JP2017193817A - 手袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内面側と外面側を有する繊維製手袋とその外面側に形成されたゴム又は塩化ビニル系樹脂の被覆層とからなり、前記繊維製手袋がプレーティングにより内面側と外面側が編み分けされており、外面側に非極細繊維を含み、内面側に角を有する極細繊維を含むことを特徴とする手袋である。
【選択図】なし
Description
これらの中で、繊維製手袋の繊維の発塵が問題となる分野では、ポリエステルやポリアミド(ナイロン)等の長繊維が使用されている。しかしながら、これらの繊維は、コットン、アクリル、ポリエステル等の短繊維からなる紡績糸に比べて、手肌との摩擦抵抗力が小さいため滑り止め性が十分でなく、その結果、手袋内で手指が滑り易く作業性が悪いという問題を含んでいる。
また、手袋の外面側、内面側の両表面を超極細繊維束糸で構成した織編物からなる高接着性を有する手袋が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、被覆層を形成する外面側に非極細繊維を含ませることにより、特定の方法に限られることなく、通常の方法で接着強度に優れた被覆層を形成することを見い出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
1.内面側と外面側を有する繊維製手袋とその外面側に形成されたゴム又は塩化ビニル系樹脂の被覆層とからなり、前記繊維製手袋がプレーティングにより内面側と外面側が編み分けされており、外面側に非極細繊維を含み、内面側に角を有する極細繊維を含む手袋である。
尚、本発明において、用語“繊維製手袋の外面側”とは、手指と接しない側であり、内面側とは手指と接する側を云う。
また、本発明において、用語“直径”とは極細繊維の束の直径ではなく、単繊維の直径を云う。
また、本発明において、用語“分割性繊維”とは分割前の繊維を云い、用語“分割繊維”とは分割後の極細繊維を云う。
通常繊維は円状の断面を有するが、分割性繊維はその製法から分割後に多角形の極細繊維(分割繊維)とすることができ、この多角形の角が滑り止めに効果的に寄与すると考えられる。よって、極細繊維は角を有する繊維であることが好ましい。
これらの極細繊維は、単独糸として用いてもよく、又は、芯糸のナイロン、ポリエステル、ポリウレタン弾性糸、コットン等に極細繊維を通常100〜600T(twist)/M(1m当りの巻き数)、好ましくは300〜600T/Mカバーリングした複合糸として用いてもよい。
また、内面側にくる糸が極細繊維と非極細繊維とが引き揃えられた糸である場合、極細繊維の割合が50重量%を超えることが好ましく、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上である。
また、非極細繊維として、高強度ポリエチレンやアラミド等の結晶性の高い耐切創性を有する繊維が挙げられる。これらの繊維は滑りやすい傾向があるため、このような繊維の内面側に極細繊維を配することは、耐切創性に加えて手袋外側面と内側面の滑り止めを付与でき、非常に作業性が良い手袋を提供することができる。また、アクリル繊維や、レーヨン等の再生繊維等を外面側に用いると、防寒性の良好な手袋を提供することができる。
繊維製手袋に非極細繊維を含ませる方法は、例えば、シームレス編機を用い、7G以上で外面側に非極細繊維がくるようにプレーティングする方法、縫製により作られる場合は、丸編機を用いて極細繊維と非極細繊維とをプレーティング編みした生地を縫製し、該生地を外面側に非極細繊維が配されるように使用する方法、極細繊維と非極細繊維からなる2種類の布地を貼り合わせすることにより二重素材構造とする方法が挙げられる。外面側の非極細繊維の割合は、50重量%を超えることが好ましく、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上である。
また、ポリビニルメチルエーテル、オルガノポリシロキサン、曇点が30〜50℃の界面活性剤等の感熱ゲル化剤を添加し、感熱法によるゴム被覆層の接着強度を高めることができる。
凝固法の好ましい一例は、金属や陶器製等の手型に繊維製手袋を被せ、凝固剤に浸漬する。凝固剤としては、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、水酸化マグネシウム等の金属塩、酢酸、シクロヘキシルアミン硫酸塩等の温水もしくはメタノール溶液である。濃度は温水やメタノール100重量部に対して通常0.1〜10重量部である。0.1重量部を下回るとゴム配合液が浸透しやすくなる。また10重量部を超えるとゴム被膜と繊維製手袋との接着強度が下がる傾向がある。従って、凝固剤の濃度は、ゴム被膜が内面側の繊維束を覆いこまないように、すなわち完全に浸透しないように、また接着強度が下がらないようにバランスをとった凝固剤濃度に調整される。一般には、硝酸カルシウムのメタノールまたは温水の溶液が好適に用いられる。次に、繊維製手袋を引き上げた後、手型に被せた繊維製手袋の指先を下向きにして余分な凝固剤の滴下を3〜20秒行い、続いて、手型に被せた繊維製手袋の指先を上向きにして3〜20秒ほど指先にたまった凝固剤を凝固剤の浸漬面で均一化する。
