JP2020204101A - 繊維製品を製造する方法 - Google Patents

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【課題】2つ以上の繊維基材を有し、それらが2種以上の接着剤の組み合わせによって接着された繊維製品を、効率的に製造すること。【解決手段】第1の繊維基材及び第2の繊維基材を有し、これらが互いに接着されている、繊維製品を製造する方法が開示される。この方法は、第1の繊維基材1に2種以上のホットメルト接着剤31,32,33を同時に塗布し、それによりホットメルト接着剤31,32,33の塗布方向Xに延在する2つ以上の接着部41A,42,41Bを有する接着剤層4を形成する工程と、接着剤層4を介して第1の繊維基材1に第2の繊維基材を接着する工程とを備える。2種以上のホットメルト接着剤の一部又は全部が、湿気硬化型ホットメルト接着剤である。【選択図】図2

Description

本発明は、繊維製品を製造する方法に関する。
織物等の繊維基材同士を接着するために、ホットメルト接着剤が用いられることがある(例えば、特許文献1)。
特開平10−088097号公
本発明の一側面は、2つ以上の繊維基材有し、それらが2種以上の接着剤によって接着された繊維製品を効率的に製造する方法を提供する。
本発明の一側面は、第1の繊維基材及び第2の繊維基材を有し、これらが互いに接着されている、繊維製品を製造する方法に関する。この方法は、前記第1の繊維基材に2種以上のホットメルト接着剤を同時に塗布し、それにより前記ホットメルト接着剤の塗布方向に延在する2つ以上の接着部を有する接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層を介して前記第1の繊維基材に前記第2の繊維基材を接着する工程と、を備える。前記2種以上のホットメルト接着剤の一部又は全部が、湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
本発明の一側面に係る方法によれば、2つ以上の繊維基材を有し、それらが機能の異なる2種以上の接着剤によって接着された繊維製品を、効率的に製造することができる。
繊維製品を製造する方法の一実施形態を示す模式図である。 第1の繊維基材上に接着剤層を形成する方法の一実施形態を示す模式図である。 第1の繊維基材上に接着剤層を形成する方法の一実施形態を示す模式図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、繊維製品を製造する方法の一実施形態を示す模式図である。図1に示される方法は、第1の繊維基材1を支持体10に沿って配置する工程と(図1の(a))、第1の繊維基材1上に接着剤層4を形成する工程と(図1の(b))、接着剤層4を介して第1の繊維基材1に第2の繊維基材2を接着する工程と(図1の(c)及び(d))を備える。
接着剤層4は、第1の繊維基材1に2種以上のホットメルト接着剤を同時に塗布することによって形成される。接着剤層4は、2種以上のホットメルト接着剤によって形成された2以上の接着部を有する。製造される繊維製品3は、第1の繊維基材1、第2の繊維基材2、及びこれらの間に介在する接着剤層4を有する。
第1の繊維基材1及び第2の繊維基材2は、繊維を含む基材であれば特に制限されず、例えば、織物(布地等)、編物、又は不織布であることができる。不織布は紙であってもよい。
図2は、第1の繊維基材上に接着剤層を形成する方法の一実施形態を示す模式図である。図2は、3層の接着部を有する積層体である接着剤層を形成する方法の例を示す。図2の方法では、ダイコーター5を用いて、ホットメルト接着剤31,32,33が、、第1の繊維基材1の主面に沿う所定の塗布方向Xに沿って第1の繊維基材1に同時に塗布される。これにより、ホットメルト接着剤31,32,33をそれぞれ含む3層の接着部41A,42,41Bを有する接着剤層4が形成される。接着部41A、接着部42及び接着部41Bは、第1の繊維基材1側からこの順に積層される。接着剤層4は、第1の繊維基材1の表面の少なくとも一部を覆う。ホットメルト接着剤31,32,33は互いに異なる3種の接着剤であってもよいし、ホットメルト接着剤31,33が同じ接着剤で、ホットメルト接着剤32がホットメルト接着剤31,33とは異なる接着剤であってもよい。
ダイコーター5は、第1の繊維基材1の近傍で塗布方向Xに沿って順に配置された3つの吐出口71,72,73を有している。これら吐出口から3つのホットメルト接着剤31,32,33がそれぞれ供給される。吐出口71,72,73は、ホットメルト接着剤31,32,33を連続的に供給しながら、第1の繊維基材1に対する位置を塗布方向Xに沿って移動させる。これにより、塗布方向Xに沿って延在する層状の接着部41A,42,41Bが形成される。ダイコーター5の位置が固定され、第1の繊維基材1が塗布方向Xの逆方向に移動してもよい。ホットメルト接着剤31,32,33が塗布される間、第1の繊維基材1を加熱してもよい。
ダイコーター5は、3つのポケット51,52,53と、3つのスロット61,62,63とを更に有する。3つのポケット51,52,53は、それぞれスロット61,62,63を介して吐出口71,72,73と連結されている。ホットメルト接着剤31は、ポケット51に収容されている。ホットメルト接着剤31は、スロット61を通過して吐出口71に到達し、そこから第1の繊維基材1に向けて流出する。そのために、例えば、ホットメルト接着剤31が、ポケット51に接続された送液ポンプ等によって一定の速度でポケット51内に導入される。ホットメルト接着剤31は、適切な流動性を有する状態となる程度にダイコーター5内で加熱される。ホットメルト接着剤32,33も同様に、吐出口71,72から第1の繊維基材1に向けて供給される。
