JP2019094128A - プラスチックボトル - Google Patents

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哲也 小澤
Tetsuya Ozawa
哲也 小澤
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Abstract

【課題】高い耐圧性を有し、かつ、ガラス瓶のような底部を備えるプラスチックボトルを提供する。【解決手段】環状の胴部、及び、底部、を有する耐圧性プラスチックボトルであって、前記底部は環状の底接地部、該底接地部と前記胴部とを結ぶ環状の外壁面、及び、該底接地部と前記底部の中心とを結ぶ内壁面を備え、前記底接地部において前記外壁面および前記内壁面が接続してボトル下方向に凸である凸部を形成し、前記凸部の内壁角度が40度以上70度以下であり、前記胴部の直径に対する前記底接地部の直径の比率が0.5以上0.8以下であり、前記胴部の厚みに対する前記底接地部の厚みの比率が1.6以上4.5以下であり、前記底接地部の半径に対する前記底部の高さの比率が0.35以上である。【選択図】図1

Description

本願は耐圧性プラスチックボトルに関する。
近年、飲料等を充填するプラスチックボトルには、軽量化と耐圧性とが強く求められている。
例えば、炭酸飲料等の自生圧力を有する内容物を充填する場合、炭酸ガスによる容器の内圧増加に耐えるため、花弁状に外方へ突出した脚部を半球状の底部に有するペタロイド形状を備えた耐圧性プラスチックボトルを適用することが主流となっている。そのため、現在では、ペタロイド形状の底部を有するプラスチックボトルには炭酸飲料が充填されているというイメージを抱かせるまでになった。
ペタロイド形状を有するプラスチックボトルは、例えば特許文献1に記載されている。
一方で、アルコール飲料や調味料を充填するプラスチックボトルにも耐圧性が求められている。
例えば、アルコール飲料や調味料を充填する際に、50℃以上の高温で液体を充填することがあり、放冷後にプラスチックボトルの内部が減圧されるため、プラスチックボトルの胴部等に凹みが生じないように、高温液体の充填とともに液体窒素や窒素ガス等を注入し、内部圧力を高めておく方法が取られている。そのため、上記用途においても高い内部圧力に耐えうる、耐圧性プラスチックボトルが望まれている。
特開2010−241477号公報 特開昭55−163137号公報 特開昭54−16283号公報 特許6143213号公報 特開平1−99949号公報
一般的には、耐圧性プラスチックボトルの底部形状には、ペタロイド形状が多用されている。
しかしながら、アルコール飲料、中でもワインや日本酒等では、長年ガラス瓶が多用されてきたためガラス瓶によるブランドイメージや、高級感、高品質感が消費者に浸透しており、プラスチックボトルを使用した場合においてもガラス瓶と同様な形状・美観性が求められていた。
そのため、アルコール飲料等の用途の耐圧性プラスチックボトルには、明らかに脚部が見てとれるペタロイド形状を用いることは適さず、ガラス瓶の外観の特徴の一つである丸みを帯びた底部と円状に接地する丸底を備える必要があった。
このような形状を備えたプラスチックボトルは、例えば次の文献に記載されている。
特許文献2には、胴径に対する接地径の比である縮径比率(接地径/胴径)が0.4〜0.95である丸底のプラスチックボトルが開示されており、これにより容器内部が陽圧になっても、底部のバックリング(凹凸反転)が起きず、接地部が変形せず正立できることが記載されている。
特許文献3には、底中央部(中央凹入部)と、丸底(凸出したかかと部分の最低点が共通の平面内に位置して連続した支持環)と、底中央部(中央凹入部)から接地部(凸出したかかと部)に向かって放射状に延びる複数のリブからなるプラスチックボトルが開示されており、これにより内部圧力による底中央部の反転、内壁部の外方せり出し・彎曲を防止できることが記載されている。
特許文献4には、接地部の凸部内壁面側の曲率半径1.0mm以上3.0mm以下、内壁角度20度以上70度以下、接地部の厚み0.35mm超0.80mm以下とする丸底のプラスチックボトルが開示されており、これにより内圧による底部変形が起き難い耐圧性が付与されることが記載されている。
特許文献5には、容器内部側に突出する側断面略逆U字形の複数のリブが、底中央部(凹陥部)から放射状に接地部(接面部)を通り外壁部(側壁端部)まで通っている丸底のプラスチックボトルが開示されており、これにより底部の面剛性を高められることが記載されている。
しかしながら、特許文献2〜5に記載のプラスチックボトルはさらに耐圧性を高める余地があった。例えば、特許文献3には、底中心(凹入部分)から接地部(側壁の端部)に向かってボトル(壁)の厚みを半分程度まで漸次減少させ、接地部の内壁側(曲線JEF、曲線J’EFの近傍)で厚みを薄くするため、同文献3のプラスチックボトルでは、軽量薄肉化を進めると耐圧が不十分となり、接地部および接地部の内壁側が膨らみ、正立することはできない。
また、特許文献5では、ボトルの外側からリブが見えてしまい、ワインや日本酒等のガラス瓶の底部の外観と異なりイメージにそぐわない。
