JP6599119B2 - 手袋の製造方法 - Google Patents

手袋の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6599119B2
JP6599119B2 JP2015075124A JP2015075124A JP6599119B2 JP 6599119 B2 JP6599119 B2 JP 6599119B2 JP 2015075124 A JP2015075124 A JP 2015075124A JP 2015075124 A JP2015075124 A JP 2015075124A JP 6599119 B2 JP6599119 B2 JP 6599119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glove
hot melt
melt adhesive
adhesive
inner glove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015075124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016194174A (ja
Inventor
英敏 岸原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Glove Co
Original Assignee
Showa Glove Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Glove Co filed Critical Showa Glove Co
Priority to JP2015075124A priority Critical patent/JP6599119B2/ja
Priority to EP16162895.3A priority patent/EP3075275B1/en
Priority to US15/084,941 priority patent/US10010124B2/en
Priority to DK16162895.3T priority patent/DK3075275T3/en
Publication of JP2016194174A publication Critical patent/JP2016194174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6599119B2 publication Critical patent/JP6599119B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D19/00Gloves
    • A41D19/0006Gloves made of several layers of material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D2500/00Materials for garments
    • A41D2500/10Knitted

Description

本発明は、手袋及び手袋の製造方法に関する。
土木建設や寒冷地域等での作業において使用される手袋として、繊維製の糸を編成したインナー手袋と、このインナー手袋の外側を覆い、ゴム又は樹脂を主成分とする被膜を備えるアウター手袋とを有する手袋が知られている。
この従来の手袋は、インナー手袋とアウター手袋とがホットメルト接着剤により接着されている。その接着方法として、ホットメルト接着剤を塗工したインナー手袋を加熱ヒータ付き金属手型に被せ、その上からアウター手袋を被せた後、上記インナー手袋とアウター手袋との間の気体を吸引して密着させた状態でホットメルト接着剤を加熱する方法がある(特開2010−47870号公報参照)。この方法ではインナー手袋の内面にまでホットメルト接着剤が浸透し易い。このため、上記従来の手袋は、使用者が手袋装着した際にざらつき等の違和感が生じ易い。
また、別の接着方法として、手型にゴム又は樹脂のアウター手袋を設け、ホットメルト接着剤を塗工し乾燥させた後、繊維製のインナー手袋を被せ、内側からの空気圧の膨張でアウター手袋、接着剤及びインナー手袋を密に接触させた後、接着剤の溶融により接着させる方法がある(特表2008−514467号公報参照)。しかし、この方法では複雑な形状をした手袋全体を均一に加圧することが難しいため、接着強度にばらつきが生じ易い。またアウター手袋が加熱されながら膨張するため手袋形状の変形を起こし易い。この接着強度のばらつきや被覆の手袋形状の変形により、上記従来の手袋は剥離強度が不十分となり易い。
特開2010−47870号公報 特表2008−514467号公報
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、ざらつき等の違和感が少なく、かつ剥離強度に優れる手袋を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、繊維製の糸を編成したインナー手袋と、このインナー手袋の外側を覆うアウター手袋と、重ね合わされる上記インナー手袋及びアウター手袋の一部に介在するホットメルト接着剤とを備える手袋であって、上記アウター手袋が、繊維製の糸を編成した基材、及びこの基材の外面に積層され、ゴム又は樹脂を主成分とする被膜層を有し、上記インナー手袋又はアウター手袋の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋とアウター手袋とを接着したことを特徴とする。
当該手袋では、インナー手袋又はアウター手袋の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋とアウター手袋とが接着されている。当該手袋は、上記加圧によりホットメルト接着剤がインナー手袋及びアウター手袋に含浸するので、インナー手袋とアウター手袋とがホットメルト接着剤を介して強固に接着される。一方、上記冷却によりホットメルト接着剤が速やかに固化するので、ホットメルト接着剤のインナー手袋の内面への浸透が抑止される。また、当該手袋は、特許文献2のようにインナー手袋とアウター手袋との接着の際の加熱時にアウター手袋を膨張させる必要がない。このため、接着強度のばらつき及びアウター手袋の手袋形状の変形が抑止できる。従って、当該手袋は、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感が生じ難く、かつ剥離強度に優れる。
