JP2017202569A - 立体造形物を造形する装置、プログラム、立体造形物を造形する方法、立体造形物の造形データを作成する方法 - Google Patents

立体造形物を造形する装置、プログラム、立体造形物を造形する方法、立体造形物の造形データを作成する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉体積層造形で造形するときに立体造形物の表面の凹凸が大きくなって表面粗さが粗くなり、精度も低下する。【解決手段】粉体槽31に造形液10を吐出して付与する液体吐出ヘッド52と、造形槽22に粉体20を敷き詰めて粉体槽31を形成する動作と、液体吐出ヘッド52から造形液を吐出させて造形層30を造形する動作を繰り返し、造形層30を積層した立体造形物を造形する制御をする手段と、備え、制御をする手段は、1画素G1について、粉体層31に着弾した滴D1が粉体層31上で少なくとも一部が重なるように造形液10を複数回付与させる制御を行う。【選択図】図6

Description

本発明は立体造形物を造形する装置、プログラム、立体造形物を造形する方法、立体造形物の造形データを作成する方法に関する。
立体造形物(三次元造形物)を造形する装置として、例えば粉体積層造形法で造形するものがある。これは、例えば、造形ステージに粉体を敷き詰めて平坦化し、平坦化された層状の粉体(これを「粉体層」という。)に対して粉体を結合させる造形液を付与して、粉体が結合された層状造形物(これを「造形層」という。)を形成する。そして、この造形層上に粉体層に形成し、再度、造形層を形成する動作を繰り返して、造形層を積層することで立体造形物を造形する。
従来、光硬化性樹脂を利用した造形方式において、モデル材とサポート材の混合比、あるいは、光エネルギー量を制御することで表面粗さを制御するものが知られている(特許文献1)。
特開2015−139957号公報
ところで、粉体積層造形法では薄層化させた粉体層に造形液を付与して粉体を結合するため、粉体の飛散が生じやすく、また、造形液の液架橋力によって粉体の凝集が顕著に進行する。
そのため、立体造形物の表面の凹凸が大きくなって表面粗さが粗くなり、精度も低下するなどの課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、造形品質を向上することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る立体造形物を造形する装置は、
敷き詰められた粉体に対し、前記粉体を結合する造形液を付与して層状造形物を造形する造形液付与手段と、
前記粉体を敷き詰める動作と、前記造形液付与手段から前記造形液を付与させて前記層状造形物を造形する動作を繰り返して、前記層状造形物を積層した立体造形物を造形する制御をする手段と、を備え、
前記制御をする手段は、
前記層状造形物を造形するとき、1つの画素について、前記粉体上で一部が重なるように同じ造形液を複数回付与する制御を行う
構成とした。
本発明によれば、造形品質を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る装置の平面説明図である。 同じく側面説明図である。 同じく造形部の断面説明図である。 同装置の制御部の概要の説明に供するブロック図である。 造形の流れの説明に供する模式的説明図である。 本発明の第1実施形態における造形液の吐出結果の説明に供する説明図である。 比較例1における造形液の吐出結果の説明に供する説明図である。 同実施形態と比較例1による造形結果の一例を示す説明図である。 比較例2における造形液の吐出結果の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態の説明に供するフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る装置の一例の概要について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同装置の概略平面説明図、図2は同じく概略側面説明図、図3は同じく造形部の断面説明図である。なお、図3は造形時の状態で示している。
この立体造形物を造形する装置(立体造形装置という。)は、粉体積層造形装置であり、粉体(粉末)が結合された層状造形物である造形層30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層31に対して造形液10を吐出付与して造形層30を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化部材(リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は、回転体に代えて、例えば板状部材(ブレード)とすることもできる。
粉体槽11は、造形槽22に供給する粉体20を保持する供給槽21と、造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形槽22と、粉体層31を形成するときに平坦化ローラ12によって移送供給される粉体20のうち、粉体層31を形成しないで落下する余剰の粉体20を溜める余剰粉体受け槽29を有している。
供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。同様に、造形槽22の底部は造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された立体造形物が造形される。余剰粉体受け槽29の底面には粉体20を吸引する機構が備えられた構成や、余剰粉体受け槽29が簡単に取り外せるような構成となっている。
供給ステージ23は、後述するモータ27によって矢印Z方向(高さ方向)に昇降され、造形ステージ24は、同じく、モータ28によって矢印Z方向に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に移送して供給し、平坦化手段である平坦化ローラ12によって供給した粉体20の層の表面を均して平坦化して、粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、後述する往復移動機構25によって移動される。また、平坦化ローラ12は、後述するモータ26によって回転駆動される。
