JP2018128360A - 微粒子検出装置、車両、微粒子検出方法および微粒子径推定装置 - Google Patents

微粒子検出装置、車両、微粒子検出方法および微粒子径推定装置 Download PDF

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Katsunori Yazawa
克則 矢澤
健 丹下
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健 丹下
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Shinji Kumazawa
真治 熊澤
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Abstract

【課題】排気中の微粒子量を粒径の変化を考慮して検出する。【解決手段】排気が流通する測定室内における微粒子の挙動に影響を与えるパラメータを予め定めた第1の値に設定した状態で、測定室内に設けられたコロナ放電用電極に、放電用電圧を印加してコロナ放電を生じさせ、コロナ放電によって発生したイオンにより、排気中の微粒子を帯電させ、この帯電した微粒子量により変化するイオン電流の大きさに対応したイオン電流対応信号を検出し、このイオン電流対応信号に基づいて、排気中の微粒子量を測定する。ここで、所定のタイミングで、上記のパラメータを第1の値から、第1の値とは異なる第2の値に変更し、このパラメータの変更に伴うイオン電流対応信号の変化に基づいて、微粒子の粒径の変化を推定し、微粒子量の検出を行なう。【選択図】図6

Description

本発明は、微粒子を検出する微粒子検出装置とこの微粒子検出装置を備えた車両に関する。
炭化水素を含む燃料を燃焼する内燃機関を備えた車両では、炭化水素の燃焼に伴い、排気中にカーボンを含んだ微粒子(PM)が生じることがある。カーボンを含んだ微粒子の大気への排出を制限するために、排気中の微粒子(PM)を検出する微粒子検出装置が提案されている。こうした微粒子検出装置としてコロナ放電を利用したものが知られている(例えば下記特許文献1参照)。コロナ放電を用いた微粒子検出装置では、コロナ電流を制御して、コロナ放電により一定量のイオンを発生させる。このイオンの一部は微粒子に付着して微粒子を帯電させるから、帯電微粒子が外部、つまり大気に出て行くことで生じるイオン電流を測定すれば、微粒子量を測定することができる。
特開2014−219225号公報
上記特許文献1の微粒子測定の技術は、コロナ電流を安定化した上でイオン電流を測定し、微粒子量を測定する優れたものであるが、微粒子を含んだ排気を生じる内燃機関などの運転状態が変化すると、微粒子量の検出が不正確になる場合が見い出された。これは、イオンが帯電する煤などの微粒子の大きさや帯電のし易さなどが変化するためだと考えられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の第1の態様として、燃焼を伴う熱機関の排気中の微粒子を検出する微粒子検出装置が提供される。この微粒子検出装置は、前記排気が流通する測定室内における前記微粒子の挙動に影響を与えるパラメータを予め定めた第1の値に設定した状態で、前記測定室内に設けられたコロナ放電用電極に、放電用電圧を印加してコロナ放電を生じさせるコロナ放電部と、前記コロナ放電によって発生したイオンにより、前記排気中の微粒子を帯電させ、該帯電する微粒子量により変化するイオン電流の大きさに対応したイオン電流対応信号を検出するイオン電流信号出力部と、前記イオン電流対応信号に基づいて、前記排気中の微粒子量を測定する測定部とを備える。更に、この測定部は、所定のタイミングで、前記パラメータを前記第1の値から、前記第1の値とは異なる第2の値に変更し、該パラメータの変更に伴う前記イオン電流対応信号の変化に基づいて、前記微粒子の粒径の変化を推定する。
この微粒子検出装置によれば、所定のタイミングで、排気が流通する測定室内における微粒子の挙動に影響を与えるパラメータを第1の値から、第1の値とは異なる第2の値に変更し、このパラメータの変更に伴うイオン電流対応信号の変化に基づいて、微粒子の粒径の変化を推定する。従って、微粒子の検出に際して、測定対象である微粒子の粒径の変化を推定することができる。
(2)こうした微粒子検出装置において、前記測定部は、前記推定した前記微粒子の粒径の変化を考慮して、前記イオン電流対応信号から求められる前記微粒子量を補正するものとしてよい。こうすれば、微粒子量の測定に、微粒子の粒径の変化を反映させることができる。
(3)上記の微粒子検出装置において、前記微粒子の挙動に影響を与えるパラメータとしては、以下のうち、少なくともいずれか1つを想定することができる。
[1]前記放電用電圧、
[2]前記測定室を通過する排気の流速、
[3]前記測定室からの流路に設けられ、前記コロナ放電により発生したイオンのうち、前記微粒子に付着しなかったイオンを捕捉するトラップ電極に印加する電圧。
これらの少なくともいずれか1つを変化させれば、微粒子はその挙動に影響を受ける。これらのパラメータの変化とイオン電流対応信号の変化との関係は、予め実験的に測定したりシミュレーションしたりしておくことができるので、イオン電流対応信号から微粒子の粒径の変化を容易に推定することができる。
(4)こうした微粒子検出装置において、前記測定部は、前記パラメータを第1の値から第Nの値(Nは、3以上の整数)まで順次変更し、N回の前記イオン電流対応信号から、前記微粒子の粒径の推定を行なうものしてもよい。こうすれば、3以上のイオン電流対応信号が得られるので、微粒子の粒径の推定をより詳細に行なうことができる。例えば、粒径の変化が非線形なものであっても、これを検出し、粒径の推定に反映させることができる。
(5)本発明の第2の態様として、内燃機関を備えた車両が提供される。この車両は、上記の微粒子検出装置を、前記熱機関である前記内燃機関の排気通路に設け、前記微粒子検出装置の前記測定部は、前記内燃機関の運転を制御する運転制御部から、前記内燃機関の運転状態が、予め定めた閾値以上に変化したとき、前記粒径の推定を行なうものとしてよい。こうすれば、粒径の変化の推定を行なう処理を、微粒子の粒径が変化すると想定されるタイミングで行なうことができる。なお、粒径の変化の推定は、こうした内燃機関の運転状態が変化したときに限らず、所定のインターバルで繰り返し行なうものとしてもよい。あるいは微粒子検出装置が検出する微粒子量が所定以上変化したときに行なうものとしてもよい。
(6)本発明は上記の態様に限らず、種々の態様で実施可能である。例えば、燃焼を伴う熱機関の排気中の微粒子を検出する方法として実施してもよい。あるいは、粒径の変化の推定または粒径の推定や記録のみを行なう装置や方法として実施することも差し支えない。この場合、イオン電流対応信号に基づく微粒子量の検出は必ずしも行なう必要はない。また、微粒子の粒径の変化の推定や粒径の推定に基づいて、内燃機関などの熱機関を制御する装置としても実施可能である。
実施形態に係る微粒子検出装置の全体構成を説明するための説明図である。 微粒子検出装置のうち、センサ駆動部とセンサとの概略構成を示す説明図である。 微粒子センサの先端部の概略構成を模式的に示した説明図である。 電気回路部の概略構成を例示した説明図である。 イオン電流検出回路の回路構成を示す回路図である。 微粒子検出処理の概要を例示するフローチャートである。 第1実施形態における微粒子径推定付き微粒子検出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 微粒子の粒径の推定の手法を説明する説明図である。 微粒子量の補正係数を説明する説明図である。 第2実施形態における微粒子径推定付き微粒子検出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
A.第1実施形態:
A1)微粒子検出装置全体のハードウェア構成:
図1Aは、実施形態に係る微粒子検出装置10の全体構成、特に微粒子検出装置10を搭載した車両50の概略構成を例示した説明図である。図1Bは、車両50に取り付けられた微粒子検出装置10の概略構成を例示した説明図である。
図1Aに示すように、実施形態の微粒子検出装置10は、微粒子センサ100と、ケーブル20と、センサ駆動部30とを含んで構成され、内燃機関40から排出される排ガスEGに含まれる煤などの微粒子の量を測定する。内燃機関40とは、車両50の動力源であり、本実施形態では、ディーゼルエンジンである。もとよりガソリンやアルコールなどの他の燃料を利用したエンジンなどであっても差し支えない。
微粒子センサ100は、内燃機関40から延びる排ガス配管62に取り付けられ、コロナ放電を利用して排ガス配管62中の煤などの微粒子を検出する。微粒子センサ100は、ケーブル20によってセンサ駆動部30と電気的に接続されている。本実施形態では、微粒子センサ100は、フィルタ装置41(例えば、DPF(Diesel particulate filter))よりも下流側の排ガス配管62に取り付けられている。微粒子センサ100は、気体である排ガスEGに含まれる微粒子の量に相関する信号をセンサ駆動部30に出力する。
