JP2017186728A - 不織布、吸収性物品用トップシート、及びそれを含む吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
繊維処理剤が付与された第1繊維層を有し、複数の開孔が貫通する単層の又は積層された不織布であり、
繊維処理剤の親水性の高さが、下記方法で評価されたときに、1回目のランオフの値が、2.4cm以上である、不織布を提供する。
(i)0.40質量%の繊維処理剤が付与された、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分が高密度ポリエチレンであり、複合比(芯/鞘、容積比)が50/50である同心芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:45mm)を使用して、パラレルウェブ法及びエアスルー法(加熱温度:135℃、処理時間:9秒、風速:1.1m/s)を用いて、繊維処理剤の不織布サンプル(目付:50g/m2、寸法:タテ30cm×ヨコ7.0cm、厚さ:1.9mm)を用意する。
(ii)水平面と30度の角度を有する斜面を準備し、その斜面上に、ろ紙(Lister Paper(Grade989、10cm×10cm)を、不織布サンプルの寸法以上となるように重なりなく敷きつめて、その上に不織布サンプルを載せて固定する。
(iii)不織布サンプルの上端から1cm下方の位置に、0.90%生理食塩水(青色染料で着色)を、マイクロチューブポンプまたはビュレットから、1.0g/30secの速度で、合計1.0gを30sec間かけて、滴下する。全ての生理食塩水が不織布サンプルに吸収され、生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面から消えたときの生理食塩水の先端の位置を測定する。当該位置と生理食塩水を不織布サンプル表面に滴下した位置との間の距離、即ち生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面を流れた最長の距離を求めて、1回目のランオフの値を得る。
第1繊維層を有し、複数の開孔が貫通する単層の又は積層された不織布であり、
水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角が65°以上85°以下である、不織布を提供する。
吸収性物品は、一般に液保持性の吸収体、液不透過性のバックシート、及び液透過性のトップシートを含み、吸収体とトップシートの間にバックシートが配置される。本発明の実施形態に係る吸収性物品用不織布は、装着者の肌に当接するトップシートとして配置される。かかるバックシート及び吸収体として、吸収性物品に通常用いられているものを用いることができる。
例えばバックシートとして、透湿性を有する又は有さない熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。例えば吸収体として、パルプ繊維、高吸収性ポリマーの粒子又はそれらの混合物をティッシュペーパー等の紙等で包んだ又は挟んだ吸収体を用いることができる。
繊維処理剤が付与された第1繊維層を有し、複数の開孔が貫通する単層の又は積層された不織布であり、
下記方法で繊維処理剤の親水性の高さを評価して、1回目のランオフの値が、2.4cm以上である、不織布である。
(i)0.4質量%の繊維処理剤が付与された、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分が高密度ポリエチレンであり、複合比(芯/鞘、容積比)が50/50である同心芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:45mm)を使用して、パラレルウェブ法及びエアスルー法(加熱温度:135℃、処理時間:9秒、風速:1.1m/s)を用いて、繊維処理剤の不織布サンプル(目付:50g/m2、寸法:タテ30cm×ヨコ7.0cm、厚さ:1.9mm)を用意する。
(ii)水平面と30度の角度を有する斜面を準備し、その斜面上に、ろ紙(Lister Paper(Grade989、10cm×10cm)を、不織布サンプルの寸法以上となるように重なりなく敷きつめて、その上に不織布サンプル載せて固定する。
(iii)不織布サンプルの上端から1cm下方の位置に、0.90%生理食塩水(青色染料で着色)を、マイクロチューブポンプまたはビュレットから、1.0g/30secの速度で、合計1.0gを30sec間かけて、滴下する。全ての生理食塩水が不織布サンプルに吸収され、生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面から消えたときの生理食塩水の先端の位置を測定する。当該位置と生理食塩水を不織布サンプル表面に滴下した位置との間の距離、即ち生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面を流れた最長の距離を求めて、1回目のランオフの値を得る。
従って、本発明の上述の形態の不織布は、水と繊維表面との接触角を用いることで記載することもできる。
第1繊維層を有し、複数の開孔が貫通する単層の又は積層された不織布であり、
水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角が65°以上85°以下である、不織布である。本明細書の種々の記載は、この形態の不織布にも適用することができる。