一方、造形ユニット5は、造形ステージ24上の粉体層31に造形液10を吐出付与する液体吐出ユニット50を備えている。
液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された造形液付与手段である2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70、70に昇降可能に保持されている。
このキャリッジ51は、後述するX方向走査機構550を構成するX方向走査モータによってプーリ及びベルトを介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、造形液を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ2列配置されている。一方のヘッド52aの2つのノズル列は、シアン造形液及びマゼンタ造形液を吐出する。他方のヘッド52bの2つのノズル列は、イエロー造形液及びブラック造形液をそれぞれ吐出する。なお、ヘッド構成はこれに限るものではない。
これらのシアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63で構成される。キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形液を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形液を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形液の吐出が行われない場合に、ヘッドのノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、後述するY方向走査機構552によって全体がY方向に往復移動される。
液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、後述するZ方向昇降機構551によってZ方向に昇降される。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
粉体槽11は、箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽29の3つの上面が開放された槽とを備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
造形槽22の隣りには、造形槽22外に排出される余剰な粉体を受ける余剰粉体受け槽29が配置されている。
余剰粉体受け槽29には、粉体層31を形成するときに平坦化ローラ12によって移送供給される粉体20のうちの余剰の粉体20が落下する。余剰粉体受け槽29に落下した余剰の粉体20は、例えば粉体回収再生装置を経由して、供給槽21に粉体を供給する後述する粉体供給装置554に戻される。
粉体供給装置554は供給槽21上に配置される。造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、粉体供給装置554を構成するタンク内の粉体を供給槽21に供給する。粉体供給のための粉体搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粉体である粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、往復移動機構のモータによって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、粉体20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を平坦化することで粉体層31が形成される。
また、図2にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。
粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときにカウンタ方向でも、順方向での配置可能である。
次に、上記立体造形装置の制御部の概要について図4を参照して説明する。図4は同制御部のブロック図である。
制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるための本発明に係るプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)を各造形層毎にスライスしたスライスデータである造形データを作成する本発明に係る立体造形物を造形するデータを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動する516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置554を駆動する供給系駆動部517と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500は、粉体後供給部80から粉体20の供給を行わせる後供給駆動部519を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御部500は、上述したように、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の形状データ(造形データ)を含む。
そして、主制御部500Aは、造形層30の造形データに基づいてヘッド52からの造形液の吐出を行わせる制御をする。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置(粉体積層造形装置)601によって造形装置が構成される。
次に、造形の流れについて図5も参照して説明する。図5は造形の流れの説明に供する模式的説明図である。
ここでは、造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
この1層目の造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図5(a)に示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
