JP2017179926A - 床版の構築方法及びPCa床版の継手構造 - Google Patents

床版の構築方法及びPCa床版の継手構造 Download PDF

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Abstract

【課題】上部継手鉄筋と下部継手鉄筋との間に配置される補強鉄筋の現場での配置、結束作業を減らすことができる床版の構築方法、及びPCa床版の継手構造を提供する。【解決手段】上継手鉄筋21U、22Uの少なくとも一方に上補強鉄筋25を結束し(図6)、下継手鉄筋21L、22Lの少なくとも一方に下補強鉄筋26を結束しておく。先行して第1PCa床版8Aを所定の第1位置P1に配置し(図7(A))、後から第2PCa床版8Bを、所定の第2位置P2よりも平面視で第1PCa床版8Aから離れた位置で、第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lが第1PCa床版8Aの第1上継手鉄筋21Uよりも低くなる所定高さまで吊り下ろし(図7(B))、第2PCa床版8Bを所定高さで第1PCa床版8A側へ横移動させ、第2位置に配置する(図7(C)〜(D))。その後、隙間Gに継手コンクリート13を打設する(図7(E))。【選択図】図7

Description

本発明は、互いに隣接して配置される1対のPCa床版(プレキャストコンクリート床版)を現場打ちのコンクリートからなる継手構造により接合してなる床版の構築方法、及びPCa床版の継手構造に関する。
橋梁の床版として、複数のPCa床版を橋軸方向に並ぶように橋桁の上に近接配置し、互いに近接するPCa床版同士を一体化することにより構築されるものがある。このようなPCa床版の継手構造としてRCループ継手が広く用いられている(特許文献1の図15、図16参照)。RCループ継手を用いたPCa床版は、複数のループ状鉄筋を、橋軸直角方向に間隔をおいて且つ床版本体の接合端面から延出するように配置し、ループ状鉄筋を埋め込むようにコンクリートを打設して形成される。ループ状鉄筋は、PCa床版の厚み方向に円弧を描くように湾曲し、近接配置されるPCa床版のループ状鉄筋と互いに重なり合う延出寸法に形成される。そして、近接配置された一対のPCa床版のループ状鉄筋によって形成される閉断面形状部分の内側に橋軸直角方向に延在する補強鉄筋が配置され、この状態で両PCa床版の床版本体間にコンクリートが打設されることにより、RCループ継手が構築される。
ところが、このRCループ継手では、PCa床版の配置前に予め補強鉄筋をループ状鉄筋の内側に配置しておくことができず、一対のPCa床版を所定の位置に配置した後に、ループ状鉄筋の内側に補強鉄筋を挿入しなければならない。そのため施工が煩雑であった。そこで、特許文献1に記載のプレキャスト床版では、床版本体から橋軸方向に張り出すループ状鉄筋を、それぞれ先端にエンドバンド(定着部)を有する上部継手鉄筋と下部継手鉄筋とに置き換え、これらの継手鉄筋を上下方向及び橋軸直角方向に間隔をおいて配置し、上部継手鉄筋の張り出し基端部となる床版本体の上部端面を下部継手鉄筋の張り出し基端部となる床版本体の下部端面よりも凹ませることによって補強鉄筋用の仮置き収容溝を形成している(特許文献1参照)。
また、上継手鉄筋の先端部から張り出す係止部(定着部)を、上面が上継手鉄筋の上面と略面一となるように略半円盤状に形成し、下継手鉄筋の先端部から張り出す係止部(定着部)を、下面が下継手鉄筋の下面と略面一となるように略半円盤状に形成した継手構造も公知である(特許文献2参照)。この継手構造では、係止部がコンクリート表面側に張り出さないため、コンクリートのかぶりを確保するために接合部やPCa床版の厚さを増大させる必要がない。
特開2012−62664号公報 特許第5700608号公報
