JP2017193882A - 衝撃吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工性、コスト性、衝撃吸収性を高いレベルで確保することが可能な衝撃吸収体を提供すること。
【解決手段】斜面に設置する衝撃吸収体であって、斜面の幅方向に間隔を空けて立設する、複数の支柱と、前記複数の支柱間に敷設する、ネットと、前記支柱に脱着自在な、増設具と、前記増設具と山側アンカーとを接続する、山側控え材と、を少なくとも具備することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、斜面に設置して、土砂、落石、雪崩などの衝突物による動的荷重または静的荷重から防護するための衝撃吸収体に関する。
近年、ゲリラ豪雨などの影響による土砂災害が多く発生しており,全国の土砂災害特別警戒区域は、約20,000箇所にのぼる。
これらの土砂崩壊の対策工法としては、予防工と防護工の2種類がある。
このうち、防護工の一般的な方法として、道路脇や民家裏に待受け擁壁を設置する方法がある。
また、前記した待受け擁壁を設置するスペースが無い場合には、斜面の中腹に衝突物を待受ける防護体を設置する場合がある。
この防護体は、斜面に立設した支柱に敷設した金網からなるネットを受撃面とし、衝突物を前記ネットで受け止めて、ネット後方(斜面谷側)への衝突物の落下を防止する機能を備える。
この支柱は土砂崩壊による衝撃力に対応するために相応の強度を要するため、かなりの重量物となり、斜面中腹への運搬負担が増すなど、施工効率に大きく影響する。
また、支柱から斜面山側アンカーへと接続する控え材は、概ね支柱の上端(頭部)から1本のみ設けることが一般的であったため、想定される衝撃力から控え材の規格を決定すると、使用するワイヤーロープの規格が大きくなってしまうという課題があった。
これらの課題を解決すべく、出願人は、以下の特許文献1に記載の発明を着想した。
特許文献1に記載の衝撃吸収体は、支柱の中間部に貫通孔を設けておき、この貫通孔に山側控え材を挿通して、該山側控え材を直接ネットへ接続することで、支柱の設計時に衝突物の衝撃力を考慮する必要を無くしたものである。
この構造により、支柱のサイズダウンやワイヤーロープの軽微化を実現すとともに、支柱の軸方向に山側控え材を複数本配置することで、ネットの変位量の低減を可能としたものである。
特許5779734号公報
一方、前記特許文献1に記載の発明では、予め支柱に貫通孔を設けておく加工作業を要すること、支柱に設ける貫通孔の向きや数と、支柱強度とのバランスを維持する設計を要すること、などの点においてさらなる改善の余地があった。
したがって、本発明は、施工性、コスト性、衝撃吸収性を高いレベルで確保することが可能な衝撃吸収体の提供を少なくとも目的の一つとする。
本願の第1発明は、斜面に設置する衝撃吸収体であって、斜面の幅方向に間隔を空けて立設する、複数の支柱と、前記複数の支柱間に敷設する、ネットと、前記支柱に脱着自在な、増設具と、前記増設具と山側アンカーとを接続する、山側控え材と、を少なくとも具備することを特徴とする。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記支柱に、前記増設具を複数設けてあることを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1または第2発明において、前記増設具が、谷側アンカーと接続する谷側控え材との連結機構を更に有することを特徴とする。
また、本願の第4発明は、前記第1乃至第3発明のうち何れかの発明において、前記増設具が、前記支柱を両側から挟み込んで一体化可能な、一対の挟持体からなることを特徴とする。
また、本願の第5発明は、前記第1乃至第4発明のうち何れかの発明において、前記複数の支柱のうち、前記衝撃吸収体の側縁を構成する端支柱に接続した前記山側控え材に敷設する、サイドネットを更に具備したことを特徴とする。
