JP6697311B2 - 手袋 - Google Patents

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Description

本発明は、手袋に関する。
土木や建設等の作業において使用される手袋として、外側に高強度の防護部(耐衝撃パッド)を付設した手袋が公知である(特開2005−325456号公報参照)。
上記公報に開示される手袋では、樹脂等から形成される防護部を手袋本体の伸縮性繊維材に接着することで固定している。しかし、このように伸縮性繊維に防護部を接着した手袋では、手袋本体の伸縮に伴って防護部の接着が剥がれ、防護部のずれや脱落が生じるおそれがある。
特開2005−325456号公報
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性に優れ、かつ耐衝撃パッドのずれや脱落が防止できる手袋を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、伸縮性を有する繊維製の手袋本体と、この手袋本体の外面の少なくとも指部及び掌部に被着され、合成樹脂又はゴムを主成分とするコーティング層と、上記手袋本体の背側のコーティング層の外面側のうち少なくとも一部に付設され、合成樹脂を主成分とする1又は複数の耐衝撃パッドとを備える手袋であって、上記耐衝撃パッドが上記手袋本体に縫合されていることを特徴とする。
当該手袋では、コーティング層の外面側に耐衝撃パッドが手袋本体に縫合により付設されているため、耐衝撃パッドの手袋本体への固定力を維持しつつ、耐衝撃パッドとコーティング層間の空間により衝撃の吸収性を高められる。加えて、耐衝撃パッドがコーティング層を介して手袋本体に縫合されることで、手袋本体が伸縮した際に手袋本体の編目や織目の開きに起因する縫合糸の移動が抑制され、結果として耐衝撃パッドのずれが防止される。また、耐衝撃パッドに大きな衝撃が加わった際に、コーティング層がクッション材として働き、手袋本体の破断等も防止される。これらの結果、当該手袋は、耐衝撃性に優れると共に、耐衝撃パッドのずれや脱落が防止できる。また、当該手袋では、コーティング層の表面に耐衝撃パッドが配置されるため、コーティング層が剥離し難い。
上記手袋本体がシームレスであるとよい。このようにシームレスの手袋本体にコーティング層を被覆することで、手袋本体の縫製によりコーティング層等に欠損が生じることが防止される。
上記耐衝撃パッドが指部に付設されているとよい。手の部位では特に指が作業中に衝撃を受ける可能性が高いため、耐衝撃パッドを指部に設けることで、作業用手袋としての機能を高められる。
上記耐衝撃パッドの裏面及びコーティング層の外面が平滑であるとよい。このように当接する耐衝撃パッドの裏面及びコーティング層の外面がそれぞれ平滑であることで、これらの部材が密に隙間なく当接し易くなる部分が形成されるため、防水性や耐油性等を向上できる。
上記耐衝撃パッドとコーティング層との間に充填される樹脂層をさらに備えてもよい。このように耐衝撃パッドとコーティング層との間に樹脂層を充填することで、これらの部材間の隙間を埋めて防水性や耐油性等を向上できる。
上記耐衝撃パッドが可塑剤及び顔料をさらに含有するとよく、上記可塑剤の主成分の合成樹脂に対する含有量としては70質量%以上が好ましい。このように耐衝撃パッドが一定量の可塑剤と顔料とを含有することで、耐衝撃パッドを成形し易くすると共に、耐衝撃パッドの屈曲柔軟性が向上する。さらに、着色による耐衝撃パッドの視認性、ひいては安全性を向上することができる。
上記耐衝撃パッドが、上記コーティング層に重畳されるベース層と、このベース層の外面に突設される凸部とを備えるとよい。このように耐衝撃パッドがベース層と凸部とを備えることで、成形及び縫合のし易さ、耐衝撃性等を向上することができる。
上記耐衝撃パッドのうち指部の背側に付設される耐衝撃パッドの上記凸部が、指の長手方向に沿った複数の谷部及び上記長手方向と垂直な多数の谷部で区分される複数のブロックから構成されるとよい。上記凸部をこのような構成とすることで、意匠性を高めつつ、耐衝撃性をさらに向上することができる。
ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
以上説明したように、本発明は、耐衝撃性に優れ、かつ耐衝撃パッドのずれや脱落が防止できる手袋を提供することができる。
本発明の一実施形態の手袋を甲側から見た模式図である。 図1の手袋の指部に付設される耐衝撃パッドを拡大した模式図である。 図2の耐衝撃パッドのA−Aでの模式的断面図である。 図1とは異なる実施形態の手袋を甲側から見た模式図である。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
[第1実施形態]
図1の当該手袋10は、伸縮性を有する繊維製の手袋本体1と、この手袋本体1の外面の少なくとも指部及び掌部に被着されるコーティング層2と、上記手袋本体1の背側のコーティング層2の外面側のうち指部に付設される複数の耐衝撃パッド3とを備える。