しかしながら、特許文献1の継手構造を用いたプレキャスト床版を架設する際には、2つのプレキャスト床版を互いに隣接する所定の位置に配置した後に、プレキャスト仮置き収容溝に予め仮置きしておいた補強鉄筋を、上部継手鉄筋と下部継手鉄筋との間で展開し、所定の位置に配置した後に上部継手鉄筋又は下部継手鉄筋に再び結束しなければならない。そのため、現場での鉄筋の配置・結束作業(即ち、配筋作業)が必要になり、作業が煩雑である。
また、特許文献2の継手構造では、接合部に補強鉄筋が配置されていないが、補強鉄筋を上部継手鉄筋と下部継手鉄筋との間に配置する場合には、特許文献1が課題とする従来のRCループ継手の場合と同様に、一対のPCa床版を所定の位置に配置した後に上部継手鉄筋と下部継手鉄筋との間に補強鉄筋を挿入して配筋作業を行わなければならない。
本発明は、このような背景に鑑み、互いに隣接して配置される1対のPCa床版を継手構造により接合する際に、上部継手鉄筋と下部継手鉄筋との間に配置される補強鉄筋の現場での配置、結束作業を減らすことができる床版の構築方法、及びPCa床版の継手構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、互いに隣接して配置される1対のPCa床版(8)を現場打ちのコンクリートからなる継手構造(10)により接合してなる床版(4)の構築方法であって、先端に定着部(23)を有する上継手鉄筋(21U、22U)及び下継手鉄筋(21L、22L)が接合端面(12)の上部(12U)及び下部(12L)から延出する複数のPCa床版を用意するステップ(図6、図8)と、前記1対の前記PCa床版の前記上継手鉄筋(21U、22U)同士の重なり部の下方に配置される上補強鉄筋(25)を、少なくとも一方の前記PCa床版の前記上継手鉄筋に結束するステップ(図6、図8)と、前記1対の前記PCa床版の前記下継手鉄筋(21L、22L)同士の重なり部の上方に配置される下補強鉄筋(26)を、少なくとも一方の前記PCa床版の前記下継手鉄筋に結束するステップ(図6、図8)と、前記1対の前記PCa床版のうち、先行して配置すべき第1PCa床版(8A)を所定の第1位置(P1)に配置するステップ(図7(A)、図9(A))と、前記1対の前記PCa床版のうち、後から配置すべき第2PCa床版(8B)を、当該第2PCa床版が配置されるべき所定の第2位置(P2)よりも平面視で前記第1PCa床版から離れた位置で、当該第2PCa床版の前記下継手鉄筋(22L)が前記第1PCa床版の前記上継手鉄筋(21U)よりも低くなる所定高さまで吊り下ろすステップ(図7(B)、図9(B))と、前記第2PCa床版を前記所定高さで前記第1PCa床版側へ横移動させ、前記第2位置に配置するステップ(図7(C)〜(D)、図9(C))と、前記第1位置に配置された前記第1PCa床版と前記第2位置に配置された前記第2PCa床版との間(G)にコンクリートを打設し、前記第1PCa床版と前記第2PCa床版とを継ぎ合わせるステップ(図7(E)、図9(D))とを含む構成とする。
この態様によれば、上継手鉄筋同士の重なり部の下方に配置される上補強鉄筋を少なくとも一方のPCa床版の上継手鉄筋に予め結束し、下継手鉄筋同士の重なり部の上方に配置される下補強鉄筋を少なくとも一方のPCa床版の下継手鉄筋に予め結束するため、補強鉄筋の現場での配置、結束作業を減らすことができる。なお、補強鉄筋が予め配筋されるが、互いに隣接して配置される1対のPCa床版を所定の位置に配置する作業は、後から配置する第2PCa床版を所定高さで第1PCa床版側へ横移動させることにより、鉄筋同士を干渉させることなく行える。なお、本明細書において「干渉」(或いは「干渉しない」とは、鉄筋のたわみ等に起因して鉄筋同士が接触する(或いは接触しない)ことを含むような広い意味ではなく、鉄筋同士が第2PCa床版の移動を妨げるような相対位置関係にある(或いは相対位置関係にない)ことを意味するものである。
また、上記の態様において、前記PCa床版を用意するステップ(図6)では、前記定着部(23)を水平方向のみに張り出す形状に形成する構成とする。