そこで、本願ではペタロイド形状のような脚部を設けずとも高い耐圧性を有し、かつ、ガラス瓶のような底部を備えるプラスチックボトルを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、プラスチックボトルを所定の形状とすることにより、耐圧性を高められることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するための本発明の1つの態様は、
環状の胴部、及び、底部、を有する耐圧性プラスチックボトルであって、前記底部は環状の底接地部、該底接地部と前記胴部とを結ぶ環状の外壁面、及び、該底接地部と前記底部の中心とを結ぶ内壁面を備え、前記外壁面は前記胴部から前記底接地部に向けて下方に縮径し、前記内壁面は前記底部の中心から前記底接地部に向けて下方に拡径し、前記底接地部において前記外壁面および前記内壁面が接続してボトル下方向に凸である凸部を形成し、前記凸部の内壁角度が40度以上70度以下であり、前記胴部の直径に対する前記底接地部の直径の比率が0.5以上0.8以下であり、前記胴部の厚みに対する前記底接地部の厚みの比率が1.6以上4.5以下であり、前記底接地部の半径に対する前記底部の高さの比率が0.35以上である、耐圧性プラスチックボトルである。
ここで、「胴部」とは、ボトル胴部に強度付与のためのリブやパネルが付与された形状を含む意味である。「環状」とは、プラスチックボトルの中心軸に直交する断面が閉じた周形状であることを意味し、例えば円形状、楕円形状、略多角形状等の形状を含む。
「底接地部」とは、プラスチックボトルの底部を下にして水平面上に設置した状態において、プラスチックボトルと該水平面とが接する箇所をいい、環状の部位である。
「底部の中心」とは、プラスチックボトルの中心軸と底部との交点をいう。
「ボトル下方向」とは、プラスチックボトルの底部を下にして水平面上に設置した状態における、鉛直下方向をいう。なお、ボトル上方向はその逆方向をいう。また、「縮径方向」とは、ボトル胴部からボトルの中心軸に水平に向かう方向をいい、拡径方向とは、ボトルの中心軸からボトル胴部に水平に向かう方向をいう。
「外壁面」は、胴部から底接地部に向けて下方に縮径する環状の部位である。
「内壁面」は、底部の中心から底接地部に向けて下方に拡径する部位である。
なお、本明細書において、ボトル外側の面(外気と接する面)を外面、ボトル内側の面(飲料等の内容物と接する面)を「内面」という。
図3に示すように、底接地部(51)は、縮径方向端部(532)と拡径方向端部(522)を有して水平面Pと接地しており、縮径方向端部(532)、拡径方向端部(522)の中心位置を接地点とする。なお、底接地部(51)を微視的に見れば、縮径方向端部(532)と拡径方向端部(522)を備えた所定の面において、水平面Pと接していると言えるが、目視した場合、縮径方向端部(532)と拡径方向端部(522)とが一致しており、図2において、凸部57と水平面Pとが点接触しているように見える場合がある。本発明は、このような点接触しているように見える形態をも含む。
「内壁角度」とは、凸部(57)を構成する所定の内壁面(53)と水平面(P)とが形成する角度をいい、後に説明する内壁角度αおよび内壁角度α´を含む意味である。
「胴部の直径」とは、プラスチックボトルの中心軸に直交する胴部の断面形状が円形である場合は直径である。胴部の断面形状が楕円形である場合は長径、略多角形である場合は最長の対角線長さである。
「底接地部の半径」とは、図2に示すように、プラスチックボトルの底部(50)を下にして水平面(P)上に配置した状態において、プラスチックボトルの中心軸(X)と水平面(P)との交点(P1)から、底接地部における接地点までの距離(r)をいう。
「底接地部の直径」とは、底接地部の半径の2倍の長さである。
「胴部の厚み」とは、胴部のボトル上下方向の長さを3等分し、上から3分の2の高さ位置おいて、周方向90度毎4点の肉厚の平均値をいう。なお、底接地部の厚み、胴部の厚みを含む、上記プラスチックボトルの厚みは磁気式厚さ計(OLYMPUS社製MAGNA−MIKE)や、断面のノギス測定等で測定することが出来る。
また、前記プラスチックボトルは、プラスチックボトルの中心軸を通る縦断面において、前記内壁面に少なくとも1つの変曲点を有することが好ましく、また、前記底部の中心から前記底接地部に向かって延びる放射状のリブを少なくとも1つ備えることが好ましい。
ここで「放射状のリブ」とは、図7に示したように、底部に凹凸形状を設けた場合に、ボトル下方向に凸となる部位に含まれる凸面53aと、該凸となる部位に対して凹となる部位に含まれる凹面53bと、を接続する部位(53c)であり、プラスチックボトルの底部の耐圧性を向上させるための部位である。「放射状」とは、底部の中心から底接地部に向かって延びることを意味する。また、「前記底部の中心から前記底接地部に向かって延びる」とは、底部の中心から底接地部に向かう方向に延びることを意味し、例えば、底部の中心と底接地部との間において、底部の中心から底接地部に向かう方向に延びる形態、底部の中心から底部の中心と底接地部との間まで延びる形態、底部の中心から底接地部まで延びる形態、底部の中心から底接地部を超えて外壁面の一部若しくは全部まで延びる形態を含む。
さらに、前記プラスチックボトルはガスバリア性薄膜を有することが好ましく、また、前記プラスチックボトルの容積が720ml以上であることが好ましい。
