JP2016161370A - 微粒子測定システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオン発生部と、内燃機関の排ガス中の微粒子が流入し微粒子をイオンを用いて帯電させる帯電室と、ガスを供給してイオンを帯電室に送ると共に微粒子の流入を促すガス供給部と、ガス供給量を制御するガス供給制御部と、微粒子の帯電に使用されなかったイオンを補足するイオン補足部と、発生されたイオン量と補足されたイオン量との差分に相当する電流値に基づき微粒子量に相関する測定信号を出力する測定信号生成回路と、測定信号に基づき微粒子量を決定する微粒子量決定部と、を備える微粒子測定システムにおいて、微粒子量がゼロである場合の測定信号のずれと微粒子量のずれと、のうちのいずれかのずれの補正を実行する校正実行部をさらに備え、校正実行部は、ガス供給量が帯電室に微粒子が流入しない条件を満たす所定供給量である場合に、補正を実行する。
【選択図】図6
Description
A1.システム構成:
図1は、本発明の一実施形態としての微粒子測定システムを適用した車両の概略構成を示す説明図である。図1(a)は、微粒子測定システム10を搭載した車両500の概略構成を例示した説明図である。図1(b)は、車両500に取り付けられた微粒子測定システム10の概略構成を例示した説明図である。微粒子測定システム10は、微粒子センサ100と、ケーブル200と、センサ駆動部300とを備えており、内燃機関400から排出される排ガスに含まれる煤などの微粒子の量を測定する。内燃機関400は、車両500の動力源であり、ディーゼルエンジン等によって構成されている。
Iin=Idc+Itrp+Iesc ・・・(1)
ここで、Iinは第1の電極112の入力電流であり、Idcは隔壁42を介してケーシングCSに流れる放電電流であり、ItrpはケーシングCSに捕捉された陽イオンPIの電荷量に相当する捕捉電流であり、Iescはイオン捕捉部130において捕捉されずに外部に流出した陽イオンPIの電荷量に相当する漏洩電流である。
Iesc=Iin−(Idc+Itrp) ・・・(2)
測定信号生成回路740には、この漏洩電流Iescに相当する電流Icが流れる。測定信号生成回路740は、この電流Icに応じた測定信号Sescを生成してセンサ制御部600に出力する。センサ制御部600の微粒子量決定部610は、測定信号Sescに基づいて排ガスに含まれる微粒子量を決定する。
図4は、測定信号生成回路740の構成を示すブロック図である。測定信号生成回路740は、増幅回路741と、負帰還抵抗742と、抵抗743とを含む。増幅回路741としてはオペアンプを利用可能である。増幅回路741の反転入力端子は、抵抗743、配線771、および信号線223を介して二次側グランドSGLに接続されている。信号線223は、図3に示すように、微粒子センサのケーシングCSに接続されている。増幅回路741の非反転入力端子には、一次側グランドPGLに対して一定の基準電圧(例えば、0.5V)を与える電源Vrefが配線773を介して接続されている。以下の説明では、この電源Vrefの基準電圧を表す際にも同じ符号「Vref」を用いる。増幅回路741の非反転入力端子に基準電圧Vrefを入力すれば、増幅回路741の2つの入力端子間の電位差を、誤差(バイアス電流やオフセット電圧による誤差等)の生じにくい電位差範囲に近づけるように調整することができる。増幅回路741の反転入力端子には、後に詳述するように、微粒子センサ100の漏洩電流Iesc(図3)に相当する電流Icが流れる。この電流Icは、増幅回路741によって電圧E1に変換される。電圧E1を示す信号Sescは、測定信号として、配線772を介してセンサ制御部600に供給される。
E1=Ic×R1+Vref ・・・(3)
ここで、Icは補償電流、R1は負帰還抵抗742の抵抗値、Vrefは増幅回路741の基準電圧である。
図5は、本実施形態における微粒子量決定および校正処理の手順を示すフローチャートである。図6は、本実施形態における微粒子量決定処理の手順を示すフローチャートである。微粒子量決定および校正処理は、内燃機関400から排出される排ガスに含まれる煤などの微粒子の量を決定する処理と、その決定の際に用いられる補正値を適切な値に設定(更新)するための処理とから成る。補正値を適切な値に設定するために、本実施形態では、排ガス中の微粒子量が本来ゼロである場合の測定信号Sescのずれを特定し、このずれをキャンセルするような補正値を決定する。微粒子測定システム10では、車両制御部420からイグニッションオンの信号を受信すると、微粒子量決定および校正処理が実行される。