上記インナー手袋が編み物であるとよい。編み物は、糸と糸との間の空間面積の割合が比較的大きい。インナー手袋としてこのような空間面積の割合の大きい編み物を用いる場合であっても、インナー手袋とアウター手袋との接着部分を冷却しつつ加圧することによりインナー手袋の内面へのホットメルト接着剤の浸透が抑止できる。従って、インナー手袋を編み物とすることで、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感をさらに抑止できる。
上記インナー手袋がシームレスであるとよい。シームレスの手袋は縫い目がないので、手肌との当たりが少なく、違和感が生じ難い。また、上記インナー手袋をシームレスとすることで、インナー手袋とアウター手袋との接着部分における密着性が向上し、剥離強度が向上する。
上記接着部分を冷却しつつ加圧する際の冷却温度としては、ホットメルト接着剤の軟化点以下が好ましい。このように上記接着部分を冷却しつつ加圧する際の冷却温度を上記範囲内とすることで、より確実にインナー手袋の内面へのホットメルト接着剤の浸透が抑止できる。
上記接着部分を冷却しつつ加圧する際の圧力としては、0.15g/mm以上1.1g/mm以下が好ましい。このように接着部分を冷却しつつ加圧する際の圧力を上記範囲内とすることで、インナー手袋とアウター手袋との接着強度やホットメルト接着剤のインナー手袋の内面への浸透抑止効果を容易かつ確実に向上できる。
上記接着部分を第一指乃至第五指の掌側の指先領域、及び掌と第一指乃至第五指との境界領域の少なくとも1つに有するとよい。このように上記接着部分を上記領域に有することで、手袋の着脱時や物を掴むときにインナー手袋とアウター手袋とがその界面でずれることを抑止できる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、繊維製の糸を編成したインナー手袋と、このインナー手袋の外側を覆うアウター手袋と、重ね合わされる上記インナー手袋及びアウター手袋の一部に介在するホットメルト接着剤とを備える手袋であって、上記ホットメルト接着剤が、インナー手袋に含浸しており、かつインナー手袋の内面まで浸透していないことを特徴とする。
当該手袋は、ホットメルト接着剤がインナー手袋に含浸しているので、インナー手袋とアウター手袋とがホットメルト接着剤を介して強固に接着される。また、当該手袋は、ホットメルト接着剤がインナー手袋の内面まで浸透していない。従って、当該手袋は、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感が生じ難く、かつ剥離強度に優れる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、繊維製の糸を編成したインナー手袋と、このインナー手袋の外側を覆うアウター手袋と、重ね合わされる上記インナー手袋及びアウター手袋の一部に介在するホットメルト接着剤とを備える手袋の製造方法であって、上記アウター手袋が、繊維製の糸を編成した基材、及びこの基材の外面に積層され、ゴム又は樹脂を主成分とする被膜層を有し、上記インナー手袋の外面の接着部分にホットメルト接着剤を塗工する工程、上記塗工工程後のインナー手袋の外側にアウター手袋を被覆する工程、上記被覆工程後に上記ホットメルト接着剤を加熱する工程、及び上記加熱工程後に上記インナー手袋とアウター手袋との接着部分を冷却しつつ加圧する工程を備える。
当該手袋の製造方法は、インナー手袋又はアウター手袋の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧する。このため、当該手袋の製造方法は、上記加圧によりホットメルト接着剤がインナー手袋及びアウター手袋に含浸するので、インナー手袋とアウター手袋とをホットメルト接着剤を介して強固に接着できる。一方、当該手袋の製造方法は、上記冷却によりホットメルト接着剤が速やかに固化するので、ホットメルト接着剤のインナー手袋の内面への浸透を抑止できる。また、当該手袋の製造方法は、特許文献2のようにインナー手袋とアウター手袋との接着の際の加熱時にアウター手袋を膨張させる必要がない。このため、インナー手袋とアウター手袋との接着強度のばらつき及びアウター手袋の手袋形状の変形が抑止できる。従って、当該手袋の製造方法は、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感が生じ難く、かつ剥離強度に優れる手袋を製造できる。
ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。「シームレス」とは縫い目がなく、編み目のみで構成する手袋の編成方法である。「軟化点」とは、固体物質の加熱時に物質が軟化して変形し始める温度であり、JIS−K−6863(1994)に準拠して測定される温度を指す。「指先領域」とは、手袋を装着した際の指の第1関節の位置より指先に近い領域を指す。また、「掌と第一指乃至第五指との境界領域の少なくとも1つ」とは、手袋の掌側の第一指乃至第五指の少なくとも1つの指の付け根の近傍を指す。また、「冷却温度」とは、冷却加圧工程において接着部分を加圧するための加圧板の表面温度を指す。また、「含浸」とは、対象物(インナー手袋やアウター手袋)の内部に接着剤等が含まれている状態を指し、「浸透」とは、接着剤等が対象物を通り抜け浸み出しがある状態を指す。
以上説明したように、本発明は、ざらつき等の違和感が少なく、かつ剥離強度に優れる手袋を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る手袋を甲側から見た一部切り欠き斜視図である。 図1の手袋を掌側から見た斜視図である。 図1の手袋の模式的部分断面図である。 (a)実施例1及び(b)比較例1の手袋の断面写真である。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
本実施形態の手袋は、図1及び図2に示すように繊維製の糸を編成したインナー手袋1と、このインナー手袋1の外側を覆うアウター手袋2と、重ね合わされる上記インナー手袋1及びアウター手袋2の一部に介在するホットメルト接着剤3とを備える。当該手袋は、上記インナー手袋1又はアウター手袋2の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤3を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋1とアウター手袋2とが接着されている。また、上記ホットメルト接着剤3は、インナー手袋1に含浸しており、かつインナー手袋1の内面まで浸透していない。
<インナー手袋>
