JP6053603B2 - 微粒子測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、ガス中に含まれる煤などの微粒子量を測定する微粒子測定システムに関する。
従来から、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の排ガスに含まれる煤などの微粒子の量を測定する微粒子測定システムが知られている。この微粒子測定システムは、コロナ放電によってイオンを生成し、生成したイオンによって排ガス中の微粒子を帯電させるとともに、微粒子の帯電に使用されなかったイオンを捕捉して、捕捉したイオン量に基づいて(逆に言えば、微粒子に帯電され、捕捉されなかったイオン量に基づいて)排ガス中の微粒子の量を測定する。捕捉したイオン量は、帯電に使用されたイオン量と相関しており、帯電に使用されたイオン量は、排ガス中の微粒子の量に相関しているため、この微粒子測定システムは、捕捉したイオン量から排ガス流の微粒子の量を測定することができる。
この微粒子測定システムに関して、イオンを発生させるためのイオン源電源回路と、これを囲む電源回路包囲部材と、捕捉したイオン量に相関する信号電流を検出する信号電流検出回路とを外側回路包囲部材で包囲することによって電磁遮蔽する技術が知られている(特許文献1)。また、微粒子の帯電に使用されなかったイオンを捕捉するためにイオンに対して斥力を生じさせる分離用電極を、イオンを噴射するためのノズルを形成するノズル形成部材を貫通させて配置し、分離用電極とノズル形成部材とをセラミック部材によって絶縁する技術が知られている(特許文献2)。
特開2012−220423号公報 特表2012−194078号公報
しかしながら、上記先行技術によっても、微粒子測定システムにおいて、排ガス中の微粒子の量を検出する精度については、なお改善の余地があった。一般的に、微粒子の帯電に使用されたイオン量に相当する電流に相当する電流は非常に小さいため、この電流値を正確に検出することは容易ではない。例えば、微粒子測定システムは、放電のための高電圧の印加や当該システムを構成する絶縁部材の湿度に起因する絶縁低下等に起因して、微粒子測定システムの回路内において意図しない微電流(漏れ電流)が流れることがあった。この漏れ電流が発生すると、微粒子の帯電に使用されたイオン量に相当する電流として検出した電流値に誤差が生じる問題があった。
微粒子測定システムの一例として、絶縁トランスの一次側に電源回路を含み、二次側にイオン発生部やイオン捕捉部を含み、一次側の回路と二次側の回路との間には、微粒子の帯電に使用されたイオン量に相当する電流を二次側に補償電流として供給するとともに、この補償電流の電流値を検出する電流測定回路を備える微粒子測定システムが考えられる。この構成によれば、電流測定回路によって検出された補償電流の電流値から排ガス中の微粒子の量を検出することができる。しかし、この微粒子測定システムの場合、電流測定回路以外の部分において、一次側から二次側に漏れ電流が流れると、補償電流の電流値と、微粒子の帯電に使用されたイオン量に相当する電流の電流値との間に誤差が生じ、排ガス中の微粒子の量を正確に検出できなくなる問題があった。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の形態として実現することが可能である。即ち、本発明の一形態によれば、コロナ放電によってイオンを発生させるイオン発生部と、ガス中の少なくとも一部の微粒子を、前記イオンを用いて帯電させるための帯電室と、前記帯電室と連通し、前記微粒子の帯電に使用されなかった前記イオンの少なくとも一部を捕捉する捕捉部と、を備える微粒子測定システムが提供される。この微粒子測定システムは、前記コロナ放電に用いられる電力の電圧変換をおこなう絶縁トランスであって、二次側が前記イオン発生部に接続される絶縁トランスと、前記絶縁トランスの一次側に接続され、前記絶縁トランスに供給する電力の電圧値を変更可能な一次側電源回路と、前記一次側電源回路に接続され、前記一次側電源回路を制御して前記イオン発生部に供給される電力の電流値を調整する制御回路と、前記絶縁トランスの二次側の基準電位を示す配線である二次側基準電位配線と、前記捕捉部と、前記制御回路と、にそれぞれ接続され、前記捕捉部から前記二次側基準電位配線に向けて流れる第1の電流の電流値を示す第1の信号を前記制御回路に伝送する第1の電流測定回路と、前記絶縁トランスの一次側の基準電位を示す配線である一次側基準電位配線と、前記二次側基準電位配線と、前記制御回路と、にそれぞれ接続され、前記一次側基準電位配線と前記二次側基準電位配線との電位差に基づいて得られる第2の電流の電流値であって、前記捕捉部に捕捉されなかったイオンの量に相当する第2の電流の電流値を示す第2の信号を前記制御回路に伝送する第2の電流測定回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1の電流の電流値に応じて前記イオン発生部に供給される電力の電流値を目標電流値に調整するとともに、前記第2の電流の電流値に応じて前記ガス中の前記微粒子の量を測定するように構成されており、前記第1の電流測定回路は、入力側と出力側とを絶縁するアイソレーションアンプを含んで構成され、前記アイソレーションアンプの前記入力側で増幅した前記第1の信号を絶縁して前記出力側から前記制御回路に伝送することを特徴としている。