本発明のプラスチックボトルによれば、ガラス瓶のように丸底の底部形状を備えつつ、高い耐圧性を実現することができる。よって、アルコール飲料等の容器にガラス瓶に代えて、本発明のプラスチックボトルを採用したとしても、ガラス瓶の持つ高級感や高品質感というブランドイメージを損なうことが無い。また、本発明のプラスチックボトルは、プラスチックを材料としているため、ガラス瓶よりも軽量で取り扱いが容易であり、プラスチック使用量を低減したボトル軽量化にも適応可能な耐圧性ボトルを提供できる。
更には、原料成分が特殊な又は強度向上のための樹脂でなくとも、汎用のポリエチレンテレフタレートで高い耐圧性が得られ、またボトル成形に熱固定工程や長い冷却時間を設けない汎用のブロー成形条件であっても高い耐圧性が得られるので、安価かつ生産効率よく製造できる。
水平面上に配置した、本発明の一実施形態のプラスチックボトル100全体を示す正面図である。 図1のプラスチックボトル100の中心軸を含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大断面図である。 底接地部における凸部の内壁角度αおよび外壁角度βを算出する方法を説明した図である。 内壁面側および外壁面側の曲率半径を説明する図である。 端点534と点536との間に変曲点がある場合の底接地部における凸部の内壁角度αおよび内壁角度α´を算出する方法を説明した図である。 底部50の内壁面53に変曲点Q3、Q4を有する形態を説明する図である。上側の図は、図2と同様の拡大断面図であり、下側の図は、ボトルの底面図である。なお、上側図と下側図とで対応する箇所を破線で結んでいる。 底部50がリブ53cを備える形態を説明する図であり、(a)プラスチックボトル100の中心軸Xを含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大断面図、(b)プラスチックボトル100の底面図である。(c)(b)の破線Cにおける内壁面53の部分断面図である。 底部50が変曲点Qとリブ53cとを備える形態を説明する図であり、(a)プラスチックボトル100の中心軸Xを含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大断面図、(b)プラスチックボトル100の底面図である。(c)底部50の斜視図に陰影を付した図である。(d)変曲点QがV字型形状であるプラスチックボトル100の底面図である。 底飛び出しおよび直立傾きを説明するための図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は該実施形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図は構成を概略的に示したものであり、各構成要素の大きさや形状を正確に示すものではない。
<プラスチックボトル100>
図1は、本発明の一実施形態に係るプラスチックボトル100の全体を示す正面図である。図1に示したプラスチックボトル100は、開口部10、首部20、肩部30、胴部40、及び底部50から構成されている。また、図1にはプラスチックボトル100の中心軸X、及び、水平面Pを記載した。中心軸Xとは、胴部40の断面図の中心を通る鉛直方向の軸をいう。
また、ボトル下方向とは、プラスチックボトルの底部を下にして水平面上に設置した状態における、鉛直下方向をいい、図1における紙面下方向をいう。ボトル上方向とは、その逆方向をいう。
また、縮径方向とは、ボトル胴部40からボトルの中心軸Xに水平に向かう方向をいい、拡径方向とは、ボトルの中心軸Xからボトル胴部40に水平に向かう方向をいう。
開口部10は、液体等の内容物の注入出口を有し、公知のキャップと係合する凹凸を有している。首部20は開口部10と肩部30とをつなぐ部位であり、略円筒状に形成されている。肩部30は首部20と胴部40とをつなぐ部位であり、胴部に向けて拡径する部位を有している。
(胴部40)
胴部40は、肩部30と底部50とをつなぐ環状の部位である。ここで「環状」とは、プラスチックボトル100の中心軸Xに直交する断面が円形、楕円形、略多角形等である形状を含む意味である。ただし、本発明においては、ワイン等のガラス瓶の形状をイメージさせる観点および高耐圧性の観点から、円形であることが好ましい。すなわち、胴部形状は円筒状に成形されていることが好ましい。
胴部40の直径は60mm以上120mm以下が好ましく、例えば容積が720mLの場合は65mm以上75mm以下が好ましく、容積が1500mLの場合は90mm以上110mm以下が好ましい。 ここで、「胴部40の直径」とは、プラスチックボトル100の中心軸Xに直交する断面における胴部40の直径であり、胴部40の断面形状が円形である場合は直径であり、楕円形である場合は長径長さ、略多角形である場合は最長の対角線長さである。ここで胴部の直径とは、例えば、胴部40と底部50との境界におけるプラスチックボトル100の中心軸Xに直交する断面の直径から得ることができる。「胴部40と底部50との境界」とは、胴部40から底接地部51に向けて下方に縮径し始める環状の部位である。なお、胴部40と肩部30との境界も同様に、胴部40から開口部10若しくは首部20に向けて上方に縮径し始める環状の部位である。
胴部の厚みは0.20mm以上0.60mm以下が好ましい。首部、肩部の厚みは特に限定されないが、首部は0.30mm以上0.70mm以下、肩部は0.20mm以上0.60mm以下が好ましい。プラスチックボトルの軽量化の観点で、所要の耐圧性を満足できる範囲で薄い方が望ましい。