その後、ゴムのコンパウンドに浸漬した後、引き上げ、60〜130℃程度、6〜20分程度乾燥を行い、繊維製手袋を手型から取り外した後、25〜60℃程度、10〜60分程度リーチングを行ってから、必要に応じ、親指と残りの4指と掌とが掌中央で凹状になるように腕曲した形状(人間が手の力を抜いたときの形状に近い腕曲)の手型へ被せなおし、100〜140℃程度、20〜60分程度加熱処理を行う。加熱処理とは加硫させることで、単に乾燥により水分が飛んだだけで強度の大幅な向上が得られてない状態は未加硫状態である。リーチングは加熱処理後に実施してもよい。また、乾燥後に手型から繊維製手袋を離型せずにそのまま加熱処理を行っても構わない。皮膜は、滑り止め層も含めて2〜3層重ねた加工にしてもよい。ゴムのコンパウンドが繊維束に完全に浸透して繊維製手袋の内面側までゴムで覆われると、繊維と手指とが接触する部分がなくなり、不快感が生じるとともに、汗により手袋の内部で滑りを生じるので好ましくない。
一方、繊維製手袋の外面側が非極細繊維を含有する場合は、凝固法、感熱法のいずれの方法でも接着性に優れた手袋を得ることができる。
尚、繊維製手袋の外面側に非極細繊維を含有させる場合は、予め撥油処理を施しても、又は施さずとも、接着強度の良好な手袋を得ることができる。
*1:SUNWISE 社製 LA-TZ 、*2:新第一塩ビ社製 ZEST P21、*3:フタル酸ジイソノニル(DINP)、*4:トクヤマ製レオロシールQS102、*5:アデカ社製 SC72 、*6:東亜合成社製 アロンA-7075
実施例及び比較例で得られた手袋の物性の測定、評価は下記の方法で行った。
キーエンス製(VHX-900 )の光学顕微鏡にてスクリーン上の単位面積(50×50μm)中に含まれる極細繊維の単繊維から、面積が大きいものから順に5つと、小さいものから順に5つをピックアップし、それらの平均を求め、真円とした場合の直径を算出した。
手袋の掌面から試験片(63.5mm×63.5mm)を切り取り、動摩擦係数(μK)を求めた。この方法はASTM D1894に基づくもので、摩擦係数測定装置の移動重錘(200g、摩擦面63.5mm×63.5mm)に試験片を取り付け、前記移動重錘をステンレス板上にて150mm/minで移動距離130mmだけ走行させ、その間の摩擦力を測定し、試験片とステンレス版との摩擦によって生じる走行抵抗(動摩擦係数)を次式で算出する。WET 条件での測定は試験片の摩擦面を1gの水で均一に湿らせ測定を行う。動摩擦係数の値は高いほど滑り止め性能は高いと評価した。
μK(動摩擦係数)=C/D
ここでCは均斉な走行になってからの平均摩擦力であり、Dは移動重錘の垂直抗力である。
被験者は20人とし、手袋をはめて重さ3Kgの段ボール箱の横(側面)を挟むようにして持った時の手袋内面側の滑り止め効果を下記の基準で5段階評価した。
A:全く滑らない、B:滑らない、C:どちらともいえない、D:わずかに滑る、E:滑る。
手袋の掌面から指の長さ方向の試験片(幅25mm、長さ120mm )を切り取り、試験片の指側から被覆層と繊維製手袋を20mm程度剥離させ、その両端を180 度になる様に引張試験機装置に挟み込み、剥離する時の力を測定する。チャックを移動速度50mm/minで150mm 走行させ、30mmから130mm 走行時にかかる力を平均し剥離力とした。
剥離強さは次式にて算出する。本発明では、評価として剥離強さの数値が高いほど接着強度が大きいと評価する。
TF =FF /b
ここで TF:剥離強さ(N/mm)、 FF:剥離力(N )、b :試験片の幅(mm)
ただし表6 .(iii)の形成方法での作製の場合、被覆層はスポンジ状であり剥離試験に耐えうる強度がない。そこで剥離試験の場合においてのみ(iii)の被覆層の上から非発泡のNBR をコーティングして被膜の強化を行った後、測定を行った。接着強度は好ましくは0.32N/mm以上、より好ましくは0.4N/mm以上である。
尚、手袋においては0.8N/mm以上の接着強度があれば、十分すぎる実用性を有しているため、0.8N/mm以上の場合は0.8N/mmと記載し、それ以上の測定は実施していない。
皮膜(被覆層)の浸透度合いを肉眼で下記の基準により評価した。
浸透なし:皮膜が手袋の内面側に浸透していない。
浸透あり:皮膜が手袋の内面側に浸透している。
耐切創性はEN388に準拠し、レベル分けにより評価した。
被験者は20人とし、低温下(8℃)で手袋をはめて作業を行い、その時の暖かさを3段階評価(良、普通、不良)した。
(繊維製手袋(A)の調製)
