JP2017154491A - 立体造形装置、立体造形方法 - Google Patents

立体造形装置、立体造形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】余剰粉体受け槽内において余剰粉体が偏って堆積して盛り上がる。【解決手段】粉体20が層状に敷き詰められ、粉体20が結合された造形層30が積層される造形槽22と、造形槽22に対して相対的に移動して、造形槽22に粉体20を敷き詰めて平坦化する平坦化ローラ12と、平坦化ローラ12の移動方向と直交する方向の長手方向の両側に配置され、平坦化ローラ12とともに移動する粉体漏れ防止部材111と、造形槽22の外側に配置され、造形槽22に敷き詰められなかった粉体20を受ける余剰粉体受け槽29とを備え、余剰粉体受け槽29の枠部29aには、粉体漏れ防止部材111が通過可能な位置に、平坦化方向に沿って高くなるように傾斜する傾斜形状部114が設けられ、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を乗り越えたときに余剰粉体受け槽29の枠部29aに当たって衝撃を付与する。【選択図】図12

Description

本発明は立体造形装置、立体造形方法に関する。
立体造形物(三次元造形物)を造形する立体造形装置(三次元造形装置)として、例えば積層造形法で造形するものが知られている。これは、例えば、造形ステージに平坦化された金属又は非金属の粉体を層状に形成し、層状の粉体(これを「粉体層」という。)に対して造形液を吐出して、粉体が結合された層状造形物(これを「造形層」という。)を形成し、この造形層上に粉体層を形成し、再度、造形層を形成する工程を繰り返し、造形層を積層することで立体造形物を造形する。
従来、3次元物体を製作するための造形材料を内部に蓄えている材料供給リザーバを設け、材料供給リザーバからの造形材料の漸増する層を受け入れる造形チャンバを設け、材料供給リザーバから送られるが、造形チャンバで受け取られない余分量の造形材料を受け入れるためのオーバーフロー・キャビティを設け、材料供給リザーバまたは造形チャンバを通る空気流れを発生させる造形装置が知られている(特許文献1)。
特許第4537476号公報
ところで、粉体層を形成するときに、供給された粉体のうち、粉体層の形成に使用されない粉体、或いは、粉体層の形成に使用されなかった粉体(これらを「余剰粉体」という。)が生じる。
そこで、特許文献1に開示されているように、余剰粉体を受ける余剰粉体受け槽を設けて回収することが行われる。この場合、造形速度の向上、装置の小型化のためには、粉体層を形成する(平坦化する)平坦化部材の移動距離を余剰粉体受け槽の途中までとする。
しかしながら、このような構成にすると、平坦化部材が余剰粉体を押し切らないために、余剰粉体が余剰粉体受け槽内で壁面に沿って偏って堆積し、余剰粉体受け槽から盛り上がるという課題がある。余剰粉体受け槽から余剰粉体が盛り上がると、平坦化部材に付着して平坦化精度が低下などの問題を生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、余剰粉体受け槽での余剰粉体の盛り上がりを低減することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る立体造形装置は、
粉体が層状に敷き詰められ、前記粉体が結合された層状造形物が積層される造形槽と、
前記造形槽に対して相対的に移動して、前記造形槽に前記粉体を敷き詰める平坦化部材と、
前記造形槽の外側に配置され、前記造形槽に敷き詰められなかった前記粉体を受ける余剰粉体受け槽と、
前記平坦化部材とともに移動し、前記余剰粉体受け槽に当たって前記余剰粉体受け槽に対して衝撃を付与する衝撃付与部材と、を備えている
構成とした。
本発明によれば、余剰粉体受け槽での余剰粉体の盛り上がりを低減することができる。
本発明を適用する立体造形装置の一例の概略平面説明図である。 同じく概略側面説明図である。 同じく造形部の断面説明図である。 粉体回収手段の説明に供する模式的説明図である。 同回収再生手段の具体例を説明する模式的説明図である。 同立体造形装置の制御部の概要のブロック図である。 造形の流れの説明に供する模式的説明図である。 余剰粉体受け槽における余剰粉体の偏在堆積の説明に供する模式的側面説明図である。 本発明の第1実施形態における平坦化ローラ周りの粉体漏れ防止機構の説明に供する側面説明図である。 同じく図9の矢印A方向から見た正面説明図である。 造形槽及び余剰粉体受け槽部分の模式的側面説明図である。 同実施形態の作用説明に供する模式的説明図である。 余剰粉体受け槽を圧電素子によって振動させる場合との差異の説明に供する説明図である。 粉体漏れ防止部材の形状説明に供する説明図である。 余剰粉体受け槽への衝撃を与えるタイミングを含めた造形の一連の流れの説明に供するフロー図である。 本発明の第2実施形態における造形層及び余剰粉体受け槽部分の説明図である。 本発明の第3実施形態の説明に供する造形槽及び余剰粉体受け槽部分の説明図である。 同実施形態における平坦化ローラの移動制御の説明に供するフロー図である。 本発明の第4実施形態における平坦化ローラの移動制御の説明に供するフロー図である。 本発明の第5実施形態の説明に供する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明を適用する立体造形装置の一例の概要について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同立体造形装置の概略平面説明図、図2は同じく概略側面説明図、図3は同じく造形部の断面説明図である。なお、図3は造形時の状態で示している。