インナー手袋1は、繊維製の糸を手袋状に編成したものである。このインナー手袋1は、使用者の手の甲及び掌を覆うよう袋状に形成された本体部と、使用者の指を覆うよう上記本体部から延設された延設部と、使用者の手首を覆うよう本体部から延設部とは反対方向に延設された筒状の裾部とを有する。上記延設部は、使用者の第一指(親指)、第二指(人差指)、第三指(中指)、第四指(薬指)及び第五指(小指)をそれぞれ覆う第一指部、第二指部、第三指部、第四指部及び第五指部を有している。この第一指部から第五指部は、指先部が閉塞された筒状に形成されている。また、上記裾部は、使用者が手を挿入可能な開口部を有している。
上記インナー手袋1を構成する繊維としては、綿、麻等の天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、超高強度ポリエチレン繊維等の合成繊維、ステンレス等の金属繊維、グラスファイバー等の無機繊維、導電性繊維などが挙げられる。これらの繊維は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。例えば2種を混合して用いる繊維としては、ステンレス繊維をナイロン等でカバーリングした複合糸を挙げることができる。上記繊維は保温性、断熱性、耐切創性、保湿性、クッション性等の機能に応じて選択される。例えば耐切創性を得るためには、金属繊維が選択できる。また、上位繊維からなる糸としては、特に限定されず、紡績糸や捲縮加工されたフィラメント糸、ループヤーンやモールヤーン等の意匠糸、ストレート糸などを利用できる。
上記インナー手袋1は、上記繊維からなる糸を編成した編み物である。編み物は、糸と糸との間の空間面積の割合が比較的大きい。インナー手袋1としてこのような空間面積の割合の大きい編み物を用いる場合であっても当該手袋はインナー手袋1の内面へのホットメルト接着剤3の浸透が抑止される。従って、インナー手袋1を編み物とすることで、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感をさらに抑止できる。
上記インナー手袋1がシームレスであるとよい。シームレスの手袋は縫い目がないので、手肌との当たりが少なく、違和感が生じ難い。また、上記インナー手袋1をシームレスとすることで、インナー手袋1とアウター手袋2との接着部分における密着性が向上し、剥離強度が向上する。
上記インナー手袋1の編みゲージ数は、適度な強度と柔軟性とを有するインナー手袋1が得られれば特に限定されない。例えば154dtex以上1430dtex以下のナイロンの捲縮加工糸、40綿番手から5綿番手相当の綿糸等を用いてシームレス編機でインナー手袋1を編成する場合であれば、上記編みゲージ数としては7ゲージ以上18ゲージ以下が望ましい。なお、「編みゲージ数」とは、1インチあたりに収容される編針の数を意味する。
上記インナー手袋1の平均厚みの下限としては、0.3mmが好ましく、0.4mmがより好ましい。一方、上記インナー手袋1の平均厚みの上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。上記インナー手袋1の平均厚みが上記下限未満の場合、手袋自体が強度に欠けるため、当該手袋の耐久性が低下するおそれがある。逆に、上記インナー手袋1の平均厚みが上記上限を超える場合、当該手袋の厚みが大きくなることで柔軟性が低下するため、装着時における作業性が低下するおそれがある。ここで、インナー手袋1の平均厚みとは、定圧厚さ測定器(例えば株式会社テクロックの「PG−15」、測定子径10mm、加圧荷重(測定力)240gf)を用いて、手袋の掌領域中央部の45×45mmの部位を指定し、これを縦3列、横3段の均等なマス目となるように目印を付け、このマス目9箇所を測定した値の平均値である。
<アウター手袋>
アウター手袋2は、繊維製の糸を手袋状に編成した基材2aと、この基材2aの外面を被覆し、ゴム又は樹脂を主成分とする被膜層2bとを有する。上記基材2aの内面がアウター手袋2の内面を構成し、その一部がホットメルト接着剤3によりインナー手袋1に接着されている。
上記基材2aは、インナー手袋1と同様の形状をしており、インナー手袋1の外側を覆うことができる。上記基材2aを構成する繊維としては、インナー手袋1を構成する繊維と同様のものを用いることができ、上記被膜層2bの形成に適したものを適宜選択するとよい。また、上記基材2aの編みゲージ数及び平均厚みは、インナー手袋1の編みゲージ数及び平均厚みと同様とできる。
上記被膜層2bは、ゴム又は樹脂を主成分とする。上記ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロヒドリンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、これらを混合したもの等が挙げられる。これらの中でも、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましく、天然ゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムが経済面、加工面、弾性、耐久性、耐候性等の点で特に好ましい。また、上記樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらを混合したもの等が挙げられる。これらの中でもポリ塩化ビニル及びポリウレタンが好ましく、加工面でポリ塩化ビニルが特に好ましい。
上記被膜層2bは、基材2aの内面まで含浸していないことが好ましい。このように上記被膜層2bが基材2aの内面まで含浸していないことで、ホットメルト接着剤3が基材2aに含浸し易くなるため、インナー手袋1とアウター手袋2との接着強度が向上する。
上記被膜層2bの平均厚みの下限としては、50μmが好ましく、80μmがより好ましい。一方、上記被膜層2bの平均厚みの上限としては、2mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。上記被膜層2bの平均厚みが上記下限未満である場合、被膜層2bの強度が不足するおそれがある。逆に、上記被膜層2bの平均厚みが上記上限を超える場合、手袋の柔軟性が不十分となるおそれがある。ここで、被膜層2bの平均厚みとは、手袋の掌領域の中央部において、指の長さ方向に対して略45度の角度で20mmの切れ目を入れ、この切れ目の断面をデジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス株式会社の「VHX−900」)を用いて観察し、被膜層2bの最内面から被膜層2bの外面までの距離について、2mmごとに10箇所測定した値の平均値である。
なお、上記インナー手袋1及び上記アウター手袋2の基材2aには、例えば柔軟剤、抗菌剤等の各種添加剤を添加してもよい。また、上記インナー手袋1や上記アウター手袋2の基材2aの繊維そのものにこのような機能を示す薬剤が練り込まれてもよい。さらに、上記アウター手袋2の被膜層2bには、周知の架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料、起泡剤、整泡剤等が添加されてもよい。
