JP6602528B2 - プラスチックボトル - Google Patents

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Description

本発明は、断面円形の胴部を備えた耐圧用のプラスチックボトルに関するものである。
炭酸飲料を充填するプラスチックボトル(以下、単に「ボトル」ともいう。)は、炭酸ガスの内圧に耐えることが求められる。このため、一般には、内圧を均等に受けるために胴部を円筒状にするとともに、自立性を確保するために底部をペタロイド形状にしている(例えば特許文献1,2参照)。
この種の耐圧ボトルの設計コンセプトは、特許文献3,4に言及されているように、炭酸ガスの内圧によって胴部が外側に膨らまないようにするというものである。これは、胴部が膨らむと、自動販売機内のラックに投入・収納できなくなるなど、ベンダビリティ(自販機適応性)を欠いてしまうからである。このような不具合が生じないよう、従来では、胴部に一定の厚みをもたせてできるだけ硬くし、ボトルの強度を上げていた。
特開平7−165224号公報 特開平7−300121号公報 特開2014−5071号公報(段落0005) 特開2005−313971号公報
ところが、近年では、環境への配慮の観点から、ボトル素材資源である樹脂の使用量をできるだけ少なくし、それによりボトルを軽量化することが世界的な趨勢となっている。この点、炭酸飲料用のボトルは、胴部に一定の厚みをもたせるように設計されているため、非炭酸飲料用の無菌充填ボトルと比べて十分な軽量化ができていないのが実情である。事実、日本国内の500mlのPETボトルの事例では、非炭酸飲料用の無菌充填ボトルでは、樹脂の使用量が通常18g〜24gで、軽量化されたもので10g〜15gとなっているのに対し、炭酸飲料用のボトルでは、通常30g前後であり、軽量化されたものでも24gである。
また、軽量化に加えて、飲用後にはボトルがつぶし易いことが望まれる。この点、現在実用化されている軽量化された非炭酸飲料用の無菌充填ボトルは薄いため、つぶし易い。しかし、炭酸飲料用のボトルは、上述したように、胴部に一定の厚みをもたせて硬くしているため、つぶし易いと言えるものではなかった。
このような背景の中で耐圧ボトルの軽量化の改善を試みていた本発明者は、内圧で変形しない強度とする従来の設計コンセプトでは、軽量化・つぶし易さと強度確保という相反する要素を両立させるには限界があるだろうとの知見を得た。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その目的は、従来とは全く異なるアプローチにより、軽量化・つぶし易さと強度確保とを両立させることができる耐圧用のプラスチックボトルを提供することである。
本発明者が着想した新しい設計アプローチは、ボトルの膨張を抑えるというものではなく、あえてボトルを拡張させることを前提とするものである。そして、この前提において、ベンダビリティを確保するのに必要な拡張量に抑えつつ、充填前、充填後及び使用後の各段階で求められる強度となるように胴部を設計し、軽量化した耐圧用のプラスチックボトルを完成させるに至った。
すなわち、本発明は、断面円形の胴部を備えた耐圧用のプラスチックボトルにおいて、胴部は、全周が径方向に凹んだリセス部と、リセス部に高さ方向に互いに離間して配置され周溝状に形成された複数の第1の補強リブと、リセス部の下側に形成されたくびれ部と、くびれ部に周溝状に形成された少なくとも1つの第2の補強リブと、リセス部の上側及びくびれ部の下側にそれぞれ形成され、当該プラスチックボトルの最大径を構成する上側最大径部及び下側最大径部と、を備え、当該プラスチックボトル内が陽圧となった場合に、複数の第1の補強リブ及び少なくとも1つの第2の補強リブはその溝深さが浅くなるように塑性変形すると共に、リセス部及びくびれ部の径方向の膨張を許容するものである。
