JP4935058B2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器胴部に環状の横溝を有するボトル型の合成樹脂製容器において、縦荷重に対する座屈強度を損なうことなく、減圧吸収性能を向上させて、容器の不定形な変形変化を抑制した合成樹脂製容器に関する。
例えば、コーラ,サイダーなどの炭酸飲料、果汁飲料、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、各種お茶類などの飲料用容器として、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を、ブロー成形などによってボトル形状に成形してなる合成樹脂製容器が、一般に広く使用されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。
そして、このようなボトル型の合成樹脂製容器は、近年、急速に普及、浸透するようになってきており、その広範な普及に伴って、ボトル型の合成樹脂製容器を利用した商品も多様化し、容量2000mlを超える大容量のものから、容量200ml程度の小容量のものまで、内容物に応じて種々の容量の容器が求められるようになってきている。また、ボトル型の合成樹脂製容器を利用した商品の販売形態も多様化してきており、特に、容量200〜500ml程度の比較的小容量の飲料用ボトル容器にあっては、店頭販売のほかに、自動販売機による販売に供されることが多くなってきている。
特開2004−262500号公報 特開2003−285814号公報
ところで、この種のボトル容器は、通常、内容物を充填、密封した後の容器内が減圧状態になるため、内圧減少にともなう容器の不定形な形状変化を防止するための減圧吸収構造を備えており、特許文献1は、このような減圧吸収構造を備えたボトル容器の一例として、筒形状をなす胴部の表面に沿って複数の環状溝を設けた合成樹脂製ボトル型容器を開示している。特許文献1のボトル容器に形成された環状溝は、容器内の圧力減少に応じて変形して容器を縦方向に収縮させることにより容積を減じ、これによって容器内の減圧度を緩和するというものであり、特許文献1では、環状溝の溝底に対する溝側壁の傾斜角度を所定の範囲内とすることで、環状溝を複雑な形状とすることなく、環状溝を利用したスムーズなボトル縦方向の収縮を達成できるとしている。
また、容器胴部の周方向に沿って形成される環状溝は、容器内の減圧度を緩和するとともに、容器の剛性を確保するという機能を併せて発揮し、特許文献2では、隣接する環状溝の間隔を所定の範囲内とすることで、減圧により発生する横方向の押圧に対向する面剛性を増強できるとしている。
このように、簡易な構成によって、容器に減圧吸収性能を付与しつつ、容器の剛性を確保することができる環状溝は、一般に、丸形ボトルと称される容器胴部が円筒形状(又は、円筒形状に近似する形状)のボトル容器に、特に有効とされており、市場に流通している丸形ボトルにあっては、このような環状溝が容器胴部に複数形成されているものが少なくない。
しかしながら、上記したような環状溝は、容器を縦方向に変形(収縮)させて減圧吸収性能を発揮するものであるため、内容物が充填される前と、内容物を充填して販売に供するときとで、外観形状が変化してしまう傾向が大きく、特に、比較的小容量のものにあっては、顕著な形状変化が生じ易いという問題を有している。そして、環状溝による容器の縦方向に沿う収縮量が周方向でばらつくと、胴部に反りが生じてしまうことがあり、このような反りが生じると、内容物が充填された容器が傾いた形状になってしまうため、商品価値を著しく損ねてしまうという問題もある。
このような好ましくない形状の変化は、例えば、充填後の菌の繁殖を抑えるために内容物を高温で充填する場合など、高い減圧吸収性能が要求される容器に適用したときに、減圧吸収性能が不足することに起因して生じることが多い。また、この種のボトル容器にあっては、面積の大きい底面部に減圧負荷が集中し易いため、減圧吸収性能が不足すると、底面部が陥没してしまうこともある。
さらに、減圧吸収性能の不足に起因して生じる不定形な容器形状の変化は、容器胴部の円筒度(任意の高さ位置で容器胴部を水平に切断したときの真円度)の低下を招き、内容物が充填された後の容器胴部の断面形状を、円形状(又は円形状に近似した形状)に保つことが困難となってしまう。このため、転がり性が要求される自動販売機による販売に供するのに適さず、ベンダー適性に劣るものとなってしまうという問題がある。