第1繊維層は、例えば、下記の繊維を含むことができる:コットン、シルクおよびウールなどの天然繊維;ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))等の再生繊維;ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリルニトリルからなる(ポリ)アクリル系繊維、ポリカーボネート系繊維、ポリアセタール系繊維、ポリスチレン系繊維、および環状ポリオレフィン系繊維などの合成繊維。
第1繊維層の繊維が合成繊維である場合、単一種類の樹脂でできている繊維(単一繊維)のみならず、二種以上の樹脂でできている複合繊維(例えば、同心または偏心の芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維、分割型複合繊維、バイメタル型複合繊維)を用いることもできる。
第1繊維層の繊維は、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;及び、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン三元共重合体等のポリオレフィン系繊維;及びそれらを組み合わせた繊維を含むことができる。
これらの繊維は、単独で、又は組み合わせて用いることができる。
第1樹脂層を構成する繊維は、同心又は偏心芯鞘型の複合繊維であることが好ましい。ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂から構成される同心又は偏心芯鞘型の複合繊維が更により好ましい。特に芯成分がポリエステル系樹脂であり、鞘成分がポリオレフィン系樹脂である芯鞘型の複合繊維が好ましい。
本明細書で、「立体捲縮」という用語は、捲縮の山(または山頂部)が鋭角である機械捲縮と区別されるために用いられる。立体捲縮は、例えば、山部が湾曲した捲縮(波形状捲縮)、山部が螺旋状に湾曲した捲縮(螺旋状捲縮)、波形状捲縮と螺旋状捲縮とが混在した捲縮、機械捲縮の鋭角の捲縮と波形状捲縮および螺旋状捲縮の少なくとも一つとが混在した捲縮をいう。
(式1)偏心率(%)=(単繊維の中心と芯成分の中心との間の距離)×100/(単繊維半径)
追加の繊維層は、上述の第1繊維層に記載の繊維層であって良い。追加の繊維層と第1繊維層は、同じでも異なっていてもよい。追加の繊維層は、本発明が目的とする不織布を得られる限り特に制限されることはない。
追加の繊維層の目付は3〜60g/m2であることが好ましく、5〜50g/m2であることがより好ましく、10〜45g/m2であることが更に好ましく、20〜40g/m2であることが更により好ましい。
(i)0.40質量%の繊維処理剤が付与された、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分が高密度ポリエチレンであり、複合比(芯/鞘、容積比)が50/50である同心芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:45mm)を使用して、パラレルウェブ法及びエアスルー法(加熱温度:135℃、処理時間:9秒、風速:1.1m/s)を用いて、繊維処理剤の不織布サンプル(目付:50g/m2、寸法:タテ30cm×ヨコ7.0cm、厚さ:1.9mm)を用意する。
(ii)水平面と30度の角度を有する斜面を準備し、その斜面上に、ろ紙(Lister Paper(Grade989、10cm×10cm)を、不織布サンプルの寸法以上となるように重なりなく敷きつめて、その上に不織布サンプル載せて固定する。
(iii)不織布サンプルの上端から1cm下方の位置に、0.90%生理食塩水(青色染料で着色)を、マイクロチューブポンプまたはビュレットから、1.0g/30secの速度で、合計1.0gを30sec間かけて、滴下する。全ての生理食塩水が不織布サンプルに吸収され、生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面から消えたときの生理食塩水の先端の位置を測定する。当該位置と生理食塩水を不織布サンプル表面に滴下した位置との間の距離、即ち生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面を流れた最長の距離を求めて、1回目のランオフの値を得る。
なお、この方法に使用される、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分が高密度ポリエチレンであり、複合比(芯/鞘、容積比)が50/50である同心芯鞘型複合繊維としては、例えば、ダイワボウポリテック(株)のNBF(H)などを使用するとよい。
(iv)2回目のランオフの値については、1回目のランオフに使用した不織布サンプルを使い、1回目のランオフの測定終了後30秒後に、1回目に生理食塩水を滴下した位置と同じ位置に、1回目と同様にして生理食塩水を滴下した。生理食塩水が不織布サンプル表面を流れた距離を求めて、2回目のランオフの値を得た。
(v)3回目以降のランオフの値については、その前回の不織布サンプルを使用して、同様に繰り返した。生理食塩水が不織布サンプル表面を流れた距離を求めて、3回目以降のランオフの値を得た。
2回、3回と繰り返してランオフの値を測定することで、繰り返しの親水性(耐水性)を評価することができる。