本発明によれば、ボトル内が陽圧となった場合(例えば炭酸飲料をボトルに充填した場合)、第1及び第2の補強リブが浅くなるように塑性変形し、この変形した分だけ、胴部は高さ方向に伸びる。また、陽圧によってリセス部及びくびれ部が径方向に膨張するが、その膨張は、これらがもともと胴部の他の部位よりも径方向に凹んでいて、かつ、浅くなった各補強リブによる補強効果の影響を受けるため、上側及び下側の最大径部よりも径方向内側に抑えられる。
これに対し、仮に、第1及び第2の補強リブをリセス部及びくびれ部に形成せずに軽量化したとすると、陽圧下において、胴部が高さ方向に伸びない一方、リセス部及びくびれ部が径方向に大きく膨れるようになる。その結果、膨張量が大きいために自動販売機内にボトルを収納できなくなったり、収納はできるが最大径の箇所が変わったがためにボトルが自動販売機内でスムーズに落下しなくなったりなど、ベンダビリティに支障をきたす。加えて、陽圧前(例えば炭酸飲料の充填前)はもとより、陽圧後(例えば炭酸飲料の充填後)においても、リセス部及びくびれ部の強度が不足する。
この点、本発明によれば、陽圧下における胴部の高さ方向及び径方向への拡張を一定程度の範囲に抑えるように、リセス部及びくびれ部に第1及び第2の補強リブを形成しておけば、ベンダビリティを確保することが可能となる。加えて、補強効果を奏する第1及び第2の補強リブによって、陽圧前ではリセス部及びくびれ部に十分な強度を持たせることができるので、充填ラインなど、各製造ラインに空ボトルを適切に供することができる。また、陽圧後では、第1及び第2の補強リブが浅くなって補強効果が低下するものの、陽圧に耐え得る強度をリセス部及びくびれ部に付与させることが可能となる。
さらに、本発明によれば、陽圧がかからなくなった使用後(例えば炭酸飲料の飲用後)のボトルでは、陽圧前の空ボトルと比べてリセス部及びくびれ部の強度が下がる。これは、陽圧下で第1及び第2の補強リブが浅くなるように塑性変形しているためである。したがって、使用後のボトルでは、空ボトルよりもつぶし易さを向上することができる。
また、本発明によれば、くびれ部を形成しているので、ユーザによるボトルの持ち易さを向上することができる。しかも、くびれ部の横荷重強度が第2の補強リブによって増強されているので、第2の補強リブを形成しない場合に比べて、くびれ部を把持したユーザにグリップ感を体感させ得る。
本発明の好ましい一態様によれば、複数の第1の補強リブは、均等の間隔で配置されているとよい。これにより、塑性変形する複数の第1の補強リブの変形量のバラツキを抑制し、リセス部の強度のバラツキを抑制することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、少なくとも1つの第2の補強リブは、くびれ部の中心に周溝状に形成されているとよい。こうすることで、くびれ部の膨張と補強とをバランスよく両立させやすい。
本発明の好ましい一態様によれば、リセス部とくびれ部との境界には、リセス部及びくびれ部の双方に対して段差を生じさせる段部が形成されているとよい。こうすることで、リセス部とくびれ部との境界に横強度を付与することができる。これにより、特に炭酸飲料の場合には開封後に炭酸ガスがリリースされて、ボトルの全体としての強度が下がるが、ユーザは、横強度が高くなった段部をその直下のくびれ部と一緒に把持することができる。よって、持ち易さを向上することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、下側最大径部には、周溝状に形成された少なくとも1つの第3の補強リブが形成されているとよい。また、プラスチックボトルは、胴部の上側及び下側にそれぞれつながる肩部及び底部を備え、上側最大径部は、胴部と肩部との境界に位置し、下側最大径部は、胴部と肩部との境界に位置するとよい。
(a)及び(b)は、実施形態に係るプラスチックボトル(空ボトル)をそれぞれ別の角度から見た斜視図である。 (a)及び(b)は図1のプラスチックボトルの正面図及び右側面図である。 図2(a)のIII−III線で切断した端面図である。 (a)は図2(a)と同じ空ボトルの正面図であり、(b)は当該空ボトルに炭酸飲料を充填して閉栓したプラスチックボトル(充填後ボトル)の正面図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るプラスチックボトルを説明する。