一方、減圧吸収性能を高めるには、環状溝の溝深さを深くすることによって、環状溝の変形量を大きくすることが考えられるが、環状溝は縦方向に変形可能とされているがために、その溝深さを深くしすぎると、搬送時などにおいて容器に縦方向の荷重(縦荷重)が加わったときに、縦荷重に対する十分な座屈強度を確保できなくなってしまうという問題があり、座屈強度との兼ね合いから、環状溝の溝深さを調整して減圧吸収性能を高めるには限界があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、容器胴部に環状の横溝を有するボトル型の合成樹脂製容器において、縦荷重に対する座屈強度を損なうことなく、減圧吸収性能を向上させて、容器の不定形な変形変化を抑制することができるボトル型の合成樹脂製容器の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る合成樹脂製容器は、口部、胴部、及び底部を備えた合成樹脂製容器であって、前記胴部が、筒状部と、前記筒状部の上端から絞り込まれて前記口部に連続する肩部とからなり、前記筒状部に、周方向に沿って環状に形成された複数の横溝を備えるとともに、前記肩部に、容器外方に凸となる湾曲面により形成されている減圧吸収パネルを備え、前記減圧吸収パネルが、前記肩部をなす傾斜面の傾斜方向に沿った曲率半径が、同じ方向に沿う前記肩部の輪郭の曲率半径の0.4〜0.6倍の範囲内にあり、周方向に沿った曲率半径が、同じ方向に沿う前記肩部の輪郭の曲率半径の0.5〜0.7倍の範囲内にある容器外方に凸となる湾曲面により形成されている構成としてある。
このような構成とすることにより、筒状部に備えた横溝の溝深さを深くすることなく減圧吸収性能を向上させることが可能となる。このため、縦荷重に対する座屈強度を損なわずに、肩部に備えた減圧吸収パネルにより容器内に生じる減圧度を緩和して、内容物を充填した後の容器胴部の円筒度を高めることができ、容器胴部の断面形状を、転がり性に優れた円形状(又は円形状に近似した形状)に容易に保つことができる。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記減圧吸収パネルが、段差をもって周囲から画成されている構成とすることができる。
このような構成とすれば、減圧吸収パネルを形成することによって、肩部の面剛性が低下してしまうのを抑制することができ、このときの前記段差の幅は、1.0〜1.5mmであるのが好ましく、前記肩部をなす傾斜面に対する前記段差の深さは、1.0〜2.0mmであるのが好ましい。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記減圧吸収パネルが、前記肩部をなす傾斜面の傾斜方向に沿った曲率半径が、同じ方向に沿う前記肩部の輪郭の曲率半径の0.4〜0.6倍の範囲内にあり、周方向に沿った曲率半径が、同じ方向に沿う前記肩部の輪郭の曲率半径の0.5〜0.7倍の範囲内にある容器外方に凸となる湾曲面により形成されている構成とするが、このような構成とすることで、容器内の圧力が減少したときに、減圧吸収パネルが、容器内方に向かって変形し易くなり、肩部上の限られた少ない面積の範囲内に形成される減圧吸収パネルの減圧吸収性能を高めることが可能となる。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記減圧吸収パネルが、周方向に沿って複数形成されているとともに、隣接する減圧吸収パネルの間に、柱部が配設されている構成とすることができる。
このような構成とすれば、隣接する減圧吸収パネルの間に配設された柱部が、柱状の構造部位として機能するため、肩部における面剛性の低下をより有効に回避することができ、このとき前記柱部の幅は、3〜7mmであるのが好ましい。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記横溝が形成される部位ごとに、前記胴部の肉厚に応じて、前記横溝の溝深さを変化させた構成とすることができる。
このような構成とすれば、胴部の肉厚と相関させて横溝の溝深さを変化させることにより、容器に要求される減圧吸収性能や、減圧強度、さらには、横荷重に対する剛性とバランスさせつつ、縦荷重に対する座屈強度を向上させることができる。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記横溝の高さ方向上側における前記胴部の肉厚が相対的に薄い部位では、当該横溝の溝深さを前記胴部の肉厚に応じて相対的に浅くし、前記横溝の高さ方向上側における前記胴部の肉厚が相対的に厚い部位では、当該横溝の溝深さを前記胴部の肉厚に応じて相対的に深くした構成とすることができ、特に、前記横溝の高さ方向上側における前記胴部の肉厚tと、当該横溝の溝深さdとの間に、下記式(1)の関係が成り立つようにするのが好ましい。