帝人ナノファイバー(ナノフロント 56dT(dtex)−10F(フィラメントの数))の双糸を3本用い、18G編機で編成した繊維製手袋を準備した。次いで、該手袋の重量の20倍の重量の2%水酸化ナトリウム水溶液にて95℃で10分間攪拌しながら繊維の分割を行った。その後水でリーチング(水20倍浴に90℃で10分を2回)し、60℃で30分乾燥させた。分割後のナノフロントの単繊維の直径は、0.7μmであった。
(繊維製手袋(B)の調製)
KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸を4本用い、13G編機で編成した繊維製手袋を準備した。
次いで、上記と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行った。分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径は3μmであった。
(繊維製手袋(C)、(D)の調製)
KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2本を鞘糸とし、芯糸には複合糸(ポリウレタン製の弾性糸(22dT)にウーリーナイロン(78dT−24F)をカバーリングしたもの)を用い、300T/Mもしくは600T/Mでカバーリングした糸(以下300T/Mの複合糸(I)もしくは600T/Mの複合糸(II)と記す)を用い編成した繊維製手袋を作製した。次いで、上記と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの、繊維製手袋(C)(300T/Mの複合糸(I)を用いたもの)及び同(D)(600T/Mの複合糸(II)を用いたもの)を得た。
(被覆層の形成)
上記繊維製手袋(A)〜(D)の掌部に、表6に記載の被覆層の形成方法(i)によりゴム又は塩化ビニル系樹脂の被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表7に示す。
分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が0.7μm又は3μmの、繊維製手袋(A)〜(D)を用い、表6の被覆層の形成方法(v)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表7に示す。
(繊維製手袋(E)の調製)
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2本とウーリーナイロン(WN)(78dT−24F)の双糸2本をプレーティング編みし、内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(E)を得た。
(被覆層の形成)
上記繊維製手袋(E)を用い、表6の被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表7に示す。
(繊維製手袋(F1)の調製)
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2本と、ポリウレタン(PU)製の弾性繊維22dTをウーリーナイロン(WN)(78dT−24F)、300T/Mでカバーリングした複合糸1本とでプレーティング編成し、手袋内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(F1)を得た。
(被覆層の形成)
上記繊維製手袋(F1)を用い、表6の被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表7に示す。
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2 本と、ポリウレタン(PU)製の弾性繊維22dT×1 本の上にウーリーポリエステル(PE)84dT−36F×1 本を300T/Mでカバーリングした複合糸1本とでプレーティング編成し、手袋内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで実施例1 と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(F2)を得た。
(被覆層の形成)
上記繊維製手袋(F2)を用い、表6 の被覆層の形成方法(iv)により被覆層を形成した。得られた手袋の測定、評価結果を表7 に示す。
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2 本と、ポリウレタン(PU)製の弾性繊維22dT×1 本上にコットン(CO)30番手×1 本を300T/Mでカバーリングした複合糸1 本とでプレーティング編成し、手袋内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで実施例1 と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(F3)を得た。
(被覆層の形成)