<ホットメルト接着剤>
ホットメルト接着剤3は、重ね合わされる上記インナー手袋1及びアウター手袋2の一部に介在し、上記インナー手袋1とアウター手袋2とを接着している。ホットメルト接着剤3の種類としては、特に限定されないが、ポリエチレン−酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム(SBS)、ポリアミド等を挙げることができる。
当該手袋では、インナー手袋1又はアウター手袋2の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤3を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋1とアウター手袋2とが接着されている。このため、図3に示すようにホットメルト接着剤3は、加圧によりインナー手袋1及びアウター手袋2に含浸し、インナー手袋1とアウター手袋2とを強固に接着する。一方、冷却によりホットメルト接着剤3が速やかに固化するので、ホットメルト接着剤3のインナー手袋1の内面への浸透が抑止されている。
ホットメルト接着剤3の軟化点は、被膜層2bの材質の耐熱温度に応じて適宜選択される。具体的には、ホットメルト接着剤3の軟化点の下限としては、70℃が好ましく、75℃がより好ましい。一方、ホットメルト接着剤3の軟化点の上限としては、140℃が好ましく、120℃がより好ましい。ホットメルト接着剤3の軟化点が上記下限未満である場合、手袋輸送時の高温環境下や熱いものを把持した場合等にインナー手袋1とアウター手袋2とが剥離するおそれがある。逆に、ホットメルト接着剤3の軟化点が上記上限を超える場合、アウター手袋2の被膜層2bが熱により変色するおそれがある。
当該手袋は、図1及び図2に示すように上記接着部分を第一指乃至第五指の掌側の指先領域、掌と第一指乃至第五指との境界領域、及び手の甲側中央領域に有する。これらの領域は、手袋を脱着する際にインナー手袋1とアウター手袋2との位置ずれが発生し易い。このため、これらの領域を接着することで上記位置ずれを効果的に抑制することができる。中でも掌と第一指乃至第五指との境界領域に含まれる指の付け根部分に接着部分を有すると、上記位置ずれの防止に特に効果的である。
また、当該手袋は、接着部分を掌側中央領域、及び指先領域と境界領域との間(以下、指の関節領域ともいう)に有さない。掌側中央領域は、指の第3関節により特に大きく屈曲する領域であり、複雑な動きをする。また、第1関節及び第2関節が位置する指の関節領域も複雑に折れ曲がる領域である。このように複雑な動きをする領域では、インナー手袋1とアウター手袋2とに異なる方向や強さの応力がかかり易い。当該手袋は上記接着部分を掌側中央領域及び指の関節領域に有さないことで、インナー手袋1とアウター手袋2との相対位置がずれることにより上記応力の違いを吸収することができる。従って、上記応力の違いにより手袋が曲げ難くなることを抑止でき、当該手袋の柔軟性が向上する。
<手袋の製造方法>
当該手袋の製造方法は、インナー手袋1の外面の接着部分にホットメルト接着剤3を塗工する工程、上記塗工工程後のインナー手袋1の外側にアウター手袋2を被覆する工程、上記被覆工程後に上記ホットメルト接着剤3を加熱する工程、上記加熱工程後に上記インナー手袋1とアウター手袋2との接着部分を冷却しつつ加圧する工程、及びインナー手袋1とアウター手袋2との裾部を縫い合わせる工程を備える。
(塗工工程)
塗工工程では、インナー手袋1を平型に被せ、インナー手袋1の外面の接着部分にホットメルト接着剤3を塗工し、固化させる。上記接着部分の配設場所としては、上述したように第一指乃至第五指の掌側の指先領域、掌と第一指乃至第五指との境界領域、及び手の甲側中央領域である。
ホットメルト接着剤3の塗工方法としては特に限定されないが、例えば点状や線状に塗工する少量吐出法や広い面積を塗工するスプレー法を用いることができる。当該手袋のように接着部分を有する領域が一部である場合には、特定の場所に塗工し易い少量吐出法が好ましい。
当該手袋のように接着部分がインナー手袋1及びアウター手袋2の一部である場合、ホットメルト接着剤3の塗工量の下限としては、0.05mg/mmが好ましく、0.1mg/mmがより好ましい。一方、ホットメルト接着剤3の塗工量の上限としては、0.25mg/mmが好ましく、0.2mg/mmがより好ましい。ホットメルト接着剤3の塗工量が上記下限未満である場合、インナー手袋1とアウター手袋2との接着強度が不足するおそれがある。逆に、ホットメルト接着剤3の塗工量が上記上限を超える場合、当該手袋の柔軟性が低下するおそれがある。
(被覆工程)
被覆工程では、上記塗工工程後のインナー手袋1にアウター手袋2を被せる。
(加熱工程)
加熱工程では、上記被覆工程後の手袋を加熱し、ホットメルト接着剤3を流動化させる。このようにアウター手袋2を被せた後に手袋を加熱することで、塗工工程においてホットメルト接着剤3の塗工量にムラが発生することや塗工した接着部分以外にホットメルト接着剤3が付着することを抑止できる。
加熱方法としては、特に限定されず、熱、マイクロ波、高周波等の公知の加熱方法を用いることができる。また、加熱はアウター手袋2の外側から行うとよい。このように加熱をアウター手袋2の外側から行うことで冷却加圧時間を短縮できる。
上記加熱温度としては、ホットメルト接着剤3の軟化点より20℃以上100℃以下高い温度が好ましい。具体的には、上記加熱温度の下限としては、ホットメルト接着剤3が流動化する温度であればよく、90℃が好ましく、100℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、180℃が好ましく、160℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満である場合、冷却加圧工程においてホットメルト接着剤3が十分にインナー手袋1やアウター手袋2に含浸する前に硬化し易くなるため、インナー手袋1とアウター手袋2との接着強度が不足するおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超える場合、アウター手袋2の被膜層2bが熱により変色するおそれがある。
上記加熱時間としては、ホットメルト接着剤3が十分に流動化する時間であればよく、例えば3秒以上10分以下とできる。
また、加熱工程では、加圧を行わず加熱するとよい。加熱時に加圧を行うと、その加圧によりホットメルト接着剤3がインナー手袋1の内面方向に移動しやすくなるため、インナー手袋1とアウター手袋2との間に介在するホットメルト接着剤量が減少し、剥離強度が低下するおそれがある。また、流動化したホットメルト接着剤3がインナー手袋1の内面にまで浸透し易くなるため、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感が生じ易くなるおそれがある。