(1)本発明の一形態によれば、コロナ放電によってイオンを発生させるイオン発生部と、ガス中の少なくとも一部の微粒子を、前記イオンを用いて帯電させるための帯電室と、前記帯電室と連通し、前記微粒子の帯電に使用されなかった前記イオンの少なくとも一部を捕捉する捕捉部と、を備える微粒子測定システムが提供される。この微粒子測定システムは、前記コロナ放電に用いられる電力の電圧変換をおこなう絶縁トランスであって、二次側が前記イオン発生部に接続される絶縁トランスと、前記絶縁トランスの一次側に接続され、前記絶縁トランスに供給する電力の電圧値を変更可能な一次側電源回路と、前記一次側電源回路に接続され、前記一次側電源回路を制御して前記イオン発生部に供給される電力の電流値を調整する制御回路と、前記絶縁トランスの二次側の基準電位を示す配線である二次側基準電位配線と、前記捕捉部と、前記制御回路と、にそれぞれ接続され、前記捕捉部から前記二次側基準電位配線に向けて流れる第1の電流の電流値を示す第1の信号を前記制御回路に伝送する第1の電流測定回路と、前記絶縁トランスの一次側の基準電位を示す配線である一次側基準電位配線と、前記二次側基準電位配線と、前記制御回路と、にそれぞれ接続され、前記一次側基準電位配線と前記二次側基準電位配線との電位差に基づいて得られる第2の電流の電流値であって、前記捕捉部に捕捉されなかったイオンの量に相当する第2の電流の電流値を示す第2の信号を前記制御回路に伝送する第2の電流測定回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1の電流の電流値に応じて前記イオン発生部に供給される電力の電流値を目標電流値に調整するとともに、前記第2の電流の電流値に応じて前記ガス中の前記微粒子の量を測定するように構成されており、前記第1の電流測定回路は、アイソレーションアンプを含んで構成され、前記アイソレーションアンプを介して前記第1の信号を増幅して前記制御回路に伝送することを特徴としている。
この構成によれば、一次側の回路と二次側の回路にそれぞれ接続される2つの電気測定回路(第1の電流測定回路と第2の測定回路)のうち、定電流回路を構成するための第1の電流測定回路は、アイソレーションアンプとして構成され、絶縁トランスと同様に、一次側と二次側との間(詳細には、入力部にあたる一次側と出力部にあたる二次側との間)が物理的に絶縁されている。そのため、この微粒子測定システムでは、一次側の回路と二次側の回路とを電気的に接続しているのは、第2の電流測定回路だけの構成となっており、第2の電流測定回路以外の部分において、一次側から二次側に漏れ電流が発生することを抑制することができる。第2の電流測定回路以外の部分における漏れ電流の発生を抑制することで、第2の電流測定回路において、二次側に供給される補償電流の電流値と、微粒子の帯電に使用されたイオンの量に相当する電流の電流値との間の誤差を低減することができる。また、制御回路は、アイソレーションアンプによって増幅された第1の信号に基づいて、イオン発生部に供給される電力の電流値を目標電流値に調整することから、より精度の高い電力の電流値制御が可能となる。よって、この微粒子測定システムによれば、ガス中に含まれる微粒子の量を検出する精度の向上を図ることができる。
(2)上記(1)に記載の微粒子測定システムであって、前記ガスは、内燃機関から排出される排気ガスであり、前記帯電室は、前記排気ガスが流通する排気管内に配置されていてもよい。
この構成によれば、内燃機関から排出される排気ガス中の微粒子の量を検出する精度の向上を図ることができ、検出した微粒子の量を用いた上での、排気ガス中の微粒子を捕集するフィルタの破損状態の検出精度、または、内燃機関の各種制御の精度の信頼性を高めることが可能となる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、微粒子センサ、微粒子検出方法、微粒子測定システムを備える内燃機関、この内燃機関を備えた車両などの形態で実現することができる。
第1実施形態に係る微粒子測定システムの全体構成を説明するための説明図である。 微粒子センサの先端部の概略構成を模式的に示した説明図である。 電気回路部の概略構成を例示した説明図である。 イオン電流測定回路の概略構成を例示した説明図である。 コロナ電流測定回路の概略構成を例示した説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態に係る微粒子測定システム10の全体構成を説明するための説明図である。図1(a)は、微粒子測定システム10を搭載した車両500の概略構成を例示した説明図である。図1(b)は、車両500に取り付けられた微粒子測定システム10の概略構成を例示した説明図である。微粒子測定システム10は、微粒子センサ100と、ケーブル200と、センサ駆動部300とを含んで構成され、内燃機関400から排出される排ガスに含まれる煤などの微粒子の量を測定する。内燃機関400とは、車両500の動力源であり、ディーゼルエンジン等によって構成されている。
微粒子センサ100は、内燃機関400から延びる排ガス配管402に取り付けられるとともに、ケーブル200によってセンサ駆動部300と電気的に接続されている。本実施形態では、微粒子センサ100は、フィルタ装置410(例えば、DPF(Diesel particulate filter))よりも下流側の排ガス配管402に取り付けられている。微粒子センサ100は、排ガスに含まれる微粒子の量に相関する信号をセンサ駆動部300に出力する。