この態様によれば、定着部は自身が設けられた継手鉄筋に対し上方や下方に張り出さないため、後から配置する第2PCa床版を所定高さで第1PCa床版側へ横移動させる際に、定着部が他方のPCa床版に結束された補強鉄筋に干渉することを防止できる。
また、上記の態様において、前記上補強鉄筋(25)を結束するステップ(図6)では、全ての前記上補強鉄筋(25)を前記第1PCa床版(8A)の前記上継手鉄筋(22U)に結束し、前記下補強鉄筋(26)を結束するステップでは、全ての下補強鉄筋(26)を前記第2PCa床版(8B)の前記下継手鉄筋(21L)に結束し、前記第2PCa床版(8B)を吊り下ろすステップ(図7(B))では、前記下補強鉄筋(26)が前記上補強鉄筋(25)と高さ方向に重ならず、且つ前記第2PCa床版(8B)が浮く高さまで前記第2PCa床版を吊り下ろし、前記第2PCa床版を前記第2位置(P2)に配置するステップ(図7(C)〜(D))は、前記第2PCa床版を浮かせた状態で、当該第2PCa床版を横移動させて前記第2位置の上方に配置するステップ(図7(C))と、前記第2位置の上方にある前記第2PCa床版を吊り下ろすステップ(図7(D))とを含む構成とする。
この態様によれば、第2PCa床版を浮かせた状態で横移動させるため、第2PCa床版の配置作業が容易である。
また、上記の態様において、前記第2PCa床版(8B)を吊り下ろすステップ(図9(B))では、前記第2位置(P2)と同じ高さまで前記第2PCa床版を吊り下ろし、前記第2PCa床版を前記第2位置に配置するステップ(図9(C))では、前記第2PCa床版を滑らせて横移動させる構成とする。
この態様によれば、補強鉄筋をどちらのPCa床版に予め配筋していても第2PCa床版を横移動させて第2位置に配置することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の他の態様は、PCa床版(8)の継手構造(10)であって、第1PCa床版(8A)における橋軸直角方向に延在する第1接合端面(12A)の上部及び下部から延出するように前記橋軸直角方向に間隔をおいて配置され、それぞれ先端に定着部(23)を有する複数の第1上継手鉄筋(21U)及び複数の第1下継手鉄筋(21L)と、前記第1PCa床版に対して橋軸方向に隙間(G)を空けて近接配置された第2PCa床版(8B)における前記第1接合端面に対向する第2接合端面(12B)の上部及び下部から延出するように前記橋軸直角方向に間隔をおいて配置され、それぞれ先端に定着部(23)を有し、且つ対応する前記第1上継手鉄筋又は前記第1下継手鉄筋と重なる延出長さを有する複数の第2上継手鉄筋(22U)及び複数の第2下継手鉄筋(22L)と、前記第1上継手鉄筋(21U)及び前記第2上継手鉄筋(22U)の互いに重なる部分の下方において前記橋軸直角方向に延在する上補強鉄筋(25)と、前記第1下継手鉄筋(21L)及び前記第2下継手鉄筋(22L)の互いに重なる部分の上方において前記橋軸直角方向に延在する下補強鉄筋(26)と、前記第1上継手鉄筋(21U)、前記第1下継手鉄筋(21L)、前記第2上継手鉄筋(22U)、前記第2下継手鉄筋(22L)、前記上補強鉄筋(25)及び前記下補強鉄筋(26)を巻き込むように前記隙間に構築される継手コンクリート(13)とを備え、前記定着部が水平方向のみに張り出す形状に形成されている構成とする。
この態様によれば、定着部は自身が設けられた継手鉄筋に対し上方や下方に張り出さないため、補強鉄筋が所定の位置に(どちらか一方のPCa床版に)配筋されていても、先に所定の位置に配置されたPCa床版に対して後から配置されるPCa床版を横移動させることによって互いに隣接する1対のPCa床版を所定の位置に配置できる。そのため、補強鉄筋を少なくとも一方の継手鉄筋に予め結束しておくことができ、現場での補強鉄筋の配置、結束作業を減らすことができる。
