JP2017180842A - 中間免震構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間免震構造物における地震時の上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層の少なくとも一方の居住性を向上させる。
【解決手段】中間免震層50に加え、基礎免震層102を設けることで、地震時に地盤800から中間免震構造物100(下部構造部10)に入力される応答加速度を低減させている。これにより、下部構造部10の振動が低減され、この結果、下部構造部10の最上層12の応答加速度が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、中間免震構造物に関する。
特許文献1には、中間免震層を介して積層された複数の構造体により構成された構造物を、基礎免震層で支持した中間免震構造物が開示されている。
このような中間免震構造物は、固有周期を長周期化することで、地震時における揺れの強い短周期地震動との共振を避けることで、激しい揺れから免れるようになっている。
しかし、中間免震層の上側の上部構造部の振動によって、中間免震層の下側の下部構造部の最上層(中間免震層の直下の層)では、応答加速度が増幅されることが知られている。そして、このように下部構造部の最上層の応答加速度が増幅されると、中間免震構造物であっても地震時における下部構造部の最上層の居住性が悪化する。
また、下部構造部よりも上部構造部が大きく質量が重い場合は、上部構造部の最上層の応答加速度が充分に低減されないため、中間免震構造物であっても地震時における上部構造部の最上層の居住性が充分に改善されない場合がある。
このように、単に長周期化を目的とした中間免震構造物では、地震時における上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層の居住性に関して、改善の余地があった。
特開平01−263373号
本発明は、中間免震構造物における地震時の上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層の少なくとも一方の居住性を向上させることが課題である。
請求項1の発明は、居住性が求められる鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、及び鉄骨造のいずれかの中間免震構造物に適用され、下部構造部と上部構造部との間に設けられた第一免震層と、前記下部構造部の下に設けられた第二免震層と、前記下部構造部が前記上部構造部よりも重い場合は前記下部構造部の最上層に設けられ、前記上部構造部が前記下部構造部よりも重い場合は前記上部構造部の最上層に設けられた制振装置と、を有し、前記第一免震層及び前記第二免震層には、免震支承と減衰手段とを有する免震装置がそれぞれ設けられ、前記制振装置は、該制振装置が設けられた最上層の構造部材間を連結するダンパーを有し、地震動によって前記最上層が変形した際に前記ダンパーによってエネルギーを吸収し、前記最上層の応答加速度を低減する、中間免震構造物である。
請求項1に記載の発明では、第一免震層に加え、第二免震層を設けることで、地震時に中間免震構造物に入力される応答加速度を低減させている。更に、下部構造部が上部構造部よりも重い場合は下部構造部の最上層に制振装置が設けられ、上部構造部が下部構造部よりも重い場合は上部構造部の最上層に制振装置が設けられている。よって、地震時における上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層の居住性が向上する。
請求項2の発明は、 前記下部構造部の最上層及び前記上部構造部の最上層の地震時における応答加速度が同じになるように、前記制振装置の諸元が設定されている、請求項1の中間免震構造物である。
請求項2に記載の発明では、下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の地震時における応答加速度が同じになるように、制振装置の諸元が設定されているので、地震時における上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層の居住性が向上する。
本発明によれば、中間免震構造物における地震時の上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層の少なくとも一方の居住性を向上させることができる。
(A)は第一実施形態の中間免震構造物を示す立面図であり、(B)は地震時における応答加速度を示す説明図である。 第一実施形態の第一変形例の中間免震構造物を示す立面図である。 第一実施形態の第二変形例の中間免震構造物を示す立面図である。 第一実施形態の第三変形例の中間免震構造物を示す立面図である。 (A)は第一実施形態の第四変形例の中間免震構造物を示す立面図であり、(B)は第一実施形態の第五変形例の中間免震構造物を示す立面図であり、(C)は第一実施形態の第六変形例の中間免震構造物を示す立面図であり、(D)は第一実施形態の第七変形例の中間免震構造物を示す立面図である。 第二実施形態の中間免震構造物を示す立面図である。 第二実施形態の変形例の中間免震構造物を示す立面図である。 第三実施形態の中間免震構造物を示す立面図である。 図1に示す第一実施形態の中間免震構造物の等価2質点系の構造モデルである。 図10の等価2質点系の構造モデルにおける質量比γと刺激関数βとの関係を示すグラフである。 本発明が適用されていない比較例の中間免震構造物を示す立面図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る中間免震構造物について説明する。