センサ駆動部30は、微粒子センサ100を駆動させるとともに、微粒子センサ100から入力される信号に基づいて、排ガスEG中の微粒子の量を検出する。センサ駆動部30が検出する「排ガスEG中の微粒子の量」とは、排ガスEG中の微粒子の表面積の合計に比例する値であってもよいし、微粒子の質量の合計に比例する値であってもよい。または、排ガスEGの単位体積中に含まれる微粒子の個数に比例する値(微粒子の濃度)であってもよい。この場合には、微粒子センサ100を通過した排ガスEGの量を別途測定しておく。微粒子センサ100を通過する排ガスEGの量は、排ガス配管62に設けた流量センサ(図示省略)の出力から求めたり、車両の運転状態に関する複数のパラメータを用いた公知の手法により推定したりすることができる。
センサ駆動部30は、車両50側の車両制御部42と電気的に接続されており、検出した排ガスEG中の微粒子量を示す信号を車両制御部42に出力する。車両制御部42は、車両50全体の制御を司っており、各部とはCANなどのネットワークを用いて接続され、データのやり取りを行なっている。車両制御部42は、センサ駆動部30との間で信号を入出力し、センサ駆動部30の動作を指示し、また逆にセンサ駆動部30から信号を入力し、燃料配管61を介して燃料供給部43から内燃機関40に供給される燃料の供給量を調整するなど内燃機関40の燃焼状態を制御するする。また、車両制御部42は、車両の異常などを検出し、その状態を記録するダイアグノーシスとしての機能を有する。例えば、排ガスEG中の微粒子量が所定量よりも多い場合には、フィルタ装置41の劣化や異常を車両50の運転手に警告する。車両には、バッテリ44が搭載されており、車両の各部に電力を供給する。後述する各回路は、電源回路を備える場合があり、このバッテリ44からの電力を元に、必要に応じて動作に必要な電圧を提供する。
図1Bに示すように、微粒子センサ100は、円筒形状の先端部100eを備えており、この先端部100eが排ガス配管62の内側に挿入された状態で、排ガス配管62の外表面に固定されている。ここでは、微粒子センサ100の先端部100eは、排ガス配管62の延伸方向DLに対してほぼ垂直に挿入されている。先端部100eのケーシングCSの表面には、排ガスEGをケーシングCSの内部に取り込むための流入孔145と、取り込んだ排ガスEGをケーシングCSの外部に排出するための排出孔135とが設けられている。排ガス配管62の内部を流通する排ガスEGの一部は、流入孔145を介して先端部100eのケーシングCSの内部に取り込まれる。取り込まれた排ガスEG中に含まれる微粒子は、微粒子センサ100において生成するイオン(ここでは、陽イオン)によって帯電される。帯電した微粒子を含む排ガスEGは、排出孔135を介してケーシングCSの外部に排出される。微粒子センサ100は、帯電した微粒子が外部に排出されることで生じるイオン電流を用いて、微粒子量の検出を行なう。ケーシングCSの内部の構成や、微粒子センサ100の具体的な構成については後述する。
微粒子センサ100の後端部100rには、ケーブル20が取り付けられている。ケーブル20は、第1の配線21と、第2の配線22と、信号線23と、空気供給管24と、を束ねた構成を備えている。ケーブル20を構成する配線21,22および信号線23と、空気供給管24は、それぞれ可撓性の部材によって構成されている。第1の配線21、第2の配線22、および、信号線23は、センサ駆動部30の電気回路部70に電気的に接続され、空気供給管24は、空気供給部80に接続されている。
センサ駆動部30は、制御部60と、電気回路部70と、空気供給部80とを備えている。制御部60と電気回路部70との間、および、制御部60と空気供給部80との間は、必要な電気的な絶縁を施した上で、それぞれ電気的な信号のやり取りが可能とされている。
制御部60は、マイクロコンピュータを含んで構成されており、電気回路部70と空気供給部80とを制御する。また、制御部60は、電気回路部70から入力される信号から排ガスEG中の微粒子の量を検出し、排ガスEG中の微粒子量を表す信号を車両制御部42に出力する。この他、制御部60は、電気回路部70の異常検出も行なう。制御部60が行なう異常検出の処理については、後で詳しく説明する。
電気回路部70は、第1の配線21および第2の配線22を介して、微粒子センサ100を駆動するための電力を供給する。また、電気回路部70は、信号線23を介して微粒子センサ100からコロナ電流に相関する信号が入力される。電気回路部70は、信号線23から入力される信号を用いて、コロナ電流の安定化を図り、その上で、排ガスEG中の微粒子量に対応するイオン電流に応じた信号を制御部60に出力する。これらの信号の具体的な内容については後述する。
空気供給部80は、ポンプ(図示しない)を含んで構成されており、制御部60からの指示に基づいて、空気供給管24を介して、高圧空気を微粒子センサ100に供給する。制御部60は、空気供給部80を制御して、微粒子センサ100に供給する空気量を可変することができる。空気供給部80から供給される高圧空気は、微粒子センサ100を駆動させるときに用いられる。なお、空気供給部80が供給するガスの種類は空気以外であってもよい。
A2)微粒子センサの構成:
図2は、微粒子センサ100の先端部100eの概略構成を模式的に示した説明図である。微粒子センサ100の先端部100eは、全体が、排ガス配管62の内部に配置され、排ガスEGに晒されている。微粒子センサ100の先端部100eは、イオン発生部110と、排ガス帯電部120と、イオン捕捉部130と、を備えている。ケーシングCSは、イオン発生部110、排ガス帯電部120、および、イオン捕捉部130の3つの機構部がこの順に先端部100eの基端側(図2の上方)から先端側(図2の下方)に向かって(換言すれば、微粒子センサ100の軸線方向に沿って)並んだ構成を有している。ケーシングCSは、導電性部材によって形成され、信号線23(図1B)を介して、図3、図4を用いて後述するように、電気回路部70の内部で、シャント抵抗器R1を介して、二次側グランドSGLに接続されている。
イオン発生部110は、排ガス帯電部120に供給するイオン(ここでは陽イオン)を発生させるための機構部であり、イオン発生室111と、第1の電極112とを含んで構成されている。イオン発生室111は、ケーシングCSの内側に形成された小空間であり、内周面には空気供給孔155とノズル124とが設けられ、内部には第1の電極112が突出した状態で取り付けられている。空気供給孔155は、空気供給管24(図1B)と連通しており、空気供給部80(図1B)から供給される高圧空気をイオン発生室111に供給する。ノズル124は、排ガス帯電部120との間を区画する隔壁142の中心部付近に設けられた微小孔(オリフィス)であり、イオン発生室111で発生したイオンを排ガス帯電部120の帯電室121に供給する。第1の電極112は、棒状の外形を備え、先端部が隔壁142と近接するようにして基端部がセラミックパイプ25を介してケーシングCSに固定されている。第1の電極112は、第1の配線21(図1B)を介して電気回路部70に接続されている。その詳細は後述する。
イオン発生部110は、第1の電極112を陽極とし、隔壁142を陰極として、電気回路部70により、直流電圧(例えば、2〜3kV)が印加される。イオン発生部110は、この電圧の印加によって、第1の電極112の先端部と、隔壁142との間にコロナ放電が生じる。コロナ放電は、第1の電極112周辺の空気を構成する分子の一部を電離する。これにより、第1の電極112の周りに陽イオンPIが発生する。イオン発生部110において発生した陽イオンPIは、空気供給部80(図1B)から供給される高圧空気とともに、ノズル124を介して排ガス帯電部120の帯電室121に噴射される。ノズル124から噴射される空気の噴射速度は音速程度とすることが好ましい。
排ガス帯電部120は、排ガスEGに含まれる微粒子を陽イオンPIによって帯電させるための部位であり、帯電室121を備えている。帯電室121は、イオン発生室111と隣接する小空間であり、ノズル124を介してイオン発生室111と連通している。また、帯電室121は、流入孔145を介して、ケーシングCSの外部と連通し、ガス流路134を介してイオン捕捉部130の捕捉室131と連通している。帯電室121は、ノズル124から陽イオンPIを含む空気が噴射されたときに内部が負圧になり、流入孔145を介してケーシングCSの外部の排ガスEGが流入するように構成されている。そのため、ノズル124から噴射された陽イオンPIを含む空気と、流入孔145から流入した排ガスEGとは、帯電室121の内部において混合される。このとき、流入孔145から流入した排ガスEGに含まれる煤S(微粒子)の少なくとも一部は、ノズル124から供給される陽イオンPIにより帯電される。帯電した煤Sと帯電に供されなかった陽イオンPIとを含む空気は、ガス流路31を介してイオン捕捉部130の捕捉室131に供給される。
図2において、陽イオンPIを「○」に「+」として、煤Sをハッチングした「○」として、それぞれ示した。陽イオンPIは、視認できないので、図示は理解を図るための模式的なものである。また、煤Sの大きさも、説明のためであり、実際には、0.1μmから数十μm程度のものが多い。微粒子である煤Sの大きさいは、使用する内燃機関40の種類やその燃料、燃焼の状態などにより異なる。