このように本発明によれば、互いに隣接して配置される1対のPCa床版を継手構造により接合する際に、上部継手鉄筋と下部継手鉄筋との間に配置される補強鉄筋の現場での配置、結束作業を減らすことができる床版の構築方法、及びPCa床版の継手構造を提供することができる。
実施形態に係るPCa床版の組立状態を示す概略斜視図 実施形態に係るPCa床版の継手構造の縦断面図 図2中のIII−III断面図 図2中のIV−IV断面図 図2に示されるヘッドバー(A)側面面、(B)平面面、(C)正面図 第1実施例に係るPCa床版の(A)平面図、(B)側面図 第1実施例に係る床版の構築手順の説明図 第2実施例に係るPCa床版の(A)平面図、(B)側面図 第2実施例に係る床版の構築手順の説明図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るPCa床版8の継手構造10及びPCa床版8を用いた床版4の構築方法について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るPCa床版8の継手構造10を適用した橋梁1の組立状態を示す概略斜視図である。図示されるように、橋梁1は、橋軸方向に離間して設けられた一対の橋脚2(図には一方の橋脚2のみが示される)と、一対の橋脚2に架け渡される橋桁3と、橋桁3上に構築される床版4とを有している。橋梁1は、道路橋として利用されてよく、他の目的に利用されてもよい。一対の橋脚2は、一方又は両方が橋台であってもよい。橋桁3は支承5を介して橋脚2上に配置される。本実施形態では、橋軸方向に延在する互いに平行をなす3本の桁6と、橋軸直角方向に互いに隣接する桁6同士を連結する図示しない対傾構とによって橋桁3が構成されている。
床版4は、橋軸方向に分割されてなる床版部分をそれぞれ構成する複数のPCa床版8を用いて構築される。具体的には、床版4は、複数のPCa床版8を、隙間Gを空けながら順次橋軸方向に近接配置し、互いに近接する一対のPCa床版8間に継手構造10を順次構築して複数のPCa床版8を連結することにより構築される。図示されるPCa床版8は全て同じ形状とされている。橋桁3の始端部や終端部、ジョイント等では異なる形状又は寸法のPCa床版8が用いられてもよい。図示は省略しているが、橋桁3の上面には床版固定用のスタッドが植設されている。一方、PCa床版8のスタッドに対応する位置には、スタッドを受容し、その状態で充填材が充填されることによってPCa床版8を橋桁3に固定するための固定孔9が形成されている。
図2は、PCa床版8の継手構造10周辺の縦断面を、コンクリートを透視したように示している。図1及び図2に示されるように、PCa床版8(8A、8B)は、鉄筋コンクリート製の床版本体部11を備えている。床版本体部11は、平面視において橋軸直角方向に長い概ね矩形を呈する板状とされている。床版本体部11の橋軸方向の一端面及び他端面は、それぞれ橋軸方向に近接配置されたPCa床版8との接合端面12(12A、12B)となる。以下、図2中の左側に位置し、橋桁3上の所定の位置に先に配置されるPCa床版8を第1PCa床版8Aと称し、図2中の右側に位置し、第1PCa床版8Aに近接する橋桁3上の所定の位置に後から配置されるPCa床版8を第2PCa床版8Bと称する。両者を区別しない場合には、単にPCa床版8と称する。また、先に配置される第1PCa床版8Aの第2PCa床版8B側(図2中の右側)の端面を第1接合端面12Aと称し、後から配置される第2PCa床版8Bの第1PCa床版8A側(図2中の左側)の端面を第2接合端面12Bと称する。両者を区別しない場合には、単に接合端面12と称する。
図2に示されるように、PCa床版8の接合端面12は、それぞれ橋軸直角方向に延在し、略鉛直に延在する接合面下部12L、接合面下部12Lに対して橋軸方向に凹んだ位置にて略鉛直に延在する接合面上部12U、及び接合面下部12Lと接合面上部12Uとを接続し、斜めに延在する接合面中間部12Mとにより構成される。これにより、所定の位置に配置された第1PCa床版8Aの第1接合端面12Aと第2PCa床版8Bの第2接合端面12Bとの隙間G(図1)は、下部に比べて上部で広くなっている。コンクリートがこの隙間Gに打設されて硬化することによって継手コンクリート13になる。