[構造]
図1(A)に示すように、中間免震構造物100は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、及び鉄骨造等の下部構造部10と上部構造部20とを有し、これら下部構造部10と上部構造部20との間に中間免震層50が設けられている。また、下部構造部10と地盤800との間に基礎免震層102が設けられている。なお、本実施形態では、下部構造部10は上部構造部20よりも大きく、下部構造部10の質量m1は上部構造部20の質量m2よりも重い(図9を参照)。
中間免震層50には、免震装置60が設置されている。免震装置60は、上部構造部20を支持する免震支承(アイソレータ)の一例としての積層ゴム62と、振動エネルギーを吸収する減衰手段の一例としての鉛ダンパー(履歴型制震ダンパー)64と、を有している。
また、同様に、基礎免震層102にも、下部構造部10を支持する免震支承(アイソレータ)の一例としての積層ゴム62と、振動エネルギーを吸収する減衰手段の一例としての鉛ダンパー(履歴型制震ダンパー)54と、を有する免震装置60が設置されている。なお、免震装置60は、図示していない免震ピット等の基礎の上に設けられている。
また、上部構造部20の最上層22の応答加速度α2(図1(B)を参照)と下部構造部10の最上層12と応答加速度α1(図1(B)を参照)とが同じになるように、中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた各免震装置60の各種諸元が設定されている。なお、諸元の設定方法(計算方法)の一例については、後述する。
[作用及び効果]
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、本発明が適用されてない比較例としての中間免震構造物について説明する。
図11に示す比較例の中間免震構造物900は、下部構造部10と上部構造部20とを有し、これら下部構造部10と上部構造部20との間に中間免震層50が設けられている。しかし、下部構造部10と地盤800との間には基礎免震層102(図1(A))は設けられていない。また、比較例の中間免震構造物900は、固有周期を長周期化することで、地震時における揺れの強い短周期地震動との共振を避け、激しい揺れから免れるようになっている。
このような中間免震構造物900は、下部構造部10の最上層12(中間免震層50の直下の階層)の応答加速度α3が局所的に大きくなる現象が知られている(図11(B)を参照)。よって、地震時における下部構造部10の最上層12の応答変位(揺れ幅)が大きくなり、地震時の居住性が充分に確保されない。
なお、上部構造部20が振動すると、免震装置60を介して下部構造部10の最上層12が引っ張られることで、下部構造部10の最上層12の応答加速度が増幅され局所的に大きくなると考えられる。
そこで、図1(A)に示す本実施形態の中間免震構造物100では、中間免震層50に加え、基礎免震層102を設けることで、地震時に地盤800から中間免震構造物100(下部構造部10)に入力される応答加速度を低減させている。これにより、下部構造部10の振動が低減され、この結果、下部構造部10の最上層12の応答加速度が低減される。つまり、地震時における下部構造部10の最上層12の応答変位(揺れ幅)が、比較例の中間免震構造物900(図11を参照)と比較して小さくなり、地震時の居住性が向上する。
更に、図1(B)に示すように、本実施形態では、上部構造部20の最上層22の応答加速度α2と下部構造部10の最上層12と応答加速度α1とが同じになるように、中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた各免震装置60の各種諸元が設定されている。よって、上部構造部20の最上層22と下部構造部10の最上層12との両方の応答加速度がバランスよく低減されることで、両方の居住性が向上する(両方の居住性が確保される)。
また、中間免震層50及び基礎免震層102の(応答変位(揺れ幅))免震変位量が同じ又は略同じになるので、これら中間免震層50及び基礎免震層102に配置された各種配管やエレベーター等の設備設計が容易である。
(計算方法)
次に、上述した中間免震構造物100の中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた各免震装置60の諸元の設定方法(計算方法)の一例について説明する。
図9に示すように、中間免震構造物100における下部構造部10及び上部構造部20の挙動を等価2質点系の構造モデルに置き換える。
なお、下部構造部10の質量をmとし、上部構造部20の質量をmとし、基礎免震層の剛性をk1とし、中間免震層50の剛性をk2とする。また、地震時の地動変位量をyとし、基礎免震層102の層間変形量(地盤800と下部構造部10との相対移動量)をδとし、中間免震層50の層間変形量(下部構造部10と上部構造部20との相対移動量)をδとする。また、上部構造部20及び下部構造部10は剛体と仮定する。
そして、層間変形量δ、δを変数とした非減衰系の運動方程式は、下記[数1]にように表わすことができる。