<手袋本体>
手袋本体1は、繊維製の糸を手袋状に編んだもの又は織ったものであり、伸縮性を有する。手袋本体1としてはシームレスに編んだものが好ましい。耐衝撃パッドをあらかじめ配設したコーティング生地を縫製して手袋状に形成すると、手袋状に形成するための縫製が必要である。つまり、手袋本体1がシームレスでない場合、2枚以上の生地を縫い合わせて手袋本体を作る。例えば、耐衝撃パッドの取り付け易さのため、生地単体又は樹脂コーティングした生地に耐衝撃パッドを縫いつけた後、手袋形状に縫い合わせることが考えられる。この場合、手袋側面や、側面より掌側に縫い目が来るのが通常であり、この縫い目によって、使用時に水圧のかかりやすい手袋の側面や掌面等のコーティング生地に孔が開いて防水性が損なわれるおそれがある。これに対し、手袋本体1をシームレスとし、手袋本体1にコーティング層2を被覆することで、手袋状に形成するための縫製によりコーティング層に欠損が生じることが防止される。
手袋本体1は、使用者の手の甲及び掌を覆うよう袋状に形成された本体部と、使用者の指を覆うよう上記本体部から延設された指部と、使用者の手首を覆うよう本体部から指部とは反対方向に延設された筒状の裾部とを有する。上記本体部は、掌部及び甲部を有し、上記指部は、使用者の第一指(親指)、第二指(人差指)、第三指(中指)、第四指(薬指)及び第五指(小指)をそれぞれ覆う第一指部、第二指部、第三指部、第四指部及び第五指部を有する。この第一指部から第五指部は、指先が閉塞された筒状に形成される。また、上記裾部は、使用者が手を挿入可能な開口を有する。
手袋本体1を構成する繊維としては、綿、麻等の天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、超高強度ポリエチレン繊維等の合成繊維、ステンレス等の金属繊維、グラスファイバー等の無機繊維、導電性繊維などが挙げられる。これらの繊維は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。例えば2種を混合して用いる繊維としては、ステンレス繊維をナイロン等でカバーリングした複合糸を挙げることができる。上記繊維は保温性、断熱性、耐切創性、保湿性、クッション性等の機能に応じて選択される。例えば耐切創性を得るためには、ステンレス繊維等の金属繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維、グラスファイバーなどが選択できる。また、上記繊維からなる糸としては、特に限定されず、紡績糸や捲縮加工されたフィラメント糸、ループヤーンやモールヤーン等の意匠糸、ストレートのフィラメント糸等を利用できる。
手袋本体1の平均厚みの下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、手袋本体1の平均厚みの上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。手袋本体1の平均厚みが上記下限未満の場合、当該手袋10の耐久性が低下するおそれがある。逆に、手袋本体1の平均厚みが上記上限を超える場合、当該手袋10の厚みが大きくなることで柔軟性が低下するため、装着時における作業性が低下するおそれがある。ここで、手袋本体1の平均厚みとは、手袋の指領域において、指の長手方向に対して略45度の角度で20mmの切れ目を入れ、この切れ目の断面をデジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス株式会社の「VHX−900」)を用いて観察し、繊維層の内面から外面までの距離について、2mmごとに10箇所測定した値の平均値である。
<コーティング層>
コーティング層2は、手袋本体1の外面の指部及び掌部を含む領域に被着される。具体的には、コーティング層2は、手袋本体1の外面の掌部、甲部及び指部を被覆する第一コーティング層2aと、この第一コーティング層2aの外面の掌部及び指部を被覆する第二コーティング層2bとを有する。なお、コーティング層2は、上記二層構造に限らず単層又は三層以上の多層でもよい。また、コーティング層2は、少なくとも指部及び掌部を被覆すればよく、甲部には形成されなくてもよい。また、「指部に被着される」とは、指部全体に被着されることに限定されず、指部の一部(例えば甲部との接続領域近傍や指の付け根の近傍領域)を除外した部分(指部の略全体)に被着されることも含む概念である。
コーティング層2は、合成樹脂又はゴムを主成分とする。上記合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらを混合したもの等が挙げられる。これらの中でもポリ塩化ビニル及びポリウレタンが好ましく、加工面でポリ塩化ビニルが特に好ましい。また、上記ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロヒドリンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、これらを混合したもの等が挙げられる。これらの中でも、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましく、天然ゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムが経済面、加工面、弾性、耐久性、耐候性等の点で特に好ましい。さらに、アクリロニトリル−ブタジエンゴムが耐油性の点で特に好ましい。
