JP7278465B1 - プラスチックボトル、ブロー成形型及びプラスチックボトルの製造方法 - Google Patents

プラスチックボトル、ブロー成形型及びプラスチックボトルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】底部が反転して飛び出す現象を抑制することが可能な、プラスチックボトル、ブロー成形型及びプラスチックボトルの製造方法を提供する。【解決手段】プラスチックボトル10の底部50は、底部50の周縁に位置する周縁部51と、周縁部51よりも径方向内方に位置する接地部52と、接地部52よりも径方向内方に位置する中央部53とを有している。中央部53の底面に、下方へ突出する凸部58が形成されている。凸部58の外径D3は、10mm以上22mm以下である。【選択図】図4

Description

本開示は、プラスチックボトル、ブロー成形型及びプラスチックボトルの製造方法に関する。
近時、飲食品等の内容物を収容する容器として、プラスチック製のものが一般化している(例えば、特許文献1)。このようなプラスチックボトルを二軸延伸ブロー成形で成形した場合、プラスチックボトルの底部の深さが、ブロー成形型より設定された所定の深さよりも浅くなることがある。そのため、特許文献1に示すボトルのように、あらかじめ底部を陥没させた形状とすることが一般的である。
特開2016-68997号公報
しかしながら、二軸延伸ブロー成形で成形されたボトルが金型の中に留まっている時間が短い場合、ボトルの底部の深さが、所望の深さよりも浅くなる場合がある。この場合、底部が反転して飛び出してしまうおそれがある(バックリング)。このため、二軸延伸ブロー成形時には、ある程度の時間、金型内にボトルを留まらせることが一般的である。このように、ある程度の時間、金型内にボトルを留まらせた場合、ボトルの生産性が低下し得る。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、底部が反転して飛び出す現象を抑制することが可能な、プラスチックボトル、ブロー成形型及びプラスチックボトルの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様は、口部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルであって、前記底部は、前記底部の周縁に位置する周縁部と、前記周縁部よりも径方向内方に位置する接地部と、前記接地部よりも径方向内方に位置する中央部とを有し、前記中央部の底面に、下方へ突出する凸部が形成されており、前記凸部の外径は、10mm以上22mm以下である、プラスチックボトルである。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるプラスチックボトルにおいて、前記凸部は、環状に形成されていても良い。
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様によるプラスチックボトルにおいて、前記凸部の高さは、1mm以上5mm以下であっても良い。
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによるプラスチックボトルにおいて、前記中央部に、径方向に延びる複数のリブが形成されていても良い。
本開示の第5の態様は、口部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルをブロー成形するためのブロー成形型であって、前記プラスチックボトルの前記胴部に対応する胴部型と、前記プラスチックボトルの前記底部に対応する底部型とを備え、前記底部型の天面に、下方へ窪む凹部が形成されており、前記凹部の外径は、10mm以上22mm以下である、ブロー成形型である。
本開示の第6の態様は、上述した第5の態様によるブロー成形型において、前記凹部は、環状に形成されていても良い。
本開示の第7の態様は、上述した第5の態様又は上述した第6の態様によるブロー成形型において、前記凹部の深さは、1mm以上5mm以下であっても良い。
本開示の第8の態様は、上述した第5の態様から上述した第7の態様のそれぞれによるブロー成形型において、前記底部型に、径方向に延びる複数のリブが形成されていても良い。
本開示の第9の態様は、プラスチックボトルの製造方法であって、プリフォームを準備する工程と、上述した第5の態様から上述した第8の態様のそれぞれによるブロー成形型を準備する工程と、前記プリフォームを前記ブロー成形型内でブロー成形する工程とを備える、プラスチックボトルの製造方法である。
本開示によれば、底部が反転して飛び出す現象を抑制できる。
図1は、一実施の形態によるプラスチックボトルを示す正面図である。 図2は、一実施の形態によるプラスチックボトルを下方から示す斜視図である。 図3は、一実施の形態によるプラスチックボトルを示す底面図である。 図4は、一実施の形態によるプラスチックボトルを示す断面図(図3のIV-IV線断面図)である。 図5(a)-(b)は、一実施の形態によるプラスチックボトルの製造方法を示す断面図である。 図6Aは、一実施の形態によるブロー成形型の底部型を示す斜視図である。 図6Bは、一実施の形態によるブロー成形型の底部型を示す断面図(図6AのVIB-VIB線断面図)である。 図7(a)-(b)は、一実施の形態によるプラスチックボトルの製造方法を示す断面図である。 図8は、一実施の形態によるプラスチックボトルの作用を説明する図である。 図9は、比較例としてのプラスチックボトルの作用を説明する図である。 図10は、第1変形例によるプラスチックボトルを示す断面図である。 図11は、第1変形例によるブロー成形型の底部型を示す斜視図である。 図12Aは、第2変形例によるプラスチックボトルを下方から示す斜視図である。 図12Bは、第2変形例によるプラスチックボトルを示す断面図である。 図13は、第2変形例によるブロー成形型の底部型を示す斜視図である。 図14は、比較例によるプラスチックボトルを作製するためのブロー成形型の底部型示す斜視図である。 図15は、比較例によるプラスチックボトルを示す断面図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。図1乃至図9は本開示の一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されることなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