PCa床版8は、第1接合端面12Aから延出するように床版本体部11に一体に設けられた複数の第1上継手鉄筋21U及び複数の第1下継手鉄筋21Lと、第2接合端面12Bから延出するように床版本体部11に一体に設けられた複数の第2上継手鉄筋22U及び複数の第2下継手鉄筋22Lとを備えている。以下、第1上継手鉄筋21Uと第1下継手鉄筋21Lとを合わせて第1継手鉄筋21と称し、第2上継手鉄筋22Uと第2下継手鉄筋22Lとを合わせて第2継手鉄筋22と称し、第1継手鉄筋21と第2継手鉄筋22とを合わせて継手鉄筋21、22と称する。継手鉄筋21、22は、橋軸方向に延在している。全ての継手鉄筋21、22には、先端から径方向に張り出す定着部23が一体に設けられている。定着部23の詳細については後述する。
第1上継手鉄筋21Uは、第1接合端面12Aの接合面上部12Uから延出しており、橋軸直角方向に所定の間隔をおいて配置されている。第1下継手鉄筋21Lは、第1接合端面12Aの接合面下部12Lから延出しており、橋軸直角方向に所定の間隔をおいて、第1上継手鉄筋21Uと橋軸直角方向における同じ位置に配置されている。第2上継手鉄筋22Uは、第2接合端面12Bの接合面上部12Uから延出しており、橋軸直角方向に所定の間隔をおいて配置されている。第2下継手鉄筋22Lは、第2接合端面12Bの接合面下部12Lから延出しており、橋軸直角方向に所定の間隔をおいて、第2上継手鉄筋22Uと橋軸直角方向における同じ位置に配置されている。
図3は、図2中のIII−III断面を示し、図4は、図2中のIV−IV断面を示している。なお、図3及び図4においては、コンクリートのハッチングを省略している。図2〜図4に示されるように、第2継手鉄筋22は、橋軸直角方向において第1継手鉄筋21と異なる位置に配置されている。より具体的には、第2継手鉄筋22は、橋軸直角方向に互いに隣接する第1継手鉄筋21の中央に配置されている。第1下継手鉄筋21L及び第2下継手鉄筋22Lは、互いの大部分が橋軸方向に重なる延出長さを有している。また、第1上継手鉄筋21U及び第2上継手鉄筋22Uも、互いの大部分が橋軸方向に重なる延出長さを有している。
図2及び図3に示されるように、第1上継手鉄筋21U及び第2上継手鉄筋22Uの下方には、橋軸方向に所定の間隔を空けて配置されて橋軸直角方向に延在する複数の上補強鉄筋25(上端主筋)が配置されている。上補強鉄筋25は、全ての第1上継手鉄筋21U及び第2上継手鉄筋22Uに亘る長さを有する通し筋であり、床版本体部11の内部及び継手コンクリート13の内部の両方に配置される。なお、床版本体部11の内部には図示しないPC鋼線が橋軸直角方向に沿って配置されるため、床版本体部11内の上補強鉄筋25は継手コンクリート13内の上補強鉄筋25よりも細くなっている。本実施形態では、継手コンクリート13の内部に5本の上補強鉄筋25が配置されている。中央の3本の上補強鉄筋25は、第1上継手鉄筋21Uと第2上継手鉄筋22Uとの重なり部に配置され、両端の2本の上補強鉄筋25は、第1上継手鉄筋21Uと第2上継手鉄筋22Uとの重なり部の外に配置されている。
図2及び図4に示されるように、第1下継手鉄筋21L及び第2下継手鉄筋22Lの上方には、橋軸方向に所定の間隔を空けて配置されて橋軸直角方向に延在する複数の下補強鉄筋26(下端主筋)が配置されている。下補強鉄筋26は、全ての第1下継手鉄筋21L及び第2下継手鉄筋22Lに亘る長さを有する通し筋であり、床版本体部11の内部及び継手コンクリート13の内部の両方に配置される。下補強鉄筋26においても、床版本体部11内のみにPC鋼線が配置されていることにより、床版本体部11内で継手コンクリート13内よりも径が細くなっている。本実施形態では、継手コンクリート13の内部に3本の下補強鉄筋26が配置されている。3本の下補強鉄筋26は、第1下継手鉄筋21Lと第2下継手鉄筋22Lとの重なり部に配置されている。