ここで、あるモードの固有値を
λ(=ω
とし、
モード形(層間モードに対応)を
{du}={du du
とすれば、下記[数2]の固有方程式が成り立つ。
更に、下記の行列式[数3]
を整理し、下記の[数4]の様に表す。
ここで、
ωは、下部構造部10の質量をmとし、基礎免震層102の剛性をkとしたときの非減衰系1質点モデルにおける下部構造部10の固有円振動数であり、
ωは、上部構造部20の質量をmとし、中間免震層50の剛性をkとしたときの非減衰系1質点モデルにおける上部構造部20の固有円振動数であり、
γは、上部構造部20と下部構造部10との質量比(m=m)である。
そして、[数4]から、以下(1)〜(4)の関係が導かれる。
(1)ω、ω、γが既知の場合は、下記[数5]となる。

(2)ω、ω、λが既知の場合は、下記[数6]となる。

(3)ω、λ、γが既知の場合は、下記[数7]となる。

(4)ω、ω、λが既知の場合は、下記[数8]となる。

またモード形(層間モードに対応)に関しては、以下の[数9]又は[数10]の関係が成り立つ。


ここで、上部構造部20と下部構造部10の応答変位をバランスよく制御する、すなわち、上部構造部20の最上層22の応答加速度α2と下部構造部10の最上層12と応答加速度α1が同じになるようにすることから、変位応答において支配的となる1次モードの層間応答が中間免震層50と基礎免震層102とで等しいとした場合を想定し、質量比と変位との関係を考察する。
そして、1次モードの層間応答が中間免震層50と基礎免震層102とで等しいという条件から、1次モード形(層間モードに対応)を
{du}={1 1}
と表せる。
このモード形を[数9]に代入すると、1次モードの固有値λとωとに関する下記の[数11]の関係式が求まる。

更に、γ及びλが既知とし、ωに、上記の[数11]の関係を適用すると、上記[数7]よりωが以下の[数12]の様に表すことができる。

そして、これら[数11]及び[数12]を利用することで、1次モードの層間応答が中間免震層50と基礎免震層102とで等しくなる非減衰系2質点モデルを作成することができる。
つぎに、1次モードの刺激関数の最大値を求める。1次モード形を地盤(地上)30に対する相対応答の形に書き換えると、
{u}={2 1}
となる。
よって、地動加速度に対する1次モードの刺激関数の最大値βを求めると、以下の[数13]の様に表わすことがきる。