プラスチックボトルの構成
まず、図1乃至図4により、本実施の形態によるプラスチックボトル10について説明する。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれプラスチックボトル10を正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。本明細書中、プラスチックボトル10の「中心軸線CL」とは、プラスチックボトル10の口部20の内面を構成する円筒の中心軸線をいう。なお、プラスチックボトル10の中心軸線CLは、プラスチックボトル10を正立させた状態で接地させたときに、接地面となる平面に対して直交する直線である。
また、本明細書中、「高さ方向」とは、プラスチックボトル10の中心軸線CLに沿う方向をいい、「半径方向」とは、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対して直交する方向をいう。また、「周方向」とは、プラスチックボトル10の中心軸線CLを中心とする円の円周方向をいう。
図1乃至図4に示すプラスチックボトル10は、射出成形により得られるプリフォーム100(図5参照)を準備し、このプリフォーム100に対して二軸延伸ブロー成形を施すことにより作製される。
図1に示すように、プラスチックボトル10は、口部20と、口部20の下方に位置する首部21と、首部21の下方に位置する肩部22と、肩部22の下方に位置する胴部30と、胴部30の下方に位置する底部50とを備えている。
このうち口部20は、図示しないキャップに螺着されるねじ部23と、ねじ部23の下方に位置するフランジ部24とを有している。なお、プラスチックボトル10に内容液等の内容物が充填され、口部20にキャップが螺着されることにより、内容物入りプラスチックボトル(図示せず)が得られる。
首部21は、フランジ部24と肩部22との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。
肩部22は、首部21と胴部30との間に位置しており、首部21側から胴部30側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
胴部30は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部30が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。或いは、胴部30が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。胴部30の外面には、例えば、減圧吸収パネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
次に、図2乃至図4を参照して、底部50について説明する。
図2乃至図4に示すように、底部50は、底部50の周縁に位置する周縁部51と、周縁部よりも径方向内方に位置する接地部52と、接地部52よりも径方向内方に位置する中央部53とを有している。このうち、接地部52は、環状の平坦な接地面52aを含んでいる。また、中央部53は、接地面52aに連結された第1壁面55aと、第1壁面55aに連結された湾曲面60aと、湾曲面60aに連結されるとともに、第1壁面55aに対して傾斜する第2壁面56aと、第2壁面56aに連結された底面57aとを含んでいる。ここでは、まず、底部50の周縁部51について説明する。
周縁部51は、接地部52の半径方向外方に位置している。周縁部51の半径方向内端は、接地部52の半径方向外端に連結され、周縁部51の半径方向外端は、胴部30の下端に接続されている。周縁部51は、底面方向から見て、円環形状を有している。なお、胴部30の形状が多角形状等である場合には、周縁部51は、胴部30の形状に合わせて、底面方向から見て、多角形状等であっても良い。周縁部51は、半径方向内方から半径方向外方に向かうにつれて、下方(接地部52側)から上方(胴部30側)に向けて上昇している(図4参照)。また、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、周縁部51は、半径方向内方から半径方向外方に向かうにつれて、徐々に、接地部52の後述する接地面52aに対する角度が大きくなるように湾曲していても良い。なお、周縁部51には、溝等が形成されていないが、溝等が形成されていても良い。
接地部52は、プラスチックボトル10を正立させた際、テーブル等の載置面に接触する部分である。接地部52の半径方向外端は、周縁部51の下端に連結されており、接地部52の半径方向内端は、中央部53の下端に接続されている。上述したように、接地部52は、環状の平坦な接地面52aを含んでいる。接地面52aは、周方向に途切れる部分のない円環形状を有している(図3参照)。また、接地部52には、溝等が形成されていない。なお、接地部52は、周方向に途切れる部分を有していても良く、接地部52に、溝等が形成されていても良い。接地部52の幅W1(半径方向距離、図3参照)は、0mmよりも大きく10mm以下としても良く、1mm以上、4mm以下とすることが好ましい。なお、接地部52は、テーブル等の載置面に線接触しても良い。また、接地部52の内周(後述する環状傾斜部55の外周)は、底面方向から見て円形状を有しているが、これに限らず、例えば、多角形形状を有していても良い。
また、接地部52における肉厚は、これに限定されるものではないが、例えば0.09mm以上0.40mm以下とすることができる。接地部52の肉厚が0.09mm以上であることにより、プラスチックボトル10をブロー成形したときに過延伸となって接地部52周辺が白くなることを抑制できる。また、接地部52の肉厚が0.40mm以下であることにより、プラスチックボトル10の軽量化を図ることができる。なお、プラスチックボトル10が白くなるのは、ブロー成形で過延伸となることにより、プラスチックボトル10の表面に極微細な凹凸が生じ、光を乱反射するためである。
