JP2005112361A - 耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル - Google Patents

耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル Download PDF

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憲明 潮
Tomonori Sato
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Abstract

【課題】2段ブロー成形法による軽量底部の特徴を生かしながら、微加圧状態でのボトル底接地部の膨れ、上げ底部の異常変形を防ぐことができるプラスチックボトルを提供することを課題とする
【解決手段】上げ底部と前記上げ底部の周囲に環状接地部を備えた耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルにおいて、前記上げ底部の投影面積当たりの質量が、0.04〜0.1g/cm2であり、かつ、前記上げ底部の天面部より下方に離間した位置から前記環状接地部の内周に至る領域に、ボトルの内方に窪む複数の凹部とボトルの外方に突出する複数の凸部を放射状に交互に設け、前記複数の凹部の面積を、前記複数の凸部の面積より小さく形成したことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラスチックボトルの上げ底部と上げ底部の周囲に設けた環状接地部が高温・微圧により変形し難い耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルに関するものである。
ブロー成形プラスチックボトルにおいて、ボトル底を補強するために上げ底部に凹凸状のリブを設ける技術は公知である(特許文献1〜特許文献6参照)。
特開昭54−16283号公報 特開昭55−134045号公報 特開平7−64348号公報 特開平7−112730号公報 特開2000−79927号公報 特開2003−155015号公報
特許文献1〜6に記載の発明は、いずれも2段ブロー成形法によりプラスチックボトルを得るものではなく、1段ブロー成形法により得た上げ底部質量が3〜4g(500mlボトル)のボトルの上げ底部の形状に関するものであり、上げ底部質量が約1g程度(同上)の軽量底部を有する2段ブロー成形ボトルの上げ底部の形状を示唆するものではない。また、ブロー成形ボトルにおいて、ボトル底接地部の肉厚を確保しつつ、上げ底部を薄肉とする底形状も示されていない。
一方、2段ブロー成形法により底部が軽量化されたプラスチックボトルを得る技術も公知である(特許文献7及び特許文献8参照)。
特開平8−39656号公報 特開2003−103607号公報
特許文献7には、「射出もしくは押出成形されたプリフォームを一次ブロー成形して成形された中間容器を熱収縮させた後、二次ブロー成形して形成される、耐熱容器において、底部に上げ底部を備え、前記上げ底部は、その中心部から周囲の環状接地部へ延びる領域を他の上げ底部の領域よりも延伸させた複数の物性的な耐熱補強部を備えることを特徴とする耐熱容器。」(請求項5)の発明が記載され、また、「放射状にのびる熱安定性の高い複数の高延伸部28が上げ底部24の物性的な補強リブとして機能することとなるため、高温の内容物を充填した場合にも高延伸部28の熱安定性により、内容物の温度によって上げ底部24が変形を防止し、しかも内容物の重量に対しても高延伸部28によって上げ底部24が放射状に補強された状態となっているため上げ底部24の変形は防止されることとなる。その結果、従来の耐熱容器に比し、高温の内容物を充填した後においても上げ底部24の頂部の高さが低くなるようなことはなく、品質を向上させることができる。」(段落[0034])、「上げ底部52に中間容器40の外方に突出するリブ56を形成することにより、リブ56の両側部60から谷部62にかけて十分延伸されることとなり、後の熱処理時にこの延伸部分が十分に延伸されていることから熱安定性が高められることとなり、耐熱性が向上することとなる。また、このリブ56によって上げ底部52に放射状の延伸部分が形成されることとなり、この放射状の延伸部が最終容器として成形された際に放射状の物性的なリブとして働くこととなる。」(段落[0038])と記載されている。
しかし、「放射状にのびる熱安定性の高い複数の高延伸部28」は、中間容器においては、「中間容器40の外方に突出するリブ56」であるが、最終容器においては、延伸されて「物性的な補強リブ」となるものであり、図3からみても凸状のリブとはいえず、この「物性的な補強リブ」を形成するために、特殊な中間容器を成形しなければならないという問題がある。
また、「図7及び図8に示す中間容器を二次ブロー成形して最終容器を成形する場合に、最終容器成形金型により最終容器の上げ底部に中心部から周囲の環状接地部に伸びる放射状のリブや同心円上(「上」は「状」の誤記)で順次内方に窪む複数の環状の機械的補強部を形成することも可能である。」(段落[0052])という記載もあるが、これらのリブは、前記「物性的な補強リブ」に加えて補完的に形成されるものであり、しかも、具体的に示されているのは、「同心円状で順次容器の内方に窪む複数の環状の機械的補強部」(請求項5、段落[0042]、図9及び図10)のみであり、「最終容器の上げ底部に中心部から周囲の環状接地部に伸びる放射状のリブ」がどのような形状であるのかは示されていない。