胴部40には、強度を付与するために、リブ、パネルなどの補強加工を施してもよいが、好ましい形態としては、胴部40は、リブ、パネル等を有しない円柱状とすることが好ましい。胴部40を円柱状とすることにより、以下に示す底部50のシンプルな形状と相まって、高級感のある意匠を提供することが可能となり、特に、ワイン等の高級な飲料を充填するためのボトルとして好適なものとなる。
(底部50)
図2にプラスチックボトル100の中心軸Xを含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大図を示した。底部50は環状の底接地部51、底接地部51と胴部40とを結ぶ環状の外壁面52、及び、底接地部51と底部50の中心55(以下において、「底中心55」ということがある。)とを結ぶ内壁面53を備えている。底接地部51は、プラスチックボトル100の底部50を下にして水平面P上に静置した状態において、プラスチックボトル100と水平面Pとが接する箇所であり、環状の部位である。図3に示すように、底接地部51は、縮径方向端部532と拡径方向端部522を有して水平面Pと接地しており、縮径方向端部532、および、拡径方向端部522の中心位置を接地点とする。
外壁面52は、胴部40から底接地部51に向けて下方に縮径する環状の部位である。
また、内壁面53は、底中心55から底接地部51に向けて下方に拡径する部位であり、下方向に開口部を有する略椀状の部位である。なお、底中心55とは、プラスチックボトル100の中心軸Xと底部50との交点をいう。
外壁面52および内壁面53は、底接地部51において接続して、ボトル下方向に凸である凸部57を形成する。凸部57は、上記した底接地部51を含む環状の部位である。
凸部57は、内壁面53側の曲率半径が1.0mm以上3.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm以上2.5mm以下である。曲率半径を1.0mm以上とすることにより金型形状に対し忠実性高く安定した形状に成形でき、生産歩留まりも良好となる。また、3.0mm以下とすること十分な耐圧性が得られる。
図4に、上記内壁面53側の曲率半径の測定方法を示す。
内壁面53側の曲率半径とは、接地点よりも内壁面側における凸部57の曲率半径をいう。具体的には、図4に示したように、内壁面側の曲率半径の円弧が、ボトル内壁面と正接に繋がる端点534を設定した場合、縮径方向端部532、および、端点534を含む円弧の半径をいう。
また、外壁面52側の曲率半径とは、接地点よりも外壁面側における凸部57の曲率半径をいう。具体的には、図4に示したように、外壁面側の曲率半径の円弧が、ボトル内壁面と正接に繋がる端点524を設定した場合、拡径方向端部522、および、端点524を含む円弧の半径をいう。
また、凸部57の内壁角度は40度以上70度以下であることが好ましく、下限は45度以上がより好ましい。また、内壁角度の上限は65度以下であることがより好ましい。
内壁面53が水平面に対し立ち上がるように形成されると、内壁面53および底接地部51の耐圧性が増すと共に、底接地部53に対して垂直方向に押し出す力が、容器内の圧力(内圧)の垂直下方向の分力のみとなって分散軽減し、底飛び出しが抑制される。また、内壁角度を70度以下とすることにより、プラスチックボトルの成形加工性が良好となり、ボトルを軽量化しても、底接地部51において成形性を阻害することなく耐圧に必要な厚みで成形できる。よって、ボトル底部50がこのような内壁角度を備える凸部57を有することにより、プラスチックボトル100の内部圧力に対する耐圧性、特に凸部57の内壁面53側の耐圧性を向上させることができる。
なお、上記の「内壁角度」とは、後に説明する内壁角度αおよび内壁角度α´を含む意味である。
凸部57の内壁角度の測定方法について図3を用いて説明する。
プラスチックボトルの底部50を下にして水平面P上に直立した状態のプラスチックボトルの中心軸Xを含む縦断面において、内壁面側の所定の曲率半径の円弧が、ボトル内壁面と正接に繋がる端点534と、該端点534から縮径方向2.5mmに位置する内壁面の点536とを結ぶ直線L2と、水平面Pとから形成される角度αを測定し、これを内壁角度αとした。
図3では、凸部57の内壁面53において、端点534と点536との間に、変曲点がない形態を一例として示した。この形態では、当該両点間が略直線構造となっている。
また、端点534と点536との間に、変曲点がある形態を、一例として図5に示した。
図5において、端点534と点536との間に、変曲点がある場合は、該端点534から縮径方向1.0mmに位置する内壁面の点536’とを結ぶ直線L2’と、水平面Pとから形成される角度α´を測定し、これを内壁角度α´とした。これにより、端点534と点536との間に変曲点がある場合においても、内壁面53が水平面Pに対し立ち上がるように形成されているか否かが判る。
また、凸部57の外壁角度βは、30度以上85度以下であることが好ましく、下限は40度以上がより好ましく、上限は80度以下がより好ましい。
凸部57の外壁角度βとは、図3に示すように、プラスチックボトルの底部50を下にして水平面P上に直立した状態のプラスチックボトルの中心軸Xを含む縦断面において、外壁面側の曲率半径の円弧が、ボトル内壁面と正接に繋がる端点524と、該端点524から拡径方向に2.5mmに位置する外壁面の点526とを結ぶ直線L1と、水平面Pから形成される角度βである。外壁角度βがこのような範囲であることで、底接地部が過延伸にならず肉厚を確保でき、十分な底部強度を得ることが出来る。また、外壁角度βが大きいほどプラスチックボトルの底接地部51の耐圧性が増す傾向にあるが、所望の耐圧性を満足する範囲で外壁角度βを低くすることで丸味を帯びた底部外観を得ることができる。