ここで、最大値βは1から2までの値を取る質量比γを変数とした単調減少関数である。そして、設計における現実的な質量比γの想定範囲を0.2〜5.0(実際の設計における想定範囲)と仮定すると、図10のグラフから、最大値βは1.56〜1.08の値となる。
よって、例えば、質量比γ=0.2の場合、上部構造部20(上部質点)の刺激関数が1.56となり、下部構造部10(下部質点)の刺激関数が0.78となる。これは、質量が同じ比較例の基礎免震層102を有していない中間免震構造物900(図11(A)を参照)の中間免震層50の変位量を1.0と仮定した場合、質量比γ=0.2の本実施形態の中間免震構造物100(図1(A)参照)では、中間免震層50及び基礎免震層102の免震変位量が、それぞれ0.78となることを意味する。そして、この関係は、広義の意味で応答加速度に当てはまる。
[変形例]
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
(第一変形例)
図2に示す第一変形例の中間免震構造物110は、上部構造部24が下部構造部14よりも大きく、上部構造部24の質量mは下部構造部14の質量mよりも重い。
また、上部構造部24の最上層26の応答加速度α2と下部構造部14の最上層16と応答加速度α1とが同じになるように、中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた各免震装置60の各種諸元が設定されている。
このように上部構造部24が大きくて重い場合、上部構造部24の最上層26の応答加速度α2が下部構造部14の最上層16よりも大きくなる場合がある。つまり、地震時における上部構造部24の最上層26の応答変位(揺れ幅)が大きくなり、地震時の居住性が充分に確保されない場合がある。
しかし、第一実施形態と同様に、第一変形例の中間免震構造物110では、中間免震層50に加え、基礎免震層102を設けることで、地震時に地盤800から中間免震構造物110(下部構造部14)に入力される応答加速度を低減させている。これにより、上部構造部24に入力される応答加速が低減され、この結果、上部構造部24の最上層26の応答加速度α2が低減されている。よって、地震時における上部構造部24の最上層26の応答変位(揺れ幅)が、基礎免震層102が無い場合と比較し、地震時の居住性が向上する。
また、第一実施形態と同様に、上部構造部20の最上層22の応答加速度α2と下部構造部14の最上層16と応答加速度α1とが同じになるように、中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた各免震装置60の各種諸元が設定されている。よって、上部構造部24の最上層26と下部構造部14の最上層16との両方の応答加速度がバランスよく低減されることで、両方の居住性が向上する(両方の居住性が確保される)。
(第二変形例)
図3に示す第二変形例の中間免震構造物120は、下部構造部14と上部構造部20との間に中部構造部30が設けられ、上部構造部20と中部構造部30との間に中間免震層50が設けられ、中部構造部30と下部構造部14との間に中間免震層104が設けられている。
また、上部構造部24の最上層26の応答加速度と中部構造部30の最上層32の応答加速度とが同じになるように、中間免震層50及び中間免震層104に設けられた各免震装置60の各種諸元が設定されている。
なお、本変形例では、中部構造部30が、特許請求の範囲における下部構造部に相当する。
また、第一実施形態及び変形例と同様に、本変形例の中間免震構造物120では、中間免震層50(又は中間免震層104)に加え、中間免震層104(又は中間免震層50)を設けることで、中間免震構造物120に入力される応答加速度を低減させている。これにより、上部構造部24の最上層26の応答加速度と中部構造部30の最上層32の応答加速度とが低減する。
(第三変形例)
図4に示す第三変形例の中間免震構造物130は、下部構造部14と上部構造部20との間に中部構造部34が設けられている。また、上部構造部20と中部構造部34との間に中間免震層50が設けられ、中部構造部34と下部構造部14との間に中間免震層104が設けられ、下部構造部14と地盤800との間に基礎免震層102が設けられている。
また、上部構造部20の最上層22の応答加速度と中部構造部34の最上層36の応答加速度と下部構造部14の最上層16の応答加速度とが同じになるように、中間免震層50、中間免震層104、及び基礎免震層102に設けられた各免震装置60の各種諸元が設定されている。
なお、本変形例では、上部構造部20に対しては中部構造部34は特許請求の範囲における下部構造部に相当し、下部構造部14に対しては中部構造部34は特許請求の範囲における上部構造部に相当する。
上記実施形態及び変形例と同様に、本変形例の中間免震構造物130では、中間免震層50(又は中間免震層104)に加え、中間免震層104(又は中間免震層50)及び基礎免震層102を設けることで、中間免震構造物130に入力される応答加速度を低減させている。これにより、上部構造部20の最上層22の応答加速度と中部構造部34の最上層36の応答加速度と下部構造部14の最上層16の応答加速度とが低減される。
(その他の変形例)
その他の構造の中間免震構造物であってもよい。例えば、図5(A)〜図5(D)に示す第四変形例〜第七変形例のような構造であってもよい。
図5(A)の第四変形例の中間免震構造物140は、上部構造部40が平面視において下部構造部10よりも小さく、且つセットバックされて配置された構造である。
図5(B)の第五変形例の中間免震構造物150は、上部構造部42が平面視において下部構造部10よりも大きくオーバーハングした構造である。