また、本願の第6発明は、前記第1乃至第5発明のうち何れかの発明において、前記支柱の底部側における前記山側控え材の配置密度を、前記支柱の頭部側における前記山側控え材の配置密度よりも密にしてあることを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果のうち、少なくとも何れか一つを得ることができる。
(1)控え材を支柱の任意の箇所に接続することができる。
支柱に脱着自在な増設具を設けることにより、斜面に設けたアンカーに接続する各種控え材を、支柱の任意の箇所に増設することができる。よって、衝突物の荷重の作用位置に応じた、適切な箇所に、各種控え材を配置することができる。
(2)いつでも控え材を増設できる。
既設の衝撃吸収体に対し、増設具によって容易に各種控え材を増設することができる。
(3)支柱のサイズダウンが可能となる。
支柱に対して各種控え材を複数配置することで、従来よりも支柱のサイズダウンが可能となる。
(4)増設具による緩衝機能の兼用が可能である。
増設具を支柱の周側面を挟み込んで固定する態様とすることにより、ネットと結合した横ロープの一定値以上の張力の発生によって、増設具が支柱の周側面上を回転してスリップすることにより、衝撃に対する緩衝機能を発揮させることができる。
(5)衝撃物のこぼれ出しを防止できる。
衝撃吸収体の側縁を構成する端支柱に接続した山側控え材にサイドネットを敷設することで、受け止めた土砂や雪崩の横からのこぼれ出しを防止することができる。
(6)衝撃吸収機能を最適化できる。
支柱の底部側において山側控え材の配置密度を高めることで、土砂や雪など、斜面に近い箇所で大きな動的荷重または静的荷重が発生する衝突物に対し、抵抗機能をより効率よく発揮させることができる。
第1実施例に係る衝撃吸収体の概略斜視図。 第1実施例に係る中間支柱および端支柱の構成を示す概略図。 第1実施例に係る増設具の構成を示す概略斜視図。 第1実施例に係る端支柱での接続関係を示す概略斜視図。 第1実施例に係る中間支柱での接続関係を示す概略斜視図。 第1実施例に係る撃吸収体の衝撃発生時の作用(1)を示す概略図。 第1実施例に係る衝撃吸収体の衝撃発生時の作用(2)を示す概略図。 第2実施例に係る衝撃吸収体の概略側面図。 第3実施例に係る衝撃吸収体の概略側面図。 第4実施例に係る衝撃吸収体の概略斜視図。 第5実施例に係る衝撃吸収体の概略側面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
なお、各図において、図を参照しながら説明する構成要素以外の箇所について、図示を簡素化または省略している場合がある。
<1>全体構成(図1)。
図1を参照しながら、本実施例に係る衝撃吸収体の概要について説明する。
本実施例に係る衝撃吸収体は、斜面の中腹に設置する防護柵であり、斜面の幅方向に間隔を空けて立設する複数の支柱10と、前記複数の支柱10間に敷設するネット20と、前記支柱10に脱着自在な、増設具30と、前記増設具と山側アンカーとを接続する山側控え材40と、を少なくとも具備している。
さらに、前記支柱10の頭部11、底部12からは、それぞれ山側控え材40を別途設けており、前記増設具30は、前記支柱の中間部13に取り付けられている。以下、各構成要素の詳細について説明する。
<2>支柱(図1)。
支柱10は、斜面に立設した状態で、支柱10に敷設されるネット20の形状を保持するための部材である。
本実施例に係る複数の支柱10は、端支柱10aと、その余の中間支柱10bとに分かれている。
各支柱10は、管状の鋼材などを用いることができ、鋼材の断面形状は特段限定しない。
支柱10の形状の一例について、図2を参照しながら説明する。
<2.1>支柱頭部の態様(図2(a))。
図2(a)の平面図に示すように、各支柱10の頭部11には、必要に応じて、各種ロープ材や各種控え材と連結するための、以下の連結機構を設けておくことができる。
[山側接続部]
支柱10の背面方向(斜面山側)には、山側控え材40の一端を連結するための接続部(山側接続部11a)を備えている。
[谷側接続部]
