JP2017198488A - 電流測定装置および微粒子検出装置 - Google Patents

電流測定装置および微粒子検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コロナ放電の電圧を安定化するために、コロナ電流を含む電流を測定する。【解決手段】絶縁トランスの一次側に印加された一次電圧に応じて前記絶縁トランスの二次側に発生された二次電圧を用いて、一次側に印加された電圧より高圧の直流電圧を発生させ、この直流電圧により、所定の空間にコロナ放電を発生させる。このとき、所定の空間を介して流れる測定電流を電圧信号に変換し、これを、時間と共に漸増または漸減する部分の繰り返しを少なくとも含む基準電圧信号と比較回路により比較し、パルス幅の信号に変換する。変換されたパルス幅の信号を、電気的な絶縁を保って測定回路に入力し、測定電流を測定する。【選択図】図4

Description

本発明は、微粒子の測定に用いる電流測定装置および微粒子検出装置に関する。
気体中の微粒子(PM)を検出する微粒子検出装置としてコロナ放電を利用したものが知られている(例えば下記特許文献1参照)。こうした装置では、コロナ放電の際のコロナ電流を制御して、コロナ放電により一定量のイオンを発生させる。このイオンの一部が微粒子を帯電させることから、イオンにより帯電された微粒子を外部に放出することで生じるイオン電流を測定することで、微粒子を測定している。帯電する微粒子の量は、発生したイオンの量にも影響をうけるから、発生するイオンの量を一定に制御するため、コロナ放電に用いられる電流の大きさを測定することが必要になる。
特開2014−219255号公報
上記特許文献1の微粒子測定の技術は、測定側とコロナ放電の発生側とを絶縁した上で、コロナ電流を測定する優れたものであるが、測定回路の精度の向上が更に望まれていた。特に、コロナ放電に伴う電流は、通常、マイクロアンペア(μA)程度の微少電流であるため、これを高精度に検出するために、測定回路におけるオフセット誤差やゲイン誤差の低減が求められていた。
引用文献1記載の構成では、コロナ電流に対応する電圧信号を、電気的な絶縁を保ったまま測定側に渡すために、A/D変換器を用い、その出力をフォトカプラの入力側に接続している。そしてフォトカプラで絶縁された出力側の信号をD/A変換器で再びアナログ信号に変換して、センサ制御部に入力している。このため、既存のA/D変換器やD/A変換器の変換速度や変換精度の制約を受けてしまい、もとめる性能を達成することが困難だった。
また、コロナ電流に対応する電圧信号をそのまま読み取る回路構成では、回路構成の一部に何らかの不具合が生じても、これを判別することは困難であった。例えば、A/D変換器やD/A変換器が故障して、その出力がコロナ電流とは関係がない値に固定されても、これを識別することは困難であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の第1態様として、電流測定装置が提供される。この電流測定装置は、絶縁トランスの一次側に印加された一次電圧に応じて前記絶縁トランスの二次側に発生された二次電圧を用いて、前記一次側に印加された電圧より高圧の直流電圧を発生させる昇圧回路と、前記昇圧回路に接続された電極を備え、前記直流電圧により、所定の空間にコロナ放電を発生させる放電部と、前記所定の空間を形成する少なくとも一部が導電性のケースを介して流れる測定電流であって、前記コロナ放電によるコロナ電流を含む前記測定電流を電圧信号に変換する電圧変換部と、時間と共に漸増または漸減する部分の繰り返しを少なくとも含む基準電圧信号を生成する発振回路と、前記変換された電圧信号を前記基準電圧信号と比較することにより、前記測定電流の大きさに対応したパルス幅の信号に変換する比較回路と、前記変換されたパルス幅の信号を、電気的な絶縁を保って入力し、前記測定電流を測定する測定回路と、を備える。
かかる電流測定装置は、コロナ電流を含む測定電流を電圧信号に変換し、これを電圧信号に変換した上で、発振回路が出力する基準電圧信号と、比較回路により比較してパルス幅の信号に変換する。この信号は、測定電流の大きさに対応したパルス幅を備えるので、これを用いて測定電流を測定することができる。従って、測定電流の測定の応答性や分解能などの設定やその変更に容易に行なうことができる。
(2)こうした電流測定装置において、前記測定回路による測定結果を入力し、前記測定電流が安定化するように、前記絶縁トランスの前記一次側の電圧を制御する電圧制御部を更に備えるものとしてもよい。こうすれば、コロナ電流を含む測定電流を測定できるだけでなく、その安定化を図ることも容易である。
(3)こうした電流測定装置において、前記発振回路は、三角波、正弦波、鋸波のうちのいずれか一つの形態で前記基準電圧信号を生成するものとしてよい。これらの信号は、生成することが容易である。なお、これ以外に台形波を用いてもよい。
(4)本発明の第2の態様として、気体中の微粒子を検出する微粒子検出装置が提供される。この微粒子検出装置は、前記気体が流通する測定室と、前記測定室に設けられ、前記測定室内に設けられたコロナ放電用電極に直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせるコロナ放電部と、前記コロナ放電によって発生したイオンにより、前記気体中の微粒子を帯電させ、前記微粒子の帯電により変化するイオン電流を測定するイオン電流測定部と、前記測定した前記イオン電流に基づいて、前記微粒子を検出する微粒子検出部と、を備える。
かかる態様の微粒子検出装置において、コロナ放電部は、絶縁トランスの一次側に印加された一次電圧に応じて前記絶縁トランスの二次側に発生された二次電圧を用いて、前記直流電圧を発生させる昇圧回路と、前記昇圧回路の出力を前記コロナ放電用電極に接続し、前記直流電圧により、前記所定の空間を介して流れる測定電流であって、前記コロナ放電によるコロナ電流を含む前記測定電流を電圧信号に変換する電圧変換部と、時間と共に漸増または漸減する部分の繰り返しを少なくとも含む基準電圧信号を生成する発振回路と、前記変換された電圧信号を前記基準電圧信号と比較することにより、前記測定電流の大きさに対応したパルス幅の信号に変換する比較回路と、前記変換されたパルス幅の信号を、電気的な絶縁を保って入力し、前記測定電流を安定化するように、前記絶縁トランスの一次側の電圧を制御する電圧制御部とを備えてよい。かかる微粒子検出装置は、前記測定電流が安定化された状態で、前記微粒子の検出を行なう。
(5)上記微粒子検出装置において、前記電圧制御部は、前記パルス幅が、前記基準電圧信号の周波数から想定されるパルス幅の範囲外となっている場合に、前記コロナ放電部に故障が生じたと判断するものとしてよい。こうすれば、電圧制御部は、コロナ放電部の故障を容易に検出することができる。この結果、電圧制御部は、故障検出の結果を外部に報知するなどの対応をとってもよく、絶縁トランスの一次側の電圧を制御して、故障発生時のコロナ放電を停止するなどの対応を執ることも可能である。
本発明は、上記態様の他、測定したコロナ放電の電流に基づいて、コロナ放電を安定化させる装置や、排ガス中の微粒子を検出して排ガスを排気した内燃機関などの運転を制御する装置などとして実施することも可能である。
第1実施形態に係る微粒子検出装置の全体構成を説明するための説明図である。 微粒子センサの先端部の概略構成を模式的に示した説明図である。 電気回路部の概略構成を例示した説明図である。 二次側の詳細な回路構成を示す回路図である。 発振回路と比較回路との電気信号の様子を示す説明図である。 故障検出を伴う微粒子量検出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態における電気回路部の概略構成を例示した説明図である。 第2実施形態における微粒子センサの先端部分の形状を模式的に示す説明図である。 第2実施形態における二次側の詳細な回路構成を示す回路図である。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態に係る微粒子検出装置10の全体構成を説明するための説明図である。図1の上欄(a)は、微粒子検出装置10を搭載した車両50の概略構成を例示した説明図である。図1の下欄(b)は、車両50に取り付けられた微粒子検出装置10の概略構成を例示した説明図である。図1の下欄(b)に示した範囲が、電流測定装置の実施形態に相当する。即ち、図1の微粒子検出装置10は、電流測定装置を内蔵している。以下、両者を一体に説明する。