図5に示されるように、定着部23は、継手鉄筋21、22に対して左右に水平方向に張り出し、上下方向には張り出さない扁平形状とされている。定着部23の高さ(厚さ)は継手鉄筋21、22の径と同一とされ、上面23U及び下面23Lが継手鉄筋21、22の上端及び下端に揃っている。定着部23の継手鉄筋21、22側の後面23Bは、鉛直に延在する長方形の平面とされ、その中央から継手鉄筋21、22が垂直に延出している。定着部23の突出端側の前面23Fは後面23Bと平行に延在しており、前面23Fの周囲には面取りによって形成された4つの傾斜面23Sが配置されている。前面23Fは、後面23Bの各辺の長さを3分の1程度に縮小した後面23Bと概ね合同な長方形となっており、4つの傾斜面23Sは後縁を揃えるように形成されている。従って、上下の傾斜面23Sの中央部に対する傾斜角は、左右の傾斜面23Sの中央部に対する傾斜角よりも大きな値(45度程度)になっている。
定着部23は、継手鉄筋21、22の製造後に継手鉄筋21、22の先端を加熱して熱間鍛造により上記形状に成形される。或いは、定着部23は、継手鉄筋21、22の製造時に上記形状に成形されてもよく、別部材として形成され、継手鉄筋21、22の製造後に継手鉄筋21、22の先端に接合されてもよい。定着部23は、継手鉄筋21、22に対して径方向に張り出していることにより、継手鉄筋21、22に橋軸方向の圧縮力又は引張力が加わった時に支圧力を継手コンクリート13に伝達し、継手鉄筋21、22の継手コンクリート13に対する定着力を向上させる。
次に、このような継手構造10によって互いに隣接して配置された1対のPCa床版8が接合される床版4の構築手順について説明する。
まず、図6及び図7を参照して、床版4の構築方法の実施例1について説明する。
最初に、図6に示されるように上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26を継手鉄筋21、22に結束したPCa床版8を複数用意する。上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26は、工場等で製造されたPCa床版8に対し、後から配筋されてもよく、PCa床版8を製造する工場等で床版本体部11のコンクリートを打設する前に継手鉄筋21、22に結束されてもよい。このPCa床版8は、橋桁3上の所定の位置に配置される際には第2PCa床版8Bになり、橋桁3上に配置された後に次のPCa床版8が橋桁3上の所定の位置に配置される際には第1PCa床版8Aになる。PCa床版8は、図中右側の第1接合端面12A側に複数の第1上継手鉄筋21U及び複数の第1下継手鉄筋21Lを備え、図中左側の第2接合端面12B側に複数の第2上継手鉄筋22U及び複数の第2下継手鉄筋22Lを備えている。
第1継手鉄筋21側では、第1上継手鉄筋21Uの下方に4本(近接配置されるPCa床版8の第2上継手鉄筋22Uと重なる部分の下方の3本の全てと、その左外方の1本)の上補強鉄筋25を予め配筋しておく。第2継手鉄筋22側では、第2上継手鉄筋22Uの下方に1本(近接配置されるPCa床版8の第1上継手鉄筋21Uと重なる部分の右外方の1本)の上補強鉄筋25を予め配筋し、第2下継手鉄筋22Lの上方に3本(近接配置されるPCa床版8の第1下継手鉄筋21Lと重なる部分の上方の3本の全て)の下補強鉄筋26を予め配筋しておく。
次に、図7(A)に示されるように、このように配筋されたPCa床版8を第1PCa床版8Aとして橋桁3(図1)上の所定の第1位置P1に配置する。PCa床版8の配置はクレーンにより行う。第1PCa床版8Aの右方に示される想像線は、第2PCa床版8Bが配置されるべき所定の第2位置P2を示している。