この立体造形装置は、粉体造形装置(粉末造形装置ともいう。)であり、粉体(粉末)が結合された層状造形物である造形層30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層31に造形液10を吐出して造形層30を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化部材(リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は、回転体に代えて、例えば板状部材(ブレード)とすることもできる。
粉体槽11は、造形槽22に供給する粉体20を保持する供給槽21と、造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形槽22と、粉体層31を形成するときに平坦化ローラ12によって移送供給される粉体20のうち、粉体層31を形成しないで落下する余剰の粉体20を溜める余剰粉体受け槽29を有している。
供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。同様に、造形槽22の底部も造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された立体造形物が造形される。余剰粉体受け槽29は、底面に粉体20を吸引する機構を備えた構成や、造形槽22簡単に取り外せるような構成としてもよい。
供給ステージ23は、後述するモータ27によって矢印Z方向(高さ方向)に昇降され、造形ステージ24は、同じく、モータ28によって矢印Z方向に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に移送して供給するとともに、平坦化手段である平坦化ローラ12によって供給した粉体の層の表面を均して平坦化して、粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、後述する往復移動機構25によって移動される。また、平坦化ローラ12は、後述するモータ26によって回転駆動される。
一方、造形ユニット5は、造形ステージ24上の粉体層31に造形液10を吐出する液体吐出ユニット50を備えている。
液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70、70に昇降可能に保持されている。
このキャリッジ51は、後述するX方向走査機構550を構成するX方向走査モータによってプーリ及びベルトを介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、造形液を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ2列配置されている。一方のヘッド52aの2つのノズル列は、シアン造形液及びマゼンタ造形液を吐出する。他方のヘッド52bの2つのノズル列は、イエロー造形液及びブラック造形液をそれぞれ吐出する。なお、ヘッド構成はこれに限るものではなく、色材を含まない無色の造形液を用いてもよい。
これらのシアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63で構成される。キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形液を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形液を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形液の吐出が行われない場合に、ヘッドのノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、後述するY方向走査機構552によって全体がY方向に往復移動される。
液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、後述するZ方向昇降機構551によってZ方向に昇降される。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
粉体槽11は、箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽29との3つの上面が開放された槽を備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
造形槽22の隣りには、造形槽22外に排出される余剰な粉体を受ける余剰粉体受け部29が配置されている。余剰粉体受け槽29は、ロート形状をなし、底部に粉体20を排出可能な排出口29aを有している。
余剰粉体受け槽29には、粉体層31を形成するときに平坦化ローラ12によって移送供給される粉体20のうちの余剰の粉体20が落下する。余剰粉体受け槽29に落下した余剰の粉体20は、粉体回収再生装置である回収再生手段201を経由して、供給槽21に粉体を供給する粉体供給装置101に戻される。