第1実施形態の微粒子検出装置10は、微粒子センサ100と、ケーブル20と、センサ駆動部30とを含んで構成され、内燃機関40から排出される排ガスEGに含まれる煤などの微粒子の量を測定する。内燃機関40とは、車両50の動力源であり、本実施形態では、ディーゼルエンジンである。
微粒子センサ100は、内燃機関40から延びる排ガス配管62に取り付けられるとともに、ケーブル20によってセンサ駆動部30と電気的に接続されている。本実施形態では、微粒子センサ100は、フィルタ装置41(例えば、DPF(Diesel particulate filter))よりも下流側の排ガス配管62に取り付けられている。微粒子センサ100は、気体である排ガスEGに含まれる微粒子の量に相関する信号をセンサ駆動部30に出力する。
センサ駆動部30は、微粒子センサ100を駆動させるとともに、微粒子センサ100から入力される信号に基づいて、排ガスEG中の微粒子の量を検出する。センサ駆動部30が検出する「排ガスEG中の微粒子の量」とは、排ガスEG中の微粒子の表面積の合計に比例する値であってもよいし、微粒子の質量の合計に比例する値であってもよい。または、排ガスEGの単位体積中に含まれる微粒子の個数に比例する値(微粒子の濃度)であってもよい。この場合には、微粒子センサ100を通過した排ガスEGの量を別途測定しておく。微粒子センサ100を通過する排ガスEGの量は、排ガス配管62に設けた流量センサ(図示省略)の出力から求めたり、車両の運転状態に関する複数のパラメータを用いた公知の手法により推定したりすることができる。
センサ駆動部30は、車両50側の車両制御部42と電気的に接続されており、検出した排ガスEG中の微粒子量を示す信号を車両制御部42に出力する。車両制御部42は、センサ駆動部30から入力される信号に応じて、内燃機関40の燃焼状態や、燃料配管61を介して燃料供給部43から内燃機関40に供給される燃料の供給量などを制御する。車両制御部42は、例えば、排ガスEG中の微粒子量が所定量よりも多い場合には、フィルタ装置41の劣化や異常を車両50の運転手に警告するように構成されていてもよい。車両には、バッテリ44が搭載されており、車両の各部に電力を供給する。後述する各回路は、電源回路を備える場合があり、このバッテリ44からの電力を元に、必要に応じて動作用の電圧を提供する。
図1下欄(b)に示すように、微粒子センサ100は、円筒形状の先端部100eを備えており、この先端部100eが排ガス配管62の内側に挿入された状態で、排ガス配管62の外表面に固定されている。ここでは、微粒子センサ100の先端部100eは、排ガス配管62の延伸方向DLに対してほぼ垂直に挿入されている。先端部100eのケーシングCSの表面には、排ガスEGをケーシングCSの内部に取り込むための流入孔145と、取り込んだ排ガスEGをケーシングCSの外部に排出するための排出孔135とが設けられている。排ガス配管62の内部を流通する排ガスEGの一部は、流入孔145を介して先端部100eのケーシングCSの内部に取り込まれる。取り込まれた排ガスEG中に含まれる微粒子は、微粒子センサ100において生成するイオン(ここでは、陽イオン)によって帯電される。帯電した微粒子を含む排ガスEGは、排出孔135を介してケーシングCSの外部に排出される。ケーシングCSの内部の構成や、微粒子センサ100の具体的な構成については後述する。
微粒子センサ100の後端部100rには、ケーブル20が取り付けられている。ケーブル20は、第1の配線21と、第2の配線22と、信号線23と、空気供給管24と、を束ねた構成を備えている。ケーブル20を構成する配線21〜23と、空気供給管24は、それぞれ可撓性の部材によって構成されている。第1の配線21、第2の配線22、および、信号線23は、センサ駆動部30の電気回路部70に電気的に接続され、空気供給管24は、空気供給部80に接続されている。
センサ駆動部30は、制御部60と、電気回路部70と、空気供給部80とを備えている。制御部60と電気回路部70との間、および、制御部60と空気供給部80との間は、必要な電気的な絶縁を施した上で、それぞれ電気的な信号のやり取りが可能とされている。
制御部60は、マイクロコンピュータを含んで構成されており、電気回路部70と空気供給部80とを制御する。また、制御部60は、電気回路部70から入力される信号から排ガスEG中の微粒子の量を検出し、排ガスEG中の微粒子量を表す信号を車両制御部42に出力する。この他、制御部60は、電気回路部70の異常検出も行なう。制御部60が行なう異常検出の処理については、後で詳しく説明する。
電気回路部70は、第1の配線21および第2の配線22を介して、微粒子センサ100を駆動するための電力を供給する。また、電気回路部70は、信号線23を介して微粒子センサ100からコロナ電流に相関する信号が入力される。電気回路部70は、信号線23から入力される信号を用いて、コロナ電流の安定化を図り、その上で、排ガスEG中の微粒子量に対応するイオン電流に応じた信号を制御部60に出力する。これらの信号の具体的な内容については後述する。
空気供給部80は、ポンプ(図示しない)を含んで構成されており、制御部60からの指示に基づいて、空気供給管24を介して、高圧空気を微粒子センサ100に供給する。空気供給部80から供給される高圧空気は、微粒子センサ100を駆動させるときに用いられる。なお、空気供給部80が供給するガスの種類は空気以外であってもよい。
図2は、微粒子センサ100の先端部100eの概略構成を模式的に示した説明図である。微粒子センサ100の先端部100eは、全体が、排ガス配管62の内部に配置され、排ガスEGに晒されている。微粒子センサ100の先端部100eは、イオン発生部110と、排ガス帯電部120と、イオン捕捉部130と、を備えている。ケーシングCSは、イオン発生部110、排ガス帯電部120、および、イオン捕捉部130の3つの機構部がこの順に先端部100eの基端側(図2の上方)から先端側(図2の下方)に向かって(換言すれば、微粒子センサ100の軸線方向に沿って)並んだ構成を有している。ケーシングCSは、導電性部材によって形成され、信号線23(図1)を介して、図3、図4を用いて後述するように、電気回路部70の内部で、二次側グランドSGLに接続されている。
イオン発生部110は、排ガス帯電部120に供給するイオン(ここでは陽イオン)を発生させるための機構部であり、イオン発生室111と、第1の電極112とを含んで構成されている。イオン発生室111は、ケーシングCSの内側に形成された小空間であり、内周面には空気供給孔155とノズル124とが設けられ、内部には第1の電極112が突出した状態で取り付けられている。空気供給孔155は、空気供給管24(図1)と連通しており、空気供給部80(図1)から供給される高圧空気をイオン発生室111に供給する。ノズル124は、排ガス帯電部120との間を区画する隔壁142の中心部付近に設けられた微小孔(オリフィス)であり、イオン発生室111で発生したイオンを排ガス帯電部120の帯電室121に供給する。第1の電極112は、棒状の外形を備え、先端部が隔壁142と近接するようにして基端部がセラミックパイプ25を介してケーシングCSに固定されている。第1の電極112は、第1の配線21(図1)を介して電気回路部70(図1)に接続されている。その詳細は後述する。