5回目のランオフの値から1回目のランオフの値を引いた値が、20未満である場合、繰り返しの吸液特性(吸液特性の耐久性)が、より良好になり、より好ましい。
追加の繊維層の繊維を処理する繊維処理剤は、1回目のランオフの値が、2.4cm未満でも良い。また、1回目のランオフの値が21cm以下であることが好ましく、18cm以下であることがより好ましい。
5回目のランオフの値から1回目のランオフの値を引いた値が、20未満である場合、繰り返しの吸液特性(吸液特性の耐久性)が、より良好になり、より好ましい。
水が透過する前の、水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角は、好ましくは67°以上であり、より好ましくは70°以上である。また、水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角は、好ましくは83°以下であり、より好ましくは80°以下である。このような範囲の接触角であると上述した効果に加えて、親水性が高すぎないことにより繊維処理剤の水による脱落性が低下し、後述する耐久親水性を有しやすくし得る。
不織布に貫通した開孔を設けることは、不織布において繊維が存在しない箇所又は繊維がほとんど存在しない箇所を設けることにより、吸液速度(液体の透過速度)を向上させる目的で行われる。しかし不織布において開孔が存在しない領域(非開孔部分)において、不織布の親水性(不織布を構成する繊維の親水性)を高くすると、水を主体とする液体が透過する際に、開孔を透過せずに非開孔部分を透過する液体が多くなり、結果として吸液速度が低下することになる。特に開孔を設けていない不織布(つまり非開孔部分からなる不織布)と比べ、開孔を設けた不織布の方が、非開孔部分の面積が小さくなるため、開孔を透過しない液体が増えることが予想以上の吸液速度の低下へとつながると考えられる。尚、本願発明は、このような原理によって、何ら制限されることはない。
第1繊維層を構成する繊維は、水と接触しても、水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角は、維持されることが好ましい。
また、第1繊維層を構成する繊維の耐久親水性は、水透過後接触角の初期接触角からの変化率(以後、「接触角変化率」とも呼ぶ)で表すこともできる。接触角変化率は、60%以下であることが好ましい。接触角変化率は以下の式2によって算出する。
式2:接触角変化率(%)=|水透過後接触角−初期接触角|/初期接触角×100
接触角変化率は、より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、さらにより好ましくは10%以下である。
第1繊維層を構成する繊維表面の親水性の耐久性(耐久親水性)が高いほど、好適な吸液速度を液透過後でもより維持することができ、繰り返し吸液した場合の吸液特性がより好ましい。
(株)キーエンス製マイクロスコープVHX−1000にズームレンズ((株)キーエンス製、型番:VH−Z100R)を取り付けた測定部を水平方向に倒した状態で固定する。接触角の測定対象である繊維を含む不織布を縦(MD方向)×横(CD方向)が50mm×10mmの大きさとなるようにカットして、測定サンプルを作製する。測定サンプルの測定面を上向きにした状態で、ズームレンズのレンズ面に対して不織布のCD方向が垂直となる向きにして(すなわち、観察方向がCD方向と平行となるように)測定サンプルを試験台に置いて、両端をテープで固定する。なお、観察方向(ズームレンズを通して対象物を見る方向)は、観察方向と直交する方向に繊維が延びているように選択される限りにおいて、特に限定されない。不織布の種類によっては、不織布のCD方向と例えば45°の角度をなす方向を観察方向としてよい。
接触角は、不織布を用いて測定せずに、測定面から対象となる構成繊維を取り出して、構成繊維に水滴を吹き付ける方法で測定してもよい。
(1)繊維の上に載った水滴の接触角を測定する。繊維の下まで垂れ下がった水滴及び2本以上の繊維にまたがった水滴の接触角を測定しない。
(2)繊維が螺旋状等の細かい捲縮を発生している場合は、捲縮が少ないところか、繊維を伸張させて捲縮状態を無くして測定する。
(3)接触角の測定結果は、上記のとおり、測定する箇所又は測定サンプルを変えて、繊維が水平になっている画像を10点以上選んで測定値を平均して求める。繊維の親水化度が高い場合、接触角を測定するときに繊維の上で水滴が移動し得る(すなわち、水滴の形状が変化し得る)。その場合、その移動の状況を考慮して「接触角」を求める。
接触角の測定箇所が20点になるまでに、測定回数の合計(水滴の撮影を試みた測定箇所の合計、撮影中に水滴が移動した場合と移動しなかった場合の合計)の40%未満で水滴が移動した場合、繊維が水平になっている画像を10点以上選んで測定値を平均して接触角とする。
接触角の測定箇所が20点になるまでに、測定回数の合計の40%以上で水滴が移動した場合、接触角は20°以下とする。