中央部53は、中央凹部54と、中央凹部54の周囲に位置する環状傾斜部55とを有している。
中央凹部54は、上方(プラスチックボトル10の内方)に向けて凹んでいる。中央凹部54は、全体として略円錐台形状を有しており、上述した湾曲面60aと、第2壁面56aと、底面57aとを含んでいる。湾曲面60aは、第2壁面56aの周囲に位置しており、第2壁面56aは、底面57aの周囲に位置している。
湾曲面60aは、半径方向外方から半径方向内方に向かうにつれて、下方(接地部52側)から上方(胴部30側)に向けて上昇している。また、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、湾曲面60aは、半径方向外方から半径方向内方に向かうにつれて、徐々に、接地部52の後述する接地面52aに対する角度が大きくなるように湾曲している(図4参照)。
第2壁面56aは、後述するリブ59が形成された領域を除き、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、直線状に延びている。また、第2壁面56aは、底部50の垂直断面において、接地面52aに対して傾斜している。プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第2壁面56aの傾斜角度θ1(図4参照)は、0.5°以上60°以下であることが好ましい。傾斜角度θ1が0.5°以上であることにより、プラスチックボトル10を後述するブロー成形型70から取り出すときの離型性を向上できる。また、傾斜角度θ1が60°以下であることにより、後述する外径D2及び外径D3の設計の自由度を大きくできる。
底面57aには、後述する凸部58除き、溝等は形成されていない。このため、底面57aのうち後述する凸部58以外の部分は、平滑面である。なお、底面57aは、底面方向から見て円形状を有しているが、これに限らず、例えば、多角形形状を有していても良い。底面57aの外径D2(図4参照)は、胴部30の最大径D1の15%以上50%以下としても良く、20%以上40%以下とすることが好ましい。また、外径D2は、18mm以上40mm以下としても良い。外径D2が18mm以上であることにより、後述する延伸不足部分が、第2壁面56aを構成する部分にまで延在することを抑止できる。このため、後述する延伸不足部分に起因して厚肉になる部分の多くを、外径D2内に留めることができる。また、外径D2が40mm以下であることにより、プラスチックボトル10に内容物を充填したときに、内容物の重さによって凸部58等が変形することを抑制できる。
また、接地面52aから底面57aまでの高さH2(中央部の深さDp1、図4参照)は、1mm以上25mm以下としても良い。高さH2が1mm以上であることにより、例えば、底面57aに後述する凸部58が形成された場合であっても、底面57aが載置面に干渉することを抑制できる。このため、プラスチックボトル10を正立させることができる。また、高さH2が25mm以下であることにより、プラスチックボトル10をブロー成形したときに過延伸となりプラスチックボトル10が白くなることを抑制できる。なお、本明細書中、「中央部の深さDp1」とは、接地面52aから、底面57aの中央までの上下方向距離をいう。
ここで、底面57aを構成する部分は、底部50における他の部分よりも厚みが厚くなっている。すなわち、後述するように、プリフォーム100(図5(a)参照)の底部には、ブロー成形時に延伸されにくい部分(以下、単に延伸不足部分とも称する)がある。本実施の形態では、後述するように、延伸不足部分は、底部型74の凹部80内に入り込む。そして、底面57aを構成する部分は、底部型74の凹部80を取り囲むように形成される。このため、底面57aを構成する部分は、底部50における他の部分よりも厚みが厚くなる。この場合、延伸不足部分が、環状傾斜部55にまで延在することを抑制できる。
底面57aには、下方へ突出する凸部58が形成されている。凸部58は、環状に形成されている。具体的には、凸部58は、底面方向から見て円環形状を有している。凸部58は、第3壁面58aと、下面58bと、第4壁面58cとを含んでいる。第3壁面58aは、下面58bの周囲に位置している。
第3壁面58aは、略円錐形状であり、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、直線状に延びている。また、第3壁面58aは、底部50の垂直断面において、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対して傾斜している。プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第3壁面58aの傾斜角度θ2(図4参照)は、0.5°以上45°以下であることが好ましい。傾斜角度θ2が0.5°以上であることにより、プラスチックボトル10を後述するブロー成形型70から取り出すときの離型性を向上できる。また、傾斜角度θ2が45°以下であることにより、後述するブロー成形型70の凹部80の空間容積を大きくできる。これにより、後述するように、ブロー成形型70の凹部80内に入り込んだ樹脂が、凹部80よりも径方向外側に流れ出ることを抑制できる。このため、後述するように、プラスチックボトル10において、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して厚肉になる部分が形成される範囲を狭くできる。なお、第3壁面58aには、溝等は形成されていない。
下面58bには、溝等は形成されておらず、下面58bは、平滑面である。なお、下面58bは、底面方向から見て円環形状を有している。
第4壁面58cは、下面58bよりも径方向内側に位置している。第4壁面58cは、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、直線状に延びている。また、第4壁面58cは、底部50の垂直断面において、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対して傾斜している。プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第4壁面58cの傾斜角度θ6(図4参照)は、0.5°以上45°以下であることが好ましい。傾斜角度θ6が0.5°以上であることにより、プラスチックボトル10を後述するブロー成形型70から取り出すときの離型性を向上できる。また、傾斜角度θ6が45°以下であることにより、後述するブロー成形型70の凹部80の空間容積を大きくできる。なお、第4壁面58cには、溝等は形成されていない。