特許文献8には、「ポリエステル樹脂製の有底筒状のプリフォームをブロー成形してなる耐熱性ボトルであって、その底部の結晶化度が10〜45%であることを特徴とする耐熱性ボトルの底部構造。」(請求項1)の発明が記載され、また、「この耐熱性ボトル10では、2段ブロー成形の際の1次ブロー成形の段階で底部15まで十分に延伸して底部15の質量を小さくできるようにするとともに、プリフォーム20の形状によってヒール部18の肉厚を確保できるようにし、最終製品としての耐熱性ボトル10では、ヒール部18の質量が底部15の質量より大きくなり、これにより必要な強度を確保できるようにしている。」(段落[0037])、「耐熱性ボトルの全質量に対する底部の質量がこれまでの11.07%に比較して3.47〜4.19%と大巾に小さくなっており、しかも従来の耐熱性ボトルでは、底部に比べてヒール部の質量が小さくなっていたものが、この耐熱性ボトル10では軽量化を図り全体の質量は小さくなっていてもヒール部18の質量自体は同程度ないしそれ以上確保し、しかも底部15より大きくなっていることが分かる。」(段落[0039])と記載され、表2には、従来の耐熱性ボトルの底部の質量が3.64gであるのに対して、この発明の耐熱性ボトルの底部の質量は1g程度であることが示されているが、リブにより上げ底部を補強することは示されていない。
前記のように、2段ブロー成形法によりプラスチックボトルの軽量底部の成形が可能になり、この軽量底部は、例えば約93℃の高温液充填時に熱収縮による異常変形を起こさず、高温下で充填液の自重による上げ底部異常低下を起こさないという特徴を有するものである。
しかし、内容液の充填設備によっては、充填バルブを開口するためのエア圧力が必要な設備(炭酸液充填と高温液充填の兼用の場合に多い)があり、高温液充填の際、バルブ開口時にその開口するためのエア微圧(約0.01MPa)がボトルにも加わる場合がある。そのため、ボトル底接地部が膨らみ異常変形を起こしボトル接地性が悪く(傾く)なったり、高温下での充填液自重に加え、微圧が加わることにより、ボトル上げ底部が異常低下し、最悪の場合には、反転して突出(バックリング)するという問題があった。
このような問題は、特許文献7に記載されているような「同心円状で順次容器の内方に窪む複数の環状の機械的補強部」を設けても解決できなかった。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、2段ブロー成形法による軽量底部の特徴を生かしながら、微加圧状態でのボトル底接地部の膨れ、上げ底部の異常変形を防ぐことができるプラスチックボトルを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ボトル底接地部の肉厚を確保しつつ、上げ底部は薄肉となる底形状を開発することにより、前記課題を解決したものである。
本発明は、前記課題を解決するために次のような手段をとるものである。
(1)上げ底部と前記上げ底部の周囲に環状接地部を備えた耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルにおいて、前記上げ底部の投影面積当たりの質量が、0.04〜0.1g/cm2であり、かつ、前記上げ底部の天面部より下方に離間した位置から前記環状接地部の内周に至る領域に、ボトルの内方に窪む複数の凹部とボトルの外方に突出する複数の凸部を放射状に交互に設け、前記複数の凹部の面積を、前記複数の凸部の面積より小さく形成したことを特徴とする耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(2)前記複数の凹部及び凸部の面積を以下のような関係にしたことを特徴とする前記(1)に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
15%≦凹部投影面積/(凹部投影面積+凸部投影面積)×100%≦35%
(3)前記複数の凹部を前記上げ底部高さの40〜80%の高さの位置より開始したことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(4)前記複数の凸部を前記複数の凹部より前記上げ底部高さの10〜30%低く形成したことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(5)前記複数の凸部の水平面に対する傾斜角を10〜20゜としたことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(6)前記複数の凹部及び凸部を、前記上げ底部の天面部近傍で段差が最も大きく、幅が最も狭くなり、前記環状接地部の内周に近づくに従って段差が徐々に小さく、幅が徐々に広くなる形状としたことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(7