不織布をタテ方向22cm、ヨコ方向5cmの寸法に裁断して測定サンプルを作製する。次に、図9に示す、直径15mmの穴が等間隔(穴の中心間の距離は20mm)に開けられたステンレス製のプレートを用意する。プレートの穴内の4箇所に油性のマジックペンでマーキングする。プレートを測定サンプルの測定面の上に置く。測定サンプルにステンレス製プレートを載せたまま、ステンレス製プレートに設けた穴の中心部分に位置する測定サンプルの測定面に対し、約20℃に調整した0.04mlのイオン交換水を、駒込ピペット又はビュレットを用いて滴下させる。イオン交換水を滴下後、測定サンプルのイオン交換水を吸収させる。滴下した水滴が測定サンプル表面から消失後、測定サンプルを20〜50℃の雰囲気中で乾燥させる。なお、測定サンプルに水滴を滴下後、水滴を吸収させる際、水滴が残っている部分を吸引して、水分を下側の層(第2繊維層、もしあれば)に強制的に吸収させてもよい。
追加の繊維層を形成する繊維の繊度は、0.2〜15dtexであることが好ましく、より好ましくは0.8〜10dtexであり、更により好ましくは1〜8dtexである。
更に、第1繊維層を形成する繊維の繊維径は、追加の繊維層を形成する繊維の繊維径と比較して、人の肌に対向するように配置される第1繊維層の繊維径が小さいと触感が良好になり得るため好ましい。
なお、天然繊維を含む場合、その繊度または繊維径については、JIS L 1019 7.4.1 マイクロネヤによる方法に準じ、算出できる。
また、第1繊維層を形成する繊維の繊維径は、追加の繊維層を形成する繊維の繊維径と比較して、大きくてもよい。第1繊維層を形成する繊維の繊維径が、追加の繊維層を形成する繊維の繊維径より大きい場合、第1繊維層の密度を大きく、または空隙率を小さくする場合に、液体の透液性を阻害しないように、追加の繊維層と比べて第1繊維層の密度を大きくし過ぎない、または空隙率を小さくし過ぎないように調整しやすくすることができるため、好ましい。
一体化された不織布の第1繊維層の繊維と追加の繊維層の繊維は、接着されていてよい。
本発明の形態の不織布は、必要に応じて、更なる追加の層(即ち、第3繊維層)を有することができる。
開孔は、本発明の形態に係る不織布を得ることができる限り特に制限されることはないが、一般的に、円形、楕円形、長円形、及び多角形等の形状であることが好ましく、円形、楕円形又は長円形等の円形に類する形状であることがより好ましい。開孔率(不織布全体の面積において開孔の面積が占める率)は、1〜50%であることが好ましく、2〜12%であることがより好ましく、3〜7%であることが更により好ましい。
開孔径は、0.3〜9.0mmであることが好ましく、0.5〜3.0mmであることがより好ましく、0.9〜2.0mmであることが更に好ましい。開孔径とは、最大の差し渡し長さをいう。例えば、円形の場合、開孔径は直径を意味し、長円形の場合、開孔径は長径を意味する。開孔径は、すべての開孔において同じである必要はなく、異なっていても良い。また、開孔径は、上述した範囲から外れるものが含まれていても良く、開孔径が上述した範囲であるものが、すべての開孔のうち、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
隣り合う開孔間の距離は0.8〜40mmであることが好ましく、1.0〜5.0mmであることがより好ましい。なお、隣り合う開孔間の距離は、隣り合う開孔の中心(重心)同士の間の距離のことをいう。
更に、本発明は、そのような不織布を含む、種々の吸収性物品を提供することができる。
繊維1:ポリエチレンテレフタレートが芯であり、直鎖低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン(質量比(直鎖状低密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン)が85/15)が鞘である、繊度3.3dtex、繊維長38mm、偏心率25%の偏心芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック(株)製の商品名NBF(SL)V)
繊維2:ポリプロピレンが芯であり、高密度ポリエチレンが鞘である、繊度3.3dtex、繊維長45mmの同心芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック(株)製の商品名NBF(H))
繊維3:ポリエチレンテレフタレートが芯であり、高密度ポリエチレンが鞘である、繊度3.3dtex、繊維長51mm、偏心率25%の偏心芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック(株)製の商品名NBF(SH)V)
繊維4:ポリエチレンテレフタレートが芯であり、直鎖低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン(質量比(直鎖状低密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン)が85/15)が鞘である、繊度3.3dtex、繊維長38mmの同心芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック(株)製の商品名NBF(SL))
繊維5:ポリエチレンテレフタレートが芯であり、高密度ポリエチレンが鞘である、繊度3.3dtex、繊維長51mmの同心芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック(株)製の商品名NBF(SH))
繊維処理剤A:C12アルキルリン酸エステルカリウム塩を含み、耐水性を有する親水性繊維処理剤
繊維処理剤B:C12アルキルリン酸エステルカリウム塩を含み、繊維処理剤Aより高い親水性を有し、繊維処理剤Aより低い耐水性を有する親水性繊維処理剤