イオン捕捉部130は、煤S(微粒子)の帯電に使用されなかったイオンを捕捉するための部位であり、捕捉室131と、第2の電極132とを含んで構成されている。捕捉室131は、帯電室121と隣接する小空間であり、ガス流路134を介して帯電室121と連通している。また、捕捉室131は、排出孔135を介して、ケーシングCSの外部と連通している。
第2の電極132は、略棒状の外形を備え、長手方向がガス流路134を流通する空気の流通方向(ケーシングCSの延伸方向)に沿うようにしてケーシングCSに固定されている。第2の電極132は、第2の配線22(図1B)を介して電気回路部70に接続されている。第2の電極132は、煤Sの帯電に供されなかった陽イオンの捕捉を補助する補助電極として機能する。具体的には、イオン捕捉部130は、電気回路部70により、第2の電極132を陽極とし、帯電室121および捕捉室131を構成するケーシングCSを陰極として、100V程度の電圧が印加されている。これにより、煤Sの帯電に用いられなかった陽イオンPIは、第2の電極132から斥力を受けて、第2の電極132から離れる方向に移動しやすい状態とされる。移動方向が第2の電極132から離れる方向とされた陽イオンPIは、陰極として機能する捕捉室131やガス流路134の内周壁に捕捉される。一方、陽イオンPIが帯電された煤Sは、陽イオンPIの単体と同様に第2の電極132から斥力を受けるが、質量が陽イオンPIと比較して格段に大きいため、斥力によってその進行方向に与えられる影響が、単体の陽イオンPIに比較して小さい。そのため、帯電した煤Sは、排ガスEGの流れに従って、排出孔135からケーシングCSの外部へと排出される。
微粒子センサ100は、イオン捕捉部130における陽イオンPIの捕捉量に応じた電流の変化を示す信号を出力する。制御部60(図1B)は、微粒子センサ100から出力された信号に基づいて、排ガスEG中に含まれる煤Sの量を検出する。微粒子センサ100から出力される信号から排ガスEG中に含まれる煤Sの量を算出する方法については後述する。
A3)電気回路部の構成:
次に、図3を用いて、電気回路部70および電気回路部70と微粒子センサ100との接続について説明する。図3は、微粒子検出装置10における電気的な全体構成を示す説明図である。電気回路部70は、ドライバ71と、絶縁トランス72と、コロナ電流測定回路73と、イオン電流測定回路74と、第1,第2,第3の整流回路81,82,12と、を備えている。電気回路部70は、絶縁トランス72を挟んで、大きくは絶縁トランス72の一次側と二次側とに分けられる。一次側と二次側とは、それぞれ独立の電源により動作する。一次側の電源は、バッテリ44に接続された電源部46により、安定化された電圧として供給される。ドライバ71の各回路75,76はもとより、制御部60等も、電源部46からドライバ71に供給される直流電源により動作する。この電源は、図3を初めとする各図において、「○」印にVp として示した。なお、二次側の電源は、複数種類存在するので、別途説明する。
本実施形態の絶縁トランス72は、一次側の巻線と二次側の巻線とが、電気的にはもとより、物理的にも接触していない。このため、絶縁不良が生じない限り、絶縁トランス72の一次側と二次側とは、完全に切り離されている。図3において、破線は、電気回路部70の一次側と二次側の境界を示している。絶縁トランス72の一次側の回路としては、ドライバ71のほか、制御部60や電源部46が含まれる。絶縁トランス72の二次側の回路としては、微粒子センサ100や第1,第2,第3の整流回路81,82,12が含まれる。コロナ電流測定回路73とイオン電流測定回路74は、絶縁トランス72の一次側の回路と二次側の回路との間に跨がる回路であり、両方の回路にそれぞれ電気的に接続されている。コロナ電流測定回路73は、後述するように、絶縁トランス72の一次側の回路に電気的に接続される回路部分と、二次側の回路に電気的に接続されている回路部分とが存在するが、両者は、後述するように、フォトカプラにより、電気的に絶縁されている。
電気的に絶縁された一次側と二次側とは、それぞれ個別にグランド電位(接地電位)を定め、接地配線を設けている。ここでは、一次側の回路の基準電位を示すグランドを「一次側グランドPGL」と呼び、図3等では「▽」印により示すものとした。また、二次側の回路の基準電位を示すグランドを「二次側グランドSGL」と呼び、同じく図3等では、「▼」印で示すものとした。絶縁トランス72は、二次側の巻線の終端のタップが二次側グランドSGLに接続されている。イオン電流測定回路74は、一次側グランドPGLに接続されている。
ドライバ71は、絶縁トランス72の一次側巻線に供給する電力を調整する回路であり、放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76とを備える。ドライバ71は、この放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76との協働により、絶縁トランス72の一次側と共に、プッシュプル型の電源回路を構成する。放電電圧制御回路75は、出力電圧可変のDC/DCコンバータ(図示省略)を内蔵し、電源部46の出力する電源電圧Vpを昇圧し、これを、絶縁トランス72の一次側巻線のセンタタップPT1に印加する。DC/DCコンバータの出力電圧は、制御部60により調整可能である。トランス駆動回路76は、絶縁トランス72の一次側巻線の両端のタップPT2,PT3にそれぞれ接続される2つのスイッチング素子を備える。スイッチング素子は、ドライバ71の一次側グランドPGLとタップPT2、PT3との間に介装されている。トランス駆動回路76は、この2つのスイッチング素子を数十KHzで交互に繰り返しオン・オフすることで、放電電圧制御回路75から供給される直流電圧を交流に変換する。こうした一次側に印加された交流電圧を、絶縁トランス72は、その一次側と二次側のコイルの巻線比より変換し、二次側の電圧を生成する。絶縁トランス72の二次側の回路構成については、後述する。
電源部46が生成する電源電圧Vpで動作するもうひとつの回路である制御部60は、マイクロプロセッサやRAM,ROM等を内蔵し、予め内部のROMに記憶されたプログラムを実行することで、微粒子検出装置10全般の動作をコントロールする。制御部60は、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、ドライバ71に内蔵された放電電圧制御回路75やトランス駆動回路76を制御すると共に、コロナ電流測定回路73やイオン電流測定回路74の測定結果を取得して、微粒子量の検出を行なう。制御部60が実行する微粒子量の検出処理については、後で詳しく説明する。
絶縁トランス72は、上述したように、プッシュプル型の電源回路を構成する。絶縁トランス72の二次側の電圧は、一次側に供給される電圧と、一次側巻線および二次側巻線の巻線数の比とに応じて定まる。二次巻線には複数のタップが設けられ、二次側のグランドSGLに対して、全部で3種類の交流電圧を取り出すことができる。最も巻線数比の高いタップの出力は、第1の整流回路81に接続され、次に巻線数比の高いタップの出力は、第2の整流回路82に接続されている。最も巻線数比の低いタップの出力は、第3の整流回路12に、接続されている。
第1,第2の整流回路81,82は、絶縁トランス72から出力されたそれぞれの電圧の交流を整流し、直流に変換する。第1の整流回路81は、多段のチャージポンプからなり、直流に変換した電圧を、10倍程度の電圧に昇圧する。図3に示すように、第1の整流回路81の出力(直流)は、ショート保護用抵抗83を介して第1の電極112に接続されており、変換した直流電圧を、第1の配線21を介して第1の電極112に印加する。すなわち、第1の整流回路81により印加される直流電圧は、ほぼ第1の電極112における放電電圧となり、第1の整流回路81から供給される直流電流は、第1の電極112に入力される入力電流Iinとなる。第2の整流回路82は、絶縁トランス72により昇圧された交流電圧を整流する。第2の整流回路82は、ショート保護用抵抗84を介して第2の電極132に接続されており、整流後の直流電圧を第2の配線22を介して第2の電極132に印加する。第2の電極132に印加される電圧は、第1の電極112に印加される電圧が、放電電圧制御回路75により調整されると、第1の電極112に印加される電圧の変化に伴って変化する。上記の説明では、第2の整流回路82は第1の整流回路81とは異なる回路構成としたが、第1の整流回路81と同様、チャージポンプを用いた構成としてもよい。
上述した第1,第2の整流回路81,82が、微粒子センサ100における放電に関与する電圧を生成しているのに対して、第3の整流回路12は、二次側の増幅器などのための駆動電圧Vccを生成する。第3の整流回路12は、フォワード方式を採用しており、絶縁トランス72から所定電圧の交流を入力し、これを整流して、直流電圧に変換する。変換された直流電圧は完全な直流にはなっていないので、精度の良い三端子レギュレータ等を用いた安定化回路により安定化してから出力する。これは、コロナ電流測定回路73やイオン電流測定回路74の回路を動作させる電源電圧として用いられる。これを、駆動電圧Vccと呼ぶものとし、図3等においては、「●」印に「Vcc」として示した。
