JP2017186695A - 衣類 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合部及びその周辺での生地の伸縮性を同等に保ち、肌触り等の着心地が良好な衣類を提供する。
【解決手段】複数の生地片10a,10bが接着剤30で接合されて構成されている衣類であって、生地片10a,10b同士の接合部に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片10a,10bに接着剤が浸透した浸透層Ca,Cbが密接した接着層Cが形成され、接合部の2枚の生地片10a,10bの生地厚みTに対する接着層の最大厚みTbmaxの比が0.4〜0.8の範囲に設定されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数の生地片が接着剤で接合されて構成されている衣類に関する。
一般的に、衣類は、所定の基準パターンに沿って裁断された複数の生地片が互いに接合されることによって身体に沿う立体構造になるように構成されている。そして、そのような生地片を接合するためにミシンを用いた縫製処理が採用されている。
しかし、縫製処理を採用した生地片の端部処理や接合処理は、その縫製部位が厚手になることから、ごろつく等といった肌触りの悪さの原因となっていた。また、手間の掛かる縫製処理よりも簡易で製造コストを低減可能な接合処理が望まれていた。
特許文献1には、接合部分が薄く仕上がり、しかも縫製箇所を無くすことにより、肌触りが良く、簡単に製造できるショーツを提供することを目的として、前身頃端部と後身頃端部を重ね合わせて、当該箇所を熱可塑性樹脂フィルムで接着し、またクロッチ部に裏当て布を熱可塑性樹脂フィルムで接着したショーツが提案されている。熱可塑性樹脂フィルムとして、熱可塑性ポリウレタン等の伸縮性を有するホットメルト接着剤が用いられている。
また、特許文献2には、長時間の着用後の伸長回復性が良好で、洗濯後も接着部位がはがれにくく、低温環境下においても接着部である端縁部や接合部が硬くならず、風合いの良好な衣類を得ることを目的として、接着部が衣類の端縁部、及び/又は、生地部品を複数接合して衣類を構成するための部品接合部であり、該接着部が、生地内部に熱可塑性ポリウレタン樹脂が浸透してなる樹脂浸透部と、該樹脂浸透部に接して生地表面に熱可塑性ポリウレタン樹脂によって形成される樹脂層とを有し、接着部における樹脂層厚みの樹脂浸透部厚みに対する比が0.1〜1.5である衣類が提案されている。
実用新案登録第3136098号公報 特開2010−203008号公報
特許文献2に記載されたような樹脂浸透部と樹脂浸透部に接して生地表面に樹脂層が形成された接着部を備えた衣類は、十分な接着強度が得られ、ある程度の伸長回復特性が得られるのであるが、接着部とその周囲の生地片との伸縮性に明らかな差異が現れ、それが肌触り等の着心地に大きな影響を与えるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、接合部及びその周辺での生地の伸縮性を同等に保ち、肌触り等の着心地が良好な衣類を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による衣類の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、複数の生地片同士が接着剤で接合された接合部を備えている衣類であって、前記接合部に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片に接着剤が浸透した浸透層が密接した接着層が形成されている点にある。
接合部で互いの生地片の間に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片に接着剤が浸透した浸透層が接合部で密接した接着層が形成されることにより、接合部での生地の伸縮性が接着剤の伸縮特性に支配されるのではなく、主に各生地を構成する編目や織目特性に支配されるようになる。そのため、接着層とその周辺で生地片の伸縮性に大きな変化が生じるようなことが無く、着用者の身体の動きに応じて生地本来の伸縮性が発揮され、接合部が厚手になったりごろついたりすることなく肌触りの良い状態が維持される。しかも両生地片の接合部で各生地を構成する編目や織目間の空隙に浸透した接着剤により十分な接着強度が得られるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記接合部の2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.3〜0.8である点にある。
厚み比が上述の範囲にあれば、生地片本来の肌触りの良い状態を維持しながらも、接合部とその周辺領域で略同等の伸縮性能が得られ、良好な肌触りの衣類が実現できるとともに、十分な接着強度が確保される衣類を提供することができるようになる。
厚み比が0.3より小さければ、接着強度が弱く、十分な接着強度が確保される衣類が実現できないので望ましくない。厚み比が0.8より大きければ、生地片本来の肌触りの良い状態を維持することができず、接合部の伸縮性能がその周辺領域の伸縮性能に劣り、良好な肌触りの衣類が実現できないので望ましくない。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記接合部の外縁を包絡する各生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.4〜0.8である点にある。
面積比が上述の範囲にあれば、接合部とその周辺領域で略同等の伸縮性能及び伸長回復特性が得られ、良好な肌触りの衣類が実現できるようになる。
面積比が0.4より小さければ、接着強度が弱く、十分な接着強度が確保される衣類が実現できないので望ましくない。面積比が0.8より大きければ、接合部の伸縮性能及び伸長回復特性がその周辺領域の伸縮性能及び伸長回復特性に劣り、良好な肌触りの衣類が実現できないので望ましくない。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記接着剤は生地片の間に配置され加熱処理されることにより生地片同士が接着されるテープ状のホットメルト接着剤である。
一方の生地片にテープ状のホットメルト接着剤を配置し、その上に他方の生地片を重畳して加熱処理するというシンプルな工程で容易に接着することができる。予めテープの幅や形状を所望の形状に加工することができる点で自由度の高い接着パターンが得られる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記接着剤は生地片に塗布された溶融または軟化状態の樹脂が加熱処理されることにより接着されるホットメルト接着剤である点にある。
一方の生地片に溶融または軟化状態の樹脂が塗布され、その上に他方の生地片を重畳して加熱処理するという工程で、平坦面以外に湾曲面等であっても容易に接着することができる。樹脂の塗布量や塗布パターンを調整することができる点で自由度の高い接着パターンが得られる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第五の特徴構成に加えて、前記生地片は熱変形弾性糸が編み込まれた生地片であり、前記熱変形弾性糸の熱変形温度よりも低い軟化温度または溶融温度を有するポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とするホットメルト接着剤が前記生地片に塗布され、加熱処理により前記接合部が構成されている点にある。