繊維処理剤C:C12アルキルリン酸エステルカリウム塩を含み、繊維処理剤Aより高い親水性及び高い耐水性を有する耐久親水性繊維処理剤
繊維処理剤A〜Cの親水性の高さ及びその耐水性は、下記に示す方法で、0.40質量%の繊維処理剤が付与された不織布サンプルのランオフを、1〜5回測定して、それらの値で規定した。親水性の高さはランオフの1回目の数値で規定し、数値が小さいほど、親水性の高さが高い。親水性の高さの耐水性はランオフの5回目の数値から1回目の数値を引いた値(差)で規定し、数値が小さいほど、耐水性が高い。
(ii)水平面と30度の角度を有する斜面を準備した。その斜面上に、ろ紙(Lister Paper(Grade989、10cm×10cm)を、不織布サンプルの寸法以上となるように重なりなく敷きつめて、その上に不織布サンプル載せて固定した。
(iv)2回目のランオフの値については、1回目のランオフに使用した不織布サンプルを使い、1回目のランオフの測定終了後30秒後に、1回目に生理食塩水を滴下した位置と同じ位置に、1回目と同様にして生理食塩水を滴下した。生理食塩水が不織布サンプル表面を流れた距離を求めて、2回目のランオフの値を得た。
(v)3回目以降のランオフの値については、その前回の不織布サンプルを使用して、同様に繰り返した。生理食塩水が不織布サンプル表面を流れた距離を求めて、3回目以降のランオフの値を得た。
結果を表1に示す。
不織布(不織布サンプルを含む)の厚さは、厚み測定機((株)大栄科学精器製作所製の商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A)を用い、不織布に294Paの荷重を加えた状態で測定した。
水と繊維表面の初期接触角は、上述した方法を用いて測定した。
[水と繊維表面との水透過後接触角]
水と繊維表面の水透過後接触角は、上述した方法を用いて測定した。
繊維処理剤Aが付与された繊維1を用い、パラレルカード機を使用して、第1繊維層となる第1繊維ウェブを製造した。第1繊維ウェブの目付は、約30g/m2であった。
この第1繊維ウェブを、熱風貫通式熱処理機を用いて135℃で約15秒間熱処理し、実施例1の不織布として用いた。実施例 E1-1の不織布の厚さは、0.53mmであった。
第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は76°であり、水透過後接触角は73°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、3であり、接触角変化率は、3.9%であった。
更に、針状突起を有する金属ロールと、弾性ロールとの間に不織布を通すことにより開孔した。開孔は1cm2あたり約8個含まれており、開孔は略楕円形状であり、開孔の孔径は、MD方向が約1.40mmであり、CD方向が約0.50mmであり(従って、開孔径は、1.40mm)、開孔面積率(単に開孔率ともいう)は、約4.5%であった。
第1繊維ウェブの目付を約40、50及び60g/m2に変更した以外は、実施例 E1-1に記載した方法と同様の方法を用いて、実施例 E1-2〜E1-4の不織布を得た。実施例 E1-2〜E1-4の不織布の厚さは、表2に示す。実施例 E1-2〜E1-4の不織布は、実施例 E1-1と同様の開孔を有する。即ち、開孔は1cm2あたり約8個含まれ、開孔は略楕円形状であり、開孔の孔径は、MD方向が約1.40mmであり、CD方向が約0.50mmであり(従って、開孔径は、1.40mm)、開孔率は、約4.5%であった。
各々の実施例について、第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は76°であり、水透過後接触角は73°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、3であり、接触角変化率は、3.9%であった。
実施例 E2-1〜E2-4及び比較例 C1-1〜C3-16について、表2〜6に記載した繊維及び繊維処理剤を使用し、目付を表2〜6に各々示す値に変えて、上述の実施例E1-1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例 E2-1〜E2-4及び比較例 C1-1〜C3-16の不織布を得た。尚、実施例 E2-1〜E2-4 及び比較例 C1-9〜C1-12、C2-9〜C2-12、C2-17〜C2-20、C3-5〜C3-8、C3-13〜C3-16は、実施例 E1-1と同様の開孔を設けた。一方、比較例 C1-1〜C1-8、C2-1〜C2-8、C2-13〜C2-16、C3-1〜C3-4及びC3-9〜C3-12は、開孔を設けなかった。
実施例E2-1〜E2-4、比較例C1-1〜C1-4、C2-1〜C2-4について、第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は76°であり、水透過後接触角は73°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、3であり、接触角変化率は、3.9%であった。
比較例C1-5〜C1-12、C2-5〜C2-12、C3-1〜C3-8について、第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は61°であり、水透過後接触角は102°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、41であり、接触角変化率は、67.2%であった。