センサ駆動部300は、微粒子センサ100を駆動させるとともに、微粒子センサ100から入力される信号に基づいて、排ガス中の微粒子の量を検出する。センサ駆動部300が検出する「排ガス中の微粒子の量」とは、排ガス中の微粒子の表面積の合計に比例する値であってもよいし、微粒子の質量の合計に比例する値であってもよい。または、排ガスの単位体積中に含まれる微粒子の個数に比例する値であってもよい。センサ駆動部300は、車両500側の車両制御部420と電気的に接続されており、検出した排ガス中の微粒子量を示す信号を車両制御部420に出力する。車両制御部420は、センサ駆動部300から入力される信号に応じて、内燃機関400の燃焼状態や、燃料配管405を介して燃料供給部430から内燃機関400に供給される燃料の供給量などを制御する。車両制御部420は、例えば、排ガス中の微粒子量が所定量よりも多い場合には、フィルタ装置410の劣化や異常を車両500の運転手に警告するように構成されていてもよい。センサ駆動部300と車両制御部420は、それぞれ電源部440に電気的に接続されており、電源部440から電力が供給される。
図1(b)に示すように、微粒子センサ100は、円筒形状の先端部100eを備えており、この先端部100eが排ガス配管402の内側に挿入された状態で、排ガス配管402の外表面に固定されている。ここでは、微粒子センサ100の先端部100eは、排ガス配管402の延伸方向DLに対してほぼ垂直に挿入されている。先端部100eのケーシングCSの表面には、排ガスをケーシングCSの内部に取り込むための流入孔45と、取り込んだ排ガスをケーシングCSの外部に排出するための排出孔35と、が設けられている。排ガス配管402の内部を流通する排ガスの一部は、流入孔45を介して先端部100eのケーシングCSの内部に取り込まれる。取り込まれた排ガス中に含まれる微粒子は、微粒子センサ100において生成するイオン(ここでは、陽イオン)によって帯電される。帯電した微粒子を含む排ガスは、排出孔35を介してケーシングCSの外部に排出される。ケーシングCSの内部の構成や、微粒子センサ100の具体的な構成については後述する。
微粒子センサ100の後端部100rには、ケーブル200が取り付けられている。ケーブル200は、第1の配線221と、第2の配線222と、信号線223と、空気供給管224と、を束ねた構成を備えている。ケーブル200を構成する配線221〜223と、配管224は、それぞれ可撓性の部材によって構成されている。第1の配線221、第2の配線222、および、信号線223は、センサ駆動部300に電気的に接続され、空気供給管224は、空気供給部800に接続されている。
センサ駆動部300は、センサ制御部600と、電気回路部700と、空気供給部800とを備えている。センサ制御部600と電気回路部700との間、および、センサ制御部600と空気供給部800との間はそれぞれ電気的に接続されている。
センサ制御部600は、マイクロコンピュータを含んで構成されており、電気回路部700と、空気供給部800とを制御する。また、センサ制御部600は、電気回路部700から入力される信号から排ガス中の微粒子の量を検出し、排ガス中の微粒子量を表す信号を車両制御部420に出力する。
電気回路部700は、第1の配線221および第2の配線222を介して、微粒子センサ100を駆動するための電力を供給する。また、電気回路部700は、信号線223を介して微粒子センサ100から排ガスに含まれる微粒子の量に相関する信号が入力される。電気回路部700は、信号線223から入力される信号を用いて、排ガス中の微粒子量に応じた信号をセンサ制御部600に出力する。これらの信号の具体的な内容については後述する。
空気供給部800は、ポンプ(図示しない)を含んで構成されており、センサ制御部600からの指示に基づいて、空気供給管224を介して、高圧空気を微粒子センサ100に供給する。空気供給部800から供給される高圧空気は、微粒子センサ100の駆動させるときに用いられる。なお、空気供給部800が供給するガスの種類は空気以外であってもよい。
図2は、微粒子センサ100の先端部100eの概略構成を模式的に示した説明図である。微粒子センサ100の先端部100eは、イオン発生部110と、排ガス帯電部120と、イオン捕捉部130と、を備えている。ケーシングCSは、イオン発生部110、排ガス帯電部120、および、イオン捕捉部130の3つの機構部がこの順に先端部100eの基端側(図2の上方)から先端側(図2の下方)に向かって(換言すれば、微粒子センサ100の軸線方向に沿って)並んだ構成を有している。ケーシングCSは、導電性部材によって形成され、信号線223(図1)を介して二次側グランドSGL(図3)に接続されている。
イオン発生部110は、排ガス帯電部120に供給するイオン(ここでは陽イオン)を発生させるための機構部であり、イオン発生室111と、第1の電極112とを含んで構成されている。イオン発生室111は、ケーシングCSの内側に形成された小空間であり、内周面には空気供給孔55とノズル41とが設けられ、内部には第1の電極112が突出した状態で取り付けられている。空気供給孔55は、空気供給管224(図1)と連通しており、空気供給部800(図1)から供給される高圧空気をイオン発生室111に供給する。ノズル41は、排ガス帯電部120との間を区画する隔壁42の中心部付近に設けられた微小孔(オリフィス)であり、イオン発生室111で発生したイオンを排ガス帯電部120の帯電室121に供給する。第1の電極112は、棒状の外形を備え、先端部が隔壁42と近接するようにして基端部がセラミックパイプ25を介してケーシングCSに固定されている。第1の電極112は、第1の配線221(図1)を介して電気回路部700(図1)に接続されている。