以下の説明では、ボトル底部が存在する方を下側とし、ボトル口部が存在する方を上側とする。高さ方向とは、上下方向を意味する。横断面とは、ボトルの中心軸に直交する平面における断面形状を意味し、縦断面とは、ボトルの中心軸を含む平面における断面形状を意味する。
図1〜3に示すように、プラスチックボトル(以下、「ボトル1」という。)は、上側から順に、口部2、肩部3、胴部4及び底部5を有する。これらの部分(2、3、4及び5)は、一体に形成され、内部に炭酸飲料を貯留するための有底筒状のボトル壁を構成する。
ボトル1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を主材料として、二軸延伸ブロー成形等の延伸成形法により成形される。
ボトル1の製造工程の一例を説明する。まず、金型内に熱可塑性樹脂を射出し、プリフォームを射出成形する。プリフォームは、口部2と同形状の口部と、その下側につながる有底の筒状部と、で構成される。射出成形後は、プリフォームをブロー成形機にセットして、プリフォームの筒状部を加熱する。そして、延伸ロッドによって筒状部を縦方向に延伸させると共に、圧縮空気を吹き込んで筒状部を横方向に延伸させる。延伸させた筒状部の部位を金型の内面に押し付け、その後固化させる。これにより、肩部3、胴部4及び底部5が成形され、ボトル1の一連の成形が完了する。
口部2は、上端が開口しており、炭酸飲料の注ぎ口として機能する。口部2の開口は、図示省略したキャップにより開閉される。肩部3は、円形の横断面が下方にかけて徐々に拡大してなり、口部2の下端を胴部4の上端につなげる。肩部3には、その中心から放射状に延びる複数の縦リブ10が形成されており、この複数の縦リブ10によって肩部3の強度が補強されている。底部5は、谷部20と脚部22とを周方向に交互に5つずつ並べたペタロイド形状を有している。
胴部4は、円形の横断面からなる部分である。胴部4を高さ方向に5つのエリアで区分けすると、上から順に、上側最大径部30、リセス部32、段部34、くびれ部36及び下側最大径部38で構成される。
最大径部30,38は、ボトル1の最大径を構成する円筒部分であり、それぞれ、胴部4と肩部3との境界、胴部4と底部5との境界に位置する。下側最大径部38は、上側最大径部30よりも高さが大きく、周溝状に形成された2つの補強リブ60、62(第3の補強リブ)を有している。このため、下側最大径部38において最大径を構成する部分は、補強リブ60の上側円筒部分、補強リブ60と補強リブ62との間の円筒部分、及び、補強リブ62の下側円筒部分となっている。補強リブ60、62の溝深さは周方向において一定であるが、溝高さは周方向において変化している。具体的には、補強リブ60、62は、溝高さの低い部分と高い部分とが周方向に交互に繰り返されている。
リセス部32は、その上下の部分(上側最大径部30、段部34)に比べて全周が径方向にわずかに凹んだ円筒部分である。リセス部32には、ボトル1の中身を明示するためのラベルを貼付することができる。リセス部32は、上側最大径部30と一緒に実質的に胴部4の上半部を構成している。リセス部32には、3つの補強リブ70、71、72(第1の補強リブ)が周溝状に形成されている。補強リブ70、71、72は、高さ方向に互いに離間して配置され、その間隔は均等となっている。また、補強リブ70と上側最大径部30との間の距離や、補強リブ72と段部34との間の距離は、補強リブ70,71,72間の各間隔とほぼ同程度に設定されている。補強リブ70,71,72は、互いに縦断面、溝深さ及び溝高さが同じであり、これらは周方向において一定となっている。補強リブ70,71,72の縦断面は、円弧である。
くびれ部36では、上下の各部分の直径が中心部分にかけて徐々に小さくなるように形成され、当該中心部分が胴部4における最小径を構成している。また、くびれ部36は、下側最大径部38と一緒に実質的に胴部4の下半部を構成している。くびれ部36の中心部分には、補強リブ80(第2の補強リブ)が周溝状に形成されており、補強リブ80によって、くびれ部36は上下対称に区画されている。補強リブ80は、周方向において縦断面、溝深さ及び溝高さが一定となっており、その縦断面は円弧である。