コーティング層2には、例えば柔軟剤、抗菌剤、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料、起泡剤、整泡剤等が添加されてもよい。
また、第一コーティング層2aと第二コーティング層2bとの材質は同一でもよいが、これらの層の材質を異ならせることで、当該手袋10の特性を部分的に異ならせることができる。さらに、第一コーティング層2aと第二コーティング層2bとの色を変えることで、意匠性を向上できる。
第一コーティング層2aの平均厚みの下限としては、0.2mmが好ましく、0.3mmがより好ましい。一方、第一コーティング層2aの平均厚みの上限としては、2mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。また、第二コーティング層2bの平均厚みの下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、第二コーティング層2bの平均厚みの上限としては、2mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。第一コーティング層2a又は第二コーティング層2bの平均厚みが上記下限未満である場合、コーティング層2の強度が不足するおそれがある。逆に、第一コーティング層2a又は第二コーティング層2bの平均厚みが上記上限を超える場合、当該手袋10の柔軟性が不十分となるおそれがある。ここで、コーティング層の平均厚みとは、手袋の指領域の背面側において、指の長さ方向に対して略45度の角度で20mmの切れ目を入れ、この切れ目の断面をデジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス株式会社の「VHX−900」)を用いて観察し、各コーティング層の内面から外面までの距離について、2mmごとに10箇所測定した値の平均値である。
コーティング層2の外面は、少なくとも後述する耐衝撃パッド3の付設箇所を含む領域に平滑な領域を有することが好ましい。具体的には、コーティング層2の外面の算術平均粗さRaの上限としては、0.5μmが好ましく、0.3μmがより好ましい。また、コーティング層2の外面の算術平均粗さRaの下限としては、例えば0.01μmである。上記算術平均粗さRaが上記上限を超えると、コーティング層2と耐衝撃パッド3との密着性が低下し、防水性や耐油性が不十分となるおそれがある。逆に、上記算術平均粗さRaを上記下限未満とすると、当該手袋10の製造コストが過大となるおそれがある。なお、「算術平均粗さRa」とは、光干渉式表面形状測定機(例えばテーラーホブソン社の「タリサーフCCI Lite」、20倍レンズ)を用いカットオフを0.08mmとして得られる粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ(0.83mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計した値である。
さらに、コーティング層2の外面は、少なくとも後述する耐衝撃パッド3の付設箇所を含む領域がタック性を有しているとよい。タック性によりコーティング層2と耐衝撃パッド3とが密に隙間なく当接し易くなるため、防水性や耐油性等を向上できる。なお、タック性とは、二層を互いの表面が接触するように重ね合わせた時にくっつき(粘着)が生じることをいう。
<耐衝撃パッド>
複数の耐衝撃パッド3は、手袋本体1の背側のコーティング層2の外面のうち指部に直接(他の層を介さずに)付設される。具体的には、各指部(第一指部、第二指部、第三指部、第四指部及び第五指部)にそれぞれ1の耐衝撃パッド3が付設される。
耐衝撃パッド3は、図2、3に示すように、コーティング層2に重畳されるベース層3aと、このベース層3aの外面に突設される凸部3bとを備える。
耐衝撃パッド3は、当該手袋10の作業用途に合わせてその付設箇所を適宜設計できる。つまり、耐衝撃パッド3は、図1に示すように各指部の長手方向全体に付設してもよいし、各指部の第一関節、第二関節又はこれらの組み合わせ部分のみを被覆するように付設してもよいし、指の先端と第一関節との間、第一関節と第二関節との間、第二関節と第三関節との間、又はこれらの組み合わせ部分のみを被覆するように付設してもよい。耐衝撃パッド3が離間した複数の部分を被覆する場合、耐衝撃パッド3は被覆部分に対応し複数に分割されたブロック(分割されたベース層3a及び凸部3b)から形成される。