比較例C2-13〜C2-19、C3-9〜C3-16について、第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は53°であり、水透過後接触角は65°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、12であり、接触角変化率は、22.6%であった。
繊維処理剤Aが付与された繊維1を用い、パラレルカード機を使用して、第1繊維層となる第1繊維ウェブを製造した。第1繊維ウェブの目付は、約12g/m2であった。
繊維処理剤Cが付与された繊維3を用い、パラレルカード機を使用して、第2繊維層となる第2繊維ウェブを製造した。第2繊維ウェッブの目付は、約18g/m2であった。
この第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを重ね合わせて、熱風貫通式熱処理機を用いて135℃で約15秒間熱処理し、一体化して、実施例 E4-1の不織布を得た。実施例 E4-1の不織布の目付は、約30g/m2であり、厚さは、0.50mmであった。
更に、実施例E1-1と同様にして、同様の開孔を設けた。
第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は76°であり、水透過後接触角は73°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、3であり、接触角変化率は、3.9%であった。
第2繊維層を構成する繊維の初期接触角は53°であり、水透過後接触角は65°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、12であり、接触角変化率は、22.6%であった。
実施例E4-2〜E7-4について、表7〜8に記載した繊維及び繊維処理剤を使用し、第1繊維ウェブ及び第2繊維ウェブの目付を、表7〜8に各々示す値に変えて、上述の実施例E4-1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例E4-2〜E7-4の不織布を得た。
実施例E4-2〜E7-4について、第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は76°であり、水透過後接触角は73°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、3であり、接触角変化率は、3.9%であった。
また、第2繊維層を構成する繊維の初期接触角は53°であり、水透過後接触角は65°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、12であり、接触角変化率は、22.6%であった。
比較例 C4-1〜C7-4について、表9〜10に記載した繊維及び繊維処理剤を使用し、第1繊維ウェブ及び第2繊維ウェブの目付を、表9〜10に各々示す値に変えて、上述の実施例E4-1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、比較例C4-1〜C7-4の不織布を得た。ただし、比較例C4-1〜C7-4は、いずれも開孔を設けなかった。
比較例C4-1〜C7-4について、第1繊維層を構成する繊維の初期接触角は76°であり、水透過後接触角は73°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、3であり、接触角変化率は、3.9%であった。
また、第2繊維層を構成する繊維の初期接触角は53°であり、水透過後接触角は65°であった。従って、初期接触角と水透過後接触角との差の絶対値は、12であり、接触角変化率は、22.6%であった。
[吸収性物品の製造]
市販の生理用ナプキン(P&G社製の商品名ウィスパーピュアはだ超スリム)から、トップシート/セカンドシート/吸収体の三層構造の吸収性物品を取り出した。その吸収性物品からトップシートを剥がして除去し、そのトップシートの代わりに、上述の実施例及び比較例の不織布を積層して、評価用吸収性物品を得た。尚、実施例及び比較例の不織布が第2繊維ウェブを有する場合、第1繊維ウェブが、外側に向くように配置した。この評価用吸収性物品を用いて、実施例及び比較例の不織布の吸液性(ウェットバック量、吸液時間及び拡散長)を評価した。
実施例及び比較例の不織布のウェットバック量は、次の方法により評価した。
(1)ウェットバック量を測定するために、下記の物品を用意した。
上述の実施例及び比較例の評価用吸収性物品
注入筒付きプレート(筒下部の内径2.5cm)
0.9%生理食塩水(青色染料で着色)
ろ紙(東洋濾紙(株)製ADVANTEC(登録商標)No.2)10cm×10cm
重り(5kg)10cm×10cm
ウェットバック量を下記の手順に従って測定した。
(i)評価用吸収性物品を、不織布(タテ42cm×ヨコ21cm)が上を向くように配置して、その上に注入筒付きプレートを乗せた。
(ii)約37℃に温めた生理食塩水50mlを筒から注入した。生理食塩水が不織布表面から見えなくなる(液体として生理食塩水が確認されなくなる)まで放置した。
(iii)注入筒付きプレートを外し、10分間静置した。