熱変形弾性糸の熱変形温度よりも低い軟化温度または溶融温度を有するポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とする接着剤が、生地片の接着部位に塗布されて加熱処理されると、生地片に編み込まれた熱変形弾性糸に熱による影響を及ぼすことなく、熱変形弾性糸の熱変形温度よりも低い軟化温度または溶融温度を有するポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とする接着剤が溶融して生地を構成する繊維間に浸潤して両生地が接着されるようになる。その結果、加熱時に生地片にテカリや当たり等のダメージを与えることなく、解れ止め機能が損なわれたり、耐久性が損なわれてコース方向に沿った目割れが生じたりすることが無くなり、伸縮性が阻害されることが無く良好な着心地の衣類が得られるようになる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第六の特徴構成に加えて、前記熱変形弾性糸が軟化温度140℃から185℃のポリウレタンであり、前記ホットメルト接着剤の主成分がウレタンまたはオレフィンを含むポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種である点にある。
熱変形弾性糸の軟化温度が140℃より低いポリウレタンは、原糸製造時に繊度バラツキが発生し易いのに対して、軟化温度が140℃以上のポリウレタンは繊度バラツキが少なく安定しているため、生地品位の低下を回避できるようになる。熱変形弾性糸の軟化温度が185℃以下のポリウレタンを用いれば、生地製造時に生地焼け等を生じることなくウレタン同士が熱融着するので良好な解れ止め処理が実現できる。
熱変形弾性糸として軟化温度140℃から185℃のポリウレタンが用いられ、接着剤の主成分がウレタンまたはオレフィンを含むポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種が用いられると、ポリウレタンとの親和性に優れ、ポリウレタンの軟化温度より低い温度での熱処理による良好な接着が可能になる。
同第八の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第六または第七の特徴構成に加えて、前記ホットメルト接着剤の120℃溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sである点にある。
接着剤の120℃溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sであれば熱処理時に大きな加圧力を与えなくても、生地を構成する繊維間に良好に接着剤が浸潤し、十分な接着強度が得られるようになる。その結果、熱変形弾性糸に熱的影響を与えたり、生地片にテカリや当たり等のダメージを与えたりすることなく良好に接着できるようになる。
接着剤の120℃溶融粘度が8000mPa・sより小さいと、接着剤が生地に浸潤し過ぎるため、接着強度を低下させたり、接着剤が生地の反対側表面にまで浸潤するため、見栄えの劣化が生じるので望ましくない。接着剤の120℃溶融粘度が22000mPa・sより大きいと、熱処理時に大きな加圧力を与えなければ、生地を構成する繊維間に接着剤を浸潤させることができないので、熱変形弾性糸に熱的影響などを与えるので望ましくない。
同第九の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第五から第八の何れかの特徴構成に加えて、前記ホットメルト接着剤は反応型ホットメルト樹脂である点にある。
反応型ホットメルト樹脂は、加熱処理された後に架橋反応が進み、強固な接着層が形成されるようになり、接着後に架橋反応が進むと耐熱性が現れるので、その後の加熱処理で溶融するようなことがなく、良好な接着状態が維持される。例えば、溶融された反応型ホットメルト樹脂を生地の接着部に塗布し、架橋反応が進む前に接着対象となる生地を位置決めして重畳して軽く押し付けることで仮止め状態に移行しその後、加熱処理すると反応型ホットメルト樹脂が溶融して生地を構成する繊維間に浸潤して両生地が接着されるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、接合部及びその周辺での生地の伸縮性を同等に保ち、肌触り等の着心地が良好な衣類を提供することができるようになった。
(a)は本発明による衣類の一例であるアンダーシャツの正面表側から視た説明図、(b)は同背面表側から視た説明図、(c)は着用状態の説明図 本発明による衣類を構成する生地片を編地から裁断する際の説明図 本発明による衣類の身生地を構成するヨコ編地の編組織の説明図 (a)は肩接ぎの接合処理の説明図、(b)は袖部の接合処理の説明図、(c)はアームホールの接合処理の説明図、(d)は接合処理が終了した衣類の説明図 熱処理の説明図 (a)から(d)はそれぞれ接着パターンの態様の説明図 接着部の説明図 (a),(b),(c)はそれぞれテープ状のホットメルト接着剤の形状の説明図 実施例1〜11、比較例1,2の生地片の接合部の2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比、接着剤単独層の厚み、接合部の2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比(接着面積比)、風合いの評価、回復性の評価を示す表 (a)実施例1,(b)実施例7,(c)実施例11,(d)比較例1,(e)比較例2の生地片の生地の厚み方向の断面の走査型電子顕微鏡写真 実施例12〜19、比較例3〜6の生地片に使用した熱変形性弾性糸、接着剤の特性、加熱処理温度(プレス温度)、接着強度、接着部の品位の評価を示す表
以下、本発明による衣類を図面に基づいて説明する。
図1(a),(b),(c)には、本発明による衣類の一例である正面視、背面視及び着用状態のアンダーシャツ1が示されている。当該アンダーシャツ1は、前身頃2、後身頃3及び左右の袖部4を備えて構成され、前後身頃2,3の肩線同士が肩接ぎ部7で接合されるとともに前後身頃2,3のアームホールAHf,AHbに左右の袖部4の袖山がそれぞれ接合されている。図1中、各接合部が破線で示されている。
図2に示すように、当該アンダーシャツ1は、丸編機で編成された筒状の生地Tを用いて構成されている。具体的に、天竺編、フライス編またはスムース編等の長尺の筒状生地Tが所要の着丈L1を確保可能な長さで裁断されるとともに、筒状体の上部がアームホールAHf,AHb、肩線SLf,SLb、及び襟刳りNHf,NHbとなる部位で裁断され、裁断片から袖部4を構成する生地片が裁断される。つまり、当該アンダーシャツ1は、脇接ぎ部の無い筒状体で構成されている。
図1(c)に示すように、次に、袖部4の端縁40が筒状となるように下部で接合されて袖下接ぎ部41が構成され、身生地の肩線SLf,SLb同士が接合されて肩接ぎ部7が構成され、アームホールAHf,AHbに袖部4が接合されて袖接ぎ部AHが構成され、さらに襟刳りNHf,NHbに丸襟5が接合される。
袖下接ぎ部41、肩接ぎ部7及び袖接ぎ部AHの接合処理に接着剤を用いた接着処理が採用され、襟刳りNHf,NHbと丸襟5との接合処理に縫製処理が採用されている。