耐衝撃パッド3は合成樹脂を主成分とする。この合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、これらを混合したもの等が挙げられる。これらの中でもポリ塩化ビニル及びポリウレタンが好ましく、加工面でポリ塩化ビニルが特に好ましい。
また、耐衝撃パッド3には、柔軟剤、抗菌剤、老化防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料等が添加されてもよい。特に、耐衝撃パッド3は、成形性を向上する観点から可塑剤を含有することが好ましい。この可塑剤としては、例えば非フタル酸可塑剤が用いられる。また、耐衝撃パッド3は、視認性向上の観点から顔料を含有することが好ましい。
可塑剤の含有量の下限としては、主成分の合成樹脂に対し、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。一方、可塑剤の含有量の上限としては、例えば250質量%である。可塑剤の含有量が上記下限より小さいと、成形性向上及び屈曲柔軟性向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、可塑剤の含有量が上記上限を超えると、耐衝撃パッド3の硬度が不十分となるおそれや、可塑剤のブリードが発生するおそれがある。
なお、ベース層3a及び凸部3bは、それぞれの材質が異なっていてもよいが、少なくとも主成分の樹脂を同一とすることで、一体成型が容易となる。また、ベース層3aと凸部3bとに含有させる顔料の種類を異ならせることで、当該手袋10の意匠性を向上できる。さらに、凸部3bの硬度をベース層3aよりも小さくすることで、耐衝撃性パッド3の強度を維持しつつ、耐衝撃性を向上することができる。
ここで、コーティング層2の外面の接触角及び/又は耐衝撃パッド3の外面の接触角が70度以上であることが好ましい。コーティング層2の外面及び/又は耐衝撃パッド3の外面の接触角を70度以上とすることで、これらの面の撥水性が高まる。その結果、耐衝撃パッド3を手袋本体1に縫合する縫合孔から水が内部に浸入することを防止して当該手袋10の防水性を向上できる。なお、接触角とは、JIS−R−3257(1999年)に準拠して測定される静的接触角を意味する。
(ベース層)
ベース層3aは、帯板状であり、長手方向が当該手袋10の指の長手方向と一致する。ベース層3aの平面形状は、角部が丸められると共に指の先端側が幅方向及び長手方向に円弧状に膨出した形状を有する。この膨出部分は爪全体を被覆している。また、ベース層3aは、その縁に沿い、かつ縁から一定距離オフセットした位置で、コーティング層2及び手袋本体1に縫合糸4により縫合されている。なお、ベース層3aの縫合糸4が縫合される位置には、縫合用の溝が形成されている。また、上記縫合位置のベース層3aの縁からのオフセット量としては、例えば0.5mm以上3mm以下とすることができる。
ベース層3aは、縁(外周)のみが縫合されており、中央部分にはコーティング層2と固定されない領域を有する。この領域では、ベース層3a(耐衝撃パッド3)とコーティング層2との間に空間が形成され、これにより耐衝撃性が向上する。
なお、ベース層3a(耐衝撃パッド3)は、図2のように縁全体(全周)で手袋本体1と縫合されている必要はなく、外周の一部に縫合されない領域を有してもよい。また、縁以外の内部領域で手袋本体1と縫合されてもよい。さらに、1つのベース層3aにおける縫合線の数は図2のように1本に限定されるものではなく、複数本の縫合線が1つのベース層3a上に形成されてもよい。
ベース層3aの縫合部分の平均厚みT1の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、ベース層3aの縫合部分の平均厚みT1の上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。ベース層3aの縫合部分の平均厚みT1が上記下限より小さいと、ベース層3aの強度が不十分となり、ベース層3aの破損や脱落が生じるおそれがある。逆に、ベース層3aの縫合部分の平均厚みT1が上記上限を超えると、耐衝撃パッド3が不要に大きくなるおそれがある。ここで、ベース層の縫合部分の平均厚みは、ベース層の縫合用の溝部分の断面をデジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス株式会社の「VHX−900」)を用いて観察し、下面から上面までの距離について、10箇所測定した値の平均値である。
ベース層3aの硬度の下限としては、A30が好ましく、A40がより好ましい。一方、ベース層3aの硬度の上限としては、A80が好ましく、A70がより好ましい。ベース層3aの硬度が上記下限より小さいと、耐衝撃性が不十分となるおそれがある。逆に、ベース層3aの硬度が上記上限を超えると、当該手袋10の柔軟性が低下するおそれがある。なお、上記硬度は、JIS−K6253−3(2012年)及びISO7619(2010)に準拠し、タイプAデュロメータを用いて測定される硬さを意味する。