)前記凹部及び凸部を、それぞれ4〜10個ずつ設けたことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(8)前記環状接地部の肉厚を平均で0.25〜0.40mmとしたことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(9)前記環状接地部の幅を5mm以下としたことを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(10)2段ブロー成形法により成形したことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(11)前記複数の凹部及び凸部を2次ブロー成形により成形したものであることを特徴とする前記(10)に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
(12)プラスチックとしてポリエチレンテレフタレートを用い、前記上げ底部及び環状接地部の結晶化度を25〜50%としたことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか一に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルである。
本発明においては、耐熱性(約85〜93℃)及び微耐圧性(約0.005〜0.02MPa)の軽量底部(500mlボトル上げ底部で約1g)を有するプラスチックボトルを提供できるという格別の効果を奏する。
以下、図面に基づいて本発明を実施するための形態を説明する。
図1に示すように、本発明のプラスチックボトル1は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて、二軸延伸ブロー成形により、成形されたもので、上端側の開口部を含む口部2と、この口部2から下方につながる肩部3と、下端側の底部6と、この底部6から上方につながるヒール部5と、このヒール部5と肩部3との間に形成された胴部4とが一体に成形されたものとなっている。
底部6は、周囲の環状接地部7と、この環状接地部7に囲まれた中央部分の上げ底部8とから構成され、周囲の環状接地部7により自立性をもたせるようにしている。
上げ底部8は、環状接地部7から連なって中心部が容器内方に突出する状態となっており、その中心部には、天面部(ブロー成形時のセンタリング凹部)9が形成されている。
図2及び図3に示すように、上げ底部8の天面部9より下方に離間した位置から環状接地部7の内周に至る領域に、ボトルの内方に窪む複数の凹部10とボトルの外方に突出する複数の凸部11を放射状に交互に設け、複数の凹部10の面積を、複数の凸部11の面積より小さく形成する。すなわち、上げ底部8を、天面部9の周囲の凹凸のない傾斜の急な上部傾斜面12とそれに続く凹凸のある傾斜の緩い下部傾斜面13からなる富士山形状にすると共に、複数の凹部10の面積を小さくすることにより、熱変形を起こす接地部7へ樹脂まわりを良くして肉厚を確保するものである。
2段ブロー成形により製造されたプラスチックボトルの上げ底部の質量は、通常、耐熱500mlボトルで0.72〜1.81gであり、この場合の上げ底部の投影面積は18.1cm2(直径48mm)であるから、上げ底部の投影面積当たりの質量は0.04〜0.1g/cm2となる。
前記複数の凹部及び凸部の面積は以下のような関係にすることが好ましい。
15%≦凹部投影面積/(凹部投影面積+凸部投影面積)×100%≦35%
凹部10の投影面積が15%より小さいと補強のリブが細くなり十分な強度を確保することが出来ない。逆に35%より大きいと2次ブロー成形時に凹部(底金型で凸部)と1次成形ボトルとの接触面積が大きくなり環状接地部に肉がまわらなくなって、肉厚を確保し難くなり、強度、耐熱性(約85〜93℃)及び微耐圧性(約0.005〜0.02MPa)を達成できない場合がある。
なお、ここで凹部の投影面積は、天面部より下方の凹部の開始位置と環状接地部7の内周との間のドーナツ状の部分における凹部(溝部)の底面部の投影面積の合計であり、凸部の投影面積は、ドーナツ状の部分の上記凹部以外、すなわち、凸部の頂面部とその周囲の傾斜部分の投影面積の合計である。
図3に示すように、放射状に設けられた凹部10及び凸部11は、上げ底部8の天面部9の近傍から環状接地部7の内周に至るものであるが、天面部9より下方に一定程度離れた位置から形成する。したがって、天面部9の周囲には凹凸のない傾斜の急な上部傾斜面12が存在する。なお、図例では上部傾斜面は単一の傾斜面となっているが、周状の段部があっても構わない。
凹部10は、上げ底部高さ(t)の40〜80%の高さ(t1)の位置より開始することが好ましい。t1は、tの40〜60%とすることがより好ましい。t1がtの80%より大きいと、2次ブロー成形時に環状接地部に肉がまわらないため、環状接地部7の肉厚を確保し難くなる。逆にt1がtの40%より小さいと、上げ底部8の補強が十分にできず、耐熱性(約85〜93℃)及び微耐圧性(約0.005〜0.02MPa)を達成できない場合がある。
図3に示すように、凸部11は、上部傾斜面12と傾斜角θの直線との交点より開始する。