(冷却加圧工程)
冷却加圧工程では、上記加熱工程後に上記インナー手袋1とアウター手袋2との接着部分を冷却しつつ加圧することで、上記インナー手袋1とアウター手袋2とを接着する。
上記接着部分を冷却しつつ加圧する際の冷却温度の下限としては、4℃が好ましく、5℃がより好ましい。一方、上記冷却温度の上限としては、上記ホットメルト接着剤3の軟化点が好ましく、35℃がより好ましく、30℃がさらに好ましい。上記冷却温度が上記下限未満である場合、接着部分を加圧するための加圧板に結露が生じる場合があるため、その結露水の付着により当該手袋にカビが発生するおそれがある。逆に、上記冷却温度が上記上限を超える場合、インナー手袋1とアウター手袋2とを接着する際の硬化時間が長くなるため、ホットメルト接着剤3のインナー手袋1の内面への浸透が十分に抑止できないおそれがある。
上記接着部分を冷却しつつ加圧する際の圧力の下限としては、0.15g/mmが好ましく、0.2g/mmがより好ましい。一方、上記圧力の上限としては、1.1g/mmが好ましく、0.8g/mmがより好ましい。上記圧力が上記下限未満である場合、ホットメルト接着剤3がインナー手袋1に十分に含浸しないため、インナー手袋1とアウター手袋2との接着強度が不足するおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超える場合、ホットメルト接着剤3のインナー手袋1の内面への浸透が十分に抑止できないおそれがある。これに対して、上記圧力を上記範囲内とすることにより、インナー手袋1とアウター手袋2との接着強度やホットメルト接着剤3のインナー手袋1の内面への浸透を容易かつ確実に制御できる。
冷却加圧時間は、冷却温度等を考慮して適宜選択される。上記冷却加圧時間の下限としては、例えば冷却温度が30℃の場合60秒、冷却温度が20℃の場合30秒、冷却温度が10℃の場合15秒等とできる。一方、上記冷却加圧時間の上限としては、例えば5分とできる。上記冷却加圧時間が上記下限未満である場合、ホットメルト接着剤3が十分に硬化しないおそれがある。逆に、上記冷却加圧時間が上記上限を超える場合、冷却加圧時間が不要に大きくなるため、当該手袋の生産性が低下するおそれがある。
(縫い合わせ工程)
縫い合わせ工程では、冷却加圧工程後の手袋を平型から離型し、インナー手袋1とアウター手袋2とを裾部を縫い合わせることで一体化させる。このようにして当該手袋を製造することができる。
<利点>
当該手袋では、インナー手袋1又はアウター手袋2の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤3を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋1とアウター手袋2とが接着されている。当該手袋は、上記加圧によりホットメルト接着剤3がインナー手袋1及びアウター手袋2に含浸するので、インナー手袋1とアウター手袋2とがホットメルト接着剤3を介して強固に接着される。一方、上記冷却によりホットメルト接着剤3が速やかに固化するので、ホットメルト接着剤3のインナー手袋1の内面への浸透が抑止される。また、当該手袋は、特許文献2のようにインナー手袋1とアウター手袋2との接着の際の加熱時にアウター手袋2を膨張させる必要がない。このため、接着強度のばらつき及びアウター手袋2の手袋形状の変形が抑止できる。従って、当該手袋は、使用者が手袋を装着した際のざらつき等の違和感が生じ難く、かつ剥離強度に優れる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、当該手袋のインナー手袋が編み物を用いる場合を説明したが、織布又は不織布を手袋の形に切り抜き、縫製して形成した手袋を用いてもよい。
上記実施形態では、接着部分を第一指乃至第五指の掌側の指先領域、掌と第一指乃至第五指との境界領域、及び手の甲側中央領域に有する手袋を説明したが、当該手袋は接着部分を他の領域に有してもよい。また、掌と指との境界領域の全てに接着部分を設けることは必須ではなく、上記境界領域のうち例えば掌と第三指との境界領域のみが接着されていてもよい。さらに、上記実施形態では、接着部分を掌側中央領域、及び指の関節領域に有さない手袋を説明したが、これらの領域にも接着部分を有する手袋、例えば手袋全体に接着剤を塗工する手袋も本発明の意図するところである。
手袋全体に接着剤を塗工する場合、その塗工方法としては、スプレー法が好ましい。スプレー法は、接着部分の面積が容易に広くできるため手袋全体の塗工に好適である。また、スプレー法は少量吐出法に比べ、ホットメルト接着剤を網目状に薄く塗工することができるため、手袋の柔軟性や通気性を確保し易い。
手袋全体に接着剤を塗工する場合のホットメルト接着剤の塗工量の下限としては、0.02mg/mmが好ましく、0.05mg/mmがより好ましい。一方、ホットメルト接着剤の塗工量の上限としては、0.15mg/mmが好ましく、0.1mg/mmがより好ましい。ホットメルト接着剤の塗工量が上記下限未満である場合、インナー手袋とアウター手袋との接着強度が不足するおそれがある。逆に、ホットメルト接着剤の塗工量が上記上限を超える場合、当該手袋の柔軟性が低下するおそれがある。
上記実施形態では、当該手袋の製造方法として縫い合わせ工程を備える場合を説明したが、この工程は必須の工程ではない。例えばインナー手袋とアウター手袋との裾部に塗工工程においてホットメルト接着剤を塗工し、加熱工程及び冷却加圧工程を経てホットメルト接着剤によりインナー手袋とアウター手袋とを一体化させてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(アウター手袋の作成)
ウーリーナイロン双糸(1本当たりのフィラメント数24、太さ77dtexを2本)を2本使用した合計太さ308dtexの糸を編成して、アウター手袋の基材として編みゲージ数が13ゲージ、平均厚みが0.67mmのシームレス手袋を作成した。このシームレス手袋を金属手型に被せ、メタノール100質量部に対して硝酸カルシウム0.7質量部を溶解した凝固剤へ浸漬し、引き上げた。次に、引き上げたシームレス手袋を表1の配合に示すコンパウンドへ浸漬した。なお、上記コンパウンドはNBRラテックスの固形分濃度が約40%となるように調製したものを用いた。上記コンパウンドへ浸漬したシームレス手袋を引き上げ後、温度75℃で60分間、それに続いて温度130℃で30分間のキュアを実施した。このようにしてシームレス手袋の外面にゴムを主成分とする被膜層を形成した。最後に、この被膜層を形成したシームレス手袋の水洗を行い、温度75℃で60分間乾燥させ、アウター手袋を得た。