凸部58の外径D3(第3壁面58aの最大径、図4参照)は、10mm以上22mm以下としても良い。外径D3が10mm以上であることにより、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して厚肉になる部分が形成される範囲を狭くできる。また、外径D3が22mm以下であることにより、プラスチックボトル10に内容物を充填したときに、内容物の重さによって凸部58等が変形することを抑制できる。
また、凸部58の高さH3(下面58bから底面57aまでの上下方向距離、図4参照)は、1mm以上5mm以下としても良い。高さH3が1mm以上であることにより、後述するように、ブロー成形型70の凹部80内に入り込んだ樹脂が、凹部80よりも径方向外側に流れ出ることをより効果的に抑制できる。このため、後述するように、プラスチックボトル10において、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して厚肉になる部分が形成される範囲を効果的に狭くできる。また、高さH3が5mm以下であることにより、プラスチックボトル10を後述するブロー成形型70から取り出すときの離型性を向上できる。
さらに、凸部58の幅W2(半径方向距離、図4参照)は、3mm以上8mm以下としても良い。幅W2が3mm以上であることにより、ブロー成形型70の凹部80内に入り込んだ樹脂が、凹部80よりも径方向外側に流れ出ることをより効果的に抑制できる。このため、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して厚肉になる部分が形成される範囲を効果的に狭くできる。また、幅W2が8mm以下であることにより、底部型74の強度を十分なものに保つことができる。
環状傾斜部55は、中央凹部54の半径方向外方かつ接地部52の半径方向内方に位置している。また、環状傾斜部55の上端は、中央凹部54の下端に連結され、環状傾斜部55の下端は、接地部52の半径方向内端に連結されている。環状傾斜部55は、全体として円錐台の側面の形状を有している。環状傾斜部55の厚みは、全体として略一定で有っても良い。上述したように、延伸不足部分は、環状傾斜部55にまでは延在していない。このため、環状傾斜部55の厚みを薄くできる。環状傾斜部55の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば0.09mm以上1mm以下としても良い。環状傾斜部55の厚みが0.09mm以上であることにより、プラスチックボトル10をブロー成形したときに、環状傾斜部55の樹脂が延伸しすぎることを抑制できる。このため、延伸しすぎることに起因して環状傾斜部55が白くなることを抑制できる。また、環状傾斜部55の厚みが1mm以下であることにより、プラスチックボトル10がブロー成形型70から取り出された後における、環状傾斜部55の熱収縮を抑制できる。
また、環状傾斜部55は、上述した第1壁面55aを含んでいる。第1壁面55aは、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、直線状に延びている。また、第1壁面55aは、底部50の垂直断面において、接地面52aに対して傾斜している。プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第1壁面55aの傾斜角度θ3(図4参照)は、30°以上80°以下であることが好ましい。傾斜角度θ3が30°以上であることにより、プラスチックボトル10をブロー成形したときの賦形性の悪化を抑制できる。また、傾斜角度θ3が80°以下であることにより、プラスチックボトル10に内容物を充填したときに、内容物の重さによって凸部58等が変形することを抑制できる。なお、この傾斜角度θ3は、上述した第2壁面56aと中心軸線CLとがなす傾斜角度θ1よりも大きい。第1壁面55aは、後述するリブ59が形成された領域を除き、平滑な面から構成されている。
また、第1壁面55aの高さH4(接地面52aから第2壁面56aまでの上下方向距離、図4参照)は、0mm以上10mm以下としても良い。高さH4が0mmとは、中央部53が環状傾斜部55を有さないことを意味する。胴部30の最大径D1が小さい場合には、中央部53が環状傾斜部55を有さないことにより、プラスチックボトル10の設計の自由度を大きくできる。また、高さH4が10mm以下であることにより、プラスチックボトル10を後述するブロー成形型70から取り出すときの離型性を向上できる。
このような底部50において、中央部53に、径方向に延びる複数のリブ59が形成されている。図示された例においては、中央部53に、8本のリブ59が形成されている。なお、リブ59の本数は、4本以上20本以下としても良い。このリブ59は、周方向に等間隔に配置されていても良い。各リブ59は、その径方向内端が第2壁面56aを構成する部分に連結されるとともに、その径方向外端が環状傾斜部55で終端している。また、各リブ59は、それぞれ溝状に形成されており、幅方向に垂直な断面において略U字形状又は略コの字形状を有している。なお、各リブ59の間隔は、一定でなくとも良い。また、中央部53にリブ59が設けられていなくても良い。
ところで、このようなプラスチックボトル10のサイズは限定されるものではなく、どのようなサイズのボトルからなっていても良い。例えば、プラスチックボトル10の満注容量は、100ml以上2200ml以下としても良く、150ml以上1600ml以下とすることが好ましく、200ml以上1100ml以下とすることがさらに好ましい。プラスチックボトル10の満注容量は、一例として、520mlであっても良い。