図5(C)の第六変形例の中間免震構造物160は、側面視において、上部構造部44と下部構造部45との間に段差があり、中間免震層55もこれに合わせて段差がある構造である。
図5(D)の第七変形例の中間免震構造物170は、側面視において、上部構造部46と下部構造部47とが、それぞれ斜めに傾斜した平行四辺形状である構造である。
また、第四変形例〜第七変形例においても、第二変形例のように基礎免震層102でなく中間免震層104を設けてもよいし、第三変形例のように基礎免震層102と中間免震層104との両方が設けられた構造であってもよい。
要は、中間免震構造物の下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の少なくとも一方(或いは、少なくとも応答加速度が大きい方)の最上層の応答加速度を低減させるように、第二免震層(中間免震層又は基礎免震層)を設ければよい。
<第二実施形態>
つぎに、本発明の第二実施形態に係る中間免震構造物について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[構造]
図6に示すように、中間免震構造物200は、下部構造部10と上部構造部20との間に中間免震層50が設けられている。中間免震層50には、上部構造部20を支持する積層ゴム62と鉛ダンパー64とを有する免震装置60が設けられている。
下部構造部10の最上層12(中間免震層50の直下の層)には、制振装置70が複数設けられている。制振装置70は、どのようなものであってもよいが、本実施形態では、最上層12の上下のスラブや梁等の構造部材の間を、ダンパー72を介して連結し、地震動によって最上層12が変形した際にダンパー72によってエネルギーを吸収させる層間ダンパー型の制振装置70である。
[作用及び効果]
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
第一実施形態で説明したように、図11に示す比較例の中間免震構造物900は、下部構造部10の最上層12(中間免震層50の直下の階層)の応答加速度が増幅され局所的に大きくなる現象が知られている。よって、地震時における下部構造部10の最上層12の応答変位(揺れ幅)が大きくなり、地震時の居住性が充分に確保されない。
そこで、本実施形態の中間免震構造物200では、下部構造部10の最上層12に制振装置70を設けることで、下部構造部10の最上層12の応答加速度を低減させている。よって、地震時における下部構造部10の最上層12の応答変位(揺れ幅)が、比較例の中間免震構造物900(図11を参照)と比較して小さくなり、地震時の居住性が向上する。
[変形例]
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
図7に示す変形例の中間免震構造物210は、上部構造部24が下部構造部14よりも大きく、上部構造部24の質量m2は下部構造部14の質量m1よりも重い。
第一実施形態で説明したように、上部構造部24の最上層26の応答加速度が下部構造部14の最上層16よりも大きくなる場合がある。つまり、地震時における上部構造部24の最上層26の応答変位(揺れ幅)が大きくなり、地震時の居住性が充分に確保されない場合がある。
したがって、第一変形例の中間免震構造物210では、上部構造部24の最上層26に、制振装置70を設け、上部構造部24の最上層26の応答加速度を低減させている。よって、地震時における上部構造部24の最上層26の応答変位(揺れ幅)が小さくなり、地震時の居住性が向上する。
(その他の変形)
図7の変形例の中間免震構造物210では、上部構造部24の最上層26に制振装置70が設けられていたが、下部構造部14の最上層16にも制振装置70を設けてもよい。また、図6の中間免震構造物200の上部構造部20の最上層22にも制振装置70を設けてもよい。つまり、中間免震構造物200、210の上部構造部20、24の最上層22、26と下部構造部10、14の最上層12、16との両方に制振装置70を設けてもよい。
また、第一実施形態の図5の各変形例で基礎免震層102がない構成の中間免震構造物にも、上部構造部の最上層及び上部構造部の最上層と少なくとも一方に制振装置を設けてもよい。
要は中間免震構造物の下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の少なくとも一方(或いは、少なくとも応答加速度が大きい方)の最上層に制振装置を設ければよい。
<第三実施形態>
つぎに、本発明の第三実施形態に係る中間免震構造物について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[構造]
図8に示すように、中間免震構造物300は、下部構造部10と上部構造部20とを有し、これら下部構造部10と上部構造部20との間に中間免震層50が設けられている。また、下部構造部10と地盤800との間に基礎免震層102が設けられている。更に、下部構造部10の最上層12(中間免震層50の直下)には、制振装置70が設けられている。
また、本実施形態では、上部構造部20の最上層22の応答加速度と下部構造部10の最上層12と応答加速度とが同じになるように、中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた免震装置60の各諸元が設定されている。
[作用及び効果]