その後、図7(B)に示されるように、別のPCa床版8を第2PCa床版8Bとしてクレーンで吊り上げ、平面視で第1PCa床版8Aから第2位置P2よりも離れた位置まで移動させた後、第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lが第1PCa床版8Aの第1上継手鉄筋21Uよりも低くなる所定高さまで吊り下ろす。
ここで、第2PCa床版8Bが第1PCa床版8Aと完全に同じ高さに配置され、床版4が水平に延びるものとして所定高さについて説明する。本実施例における所定高さとは、第2PCa床版8Bが宙に浮いており(即ち、第2位置P2よりも高く、第2PCa床版8Bが橋桁3に接触していない)、定着部23が予め配筋されている上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26と高さ方向に重なららず、且つない高さである。具体的には、第2下継手鉄筋22L上の下補強鉄筋26の上端が第1上継手鉄筋21Uの下の上補強鉄筋25の下端よりも低い高さである。
この高さまで第2PCa床版8Bが下ろされると、鉄筋21、22、25、26を干渉させることなく第2PCa床版8Bを横方向に移動させることができる。そこで、図7(C)に示されるように、第2PCa床版8Bを浮かせた状態で第1PCa床版8A側へ横移動させて、第2位置P2の上方に配置する。この横移動は、クレーンによって行ってもよいし、人力やレバーブロック(登録商標)等の道具を用いて行ってもよい。
第2PCa床版8Bを第2位置P2の上方に配置した後、図7(D)に示されるように、第2PCa床版8Bを吊り下ろして第2位置P2に配置する。この際、鉄筋21、22、25、26同士が干渉することはない。これにより、第1PCa床版8Aの第1接合端面12Aと第2PCa床版8Bの第2接合端面12Bとの間に隙間Gが形成され、第2PCa床版8Bの第2上継手鉄筋22Uが第1PCa床版8Aの第1上継手鉄筋21Uに橋軸方向に重なり、第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lが第1PCa床版8Aの第1下継手鉄筋21Lに橋軸方向に重なる。必要に応じ、上補強鉄筋25を第2上継手鉄筋22Uにも結束し、下補強鉄筋26を第1下継手鉄筋21Lにも結束する。
その後、隙間Gの下方に型枠31を組み立て、図7(E)に示されるように、隙間Gにコンクリートを打設し、硬化させることにより、第1上継手鉄筋21U、第1下継手鉄筋21L、第2上継手鉄筋22U及び第2下継手鉄筋22Lを巻き込んだ継手コンクリート13が構築される。継手コンクリート13が硬化した後、型枠31は撤去する。これにより、現場打ちのコンクリートからなる上記構成の継手構造10が構築され、互いに隣接して配置される1対のPCa床版8を継手構造10により接合してなる床版4が構築される。
以上に説明した本実施例に係る床版4の構築方法によれば、次のような作用効果を得ることができる。
即ち、本実施例では、図6及び図7(B)に示されるように、上継手鉄筋21U、22U同士の重なり部の下方に配置される3本の上補強鉄筋25を第1PCa床版8Aの第1上継手鉄筋21Uに結束すると共に、下継手鉄筋21L、22L同士の重なり部の上方に配置される3本の下補強鉄筋26を第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lに結束しておく。そのため、補強鉄筋25、26の現場での配置、結束作業を減らすことができる。
そして、図7(A)に示されるように、第1PCa床版8Aを所定の第1位置P1に先行して配置し、図7(B)に示されるように、第2位置P2よりも平面視で第1PCa床版8Aから離れた位置で、第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lが第1PCa床版8Aの上継手鉄筋21Uよりも低くなる所定高さまで第2PCa床版8Bを吊り下ろした後に、図7(C)及び(D)に示されるように、第2PCa床版8Bを所定高さで第1PCa床版8A側へ横移動させ、第2位置P2に配置する。そのため、補強鉄筋25、26が予め配筋されるが、互いに隣接して配置される1対のPCa床版8を所定の位置に配置する作業は、鉄筋21、22、25、26同士を干渉させることなく行える。最後に、図7(E)に示されるように、第1位置P1に配置された第1PCa床版8Aと第2位置P2に配置された第2PCa床版8Bとの間にコンクリートを打設し、第1PCa床版8Aと第2PCa床版8Bとを継ぎ合わせる。