イオン発生部110は、第1の電極112を陽極とし、隔壁142を陰極として、電気回路部70により、直流電圧(例えば、2〜3kV)が印加される。イオン発生部110は、この電圧の印加によって、第1の電極112の先端部と、隔壁142との間にコロナ放電が生じる。コロナ放電は、第1の電極112周辺の空気を構成する分子の一部を電離する。これにより、第1の電極112の周りに陽イオンPIが発生する。イオン発生部110において発生した陽イオンPIは、空気供給部80(図1)から供給される高圧空気とともに、ノズル124を介して排ガス帯電部120の帯電室121に噴射される。ノズル124から噴射される空気の噴射速度は音速程度とすることが好ましい。
排ガス帯電部120は、排ガスEGに含まれる微粒子を陽イオンPIによって帯電させるための部位であり、帯電室121を備えている。帯電室121は、イオン発生室111と隣接する小空間であり、ノズル124を介してイオン発生室111と連通している。また、帯電室121は、流入孔145を介して、ケーシングCSの外部と連通し、ガス流路134を介してイオン捕捉部130の捕捉室131と連通している。帯電室121は、ノズル124から陽イオンPIを含む空気が噴射されたときに内部が負圧になり、流入孔145を介してケーシングCSの外部の排ガスEGが流入するように構成されている。そのため、ノズル124から噴射された陽イオンPIを含む空気と、流入孔145から流入した排ガスEGとは、帯電室121の内部において混合される。このとき、流入孔145から流入した排ガスEGに含まれる煤S(微粒子)の少なくとも一部は、ノズル124から供給される陽イオンPIにより帯電される。帯電した煤Sと帯電に供されなかった陽イオンPIとを含む空気は、ガス流路31を介してイオン捕捉部130の捕捉室131に供給される。
図2において、陽イオンPIを「○」に「+」として、煤Sをハッチングした「○」として、それぞれ図示した。陽イオンPIは、視認できないので、図示は理解を図るための模式なものである。また、煤Sの大きさも、説明のためであり、実際には、0.1μmから数十μm程度のものが多い。微粒子である煤Sの大きさいは、使用する内燃機関40の種類やその燃料、燃焼の状態などにより異なる。
イオン捕捉部130は、煤S(微粒子)の帯電に使用されなかったイオンを捕捉するための部位であり、捕捉室131と、第2の電極132とを含んで構成されている。捕捉室131は、帯電室121と隣接する小空間であり、ガス流路134を介して帯電室121と連通している。また、捕捉室131は、排出孔135を介して、ケーシングCSの外部と連通している。
第2の電極132は、略棒状の外形を備え、長手方向がガス流路134を流通する空気の流通方向(ケーシングCSの延伸方向)に沿うようにしてケーシングCSに固定されている。第2の電極132は、第2の配線22(図1)を介して電気回路部70(図1)に接続されている。第2の電極132は、煤Sの帯電に供されなかった陽イオンの捕捉を補助する補助電極として機能する。具体的には、イオン捕捉部130は、電気回路部70により、第2の電極132を陽極とし、帯電室121および捕捉室131を構成するケーシングCSを陰極として、100V程度の電圧が印加されている。これにより、煤Sの帯電に用いられなかった陽イオンPIは、第2の電極132から斥力を受けて、第2の電極132から離れる方向に移動しやすい状態とされる。移動方向が第2の電極132から離れる方向とされた陽イオンPIは、陰極として機能する捕捉室131やガス流路134の内周壁に捕捉される。一方、陽イオンPIが帯電された煤Sは、陽イオンPIの単体と同様に第2の電極132から斥力を受けるが、質量が陽イオンPIと比較して格段に大きいため、斥力によってその進行方向に与えられる影響が、単体の陽イオンPIに比較して小さい。そのため、帯電した煤Sは、排ガスEGの流れに従って、排出孔135からケーシングCSの外部へと排出される。
微粒子センサ100は、イオン捕捉部130における陽イオンPIの捕捉量に応じた電流の変化を示す信号を出力する。制御部60(図1)は、微粒子センサ100から出力された信号に基づいて、排ガスEG中に含まれる煤Sの量を検出する。微粒子センサ100から出力される信号から排ガスEG中に含まれる煤Sの量を算出する方法については後述する。
図3は、電気回路部70の概略構成を示す説明図である。電気回路部70は、ドライバ71と、絶縁トランス72と、コロナ電流測定回路73と、イオン電流測定回路74と、第1,第2,第3の整流回路81,82,12と、を備えている。電気回路部70は、絶縁トランス72を挟んで、大きくは絶縁トランス72の一次側と二次側とに分けられる。一次側と二次側とは、それぞれ独立の電源により動作する。一次側の電源は、バッテリ44に接続された電源部46により、安定化された電圧として供給される。ドライバ71の各回路75.76はもとより、制御部60等も、電源部46からドライバ71に供給される直流電源により動作する。この電源は、図3を初めとする各図において、「○」印にVp として示した。なお、二次側の電源は、複数種類存在するので、別途説明する。
本実施形態の絶縁トランス72は、一次側の巻線と二次側の巻線とが、電気的にはもとより、物理的にも接触していない。このため、絶縁トランス72の一次側と二次側とは、完全に切り離されている。図3において、破線は、電気回路部70の一次側と二次側の境界を示している。絶縁トランス72の一次側の回路としては、ドライバ71のほか、制御部60や電源部46が含まれる。絶縁トランス72の二次側の回路としては、微粒子センサ100や第1,第2,第3の整流回路81,82,12が含まれる。コロナ電流測定回路73とイオン電流測定回路74は、絶縁トランス72の一次側の回路と二次側の回路との間に跨がる回路であり、両方の回路にそれぞれ電気的に接続されている。コロナ電流測定回路73は、後述するように、絶縁トランス72の一次側の回路に電気的に接続される回路部分と、二次側の回路に電気的に接続されている回路部分とが存在するが、両者は、電気的に絶縁されている。
電気的に絶縁された一次側と二次側とは、それぞれ個別にグランド電位(接地電位)を定め、接地配線を設けている。ここでは、一次側の回路の基準電位を示すグランドを「一次側グランドPGL」と呼び、図3等では「▽」印により示すものとした。また、二次側の回路の基準電位を示すグランドを「二次側グランドSGL」と呼び、同じく図3等では、「▼」印で示すものとした。絶縁トランス72は、二次側の巻線の終端のタップST4が二次側グランドSGLに接続されている。イオン電流測定回路74は、一次側グランドPGLに接続されている(図4参照)。
ドライバ71は、絶縁トランス72の一次側巻線に供給する電力を調整する回路であり、放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76とを備える。ドライバ71は、この放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76との協働により、絶縁トランス72の一次側と共に、プッシュプル型の電源回路を構成する。放電電圧制御回路75は、出力電圧可変のDC/DCコンバータ(図示省略)を内蔵し、電源部46の出力する電圧Vpを昇圧し、これを、絶縁トランス72の一次側巻線のセンタタップPT1に印加する。DC/DCコンバータの出力電圧は、制御部60により調整可能である。トランス駆動回路76は、絶縁トランス72の一次側巻線の両端のタップPT2,PT3にそれぞれ接続される2つのスイッチング素子を備える。スイッチング素子は、ドライバ71の一次側グランドPGLとタップPT2、PT3との間に介装されている。トランス駆動回路76は、この2つのスイッチング素子を数十KHzで交互に繰り返しオン・オフすることで、放電電圧制御回路75から供給される直流電圧を交流に変換する。こうした一次側に印加された交流電圧を、絶縁トランス72は、その一次側と二次側のコイルの巻線比より変換し、二次側の電圧を生成する。絶縁トランス72の二次側の回路構成については、後述する。
電源部46が生成する電圧Vpで動作するもうひとつの回路である制御部60は、第1の配線21を介して微粒子センサ100の第1の電極112に供給される入力電流Iinの電流値が予め設定された目標電流値(例えば、5μA)となるように、絶縁トランス72の一次側に印加される電圧を制御する。この制御の方法については後述する。これにより、イオン発生部110において、コロナ放電によって発生する陽イオンPIの発生量は一定に保たれる。