支柱10の正面方向(斜面谷側)には、谷側控え材50の一端を連結するための接続部(谷側接続部11b)を備えている。
[左右側の接続部]
支柱10の左右方向(斜面幅方向側)には、隣り合う支柱との間隔保持ロープや、横控え材と連結するための接続部(右側接続部11c、左側接続部11d)を備えている。
<2.2>支柱底部の態様(図2(b))。
図2(b)は、支柱10の側面図である。
支柱10の立設態様は、斜面に載置して各種控え材で姿勢保持するものや、斜面にアンカー固定するもの、斜面に埋設固定するもの、などの種々の方法を採用することができる。図2(b)では、支柱10を斜面に載置して各種控え材で姿勢保持する構造を採用しており、支柱10の底部12を、斜面に別途設置する接地板12aとの間をピン連結し、支柱10を斜面の山側または谷側へと傾斜自在に構成している。
当該構成によって、斜面に対する支柱10の立設角度を任意に調整することができる。
<2.3>支柱中間部の態様(図2(b))。
支柱10の中間部13は、後述する増設具30を、単数または複数配置するよう構成する。
また、端支柱10aでは、横控え材60を接続するための、横控え材用接続部131を側面に設けておいてもよい。
<3>ネット(図1)。
ネット20は、衝突物の受撃面を構成するための部材である。
ネット20は受撃面を構成する金網21と、前記金網21に取り付ける横方向及び縦方向のワイヤーロープ(横ロープ22、縦ロープ23、以下「各ロープ」ともいう。)からなる。
金網20と各ロープとの連結方法は、連結コイルを介したり、金網の網目に挿通したりするなどの方法によって行うことができる。
また、各ロープの交点部分は、公知の交点処理を行って目開きを防止しておくことが好ましい。
<3.1>金網。
金網21の素材、形状は、衝突物に対する所望の衝撃吸収性能によって適宜決定することができ、例えば、超硬金網、菱形金網、亀甲金網等の金網、ワイヤーロープ製のネット、などを用いることができる。
<3.2>横ロープ。
横ロープ22は、金網21の縦方向に所定間隔毎に設ける部材であり、一般的には金網21の上縁部分、単数又は複数の中間部分、下縁部分に等間隔で設けるが、配置位置、配置本数は適宜決定されるものであり、本発明において特段限定するものではない。
<3.3>縦ロープ。
縦ロープ23は、金網21の横方向に対して所定間隔毎に設ける部材であり、一般的には、金網21の左縁部分、単数又は複数の中間部分、右縁部分に等間隔で設けるが、配置位置、配置本数は適宜決定されるものであり、本発明において特段限定するものではない。
縦ロープ23は、前記横ロープ22との交点処理によって当該横ロープと一体化した状態となる。
<4>増設具(図3)。
増設具30は、前記支柱10の軸方向に間隔を空けながら脱着自在に設ける治具である。
図3に、増設具30の構成例を示す。
<4.1>支柱との把持構造。
増設具30は、支柱10を両側から挟み込んで一体化可能な、鋼製の一対の挟持体30a、30bから構成することができる。
各挟持体30a、30bの両端にはボルト孔31を設けた鍔部32を設け、この鍔部32同士を重ね合わせた状態で、連通するようにした各ボルト孔31を介して、ボルト32、ナット34などの公知の締結部材で一体化する。
各挟持体30a、30bの一体化時には、前記支柱の外形よりもやや小径を呈する把持面を構成することで、前記支柱をクランプして位置決めした状態となる。
<4.2>アンカー接続部。
各挟持体30a、30bには、アンカー接続部35を有し、各挟持体30a、30bを支柱10に設けた後には、各アンカー接続部35が、それぞれ斜面の山側または谷側を向くよう構成する。
<4.3>その他の形状例。
なお、増設具は図3に係る形状に限定されるものではなく、支柱10そのものに締結部材など一体化する構成や、支柱10を挟み込む挟持体を三分割以上した構成などを採用してもよい。
<5>各種控え材との連結態様。
図4,5を参照しながら、各支柱と、各種ロープおよび各種控え材の連結態様について説明する。
<5.1>端支柱の場合(図4)。
はじめに、端支柱10aと、各種控え材および横ロープとの接続態様について説明する。