凸部11は、凹部10より上げ底部高さ(t)の10〜30%低く形成する(凸部11の開始位置までの高さt2をt1−t2=10%〜30%tの関係となるようにする)ことが好ましい。t1−t2がtの10%未満では、上げ底部の補強が十分にできず、t1−t2がtの30%を超えると、凹凸が大きくなるため、2次ブロー成形時の2次加工量が大きくなって、耐熱性が低下する場合があり、また、成形後の離型性にも不利になる。
図3に示す凸部11の水平面に対する傾斜角θは10〜20゜とすることが好ましい。10゜より小さいと高温充填時に加わる自重と微圧が加わった際の膨らみに対しての耐性が少なく、外側に膨らむ場合がある。逆に20゜より大きいと環状接地部での賦形性が悪くなり、肉がまわらないため、環状接地部の肉厚を確保し難くなる。また、凸部11の傾斜角が大きくなると、凹部10の傾斜角(凹部10の水平面に対する傾斜角は、凸部11の水平面に対する傾斜角θよりも大きい。)も大きくなって、2次ブロー成形時に環状接地部に肉がまわらないため、環状接地部の肉厚を確保し難くなり、強度、耐熱性及び微耐圧性を達成できない場合がある。
凹部10及び凸部11の形状は、上げ底部8の天面部9近傍で段差が最も大きく、幅が最も狭くなり、環状接地部7の内周に近づくに従って段差が徐々に小さく、幅が徐々に広くなる形状とすることができる。
凹部10及び凸部11の数は限定されるものではないが、それぞれ4〜10個設けることができる。10個(凹部5個、凸部5個)、12個(凹部6個、凸部6個)、16個(凹部8個、凸部8個)が安定性の面からみて好ましい。
環状接地部7の肉厚は平均で0.25〜0.40mmとすることが好ましく、0.27〜0.38mmとすることがより好ましい。
図4に示すように、本発明の凹部及び凸部を設けた2段ブロー成形ボトル(C:表1参照)は、接地部肉厚が0.27〜0.38mmで充填直後ネックリング下ハイト変化量が小さく、凹部及び凸部を設けていない従来の2段ブロー成形ボトル(従来)に比較して、接地部肉厚が薄くなった場合でも、高温液充填時、ボトル内に微圧(約0.01MPa)が加わったときに、変形し難いことがわかる。
環状接地部の肉厚が平均で0.25mmより薄いと耐熱性及び微耐圧性を達成できない場合がある。平均で0.40mmより厚くしても耐熱・耐圧性は飽和する。
環状接地部7の幅は5mm以下とすることが好ましい。この幅の場所は、図3の環状接地部7においてヒール部のRの端点と底金型の傾斜が始まる端点とを結ぶ直線の範囲(この幅はヒール部のRの端点から底金型の傾斜が始まる形状の場合に0)である。
この幅が5mmを超えると、直線部分が外側に膨らみ易くなり耐熱性及び耐圧性を達成できない場合がある。
本発明のプラスチックボトル1は、2段ブロー成形法によって成形されることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形することで得られる有底筒状のプリフォームを加熱昇温した後、1次ブロー金型内にセットして2軸延伸ブロー成形することで、最終製品に比べて大きく延伸した中間成形品(1次ブローボトル)を成形し、これを取り出してヒートセット(熱結晶化)して加熱収縮させた中間体を得たのち、2次ブロー金型内にセットし、2次ブロー成形することで所望の大きさ・形状の最終製品(2次ブローボトル)のプラスチックボトル1に成形する。
本発明においては、2次ブロー金型(底金型)に、プラスチックボトル1の凹部10に対応する凸部及びプラスチックボトル1の凸部11に対応する凹部を設けて成形する。
2段ブロー成形法で最終製品のプラスチックボトル1の環状接地部7の肉厚を確保するには、2次ブロー金型内で1次ブローボトルを2次ブロー金型に近づけた形状で2次成形し延伸距離を短くすることによって樹脂が薄く延ばされるのを抑えることが好ましい。しかし、1次ブローボトルを2次ブロー金型へ近づけ過ぎると1次ブローボトルと2次ブロー底金型の凹凸部との接触抵抗(接触面積)が大きくなるために、上げ底部8の重量が重くなり、環状接地部7にほしい樹脂をとられてしまい、環状接地部7への肉まわりが悪くなることによって、耐熱性、耐圧性等の強度が不足してしまう。したがって、2次ブロー底金型は、2次ブロー成型時に、1次ブローボトルと2次ブロー底金型の凹凸部が環状接地部近傍では接触し難い形状が好ましく、肉厚を確保し、かつ、強度も確保したバランスの良好な形状となるような条件を設定する。
底部(上げ底部8及び環状接地部7)の結晶化度は25〜50%とすることが好ましい。
1段ブロー成形法では底部は延伸による結晶化を行うことが難しく結晶化度は10〜15%程度であるが、2段ブロー成形法により底部の延伸を十分に行うと共に熱による結晶化を組み合わせることにより結晶化度を25〜50%とすることができる。
25%未満だと、底部強度が弱く、耐熱性、耐圧性が不足する。50%を超えるものは成形が困難である。
2段ブロー成形ボトル(500ml丸型)の底形状を変更した(種々の凹部及び凸部を設けた)A、B、C、D、E、凹部及び凸部を設けていない従来の2段ブロー成形ボトルについて、縦圧縮強度、耐熱性(微加圧状態)の試験を実施した。
(成形条件)
条件(1) 金型温度 1次ブロー:140℃、2次ブロー:140℃
条件(2) 条件(1)において環状接地部肉厚を薄くする条件(2段ブロー成形時のボ