さらに、プラスチックボトル10の重量についても、これに限定されるものではないが、満注容量が650ml以下の場合、10g以上28g以下としても良く、14g以上24g以下とすることが好ましい。
また、プラスチックボトル10は、合成樹脂材料を射出成形して作製したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより作製できる。なお、プラスチックボトル10の主材料としては熱可塑性樹脂、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート(PC)等を使用できる。また、プラスチックボトル10は、2層のポリエチレンテレフタレート層によってバリア材料層を挟んだ多層構造としても良い。例えば、PET/MXD6/PETという多層構造としたプリフォームを作製し、これを二軸延伸ブロー成形することにより、多層容器であるプラスチックボトル10を作製しても良い。プラスチックボトル10の材料としては、使用済みのプラスチック製品を選別、粉砕、洗浄することによって作製された、リサイクルしたプラスチックを用いても良い。なお、プラスチックボトル10は、二軸延伸ブロー成形のほか、ダイレクトブロー成形等の各種成形法によって作製されても良い。
プラスチックボトルの製造方法
次に、図5乃至図9により、本実施の形態によるプラスチックボトル10の製造方法及び内容物入りプラスチックボトル10の使用方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、プラスチック材料製のプリフォーム100を準備する。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム100を作製しても良い。また、プリフォーム100として、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
また、図5(b)に示すように、プラスチックボトル10を作製するためのブロー成形型70を準備する。ブロー成形型70は、互いに分割された一対の胴部型72、73と、底部型74とを備えている。胴部型72、73は、プラスチックボトル10の首部21、肩部22及び胴部30に対応する型である。本実施の形態では、胴部型72、73は、プラスチックボトル10の底部50の一部にも対応している。底部型74は、プラスチックボトル10の底部50に対応する型である。胴部型72、73及び底部型74は、それぞれ、プラスチックボトル10の首部21、肩部22、胴部30及び底部50に対応する形状を有している。
図6A及び図6Bに示すように、底部型74は、第1側面76と、第1側面76に連結された湾曲面81と、湾曲面81に連結されるとともに、第1側面76に対して傾斜する第2側面77と、第2側面77に連結された天面78とを含んでいる。
このうち、第1側面76は、底部50の環状傾斜部55の第1壁面55aに対応する面である。このため、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第1側面76の傾斜角度θ4(図6B参照)は、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第1壁面55aの傾斜角度θ3と等しくなっていても良い。すなわち、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第1側面76の傾斜角度θ4は、30°以上80°以下であっても良い。
湾曲面81は、底部50の中央凹部54の湾曲面60aに対応する面である。
第2側面77は、底部50の中央凹部54の第2壁面56aに対応する面である。このため、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第2側面77の傾斜角度θ5(図6B参照)は、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第2壁面56aの傾斜角度θ1と等しくなっていても良い。すなわち、プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する第2側面77の傾斜角度θ5は、0.5°以上60°以下であっても良い。
天面78は、底部50の中央凹部54の底面57aに対応する面である。このため、また、天面78の外径D4(図6B参照)は、底面57aの外径D2と等しくなっていても良い。すなわち、天面78の外径D4は、18mm以上40mm以下であっても良い。第1側面76の径方向外端から天面78までの高さH5(底深さDp2、図6B参照)は、4mm以上25mm以下であっても良い。なお、本明細書中、「底深さDp2」とは、第1側面76の径方向外端から、天面78の中央までの上下方向距離をいう。
また、天面78には、凸部58に対応する凹部80であって、下方へ窪む凹部80が形成されている。この場合、凹部80は、環状に形成されている。また、凹部80の外径D5(図6B参照)は、凸部58の外径D3と等しくなっていても良い。すなわち、凹部80の外径D5は、10mm以上22mm以下であっても良い。また、凹部80の深さDp3(図6B参照)は、凸部58の高さH3と等しくなっていても良い。すなわち、凹部80の深さDp3は、1mm以上5mm以下であっても良い。さらに、凹部80の幅W3(図6B参照)は、凸部58の幅W2と等しくなっていても良い。すなわち、凹部80の幅W3は、3mm以上8mm以下であっても良い。
このような底部型74において、第1側面76、湾曲面81及び第2側面77に、径方向に延びる複数のリブ79が形成されていても良い。このリブ79は、プラスチックボトル10のリブ59に対応する部分である。各リブ79は、その径方向内端が第2側面77を構成する部分に連結されるとともに、その径方向外端が第1側面76を構成する部分で終端している。また、各リブ79は、第1側面76及び湾曲面81から上方に突出していても良い。本実施の形態において、このようなブロー成形型70も提供する。
次に、プリフォーム100をブロー成形型70内でブロー成形する。このとき、プリフォーム100は、図示しない加熱装置によって加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム100の加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