B1.変形例1:
実施形態では、コロナ放電によって陽イオンPIを発生させ、かかる陽イオンPIを帯電室に流入した排ガスと混合させることにより微粒子Sを帯電させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電極の表面上に粒子を付着させて、電極に高電圧を印加することにより、微粒子Sを帯電した帯電粒子とする帯電部をセンサ本体に有する微粒子測定システム10に、本発明を適用してもよい(例えば、米国特許公開公報US2012/0312074A1および米国特許公開公報US2013/0219990A1参照)。
実施形態では、微粒子量決定および校正処理は、センサ制御部600において実行されていたが、かかる処理のうち、少なくとも一部を、車両制御部420において実行される構成としてもよい。例えば、ステップS105(微粒子量決定処理)はセンサ制御部600(微粒子量決定部610)が実行し、ステップS110〜S135は車両制御部420が実行する構成としてもよい。この構成では、ステップS120において、車両制御部420は、センサ制御部600からN回分の電流値を取得すればよい。また、ステップS130において、車両制御部420は、ステップS125で算出された平均値をセンサ制御部600に送信し、センサ制御部600は受信した平均値を補正値格納部660に上書きして記憶すればよい。この構成においては、車両制御部420は、請求項における校正実行部に相当する。
実施形態では、校正開始指示信号は、車両500が予め設定されている所定の距離(例えば、5000キロメートル)を走行する度に出力されていたが、本発明はこれに限定されない。5000キロメートルに限らず、任意の距離を走行する度に出力されてもよい。また、例えば、車両500においてインストルメントパネル等に配置されている所定のスイッチが運転者等によりオンされた場合に出力されてもよい。このような構成により、運転者は、希望する任意のタイミングで補正値を校正できる。また、例えば、運転時間の積算値が所定の閾値に達したことを契機として出力されてもよい。この構成においても、上述した走行距離が所定の閾値に達したことを契機とする構成と同様な効果を有する。また、例えば、図示しないタイマーで計時し、所定期間(例えば、30日間)経過を契機として定期的に出力する構成としてもよい。
実施形態では、微粒子量決定および校正処理において測定信号Sescの電流値の補正と、かかる補正に用いられる補正値の更新とを実行していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、微粒子量決定処理において、測定信号Sescの電流値に基づき微粒子量を決定すると共に決定された微粒子量を補正し、また、微粒子量を補正するために用いられる補正値を更新してもよい。この構成においては、例えば、ポンプを停止させた状態で得られた電流値に基づき微粒子量を求め、かかる微粒子量を補正値として決定する。本来、この状態において得られる微粒子量はゼロであるので、ゼロ以外の値として得られる微粒子量は、リーク電流等の原因により求められる誤差分の微粒子量に相当する。したがって、微粒子量決定処理では、かかる誤差分の微粒子量を、測定信号Sescの電流値に基づき決定された微粒子量から差し引くことで、微粒子量を精度良く求めることができる。
実施形態の微粒子量決定処理のステップS215では、微粒子量マップを参照して微粒子量を決定していたが、かかるマップに代えて、測定信号Sescの電圧値と微粒子量との関係を示す関係式を用いて演算することにより、微粒子量を決定してもよい。
実施形態では、微粒子量決定および校正処理のステップS115において、ポンプを停止させてイオン発生部110への高圧空気の供給を停止させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、空気供給部800による高圧空気の供給を停止させている状態において、帯電室121内の気圧が排ガス配管402内の気圧よりも高い場合には、空気供給部800により高圧空気を供給しても、帯電室121内の気圧が相対的に高い状態となり得る。このような場合においては、空気供給部800を駆動させてイオン発生部110に高圧空気を供給してもよい。但し、この場合、排ガス配管402内の排ガス(微粒子)が帯電室121内に流入しない程度に空気を供給することが求められる。すなわち、一般には、校正実行部620は、イオン発生部110への高圧空気の供給量が帯電室121に微粒子が流入しない条件を満たす所定供給量である場合に、校正処理を実行することが好ましい。