プラスチックボトルの形状は、市販の輪郭形状測定機、例えばミツトヨ社製コントレーサCV−3000(条件:触針径25μm、走査速度0.1mm/秒)等で測定することが出来る。
本発明において、内壁面53の厚みは均等であることが好ましい。これにより、高い圧力がかかったとしても、内壁面53に均等に圧力が分散することができる。
また、本発明において、底接地部51の厚みは0.35mm超1.50mm以下が好ましい。底接地部51の厚みが0.35mm超であることにより、底接地部51の強度が向上しプラスチックボトルの耐圧性を向上させると共に、底部の成形安定性を確保することができる。底接地部51の厚みが1.50mm以下であることにより、冷却不足によるボトル変形の発生を抑制できたり、胴部が引き伸ばされ過ぎて白化してしまう現象を防止できたりし、また軽量化にも有効である。プラスチックボトル100の容積が720mLの場合、底接地部51の厚みの下限は0.38mm以上がより好ましく、上限は1.20mm以下がより好ましく、0.70mm以下が更に好ましく、0.60mm以下が更に好ましい。プラスチックボトル100の容積が1500mLの場合、底接地部51の厚みの下限は0.60mm以上がより好ましく、上限は1.10mm以下が好ましく、1.05mm以下が更に好ましい。
プラスチックボトル100は、胴部40の厚みに対する底接地部51の厚みの比率を1.6以上4.5以下とすることが好ましく、1.6以上4.0以下とすることがより好ましく、1.8以上3.0以下とすることが更に好ましい。このように胴部厚みに対する底接地部の厚みの比率を大きくすることによって、プラスチックボトルの軽量性と底部耐圧性(特に、凸部の耐圧性)とを兼備することが可能となる。
なお、胴部厚みとは、胴部40の長さを3等分し、胴部40の上から3分の2の高さ位置おいて、周方向90度毎4点の肉厚の平均値をいう。なお、上記した底接地部51の厚み、胴部40厚みを含む、プラスチックボトルの厚みは、磁気式厚さ計OLYMPUS社製MAGNA−MIKE等や、断面のノギス測定で測定することが出来る。
次に、底接地部51の半径に対する底部50の高さの比率について図2を用いて説明する。底接地部の半径とは、プラスチックボトル100の底部50を下にして水平面P上に配置した状態において、プラスチックボトル100の中心軸Xと水平面Pとの交点P1から、底接地部51における接地点までの距離rをいう。また、底高さとは、同様の状態における、プラスチックボトルの中心軸Xと水平面Pとの交点P1から底中心55の外面までの距離hをいう。
本発明のプラスチックボトル100においては、底接地部51の半径rに対する底部50の高さhの比率(h/r)は、下限が0.35以上であることが好ましく、0.40以上がより好ましく、上限が0.5以下であることがより好ましい。
h/rが0.35以上により、内壁面53の延伸配向が強まり耐圧性が増す。また底接地部51が厚肉になり過ぎることがないので、厚肉による冷却不足に起因する正立性悪化の虞がなくなる。また、h/rが0.50以下により、内壁面53が必要以上に底中心55に向かって引き伸ばされて薄肉化し過ぎることが抑制される。このような構造にすることによって、プラスチックボトル100の耐圧性をさらに向上させることができ、また正立安定性を増すことができる。
また、本発明のプラスチックボトル100は胴部40の直径に対する底接地部51の直径(2r)の比率(縮径比)が0.5以上0.8以下であることが好ましい。下限は0.6以上がより好ましく、0.65以上がさらに好ましい。これにより、底中心55付近の耐圧性が高まる。
本発明のプラスチックボトル100の底部50の形状は、中心軸Xを通る縦断面において内壁面53に少なくとも1つの変曲点を有することが好ましい。以下、この形状を重ね餅型と呼称することがある。一方、プラスチックボトル100の中心軸Xを通る縦断面において、底部50の内壁面53が、変曲点を一つも有していない形状を椀型と呼称する。
底部50が重ね餅型形状であることにより、ペットボトル100の耐圧性を向上させることができ、軽量なボトルにおいても効果的である。
ここで、重ね餅型について、図6を用いて説明する。図6の上側図はプラスチックボトル100の中心軸Xを含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大断面図であり、図6の下側図はプラスチックボトル100の底面図である。なお、上側図と下側図とで対応する箇所を破線で結んでいる。図6の下側図の底部50の底面図において、最も外側にある円Q1は胴部40の表面であり、その1つ内側にある円Q2は底接地部51を表している。さらに内側の円Q3、Q4は、中心軸Xを含む縦断面における内壁面53の変曲点を表している。
図示した形態では、二つの変曲点Q3、Q4を有しているが、本願のプラスチックボトル100では、少なくとも1つの変曲点を有していればよい。
また、変曲点の曲率半径は、1mm以上15mm以下が好ましい。より好ましくは5mm以上10mm以下である。
また、本発明のプラスチックボトル100においては、底中心55から底接地部51に向かって延びる放射状のリブ53cを少なくとも1つ備えることが好ましい。これにより、プラスチックボトル100の耐圧性をさらに向上させることができる。