図3は、第1の繊維基材上に接着剤層を形成する方法の他の一実施形態を示す模式図である。図3も、3層の接着部を有する積層体である接着剤層を形成する方法の例を示す。図3の方法では、第1の繊維基材1を、支持体としてのローラー11の外周面に沿って塗布方向Xとは逆方向に連続的に移動させながら、ダイコーター5によってホットメルト接着剤31,32,33が第1の繊維基材1に同時に塗布される。塗布方向Xは、ローラー11の外周面に沿う方向である。ダイコーター5は、第1の繊維基材1の近傍において第1の繊維基材1から離れる方向に沿って順に配置された3つの吐出口71,72,73を有している。これら吐出口から3つのホットメルト接着剤31,32,33がそれぞれ連続的に供給される。この方法によっても、塗布方向Xに沿って延在する3層の接着部41A,42,41Bを有する積層体である接着剤層4が第1の繊維基材1上に形成される。
接着剤層4において、隣接する2つの接着部は互いに密着している。ただし、隣接する2つの接着部の界面は必ずしも明瞭でなくてもよい。3つのホットメルト接着剤31,32,33が同時に塗布されることから、隣接する接着部の間に過剰な空隙が残存し難い。接着部41A,42,41Bのそれぞれの厚さは、特に制限されないが、例えば、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってよく、500μm以下、300μm以下、又は200μm以下であってよい。接着部が厚くなると、接着性を担保することができ、接着部が薄くなると、伸縮性をより確保し易い傾向にある。
接着部41A,41Bは、それぞれ、接着剤層4を構成する積層体における最外層に位置しており、これらは繊維製品3において第1の繊維基材1又は第2の繊維基材2に直接接する。接着部42は、接着部41A及び接着部41Bの間に配置された中間層である。
接着部41A,42,41Bは、それぞれ別の機能を有する層であることができる。例えば、中間層としての接着部42が、伸縮性の機能を有する層であってもよい。言い換えると、中間層としての接着部42が、最外層としての接着部41A,41Bよりも高い伸縮性を有していてもよい。接着部42が硬化性のホットメルト接着剤によって形成される場合、硬化後の接着部42が伸縮性の機能を有していてもよい。高い伸縮性を有する接着部は、繊維基材に対して比較的低い接着性を有する傾向があるが、高い伸縮性を有する接着部である中間層と、相対的に伸縮性の低い接着部である最外層との組み合わせによって、伸縮性及び接着性をより高いレベルで両立できる。
伸縮性の機能を有する接着部42は、エラストマーを含有していてもよい。その場合、接着部41A,41Bもエラストマーを含有し得るが、通常、接着部42におけるエラストマーの含有量が、接着部41A,41Bにおけるエラストマーの含有量より大きい。
エラストマーは、例えば、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、又はこれらの組み合わせであってもよい。ウレタン系エラストマーは、後述のウレタンプレポリマーと水分との反応によって形成されるポリマーであってもよい。
接着剤層4を形成するホットメルト接着剤31,32,33のうち一部又は全部が、湿気硬化型ホットメルト接着剤であってもよい。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ホットメルト接着剤は、環境中の水分との反応により硬化する。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、例えば、23℃、50%RHの恒温槽で1日間放置することによって硬化することができる。ウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物(又は重縮合物)であることができる。
ウレタンプレポリマーを構成するポリオールが、ポリブタジエンポリオール又は水素化ポリブタジエンポリオールのうち少なくとも一方を含んでいてもよい。これらを含むポリオールからは、湿気硬化によってウレタン系エラストマーが生成し易い。
ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールの合計量が、ポリオールの総量を基準として、50質量%以上、60質量%以上、又は65質量%以上であってよく、95質量%以下、90質量%以下、又は85質量%以下であってもよい。
ポリブタジエンポリオールは、ブタジエンに由来する重合鎖とその重合鎖の両末端等に結合した水酸基とを有する化合物である。水素化ポリブタジエンポリオールは、ポリブタジエンポリオールの水素添加物である。ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールは、平均1.8〜2.5程度の水酸基を有していてよい。
ポリブタジエンポリオール及び水素化ポリブタジエンポリオールの数平均分子量(Mn)は、粘度及び接着力のバランスの観点から、500〜100000、700〜50000、又は900〜10000であってよい。本明細書において、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、標準ポリスチレン換算値である。
水素化ポリブタジエンポリオールの市販品としては、例えば、GI−1000、GI−2000、GI−3000(いずれも商品名、日本曹達株式会社製)が挙げられる。ポリブタジエンポリオールの市販品としては、例えば、G−1000、G−2000、G−3000(いずれも商品名、日本曹達株式会社製)、Poly bd R−15HT、Poly bd R−45HT(いずれも商品名、出光興産株式会社製)、Krasol LBH−P3000(商品名、クレイバレー社製)が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