次に、図7(a)に示すように、プリフォーム100をブロー成形用のブロー成形型70に装着する。
次に、ブロー用エアがプリフォーム100内に吹き込まれることによって、図7(b)に示すように、プリフォーム100が、ブロー成形型70のキャビティ内で、成形品のプラスチックボトル10となるまで膨張する。
ここで、一般的に、プリフォーム100の底部の一部分(図7(a)のX部)は、延伸されにくい部分(以下、単に延伸不足部分とも称する)である。このような延伸不足部分は、プラスチックボトル10において、周囲の部分よりも厚肉になりやすい。厚肉になると、後述するように、熱収縮に起因する変形量が大きくなる。
本実施の形態では、底部型74の天面78に、下方へ窪む凹部80が形成されている。これにより、プリフォーム100が膨張する際に、凹部80内に延伸不足部分が入り込む。そして、底部型74に凹部80が形成されていることにより、凹部80内に入り込んだ延伸不足部分が凹部80よりも径方向外側に流れ出ることを抑制できる。このため、プラスチックボトル10において、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して厚肉になる部分(以下、肉溜まり部とも称する)が形成される範囲を狭くできる。すなわち、熱収縮に起因する変形量が大きくなり得る肉溜まり部が形成される範囲を狭くできる。この場合、肉溜まり部は、底部50の凸部58の近傍のみに形成され得る。
その後、プラスチックボトル10が、ブロー成形型70外へ取り出される。
このようにして、図1に示すプラスチックボトル10が得られる。
ここで、図8に示すように、プラスチックボトル10において、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して、上述した肉溜まり部(図8に示す斜線部)が形成され得る。この肉溜まり部は、ブロー成形型70内では冷却されにくい。このため、肉溜まり部は、プラスチックボトル10をブロー成形型70から取り出したときに、他の部分と比べて高温となっている。すなわち、プラスチックボトル10は、肉溜まり部が熱膨張した状態で、ブロー成形型70から取り出される。この結果、肉溜まり部が室温まで冷却されることにより、肉溜まり部が熱収縮する。これにより、中央部53の深さDp1(図4参照)が浅くなる。
本実施の形態では、上述したように、肉溜まり部(図8に示す斜線部)が形成される範囲が狭くなっている。このように、肉溜まり部が形成される範囲が狭くなっているため、図8に示すように、肉溜まり部が熱収縮した場合であっても、底部50の中央部53の変形量を低減できる。このため、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を抑制できる。なお、図8においては、変形後の底部を破線で示している。
一方、比較例として、図9に示すように、肉溜まり部(図9に示す斜線部)が形成される範囲が広くなった場合、肉溜まり部が熱収縮した場合に、底部50の中央部53の変形量が大きくなる。このため、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)が生じ得る。なお、図9においては、変形後の底部を破線で示している。
次に、このプラスチックボトル10内に飲料等の内容物を充填する。続いて、口部20を図示しないキャップにより閉栓する。このようにして、内容物入りプラスチックボトルが得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、プラスチックボトル10の底部50が、底部50の周縁に位置する周縁部51と、周縁部51よりも径方向内方に位置する接地部52と、接地部52よりも径方向内方に位置する中央部53とを有している。また、また、底面57aに、下方へ突出する凸部58が形成されている。そして、凸部58の外径D3が、10mm以上22mm以下である。この場合、プリフォーム100の延伸不足部分に起因して厚肉になる肉溜まり部は、凸部58の近傍のみに形成される。このため、肉溜まり部が形成される範囲を狭くできる。この結果、プラスチックボトル10がブロー成形型70から取り出された後に、肉溜まり部が熱収縮した場合であっても、底部50の中央部53の変形量を低減できる。このため、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を抑制できる。
ここで、ブロー成形型70の底部型74の温度を下げることにより、ブロー成形型70内において、肉溜まり部を冷却することも考えられる。一方、底部型74を冷やしすぎた場合、底部型74の表面に結露が生じてしまう可能性がある。このため、底部型74の温度を調整した場合であっても、肉溜まり部を室温程度まで冷却できない可能性がある。また、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂は熱伝達性が悪い。このため、底部型74の温度を下げた場合であっても、肉溜まり部を短時間で室温程度まで冷却できない可能性がある。このため、肉溜まり部の熱収縮に起因して、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)が生じてしまうおそれがある。これに対して本実施の形態によれば、肉溜まり部が形成される範囲を狭くできる。この結果、プラスチックボトル10がブロー成形型70から取り出された後に、肉溜まり部が熱収縮した場合であっても、底部50の中央部53の変形量を低減でき、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を抑制できる。なお、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を抑制できることは、後述する実施例によって説明する。