尚、本発明によるアンダーシャツ1は、ヨコ編地を用いた筒状体生地で構成される態様に限られることはなく、前後身頃2,3の左右が裁断されたヨコ編地を用いて前身頃2と後身頃3をそれぞれ左右の脇部で接合するように構成された態様であってもよい。その場合、脇部の接合処理にも接着剤を用いた接着処理が採用されることが好ましい。また、襟刳りNHf,NHbに特段の襟を縫製することなく、後述する切りっ放し処理で襟刳りNHf,NHbそのもので丸襟5が構成されていてもよい。
何れの生地を用いる場合でも、ヨコ編地のコース方向が身幅に沿うように、そしてウェール方向が着丈に沿うように用いられることが好ましく、ヨコ編地のコース方向が袖部4の袖周りに沿うように用いられることが好ましい。
図3には、当該アンダーシャツ1に用いられるヨコ編地(丸編地)の編組織が示されている。当該ヨコ編地10は、熱変形性弾性糸11とその他の糸12がプレーティング編みで編成され、その後にヒートセット加工が施されることによって熱変形した熱変形性弾性糸11がその他の糸12の周りで互いに融着することにより解れ止め機能が発現する編地で構成されている。
本実施形態では、熱変形性弾性糸11として22〜44dtex(デシテックス/フィラメント)のポリウレタン弾性糸が用いられ、その他の糸12として単糸繊度80/1〜30/1番手の綿糸または綿とレイヨンの混紡糸が用いられている。ポリウレタン弾性糸11のフィラメント数は特に限定されず、モノフィラメントでもマルチフィラメントでもよい。
それぞれ異なる給糸口から編み針に給糸して編み立てられたプレーティング編地は、各編成ループにおける低融点ポリウレタン弾性糸11と綿糸12との配置が安定しているため、全てのループに低融点ポリウレタン弾性糸11を隣接させることができ、編立後のヒートセット加工により低融点ポリウレタン弾性糸を溶融すれば、編地の全てのループで確実にほつれ止め機能が発現するようになる。
当該ヨコ編地10は丸編機を用いて筒状シームレスの編地に編成された後にセット機にセットされて150〜190℃でヒートセットされ、必要に応じて染色工程を経た後に再度セット機にセットされ、張力がかけられた状態で100〜120℃の温度で最終的なヒートセットが行なわれる。
上述したように、低融点ポリウレタン弾性糸11とともにヨコ編地10を構成するその他の糸12として、綿糸等の天然繊維が好適に用いられるが、天然繊維以外に、キュプラ、ビスコースレーヨン等の再生セルロース繊維、天然繊維との混紡糸、ポリエステル等の合成繊維等を用いることも可能である。
このような解れ止め加工を施した編地を採用すれば、パイピング処理等の特段の解れ止め処理をしなくても、裁断端部から繊維が解れることが無い。このような端部を切りっ放し処理された端部といい、洗濯を繰り返しても切りっ放し処理された端部から繊維が解れるような見栄えの悪化を招くことが無い。
パイピング処理の他、例えば端部を折り返して縫着するような解れ止め加工が不要になるので、端部の厚み等に起因する肌触りの悪化による不快感を招くことがなく、肌に優しい衣類が提供できるようになる。
図1(a)〜(c)及び図2に示したアンダーシャツ1は、肩線SLf,SLb、襟刳りNHf,NHb、アームホールAHf,AHb、袖部4の端縁40、袖先44及び裾6が切り放し処理されている。
熱変形性弾性糸として低融点ポリウレタン弾性糸のような熱融着性弾性糸を用いる以外に、ポリウレタンウレア弾性繊維を用いることも可能である。ヒートセット加工等の加熱加工によりポリウレタンウレア弾性繊維同士またはポリウレタンウレア弾性繊維と相手糸との接触点でポリウレタンウレア弾性繊維の圧縮変形が発生し、ポリウレタンウレア弾性繊維同士またはポリウレタンウレア弾性繊維への相手糸の固着が生じるため、編地からポリウレタンウレア弾性繊維や相手糸が抜けにくくなり、カールや解れが抑制された編地を得ることができる。
つまり、加熱処理により溶融し或いは圧縮変形するような特性を備えた熱変形性弾性糸であれば低融点ポリウレタン弾性糸やポリウレタンウレア弾性糸以外の繊維も値用可能である。つまり熱変形温度とは、ポリウレタンの軟化温度やポリウレタンウレアの圧縮変形温度等、解れ止め機能を具現化するために熱変形する温度を意味する。
図4(a)には肩接ぎ部7の接合状態が示され、図4(b)には袖下接ぎ部41の接合状態が示され、図4(c)には袖接ぎ部AHの接合状態が示され、図4(d)には接合処理後のアンダーシャツ1が示されている。
図4(a)に示すように、前身頃2の肩線SLfの表側縁部に沿った所定幅の帯状領域に接着剤30がジグザグ状に塗布され、後身頃3側の肩線SLbの裏側縁部がその上に重畳されて肩接ぎ部7が構成されている。尚、後身頃3側の肩線SLbの表側縁部に接着剤30が塗布され、前身頃2の肩線SLfの裏側縁部がその上に重畳されていてもよい。
図4(b)に示すように、袖部4の一対の端縁40のうち後身頃3側の端縁40の表側縁部に沿った所定幅の帯状領域に接着剤30がジグザグ状に塗布され、前身頃2側の端縁40の裏側縁部がその上に重畳されて袖下接ぎ部41が構成されている。上述と同様、端縁40の一方の縁部に接着剤を塗布して他方の縁部を重畳させればよい。
図4(c)に示すように、肩接ぎ部7が接合されて輪状に形成されたアームホールAHf,AHbの表側縁部に沿った所定幅の帯状領域に接着剤30がジグザグ状に塗布され、袖部4の袖山45の裏側縁部がその上に重畳されて袖接ぎ部AHが構成されている。袖部4の袖山45の表側縁部に沿った所定幅の帯状領域に接着剤30が塗布され、アームホールAHf,AHbの裏側縁部がその上に重畳されていてもよい。
図4(d)に示すように、接着剤による接合処理が終了すると、襟刳りNHf,NHb、袖先44及び裾6が切りっ放し処理されたアンダーシャツ1が出来上がる。
接着剤として、生地片に編み込まれた熱変形弾性糸の熱変形温度よりも低い軟化温度または溶融温度を有するポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とする接着剤が好適に用いられ、加熱溶融した接着剤を熱変形弾性糸の熱変形温度より低温で加熱処理することにより接着される。
具体的に、熱変形弾性糸として熱変形温度が140℃から185℃の範囲のポリウレタンが用いられ、接着剤として主成分がウレタンまたはオレフィンを含むポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とする湿気硬化性の反応型ホットメルト樹脂が用いられる。
図5に示すように、120℃に加熱した液状の接着剤30を、ギアポンプ50を備えたノズル52から生地片(例えば袖部4)の帯状領域に供給塗布した後、その上に接合対象となる生地片(例えば身頃2のアームホール)を位置決めして重畳することで仮止めし、仮止め後、例えば両生地片の重畳部を筒状体54と加熱ローラ56との間に挟み込んで加熱ローラ56を回転させて約70℃の温度で重畳領域全体を加熱処理することにより、接着剤30が溶融して両生地片を構成する繊維に浸潤する。接着後に架橋反応が進むことにより耐熱性が現れ、その後の加熱処理で溶融することは無い。尚、加熱処理時の圧力は、150〜300gf/cmが好ましい。
このような接着剤を生地片の接着部位に塗布して加熱処理すると、接着剤が軟化または溶融して生地を構成する繊維間に浸潤して両生地が接着されるようになる。このとき、生地片に編み込まれた解れ止めの熱変形弾性糸に熱による影響を及ぼすことなく、解れ止め機能の劣化を来すことが無い。
接着剤の120℃溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sであることが好ましく、13000mPa・sから19000mPa・sであることがさらに好ましい。