上記繊維製手袋(F3)を用い、表6 の被覆層の形成方法(iv)により被覆層を形成した。得られた手袋の測定、評価結果を表7 に示す。
(繊維製手袋(G)、(H)の調製)
13G編機を用い、実施例1の300T/Mの複合糸(I)または600T/Mの複合糸(II)とウーリーナイロン(78dT−24F)の双糸2本をプレーティング編みし、手袋の内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの、繊維製手袋(G)(300T/Mの複合糸(I)を用いたもの)及び同(H)(600T/Mの複合糸(II)を用いたもの)を得た。
(被覆層の形成)
次いで、繊維製手袋(G)、(H)を用い、表6の被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表7に示す。
分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(B)〜(D)を用い、表6の被覆層の形成方法(ii)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表8に示す。
13G編機を用い、宣進(台湾)のハイマルチフィラメント(Polyester 176dT−288F、直径7μm)を2本を用いて編成して繊維製手袋を作製した。次いで、実施例1と同様の方法でリーチング、乾燥を行い、直径が7μmの繊維製手袋(I)を得た。
次いで、繊維製手袋(I)を用い、表6の被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表8に示す。
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2本とウーリーナイロン(78dT)の双糸2本を用い引きそろえにて編成した繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(J)を得た。
上記繊維製手袋(J)を用い、表6の被覆層の形成方法(ii)及び(iii)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表8に示す。
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2本と、ポリウレタン製の弾性繊維22dTをウーリーナイロン78dT−24F、300T/Mでカバーリングした複合糸1本とを引きそろえにて編成した繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法により分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(K)を得た。
次いで、繊維製手袋(K)を用い、表6の被覆層の形成方法(ii)及び(iii)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表8に示す。
13G編機を用い、ウーリーナイロン78dTの双糸2本で編成した繊維製手袋(ウーリーナイロン)(L)、ウーリーポリエステル84dTの双糸2本で編成した繊維製手袋(ウーリーポリエステル)(M)、コットン30番手2本で編成した繊維製手袋(コットン)(N)、ポリウレタン製の弾性繊維22dTをウーリーナイロン78dT−24F、300T/Mでカバーリングした複合糸を3本用い編成した繊維製手袋(SCY)(O)を用いて、表6の被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した。尚、繊維製手袋のリーチング、乾燥は実施例1と同じである。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表9に示す。
13G編機を用い、表10に示した本数のKBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)とウーリーナイロン78dTとを引き揃えた糸と、ウーリーナイロンをプレーティング編成し、手袋内面側がマイクロファイバーとウーリーナイロンで、手袋外面側がウーリーナイロンとなる繊維製手袋を準備した。次いで実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(P)を得た。
(被覆層の形成)
上記繊維製手袋(P)を用い、表6の被覆層の形成方法(iv)により被覆層を形成した。得られた手袋の物性測定、評価結果を表10に示す。
(繊維製手袋(Q)の調製)
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2 本と、ポリウレタン(PU)製の弾性繊維22dT×1 本上にダイニーマ(東洋紡株式会社の登録商標 220dT−192F)×1 本を200T/Mでカバーリングした複合糸1本とでプレーティング編製し、手袋内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(Q)を得た。