(インナー手袋の作成)
ループヤーン1/11(芯糸はウーリーナイロン110dtex、押え糸はウーリーナイロン77dtex、浮糸はアクリル)を編成して、編みゲージ数が10ゲージ、平均厚みが1.1mmのシームレス手袋を作成し、インナー手袋を得た。
[実施例1]
まず、インナー手袋を金属平型に被せ、掌側の指先領域、掌と第一指乃至第五指との境界領域の一部である掌側の指の付け根部分、及び手の甲側中央領域にホットメルトガンを用いて、ホットメルト接着剤(太洋電気産業株式会社のホットスティックHB−200S−1K、EVA、軟化点80℃)を塗工量0.13mg/mmで少量吐出法で塗工した。この塗工したホットメルト接着剤が固化した後、インナー手袋にアウター手袋を被せた。次に、加圧を行わずに温度150℃で4.5分間ホットメルト接着剤を加熱し、流動化させた。さらに、ホットメルト接着剤が介在するインナー手袋とアウター手袋との接着部分を表面温度5℃の鉄板に押し付け冷却しながら、アウター手袋の外面から圧力0.53g/mmで3分間加圧した後、手袋を離型した。最後に、インナー手袋とアウター手袋との裾をカバーリングで一体化して、実施例1の手袋を得た。
[実施例2、3]
冷却加圧時の圧力をそれぞれ0.26g/mm、1.06g/mmとした以外は、実施例1と同様にして実施例2及び実施例3の手袋を得た。
[実施例4]
ホットメルト接着剤の塗工量を0.18mg/mmとしたこと、及びホットメルト接着剤の加熱を0.26g/mmの圧力で加圧して行ったこと以外は実施例1と同様にして実施例4の手袋を得た。
[比較例1]
まず、インナー手袋を金属平型に被せ、掌側の指先領域、掌と第一指乃至第五指との境界領域の一部である掌側の指の付け根部分、及び手の甲側中央領域にホットメルトガンを用いて、ホットメルト接着剤(太洋電気産業株式会社のホットスティックHB−200S−1K、EVA、軟化点80℃)を塗工量0.13mg/mmで少量吐出法で塗工した。この塗工したホットメルト接着剤が固化した後、インナー手袋にアウター手袋を被せた。次に、圧力0.53g/mmで加圧しながら温度150℃で4.5分間ホットメルト接着剤を加熱し、流動化させた。さらに、加圧することなく室温25℃で自然冷却を3分間行った後、手袋を離型した。最後に、インナー手袋とアウター手袋との裾をカバーリングで一体化して、比較例1の手袋を得た。
[比較例2、3]
ホットメルト接着剤の加熱時の圧力をそれぞれ0.26g/mm、1.06g/mmとした以外は、比較例1と同様にして比較例2及び比較例3の手袋を得た。
[評価]
上記実施例1〜4及び比較例1〜3について、剥離強度及び手袋の違和感を評価した。この結果を表2に示す。また、実施例1及び比較例1について、断面観察及び手袋内面の滑らかさを評価した。この結果を図4及び表2に示す。
<剥離強度>
手袋の人差指、中指及び薬指から指先領域の接着部分を含む25mm×60mmの大きさの試験片を切り取った。この試験片を用いて、引張速度50mm/分、走行距離100mmで剥離強度試験を行い、接着部分の凸点平均試験力を剥離強度とした。なお、剥離強度が15N以上である場合、剥離強度に優れると判断できる。ここで「凸点平均試験力」とは、試験力のデータ処理範囲内における全凸点の試験力を平均した値である。
<違和感>
被験者10人にそれぞれ10枚の手袋を装着してもらい、手袋の内面にホットメルト接着剤の飛び出しによるざらつき等の違和感があるか否かについて下記の3段階で評価し、評価結果を平均した。この評価がAに近いほど、手袋の違和感が少ないことが分かる。
(違和感の評価基準)
A:違和感を感じるものがない。
B:違和感を感じるものが5枚未満であり、非常に不快なものはない。
C:違和感を感じるものが5枚以上あるか、非常に不快なものがある。
<断面観察>
手袋の指先領域の接着部分の断面をキーエンス株式会社のデジタルマイクロスコープ「VHX−900」を用いて観察した。この観察によりホットメルト接着剤が手袋の内面にまで浸透しているか否かが判断できる。
<滑らかさ>
手袋の人差指、中指及び薬指から指先領域の接着部分を含む25mm×60mmの大きさの試験片を切り取った。この試験片をカトーテック株式会社の摩擦感テスター「KES−SE−STP」を用いて、平均摩擦係数の平均偏差(MMD)を測定した。このMMDが小さいほど手袋の内面が滑らかであり、ざらつき感が少ないと判断できる。
なお、表2において圧力欄の「−」は加圧を行っていないことを意味する。また、MMD欄の「−」は未測定であることを意味する。
表2の結果より、実施例1〜4の手袋は、比較例1〜3の手袋より剥離強度が大きく、かつ違和感の評価においても良好である。また、実施例1の手袋は、比較例1の手袋よりMMDが優れ、ざらつき感が少ない。このことから、インナー手袋の接着部分に塗布されたホットメルト接着剤を加熱した後、上記接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋とアウター手袋とを接着することで、違和感が少なく、かつ剥離強度に優れる手袋が得られることが分かる。
また、図4(a)の実施例1の手袋の断面写真を見ると、インナー手袋1の内面側にインナー手袋1の他の部分より白色度の高い領域Aが存在している。この領域Aは、接着剤が浸透していない部分であり、他の領域は接着剤が浸透している領域である。つまり、実施例1の手袋は、ホットメルト接着剤がインナー手袋に含浸しているが、その内面まで浸透していない。これに対し、図4(b)の比較例1の手袋の断面写真を見ると、インナー手袋1の内面側に上述のような白色度の高い領域は存在しない。つまり、比較例1の手袋は、ホットメルト接着剤がインナー手袋の内部に留まることなく、インナー手袋の内面にまで浸透している。このことから、接着部分を冷却しつつ加圧することにより上記インナー手袋とアウター手袋とを接着することで、インナー手袋の内面へのホットメルト接着剤の浸透が抑止できていることが分かる。なお、図4(a)及び(b)において、被覆層2bの上側及びインナー手袋1の下側の黒い部分は、背景であり、手袋の部位ではない。
さらに詳しく見ると、実施例1〜3の比較から、接着部分を冷却しつつ加圧する際の圧力がそれぞれ0.53g/mm、0.26g/mmである実施例1及び実施例2は、上記圧力が1.06g/mmである実施例3よりも剥離強度に優れる。このことから、接着部分を冷却しつつ加圧する際の圧力としては、0.2g/mm以上1g/mm以下がより好ましいことが分かる。
また、実施例1と実施例4とを比べると、ホットメルト接着剤の加熱時に加圧していない実施例1の方が、加圧した実施例4に比べて剥離強度に優れる。このことから、ホットメルト接着剤の加熱時に加圧を行わないことが好ましいと分かる。