ベース層3aの裏面(手袋本体1側の面)は平滑となっていることが好ましい。具体的には、ベース層3aの裏面の算術平均粗さRaの上限としては、0.15μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。また、ベース層3aの裏面の算術平均粗さRaの下限としては、例えば0.005μmである。上記算術平均粗さRaが上記上限を超えると、コーティング層2と耐衝撃パッド3との密着性が低下し、防水性や耐油性が不十分となるおそれがある。逆に、上記算術平均粗さRaを上記下限未満とすると、当該手袋10の製造コストが過大となるおそれがある。
さらに、ベース層3aの裏面はタック性を有しているとよい。タック性によりコーティング層2と耐衝撃パッド3とが密に隙間なく当接し易くなる部分が形成されるため、防水性や耐油性等を向上できる。
(凸部)
凸部3bは、ベース層3aの外面(手袋本体1と反対側の面)に突設される。また、凸部3bは、指の長手方向に沿った複数のV字状又はU字状の第一谷部V1及び上記長手方向と垂直な多数のV字状又はU字状の第二谷部V2で区分される複数のブロックから構成される。具体的に説明すると、凸部3bは、2つの第一谷部V1と、この2つの第一谷部V1と平面視で垂直に交差する複数の第二谷部V2により分割される平面視長方形状の複数のブロックを有する。さらに、凸部3bは、それぞれ平面視U字状に形成され、指の長手方向外側に凸となり、かつ他の複数のブロックを挟むように対向して配設されるブロックを先端側と後端側(掌側)とに有する。これらのブロック以外の平面視長方形状のブロックは、長手方向に3列かつ等間隔に配設される。
ここで、ベース層3aの第一谷部V1及び第二谷部V2の底を形成する部分の厚みT2において、第一谷部V1の底を形成する部分の厚みT2よりも第二谷部V2の底を形成する部分の厚みT2が小さいことが好ましい。このようにすることで、耐衝撃パッド3の屈曲柔軟性を向上することができる。
凸部3bを構成するブロックのうち、2つの第一谷部V1で挟まれる中央列のブロックは、両端列(左右の列)のブロックよりも厚み(突出量)が大きい。また、中央列のブロックの指の長手方向と垂直な断面は台形状であり、両端列のブロックの上記断面は三角形状である。
凸部3bの長手方向の長さ(最も先端側のブロックの先端と、最も後端側のブロックの後端との距離)としては、例えば指部の長さの50%以上90%以下である。また、凸部3bの幅方向の長さ(左側の列のブロックの左端と、右側の列のブロックの右端との距離)としては、例えば指部の幅の5%以上50%以下である。さらに、平面視長方形状のブロックの長手方向の長さは例えば1mm以上10mm以下、短手方向(幅方向)の長さは例えば0.1mm以上3mm以下とすることができる。
第一谷部V1又は第二谷部V2の底を形成する部分の厚みT2と凸部3bの最大厚みT3(最大突出量)との合計厚み(T2+T3)の下限としては、1mmが好ましく、3mmがより好ましい。一方、上記合計厚み(T2+T3)の上限としては、9mmが好ましく、7mmがより好ましい。上記合計厚み(T2+T3)が上記下限より小さいと、耐衝撃性が不十分となるおそれがある。逆に、上記合計厚み(T2+T3)が上記上限を超えると、耐衝撃パッド3が不要に大きくなるおそれがある。ここで、凸部の最大厚みは、凸部の断面をデジタルマイクロスコープ(例えば、キーエンス株式会社の「VHX−900」)を用いて観察し、凸部の最大突出部からベース層の上面までの距離について、10箇所測定した値の平均値である。
凸部3bの硬度の下限としては、A30が好ましく、A40がより好ましい。一方、凸部3bの硬度の上限としては、A70が好ましく、A60がより好ましい。凸部3bの硬度が上記下限より小さいと、強度が不十分となるおそれがある。逆に、凸部3bの硬度が上記上限を超えると、衝撃吸収性が低下するおそれがある。なお、凸部3bの硬度は、ベース層3aの硬度と同じであってもよい。
<縫合糸>
縫合糸4は、耐衝撃パッド3のベース層3aを手袋本体1に縫合する。つまり、縫合糸4は、耐衝撃パッド3(ベース層3a)、コーティング層2、及び手袋本体1を貫通する。この縫合糸4の太さとしては、例えば150dtex以上800dtex以下とすることができる。また、この縫合糸4の材質としては、例えばポリエステル等が挙げられる。
また、縫合糸は、撥水加工や撥油加工が施されていることが好ましい。
<手袋の製造方法>
当該手袋10は、例えば手袋本体1にコーティング層2を被着する工程と、耐衝撃パッド3を成形する工程と、上記手袋本体1の背側のコーティング層2の外面側のうち少なくとも一部に上記耐衝撃パッド3を手袋本体1への縫合により付設する工程とを備える製造方法により得ることができる。
(被着工程)
被着工程では、手袋本体1を手型に被せ、コーティング層を形成するための組成物を手袋本体1の外面に塗工し、さらに乾燥することでコーティング層2を手袋本体1に被着する。上記組成物の塗工方法としては、公知の方法が使用でき、例えば上記組成物中へ手袋本体1を浸漬する方法が挙げられる。なお、コーティング層2が図1のように多層の場合は、塗工及び乾燥を組成物を変えながら複数回行う。