イオン発生部110は、電気回路部700から供給される電力を用いて、第1の電極112を陽極とし、隔壁42を陰極として、直流電圧(例えば、2〜3kV)を印加する。イオン発生部110は、この電圧の印加によって、第1の電極112の先端部と、隔壁42との間にコロナ放電を生じさせることによって、陽イオンPIを発生させる。イオン発生部110において発生した陽イオンPIは、空気供給部800(図1)から供給される高圧空気とともに、ノズル41を介して排ガス帯電部120の帯電室121に噴射される。ノズル41から噴射される空気の噴射速度は音速程度とすることが好ましい。
排ガス帯電部120は、排ガスに含まれる微粒子を陽イオンPIによって帯電させるための部位であり、帯電室121を備えている。帯電室121は、イオン発生室111と隣接する小空間であり、ノズル41を介してイオン発生室111と連通している。また、帯電室121は、流入孔45を介して、ケーシングCSの外部と連通し、ガス流路31を介してイオン捕捉部130の捕捉室131と連通している。帯電室121は、ノズル41から陽イオンPIを含む空気が噴射されたときに内部が負圧になり、流入孔45を介してケーシングCSの外部の排ガスが流入するように構成されている。そのため、ノズル41から噴射された陽イオンPIを含む空気と、流入孔45から流入した排ガスとは、帯電室121の内部において混合される。このとき、流入孔45から流入した排ガスに含まれる煤S(微粒子)の少なくとも一部は、ノズル41から供給される陽イオンPIにより帯電される。帯電した煤Sと帯電に供されなかった陽イオンPIとを含む空気は、ガス流路31を介してイオン捕捉部130の捕捉室131に供給される。
イオン捕捉部130は、煤S(微粒子)の帯電に使用されなかったイオンを捕捉するための部位であり、捕捉室131と、第2の電極132とを含んで構成されている。捕捉室131は、帯電室121と隣接する小空間であり、ガス流路31を介して帯電室121と連通している。また、捕捉室131は、排出孔35を介して、ケーシングCSの外部と連通している。第2の電極132は、略棒状の外形を備え、長手方向がガス流路31を流通する空気の流通方向(ケーシングCSの延伸方向)に沿うようにしてケーシングCSに固定されている。第2の電極132は、第2の配線222(図1)を介して電気回路部700(図1)に接続されている。第2の電極132は、100V程度の電圧が印加されており、煤Sの帯電に供されなかった陽イオンの捕捉を補助する補助電極として機能する。具体的には、イオン捕捉部130は、電気回路部700から供給される電力によって、第2の電極132を陽極とし、帯電室121および捕捉室131を構成するケーシングCSを陰極とした電圧が印加されている。これにより、煤Sの帯電に用いられなかった陽イオンPIは、第2の電極132から斥力を受けて、その移動方向が第2の電極132から離れる方向へと反らされる。移動方向が反らされた陽イオンPIは、陰極として機能する捕捉室131やガス流路31の内周壁に捕捉される。一方、陽イオンPIが帯電された煤Sは、陽イオンPIの単体と同様に第2の電極132から斥力を受けるが、質量が陽イオンPIと比較して大きいため、斥力によってその進行方向に与えられる影響が、単体の陽イオンPIに比較して小さい。そのため、帯電した煤Sは、排ガスの流れに従って、排出孔35からケーシングCSの外部へと排出される。
微粒子センサ100は、イオン捕捉部130における陽イオンPIの捕捉量に応じた電流の変化を示す信号を出力する。センサ制御部600(図1)は、微粒子センサ100から出力された信号に基づいて、排ガス中に含まれる煤Sの量を検出する。微粒子センサ100から出力される信号から排ガス中に含まれる煤Sの量を算出する方法については後述する。
図3は、電気回路部700の概略構成を例示した説明図である。電気回路部700は、一次側電源回路710と、絶縁トランス720と、コロナ電流測定回路730と、イオン電流測定回路740と、第1の整流回路751と、第2の整流回路752と、を備えている。
一次側電源回路710は、電源部440から供給される電力(ここでは、直流電力)を昇圧して絶縁トランス720に供給するとともに、絶縁トランス720を駆動させる。一次側電源回路710は、放電電圧制御回路711と、トランス駆動回路712とを備えている。放電電圧制御回路711は、DC/DCコンバータを含んで構成され、センサ制御部600の制御によって、絶縁トランス720に供給される電力の電圧値を任意に変更可能に構成されている。ここでは、センサ制御部600は、第1の配線221を介して微粒子センサ100の第1の電極112に供給される入力電流Iinの電流値が予め設定された目標電流値(例えば、5μA)となるように絶縁トランス720に供給される電力の電圧値を制御する。この制御の方法については後述する。これにより、イオン発生部110において、コロナ放電によって発生する陽イオンPIの発生量を一定にすることができる。