絶縁トランス72は、上述したように、プッシュプル型の電源回路を構成する。絶縁トランス72の二次側の電圧は、一次側に供給される電圧と、一次側巻線および二次側巻線の巻線数の比とに応じて定まる。二次巻線には複数のタップが設けられ、二次側のグランドSGLに対して、全部で3種類の交流電圧を取り出すことができる。図4に示すように、最も巻線数比の高いタップST1の出力は、第1の整流回路81に接続され、次に巻線数比の高いタップST2の出力は、第2の整流回路82に接続されている。最も巻線数比の低いタップST3の出力は、第3の整流回路12に、接続されている。
第1,第2の整流回路81、82は、絶縁トランス72から出力されたそれぞれの電圧の交流を整流し、直流に変換する。第1の整流回路81は、多段のチャージポンプからなり、直流に変換した電圧を、10倍程度の電圧に昇圧する。図3に示すように、第1の整流回路81の出力(直流)は、ショート保護用抵抗83を介して第1の電極112に接続されており、変換した直流電圧を、第1の配線21を介して第1の電極112に印加する。すなわち、第1の整流回路81により印加される直流電圧は、ほぼ第1の電極112における放電電圧となり、第1の整流回路81から供給される直流電流は、第1の電極112に入力される入力電流Iinとなる。第2の整流回路82は、絶縁トランス72により昇圧された交流電圧を整流する。第2の整流回路82は、ショート保護用抵抗84を介して第2の電極132に接続されており、整流後の直流電圧を第2の配線22を介して第2の電極132に印加する。上記の説明では、第2の整流回路82は第1の整流回路81とは、異なる回路構成としたが、第1の整流回路81と同様、チャージポンプを用いた構成としてもよい。第3の整流回路12については、後で詳しく説明する。
コロナ電流測定回路73は、イオン発生部110において発生するコロナ放電によって流れる放電電流(コロナ電流)の電流値を検出するための回路であり、イオン電流測定回路74は、イオン捕捉部130において捕捉されずに流出した陽イオンPIに相当する電流(Ic)を二次側の回路に供給することで、イオン電流を測定する回路である。コロナ電流測定回路73等の詳細な回路構成は、図4を用いて説明するので、ここでは簡単に各部の接続についてのみ説明する。
微粒子センサ100のケーシングCSからの信号線23は、電気回路部70の内部で、イオン電流測定回路74の入力ライン95と接続されており、接続後の信号ライン98は、電圧変換部に相当するシャント抵抗器R1を介して、二次側グランドSGLに接続されている。このシャント抵抗器R1の両端は、配線91,92により、コロナ電流測定回路73の二次側に接続されている。コロナ電流測定回路73の一次側は、配線93により、制御部60に接続されている。他方、イオン電流測定回路74の出力は、配線94により、制御部60に接続されている。
次に、図4を用いて、第3の整流回路12とコロナ電流測定回路73の詳細について説明する。第3の整流回路12は、フォワード方式を採用しており、絶縁トランス72から所定電圧の交流を入力し、これを整流して、直流電圧に変換する。変換された直流電圧は完全な直流にはなっていないので、後段の二次側電圧生成回路13に入力し、安定な直流定電圧を得る。二次側電圧生成回路13は、精度の良い三端子レギュレータ等により容易に実現できる。二次側電圧生成回路13の出力は、コロナ電流測定回路73を構成するオペアンプなどの電源として用いられる。これを、駆動電圧Vccと呼ぶものとし、図4においては、「●」印に「Vcc」として示した。
駆動電圧Vccにより動作するコロナ電流測定回路73は、発振回路14と、抵抗器R2,R3と共に非反転増幅器を構成するオペアンプ15と、比較回路として構成されたオペアンプ16と、フォトカプラ17と、フォトカプラ17を駆動するトランジスタTR1とを備える。発振回路(OSC)14は、内部に二つのオペアンプを備え、前段のシュミット回路と後段の積分回路とを組み合わせ、帰還をかけて発振を継続するように構成した。発振回路14は、積分回路の積分動作を利用して、所定周波数(本実施形態では、5KHz)の三角波信号Sosc を出力する。三角波信号Soscにおいて時間とともに漸増および漸減する電圧範囲は、二次側グランドSGLから駆動電圧Vccまでの全範囲である。図5の上段に、三角波信号Sosc の一例を模式的に示した。三角波の周波数は、もっと低周波側(例えば、10Hz程度まで)でも良いし、もっと高周波側(例えば10KHz程度まで)でもよい。周波数が低くなると、測定における分解能は高まるが、単位時間当たりの測定回数は少なくなる。他方、周波数が高くなると、測定における分解能は低くなるが、単位時間当たりの測定回数は多くなる。分解能は、コロナ電流測定回路73の出力を受けて測定を行なう制御部60の動作周波数にも拠るので、必要な分解能と測定回数を満足できるように、三角波の周波数を設定すればよい。
オペアンプ15の非反転入力端子+には、一端が二次側グランドSGLに接続されたシャント抵抗器R1の他端の電位が入力されている。オペアンプ15は、この電位を、増幅度A=1+R3/R2で増幅して出力する公知の非反転増幅器として構成されている。シャント抵抗器R1には、ケーシングCSから信号線23を介した電流(Idc+Itrp)と、イオン電流測定回路74からのイオン電流(Ic )とが、二次側グランドSGLに向けて流れ込むので、シャント抵抗器R1には、合計電流(Iall =Idc+Itrp+Ic )が流れる。ここで、電流Idcは、コロナ放電により、第1の電極112から隔壁142を介してケーシングCSに流れる電流であり、電流Itrp は、ケーシングCSに捕捉された陽イオンPIの電荷に相当する電流である。また、電流Ic は、コロナ放電により発生した陽イオンPIのうち、煤Sの帯電に用いられ、排ガスEGと共にケーシングCSの外部へと持ち去られた陽イオンPIの電荷に相当する電流、すなわちイオン電流に相当する。
煤Sと共に外部に持ち去られた陽イオンPIに相当する電流Ic が、イオン電流測定回路74から供給されるのは、持ち去られた陽イオンPIに相当する電荷は、どこかでグランドに落ち、車両50のシャーシに、つまり一次側の電源部46に還ってくるからである。換言すれば、煤Sと共に持ち去られた陽イオンPIに相当する電流Ic が、一次側の電源電圧Vp からイオン電流測定回路74を介して、二次側グランドSGLに供給されることで、第1の整流回路81から第1の配線21を介して第1の電極112に供給された放電用の入力電流Iinと、微粒子センサ100から回収される合計電流Iall とが等しくなり、電気回路部70における電流の収支はバランスする。
測定電流に相当する上述した合計電流Iall は、シャント抵抗器R1を流れる。従って、シャント抵抗器R1の両端には、この合計電流Iall にシャント抵抗器R1の抵抗値を乗算した電位差Vallが発生する。そこで、オペアンプ15の出力である全電流出力信号Sivは、Siv=A・Vall となる。この全電流出力信号Sivが、時間と共に、0Vから駆動電圧Vccまで増加したと仮定した場合の様子を、図5の上段に示した。なお、図5は、比較回路であるオペアンプ16の動作を説明するために、全電流出力信号Sivのダイナミックレンジを三角波信号Sosc に合せて描いているが、全電流出力信号Sivのダイナミックレンジは、実際には、かなり狭い。
このオペアンプ15の全電流出力信号Sivは、比較回路として用いられているオペアンプ16の反転入力端子に接続されている。他方、上述した発振回路14からの三角波信号Sosc は、オペアンプ16の非反転入力端子に接続されている。このオペアンプ16には帰還抵抗器が存在しないので、増幅度は無限大であり、非反転入力端子側の三角波信号Sosc が反転入力端子側の全電流出力信号Sivより高ければ、出力Spwはハイレベルに、低ければ出力Spwはロウレベルとなる。すなわち、オペアンプ16は、両入力端子の信号の大小により出力Spwが決まる比較回路(コンパレータ)として動作する。