接着剤の120℃溶融粘度がこれらの範囲であれば熱処理時に大きな加圧力を与えなくても、生地を構成する繊維間つまり生地の厚み方向及び面方向に良好に接着剤が浸潤し、十分な接着強度が得られるようになる。また、その際に接着剤が生地の反対側表面に浸潤することも無いので、見栄えの劣化が生じることも無い。その結果、熱変形弾性糸に熱的影響を与えたり、生地片にテカリや当たり等のダメージを与えたりすることなく良好に接着できるようになる。
このような接着剤を用いて接合処理する好適な対象としてアームホールのような生地片を輪状に接合する必要がある箇所が挙げられる。予め生地に塗布する接着剤であればアームホール等の立体的な接合部であっても容易に塗布することができ、また接着剤の塗布量や塗布パターンを調整することにより後述の特徴を備えた接着層が容易に形成できるので、接着領域での生地の伸縮性や柔軟性が他の領域と殆ど変ることなく良好な肌触りが得られるようになる。
図6(a)〜(f)には、接着層を形成する線状の接着パターンが例示されている。身生地となるヨコ編地10の伸縮方向10dつまりコース方向に沿う直線Lに対して、所定の繰返しピッチBp、所定の振幅Baで交差するように加熱溶融された接着剤30が線状に連続またはドット状に塗布され、その後、相手側の身生地と重畳されて加熱処理されることにより接着される。
ヨコ編地10の伸縮方向10dに沿う任意の直線Lと線状の接着パターンとの交点に注目すると、所定ピッチBpの2倍のピッチで接着剤が塗布された接着点Bと、隣接する接着点Bの間の非接着領域NBが交互に配列されるようになる。つまり、伸縮方向10dに沿った任意の直線L上に接着位置が点状に分布する。
このような関係が所定幅の帯状領域で維持されることにより、ヨコ編地10の伸縮方向10dに沿う任意の直線Lに沿って接着点Bでは伸縮が多少抑制される場合であっても、大半の非接着領域NBで伸縮が許容され、全体として伸縮が許容されながらも、両生地が強固に接着されるようになる。
接着剤が塗布される帯状の領域の好ましい幅は振幅Ba2mm〜15mmであり、4mm〜10mmがより好ましい。
接着パターンとして、図6(a),(b),(c)に示すようなジグザグパターンや、図6(d)に示すようなサインカーブのような曲線の繰返しパターンや、図6(e)に示すような菱形の繰返しパターン等、伸縮方向10dに沿った任意の直線L上で接着位置が非接着領域を挟んで点状に分布するような任意のパターンを採用することができる。さらに、図6(f)に示すように、所定サイズのドット状に配列するように接着剤を塗布してもよい。
図7上部にはジグザグ状に接着剤30が塗布されたヨコ編地10bが示され、図7下部にはその接着剤30の塗布後に接着対象となるヨコ編地10aが重畳され、熱処理された後のA−A線断面つまり接着層Cの断面が示されている。
ヨコ編地10bの表面に塗布された接着剤30が、所定の加圧状態で熱処理されることによって両生地片10a,10bの厚み方向に浸潤し、生地片10a,10b同士の接合部に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片10a,10bに接着剤30が浸透した浸透層Ca,Cbが密接した接着層Cが形成される。
このような接着層Cを構成すると、接合部での生地の伸縮性が接着剤30の伸縮特性に支配されるのではなく、主に各生地10a,10bを構成する編目や織目特性に支配されるようになる。そのため、接着層Cとその周辺で生地片10a,10bの伸縮性に大きな変化が生じるようなことが無く、着用者の身体の動きに応じて生地本来の伸縮性が発揮され、接合部が厚手になったりごろついたりすることなく肌触りの良い状態が維持される。しかも両生地片10a,10bの接合部で各生地を構成する編目や織目間の空隙に浸透した接着剤により十分な接着強度が得られるようになる。
生地片10a,10b同士の接合部に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片10a,10bに接着剤30が浸透した浸透層Ca,Cbが密接した接着層Cが形成されていることの確認は、熱処理された後の接合された生地片の厚み方向の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM)、倍率:50〜100倍)にて撮影して行う。具体的には、生地10aの編地表面が突出して生地10b側に最も接近している部分の頂点とこの最も接近している部分と同程度に突出している部分の頂点の2点間を含む直線と、生地10b側の編地表面が突出して生地10a側に最も接近している部分の頂点とこの最も接近している部分と同程度に突出している部分の頂点の2点間を含む直線との間に連続した接着剤単独層が形成されているかどうかを確認する。本明細書中で、生地片同士の接合部に接着剤単独層が形成されていないということは、生地10a側で結ばれた直線と生地10b側で結ばれた直線との間に連続した接着剤単独層が形成されていないことを意味する。
このとき、接合部の2枚の生地片の生地平均厚みTに対する接着層Cの最大厚みTbmaxの比が0.3〜0.8の範囲に入るように接着層Cが構成されていることが好ましい。接合部の2枚の生地片の生地平均厚みTは、熱処理された後の接合された生地片の断面をSEM(倍率:50〜100倍)にて撮影し、無作為に選んだ10点の接合部の2枚の生地片の生地厚みを測定し、その平均値によって表される。接着層Cの最大厚みTbmaxは、SEM写真から接着層Cの厚みが生地の厚み方向で最大となる部分の厚みを測定する。
厚み比が上述の範囲にあれば、生地片本来の肌触りの良い状態を維持しながらも、接合部とその周辺領域で略同等の伸縮性能が得られ、良好な肌触りの衣類が実現できるとともに、十分な接着強度が確保される衣類を提供することができるようになる。
また、両生地片10a,10bの厚み方向に浸潤した浸透層Ca,Cbは、両生地に均等に浸潤するように構成されることが望ましいが、何れか一方の浸透層Caの厚みが他方の浸透層の厚みCbの0.5倍から1.5倍の範囲であればよく、0.8倍から1.2倍の範囲であればより好ましい。
接合部の外縁を包絡する各生地片10a,10bの重畳部Rの面積S、つまり図6(a)〜(f)の繰返しピッチBpと振幅Baの積で求まる面積に対する接着部の面積S1の比は0.4〜0.8であることが好ましく、0.5〜0.7であることがより好ましい。ここで、繰返しピッチBpや振幅Baは、接着対象となる生地特性や目標とする接着強度等に基づいて適宜設定される値である。
面積比が上述の範囲にあれば、接合部とその周辺領域で略同等の伸縮性能及び伸長回復特性が得られ、良好な肌触りの衣類が実現できるようになる。
接着剤として、ウレタンまたはオレフィンを含むポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とする湿気硬化性の反応型ホットメルト樹脂を用いた例を説明したが、ポリウレタン等の熱変形弾性糸の熱変形温度より低い熱処理で接着が可能な接着剤であれば、湿気硬化性の反応型ホットメルト樹脂に限らず公知の接着剤を使用することができる。例えば、熱可塑性樹脂を用いることも可能である。
即ち、接着剤に用いられる熱可塑性樹脂としては、上述の加熱処理条件を満たす限りにおいて、例えば、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、湿気硬化型ホットメルト樹脂、反応型ホットメルト樹脂等が挙げられる。中でも湿気硬化型ホットメルト樹脂は、接着強度が高く、しかも短時間での接着が可能な点で特に好ましい。