トランス駆動回路712は、絶縁トランス720の一次側のコイルに流れる電流の方向を切り換え可能なスイッチを含んで構成されており、このスイッチの切り換えによって絶縁トランス720を駆動させる。本実施形態では、絶縁トランス720の回路方式は、プッシュプルとして構成されているが、絶縁トランス720の回路方式は、これに限定されず、例えば、ハーフブリッジやフルブリッジなどであってもよい。
絶縁トランス720は、一次側電源回路710から供給される電力に対して電圧変換をおこない、変換後の電力(ここでは、交流電力)を二次側の整流回路751、752に供給する。絶縁トランス720は、2次側のコイル構成によって、第1の整流回路751に供給される電力と、第2の整流回路752に供給される電力とで、増幅率が異なるように設定することができる。本実施形態の絶縁トランス720は、一次側のコイルと二次側のコイルとが物理的に接触しておらず、磁気によって結合するように構成されている。絶縁トランス720の一次側の回路としては、一次側電源回路710のほか、センサ制御部600や電源部440が含まれる。絶縁トランス720の二次側の回路としては、微粒子センサ100や整流回路751、752が含まれる。コロナ電流測定回路730とイオン電流測定回路740は、絶縁トランス720の一次側の回路と二次側の回路との間に跨がる回路であり、両方の回路にそれぞれ電気的に接続されている。コロナ電流測定回路730は、後述するように、絶縁トランス720の一次側の回路に電気的に接続される回路部分と、二次側の回路に電気的に接続されている回路部分との間が物理的に絶縁されている。ここでは、一次側の回路の基準電位を示すグランド(接地配線)を「一次側グランドPGL」とも呼び、二次側の回路の基準電位を示すグランドを「二次側グランドSGL」とも呼ぶ。絶縁トランス720は、一次側のコイルの端部が一次側グランドPGLに接続され、二次側のコイルの端部が二次側グランドSGLに接続されている。信号線223は、一方の端部がケーシングCSに接続され、他方の端部が二次側グランドSGLに接続されている。
整流回路751、752は、絶縁トランス720から出力された交流電力を整流するとともに、直流電力に変換する。第1の整流回路751は、ショート保護用抵抗753を介して第1の電極112に接続されており、変換した直流電力を第1の配線221を介して第1の電極112に供給する。すなわち、第1の整流回路751から供給される直流電圧は、ほぼ第1の電極112における放電電圧となり、第1の整流回路751から供給される直流電流は、第1の電極112に入力される入力電流Iinとなる。第2の整流回路752は、ショート保護用抵抗754を介して第2の電極132に接続されており、変換した直流電圧を第2の配線222を介して第2の電極132に印加する。
コロナ電流測定回路730は、イオン発生部110において発生するコロナ放電によって流れる放電電流(コロナ電流)の電流値を検出するための回路であり、配線761、762を介して信号線223に接続され、配線763を介してセンサ制御部600に接続されている。配線761と配線762は、信号線223に設けられたシャント抵抗230を間に挟んでそれぞれ信号線223に接続されている。コロナ電流測定回路730は、信号線223をケーシングCSから二次側グランドSGLに向けて流れる電流(Idc+Itrp)の電流値を示す信号Sdc+trpをセンサ制御部600に出力する。ここで「電流値を示す信号」とは、電流値を直接的に示す信号に限定されず、電流値を間接的に示す信号も該当する。例えば、信号から得られる情報に演算式やマップを適用することによって電流値を特定できる信号も「電流値を示す信号」に含まれる。
後述の式(1)に示すように、信号線223を流れる電流(Idc+Itrp)の電流値は、入力電流Iinの電流値とほぼ等しい。式(1)の漏洩電流Iescは、信号線223を流れる電流(Idc+Itrp)のおよそ1/106倍程度大きさであり、入力電流Iinの変動を監視するにあたっては実質的に無視することができるためである。入力電流Iinの電流値とイオン発生部110のコロナ電流の電流値とは等しいことから、信号線223を流れる電流(Idc+Itrp)の電流値は、コロナ電流の電流値とほぼ等しいといえる。このことから、コロナ電流測定回路730は、イオン発生部110のコロナ電流の電流値を示す信号Sdc+trpをセンサ制御部600に出力しているといえる。本実施形態において、コロナ電流測定回路730は、特許請求の範囲の「第1の電流測定回路」に該当する。また、信号線223を流れる電流(Idc+Itrp)は、特許請求の範囲の「第1の電流」に該当する。信号線223を流れる電流の電流値を示す信号Sdc+trpは、特許請求の範囲の「第1の信号」に該当する。
センサ制御部600は、コロナ電流測定回路730から入力される信号Sdc+trpに応じて、入力電流Iinの電流値が目標電流値となるように、放電電圧制御回路711を制御する。すなわち、コロナ電流測定回路730とセンサ制御部600は、コロナ電流(=入力電流Iin)の電流値を一定にするための定電流回路を構成する。コロナ電流の電流値は、イオン発生部110における陽イオンPIの発生量と相関するため、この定電流回路によってイオン発生部110における陽イオンPIの発生量が一定に保たれる。