図4(a)は、頭部周辺、図4(b)は中間部の増設具周辺、図4(c)は、底部周辺における、各種控え材および横ロープとの接続態様を示している。
<5.1.1>山側控え材。
山側控え材40は、衝撃吸収体から山側の斜面に設ける山側アンカーと接続する部材である。
本実施例では、山側控え材40は、1本の支柱10に対して、頭部11にある前記山側接続部11a、底部12にある接地板121に設けた山側貫通孔122、中間部13にある増設具30において山側を向いたアンカー接続部35、の計三箇所にそれぞれ接続されている。
本実施例では、三本の山側控え材40は全て同じ山側アンカーXへと接続しているが、互いに異なる山側アンカーXへと接続するように構成してもよい。
<5.1.2>谷側控え材。
谷側控え材50は、衝撃吸収体から谷側の斜面に設ける谷側アンカーYと接続する部材である。
本実施例では、谷側控え材50は、1本の支柱10に対し、中間部13にある増設具30において谷側を向いたアンカー接続部35に1本接続されている。
本実施例では、各谷側控え材50はそれぞれ異なる谷側アンカーYへと接続しているが、互いに同じ谷側アンカーYに接続するように構成してもよい。
<5.1.3>横控え材。
横控え材60は、衝撃吸収体の横方向(斜面幅方向)に配置する横アンカーZと接続する部材である。
本実施例では、横控え材60は、衝撃吸収体の両縁の端支柱10aに対し、頭部11に設けた右側接続部11cまたは左側接続部11d、中間部13に設けたアンカー接続部35、接地板121に設けた谷側貫通孔123の、計三箇所にそれぞれ接続されている。
本実施例では、三本の横控え材60は全て同じ横アンカーZへと接続しているが、互いに異なる横アンカーZに接続するように構成してもよい。
<5.1.4>横ロープ。
ネットの幅方向に伸びる横ロープ22の端部は、支柱10の頭部11にある右側接続部11cまたは左側接続部11dや、支柱10の中間部13にある増設具の谷側接続部、支柱10の底部12にある接地板121に設けた谷側貫通孔123にそれぞれ連結している。
<5.2>中間支柱の場合(図5)。
次に、中間支柱10bと、各種控え材および横ロープとの接続態様について説明する。
図5(a)は、中間部の増設具周辺、図5(b)は、底部周辺における、各種控え材および横ロープとの接続態様を示している。
<5.2.1>山側控え材。
山側控え材40の接続態様は、図4に示す端支柱10aでの接続態様と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<5.2.2>谷側控え材(中間部分)。
谷側控え材50は、中間部13に取り付けた増設具30において谷側を向くアンカー接続部35へと1本接続されている。
このとき、中間支柱10bの谷側にはネット20が敷設されているため、金網21の一部に露出孔211を設け、この露出孔211から増設具30のアンカー接続部35を露出させた状態で、谷側控え材50を接続する。
<5.2.3>横ロープ。
中間部13にある横ロープ22は、増設具30のアンカー接続部35にある穴を挿通して、隣り合う支柱へと伸ばしている。
底部12にある横ロープ22は、接地板121に設けた谷側貫通孔123に挿通して、隣り合う支柱へと伸ばしている。
なお、頭部11にある横ロープ22は、図1に示すように右側接続部11cや左側接続部11dへと連結している。
<5.3>緩衝金具の介設。
なお、本発明では、各種控え材を構成するワイヤーロープの途上に、該ワイヤーロープに所定以上の張力が作用したときに、該ワイヤーロープの摩擦摺動を許容して緩衝機能を発揮する公知の緩衝金具を設けることもできる(図示せず)。
<6>機能・作用(図6、図7)。
上記構成による衝撃吸収体の受撃時の作用について、図6、7を参照しながら説明する。
<6.1>山側控え材の作用(図6)。
衝撃吸収体に対し、斜面山側から土砂や雪、落石などの衝突物Aが落ちてきた場合、増設具30でもって山側控え材40を増設することで、各山側控え材40に生じる引張力を分散することができる。