(耐衝撃パッド成形工程)
耐衝撃パッド成形工程では、合成樹脂を含む組成物により耐衝撃パッド3を成形する。具体的な成形方法としては、例えば上記組成物を金型に流し込み、キュアリングする方法が挙げられる。なお、耐衝撃パッド3が図1のように複数のパーツ(ベース層3a及び凸部3b)を有する場合、これらを一体で成形してもよいし、これらを別々に成形してから接合してもよい。
(付設工程)
付設工程では、耐衝撃パッド3をコーティング層2を介して手袋本体1に縫合する。
<利点>
当該手袋10では、コーティング層2の外面に耐衝撃パッド3が手袋本体に縫合されることで付設されるため、耐衝撃パッド3の手袋本体1への固定力を維持しつつ、耐衝撃パッド3とコーティング層2間の空間により衝撃の吸収性を高められる。加えて、耐衝撃パッド3がコーティング層2を介して手袋本体1に縫合されることで、手袋本体1が伸縮した際に手袋本体1の編目や織目の開きに起因する縫合糸4の移動が抑制され、結果として耐衝撃パッド3のずれが防止される。また、耐衝撃パッド3に大きな衝撃が加わった際に、コーティング層2がクッション材として働き、手袋本体1の破断等も防止される。これらの結果、当該手袋10は、耐衝撃性に優れると共に、耐衝撃パッド3のずれや脱落が防止できる。
また、手袋本体に耐衝撃パッドを取付後にコーティング層を形成すると、耐衝撃パッドの表面のコーティング層が剥離し易いが、当該手袋10では、コーティング層2の表面に耐衝撃パッド3が配置されるため、コーティング層2が剥離し難い。
さらに、当該手袋10では、コーティング層2にわずかにテンションをかけながら耐衝撃パッド3を縫合することによって、指の屈曲方向に指部が曲がった手袋とすることができる。これによって、手袋のフィット性及び屈曲性が向上し、作業効率が向上する。
[第2実施形態]
図4の当該手袋20は、伸縮性を有する繊維製の手袋本体1と、この手袋本体1の外面の少なくとも指部及び掌部に被着されるコーティング層2と、上記手袋本体1の背側のコーティング層2の外面側のうち指部に付設される複数の指部耐衝撃パッド3と、上記コーティング層2の外面側のうち甲部に付設される1つの甲部耐衝撃パッド23とを備える。当該手袋20の手袋本体1、コーティング層2、及び指部耐衝撃パッド3は、図1の手袋10の手袋本体1、コーティング層2、及び耐衝撃パッド3と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
<甲部耐衝撃パッド>
甲部耐衝撃パッド23は、手袋本体1の背側のコーティング層2の外面側のうち甲部に付設され、指部耐衝撃パッド3と同様、手袋本体1に縫合されている。
甲部耐衝撃パッド23は、コーティング層2に重畳されるベース層23aと、このベース層23aの外面に突設される凸部23bとを備える。
甲部耐衝撃パッド23は合成樹脂を主成分とする。この合成樹脂としては、指部耐衝撃パッド3と同様のものが使用できる。また、甲部耐衝撃パッド23に添加する添加剤も指部耐衝撃パッド3と同様のものが使用できる。
(ベース層)
ベース層23aは、板状であり、各指の第三関節と、甲部の一部とを覆うようにコーティング層2に直接付設されている。ベース層23aは、その縁に沿い、かつ縁から一定距離オフセットした位置で、コーティング層2及び手袋本体1に縫合糸(図示省略)により縫合されている。なお、ベース層23aの縫合糸が縫合される位置には縫合用の溝が形成されており、ベース層23aはこの溝から内側に向かって平均厚みが漸次的に大きくなるように凸状に形成されている。なお、上記縫合位置のベース層23aの縁からのオフセット量は、指部耐衝撃パッド3と同様とすることができる。
ベース層23aの平均厚みの下限としては、1mmが好ましく、3mmがより好ましい。一方、ベース層23aの平均厚みの上限としては、7mmが好ましく、6mmがより好ましい。ベース層23aの平均厚みが上記下限より小さいと、ベース層23aの強度が不十分となるおそれがある。逆に、ベース層23aの平均厚みが上記上限を超えると、甲部耐衝撃パッド23が不要に大きくなるおそれがある。
ベース層23aの硬度の下限としては、A40が好ましく、A50がより好ましい。一方、ベース層23aの硬度の上限としては、A80が好ましく、A70がより好ましい。ベース層23aの硬度が上記下限より小さいと、耐衝撃性が不十分となるおそれがある。逆に、ベース層23aの硬度が上記上限を超えると、当該手袋20の柔軟性が低下するおそれがある。
ベース層23aの裏面は平滑となっていることが好ましい。ベース層23aの裏面の算術平均粗さRaは、指部耐衝撃パッド3のベース層と同様とすることができる。また、ベース層23aの裏面はタック性を有するとよい。
なお、ベース層23aには、指の長手方向の1又は複数のスリットが形成されていてもよい。このスリットにより、甲部耐衝撃パッド23に柔軟性を付与することができる。
(凸部)
凸部23bは、ベース層23aの外面に突設される。