α×t−3.1≦d≦α×t−2.3[但し、α=16.7] ・・・ (1)
このような構成とすれば、横溝の溝深さを胴部の肉厚に応じて相対的に浅くすることにより、座屈し易い傾向にある薄肉部位の変形を抑制し、容器の縦荷重に対する座屈強度を向上させることができる。また、横溝の溝深さを胴部の肉厚に応じて相対的に深くすることにより、横溝の溝深さを深くしながらも、縦荷重に対する座屈強度を従来品と同等以上とすることができ、座屈強度を低下させることなく、減圧吸収性能や、減圧強度を向上させるとともに、横荷重に対する剛性を高めることができる。
以上のような本発明によれば、縦荷重に対する座屈強度を損なうことなく、容器の減圧吸収性能をよりいっそう向上させることが可能となり、肩部に備えた減圧吸収パネルにより容器内に生じる減圧度を緩和して、容器胴部の円筒度を高めることができる。これにより、容器胴部を転がり性に優れた形状に保つことが容易になり、例えば、自動販売機による販売に供するのにより適した容器とすることができる。
以下、本発明に係る合成樹脂製容器の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、図1は、本発明に係る合成樹脂製容器の一実施形態の概略を示す正面図であり、図2は、図1のA−A断面を示す説明図である。また、以下の説明において、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に置いたときに、水平面に直交する方向に沿った方向をいうものとする。
図1に示す容器1は、一般に、丸形ボトルと称される容器形状を有しており、口部2、胴部3、及び底部4を備えている。そして、胴部3は、ほぼ同一径の円筒状に形成された筒状部32と、筒状部32の上端から絞り込まれて口部2に連続する肩部31とからなっている。
本実施形態において、肩部31は、38〜48%の絞り比(口部2直下の外径φD2/胴部3の最大外径φD1)で、筒状部32の上端から口部2へと絞り込まれた傾斜面を形成している。このような絞り比で肩部31を絞り込むことにより、肩部31の高さh1が長くなってしまうのを抑え、相対的に、容器1の横方向からの荷重に対する剛性を担う筒状部32の高さh2が確保されるようにしてある。
より具体的には、肩部31の絞り比(φD2/φD1)は、容器1の横方向からの荷重に対する剛性や、ベンダー適性を考慮して、筒状部32の高さh2が、容器1の高さHの62%以上を占め、また、肩部31の高さh1が、胴部3の高さ(h1+h2)の8〜38%の範囲内となるように、上記の範囲で設定することができる。
そして、このような肩部31には、複数(図示する例では六面)の減圧吸収パネル6が、周方向に沿って形成されており、これらの減圧吸収パネル6は、減圧吸収パネル6を形成することによって肩部31の面剛性が低下してしまうのを抑制するために、段差7をもって周囲から画成されるようにして形成されている。
このとき、減圧吸収パネル6を画成する段差7は、幅w2が1.0〜1.5mmであるのが好ましく、肩部31をなす傾斜面に対する深さdは、1.0〜2.0mmであるのが好ましい。
また、隣接する減圧吸収パネル6の間には、図示するように、柱状の構造部位として機能する柱部8が配設されているのが好ましい。この柱部8の幅w1は、減圧吸収パネル6の総面積と、柱部8に要求される強度とを考慮して適宜設定することができるが、具体的には、3〜7mmであるのが好ましい。
このような柱部8を、隣接する減圧吸収パネル6の間に配設することにより、肩部31の面剛性や、減圧吸収性能が低下してしまうのをより有効に回避することができる。
また、図示する例にあっては、減圧吸収パネル6の高さ方向上側の端縁を、口部2と胴部3(肩部31)との境界(又はその近傍)に位置させているとともに、減圧吸収パネルの高さ方向下側の端縁を、肩部31と筒状部32との境界(又はその近傍)に位置させている。これにより、肩部31の大部分を、減圧吸収パネル6が占めるようにして、減圧吸収パネル6の面積ができるだけ大きくなるようにしている。
このような減圧吸収パネル6は、容器1の内圧が減少したときに容器内方に緩やかに変形して、容器内に生じる減圧度を緩和するものであり、このような減圧吸収パネル6を肩部31に備えるのは、容器の減圧吸収性能の不足を補って、容器の不定形な変形を抑制することにより、内容物を充填した後の胴部3の円筒度を高める上で有効である。これにより、胴部3の断面形状を、転がり性に優れた円形状(又は円形状に近似した形状)に保つことが容易になり、自動販売機による販売に供するのにより適した容器とすることができる。