よって、同等の衝撃吸収機能を維持しながら、支柱10のサイズダウンを行うことができる。
<6.2>谷側控え材の作用(図6)。
衝撃吸収体に対し、斜面山側から土砂や雪などの一定厚みをもった衝突物Aが滑り落ちてきた場合、支柱10が受ける衝撃は、土砂や雪の厚みによる一定高さまでである。この場合、支柱の最大曲げモーメントは支柱の中間部周辺であるため、この位置に予め山側控え材を配置することで、支柱が山側に倒伏しようとする動作を抑制することができる。
また、ネットで受け止めた土砂等がそのまま堆積した場合には、静的荷重へと遷移することとなる。このとき、土砂の堆積厚によって、支柱の最大曲げモーメントの位置は変わる場合があるが、この点も考慮した位置に谷側控え材を配置しておけば、引き続き支柱が山側に倒伏しようとする動作を抑制することができる。
<6.3>増設具の作用(図7)。
端支柱10aに取り付けた増設具30は、金網と一体化された横ロープの一端が谷側を向いたアンカー接続部35に連結されている(図7(a))。
この状態からネット20が衝突物Aを受撃すると、金網21が衝突物Aの荷重でもって谷側にはらみだす状態となり、横ロープ22に引張力が生じる。
増設具30は、支柱10を挟み込んで確実に位置決めした状態を想定しているものの、この横ロープ22の引張によって所定以上の張力が作用したとき、増設具30が支柱の周側面上を回転してスリップすることで、衝突物Aの荷重に対する緩衝機能を発揮することができる。
図8を参照しながら、本願の第2実施例に係る衝撃吸収体について説明する。
本実施例では、前記第1実施例に係る衝撃吸収体に対し、さらに前記した谷側接続部11bを用いて、谷側控え材を支柱10の頭部11に接続して、一本の支柱に対し、谷側控え材を計二箇所設けた構成を呈している。
本実施例に係る衝撃吸収体によれば、衝突物の種類や、荷重の種類の違いによる支柱の最大曲げモーメントの位置の遷移が大きい現場において有効である。
図9を参照しながら、本願の第3実施例に係る衝撃吸収体について説明する。
本実施例では、前記第1実施例に係る衝撃吸収体に対し、端支柱10aに接続する複数の山側控え材と一体化するように、サイドネット70を設けた構成を呈している。
本実施例に係る衝撃吸収体によれば、受け止めた土砂や雪がネット20の横からこぼれ出すことを防止することができる。
図10を参照しながら、本願の第4実施例に係る衝撃吸収体について説明する。
本実施例では、一本の支柱10に対し、複数の増設具30を設けるとともに、前記支柱10の底部12側における前記山側控え材40の配置密度を、前記支柱の頭部11側における前記山側控え材40の配置密度よりも密にしてある構成を呈している。
本実施例に係る衝撃吸収体によれば、土砂や雪崩などの、斜面から一定高さまでである受撃可能性の高い領域に山側控え材を密に配置しておくことで、より効率的な衝撃吸収体の設計が可能となる。
図11を参照しながら、本願の第4実施例に係る衝撃吸収体について説明する。
本実施例では、増設具30を、支柱の頭部や底部に接続する山側控え材の接続具としても使用した構成を呈している。
本実施例に係る衝撃吸収体によれば、支柱の事前加工をできる限り省略することで、よりコストを抑えることができる。
なお、本発明に係る衝撃吸収体は、山側控え材40のみを設置し、谷側控え材50を省略した構成としてもよい(図示せず)。
これは、支柱10の立設態様や、現場で想定される衝突物Aの条件に応じて、山側控え材40のみでも、十分に衝撃吸収機能を発揮できる場合に有効である。
10 支柱
10a 端支柱
10b 中間支柱
11 頭部
11a 山側接続部
11b 谷側接続部
11c 右側接続部
11d 左側接続部
12 底部
121 接地板
122 谷側貫通孔
123 山側貫通孔
13 中間部
131 横控え材用接続部
20 ネット
21 金網
211 露出孔
22 横ロープ
23 縦ロープ
30 増設具
30a 挟持体
30b 挟持体
31 ボルト孔
32 鍔部
33 ボルト
34 ナット
35 アンカー接続部
40 山側控え材
50 谷側控え材
60 横控え材
A 衝突物
X 山側アンカー