オペアンプ16の動作の様子を図5を用いて更に説明する。図5の上段は、オペアンプ16に入力される全電流出力信号Sivと三角波信号Sosc とを示している。下段は、オペアンプ16の出力Spwを示している。図示するように、全電流出力信号Sivが0ボルトであれば、出力Spwは、ハイレベルに固定されている。全電流出力信号Sivが高くなると、三角波信号Sosc と比較して、全電流出力信号Sivが大きい区間では、出力Spwはロウレベルとなる。三角波信号Sosc は、一つの波形の前半が時間と共に漸増し、後半が時間と共に漸減する波形なので、全電流出力信号Sivが大きくなるにつれて、出力Spwがロウレベルとなる区間tは、全電流出力信号Sivに正比例して増加する。この結果、オペアンプ16の出力は、三角波信号Sosc の1周期Tを単位とするパルス幅変調信号として扱うことができることになる。すなわち、オペアンプ16の出力Spwのデューティ(t/T)は、全電流出力信号Sivに比例する。
オペアンプ16の出力Spwは、トランジスタTR1のベースに接続されている。このトランジスタTR1のエミッタは二次側グランドSGLに接続されており、コレクタはフォトカプラ17のフォトダイオード側のカソード端子に接続されている。フォトカプラ17のフォトダイオード側のアノード端子は、駆動電圧Vccに電流制限用の抵抗器R4を介して接続されている。フォトカプラ17のフォトトランジスタ側は、フォトトランジスタのエミッタ側が、一次側グランドPGLに接続されており、フォトトランジスタのコレクタ側が、一次側の電源電圧Vp に、プルアップ抵抗器R5を介して接続されている。更に、フォトカプラ17のフォトトランジスタのコレクタ側は、制御部60の入力ポートP1に、配線93により接続されている。
この結果、オペアンプ16の出力Spwがハイレベルとのときに、トランジスタTR1がターンオンし、フォトカプラ17のフォトダイオード側に電流が流れて発光する。この結果、フォトカプラ17のフォトトランジスタ側がターンオンし、一次側の電源電圧Vp にプルアップされた抵抗器R4に電流が流れ、フォトトランジスタのコレクタ側電位はロウレベルとなる。従って、制御部60の入力ポートP1には、図5下段に示したのとは、丁度逆転した信号が入力されることになる。制御部60を構成するCPUは、内蔵するプログラムにより、この入力ポートP1がハイレベルになったタイミングからロウレベルになるまでの時間tを計測し、デューティ(t/T)を求めることで、全電流出力信号Siv、ひいては微粒子センサ100に流れる全電流Iall を検出することができる。
図5では、三角波信号Sosc と比較することで、全電流出力信号Sivがパルス幅の信号に変換されることを示すために、全電流出力信号Sivを、三角波信号Sosc の最小値から最大値まで変化するものとして示したが、実際には、全電流出力信号Sivは、第1の電極112に電圧が印加されている限り、値0とはならない。また、第1の電極112に印加される電圧は、制御部60により制御されており、その最大値は、三角波信号Sosc の最大値のより低い値に抑えられている。即ち、図5に示したように、実際の全電流出力信号Sivの取りうる範囲、つまり測定範囲Lは、三角波信号Sosc の20〜80%程度の範囲とされている。
上述したように、電気回路部70から微粒子センサ100の第1の電極112に供給された入力電流Iinは、全てコロナ放電に用いられ、合計電流Iall とバランスする。従って、この全電流Iall が一定になるように、制御部60は、ドライバ71の放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76を介して、絶縁トランス72の一次巻線に印加される交流電圧の実効値をフィードバック制御する。この結果、第1の配線21を介して第1の電極112に供給される入力電流Iinは、一定に保たれる。
最後に、イオン電流測定回路74の構成について簡単に説明する。イオン電流測定回路74は、全体としては、オペアンプを用いた計測アンプとして構成されており、前段のオフセット回路を構成する2つのオペアンプと後段の作動増幅器を構成するオペアンプとからなる。前段の一方のオペアンプは、微少なイオン電流Ic を入力オフセットを付与した上で電流/電圧変換して増幅し、後段の差動増幅器(オペアンプ)の一方の入力端子に出力する。前段の他方のオペアンプは、この入力オフセット分を後段の差動増幅器の他方の入力端子に出力する。差動増幅器として構成された後段のオペアンプは、両信号の差分をとった上で、これを増幅して出力する。このため、イオン電流Ic に付与されたオフセットは打ち消され、差動増幅器の出力は、イオン電流Ic を所定の増幅度で増幅した信号となる。この出力は、配線94を介して、制御部60の入力端子P2に入力される。制御部60は、入力端子P2の信号を、内蔵するアナログ/デジタル変換器で変換して読み取ることで、イオン電流Ic の大きさを知り、排ガスEG中の微粒子の量を検出する。検出した微粒子の量は、車両制御部42に出力され、運転者への警告の出力や、内燃機関40の運転条件の切り替えなどに用いられる。
次に、微粒子量検出処理について、図6を用いて説明する。図6は、制御部60が繰り返し実行している処理であって、ドライバ71による絶縁トランス72の駆動処理を行なうことでコロナ電流の安定化を行ないつつ、微粒子量を検出する処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部60により、常時実行されている処理である。この処理を開始すると、まず制御部60、端子P1に入力されている信号Spwのレベルを読み込む(ステップS100)。信号Spwは、図5に示したように、ハイ(電圧Vp)かロウ(電圧0)か、いずれかのレベルとなる。
このレベルを読み取ったあと、信号Spwの期間tを算出する処理を行なう(ステップS110)。この処理は、三角波信号Sosc の周期T内において、信号Spwが、ロウレベルを継続した時間を求める処理である。なお、図4に示した回路構成では、フォトカプラ17により、信号Spwのレベルと、端子P1に入力する信号のレベルとは逆転している。そこで、制御部60は、内部のクロックを用いて、端子P1に入力する信号がハイレベルとなっている期間を計測し、これを、図4においてロウレベルとして示されている期間tとして検出する。従って、以下の説明において、期間tとは、信号Spwがロウレベルとなっている期間として説明する。
信号Spwがロウレベルとなっている期間tを求めた後、この期間tが、次の3つの場合のいずれに属するかを判定する(ステップS120)。
[1]期間t=0:ロウレベルとなっている期間は存在しない。
[2]期間t≧T:周期Tを越えてロウレベルになっている。
[3]期間0<t<T:期間tは、0より大きく周期Tより小さい。
制御部60は、この判定に従い、以下の処理を行なう。
[1]の場合:故障1と判定する(ステップS130)。故障1とは、コロナ放電に伴う全電流出力信号Sivが測定できない状態となっている故障の一つである。図5に示したように、全電流出力信号Sivの測定範囲Lは、値0より大きく最大値より小さい範囲として定められているので、周期T内において信号Spwが0となる期間が存在しない(t=0)となることはあり得ない。従って、周期T内において期間tが0であれば、全電流出力信号Sivが測定できない状態になっていると判定する。こうした故障としては、以下のいくつかのケースが考えられる。一つは、発振回路14が故障したケースである。発振回路14が故障して、三角波信号Soscがハイレベルに固定されてしまうと、測定範囲Lにおいて、信号Spwがロウレベルとなることはないからである。もとより、発振回路14だけでなく、コロナ電流測定回路73を構成する他の回路部品の故障によっても、故障1は、生じる。例えばトランジスタTr1の短絡故障、フォトカプラ17のフォトトランジスタの短絡故障などが考えられる。こうしたコロナ電流測定回路73の故障の他、故障1が生じ得る他の原因としては、例えばコロナ放電を行なう回路構成の何処かに故障を生じ、電流Idc+Itrp が流れないか設定範囲より小さくなったケースが考えられる。こうした故障は、電気回路部70の一次側の放電電圧制御回路75やトランス駆動回路76の故障、絶縁トランス72の断線や短絡故障、第1,第2の整流回路81,82の故障によって生じる。これらの回路の故障により、第1の電極112や、第2の電極132に印加される電圧が十分に高くならない場合の他、第1の配線21や第1の電極112の劣化(酸化、腐食など)によっても、この故障1は生じる。