本実施形態において、肩部31に形成される減圧吸収パネル6は、容器外方に凸となる湾曲面により形成されている。より具体的には、肩部31をなす傾斜面の傾斜方向に沿った曲率半径r1(図2(b)参照)が、同じ方向に沿う肩部31の輪郭の曲率半径R1の0.4〜0.6倍の範囲内にあり、周方向に沿った曲率半径r2(図3参照)が、同じ方向に沿う肩部31の輪郭の曲率半径R2の0.5〜0.7倍の範囲内にあるように、容器外方に凸となる湾曲面により形成されるようにする
これにより、容器内の圧力が減少したときに、減圧吸収パネル6が、容器内方に向かって変形し易くなり、肩部31上の限られた少ない面積の範囲内に形成される減圧吸収パネル6の減圧吸収性能を高めることが可能となる。
なお、図2(b)は、図2(a)の鎖線で囲む部分の要部拡大断面図であり、図3は、図2(b)のB−B断面図である。また、肩部31の輪郭とは、減圧吸収パネル6がなかったとした場合の肩部31の輪郭をいうものとし、図示する例にあっては、傾斜方向に沿った柱部8の曲率半径が、曲率半径R1に相当し、柱部8を含む仮想曲面の曲率半径が、曲率半径R2に相当する。
ここで、図示する例では、容器1の周方向に沿って、六面の減圧吸収パネル6が形成されているが、減圧吸収パネル6の面数は、本実施形態による作用効果が損なわれない限り任意に設定することができ、好ましくは、三面〜八面の範囲で設定することができる。
肩部31に形成される減圧吸収パネル6が三面に満たないと、一面当たりの減圧吸収パネル6の変形量が大きくなり過ぎて、容器1の外観に与える影響が無視できなくなってしまうだけでなく、柱部8の数が減り、肩部31の面剛性が低下してしまうおそれがある。一方、減圧吸収パネル6が八面を超えると、個々の減圧吸収パネル6の面積が小さくなり、一面当たりの減圧吸収パネル6の変形量も小さくなってしまうため、減圧吸収性能を十分に向上させることができなくなるおそれがある。
また、本実施形態において、胴部3(筒状部31)には、周方向に沿って環状に形成された複数(図示する例では、五つ)の横溝(環状溝)5を、高さ方向に等間隔に配列させてある。胴部3に形成される横溝5は、容器1の内圧が減少したときに、容器1を縦方向に変形(収縮)させて圧力の減少を吸収するようにし、また、径方向への変形を抑制する骨格としても機能するようにして、容器1が傾いてしまったり、横断面が楕円形状になってしまったりするなどの不均一な変形を抑制するとともに、横荷重に対する容器1の剛性を確保するためのものである。
隣接する横溝5の間隔(最深部に沿った中心線C1,C2間の距離)h3は、容器1の容量や、横溝5を形成する数にもよるが、通常は、10〜20mm程度である。
隣接する横溝5の間隔h3が、上記範囲を超えると、胴部3に形成することができる横溝5の数が、必要な数よりも少ない数に限られてしまい、また、横溝5によって補強されていない側面の占める割合が大きくなってしまうため、減圧吸収性能や、減圧に抗して円筒形の容器形状を保つための剛性(減圧強度)に加え、横荷重に対する剛性も不十分になってしまう。一方、上記下限に満たないと、横溝5の配列が密になりすぎて側面が蛇腹状になってしまうため、縦荷重に対する座屈強度が低下してしまうおそれがある。
なお、図示する例にあっては、横溝5を等間隔に配列させているが、横溝5を配列させる間隔は等間隔とせずに、例えば、胴部3の上部、中央、下部などの部位ごとに、必要に応じて異ならせてもよい。
横溝5の溝幅w3も、減圧吸収性能、減圧強度、横荷重に対する剛性、縦荷重に対する座屈強度などを考慮して設定され、通常は、3〜8mm程度とすることができる。また、図示する例では、横溝5の断面形状をU字状としているが、容器内の圧力変化に応じて変形し、容器1の不均一な変形を抑制することができれば、例えば、V字状、コ字状、台形形状、多角形状など、本実施形態の効果を損なわない範囲で任意の断面形状とすることができる。
このような合成樹脂製の容器1は、例えば、公知の射出成形や押出成形により製造された、有底筒状のプリフォームを二軸延伸ブロー成形するなどして製造することができるが、ブロー成形により成形された容器1は、一般には、胴部3の肉厚が一定とならず、このような肉厚分布は、比較的小容量のものにおいて顕著に現れる傾向にある。
本実施形態では、胴部3に形成される横溝5の溝深さは、横溝5が形成される部位ごとに、胴部3の肉厚に応じて変化させるのが好ましい。
より具体的には、横溝5が形成される部位の高さ方向上側における胴部3の肉厚が、他の部位の肉厚に対して相対的に薄くなっている部位では、その横溝5の溝深さを胴部3の肉厚に応じて相対的に浅くしてある。これにより、座屈し易い傾向にある薄肉部位の変形を抑制し、容器1の縦荷重に対する座屈強度を向上させることができる。