イオン電流測定回路740は、イオン捕捉部130において捕捉されずに流出した陽イオンPIに相当する電流(Iesc)電流値を検出するとともに、流出した陽イオンPIに相当する電流(Ic)を二次側の回路に供給する。イオン電流測定回路740は、配線771を介して二次側の信号線223に接続されるとともに、配線772を介して一次側のセンサ制御部600に接続される。また、イオン電流測定回路740は、配線773を介して一次側グランドPGLに接続されている。イオン電流測定回路740は、イオン捕捉部130において捕捉されずに流出した陽イオンPIに相当する電流の電流値に応じた信号Sescをセンサ制御部600に出力する。
イオン電流測定回路740がイオン捕捉部130において捕捉されずに流出した陽イオンPIに相当する電流の電流値を検出する方法について説明する。ここでは、第1の配線221から第1の電極112に供給される電流を「入力電流Iin」と呼ぶほか、コロナ放電により、第1の電極112から隔壁42を介してケーシングCSに流れる電流を「放電電流Idc」と呼び、コロナ放電により発生した陽イオンPIのうち、煤Sの帯電に用いられ、ケーシングCSの外部へと漏洩する陽イオンPIの電荷に相当する電流を「漏洩電流Iesc」と呼び、ケーシングCSに捕捉された陽イオンPIの電荷に相当する電流を「捕捉電流Itrp」と呼ぶ。これらの4つの電流は、下記の式(1)の関係が成り立つ。
in=Idc+Itrp+Iesc ・・・(1)
放電電流Idcと捕捉電流Itrpは、ケーシングCSから信号線223を介して二次側グランドSGLに流れるため、信号線223の流れる電流値から放電電流Idcと捕捉電流Itrpの合計の値を検出することができる。また、入力電流Iinは、上述のように、定電流回路によって一定に制御されている。従って、入力電流Iinの電流値と、信号線223を流れる電流(Idc+Itrp)の電流値との差から漏洩電流Iescの値を算出することができる。すなわち、漏洩電流Iescは、下記式(2)によって算出することができる。
esc=Iin−(Idc+Itrp) ・・・(2)
図4は、イオン電流測定回路740の概略構成を例示した説明図である。本実施形態のイオン電流測定回路740は、この漏洩電流Iescの値を以下の方法によって検出する。イオン電流測定回路740は、オペアンプ741と、抵抗値が既知の抵抗742と、抵抗742を介して配線772と配線771とを接続する配線743と、を含んで構成されている。オペアンプ741の一方の入力端子は、配線771および信号線223を介して二次側グランドSGLに接続されており、他方の入力端子は、配線773を介して一次側グランドPGLに接続されている。オペアンプ741の出力端子は、配線772を介してセンサ制御部600に接続されるとともに、配線743と抵抗742を介して配線771に接続されている。
漏洩電流Iescが発生すると、二次側グランドSGLの基準電位は、漏洩電流Iescの大きさに応じて、一次側グランドPGLの基準電位よりも低下する。これは、一次側電源回路710を含む一次側から微粒子センサ100に供給されるエネルギー(電力)と、信号線223を介して微粒子センサ100から出力されるエネルギー(電力)との間に、漏洩電流Iescに対応するエネルギー分の差異が生じるためである。漏洩電流Iescの発生により、二次側グランドSGLの基準電位と一次側グランドPGLの基準電位との間に差異が生じると、オペアンプ741は、この差異に応じた電圧を出力する。オペアンプ741が出力する電圧は、漏洩電流Iescの電流値に相関するため、この電圧値は、漏洩電流Iescの電流値を示す信号Sescとして配線772を介してセンサ制御部600に出力される。また、オペアンプ741が出力する電圧は、抵抗742を介することによって、補償電流Icとして配線771に供給される。この補償電流Icは、漏洩電流Iescと電流値が等しく、二次側の回路を構成する配線771に供給されることで、二次側グランドSGLの基準電位と一次側グランドPGLの基準電位との間の差異を補償する。本実施形態において、イオン電流測定回路740は、特許請求の範囲の「第2の電流測定回路」に該当する。また、補償電流Icは、特許請求の範囲の「第2の電流」に該当する。また、補償電流Icの電流値を示す信号は、特許請求の範囲の「第2の信号」に該当する。
センサ制御部600は、イオン電流測定回路740から入力される漏洩電流Iescの電流値を示す信号Sescから排ガス中の煤Sの量を検出する。漏洩電流Iescの電流値から排ガス中の煤Sの量を検出する方法については、特に限定されないが、例えば、センサ制御部600は、漏洩電流Iescの電流値と排ガス中の煤Sの量との対応関係が示されているマップや、漏洩電流Iescの電流値と排ガス中の煤Sの量との関係式を記憶していれば、これらを用いることによって、排ガス中の煤Sの量を算出することができる。
図5は、コロナ電流測定回路730の概略構成を例示した説明図である。コロナ電流測定回路730は、入力側と出力側との間が絶縁されたいわゆる光結合式のアイソレーションアンプとして構成されている。コロナ電流測定回路730の入力側は電気回路部700(図3)の二次側に属し、出力側は電気回路部700の一次側に属している。コロナ電流測定回路730は、第1のオペアンプ731と、A/Dコンバータ732と、発光部733と、受光部734と、第2のオペアンプ735と、D/Aコンバータ736とを備えている。