[2]の場合:故障2と判定する(ステップS140)。故障2とは、コロナ放電に伴う全電流出力信号Sivが測定できない状態となっている故障のうち、もう一つの態様である。図5に示したように、全電流出力信号Sivの測定範囲Lは、値0より大きく最大値より小さい範囲として定められているので、周期T内において信号Spwが周期Tを越える期間となること(t≧T)となることはあり得ない。従って、信号Spwが周期T以上の期間ロウレベルになっていれば、全電流出力信号Sivが測定できない状態になっていると判定する。こうした故障としては、以下のいくつかのケースが考えられる。一つは、発振回路14が故障して、三角波信号Soscがロウレベルに固定されてしまったケースである。もとより、発振回路14だけでなく、コロナ電流測定回路73を構成する他の回路部品の故障によっても、故障2は、生じ得る。例えばトランジスタTr1を含むフォトカプラ17のフォトダイオード側回路およびフォトトランジスタ側回路の断線などが考えられる。こうしたコロナ電流測定回路73の故障の他、故障2が生じる原因としては、コロナ放電を行なう回路構成の何処かに故障を生じ、過大な電流Idc+Itrp が流れているケースが考えられる。こうした故障は、電気回路部70の一次側の放電電圧制御回路75やトランス駆動回路76の故障などによって生じる。これらの回路の故障により、第1の電極112や、第2の電極132に印加される電圧が過剰に高くなった場合に、こうした故障2は生じる。
故障1、故障2は、信号Spwの周期が発振回路14の周期から想定される範囲に入っていない場合にこれを異常として検出することに相当する。故障1,2のいずれかが生じたと判定された場合には(ステップS130,140)、何も処理は行なわず、「NEXT」に抜けて、本処理ルーチンを終了する。故障1,2と判定した場合には、制御部60は、トランス駆動回路76への制御信号を停止して、スイッチング素子のスイッチングを停止する。こうすれば、故障が疑われる状態で、第1の電極112等に高電圧を印加し続けることがない。また、制御部60は、故障を検出すると、図示しないCANなどの通信回路を介して、微粒子量の測定結果を利用している車両制御部42や図示しないダイアグノーシス回路、更には車両50のインスツルメントパネルなどに、故障1,2の発生を報知するものとしてもよい。
[3]の場合:期間tが、0より大きく周期Tより小さい場合には、全電流出力信号Sivの測定を正常に行なえる状態にあると判断し、ステップS150以下の処理を実行する。まずステップS150では、この期間tと周期Tの割合、つまりデューティt/Tを求め、このデューティt/Tに基づいて、コロナ放電電圧を制御する処理を行なう(ステップS150)。具体的には、デューティt/Tが予め定めた目標値より大きくなれば、全電流出力信号Sivが高くなっているとして、放電電圧制御回路75から絶縁トランス72の一次側巻線に印加する電圧を低下する。他方、デューティt/Tが目標値より小さくなれば、全電流出力信号Sivが小さくなっているとして、放電電圧制御回路75から絶縁トランス72の一次側巻線に印加する電圧を増加する。
かかる制御により、全電流出力信号Sivは安定化される。即ち、微粒子センサ100におけるコロナ放電は安定に実施される。そこで、この状態でのイオン電流Ic を読み込む(ステップS160)。イオン電流Ic は、端子P2の電圧に基づき読み取ることができる。
こうして読み取ったイオン電流Ic に基づいて微粒量を算出する処理を行なう(ステップS170)。微粒子センサ100における微粒子の量は、微粒子に付着し、微粒子センサ100外に持ち去られるイオンの量、即ちイオン電流Ic より求めることができるからである。
算出した微粒子量を、図示しないCANなどの通信回路により、車両制御部42などに出力し(ステップS180)、本処理ルーチンを「NEXT」に抜けて終了する。なお、以上の説明では、コロナ放電電圧の制御と微粒子量の算出とを、同じ処理ルーチンでと行なうものとしたが、これらの処理は別々の処理ルーチンにより行なってもよい。また、微粒子量を算出せず、イオン電流Ic のまま、車両制御部42などに出力し、車両制御部42などの側で微粒子量に変換してもよい。排ガスEGの全量を測定または推定し、微粒子濃度として扱うものとしてもよい。期間tに基づく故障の検出は、必須の処理ではなく、行なわなくてもよい。
以上説明した第1実施形態の微粒子検出装置10によれば、以下の作用・効果を奏する。
(1)微粒子検出装置10に含まれるコロナ電流測定回路73をディスクリートな回路構成とし、コロナ電流を含む合計電流Iall をシャント抵抗器R1により電圧信号に変換した後、オペアンプ15を用いた増幅回路で増幅し、増幅した信号Sivを、発振回路14が出力する三角波信号Sosc と比較することにより、パルス幅変調している。このため、合計電流Iall を精度良く検出することができる。
(2)また、微粒子センサ100の構造などによりコロナ放電の電流の大きさなどが変わっても、容易に対応することができる。発振回路14が出力する信号の周波数や三角波の傾きなどを変えることにより、応答性や分解能を調整することも容易である。微小な電流を電圧信号に変換したあと、A/D変換器などでデジタル信号に変換する場合、応答性や分解能を変更することは容易ではない。
(3)更に、パルス幅変調して得られた出力Spwによりフォトカプラ17のダイオード側を駆動することにより、パルス幅変調された信号をそのまま光結合されたフォトトランジスタ側のオンオフに伴う電圧信号に変換し、これを制御部60の入力ポートP1に入力している。このため、コロナ電流測定回路73において、二次側と一次側との絶縁をほぼ完全に実現した上で、制御部60による合計電流Iall の高精度な測定を実現することができる。合計電流Iall は、パルス幅変調により、デューティ(t/T)に変換されているので、制御部60は、入力ポートP1がハイレベルからロウレベルになるまでの時間をカウントするだけでよく、簡単なプログラムで、精度の良い測定が可能となる。
(4)制御部60の端子P1のレベル変化の期間tを監視することで、電気回路部70の一次側、二次側の故障を容易に検出することができる。電気回路部70の二次側の故障を、絶縁された一次側で検出できることは、回路構成上、特に大きな利点となっている。
(5)制御部60は、この期間tが生じなかったり(t=0)、周期Tより長い期間に亘っているような場合、つまり信号Spwの周期が発振回路14の周期から想定される範囲に入っていない場合には、これを故障として検出することができる。故障が検出された場合には、イオン電流Ic の測定を行なわないので、回路の故障に伴う微粒子の誤った検出値が、車両制御部42などに出力されることがない。
(6)コロナ電流を含む合計電流Iall の安定化を行なった上でイオン電流Ic を検出しており、イオン電流Ic を精度良く検出できる。この結果、微粒子である煤Sの量を容易かつ精度良く検出することができる。
B.第2実施形態:
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の微粒子検出装置は、第1実施形態と同様のシステム構成(図1)を備える。第2実施形態との微粒子検出装置は、第1実施形態と比べると、微粒子センサ200の構造が相違し、これに伴い電気回路部70Aの構成が一部相違する。図7は、第2実施形態の電気回路部70Aの概略構成図、図8は、微粒子センサ200の腰部構成を示す模式図、図9は、コロナ電流測定回路73の詳細回路図、である。図において、第1実施形態と同様の構成を有する部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