ウレタンプレポリマーを構成するポリオールが、結晶性ポリオール(例えば結晶性ポリエステルポリオール)を含んでいてもよい。結晶性ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であるウレタンプレポリマーを含有する接着部は、硬化後に繊維基材に対する高い接着力を発現し易い。結晶性ポリオールの量が、ポリオールの総量を基準として、50質量%以上、60質量%以上、又は65質量%以上であってよく、95質量%以下、90質量%以下、又は85質量%以下であってもよい。
最外層である接着部41A,41Bが、結晶性ポリオールに由来する構成単位を含むウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ホットメルト接着剤から形成された層で、中間層である接着部42が、ポリブタジエンポリオール又は水素化ポリブタジエンポリオールに由来する構成単位を含むウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ホットメルト接着剤から形成された層であってもよい。
ウレタンプレポリマーを構成するポリオールのその他の例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリイソプレンポリオール及びポリオレフィンポリオールが挙げられる。
ウレタンプレポリマーを構成するポリイソシアネートは、イソシアネート基を2個以上有する化合物である。ポリイソシアネートは、ジイソシアネートであってもよい。ジイソシアネートの例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びp−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。ポリイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを含んでいてもよい。
ウレタンプレポリマーの重量平均分子量(Mw)は、例えば、10000〜1000000、50000〜500000、又は100000〜300000であってよい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化を促進する触媒を更に含有していてもよい。触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオクテート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリオクチルアミン、及びジモルホリノジエチルエーテルが挙げられる。触媒の含有量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の全量を基準として、0.001〜0.5質量%であってよい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、粘着付与剤を更に含有していてもよい。粘着付与剤の例としては、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられる。粘着付与剤の含有量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の全量を基準として、10〜50質量%であってよい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、必要に応じて、その他の成分を更に含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、充填剤、光発色剤、熱発色防止剤、香料、イメージング剤及び熱架橋剤が挙げられる。その他の成分の含有量は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の全量を基準として、0.001〜10質量%であってよい。
第1の繊維基材に塗布される間のホットメルト接着剤31,32,33の粘度は、塗工性等の観点から、120℃において0.01Pa・s以上、0.05Pa・s以上、又は0.1Pa・s以上であってよく、35Pa・s以下、30Pa・s以下、又は20Pa・s以下であってよい。
接着剤層4を介して第1の繊維基材1に第2の繊維基材2を接着する工程は、第1の繊維基材1に接着剤層4を間に挟みながら第1の繊維基材1と第2の繊維基材2とを貼り合わせることと、接着剤層4を硬化させることとを含むことができる。支持体10は、通常、硬化前又は硬化後に第1の繊維基材1から分離される。硬化条件は、接着剤層4が適切に硬化するように調整すればよい。例えば、温度0〜50℃、相対湿度30〜90%RH、硬化時間1〜24時間の条件で、接着剤層4を硬化することができる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更され得る。例えば、接着層が2つ又は3つ以上の接着部から構成されていてもよい。また、接着剤層が2つ以上の繊維状の接着部の組み合わせであってもよい。
1…第1の繊維基材、2…第2の繊維基材、3…繊維製品、4…接着剤層、5…ダイコーター、10…支持体、11…ローラー、31,32,33…ホットメルト接着剤、41A,41B,42…接着部、71,72,73…吐出口、X…塗布方向。

Claims (2)

  1. 第1の繊維基材及び第2の繊維基材を有し、これらが互いに接着されている、繊維製品を製造する方法であって、
    前記第1の繊維基材に2種以上のホットメルト接着剤を同時に塗布し、それにより前記ホットメルト接着剤の塗布方向に延在する2つ以上の接着部を有する接着剤層を形成する工程と、
    前記接着剤層を介して前記第1の繊維基材に前記第2の繊維基材を接着する工程と、
    を備え、
    前記2種以上のホットメルト接着剤の一部又は全部が、湿気硬化型ホットメルト接着剤である、方法。
  2. 前記接着剤層が、2つの最外層及びこれらの間に配置された1つ以上の中間層を有する積層体であり、
    前記中間層のうち一部又は全部が、伸縮性の機能を有する層である、請求項1に記載の方法。
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