また、横溝5が形成される部位の高さ方向上側における胴部3の肉厚が、他の部位の肉厚に対して相対的に厚くなっている部位では、その横溝5の溝深さを胴部3の肉厚に応じて相対的に深くしてある。これにより、横溝5の溝深さを深くしながらも、縦荷重に対する座屈強度を従来品と同等以上とすることができ、座屈強度を低下させることなく、横溝5の変形量を大きくして減圧吸収性能を向上させるとともに、減圧強度や、容器1の横荷重に対する剛性を高めることが可能となる。
このように、本実施形態にあっては、胴部3の肉厚と相関させて横溝5の溝深さを変化させることにより、容器1に要求される減圧吸収性能や、減圧強度、さらには、横荷重に対する剛性とバランスさせつつ、縦荷重に対する座屈強度を向上させることができるが、横溝5が形成される部位の高さ方向上側における胴部3の肉厚t(t1〜t5)と、横溝5の溝深さd(d1〜d5)との間には、特に、下記式(1)の関係が成り立つようにするのが好ましい。
α×t−3.1≦d≦α×t−2.3[但し、α=16.7] ・・・ (1)
上記式(1)は、胴部3の肉厚に応じて横溝5の溝深さを変化させた多数のサンプルから、減圧強度と横荷重に対する剛性を低下させることなく、座屈強度を向上させることができたものを抽出し、横溝5が形成される部位の高さ方向上側における胴部3の肉厚tを横軸、横溝5の溝深さdを縦軸としたグラフを作成して両者の相関関係を回帰分析することによって得られたものであり、上記式(1)の関係を超えて溝深さdが深くなってしまうと、容器1の縦荷重に対する座屈強度の向上が得られ難くなる傾向にある。一方、上記式(1)の関係を満たさずに溝深さdが浅くなってしまうと、減圧吸収性能、減圧強度、横荷重に対する剛性が低下してしまう傾向にある。
ここで、胴部3の肉厚tは、着目する横溝5の最深部の高さ位置と、その高さ方向上側に隣接する横溝5の最深部の高さ位置との中間位置(最上位の横溝5にあっては、当該横溝5の最深部から高さ方向上側7mmの位置)となる位置における肉厚とする(図2(a)参照)。
また、本実施形態を適用するにあたり、横溝5の溝深さdを決定するに際しては、例えば、横溝5に対応する凸部が形成されていない金型を用いて、予め横溝5がない以外は同寸法とした容器をブロー成形するなどしておき、そのときの成形条件などに起因して生じる容器の肉厚分布に応じて、その部位ごとに横溝5の溝深さdを決定すればよいが、容器の肉厚分布を成りゆきまかせとせずに、例えば、特開平6−99482号公報に記載されているような方法、すなわち、ブロー成形する際に、プリフォームの各部位を所望の温度に調整することによって、積極的に任意の肉厚分布とすることもできる。
以上のような本実施形態に係る合成樹脂製容器は、前述したように、ブロー成形などによって製造することができるが、容器1を構成する熱可塑性樹脂は、ブロー成形が可能であれば、任意の樹脂を使用することができる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリカーボネート,ポリアリレート,ポリ乳酸又はこれらの共重合体などの熱可塑性ポリエステル,これらの樹脂あるいは他の樹脂とブレンドされたものなどが好適であり、特に、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが好適に使用される。また、アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレンなども使用することができる。
これらの樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを配合することもできる。
エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分(例えば、70モル%以上)をエチレンテレフタレート単位が占め、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。
エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が耐圧性、耐熱性、耐熱圧性などの点で特に優れているが、エチレンテレフタレート単位以外にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸などの二塩基酸と、プロピレングリコールなどのジオールからなるエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用することができる。