実施形態では、ステップS115(ポンプの駆動停止)が完了すると、所定回数分の電流値の取得(ステップS120)が実行されていたが、これら2つのステップS115,S120の間に、所定期間だけ待機するステップを設けてもよい。ポンプを停止させた時点で帯電室121内に、微粒子Sに帯電されておらず且つケーシングCSに補足されていない陽イオンPIが存在する場合、その後、かかる陽イオンPIが帯電室121内において微粒子Sに帯電することで、微粒子への帯電に起因する測定信号Sesc(漏洩電流Iesc)が生じ得る。この場合、絶縁性低下に起因するリーク電流を正確に特定できないおそれがある。これに対して、ステップS115の後に所定期間だけ待機することにより、微粒子Sに帯電されておらず且つケーシングCSに補足されていない陽イオンPIの量が低減した状態で、校正処理を実行できる。このため、リーク電流を精度良く特定できる。
実施形態では、微粒子測定システム10は車両500に搭載され、内燃機関400の排ガスに含まれる微粒子量を測定していたが、本発明はこれに限定されない。船等の任意の移動体に搭載された内燃機関や、定置型の内燃機関等、他の任意の内燃機関の排ガスに含まれる微粒子を測定してもよい。
25…セラミックパイプ
31…ガス流路
35…排出孔
41…ノズル
42…隔壁
45…流入孔
55…空気供給孔
100…微粒子センサ
100e…先端部
100r…後端部
110…イオン発生部
111…イオン発生室
112…第1の電極
120…排ガス帯電部
121…帯電室
130…イオン捕捉部
131…捕捉室
132…第2の電極
200…ケーブル
221…第1の配線
222…第2の配線
223…信号線
224…空気供給管
230…シャント抵抗
300…センサ駆動部
400…内燃機関
402…排ガス配管
405…燃料配管
406…センサ
410…フィルタ装置
420…車両制御部
430…燃料供給部
440…電源部
500…車両
600…センサ制御部
610…微粒子量決定部
620…校正実行部
630…マップ格納部
640…電流値格納部
650…微粒子量格納部
660…補正値格納部
670…空気供給制御部
700…電気回路部
710…一次側電源回路
711…放電電圧制御回路
712…トランス駆動回路
720…絶縁トランス
730…コロナ電流測定回路
740…測定信号生成回路
741…増幅回路
742…負帰還抵抗
743…抵抗
751…第1の整流回路
752…第2の整流回路
753…ショート保護用抵抗
754…ショート保護用抵抗
761,763…配線
771〜773…配線
800…空気供給部
CS…ケーシング
DL…延伸方向
E1…電圧
F…矢印
Ic…電流、補償電流
Idc…放電電流
Iin…入力電流
Iesc…電流、漏洩電流
Itrp…捕捉電流
PI…陽イオン
PGL…一次側グランド
S…微粒子
Sesc…測定信号
Sdc+trp…信号
SGL…二次側グランド
Vref…電源、基準電圧
Claims (3)
- イオンを発生させるイオン発生部と、
内燃機関の排ガス中の少なくとも一部の微粒子が流入し、該流入した微粒子を前記イオンを用いて帯電させるための帯電室と、
前記イオン発生部に所定種類のガスを供給して、前記イオン発生部から発生された前記イオンを前記帯電室に送ると共に前記帯電室への前記微粒子の流入を促すガス供給部と、
前記ガス供給部による前記ガスの供給量を制御するガス供給制御部と、
前記微粒子の帯電に使用されなかった前記イオンの少なくとも一部を補足するイオン補足部と、
前記イオン発生部から発生された前記イオンの量と前記イオン補足部に補足された前記イオンの量との差分に相当する電流値に基づいて、前記排ガス中の微粒子量に相関する測定信号を出力する測定信号生成回路と、
前記測定信号に基づき前記微粒子量を決定する微粒子量決定部と、
を備える微粒子測定システムであって、
前記微粒子量がゼロである場合の前記測定信号のずれと、前記微粒子量がゼロである場合の前記測定信号に基づき特定される前記微粒子量のずれと、のうちのいずれかのずれの補正を実行する校正実行部をさらに備え、
前記校正実行部は、前記ガスの供給量が前記帯電室に前記微粒子が流入しない条件を満たす所定供給量である場合に、前記補正を実行する、
ことを特徴とする微粒子測定システム。 - 請求項1に記載の微粒子測定システムにおいて、
前記所定供給量はゼロである、
ことを特徴とする微粒子測定システム。 - 請求項1または請求項2に記載の微粒子測定システムにおいて、
前記イオン発生部は、コロナ放電により、前記イオンを発生させる、
ことを特徴とする微粒子測定システム。
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