粉体供給装置101は供給槽21上に配置される。造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、粉体供給装置101を構成するタンク内の粉体を供給槽21に供給する。粉体供給のための粉体搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粉体である粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、往復移動機構のモータによって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、粉体20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を平坦化することで粉体層31が形成される。
また、図2にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。
粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に対してカウンタ方向でも、順方向でも配置が可能である。
次に、粉体回収手段について図4及び図5を参照して説明する。図4は同粉体回収手段の説明に供する模式的説明図、図5は同回収再生手段の具体例を説明する模式的説明図である。
この装置では、造形槽22外に排出される粉体20を回収し、回収した粉体20を再利用可能とする処理を行う回収再生手段201を備えている。
回収再生手段201は、造形槽22外に排出される余剰の粉体20を受ける余剰粉体受け部29の排出口29aから送られる粉体20を再利用可能とする処理を行う処理手段211を備えている。処理手段211で再利用可能に処理された粉体は移送手段212で粉体供給装置101に移送する。
図5を参照して、処理手段211は、容器210内に粉体20を通過させることで凝集した粉体を排除して分級するフィルタ231を有し、容器210の外側に容器210全体を振動させる振動手段232を備えている。振動手段232で容器210全体を振動させることで、凝集した粉体を解砕しながら分級できる。
移送手段212は、処理手段211を通過した粉体20を粉体供給装置101まで移送する移送経路233と、粉体20を移送する複数のスクリュー234と、スクリュー234を回転駆動する複数のスクリュー回転モータ235とを備えている。
次に、上記立体造形装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。図6は同制御部のブロック図である。
制御部500は、この立体造形装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50の各ヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動する516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置101を駆動する供給系駆動部517と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500は、粉体後供給部80から粉体20の供給を行わせる後供給駆動部519を備えている。
制御部500は、回収再生手段201の移送スクリュー234を回転駆動するモータ23を駆動するモータ駆動部520を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置(粉体積層造形装置)601によって造形装置が構成される。
次に、造形の流れについて図7も参照して説明する。図7は造形の流れの説明に供する模式的説明図である。
造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
この1層目の造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図7(a)に示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
このとき、粉体層31表面と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔がΔt1となるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δt1が次に形成する粉体層31の厚さ(積層ピッチ)に相当する。間隔Δt1は、数十〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図7(b)に示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。
さらに、図7(c)に示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させて、造形槽22に粉体20を均しながら供給する(平坦化:供給と均しの意味である。)。
これにより、図7(d)に示すように、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さΔt1になる粉体層31が形成される。このとき、粉体層31の形成に使用されなかった余剰の粉体20は余剰粉体受け槽29に落下する。
粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は、図7(d)に示すように、Y1方向に移動されて初期位置(原点位置)に戻される(復帰される)。
ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さΔt1の粉体層31を形成できる。
その後、図7(e)に示すように、液体吐出ユニット50のヘッド52から造形液10の液滴を吐出して、粉体層31に造形層30を積層形成する(造形)。
なお、造形層30は、例えば、ヘッド52から吐出された造形液10が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。
次いで、上述した粉体供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程を繰り返して新たな造形層30を形成する。このとき、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して三次元形状造形物の一部を構成する。
以後、粉体の供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程を必要な回数繰り返すことによって、三次元形状造形物(立体造形物)を完成させる。
次に、余剰粉体受け槽における余剰粉体の偏在堆積について図8を参照して説明する。図8は同説明に供する模式的側面説明図である。
造形槽22に粉体層31を形成した平坦化ローラ12を余剰粉体受け槽29側まで移動させて余剰粉体20を余剰粉体受け槽29に送り込む。このとき、平坦化ローラ12の平坦化方向(Y2方向)への移動距離を長くして、余剰粉体受け槽29の奥(平坦化方向端部:造形槽22側と反対側の端部)まで余剰粉体を送り込めば、余剰粉体受け槽29内での粉体20の局所的な堆積は少なくなる。
しかしながら、平坦化ローラ12の余剰粉体受け槽29上で移動距離を長くすると、1層の粉体層31の形成の開始から終了までの平坦化処理(工程)に要する時間が長くなり、造形速度が低下し、また、装置が大型化することになる。
そこで、図8に示すように、余剰粉体受け槽29上での平坦化ローラ12のY2方向への移動距離を短くして、余剰粉体受け槽29の造形槽22側の領域の所要の位置で原点位置方向への復帰移動を開始させることで、造形速度の向上、装置の小型化を図るようにする。
しかしながら、このように平坦化ローラ12の移動距離を短くすると、余剰粉体20が余剰粉体受け槽29内に確実に落下しないまま壁面に付着し、次第に造形槽22側の壁面に沿って偏在して堆積し、盛り上がってしまうという問題が生じる。
このように、余剰粉体受け槽29で余剰粉体の盛り上がりが生じると、平坦化ローラ12に余剰粉体が付着したままになり、原点位置に戻るときに平坦化した粉体層31の表面を荒らすなど、造形精度の低下を生じることになる。
次に、本発明の第1実施形態における平坦化ローラ周りの粉体漏れ防止機構について図及び図10を参照して説明する。図9は同機構の説明に供する側面説明図、図10は図9の矢印A方向から見た正面説明図である。
平坦化ローラ12のX方向(移動方向と直交する方向:長手方向)の両側には、平坦化ローラ12とともに移動する粉体漏れ防止部材111が配置されている。
この粉体漏れ防止部材111は、供給槽21から造形槽22へ粉体20を移送供給するときに、粉体がX方向(主走査方向)に漏れて槽外に落下しないように防止している。
粉体漏れ防止部材111は、ピン112とばね113を備え、平坦化ローラ12のX方向端面と造形槽22の枠部22aの上面に接触しながら移動する。なお、粉体漏れ防止部材111は供給槽21の枠部の上面にも接触する。
この粉体漏れ防止部材111は、ピン112で位置を決め、ばね113で造形槽22の枠部22aなどに底面が押し付けられる構成としている。粉体漏れ防止部材111は滑りをよくするために樹脂などで形成することが好ましい。
次に、余剰粉体受け槽に衝撃を付与する構成について図11を参照して説明する。図11は造形槽及び余剰粉体受け槽部分の模式的側面説明図である。
余剰粉体受け槽29の槽枠(枠部)29b(図1参照)には、粉体漏れ防止部材111が通過可能な位置に、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの移動方向(平坦化方向:Y2方向)に沿って、一方向に高くなるように傾斜する傾斜形状部114が設けられている。ここでは、傾斜形状部114は、側面形状で直角三角形の形状としている。
ここで、余剰粉体受け槽29における傾斜形状部114は、余剰粉体受け槽29の枠部29bと同一部材でも、別部品でも良い。別部品の場合、余剰粉体受け槽29と同一材質でも、別材質でも良いが、粉体漏れ防止部材111よりも硬い材質が好ましい。これは、回数を重ねることで、傾斜形状部114が削られ、衝撃を与える効果が低下しないようにするためである。
次に、本実施形態の作用について図12も参照して説明する。図12は同作用説明に供する模式的説明図である。
図12(a)に示すように、平坦化ローラ12とともに粉体漏れ防止部材111が平坦化方向(Y2方向)に移動して造形槽22に粉体20を敷き詰めて平坦化して粉体層31が形成される。