コロナ電流測定回路73は、イオン発生部110において発生するコロナ放電によって流れる放電電流(コロナ電流)の電流値を検出するための回路であり、イオン電流測定回路74は、イオン捕捉部130において捕捉されずに流出した陽イオンPIに相当する電流(Ic)を一次側から二次側の回路に供給することで、イオン電流を測定する回路である。両回路73,74の動作について、微粒子センサ100との接続を含めて、以下説明する。
A4)コロナ電流測定回路およびイオン電流測定回路の構成:
微粒子センサ100のケーシングCSからの信号線23は、電気回路部70の内部で、イオン電流測定回路74の入力ライン95と接続されており、この信号ラインは、電圧変換部に相当するシャント抵抗器R1を介して、二次側グランドSGLに接続されている。このシャント抵抗器R1の両端は、配線91,92により、コロナ電流測定回路73の二次側に接続されている。シャント抵抗器R1には、ケーシングCSから信号線23を介した電流(Idc+Itrp)と、イオン電流測定回路74からのイオン電流(Ic )とが、二次側グランドSGLに向けて流れ込むので、シャント抵抗器R1には、合計電流(Iall =Idc+Itrp+Ic )が流れる。ここで、電流Idcは、コロナ放電により、第1の電極112から隔壁142を介してケーシングCSに流れる電流であり、電流Itrp は、ケーシングCSに捕捉された陽イオンPIの電荷に相当する電流である。また、電流Ic は、コロナ放電により発生した陽イオンPIのうち、煤Sの帯電に用いられ、排ガスEGと共にケーシングCSの外部へと持ち去られた陽イオンPIの電荷に相当する電流Iesc に相当する。煤Sと共に陽イオンPIが外部に持ち去られると、この電流Iesc に相当する電流が、イオン電流測定回路74から供給される。これは、持ち去られた陽イオンPIに相当する電荷は、どこかでグランドに落ち、車両50のシャーシに、つまり一次側の電源部46に還ってくるからである。換言すれば、煤Sと共に持ち去られた陽イオンPIに相当する電流Iesc に等しい電流Ic が、一次側の電源電圧Vp からイオン電流測定回路74を介して、二次側グランドSGLに供給されることで、第1の整流回路81から第1の配線21を介して第1の電極112に供給された放電用の入力電流Iinと、微粒子センサ100から回収される合計電流Iall とが等しくなり、電気回路部70における電流の収支はバランスする。そこで、この電流Ic を、以下、イオン電流Ic と呼ぶ。
測定電流に相当する上述した合計電流Iall は、シャント抵抗器R1を流れる。従って、シャント抵抗器R1の両端には、この合計電流Iall にシャント抵抗器R1の抵抗値を乗算した電圧が発生する。コロナ電流測定回路73は、シャント抵抗器R1の両端の電圧を増幅する図示しない増幅器と、その増幅器の出力電圧を光絶縁して外部に出力する図示しないフォトカプラとから構成されている。増幅器とフォトカプラの入力側は、駆動電圧Vccにより動作している。他方、フォトカプラの出力側は、配線93により制御部60に接続されている。フォトカプラの出力側は、一次側の電源電圧Vpにより動作している。従って、コロナ電流測定回路73の二次側は、一次側と完全に絶縁されている。なお、上記の説明では、コロナ電流測定回路73は、シャント抵抗器R1の両端電圧をそのままアナログ信号として増幅し、光絶縁して、制御部60に出力しているものとしたが、増幅器の出力をデジタル信号に変換してから、フォトカプラにより絶縁し、デジタル信号として制御部60側に出力するものとしてもよい。こうしたデジタル信号への変換は、例えばコロナ電流測定回路73内に三角波を発生する発振器を内蔵し、増幅器の出力をこの三角波の電圧信号と比較することで、増幅器の出力を、その出力電圧に応じたデューティのデジタル信号に変換するといった構成により実現することができる。あるいは、増幅器の出力をA/D変換器でパラレルまたはシリアルなデジタル信号に変換した後、各信号をフォトカプラで絶縁しても良い。
コロナ電流測定回路73の出力は、配線93により制御部60にその入力ポートP1を介して入力されている。即ち、制御部60は、コロナ放電に用いられる合計電流Iall を検出することができる。上述したように、電気回路部70から微粒子センサ100の第1の電極112に供給された入力電流Iinは、全てコロナ放電に用いられ、合計電流Iall とバランスする。従って、微粒子センサ100における微粒子量の検出を行なう際には、制御部60は、この合計電流Iall が一定になるように、ドライバ71の放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76を介して、絶縁トランス72の一次巻線に印加される交流電圧の実効値をフィードバック制御する。この結果、第1の配線21を介して第1の電極112に供給される入力電流Iinは、一定に保たれる。
この入力電流Iinは、制御部60が、絶縁トランス72の一次側に印加される電圧を制御することにより調整可能である。制御部60が、放電電圧制御回路75を介して絶縁トランス72の一次側に印加される電圧を制御することにより、イオン発生部110において、コロナ放電によって発生する陽イオンPIの発生量をコントロールすることができる。放電電圧制御回路75を用いた電圧制御は、微粒子量の検出時には、入力電流Iinが予め設定された目標電流値(例えば、5μA)となるように行なわれ、微粒子径を推定する場合には、少なくとも二つの異なる電圧が第1の電極112に印加されるように行なわれる。
A5)イオン電流測定回路詳細:
次に、イオン電流測定回路74の構成と働きについて詳しく説明する。イオン電流測定回路74は、計測アンプとして構成されており、イオン電流Ic を所定の増幅度で増幅する。この出力は、配線94を介して、制御部60のアナログ入力ポートADC1に入力される。制御部60は、アナログ入力ポートADC1の信号を、内蔵するアナログ/デジタル変換器で変換して読み取ることで、イオン電流Ic の大きさを知り、排ガスEG中の微粒子の量を検出する。検出した微粒子の量は、車両制御部42に出力され、運転者への警告の出力や、内燃機関40の運転条件の切り替えなどに用いられる。なお、イオン電流測定回路74は、制御部60から制御信号を受け取っている。この制御信号は、制御部60の出力ポートQ3,Q4から、配線96,97を介してイオン電流測定回路74に入力されている。
イオン電流測定回路74の回路構成を図4に示した。イオン電流測定回路74は、前段の変換回路を構成するオペアンプ35と後段の差動増幅器を構成するオペアンプ36からなる増幅回路を備える。更に、イオン電流測定回路74は、チャージポンプの原理により負電圧Vnを生成する負電圧生成回路39や、オフセット電圧を作り出す電圧部に相当する2つのオペアンプ37,38、オフセット電圧を設定する抵抗器R3,R4,R13,R14、差動増幅器として機能するオペアンプ36のゲインを設定する抵抗器R5〜R9、その他の抵抗器R0,R10〜R12,トランジスタTr11等を備える。以下の説明では、各抵抗器の抵抗値を、抵抗器の符号(例えばR3〜R12)を用いて表すものとする。
このイオン電流測定回路74は、大まかには、オペアンプ35と抵抗器R0,R5からなり変換回路として動作する部分、オペアンプ38と抵抗器R13,R14からなり、オフセット電圧付与回路として動作する部分、オペアンプ36,37と抵抗器R3,R4,R6〜R10からなり増幅回路として動作する部分、および負電圧生成回路39からなる。
説明の都合上、先に負電圧生成回路39について説明する。負電圧生成回路39は、駆動電圧Vcc(+5V)から、−0.6V程度の負電圧を生成する回路である。負電圧生成回路39は、スイッチング用のトランジスタTr21、電荷を蓄積するためのコンデンサC21,C22、発生した正負の電圧を選択的にコンデンサC22に蓄積するためのダイオードD21,D22、ツェナーダイオードD23、必要な抵抗器R21〜R24を備える。
図4に示したように、トランジスタTr21のベース端子は、抵抗器R21を介して制御部60の出力ポートQ4に接続されている。またトランジスタTr21のコレクタ端子は、電流制限用の抵抗器R23を介して駆動電圧Vccに接続されている。トランジスタTr21のベース・エミクタ間には、抵抗器R22が介装されている。トランジスタTr21のコレクタには、コンデンサC21を介して、整流用のダイオードD21,D22が接続されている。従って、制御部60の出力ポートQ4がハイレベル(+5V)とロウレベル(0V)とに切り替えられると、トランジスタTr21は、オン・オフする。トランジスタTrがオフの時には、駆動電圧Vccから、抵抗器R23−コンデンサC21−ダイオードD21−二次側のグランドSGLという回路ができ、コンデンサC21のトランジスタTr21側をプラスとして、コンデンサC21には電荷が蓄積される。次にトランジスタTr21がオンになると、コンデンサC21は、プラス側がトランジスタTr21を介してグランドSGLに接続された状態となるから、コンデンサC21のダイオードD21,D22側は、マイナスの電位となる。このため、ダイオードD24およびこれに直列に接続された電圧安定化用の抵抗器R24を介して、コンデンサC22が充電される。コンデンサC22に対する充電は、ダイオードD22を介して行なわれるから、グランドSGLと接続された側とは反対側がマイナスの電位になる。