このとき、造形槽22の粉体層31の表面(粉体面)の上面と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔(積層ピッチ)がΔt1となるように造形ステージ24の下降距離を設定する。の間隔Δt1が次に形成する粉体層31の厚さ(積層ピッチ)に相当する。間隔Δt1は、数十〜100μm程度であることが好ましい。
この場合、平坦化ローラ12は供給槽21及び造形槽22の上端面に対してギャップを置いて配置している。したがって、造形槽22に粉体20を移送供給して平坦化するとき、粉体層31の表面(粉体面)は供給槽21及び造形槽22の上端面よりも高い位置になる。
これにより、平坦化ローラ12が供給槽21及び造形槽22の上端面に接触することを確実に防止できて、平坦化ローラ12の損傷が低減する。平坦化ローラ12の表面が損傷すると粉体層31の表面にスジが発生して平坦性が低下する。
次いで、図5(b)に示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を逆方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。
さらに、図5(c)に示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させ、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さΔt1になる粉体層31を形成する(平坦化)。このとき、粉体層31の形成に使用されなかった余剰の粉体20は余剰粉体受け槽29に落下する。
粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は、図5(d)に示すように、Y1方向に移動されて初期位置(原点位置)に戻される(復帰される)。
ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さΔt1の粉体層31を形成できる。
その後、図5(e)に示すように、液体吐出ユニット50のヘッド52から造形液10の液滴を吐出して、次の粉体層31に所要形状の造形層30を積層形成する(造形)。
なお、造形層30は、例えば、ヘッド52から吐出された造形液10が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。
次いで、上述した粉体供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程を繰り返して新たな造形層30を形成する。このとき、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して三次元形状造形物(立体造形物)の一部を構成する。
以後、粉体の供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程を必要な回数繰り返すことによって、三次元形状造形物(立体造形物)を完成させる。
次に、本実施形態で使用している粉体(立体造形用粉末材料)及び造形液について説明する。
立体造形用粉末材料は、基材と、この基材を平均厚み5nm〜500nmで被覆し、造形液としての架橋剤含有水の作用により溶解し架橋可能な水溶性有機材料(バインダー)とを有してなる。
この立体造形用粉末材料においては、基材を被覆する水溶性有機材料が、架橋剤含有水の作用により溶解し架橋可能であるため、水溶性有機材料に架橋剤含有水が付与されると、水溶性有機材料は、溶解すると共に、架橋剤含有水に含まれる架橋剤の作用により架橋する。
これにより、上記立体造形用粉末材料を用いて薄層(粉体層31)を形成し、粉体層に架橋剤含有水を造形液として吐出することで、粉体層31においては、溶解した水溶性有機材料が架橋する結果、粉体層31が結合硬化して造形層30が形成される。
次に、本発明の第1実施形態について図6を参照して説明する。図6は同実施形態における造形液の吐出結果の説明に供する説明図である。
本実施形態では、1画素G1について、粉体層31に着弾した滴D1が粉体層31上(粉体上)で少なくとも一部が重なるように造形液10を複数回付与する、つまり、1画素G1の造形領域に向けて滴D1を複数回吐出する制御を行っている。ここでは、滴D1を4回付与しているが、4回に限るものではない。
この場合、複数の滴D1は同じ位置に付与されてもよいし、一部が重なって付与されてもよい。また、本実施形態では、ヘッド52を4回走査(4スキャン)することで、1つの画素について造形液10の滴D1を4回吐出付与している。また、1回の付与量は、4回の付与で1画素の造形に必要な液量になる量としている。
このように、1画素の造形に必要な液量を複数回に分けて少なくとも一部が重なるように付与することで、1回当たりの造形液の液量が少なくなり、液架橋力の力が弱まり、造形物の表面粗さや寸法精度を向上して、造形品質を向上することができる。
この場合、複数回の滴D1を付与する位置(着弾させる位置)は同じ位置であることが好ましい。付与位置が異なる場合、着弾面表面に網目状の模様が発生しやすくなる。
次に、比較例1について図7を参照して説明する。図7は比較例1における造形液の吐出結果の説明に供する説明図である。
この比較例1は、1画素G1の造形に必要な液量を有する滴D4を1回で付与するものである。
この比較例1では、1画素G1の領域全体にほぼ同時に造形液10が付与されることで、1画素の領域全体にわたってほぼ同時に液架橋力が働き、全体的に粉体20の粗密が発生し、造形物の表面粗さ及び寸法精度が低下し、所要の画像品質が得られない。
ここで、本実施形態と比較例1による造形結果の一例を図8に示している。図8(a)は本実施形態の造形物の表面を、図8(b)は比較例1の造形物の表面をそれぞれ示している。
この結果から本実施形態の造形物は比較例1の造形物に比べて表面の凹凸が低減していることが分かる。
次に、比較例2について図9を参照して説明する。図9は比較例2における造形液の吐出結果の説明に供する説明図である。
比較例2は、本実施形態の1画素G1を4分割したものを1画素G2として、4つの画素G2にそれぞれ滴D1を付与する。
この比較例2のように解像度を高くすることで精度が向上するものの、異なる位置に造形液の滴が付与されることで、粉体層に造形液が着弾し、粉体が結合硬化する時間が異なるために、造形物の表面が網目模様になり、表面粗さが低下する。