また、本実施形態に係る合成樹脂製容器は、単層(一層)の熱可塑性ポリエステル層で構成される場合の他、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成することもできる。さらに、二層以上の熱可塑性ポリエステル層からなる内層及び外層の間に封入される中間層を備えることができ、中間層をバリヤー層や、酸素吸収層とすることができる。このように、バリヤー層や、酸素吸収層を備えることにより、容器内への外部からの酸素の透過を抑制し、容器内の内容物の外部からの酸素による変質を防止することができる。
ここで、酸素吸収層としては、酸素を吸収して酸素の透過を防ぐものであれば任意のものを使用することができるが、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組合せ、あるいは実質的に酸化しないガスバリヤー性樹脂,酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組み合わせを使用することが好適である。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、ほぼ同一径の円筒状に形成された筒状部32を有する容器1を例に挙げたが、容器1の具体的な形状は、このようなものには限られない。筒状部32は、円筒形状に近似するものであれば、例えば、横断面が六角形、八角形などの多角形となる角筒状であってもよい。また、横断面が四角形となるものであっても、コーナー部を丸めたり、面取りしたりして、又は側面を外方に湾曲させるなどして円筒形状に近似させることにより、本発明を適用することができる。
また、本発明は、容積300〜500ml程度の比較的中容量の合成樹脂製容器についても適用できるが、肉厚分布における厚肉部と薄肉部との肉厚差が大きくなる傾向にある容積100〜300ml程度の比較的小容量の合成樹脂製容器に、特に好適である。
以上説明したように、本発明によれば、容器胴部に環状溝を有するボトル容器において、縦荷重に対する座屈強度を損なうことなく、減圧吸収性能を向上させて、容器の不定形な変形変化を抑制することができ、特に、ベンダー適性に優れた容器を提供することにより、ボトル容器としての利用範囲をよりいっそう拡げることができる。
本発明に係る合成樹脂製容器の一実施形態の概略を示す正面図である。 図1のA−A断面を示す説明図である。 図2(b)のB−B断面図である。
符号の説明
1 容器
2 口部
3 胴部
4 底部
5 横溝
6 減圧吸収パネル
7 段差
8 柱部

Claims (8)

  1. 口部、胴部、及び底部を備えた合成樹脂製容器であって、
    前記胴部が、筒状部と、前記筒状部の上端から絞り込まれて前記口部に連続する肩部とからなり、
    前記筒状部に、周方向に沿って環状に形成された複数の横溝を備えるとともに、
    前記肩部に、容器外方に凸となる湾曲面により形成されている減圧吸収パネルを備え
    前記減圧吸収パネルが、
    前記肩部をなす傾斜面の傾斜方向に沿った曲率半径が、同じ方向に沿う前記肩部の輪郭の曲率半径の0.4〜0.6倍の範囲内にあり、周方向に沿った曲率半径が、同じ方向に沿う前記肩部の輪郭の曲率半径の0.5〜0.7倍の範囲内にある容器外方に凸となる湾曲面により形成されていることを特徴とする合成樹脂製容器。
  2. 前記減圧吸収パネルが、段差をもって周囲から画成されている請求項1に記載の合成樹脂製容器。
  3. 前記段差の幅が、1.0〜1.5mmであり、前記肩部をなす傾斜面に対する前記段差の深さが、1.0〜2.0mmである請求項2に記載の合成樹脂製容器。
  4. 前記減圧吸収パネルが、周方向に沿って複数形成されているとともに、隣接する減圧吸収パネルの間に、柱部が配設されている請求項1〜のいずれか1項に記載の合成樹脂製容器。
  5. 前記柱部の幅が、3〜7mmである請求項に記載の合成樹脂製容器。
  6. 前記横溝が形成される部位ごとに、前記胴部の肉厚に応じて、前記横溝の溝深さを変化させた請求項1〜のいずれか1項に記載の合成樹脂製容器。
  7. 前記横溝の高さ方向上側における前記胴部の肉厚が相対的に薄い部位では、当該横溝の溝深さを前記胴部の肉厚に応じて相対的に浅くし、
    前記横溝の高さ方向上側における前記胴部の肉厚が相対的に厚い部位では、当該横溝の溝深さを前記胴部の肉厚に応じて相対的に深くした請求項に記載の合成樹脂製容器。
  8. 前記横溝の高さ方向上側における前記胴部の肉厚tと、当該横溝の溝深さdとの間に、下記式(1)の関係が成り立つ請求項に記載の合成樹脂製容器。
    α×t−3.1≦d≦α×t−2.3[但し、α=16.7] ・・・ (1)
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