾斜しているので、図５
に示すように、ライニング３２の外側部分にシール機能
を付与した耐熱用キャップ３０を装着した際に、キャッ
プ３０のシールリップ３１に対して下方に逃げる状態と
なり、これによりシールリップ３１がネジ山延長部４の
上側ネジ面に突き当たることによる、キャップ３０の装
着不良が生じる恐れはまったくない。
【００２９】現在、飲料用ポリエチレンテレフタレート
樹脂（ＰＥＴ）製の熱結晶化による耐熱（耐熱圧も含
む）壜体の口筒部は、図９および図１０に示す構造のφ
２８口径の耐熱用口筒部２０が主流であり、その重量
（口筒部だけの重量）は約７．６ｇであるが、この耐熱
用口筒部２０に代えて図１ないし図５に示した本発明の
口筒部１にしたところ、口筒部の重量を約１ｇ軽量化す
ることができ、かつ同等の耐熱性およびシール能力そし
て機械的強度等の性能を得ることができた。
【００３０】
【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。請求項１記載の発明にあ
っては、ＰＣＯ対応型の口筒部を、不正変形を生じるこ
となく適正に熱結晶化することができるので、ＰＣＯ口
筒部の耐熱化を確実にかつ簡単に得ることができる。
【００３１】また、ＰＣＯ口筒部の構造を利用して構成
することにより、口筒部の樹脂材料重量の軽減化を確実
に達成することができ、これにより効果的な省資源化を
得ることができる。
【００３２】請求項２記載の発明にあっては、従来から
の耐熱用のプラスチック製ピルファープルーフキャップ
の装着を、無理なく安全にかつ適正に達成することがで
きるので、速やかにかつ安価に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を施した壜体の、全体正面
図。
【図２】図１に示した本発明の実施例の、拡大図。
【図３】図２に示した実施例の、部分縦断面図。
【図４】図２に示した実施例におけるネジ山の、展開説
明図。
【図５】図２に示した実施例の、キャップ装着状態を示
す部分拡大縦断面図。
【図６】従来のＰＣＯ口筒部構造を示す、全体正面図。
【図７】図６に示した従来例の、部分縦断面図。
【図８】図６に示した実施例の、キャップ装着状態を示
す部分拡大縦断面図。
【図９】従来の耐熱用口筒部の構造を示す、全体正面
図。
【図１０】図１０に示した従来例の、部分縦断面図。
【符号の説明】
１ ； 口筒部 ２ ； 筒壁 ３ ； ネジ山 ４ ； ネジ山延長部 ５ ； ビードリング ６ ； ネックリング ７ ； 胴部 ８ ； 肩部 １０； ＰＣＯ口筒部 １１； 筒壁 １２； 間欠ネジ山 １３； ネジ山始端部 １４； ビードリング １５； ネックリング ２０； 耐熱用口筒部 ２１； 筒壁 ２２； ネジ山 ２３； ネジ山端部 ２４； ビードリング ２５； ネックリング ３０； キャップ ３１； シールリップ ３２； ライニング ｒ１； 口筒外径 ｒ２； 口筒内径 ｒ３； ネジ谷径 ｆ ； フランク角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E033 AA01 BA18 CA02 CA05 CA07 CA16 DA03 DA08 DB01 DD05 EA03 EA04 EA05 EA12 FA03 GA02 4F202 AA24 AG07 AG23 AH55 CA15 CB01 CK11 4F208 AA24 AG07 AG23 AH55 LA04 LB01 LG16 LG35 LH08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 熱結晶化した耐熱用口元である耐熱用口
    筒部(20)の筒壁(21)と同じ内外径寸法の筒壁(2) を有
    し、該筒壁(2) の外周に設けた連続ネジ構造のネジ山
    (3) の始端部分であるネジ山延長部(4) を、前記筒壁
    (2) の上端面からの距離を一定にした構成で、できるだ
    け大きい中心角範囲にわたって延長形成し、前記ネジ山
    (3) の下方に設けたビードリング(5) およびネックリン
    グ(6) を、プラスチック製ピルファープルーフキャップ
    専用口元であるＰＣＯ口筒部(10)のビードリング(14)お
    よびネックリング(15)と等しい構造に成形し、全体を熱
    結晶化により白化させた、合成樹脂製壜体の耐熱用口筒
    部。
  2. 【請求項２】 ネジ山延長部(4) の上側ネジ面のフラン
    ク角(f) を、ネジ山(3) と略同一とした請求項１記載の
    合成樹脂製壜体の耐熱用口筒部。
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