第1のオペアンプ731の2つの入力端子は、配線761と配線762にそれぞれ接続されており、出力端子は、A/Dコンバータ732に接続されている。第1のオペアンプ731は、配線761と配線762との電位差を増幅してA/Dコンバータ732に出力する。配線761と配線762との電位差は、抵抗値が既知のシャント抵抗230(図3)の両側の電位差であり、信号線223(図3)を流れる電流の電流値と相関する。すなわち、第1のオペアンプ731は、信号線223(図3)を流れる電流の電流値を示すアナログの電圧信号を増幅させてA/Dコンバータ732に出力する。A/Dコンバータ732は、第1のオペアンプ731と発光部733に接続されており、第1のオペアンプ731から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して発光部733に出力する。
発光部733は、LEDを含んで構成されており、A/Dコンバータ732と二次側グランドSGLに接続されている。発光部733は、A/Dコンバータ732から出力されたデジタルの電圧信号を光信号に変換する。受光部734は、フォトダイオードを含んで構成されており、第2のオペアンプ735と一次側グランドPGLに接続されている。受光部734は、発光部733から出力される光信号を電流信号に変換して第2のオペアンプ735に出力する。このように、発光部733と受光部734との間は、電気的、物理的に絶縁されており、光によって信号の伝達がおこなわれる。
第2のオペアンプ735は、受光部734とD/Aコンバータ736に接続されており、電流−電圧変換回路を含んで構成されている。第2のオペアンプ735は、受光部734から出力された電流信号を電圧信号に変換してD/Aコンバータ736に出力する。D/Aコンバータ736は、第2のオペアンプ735と配線763に接続されており、第2のオペアンプ735から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して配線763を介してセンサ制御部600(図3)に出力する。コロナ電流測定回路730は、上述の構成を備えることによって、一次側と二次側との間の絶縁を保ちつつ、二次側の信号線223から入力された信号を一次側のセンサ制御部600に出力することができる。
以上説明した第1実施形態の微粒子測定システム10(図3)によれば、絶縁トランス720の一次側と二次側にそれぞれ接続されている2つの電気測定回路(コロナ電流測定回路730とイオン電流測定回路740)のうち、コロナ電流測定回路730は、アイソレーションアンプとして構成され、一次側と二次側との間が物理的に絶縁されている。そのため、本実施形態の微粒子測定システム10では、一次側の回路と二次側の回路とを電気的に接続しているのは、イオン電流測定回路740だけの構成となっており、イオン電流測定回路740以外の部分において、一次側から二次側に漏れ電流が発生することを抑制することができる。イオン電流測定回路740以外の部分における漏れ電流の発生を抑制することで、イオン電流測定回路740において、二次側に供給される補償電流Icの電流値と、漏洩電流Iescの電流値との間の誤差を低減することができる。よって、本実施形態の微粒子測定システム10によれば、排ガス中に含まれる煤Sの量を検出する精度の向上を図ることができる。
また、第1実施形態の微粒子測定システム10によれば、コロナ電流測定回路730は、第1のオペアンプ731によって、信号線223を流れる電流の電流値を示す信号を増幅させた後に光信号に変換するため、排ガス中に含まれる煤Sの量を検出する精度の向上を図ることができる。具体的には、信号線223を流れる電流の電流値を示す信号は微弱であるため、発光部733から受光部734への信号の伝達時に誤差が含まれやすい。誤差を含んだ信号がセンサ制御部600に入力されると、微粒子センサ100に供給される入力電流Iinの電流値と目標電流値との間に誤差が生じるため、上記式(2)に示すように、算出される漏洩電流Iescに誤差が生じ、排ガス中の微粒子の量の検出精度が低下する。本実施形態の微粒子測定システム10によれば、信号線223を流れる電流を示す信号を増幅した後に光信号に変換するため、発光部733から受光部734への信号の伝達時に誤差が含まれにくい。よって、本実施形態の微粒子測定システム10によれば、排ガス中に含まれる煤Sの量を検出する精度の向上を図ることができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B−1.変形例1:
第1実施形態のコロナ電流測定回路730(図4)は、発光部733と受光部734との間において光によって信号の伝達をおこなう光結合式のアイソレーションアンプとして説明した。しかし、コロナ電流測定回路730は、入力側と出力側とが絶縁され、この絶縁部を介して入力側から出力側へ情報の伝達が可能な回路であれば、光結合方式のアイソレーションアンプに限定されない。例えば、コロナ電流測定回路730は、磁気によって信号の伝達をおこなう磁気結合式のアイソレーションアンプであってもよいし、コンデンサを使用した容量結合式のアイソレーションアンプであってもよい。なお、コロナ電流測定回路730は、ノイズに強く、リークが少ない光結合式のアイソレーションアンプとすることがより好ましい。
B−2.変形例2:
第1実施形態として示した微粒子測定システム10の構成は例示であり、本発明は、第1実施例で示した微粒子測定システム10の構成以外の構成であっても実現することができる。例えば、微粒子測定システム10は、第2の電極132を備えていなくてもよい。また、微粒子測定システム10は、イオン発生部110が微粒子センサ100の内側ではなく、微粒子センサ100とは別体として構成されていてもよい。また、イオン発生部110は、排ガス帯電部120と隣接する形態で設けられる必要はなく、排ガス帯電部120の内部に配置されるように構成されていてもよい。
B−3.変形例3:
本実施例のセンサ制御部600は、コロナ電流測定回路730から出力される信号Sdc+trpに基づいて入力電流Iinの電流値が目標電流値となるように、放電電圧制御回路711を制御するものとして説明したが、センサ制御部600の構成はこれに限定されない。例えば、センサ制御部600は、コロナ電流測定回路730から出力される信号Sdc+trpのほか、イオン電流測定回路740から出力される信号Sescを用いて放電電圧制御回路711を制御するように構成されていてもよい。信号Sdc+trpは、電流(Idc+Itrp)の電流値を示し、信号Sescは、電流(Iesc)の電流値を示している。そのため、上記式(1)に示すように、この2つの信号を用いることにより、センサ制御部600は、入力電流Iinの電流値を検出する精度をより高めることができる。
B−4.変形例4:
第1実施形態の微粒子測定システム10は、コロナ放電により第1の電極112と隔壁42との間で陽イオンを発生させる構成としたが、微粒子測定システム10は、コロナ放電により陰イオンを発生させる構成としてもよい。例えば、第1の電極112、隔壁42の正負の接続先を変更することにより、第1の電極112と隔壁42との間で陰イオンを発生させせることができる。
10…微粒子測定システム
25…セラミックパイプ
31…ガス流路
35…排出孔
41…ノズル
42…隔壁
45…流入孔
55…空気供給孔
100…微粒子センサ
110…イオン発生部
111…イオン発生室
112…第1の電極
120…排ガス帯電部
121…帯電室
130…イオン捕捉部
131…捕捉室
132…第2の電極
200…ケーブル
221…第1の配線
222…第2の配線
223…信号線
224…空気供給管
230…シャント抵抗
300…センサ駆動部
400…内燃機関
402…排ガス配管
405…燃料配管
410…フィルタ装置
420…車両制御部
430…燃料供給部
440…電源部
500…車両
600…センサ制御部
700…電気回路部
710…一次側電源回路
711…放電電圧制御回路
712…トランス駆動回路
720…絶縁トランス
730…コロナ電流測定回路
731…第1のオペアンプ
733…発光部
734…受光部
735…第2のオペアンプ
740…イオン電流測定回路
741…オペアンプ
742…抵抗
743…配線
751…第1の整流回路
752…第2の整流回路
753…ショート保護用抵抗
754…ショート保護用抵抗
761〜763、771〜773…配線
800…空気供給部

Claims (2)

  1. コロナ放電によってイオンを発生させるイオン発生部と、
    ガス中の少なくとも一部の微粒子を、前記イオンを用いて帯電させるための帯電室と、
    前記帯電室と連通し、前記微粒子の帯電に使用されなかった前記イオンの少なくとも一部を捕捉する捕捉部と、を備える微粒子測定システムであって、
    前記コロナ放電に用いられる電力の電圧変換をおこなう絶縁トランスであって、二次側が前記イオン発生部に接続される絶縁トランスと、
    前記絶縁トランスの一次側に接続され、前記絶縁トランスに供給する電力の電圧値を変更可能な一次側電源回路と、
    前記一次側電源回路に接続され、前記一次側電源回路を制御して前記イオン発生部に供給される電力の電流値を調整する制御回路と、
    前記絶縁トランスの二次側の基準電位を示す配線である二次側基準電位配線と、前記捕捉部と、前記制御回路と、にそれぞれ接続され、前記捕捉部から前記二次側基準電位配線に向けて流れる第1の電流の電流値を示す第1の信号を前記制御回路に伝送する第1の電流測定回路と、
    前記絶縁トランスの一次側の基準電位を示す配線である一次側基準電位配線と、前記二次側基準電位配線と、前記制御回路と、にそれぞれ接続され、前記一次側基準電位配線と前記二次側基準電位配線との電位差に基づいて得られる第2の電流の電流値であって、前記捕捉部に捕捉されなかったイオンの量に相当する第2の電流の電流値を示す第2の信号を前記制御回路に伝送する第2の電流測定回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記第1の電流の電流値に応じて前記イオン発生部に供給される電力の電流値を目標電流値に調整するとともに、前記第2の電流の電流値に応じて前記ガス中の前記微粒子の量を測定するように構成されており、
    前記第1の電流測定回路は、入力側と出力側とを絶縁するアイソレーションアンプを含んで構成され、前記アイソレーションアンプの前記入力側で増幅した前記第1の信号を絶縁して前記出力側から前記制御回路に伝送することを特徴とする微粒子測定システム。
  2. 請求項1に記載の微粒子測定システムであって、
    前記ガスは、内燃機関から排出される排気ガスであり、
    前記帯電室は、前記排気ガスが流通する排気管内に配置されていることを特徴とする微粒子測定システム。
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