そして、図12(b)に示すように、平坦化ローラ12とともに粉体漏れ防止部材111が余剰粉体受け槽29上に至ると、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114に乗り上げて、Y2方向への移動に伴って、傾斜形状部114の傾斜に沿ってZ1方向に上昇する。
その後、図12(c)に示すように、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を通過して傾斜形状部114から外れる、つまり、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を乗り越えたとき、粉体漏れ防止部材111は余剰粉体受け槽29の枠部29b上に落下して衝突する。
このとき、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114の傾斜に沿ってZ1方向に上昇するときに収縮されたばね113も復元し、より強い衝撃力で余剰粉体受け槽29の枠部29bに衝突する。
この粉体漏れ防止部材111の衝突によって余剰粉体受け槽29の枠部29bに衝撃が付与され、余剰粉体受け槽29の内壁面に付着している粉体20、余剰粉体受け槽29内に溜まっている粉体20が、下方向に移動する。
余剰粉体20が下方向に移動することで、Y方向において平坦化ローラ12の移動範囲が余剰粉体受け槽29の幅より短くても、余剰粉体受け槽29の内壁面に余剰粉体20が溜まって盛り上がることが低減される。
これにより、平坦化ローラ12への粉体付着を低減することができるので、造形精度の確保や、装置の小型化、造形生産性の確保ができる。
また、余剰粉体受け槽29に衝撃を与えることで、余剰粉体20がタップされ、粉体密度が上がるので、粉体20の占有体積も小さくなり、余剰粉体受け槽29のサイズ低減が可能となる。
ここで、余剰粉体受け槽29を圧電素子によって振動させる場合との差異について図13を参照して説明する。
本実施形態では、粉体漏れ防止部材111を機械的な衝突させていることから、例えば図13(a)に示すように、余剰粉体受け槽29に対して瞬間的に大きな衝撃力F1が加わることになる。
これに対し、圧電素子を用いた場合には、図13(b)に示すように、余剰粉体受け槽29が周期的な振動による力F2が与えられるだけで、本実施形態のような衝撃力は得られない。
このように、大きな衝撃力を与えられることで、例えば、SUSなどの比重が重い粉体を使用する場合でも、効果的に粉体の盛り上がりを崩すことができ、効率よく回収再利用を行うことができる。
また、余剰粉体受け槽29の内壁面の内、少なくとも造形槽22側の内壁面には、粉体20との摩擦係数を低減する処理(別の部材を貼り付ける場合を含む。)、例えば、鏡面処理などを施すことが好ましい。
このようにすれば、余剰粉体受け槽29に衝撃を与えたときに粉体20が下方にすべり転がるように落下し、衝撃を与えたときの粉体落とし効果がより向上する。
次に、粉体漏れ防止部材111の形状について図14も参照して説明する。図14は同説明に供する説明図である。
上述したように、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を通過した後に余剰粉体受け槽29上に落下して衝突することで、余剰粉体受け槽29に衝撃を与える。そのため、傾斜形状部114は、平坦化方向下流側には傾斜を持たない形状としている。
そこで、粉体漏れ防止部材111が供給槽21側に戻るときに傾斜形状部114に引っ掛からないように、粉体漏れ防止部材111には面取り部111aを設けている。この場合、粉体漏れ防止部材111の面取り部111aの高さZ3は、傾斜形状部114の高さZ4より高くしている(Z3>Z4)。
また、傾斜形状部114のY方向における傾斜開始位置は、造形槽22との境界よりも平坦化方向下流側であることが好ましい。これにより、造形槽22内の造形層30に衝撃が加わることで造形層30の位置ずれを発生したり、造形層30が破損したりすることによる立体造形物の精度低下を低減することができる。
なお、本実施形態においては、粉体漏れ防止部材111を余剰粉体受け槽29に設けた傾斜形状部114に沿って上昇させ、余剰粉体受け槽29上に落下させて衝撃を加える構成としているが、このような構成に限るものではない。平坦化ローラ12の平坦化のための移動に伴って、落下による衝撃を余剰粉体受け槽29に加えることができればよく、例えば余剰粉体受け槽29とは別に傾斜形状部を設けたり、粉体漏れ防止部材111以外の部分を傾斜形状部で受けて上昇させてもよい。
本実施形態において、粉体漏れ防止部材111が余剰粉体受け槽29に与える衝撃力は、粉体漏れ防止部材111のばね113と余剰粉体受け槽29の傾斜形状部114の高さで決まる。
例えば、比重の軽い粉体で造形する場合は、弱い衝撃力を与えることが好ましい。比重が軽い粉体の場合に強めの衝撃力を与えると、余剰粉体受け槽29内の粉体20が舞い上がり、装置内を汚したり、ヘッド52のノズルやモータ駆動部などに付着したりすることで造形精度を低下させるおそれがある。また、強めの衝撃によって造形槽22内の造形層30がひび割れしたりするおそれがある。
また、粉体付着力が強い粉体で造形する場合は、強めの衝撃力を与えることが好ましい。これは、粉体同士の付着力が強く、余剰粉体受け槽29の壁面に付着しやすいためである。
さらに、装置保管温湿度環境に応じて、例えば、高温多湿環境では粉体が凝集しやすくなるため、強い衝撃力を与えることが好ましい。