以上のように、本発明の手袋は、ざらつき等の違和感が少なく、かつ剥離強度に優れる。従って、例えば土木建設や寒冷地域等での作業において使用される手袋として好適に用いることができる。
1 インナー手袋
2 アウター手袋
2a 基材
2b 被膜層
3 ホットメルト接着剤

Claims (1)

  1. 繊維製の糸を編成したインナー手袋と、このインナー手袋の外側を覆うアウター手袋と、重ね合わされる上記インナー手袋及びアウター手袋の一部に介在するホットメルト接着剤とを備える手袋の製造方法であって、
    上記アウター手袋が、繊維製の糸を編成した基材、及びこの基材の外面に積層され、ゴム又は樹脂を主成分とする被膜層を有し、
    上記インナー手袋の外面の接着部分にホットメルト接着剤を塗工する工程、
    上記塗工工程後のインナー手袋の外側にアウター手袋を被覆する工程、
    上記被覆工程後に上記ホットメルト接着剤を加熱する工程、及び
    上記加熱工程後に上記インナー手袋とアウター手袋との接着部分を加圧するための加圧板の表面を4℃以上かつ上記ホットメルト接着剤の軟化点以下の温度冷却しつつ、上記接着部分を0.15g/mm以上1.1g/mm以下の圧力でホットメルト接着剤がインナー手袋及びアウター手袋に含浸するように加圧する工程を備える手袋の製造方法。
JP2015075124A 2015-04-01 2015-04-01 手袋の製造方法 Active JP6599119B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015075124A JP6599119B2 (ja) 2015-04-01 2015-04-01 手袋の製造方法
EP16162895.3A EP3075275B1 (en) 2015-04-01 2016-03-30 Glove and manufacturing method of a glove
US15/084,941 US10010124B2 (en) 2015-04-01 2016-03-30 Glove and manufacturing method of glove
DK16162895.3T DK3075275T3 (en) 2015-04-01 2016-03-30 GLOVE AND PROCEDURE FOR MANUFACTURING A GLOVE

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015075124A JP6599119B2 (ja) 2015-04-01 2015-04-01 手袋の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016194174A JP2016194174A (ja) 2016-11-17
JP6599119B2 true JP6599119B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=55650258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015075124A Active JP6599119B2 (ja) 2015-04-01 2015-04-01 手袋の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10010124B2 (ja)
EP (1) EP3075275B1 (ja)
JP (1) JP6599119B2 (ja)
DK (1) DK3075275T3 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10260178B2 (en) * 2012-03-01 2019-04-16 Showa Glove Co. Method for manufacturing glove, method for manufacturing coated glove, glove, and coated glove
US10271596B2 (en) * 2014-11-11 2019-04-30 Glubbers Llc Cold weather gloves and mittens
US11229248B2 (en) * 2015-12-02 2022-01-25 Showa Glove Co. Supporting glove and method for manufacturing the supporting glove
CN109105985A (zh) * 2018-09-23 2019-01-01 南通嘉得利安全用品有限公司 一种隔热手套
SE544620C2 (en) * 2021-02-01 2022-09-27 Granqvist Sportartiklar Ab Flame retardant multilayer protective glove comprising a palm part arranged with aramide fibers
JP7129735B1 (ja) * 2022-02-01 2022-09-02 ショーワグローブ株式会社 サポート型手袋の製造方法

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0226890Y2 (ja) * 1985-07-03 1990-07-20
US4918754A (en) 1988-05-04 1990-04-24 William C. Heller, Jr. Flocked glove and plastic sleeve member bonded thereto
JPH06257005A (ja) * 1993-02-26 1994-09-13 Toshiichi Osako 三重の層からなる防寒用手袋
JPH10130921A (ja) * 1996-10-28 1998-05-19 Sugita:Kk 滑り止め付手袋の製造方法
DE29819644U1 (de) 1998-11-03 2000-03-09 Rex Gummitechnik Gmbh Chemikalienschutzhandschuh mit Baumwollinnenfutter
JP3782268B2 (ja) * 1999-11-01 2006-06-07 ダイヤゴム株式会社 作業用手袋の製造方法
DE10004355A1 (de) * 2000-02-02 2001-08-23 Gore W L & Ass Gmbh Handschuh
US7162748B2 (en) * 2000-02-02 2007-01-16 Martin Hottner Handcovering