また、本実施の形態によれば、凸部58が、環状に形成されている。これにより、凸部58の長さを長くできる。すなわち、第3壁面58a、下面58b及び第4壁面58cの合計面積を広くできる。このため、凸部58の近傍の厚みを薄くすることができる。この結果、肉溜まり部の熱収縮量を低減できる。このため、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を更に効果的に抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、中央部53に、径方向に延びる複数のリブ59が形成されている。これにより、中央部53の剛性を高くできる。このため、内容物入りプラスチックボトル内の圧力が上昇した場合等に、中央部53が変形することを抑制できる。この結果、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を更に効果的に抑制できる。
(変形例)
次に、プラスチックボトル及びブロー成形型の変形例について説明する。
(第1変形例)
図10は、プラスチックボトル10の第1変形例を示している。図10に示す変形例は、湾曲面60aと第2壁面56aとの間に、傾斜面61aが設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図9に示す形態と略同一である。図10において、図1乃至図9に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示す変形例において、湾曲面60aと第2壁面56aとの間に、傾斜面61aが設けられている。傾斜面61aは、リブ59が形成された領域を除き、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、直線状に延びている。また、傾斜面61aは、底部50の垂直断面において、接地面52aに対して傾斜している。プラスチックボトル10の中心軸線CLに対する傾斜面61aの傾斜角度θ7(図10参照)は、0.5°以上60°以下であることが好ましい。傾斜角度θ7が0.5°以上であることにより、プラスチックボトル10をブロー成形型70から取り出すときの離型性を向上できる。また、傾斜角度θ7が60°以下であることにより、外径D2及び外径D3の設計の自由度を大きくすることが出来る。
第1変形例によるプラスチックボトル10を作製する場合、図11に示すように、底部型74の湾曲面81と第2側面77との間に、傾斜面82が設けられていても良い。この傾斜面82は、プラスチックボトル10の底部50の傾斜面61aに対応する部分である。
本変形例においても、肉溜まり部が形成される範囲を狭くできる。このため、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を抑制できる。
(第2変形例)
図12A及び図12Bは、プラスチックボトル10の第2変形例を示している。図12A及び図12Bに示す変形例は、凸部58が、全体として略逆円錐台形状を有している点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図11に示す形態と略同一である。図12A及び図12Bにおいて、図1乃至図11に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12A及び図12Bに示す変形例において、凸部58は、全体として略逆円錐台形状を有している。この場合、凸部58は、第4壁面58cを含んでいなくても良い。
また、本変形例では、下面58bは、底面方向から見て円形状を有していても良い。なお、これに限らず、例えば、下面58bは、多角形形状を有していても良い。
第1変形例によるプラスチックボトル10を作製する場合、図13に示すように、底部型74の凹部80は、環状に形成されていなくても良い。
本変形例によれば、凸部58が、全体として略逆円錐台形状を有している。この場合においても、底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)を更に効果的に抑制できる。
次に本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、図5乃至図7に示すブロー成形型70を使用して、図1乃至図4に示す構成からなる、容量500mlのプラスチックボトル10を作製した。この場合、射出成形により24gのPET単層プリフォームを作製し、このプリフォームに対して二軸延伸ブロー成形することによりプラスチックボトル10を作製した。
このとき、ブロー成形型70において、天面78の外径D4は、23.8mmであり、底深さDp2は、7.5mmであった。また、ブロー成形型70において、凹部80の外径D5は、20mmであり、凹部80の深さDp3は、3mmであり、凹部80の幅W3は、6mmであった。
また、プラスチックボトル10の高さH(図1参照)は、206mmであった。さらに、胴部30の最大径D1は、66mmであった。
二軸延伸ブロー成形において、まず、プリフォーム100内にブロー用の1次エアを吹き込んだ。次に、プリフォーム100内にブロー用の2次エアを吹き込んだ。このようにして、プラスチックボトル10を作製した。このとき、1次エアの圧力は、1.2MPaとし、2次エアの圧力は、3.5Mpaとした。このとき、1次エアの吹き込み時間は0.1秒とした。また、2次エアの吹き込み時間は、0.7秒、0.9秒、1.5秒、2.1秒とした。そして、2次エアのそれぞれの吹き込み時間で作製したプラスチックボトル10において、中央部53の深さDp1を測定した。
(実施例2)
図11に示す底部型74を備えるブロー成形型70を使用して、図10に示すプラスチックボトル10を作製したこと、天面78の外径D4が19.8mmであったこと、凹部80の外径D5が16mmであったこと、凹部80の幅W3が4mmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、中央部53の深さDp1を測定した。
(実施例3)
図13に示す底部型74を備えるブロー成形型70を使用して、図12A及び図12Bに示すプラスチックボトル10を作製したこと、天面78の外径D4が19.8mmであったこと、底深さDp2が4.5mmであったこと、凹部80の外径D5が16mmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、中央部53の深さDp1を測定した。
(比較例)