「放射状のリブ」とは、底部50に凹凸形状を設けた場合に、ボトル下方向に凸となる部位に含まれる凸面53a及び該凸となる部位に対して凹となる部位に含まれる凹面53bを接続する放射状の部位(リブ53c)であり、プラスチックボトルの底部の耐圧性を向上させるための部位である。「放射状」とは、底中心55から底接地部51に向かって延びることを意味する。以下、図7を用いてリブ53cを備える形態について詳しく説明する。
図7は本発明のリブ53cを設けた底部の1つの実施形態を説明する図であり、(a)はプラスチックボトル100の中心軸Xを含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大断面図、(b)はプラスチックボトル100の底面図である。図7(a)、(b)に示したとおり、底部50の内壁面53は底中心55から底接地部51に向かって放射状に延びる凸面53a、凹面53b、並びに、凸面53a及び凹面53bを接続する部位であるリブ53cを備えている。すなわち、図7(a)、(b)は、内壁面53が周方向に連続する凹凸形状を備えている形態を示している。
リブ53cの幅や形状、長さ、高低差は特に限定されない。例えば、底面図では、直線状、略三角形状、略台形状、花弁状、柳葉状等で表される。ここで、高低差とは、図7(a)に示した通り、凸面53a又は凹面53bの法線方向(垂直方向)におけるリブ53cの長さhである。本発明においては、耐圧性の向上及び外観の美観性を考慮して、高低差hの最大値が1.0〜5.0mm程度であることが好ましい。
また、放射状のリブ53cは、底中心55から底接地部51に向かって延びていることが好ましい。これは、底中心55から底接地部51に向かう方向に延びることを意味し、例えば、底中心55と底接地部51との間において、底中心55から底接地部51に向かう方向に延びる形態、底中心55から底中心55と底接地部51との間まで延びる形態、底中心55から底接地部51まで延びる形態、底中心55から底接地部51を超えて外壁面52の一部若しくは全部まで延びる形態を含む。プラスチックボトル100の外観の美観性を高める観点からは、底接地部51及び外壁面52にはリブ53cが形成されていないことが好ましい。また、底接地部51の底飛び出しの防止、底接地部51の内壁側近傍の膨張・突出の防止の観点から、底中心55から底接地部51の際(きわ)まで延びる形態が好ましい。底飛び出しについては後段で詳細に説明する。
内壁面53はリブ53cを少なくとも1つ備えることで耐圧性が向上する。好ましくは、リブ53cを2つ以上、より好ましくは6つ以上である。リブ53cの数を増加させるほど底部50の耐圧性は向上する。しかしながら、底部50の外観の美観性や成形性の観点からリブの数は18以下であることが好ましく、12以下がより好ましい。
リブ53cを設ける間隔は等間隔であっても良く、リブ53c毎に異なる間隔で設けても良いが、底部にかかる内圧を分散させる観点から等間隔が好ましい。図7は、12個のリブ53cを等間隔に配設し、水平方向に30度毎間隔に配設した例図である。
図7(c)は、図7(b)の破線Cにおける内壁面53の部分断面図(破線C部分における底中心55から底接地部51に向かう方向に直交する断面図)である。凸面53aとリブ53cとがなす曲率半径C1は特に限定されないが、1.0mm以上3.0mm以下が好ましい。より好ましくは1.3mm以上2.0mm以下である。
同様に、凹面53bとリブ53cとがなす曲率半径C2も特に限定されないが、1.0mm以上3.0mm以下が好ましい。より好ましくは1.3mm以上2.0mm以下である。
さらに本発明のプラスチックボトル100においては、底部50の形状が重ね餅型であり、かつ、底中心から底接地部に向けて延びる放射状のリブ53cを備えた形態であることがより好ましい。これにより、プラスチックボトル100の耐圧性が相乗的に向上する。また、製造時に生じる「底落ち」と呼ばれる現象も効果的に抑制することができる。
図8に、その一実施形態を示した。図8の(a)はプラスチックボトル100の中心軸Xを含む縦断面において、底部50付近を拡大した拡大断面図であり、(b)はプラスチックボトル100の底面図である。図8(b)に示したQ5、Q6は変曲点である。また、図8(c)に底部50の斜視図に陰影を付した図を示した。
重ね餅型と放射状のリブの設計組合せにより、ボトル成形するとQ5、Q6は円状の他、底中心に向かってU字やV字の形状に観察されることがある。変曲点QがV字型形状であるプラスチックボトル100の底面図を図8(d)に示した。
ここで、「底落ち」とは、プラスチックボトル100を製造する際に起き、底高さhが設計時に目的としていた高さよりも低くなる現象である。これは、製造時に底中心付近に樹脂溜まりが生じるとその個所の蓄熱が大きく、ブロー延伸後のプラスチックボトルを金型から引き抜いた放冷時に、その熱量により熱収縮が起こるために生じる現象である。底落ちが生じると、本来であれば底部の内壁面が上方に湾曲し所定の底高さを有するべきところ、底中心が下方に不定形、不均等に落ちるため、外観を損ねる。
例えば、特許文献2では、底部の中央部分と内壁(内周台錐部分)との接続が滑らかな凸の曲線で為された椀型であるため、ボトルの容積や胴径が大きくなるほど、底部中央部の樹脂厚みが増大し、樹脂溜まりが発生しやすくなり、底落ちが発生する。