(iv)予め質量を測定したろ紙(30枚)を不織布の上に載せ、その上に5kgの重りを20秒間載せた。その後、ろ紙の質量を測定した。不織布の上に載せる前のろ紙の質量と、不織布の上に載せ、更におもりを載せた後のろ紙の質量との差が、ウェットバック量に相当する。
(v)上記(i)に戻り、(i)〜(iv)を繰り返して2回測定を行った。合計3回、ウェットバック量を評価した。
一つの試料(不織布)について、3つのサンプルを用意した。3つのサンプル各々について測定したウェットバック量の平均値を、その試料のウェットバック量とした。
結果を図に示した。不織布からしみ出す水分の量がより少ない方が、人の肌がよりむれないことから、ウェットバック量の値は、小さい方が好ましい。
上記ウェットバック量の測定の際、生理食塩水の注入から、生理食塩水が不織布表面から見えなくなる(液体として生理食塩水が確認されなくなる)時間を計測し、吸液時間とした。
結果を図に示した。より短時間で吸収する方が、人の肌がよりむれないので、吸液時間(sec)は、その値が小さい方が好ましい。
上記ウェットバック量の測定の際、生理食塩水の注入から5分後に、評価用吸収性物品のタテ方向における生理食塩水を吸収した長さを計測し、拡散長とした。
吸収性物品全体を有効に利用可能と考えられるので、拡散長(cm)の値は、大きい方が好ましい。
図1Aは、繊維処理剤Aを付与した繊維1を用い、開孔の無い不織布(C1-1からC1-4)又は開孔の有る不織布(E1-1からE1-4)をトップシートとして配置した吸収体の吸液時間を示す。図1Bは、図1Aに示す吸収体のウェットバック量を示す。
実施例E1-1〜E1-4は、比較例C1-1〜C1-4と、繊維処理剤がAである点で同じであるが、開孔の有無で相違する。開孔の有る実施例E1-1〜E1-4では、開孔の無い比較例C1-1〜C1-4と比べて、1回目の吸液時間が短くなり、1回目の吸液速度が向上することが理解できる。
比較例C1-9〜C1-12は、比較例C1-5〜C1-8と、繊維処理剤がBである点で同じであるが、開孔の有無で相違する。開孔の有る比較例C1-9〜C1-12では、開孔の無い比較例C1-5〜C1-8と比べて、1回目の吸液時間が必ずしも短くならず、開孔が1回目の吸液速度の向上を必ずしも生じないことが理解できる。これは繊維処理剤Bの親水性の高さが比較的高いためと考えられる。開孔による吸液速度の向上は、繊維処理剤Bより、親水性の高さが低い繊維処理剤Aを使用することが重要と考えられる。
図1Aを参照すると、開孔の有る実施例E1-1〜E1-4は、開孔の無い比較例C1-1〜C1-4と比べて、3回目の吸液時間が短くなり、即ち、吸液速度に関する繰り返し耐久性が改良されることがわかる。開孔の有る実施例E1-1〜E1-4では、液が開孔部分も透過するために、開孔の無い比較例C1-1〜C1-4と比べて、水の存在による、繊維処理剤の脱落の影響を受け難いと考えられる。一方、開孔の有る実施例E1-1〜E1-4について、開孔が有るので、3回目のウェットバック量は、相当悪くなると予想されたが、大きな悪化を生じなかった。従って、ウェットバック量を大きく悪化させないで、吸液速度を向上することができる。
図1Aと図1Cを比較し、図1Bと図1Dを比較する。繊維処理剤をAからBに変更すると、開孔の有る実施例E1-1〜E1-4と、開孔のある比較例C1-9〜C1-12の両方共、3回目のウェットバック量は大きく悪化しなかった。しかし、開孔の有る比較例C1-9〜C1-12の3回目の吸液時間が長くなり、吸液速度が低下することが理解できる。
図2Aは、繊維処理剤Aを付与した繊維2を使用し、開孔の無い不織布(C2-1からC2-4)又は開孔の有る不織布(E2-1からE2-4)をトップシートとして配置した吸収体の吸液時間を示す。図2Bは、図2Aに示す吸収体のウェットバック量を示す。
開孔の有る実施例E1-1〜E1-4と同様に、繊維処理剤Aを使用する場合、開孔の有る実施例E2-1〜E2-4は、開孔の無い比較例C2-1〜C2-4と比べて、1回目のウェットバック量を大きく悪化させないで、1回目の吸液速度を向上させることができた。
繊維処理剤Bを使用すると、開孔の有る比較例C2-9〜C2-12は、開孔の無いC2-5〜C2-8と比較すると、1回目のウェットバック量は大きく悪化しなかったが、1回目の吸液速度が低下した。
従って、繊維処理剤をAからBに変更すると、開孔を設けても吸液速度を向上することができなかった。
繊維処理剤Cを使用すると、開孔の有る比較例C2-17〜C2-20は、開孔の無いC2-13〜C2-16と比較すると、1回目のウェットバック量は大きく悪化しなかったが、1回目の吸液速度が低下した。
従って、繊維処理剤をAからCに変更すると、開孔を設けても吸液速度を向上することができなかった。
繊維処理剤をAからCに変更すると、親水性が大きくなるので吸液速度は早くなると予想されるが、逆に、吸液時間は長くなり、吸液速度は低下する傾向にある。
図3Aは、繊維処理剤Bを付与した繊維3を使用し、開孔の無い不織布(C3-1〜C3-4)又は開孔のある不織布(C3-5〜C3-8)をトップシートとして配置した吸収体の吸液時間を示す。図3Bは、図3Aに示す吸収体のウェットバック量を示す。
繊維処理剤Bを使用すると、開孔の有る比較例C3-5〜C3-8は、開孔の無いC3-1〜C3-4と比較すると、1回目のウェットバック量は減少傾向にあったが、1回目の吸液速度が低下した。