これに対し、本実施形態においては、解像度は増加しないで、少なくとも一部が重なる位置に造形液を付与するために、複数回の造形液付与であっても、粉体が結合硬化する時間に大きな差が生じなくなることから、表面粗さが向上し、精度が向上する。
次に、本発明の第2実施形態について図10のフロー図を参照して説明する。
まず、造形装置601造形動作を精度優先で行うか速度優先で行うかを選択する。この場合、指定した領域について、精度優先、速度優先を選択できるようにすることもできる。この指定は、造形データ作成装置600で予め造形データ(スライスデータ)に付加し、立体造形装置(粉体積層造形装置)601側で読み出した造形データを解析して選択(設定)することもできる。
そして、リコートを行って造形槽22に粉体層31を形成する。
その後、造形動作が精度優先か否かを判別する。
このとき、精度優先であれば、前述した第1実施形態と同様に、1画素G1について、粉体層31に着弾した滴D1が粉体層31上で少なくとも一部が重なるように造形液10を複数回吐出して付与し、造形層30を造形する。
これに対し、精度優先でなければ、つまり、速度優先であれば、前述した比較例1と同様に、1画素G1について、造形液10の滴D2を1回吐出して付与し、造形層30を造形する。
そして、最終造形層を造形するまで上記の処理を繰り返し、最終造形層まで造形したときに処理を終了する。
ここで、精度優先と速度優先の機能について説明する。
立体造形物の用途、例えば、治具や機構確認に使用する場合であれば、立体造形物の精度よりも、造形の速さが求められると考えられる。一方、製品の部品として使用する場合であれば、造形の速さよりも精度が求められると考えられる。また、立体造形物の中においても、精度を優先することが好ましい領域と精度を求められない領域があると考えられる。
そこで、造形液を複数回付与する制御を行うか否かを選択可能とすることで、造形速さが求められる場合にも対応できる。また、造形液を複数回付与する制御を行う領域を選択できるようにすることで、速度を優先しつつ、必要な精度を確保することができる。
この場合、造形データ作成装置側で、造形データを作成するときに、造形物の形状を判別し、予め定めた形状を構成する所定の領域については、造形液を複数回付与する制御を実行させるデータを付加した造形データ(スライスデータ)を作成するようにすることもできる。
例えば、立体造形物の傾斜面(特に45°未満)、円柱(特にφ0.8mm未満)の側壁面、円穴(特にφ0.6mm未満)の内壁面、スリット(特に0.4mm未満)の壁面などの少なくともいずれかを形成する領域については、造形液を複数回付与する制御を行うことで、これらの形状を高い精度で造形できる。
上記実施形態では、供給槽と造形槽の2層構造の立体造形装置で説明したが、造形槽の1層構造とし、造形槽に直接粉体を供給してブレードやローラなどの平坦化手段で平坦化する構成の立体造形装置にも本発明を適用することができる。
1 造形部
5 造形ユニット
10 造形液
12 平坦化ローラ(平坦化手段)
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
30 造形層(層状造形物)
31 粉体層(層状の粉体)
50 液体吐出ユニット
51 キャリッジ
52 液体吐出ヘッド
500 制御部

Claims (7)

  1. 敷き詰められた粉体に対し、前記粉体を結合する造形液を付与して層状造形物を造形する造形液付与手段と、
    前記粉体を敷き詰める動作と、前記造形液付与手段から前記造形液を付与させて前記層状造形物を造形する動作を繰り返して、前記層状造形物を積層した立体造形物を造形する制御をする手段と、を備え、
    前記制御をする手段は、
    前記層状造形物を造形するとき、1つの画素について、前記粉体上で一部が重なるように同じ造形液を複数回付与する制御を行う
    ことを特徴とする立体造形物を造形する装置。
  2. 前記造形液を複数回付与する制御を行うか否かを選択可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体造形物を造形する装置。
  3. 前記層状造形物の予め定めた領域については前記造形液を複数回付与する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体造形物を造形する装置。
  4. 前記予め定めた領域が、前記立体造形物の傾斜面、円柱の側壁面、円穴の内壁面、スリットの壁面の少なくともいずれかを形成する領域である
    ことを特徴とする請求項3に記載の立体造形物を造形する装置。
  5. 粉体を敷き詰める動作と、前記敷き詰められた粉体に対し、前記粉体を結合する造形液を付与して層状造形物を造形する動作を繰り返して、前記層状造形物を積層した立体造形物を造形する方法であって、
    前記層状造形物を造形するとき、1つの画素について、前記粉体上で一部が重なるように同じ造形液を複数回付与する
    ことを特徴とする立体造形物を造形する方法。
  6. 粉体を敷き詰める動作と、前記敷き詰められた粉体に対し、前記粉体を結合する造形液を付与して層状造形物を造形する動作を繰り返して、前記層状造形物を積層した立体造形物を造形する制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
    前記層状造形物を造形するとき、1つの画素について、前記粉体上で一部が重なるように同じ造形液を複数回付与する制御をコンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。
  7. 粉体を敷き詰める動作と、前記敷き詰められた粉体に対し、前記粉体を結合する造形液を付与して層状造形物を造形する動作を繰り返して、前記層状造形物を積層した立体造形物を造形する造形装置に与える前記層状造形物の造形データを作成する方法であって、
    1つの画素について、前記粉体上で一部が重なるように同じ造形液を複数回付与する造形データを作成する
    ことを特徴とする立体造形物の造形データを作成する方法。
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