第2実施形態の微粒子検出装置における微粒子センサ200は、第1実施形態と比較すると、微粒子である煤Sの帯電に使われなかった陽イオンの捕捉を補助するための第2の電極が存在しない。また、排ガス配管62から排ガスEGが内部に流れ込む流路も異なる。そこで、まず図8を用いて、微粒子センサ200の構造について説明する。
微粒子センサ200は、排ガス配管62に取り付けられる。図8では、微粒子センサ200の取付構造などは省略している。微粒子センサ200は、最外周にステンレス製の外側プロテクタ224を備え、その内側に同じくステンレス製の内側プロテクタ225を備える。外側プロテクタ224および内側プロテクタ225を合わせて、ケース220と呼ぶ。更に、中空の内側プロテクタ225の中心に、上方から垂下するセラミック製の電極ホルダ210を備える。電極ホルダ210の中心には第1の電極212が、図示しないヒーターと共に埋め込まれ、その先端は、電極ホルダ210の先端から下方に露出している。内側プロテクタ225の内部は空洞で、かつ第1の電極212は、この内部空間の上方に設けられているので、第1の電極212の先端下方には、第1実施形態におけるイオン発生部、排ガス帯電部およびイオン捕捉部として機能する十分な空間が形成されている。
外側プロテクタ224の外周上には、排ガスEGを内部に導入するため外側導入孔222が複数形成されている。また、内側プロテクタ225の外周には、内側導入孔240が複数形成されている。外側プロテクタ224の外側導入孔222と内側プロテクタ225の内側導入孔240の位置は、微粒子センサ200の軸方向にずれている。更に、内側プロテクタ225の先端部分には、取り入れた排ガスEGを排出するための排出口230が形成されており、この排出口230を含む内側プロテクタ225の先端部分は、外側プロテクタ224の先端部分の開口260から外部に突出している。
図8において、排ガスEGは、排ガス配管62内を、図中、左から右に向けて流通している。この排ガス配管62内を流通する排ガスEGが、微粒子センサ200の外側プロテクタ224及び内側プロテクタ225の周囲を通ると、その流速が、内側プロテクタ225の排出口230の外側で上昇し、いわゆるベンチュリ効果により、排出口230付近に負圧が生じる。すると、この負圧により、内側プロテクタ225の内部空間に存在した取入排ガスEGIが排出口230から排出される。これと共に、外側プロテクタ224の外側導入孔222周囲の排ガスEGが、この外側導入孔222から外側プロテクタ224内に取入排ガスEGIとして取り入れられ、外側プロテクタ224と内側プロテクタ225との隙間に沿って、内側プロテクタ225の内側導入孔240まで導かれ、内側導入孔240を介して、内側プロテクタ225の内部空間に取り入れられる。
このように、外側プロテクタ224の内側に取り込まれ、更に内側プロテクタ225の内部空間に至った取入排ガスEGIは、排出口230から排出されるので、内側プロテクタ225内には、内側導入孔240から先端側の排出口230に向けて流れる取入排ガスEGIの気流が生じる。この状態で、第1の電極212に高電圧を印加すると、コロナ放電が生じ、第1の電極212の先端付近で陽イオンCPが発生する。
前述したように、外側プロテクタ224及び内側プロテクタ225の作用により、内側プロテクタ225の内部空間には、排ガスEGが取り入れられ、第1の電極212の付近から排出口230に向かう取入排ガスEGIの気流が生じている。このため、生成されたイオンCPは、図8に示すように、取入排ガスEGI中の煤などの微粒子Sに付着する。これにより、微粒子Sは、正に帯電した帯電微粒子SCとなって、取入排ガスEGIと共に、排出口230に向けて流れ、排出される。
一方、外側プロテクタ224および内側プロテクタ225からなるケース220は、第1実施形態と同様に、シャント抵抗器R1を介して、二次側グランドSGLに接続されている。これにより、コロナ放電により生成したイオンCPのうち、煤などの微粒子SCに付着しなかった浮遊イオンCPF(図8参照)は、内側プロテクタ225の各部に付着する。微粒子SCに付着しなかった浮遊イオンCPFが内側プロテクタ225に捕捉される一方、排出口230から帯電微粒子SCが排出されることにより、第1実施形態と同様の検出原理に従い、微粒子センサ200から漏出する電流(イオン電流Ic )を測定することにより、微粒子SCの量を測定することができる。
そこで、かかる微粒子センサ200の構造を前提として、第2実施形態において、コロナ電流を測定してコロナ電流を安定化する仕組み、およびイオン電流を測定する仕組みについて説明する。図7に示したように、第2実施形態の微粒子検出装置においてコロナ電流測定装置の一部を構成する電気回路部70Aは、第1実施形態と比べると、絶縁トランス72の一次側の回路構成と二次側高電圧を整流する整流回路の構成が変更されている。これは、微粒子センサ200の第1の電極212に印加する高電圧を生成する回路構成が異なること、および微粒子センサ200に第2の電極が存在しないことによっている。前者は、第1実施形態では、プッシュプル型の電源構成を採用していたのに対して、第2実施形態ではフライバック型の電源構成を採用していることによる相違である。また後者は、第2の電極に所定の直流電圧を印加するための整流回路82が必要ないことによる相違である。なお、第3の整流回路12は、フォワード方式の回路構成を採用した第1実施形態と同じものを用いた。
図7に示すように、第2実施形態の電気回路部70Aでは、絶縁トランス72Aの一次側巻線にはセンタタップがなく、巻線の片側のタップPT4には、バッテリ44が直接接続されている。また巻線の他方のタップPT5は、ドライバ71Aのトランス駆動回路76Aに接続されている。ドライバ71Aは、第1実施形態における放電電圧制御回路75に相当する回路構成は備えていない。トランス駆動回路76Aは、制御部60からの指示を受けて、内蔵するスイッチング素子を高速で入り切りし、バッテリ44から絶縁トランス72Aを流れる電流を高速でオンオフする。つまり、制御部60は、絶縁トランス72Aの一次側に流れる交流のデューティを制御することができる。スイッチング素子のオン時間の割合(デューティ)により、絶縁トランス72Aの二次側に伝達される電力が調整される。トランス駆動回路76Aは、絶縁トランス72Aを含めて、フライバック型の電源回路の一次側回路を構成する。
絶縁トランス72Aの二次側は、第2の整流回路82が存在しないことを除いて、ほぼ第1実施形態と同様である。但し、第1の整流回路81A内において、絶縁トランス72Aの二次側巻線からの交流電圧を受けて、これを整流し昇圧する回路構成は、若干異なる。上述したように、第2実施形態では、フライバック型の電源構成を採用している。
電気回路部70Aに設けられたコロナ電流測定回路73は、基本的な回路構成は、第1実施形態と同様である。図9に示したように、ケース220から信号線23を介して流れ込む電流は、第1実施形態と同様に、コロナ放電により第1の電極212からケース220に流れる電流Idcと、ケース220に捕捉された浮遊イオンCPFの電荷に相当する電流Itrp との合計電流である。また、シャント抵抗器R1には、これらの電流(Idc+Itrp )と共に、イオン電流Ic が流れ込むことも第1実施形態と同様である。イオン電流Ic は、コロナ放電により発生した陽イオンCPのうち、微粒子SCである煤の帯電に用いられ、排ガスEGと共にケース220の外部へと持ち去られた排出イオンの電荷に相当する電流である。
また、イオン電流測定回路74も、第1実施形態と同様の回路構成と機能を備える。従って、第2実施形態における微粒子検出装置は、コロナ電流測定回路73を用いたコロナ電流の安定化とイオン電流測定回路74を用いたイオン電流Ic の計測、延いてはイオン電流Ic の大きさに基づく排ガスEG中の微粒子の検出を行なうことができる。その際、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、制御部60による故障検出を伴う微粒子量の検出処理(図6)を行なっている。従って、第1実施形態と同様に、電気回路部70Aの故障を判断することができる。