上述した実施形態では、接合対象となる生地片が、熱変形弾性糸が編み込まれた生地片で構成され、熱変形弾性糸の熱変形温度よりも低い軟化温度または溶融温度を有するホットメルト接着剤が生地片に塗布され、加熱処理により接合部が構成された衣類を説明したが、本発明が適用される生地片は熱変形弾性糸が編み込まれたヨコ編地片に限らず、任意の繊維で編成されたヨコ編地、タテ編地、織地にも適用可能である。
また、熱変形弾性糸が編み込まれた生地片以外の生地片を接合する場合には、接着剤の120℃溶融粘度が上述の範囲を逸脱しても許容される場合があることはいうまでもない。
上述した実施形態では、生地片に塗布された溶融または軟化状態の樹脂が加熱処理されることにより接着されるホットメルト接着剤が用いられて構成された衣類を説明したが、本発明による衣類は、生地片の間に配置され加熱処理されることにより生地片同士が接着されるテープ状のホットメルト接着剤が用いられていてもよい。当該ホットメルト接着剤は単一樹脂層で構成されていることが好ましい。
接着剤に用いられる熱可塑性樹脂も上述と同様、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、湿気硬化型ホットメルト樹脂、反応型ホットメルト樹脂等が挙げられる。
この場合でも、生地片同士の接合部に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片に接着剤が浸透した浸透層が密接した接着層が形成されている必要があり、そのためにテープ状のホットメルト接着剤の厚みや幅、加熱処理に要する温度及び圧力が調整される必要がある。
また、接合部の2枚の生地片の生地厚みに対する接着層の最大厚みの比が0.3〜0.8の範囲に入るように接着層が構成され、接合部の外縁を包絡する各生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.4〜0.8の範囲に入るように接着層が構成されていることが好ましい。
図8(a)にはシンプルなテープ状のホットメルト接着剤が示されている。図8(b)には予めジグザグ状にカットされたホットメルト接着剤が示されている。図8(c)には帯状のホットメルト接着剤に所定ピッチで矩形の切欠き部が配列形成された例が示されている。切欠き部の形状やサイズを調整することにより、接合部の外縁を包絡する各生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比を上述の範囲に調整することができるようになる。
図8(a)に示すようなテープ状のホットメルト接着剤を用いて生地片を接合する場合には、塗布タイプの接着剤を用いた場合よりも大きな圧力及び温度で加熱処理する必要があり、その際に生地片にテカリや当たり等のダメージが与えられて風合いが損なわれる虞があり、圧力や温度が低いと生地片同士の接着強度が弱くなる虞がある。このような観点で塗布タイプの接着剤を用いた方が好ましい。
しかし、図8(b)に示すようにジグザグ状にカットしたり、図8(c)に示すように切欠き部を形成したり、さらには厚みを調整したりすることにより、接着面積を小さくして生地厚み方向の接着剤の含浸量を多くすることができ、生地の伸縮性や風合いを損なうことなく十分な接着強度を確保することができるようになる。
上述した実施形態では半袖丸襟のアンダーシャツを例に説明したが、本発明は五分袖、七分袖、長袖のアンダーシャツにも適用可能であり、襟の形状もV襟、U襟であってもよい。また前後身頃が左右端部で裁断され、左右の脇部を接合する必要がある場合には、脇部の接合にも本発明による接着剤を用いた接合方法が適用可能である。
以上、アンダーシャツを例に本発明による衣類を説明したが、本発明による衣類は、アンダーシャツに限定されるものではなく、ボクサーパンツ、ブリーフ、ショーツ、キャミソール、チュニック等の肌着に適用可能であり、特に袖付衣類等、接着剤を用いて生地片を輪状に接合する必要がある肌着及び肌着以外の衣類に好ましく適用できる。
以下、熱変形弾性糸が編み込まれた生地片を接着して構成される衣類の実施例を説明する。
以下の実施例では、ポリウレタン繊維の軟化点、接着強度、当たり、テカリ、風合い、ウレタン劣化の各評価項目について、以下の方法により評価した。尚、本発明は実施例で示す生地及び接着剤に限定されるものではない。
[ポリウレタン繊維の軟化点の測定]
熱変形弾性糸として用いるポリウレタン繊維のハードセグメント、中間セグメント、ソフトセグメントの緩和時間T2(スピン−スピン緩和時間)を、パルス核磁気共鳴(NMR)装置(日本電子株式会社製:JNM−MU25)を用いて測定した。測定条件は次の通りである。
測定方式:Solid−Echo法
測定条件:90° パルス幅2.0μs
パルス繰り返し時間:4s
積算回数:8回
測定温度:室温、100℃、120℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃
各温度におけるパルスNMRで得られる自由誘導減衰(FID)信号を3成分近似で解析し、ポリウレタン繊維のハード成分、中間成分、ソフト成分の緩和時間T2を求めた。ポリウレタン繊維のソフト成分の分子運動は、ウレタンの水素結合により抑えられている。昇温により、この水素結合が切れることにより、分子鎖の運動性は急激に上昇する。従って、各試料の各測定温度におけるソフト成分のT2値をグラフにして、運動性が変化する前後の曲線からそれぞれ接線を求め、その交点をポリウレタン繊維の軟化点とした。
[溶融粘度]
溶融粘度の測定は、JIS K5600の「コーン・プレート粘度計法」の測定方法に準じて、120℃の接着剤の粘度を測定した。接着剤をプレートとコーンの間に入れ、ローターを回転させ、読みが安定した時の値を採用した。
[接着強度]
接着強度の測定は、JIS L1086の「剥離強さ」の測定方法に準じて行った。
各実施例、比較例で作成した生地片から試験片(幅25mm×長さ150mm)をウェール方向及びコース方向にそれぞれ5枚以上採取し、長辺の方向に、辺から約50mmを剥離し、自己記録装置付き引張試験器を用い、試験片のつかみ間隔を50mmとして、クランプに挟んだ。
引張速度は、100mm/minとし、50mm間を剥離した。剥離するときに示す極大値の大きいものから順次3個、小さいものから順次3個をとり、計6個の平均値を算出し、ウェール方向及びコース方向それぞれ5回以上の平均値を四捨五入して求めた。
[当たり]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料とし、接着部位が非接着部位と比較して見え方が異なるかどうかを確認した。見え方を以下の指標にて2段階で評価した。「当たり」とは、熱処理時に生じる生地表面の毛羽の倒れで光の反射特性が変化することに起因する外観品位の劣化をいい、毛羽の倒れは生地に湿気を付与することで回復する。
無し:見え方が同じ
有り:見え方が異なる
[テカリ]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料とし、接着部位を観察した。繊維が塑性変形し、外観品位を観察した、外観品位を以下の指標にて、2段階で評価した。「テカリ」とは、熱処理時に生じる繊維の塑性変形による外観品位の劣化をいい、湿気を付与しても回復しない。
無し:外観品位良好
有り:外観品位不良
[風合い]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料とし、その接着部位の生地風合いを触感で以下の指標にて、4段階で評価した。
◎:柔らかい
○:やや硬い