従って、繊維処理剤をAからBに変更すると、開孔を設けても吸液速度を向上することができなかった。
繊維処理剤Cを使用すると、開孔の有る比較例C3-13〜C3-16は、開孔の無いC3-9〜C3-12と比較すると、1回目のウェットバック量は減少傾向にあったが、1回目の吸液速度が低下した。
従って、繊維処理剤をAからCに変更すると、開孔を設けても吸液速度を向上することができなかった。
繊維処理剤Cのような高い親水性を有する繊維処理剤を使用すると、開孔を有する場合、開孔部分を透過する液の他に、親水性が高いために非開孔部分を透過する液の割合も増えて、結果的に吸液時間が長くなると考えられる。
図4Aは、繊維処理剤Aを付与した繊維1で形成した第1繊維層と繊維処理剤Cを付与した繊維3で形成した第2繊維層の積層体であり、開孔の無い不織布(C4-1〜C4-4)又は開孔の有る不織布(E4-1〜E4-4)をトップシートとして配置した吸収体の吸液時間を示す。図4Bは、図4Aに示す吸収体のウェットバック量を示す。
開孔の有る実施例E4-1〜E4-4は、開孔の無い比較例C4-1〜C4-4と比べると、1回目の吸液時間が短くなり、1回目の吸液速度が向上することが理解できる。1回目のウェットバック量は、大きく悪化していないことも理解できる。
図6Aは、繊維処理剤Aを付与した繊維5で形成した第1繊維層と繊維処理剤Cを付与した繊維3で形成した第2繊維層の積層体であり、開孔の無い不織布(C6-1〜C6-4)又は開孔の有る不織布(E6-1〜E6-4)をトップシートとして配置した吸収体の吸液時間を示す。図6Bは、図6Aに示す吸収体のウェットバック量を示す。
図7Aは、繊維処理剤Aを付与した繊維2で形成した第1繊維層と繊維処理剤Cを付与した繊維3で形成した第2繊維層の積層体であり、開孔の無い不織布(C7-1〜C7-4)又は開孔の有る不織布(E7-1〜E7-4)をトップシートとして配置した吸収体の吸液時間を示す。図7Bは、図7Aに示す吸収体のウェットバック量を示す。
従って、液が最初に接する層(第1繊維層)と異なる層(第2繊維層)に、繊維処理剤Cのような親水性が高い繊維処理剤を使用しても、吸液速度は低下しないことが理解できる。
Claims (8)
- 繊維処理剤が付与された第1繊維層を有し、複数の開孔が貫通する単層の又は積層された不織布であり、
繊維処理剤の親水性の高さが、下記方法で評価されたときに、1回目のランオフの値が、2.4cm以上である、不織布。
(i)0.40質量%の繊維処理剤が付与された、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分が高密度ポリエチレンであり、複合比(芯/鞘、容積比)が50/50である同心芯鞘型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:45mm)を使用して、パラレルウェブ法及びエアスルー法(加熱温度:135℃、処理時間:9秒、風速:1.1m/s)を用いて、繊維処理剤の不織布サンプル(目付:50g/m2、寸法:タテ30cm×ヨコ7.0cm、厚さ:1.9mm)を用意する。
(ii)水平面と30度の角度を有する斜面を準備し、その斜面上に、ろ紙(Lister Paper(Grade989、10cm×10cm)を、不織布サンプルの寸法以上となるように重なりなく敷きつめて、その上に不織布サンプル載せて固定する。
(iii)不織布サンプルの上端から1cm下方の位置に、0.90%生理食塩水(青色染料で着色)を、マイクロチューブポンプまたはビュレットから、1.0g/30secの速度で、合計1.0gを30sec間かけて、滴下する。全ての生理食塩水が不織布サンプルに吸収され、生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面から消えたときの生理食塩水の先端の位置を測定する。当該位置と生理食塩水を不織布サンプル表面に滴下した位置との間の距離、即ち生理食塩水の水滴が不織布サンプル表面を流れた最長の距離を求めて、1回目のランオフの値を得る。 - 繊維処理剤は水と接触してもそれらの親水性の高さの程度が維持される親水性を有する、請求項1記載の不織布。
- 第1繊維層を有し、複数の開孔が貫通する単層の又は積層された不織布であり、
水が透過する前の、水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角が65°以上85°以下である、不織布。 - 水と第1繊維層を構成する繊維表面の接触角について、
水透過後の接触角と水透過前の接触角の差の絶対値が35以下である、又は
水透過前の接触角を基準とする、次式で示す接触角変化率が、60%以下である、
請求項3に記載の不織布。
接触角変化率(%)=|水透過後接触角−水透過前接触角|/水透過前接触角×100 - 第1繊維層は、偏心芯鞘型複合繊維を含む請求項1〜4のいずれかに記載の不織布。
- 第1繊維層に隣接する第2繊維層を更に有し、第2繊維層は、偏心芯鞘型複合繊維を含む請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の不織布を含み、第1繊維層が人の肌に対向するように配置される、吸収性物品用トップシート。
- 請求項7に記載のトップシートを含み、第1繊維層が人の肌に対向するように配置される、吸収性物品。
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