以上説明した第2実施形態の微粒子検出装置によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を奏する上、微粒子センサ200において、第2の電極に相当する電極を省略しているので、微粒子センサ200の構成を簡略なものとすることができる。また、微粒子センサ200への配線も簡略化することができる。更に、第2の電極の汚損等を生じることがなく、メンテナンス性も優れる。
かかる微粒子センサ200の構成に伴い、電気回路部70Aの整流回路の構成を簡易なものにすることができる。従って、絶縁トランス72の二次側のタップ数を減らすことができるなど、電気回路部70Aの全体構成も簡易なものにすることができる。
上記実施形態では、コロナ電流測定回路73は、イオン電流Ic も合わせて測定するものとしたが、イオン電流Ic を含まない電流(Idc+Itrp )を測定するように構成してもよい。イオン電流Ic は、コロナ放電に用いられる全電流量からみてかなり少ないので、イオン電流Ic を除く電流を検出し、これに拠り第1の電極112,212に印加する電圧を制御しても、コロナ放電を実用上問題ない程度に安定化することができる。
C.変形例:
本発明のいくつかの変形例について説明する。第1,第2実施形態では、全体を微粒子検出装置として構成したが、コロナ電流を測定するコロナ電流測定装置として実施したり、あるいはコロナ電流を測定し、フィードバック制御によりコロナ電流を安定化する装置として実施することも可能である。コロナ電流測定回路73は、オペアンプを用いたディスクリートな回路構成としたが、オペアンプに代えて、その一部または全部をトランジスタやFETを用いた回路構成としてもよい。
発振回路14は、上記実施形態では、三角波を発生する回路として構成したが、三角波に代えて、鋸波や正弦波を出力する回路としても良い。三角波の正弦波の場合、漸増区間と漸減区間とでは、その傾きや長さを、異ならせてよい。また、発振回路14の出力は、最大値や最小値の区間が一定時間継続する台形波であっても差し支えない。
上記実施形態では、一次側と二次側と絶縁を実現するのに、絶縁トランス72とフォトカプラ17とを用いたが、他の手法を用いてもよい。例えば絶縁トランス72に代えて、種々の無線給電の仕組みを採用することができる。またフォトカプラ17による光結合に代えて、ソリッドステートリレー(機械結合)やコイルとホール素子の組み合わせ(磁気結合)や静電結合などを用いても良い。
上記実施形態では、期間tの値を制御部60が判別することにより故障検出を行なったが、故障検出の一部または全部を、ディスクリートな回路構成により行なうものとしてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態や変形例に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、コロナ電流の検出方法、その安定化方法、微粒子の検出方法などとしても実施することができる。
10…微粒子検出装置
12…第3の整流回路
13…二次側電圧生成回路
14…発振回路
15、16…オペアンプ
17…フォトカプラ
20…ケーブル
21…第1の配線
22…第2の配線
23…信号線
24…空気供給管
25…セラミックパイプ
30…センサ駆動部
31…ガス流路
40…内燃機関
41…フィルタ装置
42…車両制御部
43…燃料供給部
44…電源部
50…車両
60…制御部
61…燃料配管
62…排ガス配管
70,70A…電気回路部
71,71A…ドライバ
72,72A…絶縁トランス
73…コロナ電流測定回路
74…イオン電流測定回路
75…放電電圧制御回路
76,76A…トランス駆動回路
80…空気供給部
81,81A…第1の整流回路
82…第2の整流回路
83,84…ショート保護用抵抗
91,93,94…配線
95…入力ライン
98…信号ライン
100…微粒子センサ
100e…先端部
100r…後端部
110…イオン発生部
111…イオン発生室
112…第1の電極
120…排ガス帯電部
121…帯電室
124…ノズル
130…イオン捕捉部
131…捕捉室
132…第2の電極
134…ガス流路
135…排出孔
142…隔壁
145…流入孔
155…空気供給孔
200…微粒子センサ
210…電極ホルダ
212…第1の電極
220…ケース
222…外側導入孔
224…外側プロテクタ
225…内側プロテクタ
230…排出口
240…内側導入孔
260…開口
CP…陽イオン
CPF…浮遊イオン
CS…ケーシング
EGI…取入排ガス
EG…排ガス
P1,P2…入力ポート
PGL…一次側グランド
R1…シャント抵抗器
R2〜R5…抵抗器
S,SC…微粒子
SGL…二次側グランド
TR1…トランジスタ

Claims (5)

  1. 電流測定装置であって、
    絶縁トランスの一次側に印加された一次電圧に応じて前記絶縁トランスの二次側に発生された二次電圧を用いて、前記一次側に印加された電圧より高圧の直流電圧を発生させる昇圧回路と、
    前記昇圧回路に接続された電極を備え、前記直流電圧により、所定の空間にコロナ放電を発生させる放電部と、
    前記所定の空間を形成する少なくとも一部が導電性のケースを介して流れる測定電流であって、前記コロナ放電によるコロナ電流を含む前記測定電流を電圧信号に変換する電圧変換部と、
    時間と共に漸増または漸減する部分の繰り返しを少なくとも含む基準電圧信号を生成する発振回路と、
    前記変換された電圧信号を前記基準電圧信号と比較することにより、前記測定電流の大きさに対応したパルス幅の信号に変換する比較回路と、
    前記変換されたパルス幅の信号を、電気的な絶縁を保って入力し、前記測定電流を測定する測定回路と、
    を備えた電流測定装置。
  2. 請求項1記載の電流測定装置であって、
    前記測定回路による測定結果を入力し、前記測定電流が安定化するように、前記絶縁トランスの前記一次側の電圧を制御する電圧制御部を更に備える電流測定装置。
  3. 前記発振回路は、三角波、正弦波、鋸波のうちのいずれか一つの形態で前記基準電圧信号を生成する請求項1または請求項2記載の電流測定装置。
  4. 気体中の微粒子を検出する微粒子検出装置であって、
    前記気体が流通する測定室と、
    前記測定室に設けられ、前記測定室内に設けられたコロナ放電用電極に直流電圧を印加してコロナ放電を生じさせるコロナ放電部と、
    前記コロナ放電によって発生したイオンにより、前記気体中の微粒子を帯電させ、前記微粒子の帯電により変化するイオン電流を測定するイオン電流測定部と、
    前記測定した前記イオン電流に基づいて、前記微粒子の量を検出する微粒子量検出部と、
    を備え、
    前記コロナ放電部は、
    絶縁トランスの一次側に印加された一次電圧に応じて前記絶縁トランスの二次側に発生された二次電圧を用いて、前記直流電圧を発生させる昇圧回路と、
    前記昇圧回路の出力を前記コロナ放電用電極に接続し、前記直流電圧により、所定の空間を形成する少なくとも一部が導電性のケースを介して流れる測定電流であって、前記コロナ放電によるコロナ電流を含む前記測定電流を電圧信号に変換する電圧変換部と、
    時間と共に漸増または漸減する部分の繰り返しを少なくとも含む基準電圧信号を生成する発振回路と、
    前記変換された電圧信号を前記基準電圧信号と比較することにより、前記測定電流の大きさに対応したパルス幅の信号に変換する比較回路と、
    前記変換されたパルス幅の信号を、電気的な絶縁を保って入力し、前記測定電流を安定化するように、前記絶縁トランスの一次側の電圧を制御する電圧制御部と
    を備える微粒子検出装置。
  5. 前記電圧制御部は、前記パルス幅が、前記基準電圧信号の周波数から想定されるパルス幅の範囲外となっている場合に、前記コロナ放電部に故障が生じたと判断する請求項4記載の微粒子検出装置。
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