段部34は、リセス部32とくびれ部36との境界に形成された部分であり、リセス部32とくびれ部36との間をつないでいる。段部34とリセス部32とのつなぎ部分には段差が生じていると共に、段部34とくびれ部36とのつなぎ部分にも段差が生じている。段部34の直径は、上側最大径部30及び下側最大径部38の直径以下であればよい。
上述の3種類の補強リブ(60,62;70,71,72;80)は、いずれも、胴部4の横強度を向上させる効果をもたらす。この効果は、補強リブの溝高さ及び溝深さが大きいほど高い。本実施形態では、補強リブ60,62について、溝深さを最も小さくして、他の補強リブよりも補強効果を抑えている。一方、補強リブ80について、溝高さ及び溝深さを最も大きくして、他の補強リブよりも補強効果を上げている。
補強リブ70,71,72及び補強リブ80が有するもう一つの特徴は、陽圧下で塑性変形し、リセス部32及びくびれ部36の縦方向の伸張及び径方向の膨張を許容することである。すなわち、ボトル1内に炭酸飲料を充填した場合など、ボトル1内が陽圧になった場合、補強リブ70,71,72及び補強リブ80は、その溝深さが浅くなるように塑性変形すると共に、リセス部32及びくびれ部36の伸張及び膨張を許容するように構成されている。これは、ボトル1の薄肉化・軽量化にあわせて、補強リブ70,71,72,80の性状(特に溝高さ・溝深さ)と、胴部4の形状(特にリセス部32及びくびれ部36)を設計することで実現することができる。
図4は、炭酸飲料を充填する前(陽圧で塑性変形する前)のボトル1の正面図(図4(a))と、当該ボトル1に炭酸飲料を充填して閉栓した後(陽圧で塑性変形した後)のボトル1の正面図(図4(b))とを並べて示す図である。以下、説明の便宜のため、図4(a)のボトル1を「空ボトル」又は「充填前ボトル」といい、図4(b)の陽圧下のボトル1を「充填後ボトル」という。また、充填後ボトルから炭酸飲料がなくなり、陽圧がかからなくなった充填後ボトルを「使用後ボトル」という。なお、図4(b)では、ボトル1を閉栓するキャップを省略している。
図4(b)に示すように、充填後ボトルでは、内部の陽圧によって補強リブ70,71,72,80が浅くなるように塑性変形し、この塑性変形した分だけ、リセス部32及びくびれ部36が高さ方向に伸びている。したがって、充填後ボトルの全長L1´は、充填前ボトルの全長L1よりも高くなっている。
また、充填後ボトルでは、内部の陽圧によってリセス部32及びくびれ部36が径方向に膨張している。ただし、リセス部32及びくびれ部36の膨張は、補強リブ70,71,72,80による補強効果によって、ある程度のところまでに制限されている。これは、補強リブ70,71,72,80が、浅くなったとはいえ、なお補強効果を奏するからである。
ここで、充填後ボトルにおける胴部4の膨張は、リセス部32及びくびれ部36以外の他の部位(上側最大径部30、段部34及び下側最大径部38)でも起きるが、リセス部32及びくびれ部36の方で積極的に起きる。これは、陽圧となった場合に、まず補強リブ70,71,72,73,80が浅くなる変形が起きるからである。一方で、リセス部32及びくびれ部36の膨張は、これらがもともと胴部4の他の部位よりも径方向に凹んでいて、かつ、補強リブ70,71,72,80による補強効果の影響を受けるため、上側及び下側の最大径部30、38よりも径方向内側に抑えられる。したがって、充填後ボトルでは、空ボトルと比べて、リセス部32の凹み量が小さくなり、くびれ部36の中心部に向かう傾斜角度が緩やかになり、最大径が大きくなる。ただし、充填後ボトルにおいても、最大径の位置は上側及び下側の最大径部30、38のままとなる。
続いて、実施形態に係るボトル1及び比較例に係るボトルに対して行った実験について説明する。比較例に係るボトルは、補強リブ70,71,72,80を有しない以外は、ボトル1と同じ構造を有している。