以上の動作が、制御部60の出力ポートQ4がハイレベルとロウレベルに切り替えられる度に生じる。この結果、コンデンサC22の接地側とは反対側から、連続してマイナスの電圧を取り出すことができる。コンデンサC22には、ツェナー電圧−0.6VのツェナーダイオードD23が接続されているので、コンデンサC22から出力される電圧は、−0.6Vに安定化される。この電圧を、負電圧Vnと呼び、図4では、「◇」に「−」として示した。
イオン電流測定回路74のオペアンプ35,36は、正負の電源端子のうち、正電圧側が駆動電圧Vccに接続され、負電圧側が上記の負電圧Vnに接続されている。他のオペアンプ37,38は、4つのオペアンプが1つのパッケージに収められた素子を使用しているので、同様の電源電圧(VccとVn)としているが、オペアンプ37,38については、負電圧側はグランド(0V)でも差し支えない。2つのオペアンプ37,38は、ボルテージフォロワの回路構成をとり、予め定めた電圧(本実施形態では2.5V)を出力するので、負電圧側の電源電圧が変われば、分圧抵抗器R3,R4およびR13,R14の分圧抵抗比を変更するだけで、所望の電圧が得られるからである。ボルテージフォロワの回路構成をとるオペアンプ37は、その入力端子に接続された電圧をそのまま出力する。入力側の電圧は、駆動電圧Vccを、2つの抵抗器R3,R4の抵抗値で分圧した値、即ちVcc×R4/(R3+R4)となる。オペアンプ37の出力電圧を、シフト電圧Vbsと呼ぶ。
オペアンプ38も、分圧抵抗器R13,R14を用いて、同様に、所定の電圧(2.5V)を出力するが、オペアンプ38の入力端子(+)には、分圧用の抵抗器R13,R14に加えてトランジスタTr11のコレクタ端子も接続されているので、オペアンプ38の出力電圧は、トランジスタTr11のオン・オフにより変化する。トランジスタTr11のベースには、制御部60の出力ポートQ3が、抵抗器R11を介して接続されている。またトランジスタTr11のベース・エミクタ間には、抵抗器R12が接続されている。従って、制御部60の出力ポートQ3がハイレベル(H)になると、トランジスタTr11はターンオンし、オペアンプ38の出力であるオフセット電圧Vosは0ボルトとなる。他方、制御部60の出力ポートQ3がロウレベル(L)になると、トランジスタTr11はターンオフし、オペアンプ38の出力であるオフセット電圧Vosは2.5Vとなる。
オフセット電圧Vosを出力するオペアンプ38の出力端子は、変換回路を構成するオペアンプ35の入力端子(+)に対しては直接、また増幅回路を構成するオペアンプ36の入力端子(−)に対しては抵抗器R7を介して、それぞれ接続されている。オペアンプ35は、入力端子(−)に抵抗器R0および信号線23を介して微粒子センサ100のケーシングCSに接続されている。また、この入力端子(−)は、抵抗器R5を介して、オペアンプ35の出力端子と接続されている。ケーシングCSに流れ込むイオン電流Ic は、この抵抗器R0および抵抗器R5を流れるから、オペアンプ35の増幅度Gaは、両抵抗器の抵抗値の比R5/R0となる。従って、イオン電流Ic に基づくオペアンプ35の出力電圧Vaは、Va=Ga・Ic となる。但し、オペアンプ35の入力端子(+)には、オフセット電圧Vosが付与されているので、オペアンプ35の出力は、オフセット電圧Vos+出力電圧Vaとなる。
オペアンプ35を用いて構成された電流電圧変換回路の後段には、オペアンプ36を用いた増幅器が接続されている。オペアンプ36は帰還抵抗器R6を備える差分増幅器として構成されており、2つの入力端子(+、−)に入力した電圧の差分を、所定の増幅度で増幅して出力する。プラス入力端子(+)には、前段のオペアンプ35の出力が抵抗器R8,R10を介して、およびオペアンプ37の出力であるシフト電圧Vbsが抵抗器R9を介して、それぞれ接続されている。オペアンプ36のマイナス入力端子(−)には、上述したように、抵抗器R7を介して、オフセット電圧Vosが入力されている。オペアンプ36の増幅度Gbは、2つの入力端子(+、−)に接続された抵抗器R6〜R9の比、即ちR9/R8=R6/R7により決定される。実際の回路では、R9=R6,R8=R7とされている。
増幅回路を構成している前段のオペアンプ35の出力は、オフセット電圧Vos+出力電圧Vaとなっているが、オペアンプ36のマイナス入力端子(−)に抵抗器R7を介してオフセット電圧Vosが接続されているため、イオン電流検出回路74全体としては、オフセット電圧Vosの影響は相殺され、オペアンプ36の出力には、オフセット電圧Vosは現れない。但し、オペアンプ36の入力端子(+)にはシフト電圧Vbsが入力されているので、オペアンプ36の出力は、このシフト電圧Vbsだけシフトされる。この結果、オペアンプ36の出力は、このシフト電圧Vbs(本実施形態では2.5V)を中心電圧とし、イオン電流Ic に対応した電圧Gb・Vaとなる。
このオペアンプ36の出力は、制御部60のアナログ入力ポートADC1に入力される。制御部60によって読み取られるオペアンプ36の出力を検出信号Vion と呼ぶ。制御部60は、アナログ入力ポートADC1に入力されるこの検出信号Vion を、内蔵するアナログ/デジタル変換器で変換して読み取る。読み取られた検出信号Vion は、コロナ放電が行なわれ、微粒子センサ100を含む全回路構成に異常がなければ、イオン電流Iを反映した値として扱うことができる。従って、この検出信号Vion は、イオン電流対応信号に相当し、これを読み取ることで、制御部60は、排ガス中の微粒子の量を検出することができる。検出した微粒子の量は、車両制御部42に出力され、運転者への警告の出力や、内燃機関40の運転条件の切り替えなどに用いられる。
上述したように、イオン電流測定回路74が出力する検出信号Vionは、微粒子量に対応したイオン電流Ic を反映した値となるが、そのためには、コロナ放電が正常に行なわれ、かつコロナ放電に基づいて生じるイオン電流Ic の検出回路が正常に動作していることが前提となる。かかる前提を検証し得るように、イオン電流測定回路74には、以下の構成が組み込まれている。
(A)イオン電流測定回路74では、制御部60の出力ポートQ3がオン(ハイレベル)・オフ(ロウレベル)とされることで、オフセット電圧Vosを切り替えることができる。イオン電流Ic を測定する場合には、オペアンプ38の出力であるオフセット電圧Vosは0Vとされ、回路が正常か否かの判定を行なう場合には、オフセット電圧Vosは必要に応じて2.5Vとされる。正常か否かの判定については後で詳しく説明する。
(B)負電圧生成回路39により、負電圧Vn(−0.6V)を生成し、オペアンプ35〜36の一方の動作電圧として用いている。このため、オペアンプ35の出力は、マイナスの値を取り得る。このオペアンプ35の出力を受ける後段のオペアンプ36には、オペアンプ37の出力であるシフト電圧Vbs(+2.5V)が入力されているので、イオン電流測定回路74の出力は、結局、このシフト電圧Vbsを中心に、シフト電圧Vbs以下の値にもなり得る。具体的に言えば、イオン電流Ic が流れる場合には、イオン電流Ic に対応する電圧(Va)だけシフト電圧Vbsより高くなり、イオン電流Ic が流れておらず、絶縁劣化などに起因して、逆向きの電流が流れれば、シフト電圧Vbsより低くなる。
イオン電流測定回路74による測定が正常に行なわれない要因としては、微粒子センサ100の第1の電極112がケーシングCSと短絡するといったショート故障などを生じた場合、あるいは電気回路部70の回路基板や絶縁トランス72の絶縁が劣化して絶縁抵抗が有意に低下した場合などが考えられる。そこで、この知見に基づいて、本実施形態では、以下に示す微粒子検出処理を実行するものとした。
A6)微粒子検出処理:
図5は、制御部60が実行する微粒子検出処理ルーチンを示すフローチャートである。制御部60は、この処理ルーチンを、電源投入直後から所定のインターバルで常時実行する。この処理ルーチンを開始すると、制御部60は、まず微粒子の検出を行なうか、あるいは異常判定の処理を行なうかを判定する(ステップS100)。微粒子の検出処理は通常常時行なわれ、特定の場合に、異常判定処理が行なわれる。異常判定の処理を行なって良いタイミングであるかは、車両50の運転状況に基づいて判断される。具体的には、制御部60は、車両制御部42から、運転状況を示す信号を受け取り、これに基づいて判断する。異常判定は、以下の場合に行なうものと判断される。
(あ)車両50のイグニッションスイッチがオフにされ、内燃機関40の運転が停止されたとき、
(い)内燃機関40の運転中で、低負荷で運転されているとき(例えばアイドル運転時)、
(う)その他、車両制御部42が、運転中の内燃機関40から煤が出ていない(例えばフューエルカット時やアイドリングストップ時)と判断し、その旨を通知してきたとき。
異常判定を行なうべきと判断した場合には、制御部60は、トランス駆動回路76に指示して、絶縁トランス72の一次側の通電を停止し、コロナ放電を停止する(ステップS110)。その上で、異常判定の処理(ステップS120)を行なう。異常判定の処理は、簡略に説明すると以下の[1]〜[3]の処理である。
[1]基板の絶縁異常の検出処理:
制御部60は、トランス駆動回路76を停止させた状態で、微粒子センサ100の第1の電極112への高電圧付与をオフとすると共に、出力ポートQ4をハイレベルとして、オフセット電圧Vosをオフ(0V)とする。この結果、微粒子センサ100の第1の電極112には高電圧は付与されず、かつオフセット電圧Vosも付与されない状態となる。その上で、制御部60は、イオン電流測定回路74からの検出信号Vion をアナログ入力ポートADC1を介して読み込み、この検出信号Vion を予め設定した所定値Vt1(例えば1.5V)と比較し、検出信号Vion が所定値Vt1(1.5V)未満であれば、電気回路部70の回路の絶縁抵抗が劣化しており、基板の絶縁異常を検出する。なお、基板の絶縁異常がない状態であれば、検出信号Vion は、2.5V程度となる。
[2]センサの短絡異常の検出処理:
制御部60は、トランス駆動回路76を停止させた状態で、微粒子センサ100の第1の電極112への高電圧付与をオフとすると共に、出力ポートQ4をロウレベルとしてオフセット電圧Vosをオン(5V)とする。その上で、制御部60は、イオン電流測定回路74からの検出信号Vion をアナログ入力ポートADC1を介して読み込み、この検出信号Vion を予め設定した所定値Vt3(例えば4.5V)と比較する。検出信号Vion が、所定値Vt3(4.5V)以上であれば、微粒子センサ100の第1の電極112が短絡故障していると判断してこれを検出する。
[3]センサの絶縁劣化異常の検出処理:
制御部60は、[2]と同じ条件下で、検出信号Vion を予め設定した所定値Vt2(例えば3.0V)〜Vt3(例えば4.5V)の範囲にあるかを判断する。検出信号Vion が、所定値Vt2(3.0V)〜所定値Vt3(4.5V)の間にあれば、微粒子センサ100の第1の電極112に煤などが相当程度付着し、その絶縁が劣化している異常があると判断し、これを検出する。
他方、ステップS100において、微粒子の検出を行なうべきタイミングであると判断すると、制御部60は、出力ポートQ1をアクティブにして、トランス駆動回路76を動作させ、微粒子センサ100の第1の電極112に高電圧を付与し、コロナ放電を開始する(ステップS130)。このとき、制御部60は、併せて、出力ポートQ4をオン(ハイレベル)として、オフセット電圧Vosをオフ(0V)としている。この結果、図4に示したイオン電流測定回路74は、オフセット電圧Vosが付与されていない状態で動作することになる。
続いて制御部60は、微粒子径の推定処理を併せて行なう微粒子量検出処理(ステップS200)を実行する。この微粒子量検出処理(ステップS200)については、図6を用いて詳しく説明するが、この微粒子量検出処理(ステップS200)または先に説明した異常判定処理(ステップS120)のいずれかの処理を行なったのち、「NEXT」に抜けて、微粒子検出処理ルーチンを一旦終了する。
A7)微粒子径推定付き微粒子量検出処理:
本実施形態において行なう微粒子径推定付き微粒子量検出処理について、図6に従って説明する。この処理(ステップS200)を開始すると、制御部60は、まずドライバ71の放電電圧制御回路75,トランス駆動回路76を制御して、第2の整流回路82から第2の電極132に印加されるトラップ電圧を所定電圧VT1に、第1の整流回路81から第1の電極112に印加されるコロナ放電電圧を所定電圧VD1に、それぞれ調整する処理を行なう(ステップS210)。上述したように、第1,第2の整流回路81,82は、いずれも絶縁トランス72の二次側の巻線に接続されているから、両電圧VT1,VD2は、連動して調整される。本実施形態では、このトラップ電圧VT1,コロナ放電電圧VD1は、微粒子の粒径の変化の検出に用いられるパラメータである。パラメータは、排気が流通する測定室内の微粒子の挙動に影響を与えるものであれば、他の物量、例えば空気供給孔155から供給される空気量であっても差し支えない。本実施形態では、イオン発生室111,帯電室121,捕捉室131が、測定室に相当するが、微粒子の挙動に影響を与えるパラメータに関与する部分だけを測定室と解しても差し支えない。例えば、パラメータとして、トラップ電圧VTだけを用いる場合には、帯電室121,捕捉室131が測定室に相当することになる。
次に、制御部60は、この状態でのイオン電流測定回路74の出力、即ち検出信号Vion を取得する処理を行ない(ステップS220)、続いて、粒径Sの推定が既に行なわれているか否かの判断を行なう(ステップS230)。検出信号Vion は、上述したように、イオンが帯電した微粒子Sが微粒子センサ100から排出される量に対応している。従って、一つの微粒子Sに帯電しうるイオンの数、即ち、微粒子の表面積が分かれば、検出信号Vion から微粒子量を求めることが可能となる。微粒子Sの表面積は粒径の2乗に比例するから、粒径が既に推定されていれば、検出信号Vion から微粒子量を算出することができる。以下、粒径またはその推定値を符号Sとして記載する。粒径Sの推定がなされていないか、一度推定されたとしても内燃機関40の運転状態が所定以上変化して粒径Sが変動していると想定される場合には、粒径Sの推定はなされていないと判断する。排気中に含まれる微粒子の粒径が、想定された初期値や一旦推定された値から一定以上変動した場合には、検出信号Vion からそのまま微粒子量を演算すると、演算結果には相応の誤差が含まれることになる。
内燃機関40の運転状態が所定以上変化したことは、内燃機関40を制御している車両制御部42からの通知によって、センサ駆動部30の制御部60が判断しても良いし、車両制御部42から車両の運転状態に関する情報を受け取り、その情報を解析することにより、センサ駆動部30もしくはその制御部60が判断するものとしてもよい。内燃機関40の運転状態が、予め定めた閾値以上に変化したときとは、例えば内燃機関40に対する要求出力が、所定の割合増加したとき、内燃機関40の運転領域が高負荷領域に遷移したときなど、種々のケースを想定することができる。
ステップS230において、粒径Sの推定が済んでいると判断できない場合には(ステップS230:「NO」)、次に制御部60は、放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76とを制御して、トラップ電圧を電圧VT2に、コロナ放電電圧を電圧VD2に設定する(ステップS240)。その上で、アナログ入力ポートADC1に入力されている検出信号を読み取る(ステップS250)。読み取った値は、ステップS220で読み取った検出信号と区別するため、検出信号Vc と呼ぶ。
こうして異なる2つのトラップ電圧VT1,VT2およびコロナ放電電圧VD1,VD2において取得した2つ検出信号Vion とVc とから粒径Sを推定する処理を行なう(ステップS260)。この処理の原理を図7に示した。微粒子センサ100のイオン発生室111には、空気供給部80から所定流量の空気が流されている。従って、第1の電極112に印加されたコロナ放電電圧により発生された陽イオンは、空気の流れと共に、帯電室121に流れ込み、流入孔145から流入した排ガスEGに含まれる微粒子に付着する。コロナ放電電圧を高くすると発生する陽イオンの量も増加するので、微粒子が十分にあれば、コロナ放電電圧VDを大きくすると、これに応じて検出信号Vion も増加すると考えられる。この状態では、図7に示したように、コロナ放電電圧VDと検出信号Vion とは比例関係にあると想定される。
他方、発生している陽イオンの数が微粒子に付着し得る最大量を超えてしまえば、残った陽イオンはトラップ電圧が印加された第2の電極132に引き寄せられケースCSを流れる電流Itrp となり、排出される微粒子と共に持ちさられる陽イオンに基づく電流Ic は一定になる。微粒子の粒径Sが大きければ、付着する陽イオンの最大量は大きくなり、粒径Sが小さければ、付着する陽イオンの最大量は小さくなるものと想定される。従って、図7に示したように、粒径Sが大きければ、検出信号Vion がコロナ放電電圧VDによらず一定となるコロナ放電電圧VDは高く、粒径Sが小さければ、検出信号Vion がコロナ放電電圧VDによらず一定となるコロナ放電電圧VDは低くなると考えて良い。
この原理に従えば、コロナ放電電圧VDに対して検出信号Vion が飽和している領域で検出信号Vion を取得すれば、微粒子量は分からないが粒径Sは推定できることになる。ところで、コロナ放電電圧VDと検出信号Vion との関係は、他の要因、例えば排ガスEGに含まれる水分量や第1の電極112の汚れ具合などによっても変化する。図7では、ある粒径Sの微粒子が排ガスEGに含まれている場合のこうした特性変動の範囲を破線で示した。粒径Sが大の場合でも、所定のコロナ放電電圧VD1における測定点は、点P1になる場合もあれば、点P1′になる場合も有り得る。
そこで、本実施形態では、更にステップS240,S250において、異なるコロナ放電電圧VD2での検出信号Vc を取得している。この場合のコロナ放電電圧VD2は、測定する微粒子の粒径が最も小さい場合でも検出信号Vc が飽和していない領域の値としている。こうすれば、コロナ放電電圧VDに対する検出信号Vion の特性が変動しても、その変動は二つのコロナ放電電圧VD1,VD2において同じように現れるので、その時の検出信号Vion の差分ΔVは、特性変動によらず、ほぼ一定となる。コロナ放電電圧VD1において測定点が点P1から点P1′にずれたように、コロナ放電電圧VD2において測定点は点P2から点P2′にずれるからである。この差分ΔVは、粒径Sに依存する値となることが、図7から理解される。図7を用いた例示では、粒径Sが小さい順に、この差分ΔVS,ΔVM,ΔVLは大きくなる。