ここで、余剰粉体受け槽への衝撃を与えるタイミングを含めた造形の一連の流れについて図15のフロー図を参照して説明する。
まず、供給槽21のステージ23をZ1方向に移動し、造形槽22のステージ24をZ2方向に移動する。その後、平坦化ローラ12を回転し、Y2方向へ移動し、粉体20を供給槽21側から造形槽22側に移送供給して平坦化し、粉体層31を形成する(第1ステップ)。
そして、そのまま平坦化ローラ12を余剰粉体受け槽29上まで移動させ、余剰となった粉体20を造形槽22の外側に配置された余剰粉体受け槽29に落下させ(第2ステップ)、粉体漏れ防止部材11の傾斜形状部114を乗り越え、余剰粉体受け槽29に衝撃が与えられる(第3ステップ)。
その後、平坦化ローラ12をY1方向に移動して原点位置に復帰させる。
そして、造形ユニット5をY1方向に移動させ、ヘッド52から造形液を吐出させて粉体層31に対して造形層30を形成する(第4ステップ)。1層の粉体層31に対する造形層30の形成後、造形ユニット5をY2方向に移動させて初期位置に戻す。
その後、立体造形物の造形(立体造形)が終了したか否かを判別し、立体造形が終了するまでは上記の処理を繰り返して、立体造形物を造形する。
以上のようにして、余剰粉体受け槽で29の余剰粉体の盛り上がりを低減することできることにより、平坦化部材の移動範囲を短くして造形速度を向上し、小型化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図16を参照して説明する。図16は同実施形態における造形層及び余剰粉体受け槽部分の説明図である。
本実施形態では、余剰粉体受け槽29の枠部29bと造形槽22の枠部22aを別部品化している。
これにより、余剰粉体受け槽29に対する衝撃が造形槽22に伝わり、造形層30が位置ずれを発生したり、破損したりすることによる造形物の精度低下を低減することができる。
そして、本実施形態では、余剰粉体受け槽29の枠部29bと造形槽22の枠部22aとの間に振動吸収部材120を設けている。
これにより、余剰粉体受け槽29に対する衝撃が造形槽22に伝わることをより確実に防止することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図17を参照して説明する。図17は同実施形態の説明に供する造形槽及び余剰粉体受け槽部分の説明図である。
本実施形態では、余剰粉体受け槽29の傾斜形状部114は、余剰粉体受け槽29の造形槽22側から距離L1だけ離間した位置に配置し、造形槽22との間に、粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114に乗り上げない領域(距離L1の領域)を設けている。
距離L1の領域内でも、平坦化ローラ12は余剰粉体受け槽29に対向可能である。
ここで、平坦化ローラ12の原点位置への復帰開始位置(平坦化方向への移動位置(移動終了位置)として、図17(c)に示すように粉体漏れ防止部材111が余剰粉体受け槽29の傾斜形状部114を乗り越える位置Y3と、図17(b)に示すように粉体漏れ防止部材111が余剰粉体受け槽29の傾斜形状部114に乗りあげない位置Y4とを設定している。
そこで、本実施形態における平坦化ローラの移動制御について図18のフロー図も参照して説明する。
平坦化ローラ12による平坦化を行うとき、立体造形の開始からの平坦化工程の実施回数(造形層30を形成した回数:造形回数)nがN回以上か否かを判別する。
このとき、平坦化工程の実施回数nがN回以上でなければ、平坦化工程における移動終了位置を位置Y4に設定し、平坦化ローラ12をY2方向に移動して造形槽22に粉体層31を形成する。
そして、図17(b)に示すように、平坦化ローラ12が位置Y4まで移動したときに、平坦化ローラ12をY1方向に反転移動させて、平坦化ローラ12を原点位置まで移動させる。
その後、実施回数nをインクリメント(+1)する。
一方、平坦化工程の実施回数nがN回以上であれば、平坦化工程における移動終了位置を位置Y3に設定し、平坦化ローラ12をY2方向に移動して造形槽22に粉体層31を形成する。
そして、図17(c)に示すように、平坦化ローラ12が位置Y3まで移動したときに、平坦化ローラ12をY1方向に反転移動させて、平坦化ローラ12を原点位置まで移動させる。
これにより、造形回数nが設定回数Nになるまでは、図17(b)に示すように、平坦化ローラ12は粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を乗り上げない領域までの移動で原点位置の復帰を開始する。
そして、造形回数nが設定回数N以上になったときには、図17(c)に示すように、平坦化ローラ12を粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を乗り越える位置まで移動させて、粉体漏れ防止部材111によって余剰粉体受け槽29に衝撃を与えて粉体20を落下させる。
このように、余剰となった粉体を造形槽22の外側に配置された余剰粉体受け槽29に落下させる第2ステップを所定回数実施するまでは、余剰粉体受け槽22に衝撃を付与する第3ステップを実施しない。
すなわち、造形の初期においては、余剰粉体受け槽29の壁面に付着する粉体量が少なく、枠部29bを超えるほどに盛り上がることがないので、傾斜形状部114に乗り上げない範囲に平坦化ローラ12の移動範囲を設定する。これにより、造形速度を向上できる。