△:硬い
×:非常に固い
[ウレタン劣化]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料片として、各試料片を掴み間隔5cmでデマッチャー試験機に取り付け、試験片を緯方向に伸長率2.5倍(150%)で5000回繰り返し伸縮を行ない、その後、接着部位周辺を観察し、ウレタン劣化を以下の指標にて2段階で評価した。
無し:ポリウレタン糸が切れた部分は観察されない、またはポリウレタン糸の切れは観察されず、繰り返し使用による目割れの発生が観察されない
有り:ポリウレタン糸が切れた部分が観察される、またはポリウレタン糸の切れは観察されないが、繰り返し使用による目割れの発生が観察される
[回復性]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料とし、接着部位を長手方向に200%伸長(元の長さの2倍)を500回繰り返し、外観品位を以下の指標にて、4段階で官能評価した。
◎:まったく変化なし
○:わずかに波打ちが発生する
△:やや波打ちが発生する
×:波打ちが発生し、だれた状態になる
[接着層の確認]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料片として、各試料片の厚み方向の断面をSEM(日本電子データム(株)製、JSM−6010PLUS/LA、倍率:100倍)にて撮影して、生地片同士の接合部に接着剤単独層が形成さされているかどうかを確認した。
[平均生地厚み、接着層の最大厚み]
各実施例、比較例で作成した生地片を試料片として、各試料片を生地の厚み方向に切断し、各試料片の厚み方向の断面をSEM(日本電子データム(株)製、JSM−6010PLUS/LA、倍率:100倍)にて撮影して、無作為に選んだ10点の接合部の2枚の生地片の生地厚みを測定し、その平均値を平均生地厚みとした。
SEM写真から接着層Cの厚みが生地の厚み方向で最大となる部分の厚みを測定し、接着層の最大厚みとした。
[生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比(接触面積比)]
各実施例、比較例で接着剤を塗布する生地の帯状領域を生地片の重畳部の面積とし、接着剤の繰返しピッチと振幅と接着剤を塗布するノズルのノズル幅から、接合部の面積を求め、接合部の外縁を包絡する各生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比を計算した。
尚、テープ状のホットメルト接着剤は、生地片の重畳部の面積と接合部の面積は同じである。
(実施例1)
〈使用生地〉
表糸として綿とレイヨンの混紡糸(綿:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、裏糸として22dtex、軟化点140℃のポリウレタン糸を用いた。フライス編機を用い、上記混紡糸とポリウレタン糸を給糸口から編み針に給糸してプレーティング編地を編成し、ダイヤル針、シリンダー針で全針ニット編みを行ない、1×1のゴム編地を編成した。編成されたゴム編地をセット機にセットして170℃でヒートセットし、再度セット機にセットして、張力がかけられた状態で120℃の温度で最終的なヒートセットを行ない、解れ止め加工を施した編地を得た。この編地を切断(幅200mm×長さ150mm)して、実施例1の生地とした。
〈接着剤〉
接着剤として、ポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用いた。使用したポリウレタン系接着剤の120℃における溶融粘度は7930(mPa・s)であった。
〈接着接合処理〉
上記実施例1の生地の帯状領域に、120℃で溶融した上記接着剤をジグザグに塗布した後、その上に接合対象となる生地片を重畳することで仮止めした。仮止め後、両生地片の重畳部を、上ヒータ100℃、下ヒータ75℃の温度に設定したローラで挟み、圧力340g/cm2、15mm/1秒の接着条件で重畳領域全体を加熱処理して、接着接合し、実施例1の生地片を作成した。
(実施例2)
2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.73である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例2の生地片を作成した。
(実施例3)
表糸としてポリエステルとレイヨンの混紡糸(ポリエステル:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.44である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例3の生地片を作成した。
(実施例4)
表糸としてポリエステルとレイヨンの混紡糸(ポリエステル:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.52である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例1の生地片を作成した。
(実施例5)
2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.48である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例5の生地片を作成した。
(実施例6)
2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.32である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例6の生地片を作成した。
(実施例7)
編組織が非弾性糸(78dexのナイロン糸)と弾性糸(22dtexのポリウレタン糸)とを同行させた1×1トリコット編み組織であって、かつ各編針において非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成された伸縮性たて編地等からなる生地を用い、ホットメルト接着剤をドット状に塗布し、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.46である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして仕上げた生地を用いて接着接合し、実施例7の生地片を作成した。
(実施例8)
ホットメルト接着剤をドット状に塗布し、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.49である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成して生地を用いて接着接合し、実施例8の生地片を作成した。
(実施例9)
2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.19である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例9の生地片を作成した。
(実施例10)
表糸としてポリエステルとレイヨンの混紡糸(ポリエステル:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.81である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例10の生地片を作成した。
(実施例11)