JP2005068577A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Suminoe Textile Co Ltd 車輛天井材用布帛
US7803438B2 (en) * 2004-09-30 2010-09-28 Ansell Healthcare Products Llc Polymeric shell adherently supported by a liner and a method of manufacture
US20060129079A1 (en) * 2004-12-09 2006-06-15 Outred Kevin W Therapeutic device
US7378043B2 (en) * 2005-01-12 2008-05-27 Ansell Healthcare Products Llc Latex gloves and articles with geometrically defined surface texture providing enhanced grip and method for in-line processing thereof
JP2008248439A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Atom Kk 作業用手袋とその製造方法
WO2009118922A1 (ja) * 2008-03-25 2009-10-01 小松精練株式会社 手袋の製造方法および製造装置
US20100011484A1 (en) * 2008-07-15 2010-01-21 Cole Williams Knit fabric gloves and other knit articles with improved grip/protective surfaces
US8695120B2 (en) * 2008-08-12 2014-04-15 Arc' Teryx Equipment Inc. Glove
US9526282B2 (en) * 2008-08-12 2016-12-27 Arc'teryx Equipment Inc. Glove
JP5324162B2 (ja) * 2008-08-21 2013-10-23 小松精練株式会社 手袋の製造装置および製造方法
KR100903046B1 (ko) * 2008-12-22 2009-06-18 이명철 방수용 장갑 및 그 제조방법
US8528117B2 (en) * 2010-04-29 2013-09-10 The Echo Design Group, Inc. Gloves for touchscreen use
EP2644044A4 (en) * 2010-11-25 2014-09-17 Showa Glove Co ANTI-SLIP GLOVE AND METHOD FOR PRODUCING ANTI-SLIP GLOVE
US20120317693A1 (en) * 2011-06-17 2012-12-20 Shari Hatz Heat resistant glove with therapeutic relief/support
EP2614733B1 (en) * 2012-01-16 2018-11-14 SHOWA GLOVE Co. Glove
WO2014167288A1 (en) * 2013-04-10 2014-10-16 Sealskinz Limited Breathable waterproof garment
US20160029721A1 (en) * 2014-08-04 2016-02-04 Group Industry, Llc Concealed impact glove

Also Published As

Publication number Publication date
DK3075275T3 (en) 2018-12-10
JP2016194174A (ja) 2016-11-17
US20160286874A1 (en) 2016-10-06
EP3075275A1 (en) 2016-10-05
US10010124B2 (en) 2018-07-03
EP3075275B1 (en) 2018-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6599119B2 (ja) 手袋の製造方法
US8656518B2 (en) Chemical resistant glove having cut resistant properties
WO2015008545A1 (ja) 手袋
JP7457378B2 (ja) サポート型手袋および該サポート型手袋の製造方法
JP6018919B2 (ja) 滑止加工手袋および滑止加工手袋の製造方法
US20100037364A1 (en) Cut resistant damage tolerant chemical and liquid protective glove with enhanced wet and dry grip
JPH1072785A (ja) 保護材料及びその物品の製法
WO2007102989A2 (en) Lightweight thin flexible polymer coated glove and a method therefor
US20130074242A1 (en) Glove having crush-resistant fingertips
JP6697311B2 (ja) 手袋
EP2614733A2 (en) Glove
CN105848507B (zh) 防滑手套
WO2018142713A1 (ja) 手袋
JP2000096322A (ja) 背抜き手袋およびその製造方法
JP2013067879A (ja) 手袋及び手袋の製造方法
JP2022542152A (ja) 薄いハイカットシームレス手袋
US11723427B1 (en) Method for producing supporting glove
JP2023081104A (ja) 手袋及び手袋の製造方法
TWM323212U (en) Improved structure of strengthened working glove
WO2020080226A1 (ja) 手袋
JPH108311A (ja) 接着芯地
JP2022176103A (ja) 滑止手袋
JP2019181902A (ja) 導電層付繊維シートおよび電子デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6599119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250