また、底落ちの防止のためにブロー延伸後に長い冷却時間を設定したり、容器内をエアで冷やす内部冷却工程を設けたりする方法があるが、その場合は生産速度(成形サイクル)を増大できず、生産性、経済性が低下してしまう。
(耐圧性)
本発明のプラスチックボトル100は、底部50が上記した好ましい形態を備えることによって、耐圧性を備える。具体的には、プラスチックボトル100に内容物を充填し、高い内圧で保管しても、充填直後の底中心55、内壁面53、及び底接地部51のボトル下方向への飛び出しが好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.5mm以下とすることができる。
ここで、底接地部51のボトル下方向への飛び出しを「底飛び出し」といい、底飛び出しが起こると、プラスチックボトル100に傾きが生じる。本発明のプラスチックボトル100は上記した好ましい形態を備えることにより、底飛び出しが生じたとしてもこのプラスチックボトル100の傾き(直立傾き)を好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下とすることができる。
底飛び出し、および、直立傾きの評価方法を、図9を用いて説明する。(A)が加圧前の状態を示し、(B)が加圧後のボトルの底部が飛び出し傾いた場合の状態を示す(図中ではキャップを省略している。)。
底飛び出しは、まず、(A)に示すように、直立したボトル100の胴部に水平線L3を一周描き、この水平線L3の高さを基準位置P2に設定する。次いでボトル内部に所定のゲージ圧を加圧した後、該水平線L3が基準位置P2からどの程度変位したかを測定する。具体的には、胴部周方向の90度毎4箇所において、上記水平線L3が基準位置P2から垂直上方向に変位した距離(mm)を計測し平均して算出する。
また、直立傾きは、上記底飛び出しの測定における加圧後の水平線L3の基準位置P2からの最大高さと最小高さの差を測定した。具体的には、上記水平線L3が基準位置P2から垂直上方向に変位した距離(mm)の最大変位距離と最小変位距離を計測し、その差(mm)を算出する。
(材料)
プラスチックボトル100の熱可塑性樹脂原料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンまたはこれらの混合物、あるいは、環状ポリオレフィン、ポリプロピレン等が好ましく用いられる。また、熱可塑性樹脂を単層で用いても複層で用いても良い。汎用性、経済性の点からポリエチレンテレフタレートを単層で使用することが好ましい。
プラルチックボトル100は、ガスバリア性薄膜を設けてガスバリア性を付与することができる。ガスバリア性薄膜としては、例えば、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)から構成される薄膜や無機薄膜を挙げることができる。無機薄膜としては、例えば、ダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)膜や、SiC、SiO、SiN、SiOC、SiON、SiONC等のSi含有膜が挙げられ、これらは公知の化学蒸着法を用いて形成できる。
(ガスバリア性)
本発明のプラスチックボトル100がガスバリア性薄膜を備える場合、温度23℃、相対湿度50%における酸素透過率(OTR:Oxygen Transmission Rate)が0.02cc/pkg/24h/atm・air以下が好ましい。より好ましくは0.015cc/pkg/24h/atm・air以下であり、さらに好ましくは0.010cc/pkg/24h/atm・air以下である。例えば、炭酸飲料やアルコール飲料等の用途にはより低い酸素透過率、すなわち高いガスバリア性を備えることが適している。
プラスチックボトル100の酸素透過率が0.02cc/pkg/24h/atm・air以下であることにより、内容物の酸化、腐食、腐敗、炭酸等のガス抜け、及び、香味抜けの抑制することができる。
また、プラスチックボトル100は高い耐圧性を備えるため、プラスチックボトルが膨張したり変形したりすることでガスバリア性薄膜が劣化する可能性が著しく低く、高い内圧を保持したまま、上気した内容物の酸化等を抑制することができる。
(容積)
本発明のプラスチックボトル100は、大容量であっても高い耐圧性を備えることができる。例えば容積が720mL以上、1000mL以上、1500mL以上であっても、好適に適用できる。
(重量)
プラスチックボトルは、一般に、容積に対して全体の重量、すなわち使用する樹脂の重量が大きいほど、全体的にプラスチックボトルの厚みが増加し耐圧性が高まる。しかしながら、環境資源の観点や、輸送・保管に要する省エネルギーの観点から、世界的にプラスチックボトルの軽量化が進められており、軽量でありかつ高耐圧性を備えるプラスチックボトルが求められている。
本発明のプラスチックボトル100は、容積(mL)に対する重量(g)の比が0.01以上0.08以下であることが好ましく、上限が0.06以下であることがより好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい形態である。これにより、軽量でありかつ高耐圧性を実現することができる。
(製造方法)
プラスチックボトル100の製造方法は、インジェクションブロー成形、ダイレクトブロー成形等の公知の方法を採用することができる。中でも、上記のような熱可塑性樹脂を射出成型して試験管状のプリフォームを作製し、これをガラス転移温度以上、昇温時結晶化温度未満に加熱して、ブロー成形型内で高圧流体を吹き込むことによる、インジェクションブロー成形(二軸延伸ブロー成形)により製造する方法が好ましい。