表糸としてポリエステルとレイヨンの混紡糸(ポリエステル:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.10である生地片を用い、接着剤として、熱可塑性ポリウレタンフィルム(厚み:100μm、軟化点:115℃、BEMIS社製、品番3412)を切断したものを用い、温度170℃、圧力200g/cm2、時間30秒の接着条件で接着した以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例11の生地片を作成した。
(比較例1)
表糸としてポリエステルとレイヨンの混紡糸(ポリエステル:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.22である生地片を用い、テープ状のホットメルト接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、比較例1の生地片を作成した。
(比較例2)
2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が1.00である生地片を用いた以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、比較例2の生地片を作成した。
図9には、上記実施例1〜11、比較例1,2の生地片の接合部の2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比、接着剤単独層の厚み、生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比(接触面積比)、風合いの評価、回復性の評価が示されている。
図10には実施例3,7,11、比較例1,2の生地片の生地の厚み方向の断面の走査型電子顕微鏡写真が示されている。
図9,10から、実施例3、7の生地片の接合部では、接着剤単独層が形成されていなかったことがわかる。
特に、テープ状のホットメルト接着剤を用いた実施例11と比較例1では、図10に示すように、実施例11では、接着剤単独層が形成されなかったが、比較例1では接着剤単独層の形成が観察された。
図9から、生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.4〜0.8の範囲にある実施例9〜14の生地片では、接着強度に優れ、風合い、回復性に優れることがわかる。一方、実施例16〜19及び比較例1、2は、生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.4〜0.8の範囲になく、接着強度、風合い、回復性のうち少なくとも一つが劣っていることがわかる。
実施例16、17の生地片では生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.18、0.37であり、樹脂への浸透が少ないことにより接着強度が弱いことがわかる。逆に、比較例2の生地片では、生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が1.00であり、樹脂が浸透しすぎて生地の反対側表面にまで浸潤しており、接着強度、風合い、回復性が劣っていることがわかる。実施例11の生地片では、接着強度はあるが、風合い、回復性が劣っていることがわかる。
ホットメルト接着剤をドット状に塗布した実施例7においても、風合い、回復性に優れることがわかる。一方で、テープ状のホットメルト接着剤を用いた実施例11、比較1は風合い、回復性が劣ることがわかる。
(実施例12)
〈使用生地〉
表糸として綿とレイヨンの混紡糸(綿:50%、レイヨン:50%)60/1番手を用い、裏糸として22dtex、軟化点140℃のポリウレタン糸を用いた。フライス編機を用い、上記混紡糸とポリウレタン糸を給糸口から編み針に給糸してプレーティング編地を編成し、ダイヤル針、シリンダー針で全針ニット編みを行ない、1×1のゴム編地を編成した。編成されたゴム編地をセット機にセットして170℃でヒートセットし、再度セット機にセットして、張力がかけられた状態で120℃の温度で最終的なヒートセットを行ない、解れ止め加工を施した編地を得た。この編地を切断(幅200mm×長さ150mm)して、実施例12の生地とした。
〈接着剤〉
接着剤として、ポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用いた。使用したポリウレタン系接着剤の120℃における溶融粘度は7930(mPa・s)であった。
〈接着接合処理〉
上記実施例12の生地の帯状領域に、上記接着剤を塗布した後、その上に接合対象となる生地片を重畳することで仮止めした。仮止め後、両生地片の重畳部を、加熱ローラを回転させて約75℃の温度、250gf/cmの圧力で重畳領域全体を加熱処理して、接着接合し、実施例12の生地片を作成した。
(実施例13)
接着剤として、120℃における溶融粘度が21500(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、100℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同じ生地を用いて接着接合し、実施例2の生地片を作成した。
(実施例14)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点185℃のポリウレタン糸を用いた以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例14の生地片を作成した。
(実施例15)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点185℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が21500(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、100℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例15の生地片を作成した。
(実施例16)
接着剤として、120℃における溶融粘度が13600(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、80℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例16の生地片を作成した。
(実施例17)
接着剤として、120℃における溶融粘度が19300(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、90℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例17の生地片を作成した。
(実施例18)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点185℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が13600(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、80℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例18の生地片を作成した。