実験では、実施形態及び比較例に係るボトルとして、内容量を515mlとするPETボトルで、その樹脂量を20.5gとし、全長L1を200ml、最大径を68mm、リセス部32の高さ及び直径を45mm及び65mm、くびれ部36の高さ及び最小径を31mm及び59.5mm、補強リブ70,71,72の溝深さを0.8mm、補強リブ80の溝深さを1.0mmとしたものを用いた。また、実験では、空ボトルに炭酸飲料を充填した充填後ボトルとし、充填後ボトルの全長L1´及び最大径などを測定した。高さ方向の伸び率と径方向の膨張率は、次の表1に示すとおりである。
Figure 0006602528
表1に示すように、実施形態は、比較例と比べて、全長の伸び率が大きく、かつ、最大径の膨張率が小さかった。そして、実施形態の全長及び最大径は、既存の自動販売機に収納できるサイズに収まった。詳細には、広く普及している既存の飲料用自動販売機で収納可能な500ml系PETボトルのサイズは、キャップも入れて高さ213mm、胴径70.5mmである。この点、実施形態の充填後ボトルは、このような一般的な既存の飲料用自動販売機で収納可能なサイズに適合し、ベンダビリティを確保することができた。
次に、別の実験として、上記実験で用いた実施形態に係るボトル1を机上に横向きに置いた状態で段部34に横荷重(ボトルの中心軸に直交する方向に荷重)を作用させて、側面圧縮強度を測定した。この測定は、空ボトル、充填後ボトル及び使用後ボトルについて行った。その結果を次の表2に示す。
Figure 0006602528
表2に示すように、使用後ボトルは、空ボトルよりも側面圧縮強度が下がった。これは、充填後ボトルとなった際に、補強リブ70,71,72,80が浅くなるように塑性変形し、補強効果が小さくなったためである。このように、使用後ボトルは、空ボトルと比べて、リセス部32及びくびれ部36の強度が下がるため、つぶし易くなる。別の観点でいえば、補強リブ70,71,72,80が浅くなっていない空ボトルは、リセス部32及びくびれ部36に強度をもたせておくことができるので、充填ラインなどの各製造ラインに適切に供することができる。なお、充填後ボトルの側面圧縮強度が高いのは、炭酸飲料が充填されているために、充填後ボトル内が陽圧となっているからである。
次に、段部34の有無によるボトル強度を評価するため、段部34を有しない空ボトルについて、上記同様に側面圧縮強度を測定する実験を行った。この場合、当該空ボトルとして、上記実験で用いた実施形態に係るボトル1の段部34、くびれ部36及び最大径部38を同一の最大径からなる寸胴部分とし、この寸胴部分に補強リブ60,62,80を上記実施形態と同じ高さ位置に形成したものを用いた。すなわち、実質的には、実施形態に係るボトル1からくびれ部36のくびれをなくしたものを用い、実施形態の段部34に相当する箇所に横荷重を作用させて、側面圧縮強度を測定した。その結果を次の表3に示す。
Figure 0006602528
表3に示すように、段部34を形成した方が側面圧縮強度を高めることができる。これは、充填後ボトル及び使用後ボトルにおいても同様である。炭酸飲料の場合には開封後に炭酸ガスがリリースされて、ボトル1の全体としての強度が下がるが、ユーザは、側面圧縮強度が高められた部分(すなわち段部34)をその直下のくびれ部36と一緒に把持することができる。よって、飲用中のボトルの持ち易さを向上することができる。
以上説明した本実施形態のボトル1によれば、リセス部32及びくびれ部36に、陽圧下で浅くなるように塑性変形する補強リブ70,71,72及び補強リブ80を形成している。これにより、空ボトルでは、製造ラインで求められる必要な強度をもたせつつ、使用後ボトルでは、空ボトルよりもつぶし易い強度をもたせることができる。また、充填後ボトルでは、陽圧に耐え得る強度をもたせつつ、胴部4の高さ方向及び径方向への拡張を一定程度の範囲に抑えてベンダビリティを確保することができる。したがって、内容量515ml、樹脂量20.5gという、500ml系のPETボトルでは内容量が少し多くて大幅に軽量化した、ベンダビリティを有する耐圧のPETボトルを実現することができる。