ベース層23aの平均厚みと凸部23bの最大厚み(最大突出量)との合計厚みの下限としては、2mmが好ましく、3mmがより好ましい。一方、上記合計厚みの上限としては、10mmが好ましく、8mmがより好ましい。上記合計厚みが上記下限より小さいと、耐衝撃性が不十分となるおそれがある。逆に、上記合計厚みが上記上限を超えると、甲部耐衝撃パッド23が不要に大きくなるおそれがある。
凸部23bの硬度の下限としては、A30が好ましく、A40がより好ましい。一方、凸部23bの硬度の上限としては、A70が好ましく、A60がより好ましい。凸部23bの硬度が上記下限より小さいと、強度が不十分となるおそれがある。逆に、凸部23bの硬度が上記上限を超えると、衝撃吸収性が低下するおそれがある。なお、凸部23bの硬度は、ベース層23aの硬度と同じであってもよい。
<利点>
当該手袋20は、指部耐衝撃パッド3に加えて甲部耐衝撃パッド23を備えるため、使用者の手をより確実に保護することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、コーティング層の外面に耐衝撃パッドが直接付設される構成としたが、本発明の手袋は、耐衝撃パッドとコーティング層との間に充填される樹脂層をさらに備えてもよい。この樹脂層により、耐衝撃パッドとコーティング層との間の隙間を埋めて防水性や耐油性等を向上できると共に、耐衝撃パッドのずれや脱落の防止効果を促進できる。
上記樹脂層は、合成樹脂を主成分とする。この合成樹脂としては、接着剤の主成分として用いられる合成樹脂が好適に使用でき、具体的にはアクリル樹脂等が挙げられる。また、樹脂層は多層構造を有するシート部材であってもよく、例えば基材層とこの基材層の両面に積層される接着剤層とを有するいわゆる両面テープであってもよい。また、上記樹脂層の平均厚みとしては、例えば50μm以上300μm以下とすることができる。
上記実施形態では、少なくとも指部に耐衝撃パッドが付設される構成としたが、本発明の手袋は手袋本体の背側のコーティング層の外面側のうち少なくとも一部に耐衝撃パッドが付設されればよく、指部に耐衝撃パッドが付設されていないものも本発明の意図する範囲である。また、指部に耐衝撃パッドを付設する場合、全ての指部に耐衝撃パッドを付設しなくてもよい。さらに、甲部に複数の耐衝撃パッドが付設されてもよい。さらに、当該手袋は、上記指部耐衝撃パッド及び甲部耐衝撃パッドとは異なる位置に付設される耐衝撃パッドをさらに備えてもよい。
また、耐衝撃パッドは、少なくとも一部がコーティング層の外面側に付設されればよく、その一部が手袋本体に直接又は樹脂層を介して付設されてもよい。つまり、耐衝撃パッドは、手袋本体の背側のコーティング層の存在しない領域に一部が付設されてもよい。
さらに、本発明における耐衝撃パッドの形状は上記実施形態のものに限定されず、任意に設計が可能であり、必ずしもベース層と凸部とを備える必要はない。また、耐衝撃パッドがベース層と凸部とを備える場合、凸部が複数のブロックから構成されなくてもよい。
また、手袋本体は、インナー手袋とアウター手袋とから構成されてもよい。このインナー手袋は、例えば繊維製の糸を編成したものとでき、アウター手袋は、例えば上述のように繊維製の糸を編成した基材と、この基材の外面に積層され、ゴム又は樹脂を主成分とする被膜層とを有するものとできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(手袋本体)
まず、島精機社の13G手袋編機「N−SFG」を用いて、ウーリーナイロン双糸(1本当たりのフィラメント数24、太さ77dtex)を2本引き揃えで編成し、手袋本体を作成した。
(コーティング層)
次に、上記手袋本体を手型に被せ、60℃程度に加温したのち、メタノール100質量部に対して硝酸カルシウム1質量部を溶解した凝固剤へ手首まで浸漬し、引き上げた。続いて、凝固剤が付着した手袋本体を表1に示す配合1に示すコンパウンド1へ掌部、甲部及び指部まで浸漬した。上記コンパウンド1へ浸漬した手袋本体を引き上げた後、温度80℃で10分間乾燥させ、続いて表1の配合2に示すコンパウンド2に掌部及び指部を浸漬した。なお、上記コンパウンド2は配合2を電動泡だて器で空気を30%含ませたものを用いた。
その後、温度90℃で20分間、続いて温度130℃で45分間乾燥させ、手袋本体の外面にゴムを主成分とするコーティング層を形成した手袋を得た。
Figure 0006697311
(耐衝撃パッド)
ポリ塩化ビニル100質量部に対して非フタル酸可塑剤を150質量部と顔料とを混合したコンパウンドを金型に流し込み、温度250℃で1分間加熱乾燥して耐衝撃パッドの凸部を成形した。次いで、ポリ塩化ビニル100質量部に対して非フタル酸可塑剤を150質量部と顔料とを混合したコンパウンドを上記凸部の上に流し込み、温度180℃で15分間加熱乾燥して耐衝撃パッドのベース層及び凸部を一体に成形した。冷却後、金型から離型し、耐衝撃パッドを得た。
(縫合)