そして、造形回数が増加すると、余剰粉体受け槽29の壁面に付着する粉体量が増加するので、傾斜形状部114を乗り越える位置まで移動するように平坦化ローラ12の移動範囲を設定する。これにより、余剰粉体受け槽での余剰粉体の盛り上がりを低減できる。
なお、設定回数Nは、粉体の種類や特性、装置の保管温湿度環境によって異なる。粉体が余剰粉体受け槽29の壁面に付着しやすい条件、例えば、粉体付着率が高い場合、比重が軽い場合、装置を高温多湿環境で使用する場合などは、設定回数Nの値は小さく設定した方が好ましい。
次に、本発明の第4実施形態について図19を参照して説明する。図19は同実施形態における平坦化ローラの移動制御の説明に供するフロー図である。
傾斜形状部114の配置位置は、前記第3実施形態と同様である。本実施形態では、通常は位置Y4までの移動範囲で平坦化ローラ12を移動させて平坦化工程を実施し、所定回数M(M回)ごとに位置Y3まで平坦化ローラ12を移動させる制御をする。
つまり、平坦化ローラ12による平坦化を行うとき、平坦化工程の実施回数(造形層30を形成した回数:造形回数)nがM回目かを判別する。
このとき、平坦化工程の実施回数nがM回でなければ、平坦化工程における移動終了位置を位置Y4に設定し、平坦化ローラ12をY2方向に移動して造形槽22に粉体層31を形成する。
そして、前述した図17(b)に示すように、平坦化ローラ12が位置Y4まで移動したときに、平坦化ローラ12をY1方向に反転移動させて、平坦化ローラ12を原点位置まで移動させる。
その後、実施回数nをインクリメント(+1)する。
一方、平坦化工程の実施回数nがM回目であれば、平坦化工程における移動終了位置を位置Y3に設定し、平坦化ローラ12をY2方向に移動して造形槽22に粉体層31を形成する。
そして、前述した図17(c)に示すように、平坦化ローラ12が位置Y3まで移動したときに、平坦化ローラ12をY1方向に反転移動させて、平坦化ローラ12を原点位置まで移動させる。
その後、実施回数nをリセット(n=0)する。
これにより、造形回数nが所定回数Mでない間は、前述した図17(b)に示すように、平坦化ローラ12は粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を乗り上げない領域までの移動で原点位置の復帰を開始する。
そして、造形回数nが所定回数M回目になったときには、前述した図17(c)に示すように、平坦化ローラ12を粉体漏れ防止部材111が傾斜形状部114を乗り越える位置まで移動させて、粉体漏れ防止部材111によって余剰粉体受け槽29に衝撃を与えて粉体20を落下させる。
このように、余剰粉体受け槽29に衝撃を付与する第3ステップを実施した後に、所定回数、余剰となった粉体20を造形槽22の外側に配置された余剰粉体受け槽29に落下させる第2ステップを実施するまでは、次回の第3ステップを行わない。
すなわち、一旦、余剰粉体受け槽29に対して衝撃を与えた場合、再度、余剰粉体が盛り上がるまでには所定回数Mの平坦化工程の実施を要する。そこで、M回ごとに位置Y3まで平坦化ローラ12を移動させ、余剰粉体受け槽29に対して衝撃を与え、余剰粉体の盛り上がりを低減することで、再度、余剰粉体の盛り上がりが大きくなるまでは位置Y4までの移動で平坦化工程を行う。
これによって、造形速度を向上することができる。
なお、所定回数Mは、粉体の種類や特性、装置の保管温湿度環境によって異なる。粉体が余剰粉体受け槽29の壁面に付着しやすい条件、例えば、粉体付着率が高い場合、比重が軽い場合、装置を高温多湿環境で使用する場合などは、所定回数Mの設定値は小さく設定した方が好ましい。
次に、本発明の第5実施形態について図20を参照して説明する。図20は同実施形態の説明に供する説明図である。
本実施形態では、平坦化ローラ12及び粉体漏れ防止部材111などを保持し、Y方向に移動する平坦化ローラユニット130を備えている。平坦化ローラユニット130は、Y方向に配置されたガイドレール131に沿って移動可能である。
そして、平坦化ローラユニット130の側板132に、平坦化ローラ12とともに移動し、余剰粉体受け槽29の枠部29bの外面に当たって余剰粉体受け槽29に対して衝撃を付与する衝撃付与部材135を設けている。
これにより、平坦化ローラユニット130の移動で余剰粉体受け槽29に衝撃を与えることができるので、余剰粉体受け槽29での余剰粉体の盛り上がりを低減することができ、追加部品が不要であるので、部品コスト低減を図れる。
この場合、前述した第3実施形態、あるいは、第4実施形態と同様な平坦化ローラの移動制御を行い、造形速度の向上を図ることができる。
つまり、平坦化ローラユニット130の移動終了位置として、平坦化ローラ12が余剰粉体受け槽29に対向するが、衝撃付与部材135が余剰粉体受け槽29に当たらない位置を設定する。
そして、前述した第3実施形態と同様に、平坦化工程の実施回数が設定回数Nになるまでは衝撃付与部材135が余剰粉体受け槽29に当たらない領域で移動させ、設定回数N以上になったときには衝撃付与部材135が余剰粉体受け槽29に当たる位置まで移動させる。
あるいは、前述した第4実施形態と同様に、所定回数M毎に衝撃付与部材135が余剰粉体受け槽29に当たる位置まで移動させる。
これによって、造形速度の向上を図ることができる。
1 造形部