2軸延伸ブロー成形による延伸倍率は、特に限定されないが、上記した底接地部51の厚みとなるように、延伸倍率を設定することが好ましく、また、胴部40の厚みに対する底接地部51の厚みの比率が上記した範囲となるように延伸倍率を設定することが好ましい。
例えば、2軸延伸ブロー成形による延伸倍率は、上記した底接地部51の厚みとなったときに、面倍率が7〜12倍となるようにプリフォームの肉厚や形状を設定することが挙げられる。
このように、本発明のプラスチックボトル100の製造方法は公知の方法によって行うことができる。一方で、特許文献2では、底部の分子配向を強めるために、底部を予め加熱してブロー延伸したり、ブロー延伸後に高温でヒートセット(熱固定)したり、ボトル底部中央部を下方向から上方向に延伸棒等で延伸する方法で行っているため、冷却時間が長くなったり、製造工程が増えたりする等、生産性の低下、製造費用の増大が生じるため望ましくない。
以下に、実施例および比較例を用いて説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度IV値0.8)を用いて、2軸延伸ブロー成形により実施例1〜7、及び、比較例1〜2に係る1500mL液体用プラスチックボトルを作製した。その結果を表1に示した。
実施例1〜7、比較例2は、端点534から縮径方向2.5mmに位置する内壁面の点536との間に変曲点が存在するため、内壁角度αと異なる内壁角度α´を有した。比較例1は、内壁角度αを有した。重ね餅型と放射状リブを組み合わせた形状である実施例4〜7については、内壁面のうち凸面の内壁角度を測定した。
なお、内壁角度、底部の高さは、ミツトヨ社製コントレーサCV−3000(条件:触針径25μm、走査速度0.1mm/秒)を用いて測定した。胴部、および、底接地部の厚みは、OLYMPUS製磁気式厚さ計MAGNA−MIKE8500を用いて測定した。
各実施例及び比較例により得られたプラスチックボトルを用いて、耐圧性試験、及び、落下試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
<耐圧試験>
耐圧性試験は、内容物を注入して保管状態で発生するクリープ変形を評価する観点で次の方法で行った。
プラスチックボトルに50℃の水を1500mL注入し、また窒素ガスを充填してボトル内圧を所定のゲージ圧としてキャップで密封し、40℃3日間保管した後、23℃下で放冷し、直立傾きが1mm以内であった条件のゲージ圧を耐圧(kPa)として評価した。
<落下試験>
落下試験の方法は、次のとおりである。
プラスチックボトルに水1500mLを充填しキャップで密封した後、0.9mの高さからコンクリート板に底部より垂直に落下させ、底部の割れの有無を調べた。
実施例1〜7のプラスチックボトルは耐圧性試験の評価結果が良好であり、高い耐圧性を有していた。また、不定形、不均等な底落ちはなく、ボトルの外観は良好であった。また、落下による底部の割れがなく、耐衝撃性を有していることが分かった。実施例4、5、7のプラスチックボトルに関しては、底高さの設計値と実測値との差が1.0mmであり、実施例6のプラスチックボトルに関しては、該差が0.5mmであり、実施例1〜3に比べより良好な外観を示した。
一方で、比較例1、2のプラスチックボトルは、耐圧値が低かった。
10 開口部
20 首部
30 肩部
40 胴部
50 底部
51 底接地部
52 外壁面
53 内壁面
53a 凸面
53b 凹面
53c リブ
55 底中心(底部の中心)
57 凸部
100 プラスチックボトル

Claims (5)

  1. 環状の胴部、及び、底部、を有する耐圧性プラスチックボトルであって、
    前記底部は環状の底接地部、該底接地部と前記胴部とを結ぶ環状の外壁面、及び、該底接地部と前記底部の中心とを結ぶ内壁面を備え、
    前記外壁面は前記胴部から前記底接地部に向けて下方に縮径し、前記内壁面は前記底部の中心から前記底接地部に向けて下方に拡径し、前記底接地部において前記外壁面および前記内壁面が接続してボトル下方向に凸である凸部を形成し、
    前記凸部の内壁角度が40度以上70度以下であり、
    前記胴部の直径に対する前記底接地部の直径の比率が0.5以上0.8以下であり、
    前記胴部の厚みに対する前記底接地部の厚みの比率が1.6以上4.5以下であり、
    前記底接地部の半径に対する前記底部の高さの比率が0.35以上である、
    耐圧性プラスチックボトル。
  2. 前記プラスチックボトルの中心軸を通る縦断面において、前記内壁面に少なくとも1つの変曲点を有する、請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記底部の中心から前記底接地部に向かって延びる放射状のリブを少なくとも1つ備える、請求項1又は2に記載のプラスチックボトル。
  4. ガスバリア性薄膜を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  5. 容積が720ml以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
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