図14に示す底部型74Bを備えるブロー成形型を使用して、図15に示すプラスチックボトル10Bを作製したこと、天面78の外径D4が12mmであったこと、底深さDp2が6.5mmであったこと、凹部80の外径D5が7mmであったこと、凹部80の深さDp3が1mmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、中央部53の深さDp1を測定した。
ここで、図14に示す底部型74において、凹部80は、全体として、略半球形状を有している。このため、図15に示すプラスチックボトル10Bにおいて、凸部58は、全体として略半球形状を有している。
また、図14に示す底部型74において、傾斜面82と第2側面77との間に、第2湾曲面83が設けられている。この第2湾曲面83は、プラスチックボトル10Bの後述する第2湾曲面62aに対応する部分である。
図15に示すように、プラスチックボトル10Bにおいて、傾斜面61aと第2壁面56aとの間に、第2湾曲面62aが設けられている。第2湾曲面62aは、半径方向外方から半径方向内方に向かうにつれて、下方(接地部52側)から上方(胴部30側)に向けて上昇している。また、底部50の垂直断面(中心軸線CLを通る断面)において、湾曲面60aは、半径方向外方から半径方向内方に向かうにつれて、徐々に、接地部52の後述する接地面52aに対する角度が大きくなるように湾曲している。
以上の結果を表1乃至表4に示す。表3の「総合評価」の欄において、「◎」は、ブロー用エアの吹き込み時間が0.7秒であっても、プラスチックボトル10の底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)が生じておらず、かつ中央部53の深さDp1/底深さDp2が20%以上であったことを意味する。また、表3の「総合評価」の欄において、「○」は、プラスチックボトル10の底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)が生じていなかったことを意味する。さらに、表3の「総合評価」の欄において、「×」は、ブロー用エアの吹き込み時間が0.7秒であった場合に、プラスチックボトル10の底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)が生じていたことを意味する。
Figure 0007278465000002
Figure 0007278465000003
Figure 0007278465000004
Figure 0007278465000005
この結果、比較例によるプラスチックボトル10Bでは、ブロー用エアの吹き込み時間が0.7秒であった場合に、プラスチックボトル10の底部50が反転して外方へ飛び出す現象(バックリング)が生じていた。
これに対して、実施例1乃至実施例3によるプラスチックボトル10では、バックリングが発生しなかった。とりわけ、実施例1及び実施例2によるプラスチックボトル10では、ブロー用エアの吹き込み時間が0.7秒であっても、中央部53の深さDp1/底深さDp2が20%以上であった。このように、本実施の形態によるプラスチックボトル10では、底部50の不良現象を抑制できることがわかった。
上記各実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 プラスチックボトル
20 口部
30 胴部
50 底部
51 周縁部
52 接地部
52a 接地面
53 中央部
57a 底面
58 凸部
59 リブ
70 ブロー成形型
72 胴部型
73 胴部型
74 底部型
78 天面
79 リブ
80 凹部
100 プリフォーム

Claims (5)

  1. 口部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルであって、
    前記底部は、
    前記底部の周縁に位置する周縁部と、
    前記周縁部よりも径方向内方に位置する接地部と、
    前記接地部よりも径方向内方に位置する中央部とを有し、
    前記中央部の底面に、下方へ突出する凸部が形成されており、
    前記凸部は、環状に形成されており、
    前記凸部の外径は、10mm以上22mm以下であり、
    前記凸部の高さは、1mm以上5mm以下であり、
    前記凸部の幅は、3mm以上8mm以下であり、
    前記底面の外径は、前記胴部の最大径の15%以上50%以下、かつ、18mm以上40mm以下であり、
    前記中央部の深さは、1mm以上25mm以下である、プラスチックボトル。
  2. 前記中央部に、径方向に延びる複数のリブが形成されている、請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 口部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルをブロー成形するためのブロー成形型であって、
    前記プラスチックボトルの前記胴部に対応する胴部型と、
    前記プラスチックボトルの前記底部に対応する底部型とを備え、
    前記底部型の天面に、下方へ窪む凹部が形成されており、
    前記凹部は、環状に形成されており、
    前記凹部の外径は、10mm以上22mm以下であり、
    前記凹部の深さは、1mm以上5mm以下であり、
    前記凹部の幅は、3mm以上8mm以下であり、
    前記天面の外径は、前記プラスチックボトルの前記胴部の最大径の15%以上50%以下、かつ、18mm以上40mm以下であり、
    前記プラスチックボトルの前記底部は、
    前記底部の周縁に位置する周縁部と、
    前記周縁部よりも径方向内方に位置する接地部と、
    前記接地部よりも径方向内方に位置する中央部とを有し、
    前記中央部の深さは、1mm以上25mm以下である、ブロー成形型。
  4. 前記底部型に、径方向に延びる複数のリブが形成されている、請求項に記載のブロー成形型。
  5. プラスチックボトルの製造方法であって、
    プリフォームを準備する工程と、
    請求項3又は4に記載のブロー成形型を準備する工程と、
    前記プリフォームを前記ブロー成形型内でブロー成形する工程とを備える、プラスチックボトルの製造方法。
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