Y 谷側アンカー
Z 横アンカー
これらの課題を解決すべく、出願人は、以下の特許文献1に記載の発明を着想した。
特許文献1に記載の衝撃吸収体は、支柱の中間部に貫通孔を設けておき、この貫通孔に山側控え材を挿通して、該山側控え材を直接ネットへ接続することで、支柱の設計時に衝突物の衝撃力を考慮する必要を無くしたものである。
この構造により、支柱のサイズダウンやワイヤーロープの軽微化を実現すとともに、支柱の軸方向に山側控え材を複数本配置することで、ネットの変位量の低減を可能としたものである。
本願の第1発明は、斜面に設置する衝撃吸収体であって、斜面の幅方向に間隔を空けて立設する、複数の支柱と、前記複数の支柱間に敷設する、ネットと、前記支柱の任意の箇所に脱着自在な、増設具と、前記増設具と山側アンカーとを接続する、山側控え材と、を少なくとも具備し、前記増設具が、前記支柱を両側から挟み込んで一体化可能な、一対の挟持体からなることを特徴とする。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記支柱の外形が円形であり、前記一対の狭持体が前記支柱の外形に合わせた内周面を有するように一体化されることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第1または第2発明において、前記支柱に、前記増設具を複数設けてあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第1乃至第3発明のうち何れかの発明において、前記増設具が、谷側アンカーと接続する谷側控え材との連結機構を更に有することを特徴とする。
また、本願の第5発明は、前記第1乃至第4発明のうち何れかの発明において、前記複数の支柱のうち、前記衝撃吸収体の側縁を構成する端支柱に接続した前記山側控え材に敷設する、サイドネットを更に具備したことを特徴とする。
また、本願の第6発明は、前記第1乃至第5発明のうち何れかの発明において、前記支柱の底部側における前記山側控え材の配置密度を、前記支柱の頭部側における前記山側控え材の配置密度よりも密にしてあることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 斜面に設置する衝撃吸収体であって、
    斜面の幅方向に間隔を空けて立設する、複数の支柱と、
    前記複数の支柱間に敷設する、ネットと、
    前記支柱に脱着自在な、増設具と、
    前記増設具と山側アンカーとを接続する、山側控え材と、
    を少なくとも具備することを特徴とする、衝撃吸収体。
  2. 前記支柱に、前記増設具を複数設けてあることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収体。
  3. 前記増設具が、谷側アンカーと接続する谷側控え材との連結機構を更に有することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の衝撃吸収体。
  4. 前記増設具が、前記支柱を両側から挟み込んで一体化可能な、一対の挟持体からなることを特徴とする、
    請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の衝撃吸収体。
  5. 前記複数の支柱のうち、前記衝撃吸収体の側縁を構成する端支柱に接続した前記山側控え材に敷設する、サイドネットを更に具備したことを特徴とする、
    請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の衝撃吸収体。
  6. 前記支柱の底部側における前記山側控え材の配置密度を、前記支柱の頭部側における前記山側控え材の配置密度よりも密にしてあることを特徴とする、
    請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の衝撃吸収体。
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