従って、この差分求めることにより、粒径Sを推定することができる。以後、こうして得られた粒径Sの推定値を、粒径推定値Sと呼ぶ。粒径推定値Sが得られたら、次に、粒径推定値Sに基づき、検出信号Vion を補正する処理を行なう(ステップS270)。微粒子の表面積は粒径推定値Sの2乗に比例するが、同じ電荷を有する陽イオンが最大何個微粒子に付着するかは、実験的に求める。この関係の一例を図8に示した。図8に示した関係により求めた補正係数f(S)を用いて、検出信号Vion をf(S)・Vion として補正するのである。この結果を受けて、微粒子量QCを、
QC=k1・f(S)・Vion
として求める(ステップS280)。この場合のQCは、微粒子の数に対応した値となる。ここで、k1は、検出信号Vion から微粒子量を求める場合の係数である。もとより、係数k1は、関数f(S)に含めても良い。
微粒子の粒径推定値Sが分かっているので、
QV=k2・g(S,Vion)
として、微粒子の体積量を求めるものとしてもよい。ここでg(S,Vion)は、粒径推定値Sと検出信号Vion とから微粒子の体積量を求めるための関数である。また、k2は、その場合の換算用の係数である。もとより係数k2は、関数g(S,Vion)に含めてもよい。
図6に示したように、ステップS230において、粒径Sの推定が済んでいると判定すれば、上記のステップS240〜S260は実行せず、ステップS270以下を実行すればよい。いずれにせよ、上述した全ステップS210〜280の各々を必要に応じて実行したのち、「NEXT」に抜けて、本処理ルーチンを終了する。
A8)実施形態の作用・効果:
以上説明したように、本実施形態の微粒子検出装置10は、コロナ放電を利用して、排気EG中の微粒子量を、微粒子の粒径を考慮して検出することができる。従って、内燃機関40の運転状態によって排出される微粒子の粒径が変動しても、これに追従して微粒子量の検出を行なうことができる。なお、微粒子の粒径それ自体の検出を別途行なってもよい。しかも微粒子の粒径Sを検出するために新たな回路構成をわざわざ設ける必要がない。更に、電気回路部70の回路基板の絶縁劣化や、微粒子センサ100の第1の電極112の短絡異常や絶縁劣化異常などを併せて検出することができる。
B.第2実施形態:
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態の微粒子検出装置10は、第1実施形態と同様のハードウェア構成を有し、制御部60が行なう微粒子径推定付き微粒子検出処理(図5、ステップS200)の一部を除いて第1実施形態と同様の処理を行なう。第2実施形態における微粒子径推定処理付き微粒子量検出処理を図9を用いて説明する。図9において、第1実施形態と同一の処理は、同じステップ番号を付した。
図9に示すように、このルーチンを開始すると、第1実施形態と同様の処理(ステップS210〜S230)を行なって、検出信号Vion の取得等を行なう。その上で、微粒子の粒径の推定が済んでいない場合には、第1実施形態のステップS240,S250に代えて、ステップS241,S251を、n回繰り返す処理(ステップS310)を行ない、更にステップS260に代えて、ステップS261の処理を実行する。ここで、nは2以上の整数である。第2実施形態では、n=3とした。
このn回のループでは、制御部60は、放電電圧制御回路75とトランス駆動回路76とを制御して、トラップ電圧を電圧VT(n)に、コロナ放電電圧を電圧VD(n)に設定する(ステップS241)。その上で、アナログ入力ポートADC1に入力されている検出信号Vc (n)を読み取る(ステップS251)。この処理をn回繰り返すことで、第2実施形態では、3つの異なるトラップ電圧VTとコロナ放電電圧VDの組に対して、3つの異なる検出信号Vc が取得される。
こうして異なる3つのトラップ電圧VT(n)およびコロナ放電電圧VD(n)において取得した3つ検出信号Vc (n)から粒径Sを推定する処理を行なう(ステップS261)。粒径Sを推定する処理の原理は、第1実施形態と同様(図7参照)であるが、n回の検出信号Vc (n)を用いているので、コロナ放電電圧VDと検出信号Vionとの関係が、図7に示した線形の関係にない場合であっても、精度良く粒径Sを推定することができる。ループの回数nを大きくすれば、それだけ精度良く粒径Sを推定することができる。
ステップS261で粒径推定値Sを求めた後、あるいはステップS230で既に粒径の推定がなされていると判断した場合には、第1実施形態と同様、ステップS270、S280の処理を行ない、微粒子量を検出した上で、「NEXT」に抜けて、本ルーチンを終了する。
以上説明した第2実施形態の微粒子検出装置10によれば、第1実施形態と同様に作用効果を奏する上、更に、粒径の推定を精度良く行なうことができるという効果を奏する。また、ループ回数nを変更するだけで、粒径推定の精度を変更することができる。
C.他の構成例:
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の種々の構成を取り得る。例えば、粒径推定のために複数回に亘って検出信号を取得する際の条件は、トラップ電圧VT,コロナ放電電圧VDを含む複数のパラメータの中から任意に選択することができる。他のパラメータとしては、例えば空気供給部80により微粒子センサ100に供給される空気量や合計電流Iall の大きさなど、種々のパラメータを想定することができる。また、測定の度に、同じパラメータを変更する必要はなく、異なるパラメータを組み合わせて利用しても良い。
いずれのパラメータを選択するかは、そのパラメータが粒径に対してどのように影響するかを考慮すれば良い。例えば、空気量を増加すると小さな微粒子に陽イオンが吸着されやすくなり、第2の電極132にトラップされる量が低下する。また、コロナ放電電圧を高くすると、小さい微粒子にも陽イオンが付きやすくなり、これを利用して粒径を推定することか可能となる。
また、トラップ電圧VTについては、これを高くすると、帯電した微粒子のうち、小さい微粒子がトラップされやすくなるので、トラップ電流Itrp が増加することで粒径を推定することが可能となる。なお、こうした場合を含めて、第1,第2実施形態のように、トラップ電圧VTとコロナ放電電圧VDとを一緒に変更することは必ずしも必要とはされていない。第1,第2実施形態では、絶縁トランス72の一次側を制御すると、二次側の二つの整流回路81,82の出力が共に変更される回路構成としたが、第2の整流回路82は、第1の整流回路81とは別に、単独でその電圧(トラップ電圧)を調整可能な回路構成を採用すれば良い。例えばドライバ71および絶縁トランス72をもう一組設けて、第1,第2の整流回路81,82の出力電圧を個別に調整可能とすれば良い。
上記第1,第2実施形態では、粒径Sを推定し、その結果を用いて微粒子量を演算したが、微粒子量の演算は、制御部60以外で行なっても良い。つまり、制御部は60は、粒径推定値Sと検出信号Vion もしくはこれから演算した微粒子量を出力し、これを受け取った車両制御部42や他のダイアグノーシス機能を有する制御装置が、粒径推定値Sを用いて、微粒子量を求めるものとしても良い。
上記の実施形態では、微粒子の粒径の変化を推定するだけでなく、その変化から微粒子の粒径を求めて、微粒子量の検出に反映させたが、本発明としては、微粒子の粒径の変化が分かればよく、微粒子の粒径の推定まで行なわなくてもよい。微粒子の粒径の変化が分かれば、内燃機関の運転状態が変化したことが分かるので、内燃機関の燃焼状態の推定に利用することができるからである。例えば、低負荷高回転で内燃機関を運転している時に、粒径が変化すれば、粒径の増大であると判断できるので、何らかの要因で燃焼状態が悪化したと判断できる。従って、例えばインスツルメントパネルの警告灯を点灯したり、音声案内を行なったりすることにより、運転者に燃焼状態の悪化を報知して、点検などを促すことができる。
また、内燃機関の運転状態の変化に伴って、排気中の微粒子の粒径が増加または減少したことが分かれば、粒径の変動を低減するように、内燃機関の運転状態を制御することも可能である。一般には微粒子の粒径の増加は、運転状態の望ましくない変化を意味するから、粒径の増加の検出に対して、粒径をもとに戻すような運転制御、例えば、内燃機関出力の増加を抑制するといった制御を行なえば良い。
内燃機関の排気系にこうした燃焼に伴う微粒子を捕捉するフィルタを設けている場合には、そのフィルタの下流での微粒子の粒径の増大は、フィルタの捕捉機能の低下を意味していることがある。こうした場合には、微粒子の粒径の変化を推定し、微粒子の粒径がフィルタの捕捉能力の定格値を超えて増大していると推定した場合には、フィルタの故障の可能性を想定し、これを運転者に報知するものとしても良い。
あるいは、微粒子の粒径を推定して、その推定した値(粒径)を単に記録するものとしてもよい。粒径の変化をメモリなどに記録し、ダイアグノーシスの機能として、点検の際に読み出せるものとしておけば、内燃機関の燃焼状態の解析や排気中の微粒子を除去するフィルタの性能変化の解析などに利用することができる。もとより粒径を推定し、その値をインスツルメントパネルなどに表示して、運転者に供したり、無線を利用したネットワークを介して車両の管理を行なう事業者に供し、車両の管理や点検に用いたりしてもよい。