得られた手袋の指部に耐衝撃パッドを配設し、細筒円筒形二重環縫いミシン(森本製作所社の「SPX−211」)を用いて縫合糸(501dtexのポリエステルフィラメント)で耐衝撃パッドをコーティング層を介して手袋本体に縫合した。
<比較例1>
コーティング層が施されていない実施例1と同様の手袋本体に、実施例1と同様の耐衝撃パッドをアクリル系接着剤を用いて固定した。
<比較例2>
コーティング層が施されていない実施例1と同様の手袋本体に、実施例1と同様の方法で耐衝撃パッドを縫合した。
<評価1>
耐衝撃パッドを縫合又は接着した指部から、耐衝撃パッドを含み長手方向に長さ100mm、幅30mmの試験片を切り出し、長手方向に30%伸長させる動作を50回繰り返した後に耐衝撃パッドのずれや脱落の有無を以下の指標で評価した。その結果を表2に示す。
A:ずれ及び脱落はない。
B:ずれはあるが脱落はない。
C:脱落あり。
Figure 0006697311
表2からわかるように、コーティング層で被覆した手袋本体に耐衝撃パッドを縫合した実施例1では耐衝撃パッドのずれ及び脱落が無かった。これに対し、接着剤で耐衝撃パッドを付設した比較例1では耐衝撃パッドの脱落が生じ、コーティング層を介さず手袋本体に直接耐衝撃パッドを縫合した比較例2でも耐衝撃パッドのずれが生じた。この結果から、コーティング層を介して手袋本体に耐衝撃パッドを縫合することで、耐衝撃パッドのずれ及び脱落を防止できることがわかる。
<実施例2、3>
実施例1よりも外面が粗い(凹凸が大きい)手袋本体を用いた点以外は実施例1と同様の条件で、実施例2の手袋を作製した。また、ベース層裏面に対応する面を実施例1よりも粗くした金型を用いて耐衝撃パッドを形成した点以外は実施例1と同様の条件で、実施例3の手袋を作製した。
実施例1〜3の手袋について、コーティング層外面の算術平均粗さRa及びベース層裏面の算術平均粗さRaを測定した。その結果を表3に示す。
<評価2>
実施例1〜3の手袋を被験者5名に装着してもらい油作業を行った後、以下の指標で評価した。その結果を表3に示す。
A:手袋内部への油の侵入がなかった。
B:手袋内部への油の侵入がわずかにあった。
C:手袋内部への油の侵入が明らかにあった。
Figure 0006697311
表3から、コーティング層外面の算術平均粗さRa及びベース層裏面の算術平均粗さRaが小さいほど、すなわちコーティング層外面及びベース層裏面が平滑であるほど、耐油性に優れることがわかる。
以上のように、本発明の手袋は、耐衝撃性に優れ、かつ耐衝撃パッドのずれや脱落が防止できる。従って、例えば土木や建設等での作業において使用される手袋として好適に用いることができる。
1 手袋本体
2 コーティング層
2a 第一コーティング層
2b 第二コーティング層
3、23 耐衝撃パッド
3a、23a ベース層
3b、23b 凸部
4 縫合糸
10、20 手袋
V1、V2 谷部

Claims (7)

  1. 伸縮性を有する繊維製の手袋本体と、
    この手袋本体の外面の少なくとも指部及び掌部に被着され、合成樹脂又はゴムを主成分とするコーティング層と、
    少なくとも上記指部の背側のコーティング層の外面側の一部に付設され、合成樹脂を主成分とする1又は複数の耐衝撃パッドと
    を備える手袋であって、
    上記耐衝撃パッドが、上記手袋本体に縫合され
    上記耐衝撃パッドが、
    上記コーティング層に重畳されるベース層と、
    このベース層の外面に突設される凸部と
    を備え、
    上記ベース層が、縫合部分と上記コーティング層に固定されない中央部分とを含み、
    上記コーティング層の外面及び上記ベース層の内面がタック性を有することを特徴とする手袋。
  2. 上記手袋本体がシームレスである請求項1に記載の手袋。
  3. 上記コーティング層が上記手袋本体の甲部の少なくとも一部にさらに被着され、
    上記甲部のコーティング層の外面側のうち少なくとも一部に付設される甲部耐衝撃パッドをさらに備える請求項1又は請求項2に記載の手袋。
  4. 上記耐衝撃パッドの裏面及びコーティング層の外面が平滑である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の手袋。
  5. 上記耐衝撃パッドとコーティング層との間に充填される樹脂層をさらに備える請求項1、請求項2又は請求項3に記載の手袋。
  6. 上記耐衝撃パッドが可塑剤及び顔料をさらに含有し、
    上記可塑剤の主成分の合成樹脂に対する含有量が70質量%以上である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手袋。
  7. 上記耐衝撃パッドのうち指部の背側に付設される耐衝撃パッドの上記凸部が、指の長手方向に沿った複数の谷部及び上記長手方向と垂直な多数の谷部で区分される複数のブロックから構成される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の手袋。
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