トル加熱条件を変更)
(充填条件)
88℃熱水充填→加圧(0.005MPa、0.01MPa)→1分横倒し→4分正立 →77℃シャワー・5分→冷却
底形状変更試験に採用した形状を表1に、底形状変更試験結果を表2に示す。
表1及び表2からみて、C、Dは、凹部の投影面積が15〜35%の範囲内、t1がtの40〜80%の範囲内、t1−t2がtの10〜30%の範囲内にあるから、特に耐熱性に優れていることがわかる。A、Bも従来品と比較すれば耐熱性は良くなっており、Eは従来品と同程度である。
Aは、凹部の投影面積が15〜35%の範囲内、t1がtの40〜80%の範囲内にあるが、t1−t2がtの30%を超え、凹凸が大きくなるため、2次ブロー成形時の延伸距離が長くなり、C、Dに比べて耐熱性がやや低下する。
Bは、凹部の投影面積が35%を超えているため、上げ底部重量が大きく、相対的に接地部に肉がまわり難くなっており、また、t1がtの40〜80%の範囲内にあるが、t1−t2がtの30%を超え、凹凸が大きくなるため、2次ブロー成形時の延伸距離が長くなり、Cに比べて耐熱性がやや低下する。
Eは、t1がtの40%未満、t1−t2もtの10%未満であり、上げ底部の補強が十分でないために、条件(2)のように環状接地部肉厚を薄くした場合には、耐熱性が悪くなる。
本発明のプラスチックボトルの正面図である。 本発明のプラスチックボトルの底部を下から見た図である。 本発明のプラスチックボトルの底部の断面図(図2のAA断面)である。 本発明のプラスチックボトルと従来のプラスチックボトルの接地部肉厚と充填直後ネックリング下ハイト変化量の関係を示す図である。
符号の説明
1 プラスチックボトル
2 口部
3 肩部
4 胴部
5 ヒール部
6 底部
7 環状接地部
8 上げ底部
9 天面部
10 凹部
11 凸部
12 上部傾斜面
13 下部傾斜面

Claims (12)

  1. 上げ底部と前記上げ底部の周囲に環状接地部を備えた耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルにおいて、前記上げ底部の投影面積当たりの質量が、0.04〜0.1g/cm2であり、かつ、前記上げ底部の天面部より下方に離間した位置から前記環状接地部の内周に至る領域に、前記ボトルの内方に窪む複数の凹部と前記ボトルの外方に突出する複数の凸部を放射状に交互に設け、前記複数の凹部の面積を、前記複数の凸部の面積より小さく形成したことを特徴とする耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  2. 前記複数の凹部及び凸部の面積を以下のような関係にしたことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
    15%≦凹部投影面積/(凹部投影面積+凸部投影面積)×100%≦35%
  3. 前記複数の凹部を前記上げ底部高さの40〜80%の高さの位置より開始したことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  4. 前記複数の凸部を前記複数の凹部より前記上げ底部高さの10〜30%低く形成したことを特徴とする請求項1〜3に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  5. 前記複数の凸部の水平面に対する傾斜角を10〜20゜としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  6. 前記複数の凹部及び凸部を、前記上げ底部の天面部近傍で段差が最も大きく、幅が最も狭くなり、前記環状接地部の内周に近づくに従って段差が徐々に小さく、幅が徐々に広くなる形状としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  7. 前記凹部及び凸部を、それぞれ4〜10個ずつ設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  8. 前記環状接地部の肉厚を平均で0.25〜0.40mmとしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  9. 前記環状接地部の幅を5mm以下としたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  10. 2段ブロー成形法により成形したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  11. 前記複数の凹部及び凸部を2次ブロー成形により成形したことを特徴とする請求項10に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
  12. プラスチックとしてポリエチレンテレフタレートを用い、前記上げ底部及び環状接地部の結晶化度を25〜50%としたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトル。
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