なお、空ボトルから充填後ボトルへの高さ方向及び径方向への拡張量は、主として補強リブ70,71,72,80の溝高さ・溝深さで調整することができる。例えば、補強リブの溝高さが低い場合や溝深さが低い場合は、ボトルは、高さ方向にはあまり伸びない傾向にある一方、横強度の補強効果が小さいために径方向には膨らむ傾向にある。逆に、補強リブの溝高さが高い場合や溝深さが深い場合は、ボトルは、横強度が高くなるために径方向にはあまり膨張しない傾向にある一方、高さ方向には伸びる傾向にある。このような傾向を踏まえた上で、ベンダビリティを確保することができる高さ方向及び径方向への拡張量の観点と、各段階(充填前、充填後及び使用後)で求められる強度の観点から、補強リブ70,71,72,80の溝高さ・溝深さを最適なものに設計すればよい。
なおまた、上述した実施形態のボトル1は、密封時におけるボトル内圧が陽圧の場合に好適に用いることができる耐圧ボトルであるが、充填される飲料の対象は炭酸飲料に限らず、発泡性の飲料であってもよい。また、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、果汁等の各種の非炭酸飲料であっても、これらを充填してから密封する前に、ボトル1内に液体窒素を添加することで密封後のボトル内圧を陽圧にすることもできる。要するに、炭酸飲料であっても非炭酸飲料であっても、密封時の内圧が常温で0.07〜0.8MPaの範囲の飲料である限り、実施形態の耐圧用のボトル1を適用することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズ、個数などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、リセス部32に形成する第1の補強リブの数は、3つに限るものではなく、2つ以上であればよい。また、くびれ部36に形成する第2の補強リブの数は、1つに限るものではなく、複数であってもよい。また、底部5は、ペタロイド形状ではなく、いわゆるシャンパンベースの底部構造としてもよい。ただし、底部5に必要な樹脂量を減らすという観点では、ペタロイド形状が好ましい。
1:ボトル、 4:胴部、 5:底部、 30:上側最大径部、 32:リセス部、 34:段部、 36:くびれ部、 38:下側最大径部、 60、62:第3の補強リブ、 70,71,72:第1の補強リブ、 80:第2の補強リブ

Claims (5)

  1. 断面円形の胴部を備えた耐圧用のプラスチックボトルにおいて、
    前記胴部は、
    全周が径方向に凹んだリセス部と、
    前記リセス部に高さ方向に互いに離間して配置され、周溝状に形成された複数の第1の補強リブと、
    前記リセス部の下側に形成されたくびれ部と、
    前記くびれ部に周溝状に形成された少なくとも1つの第2の補強リブと、
    前記リセス部の上側及び前記くびれ部の下側にそれぞれ形成され、当該プラスチックボトルの最大径を構成する上側最大径部及び下側最大径部と、を備え、
    当該プラスチックボトル内が陽圧となった場合に、前記複数の第1の補強リブ及び前記少なくとも1つの第2の補強リブは、その溝深さが浅くなるように塑性変形すると共に、前記リセス部及び前記くびれ部の径方向の膨張を許容する、プラスチックボトル。
  2. 前記複数の第1の補強リブは、均等の間隔で配置されている、請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記少なくとも1つの第2の補強リブは、前記くびれ部の中心に形成されている、請求項1又は2に記載のプラスチックボトル。
  4. 前記リセス部と前記くびれ部との境界には、前記リセス部及び前記くびれ部の双方に対して段差を生じさせる段部が形成されている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
  5. 前記下側最大径部には、周溝状に形成された少なくとも1つの第3の補強リブが形成されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
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