いずれにせよ、本発明では、微粒子の粒径の変化が推定できればよく、粒径の変化の結果として粒径自体を推定してもよい。さらには、推定した粒径から熱機関の燃焼状態を推定したり、燃焼状態を制御したり、故障診断などに利用したりしてもよい。熱機関の排気系に微粒子を捕捉するフィルタなどの装置が設けられている場合には、このフィルタなどの機能を推定したり、故障の診断を行なったりしてもよい。
上記の実施形態では、微粒子センサ100には、空気供給孔155を設け、空気供給部80からの空気を供給したが、微粒子センサ100は、こうした外部からの空気の強制的な流れを用いないものとしてもよい。例えば特開2016−61767号公報に記載された粒子検知システムの構成を採用し、この回路部(符号200)に本願のイオン電流測定回路74および制御部60を含む電気回路部70の構成を適用することも可能である。また、微粒子センサ100としては、第2の電極132がない構成とすることも可能である。第2の電極132は、微粒子に付着しなかった陽イオンを、微粒子センサ100の外部に排出せず回収するために設けられているが、コロナ放電を行なう第1の電極112での放電により生成される陽イオンの量や、排ガスEGの流路などを工夫することにより、微粒子に付着しない陽イオンの排出を抑制することができる。
上記実施形態では、高電圧を微粒子センサ100の第1の電極112に付与するか否かおよび変換回路としてのオペアンプ35にオフセット電圧Vosを付与するか否かは、制御部60が自ら決定している。これに対して、これらの付与の切替を自律的に行なう回路を設け、その状態を制御部60が検出しこれに合せて、検出信号Vion による微粒子量の検出とセンサ異常などの判定とを行なう構成としても差し支えない。
上記の実施形態では、こうしたセンサの異常判定などを併せて行なったが、センサの異常判定などは行なわなくてもよい。また粒径の推定は、内燃機関などの熱機関の運転とは無関係に、単独で行なうものとしてもよい。粒径の変化や粒径を推定した結果など単に記録するだけの記録装置として利用することも差し支えない。
上記の実施形態では、微粒子の粒径の推定は、粒径の推定が行なわれていない場合や、内燃機関の運転状態が所定以上変化したときに行なうものとしたが、粒径の変化の推定は、こうした内燃機関の運転状態が変化したときに限らず、所定のインターバルで繰り返し行なうものとしてもよい。あるいは微粒子検出装置が検出する微粒子量が所定以上変化したときに行なうものとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の態様で実施できることは勿論である。実施形態の中でハードウェアにより実施している部分は、ソフトウェアによって置き換えことも可能である。例えば制御部60、コロナ電流測定回路73が検出する合計電流Iall を一定にするように放電電圧制御回路75を制御しているが、合計電流Iall を一定にするようなフィードバック回路をハードウェアにより実現することは容易である。また、負電圧生成回路39は、制御部60の出力ポートQ4を用いず、単独でマイナスの電圧を出力するDC/DCコンバータなどにより実現してもよい。他方、オフセット電圧Vosは、制御部60がD/Aコンバータを介して出力するものとし、その電圧を、制御部60がソフトウェアにより設定することも可能である。
10…微粒子検出装置
12…第3の整流回路
20…ケーブル
21…第1の配線
22…第2の配線
23…信号線
24…空気供給管
25…セラミックパイプ
30…センサ駆動部
31…ガス流路
35〜38…オペアンプ
39…負電圧生成回路
40…内燃機関
41…フィルタ装置
42…車両制御部
43…燃料供給部
44…バッテリ
46…電源部
50…車両
60…制御部
61…燃料配管
62…排ガス配管
70…電気回路部
71…ドライバ
72…絶縁トランス
73…コロナ電流測定回路
74…イオン電流測定回路
75…放電電圧制御回路
76…トランス駆動回路
80…空気供給部
81…第1の整流回路
82…第2の整流回路
83,84…ショート保護用抵抗
91〜94,96…配線
95…入力ライン
100…微粒子センサ
100e…先端部
100r…後端部
110…イオン発生部
111…イオン発生室
112…第1の電極
120…排ガス帯電部
121…帯電室
124…ノズル
130…イオン捕捉部
131…捕捉室
132…第2の電極
134…ガス流路
135…排出孔
142…隔壁
145…流入孔
155…空気供給孔
ADC1…アナログ入力ポート
C21,C22…コンデンサ
CS…ケーシング
D21,22,24…ダイオード
D23…ツェナーダイオード
EC…等価回路
PGL…一次側グランド
PT1…センタタップ
PT2,PT3…タップ
Q1,Q3,Q4…出力ポート
R0…抵抗器
R1…シャント抵抗器
R3〜R9,R11〜R13,R21〜R24…抵抗器
Rc,Rp,Rt…絶縁抵抗
S…煤
SGL…二次側グランド
Tr…トランジスタ
Tr11…トランジスタ
Tr21…トランジスタ

Claims (7)

  1. 燃焼を伴う熱機関の排気中の微粒子を検出する微粒子検出装置であって、
    前記排気が流通する測定室内における前記微粒子の挙動に影響を与えるパラメータを予め定めた第1の値に設定した状態で、前記測定室内に設けられたコロナ放電用電極に、コロナ放電電圧を印加してコロナ放電を生じさせるコロナ放電部と、
    前記コロナ放電によって発生したイオンにより、前記排気中の微粒子を帯電させ、該帯電する微粒子量により変化するイオン電流の大きさに対応したイオン電流対応信号を検出するイオン電流信号出力部と、
    前記イオン電流対応信号に基づいて、前記排気中の微粒子量を測定する測定部と、
    を備え、前記測定部は、所定のタイミングで、前記パラメータを前記第1の値から、前記第1の値とは異なる第2の値に変更し、該パラメータの変更に伴う前記イオン電流対応信号の変化に基づいて、前記微粒子の粒径の変化を推定する
    微粒子検出装置。
  2. 請求項1記載の微粒子検出装置であって、
    前記測定部は、前記推定した前記微粒子の粒径の変化を考慮して、前記イオン電流対応信号から求められる前記微粒子量を補正する
    微粒子検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の微粒子検出装置であって、
    前記微粒子の挙動に影響を与えるパラメータは、
    [1]前記放電用電圧、
    [2]前記測定室を通過する排気の流速、
    [3]前記測定室からの流路に設けられ、前記コロナ放電により発生したイオンのうち、前記微粒子に付着しなかったイオンを捕捉するトラップ電極に印加する電圧、
    の少なくともいずれか1つである
    微粒子検出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の微粒子検出装置であって、
    前記測定部は、前記パラメータを第1の値から第Nの値(Nは、3以上の整数)まで順次変更し、N回の前記イオン電流対応信号から、前記微粒子の粒径の推定を行なう
    微粒子検出装置。
  5. 内燃機関を備えた車両であって、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の微粒子検出装置を、前記熱機関である前記内燃機関の排気通路に設け、
    前記微粒子検出装置の前記測定部は、前記内燃機関の運転状態が、予め定めた閾値以上に変化したとき、前記粒径の変化の推定を行なう
    車両。
  6. 燃焼を伴う熱機関の排気中の微粒子を検出する方法であって、
    前記排気が流通する測定室内における前記微粒子の挙動に影響を与えるパラメータを予め定めた第1の値に設定した状態で、前記測定室内に設けられたコロナ放電用電極に、コロナ放電電圧を印加してコロナ放電を生じさせ、
    前記コロナ放電によって発生したイオンにより、前記排気中の微粒子を帯電させ、該帯電する微粒子量により変化するイオン電流の大きさに対応したイオン電流対応信号を検出し、
    前記イオン電流対応信号に基づいて、前記排気中の微粒子量を測定し、
    所定のタイミングで、前記パラメータを前記第1の値から、前記第1の値とは異なる第2の値に変更し、該パラメータの変更に伴う前記イオン電流対応信号の変化に基づいて、前記微粒子の粒径の変化を推定する
    方法。
  7. 燃焼を伴う熱機関の排気中の微粒子の粒径を推定する微粒子径推定装置であって、
    前記排気が流通する測定室内における前記微粒子の挙動に影響を与えるパラメータを予め定めた第1の値に設定した状態で、前記測定室内に設けられたコロナ放電用電極に、放電用電圧を印加してコロナ放電を生じさせるコロナ放電部と、
    前記コロナ放電によって発生したイオンにより、前記排気中の微粒子を帯電させ、該帯電する微粒子量により変化するイオン電流の大きさに対応したイオン電流対応信号を検出するイオン電流信号出力部と、
    所定のタイミングで、前記パラメータを前記第1の値から、前記第1の値とは異なる第2の値に変更し、該パラメータの変更に伴う前記イオン電流対応信号の変化に基づいて、前記微粒子の粒径を推定する推定部と
    を備えた微粒子径推定装置。
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