(実施例19)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点185℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が19300(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、90℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、実施例19の生地片を作成した。
(比較例3)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点120℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が6820(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、60℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、比較例3の生地片を作成した。
(比較例4)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点120℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が24200(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、140℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、比較例4の生地片を作成した。
(比較例5)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点160℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が23200(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、140℃で加熱処理をした以外は、実施例12と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、比較例5の生地片を作成した。
(比較例6)
熱変形性弾性糸として、22dtex、軟化点185℃のポリウレタン糸を用い、接着剤として、120℃における溶融粘度が6820(mPa・s)のポリウレタン系の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用い、60℃で加熱処理をした以外は、実施例1と同様にして編成した生地を用いて接着接合し、比較例6の生地片を作成した。
図11には、上記実施例12〜19、比較例3〜6の生地片に使用した熱変形性弾性糸、接着剤の特性、加熱処理温度(プレス温度)、接着強度、接着部の品位の評価が示されている。各実施例及び比較例に対する接着剤の塗布パターンは同一であり、詳しくは、反応性ホットメルト接着剤を6.0mm幅で、3.0mmピッチのジグザク形状に塗布している。
図11から、熱変形弾性糸の軟化温度が140℃である実施例12の生地片は、熱変形弾性糸の軟化温度が120℃である比較例3の生地片にくらべ、接着強度に優れることがわかる。なお、軟化温度が195℃の熱変形弾性糸を用いた場合は、切りっぱなし性能がないため、比較例に含めなかった。これらの結果と熱変形弾性糸が軟化温度140℃から185℃の範囲にあれば、生地片にダメージを与えることなく、熱処理による良好な接着が可能になることがわかった。
図11から、120℃における溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sであれば、生地を構成する繊維間に良好に接着剤が浸潤し、十分な接着強度が得られていることがわかる。また、熱変形弾性糸に熱的影響を与えたり、生地片にテカリや当たり等のダメージを与えたりすることなく良好な接着物が得られていることがわかった。
実験番号1〜8(実施例12〜19)の熱変形弾性糸として軟化温度140℃から185℃のポリウレタン糸を用いた場合には、良好な接着物が得られていることがわかった。また、120℃溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sである実験番号1〜8(実施例12〜19)の接着剤を用いた場合に良好な接着物が得られることがわかった。
図9と図11から、生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.4〜0.8の範囲にあると良好な接着物が得られ、さらに熱変形弾性糸として軟化温度140℃から185℃のポリウレタン糸を用い、120℃溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sの接着剤を用いることでより良好な接着物が得られることがわかった。
本発明による衣類は、接合部及びその周辺での生地の伸縮性を同等に保ち、肌触り等の着心地が良好な様々な衣類に適用される。
1:衣類(アンダーシャツ)
2:前身頃
3:後身頃
4:袖部
5:丸襟
6:裾
7:肩接ぎ部
10:ヨコ編地(身生地)
30:接着剤
41:袖下接ぎ部
AH:袖接ぎ部

Claims (9)

  1. 複数の生地片同士が接着剤で接合された接合部を備えている衣類であって、
    前記接合部に接着剤単独層が形成されることなく、互いの生地片に接着剤が浸透した浸透層が密接した接着層が形成されていることを特徴とする衣類。
  2. 前記接合部の2枚の生地片の生地平均厚みに対する前記接着層の最大厚みの比が0.3〜0.8であることを特徴とする請求項1記載の衣類。
  3. 前記接合部の外縁を包絡する各生地片の重畳部の面積に対する接合部面積の比が0.4〜0.8であることを特徴とする請求項1または2記載の衣類。
  4. 前記接着剤は生地片の間に配置され加熱処理されることにより生地片同士が接着されるテープ状のホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の衣類。
  5. 前記接着剤は生地片に塗布された溶融または軟化状態の樹脂が加熱処理されることにより接着されるホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の衣類。
  6. 前記生地片は熱変形弾性糸が編み込まれた生地片であり、
    前記熱変形弾性糸の熱変形温度よりも低い軟化温度または溶融温度を有するポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を主成分とするホットメルト接着剤が前記生地片に塗布され、加熱処理により前記接合部が構成されていることを特徴とする請求項5記載の衣類。
  7. 前記熱変形弾性糸が軟化温度140℃から185℃のポリウレタンであり、
    前記ホットメルト接着剤の主成分がウレタンまたはオレフィンを含むポリマー、プレポリマー及びオリゴマーから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項6記載の衣類。
  8. 前記ホットメルト接着剤の120℃溶融粘度が8000mPa・sから22000mPa・sであることを特徴とする請求項6または7記載の衣類。
  9. 前記ホットメルト接着剤は反応型ホットメルト樹脂であることを特徴とする請求項5から8の何れかに記載の衣類。
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