(被覆層の形成)
次いで、繊維製手袋(Q)を用い、表6の被覆層の成形方法(i)〜(iv)により被覆層を成形した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表11に示す。
(繊維製手袋(R)の調製)
10G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2 本と、ケブラー(東レ・デュポンの登録商標 20番手)1本とでプレーティング編製し、手袋内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(R)を得た。
(被覆層の形成)
次いで、繊維製手袋(R)を用い、表6の被覆層の成形方法(i)〜(v)により被覆層を成形した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表11に示す。
実施例4において繊維製手袋(F1)を用い、被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した手袋について耐切創性を評価した。評価結果を表11に示す。
(繊維製手袋(S)の調製)
13G編機を用い、KBセーレンのマイクロファイバー(コスモアルファ 84dT−25F)の単糸2 本と、アクリル(東レ株式会社 40番手)1本とでプレーティング編製し、手袋内面がマイクロファイバーからなる繊維製手袋を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で分割、リーチング、乾燥を行い、分割後のマイクロファイバーの単繊維の直径が3μmの繊維製手袋(S)を得た。
(被覆層の形成)
次いで、繊維製手袋(S)を用い、表6の被覆層の成形方法(i)〜(v)により被覆層を成形した。得られた手袋の物性の測定、評価結果を表12に示す。
実施例4において繊維製手袋(F1)を用い、被覆層の形成方法(i)〜(v)により被覆層を形成した手袋について暖かさを評価した。評価結果を表12に示す。
特に、実施例1、2における(C)、(D)の極細繊維の場合は、極細繊維をカバーリングした内面側の動摩擦係数は少し低いものの、ポリウレタン弾性繊維により圧迫力とフィット力が高められ、手袋内面側の滑り止め性は良好である。
また、実施例3における(E)の極細繊維の場合は、ウーリーナイロン(WN)でプレーティングしたことにより、手袋内面の滑り止め性は良好である。
また、実施例4は、実施例3の繊維製手袋に弾性繊維を加えた仕様であり、手への圧迫力、フィット力が高められ、手袋内面の滑り止め性が実施例3の手袋に比べて更に高められている。
また、実施例4、5から明らかなように、非極細繊維を外面側に含有させることにより、被覆層の形成方法(i)〜(v)のいかんを問わず、ゴムや塩化ビニル系樹脂の被覆層の接着強度に優れた手袋が得られる。
Claims (9)
- 内面側と外面側を有する繊維製手袋とその外面側に形成されたゴム又は塩化ビニル系樹脂の被覆層とからなり、
前記繊維製手袋がプレーティングにより内面側と外面側が編み分けされており、
外面側に非極細繊維を含み、
内面側に角を有する極細繊維を含むことを特徴とする手袋。 - 非極細繊維がナイロン、ポリエステル、コットンから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載の手袋。
- 非極細繊維がナイロン、ポリエステル、コットンから選ばれる少なくとも1種でカバーリングされたポリウレタン弾性糸からなることを特徴とする請求項1記載の手袋。
- 角を有する極細繊維が分割繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の手袋。
- 被覆層の接着強度が0.32N/mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の手袋。
- 繊維製手袋の外面側に、感熱法によりゴムの被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の手袋の製造方法。
- 繊維製手袋の外面側に、撥油処理を施した後、塩化ビニル系樹脂の被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の手袋の製造方法。
- 繊維製手袋の外面側に、感熱法又は凝固法によりゴムの被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の手袋の製造方法。
- 繊維製手袋の外面側に、撥油処理を施すか、又は撥油処理を施すことなく、塩化ビニル系樹脂の被覆層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の手袋の製造方法。
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