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態の中間免震構造物300では、中間免震層50に加え、基礎免震層102を設けることで、地震時に地盤800から中間免震構造物100(下部構造部10)に入力される応答加速度を低減させている。更に、下部構造部10の最上層12に制振装置70を設けることで、下部構造部10の最上層12の応答加速度を低減させている。
よって、下部構造部10の最上層12の応答加速度が効果的に低減される。つまり、地震時における下部構造部10の最上層12の応答変位(揺れ幅)が、比較例の中間免震構造物900(図11を参照)と比較して小さくなり、地震時の居住性が効果的に向上する。
更に、本実施形態では、上部構造部20の最上層22の応答加速度と下部構造部10の最上層12と応答加速度とが同じになるように、中間免震層50及び基礎免震層102に設けられた免震装置60の各諸元が設定されている。よって、上部構造部20の最上層22と下部構造部10の最上層12との両方の応答加速度がバランスよく低減されることで、両方の居住性が向上する(両方の居住性が確保される)。
[変形例]
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態では、下部構造部10の最上層12に制振装置70が設けられていたが、上部構造部20の最上層22に制振装置70を設けてもよい。更に、上部構造部20の最上層22と下部構造部10の最上層12との両方に制振装置70を設けてもよい。
また、第一実施形態の各変形例においても、上部構造部の最上層及び下部構造部の最上層と少なくとも一方に制振装置70を設けてもよい。
なお、第一実施形態の図4に示す第三変形例の中間免震構造物130では、下部構造部の最上層と、上部構造部の最上層と、中部構造部の最上層と、の少なくとも一つに制振装置が設けられていればよい
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
本発明が適用された中間免震構造物は、新築だけでなく、既存の構造物の改修(耐震改修)にも適用することができる。改築(耐震改修)の場合の既存の構造物は、中間免震層を有する構造物、基礎免震層を有する構造物、免震層を有していない構造物に適用できる。更に、既存の構造物の上に免震層を設け上部構造部を増築する場合にも適用できる。また、中間免震層が三つ以上ある中間免震構造物にも適用することができる。要は一つ以上の中間免震層を有する中間免震構造物全般に本発明を適用することができる。
また、本発明は、下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の少なくとも一方の応答加速度を低減させる応答加速度低減手段(制振装置や免震層等)を有していればよい。なお、下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の少なくとも応答加速度が大きい方の最上層の応答加速度を低減させるように応答加速度低減手段(制振装置や免震層等)を設けることが望ましい。
また、下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の応答加速度が同じになるように、応答加速度低減手段を設けることが望ましい。或いは、下部構造部の最上層及び上部構造部の最上層の応答加速度が同じになるように、第二免震層や制振装置の諸元が設定されていることが望ましい。
また、上述の複数の実施形態及び変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない
10 下部構造部
12 最上層
14 下部構造部
16 最上層
20 上部構造部
22 最上層
24 上部構造部
26 最上層
30 中部構造部(上部構造部、下部構造部)
32 最上層
34 中部構造部(上部構造部、下部構造部)
36 最上層
40 上部構造部
42 上部構造部
44 上部構造部
45 下部構造部
46 上部構造部
47 下部構造部
50 中間免震層(第一免震層、第二免震層))
60 免震装置(応答加速度低減手段)
70 制振装置(応答加速度低減手段)
100 中間免震構造物
102 基礎免震層(第二免震層)
104 中間免震層(第一免震層、第二免震層)
110 中間免震構造物
120 中間免震構造物
130 中間免震構造物
140 中間免震構造物
150 中間免震構造物
160 中間免震構造物
170 中間免震構造物
200 中間免震構造物
210 中間免震構造物
300 中間免震構造物

Claims (2)

  1. 居住性が求められる鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、及び鉄骨造のいずれかの中間免震構造物に適用され、
    下部構造部と上部構造部との間に設けられた第一免震層と、
    前記下部構造部の下に設けられた第二免震層と、
    前記下部構造部が前記上部構造部よりも重い場合は前記下部構造部の最上層に設けられ、前記上部構造部が前記下部構造部よりも重い場合は前記上部構造部の最上層に設けられた制振装置と、
    を有し、
    前記第一免震層及び前記第二免震層には、免震支承と減衰手段とを有する免震装置がそれぞれ設けられ、
    前記制振装置は、該制振装置が設けられた最上層の構造部材間を連結するダンパーを有し、地震動によって前記最上層が変形した際に前記ダンパーによってエネルギーを吸収し、前記最上層の応答加速度を低減する、中間免震構造物。
  2. 前記下部構造部の最上層及び前記上部構造部の最上層の地震時における応答加速度が同じになるように、前記制振装置の諸元が設定されている、
    請求項1に記載の中間免震構造物。
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