5 造形ユニット
10 造形液
12 平坦化ローラ(平坦化部材、回転体)
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
29 余剰粉体受け槽
30 造形層(層状造形物)
31 粉体層(層状の粉体)
50 液体吐出ユニット
51 キャリッジ
52 液体吐出ヘッド
111 粉体漏れ防止部材
114 傾斜形状部
135 衝撃付与部材

Claims (15)

  1. 粉体が層状に敷き詰められ、前記粉体が結合された層状造形物が積層される造形槽と、
    前記造形槽に対して相対的に移動して、前記造形槽に前記粉体を敷き詰める平坦化部材と、
    前記造形槽の外側に配置され、前記造形槽に敷き詰められなかった前記粉体を受ける余剰粉体受け槽と、
    前記平坦化部材とともに移動し、前記余剰粉体受け槽に当たって前記余剰粉体受け槽に対して衝撃を付与する衝撃付与部材と、を備えている
    ことを特徴とする立体造形装置。
  2. 前記衝撃付与部材は、上方から前記余剰粉体受け槽の枠部に落下することで衝撃を付与する
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  3. 前記衝撃付与部材は、前記平坦化部材とともに水平方向に移動することで、余剰粉体受け槽の外枠に当たって衝撃を付与する
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  4. 前記平坦化部材の水平方向への移動に伴い、前記衝撃付与部材を上方へ押し上げる傾斜形状部を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の立体造形装置。
  5. 前記傾斜形状部が前記余剰粉体受け部の枠部に設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の立体造形装置。
  6. 前記衝撃付与部材は、前記平坦化部材の移動方向と直交する方向の長手方向の両側に配置され、前記平坦化部材とともに移動する粉体漏れ防止部材であり、
    前記余剰粉体受け槽の枠部には、前記漏れ防止部材が通過可能な位置に、前記平坦化部材が平坦化を行うときの移動方向に沿って高くなるように傾斜する傾斜形状部が設けられ、
    前記漏れ防止部材が前記傾斜形状部を乗り越えたときに前記余剰粉体受け槽の枠部に当たって衝撃を付与する
    ことを特徴とする請求項5に記載の立体造形装置。
  7. 前記造形槽の枠部と前記余剰粉体受け槽の枠部とは別部材である
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の立体造形装置。
  8. 前記造形槽の枠部と前記余剰粉体受け槽の枠部との間に振動吸収部材を設けた
    ことを特徴とする請求項7に記載の立体造形装置。
  9. 前記余剰粉体受け槽の前記傾斜形状部は、前記余剰粉体受け槽の前記造形槽側から離間した位置に配置されて、前記造形槽との間に、前記衝撃付与部材が前記傾斜形状部に乗り上げない領域が設けられ、
    前記平坦化部材は、前記領域で前記余剰粉体受け槽に対向可能であり、
    前記平坦化部材による平坦化の回数が設定回数になるまでの間は、前記平坦化部材の移動位置を前記領域までとする
    ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の立体造形装置。
  10. 前記余剰粉体受け槽の前記傾斜形状部は、前記余剰粉体受け槽の前記造形槽側から離間した位置に配置されて、前記造形槽との間に、前記漏れ防止部材が前記傾斜形状部に乗り上げない領域が設けられ、
    前記平坦化部材は、前記領域で前記余剰粉体受け槽に対向可能であり、
    前記平坦化部材による平坦化の回数が所定回数になる毎に、前記漏れ防止部材が前記傾斜形状部に乗り越える位置まで前記平坦化部材を移動させる
    ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の立体造形装置。
  11. 前記余剰粉体受け槽の内壁面には前記粉体との摩擦係数を低減する処理が施されている
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の立体造形装置。
  12. 前記平坦化部材はローラである
    ことを特徴とする請求項1ないし11に記載の立体造形装置。
  13. 粉体が結合された層状造形物が積層される造形槽に前記粉体を敷き詰める第1ステップと、
    前記第1ステップにおいて余剰となった粉体を造形槽の外側に配置された余剰粉体受け槽に落下させる第2ステップと、
    前記余剰粉体受け槽に衝撃を付与する第3ステップと、
    前記粉体に造形液を付与して造形層を形成する第4ステップと、を含む工程を少なくとも一度行うことを特徴とする立体造形方法。
  14. 前記第2ステップを所定回数実施するまでは、前記第3ステップを実施しない
    ことを特徴とする請求項13に記載の立体造形方法。
  15. 前記第3ステップを実施した後に、所定回数の前記第2ステップを実施するまでは、次回の第3ステップを行わないことを特徴とする請求項13に記載の立体造形方法。
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