また、本実施例では、図5及び図6に示されるように、PCa床版8を用意する際には、定着部23を水平方向のみに張り出す形状に形成している。そのため、後から配置する第2PCa床版8Bを所定高さで第1PCa床版8A側へ横移動させる際に、定着部23が他方のPCa床版8に結束された補強鉄筋25、26に干渉することが防止される。
更に、図6に示されるように、上補強鉄筋25を予め結束する際には、重なり部の下方に配置される3本全ての上補強鉄筋25を第1PCa床版8Aの第2上継手鉄筋22Uに結束し、下補強鉄筋26を予め結束する際には、3本全ての下補強鉄筋26を第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lに結束しておく。そして、図7(B)に示されるように、第2PCa床版8Bを吊り下ろす際には、下補強鉄筋26が上補強鉄筋25と高さ方向に重ならず、且つ第2PCa床版8Bが浮く高さまで第2PCa床版8Bを吊り下ろし、第2PCa床版8Bを第2位置P2に配置する際には、図7(C)に示されるように、第2PCa床版8Bを浮かせた状態で、第2PCa床版8Bを横移動させて第2位置P2の上方に配置した後、図7(D)に示されるように、第2位置P2の上方にある第2PCa床版8Bを吊り下ろす。そのため、横移動を伴う第2PCa床版8Bの配置作業が容易である。
次に、図8及び図9を参照して、床版4の構築方法の実施例2について説明する。
最初に、図8に示されるように上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26を継手鉄筋21、22に結束したPCa床版8を複数用意する。実施例1と同様、上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26は、工場等で製造されたPCa床版8に対し、後から配筋されてもよく、PCa床版8を製造する工場等で床版本体部11のコンクリートを打設する前に継手鉄筋21、22に結束されてもよい。
第1継手鉄筋21側では、第1上継手鉄筋21Uの下方に1本(近接配置されるPCa床版8の第2上継手鉄筋22Uと重なる部分の左外方の1本)の上補強鉄筋25を予め配筋しておく。第2継手鉄筋22側では、第2上継手鉄筋22Uの下方に4本(近接配置されるPCa床版8の第1上継手鉄筋21Uと重なる部分の下方の3本の全てと、その右外方の1本)の上補強鉄筋25を予め配筋し、第2下継手鉄筋22Lの上方に3本(近接配置されるPCa床版8の第1下継手鉄筋21Lと重なる部分の上方の3本の全て)の下補強鉄筋26を予め配筋しておく。
次に、図9(A)に示されるように、このように配筋されたPCa床版8を第1PCa床版8Aとして橋桁3(図1)上の所定の第1位置P1に配置する。PCa床版8の配置はクレーンにより行う。第1PCa床版8Aの右方に示される想像線は、第2PCa床版8Bが配置されるべき所定の第2位置P2を示している。
その後、図9(B)に示されるように、別のPCa床版8を第2PCa床版8Bとしてクレーンで吊り上げ、平面視で第1PCa床版8Aから第2位置P2よりも離れた位置まで移動させた後、第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lが第1PCa床版8Aの第1上継手鉄筋21Uよりも低くなる所定高さまで吊り下ろす。
ここで、第2PCa床版8Bが第1PCa床版8Aと完全に同じ高さに配置され、床版4が水平に延びるものとして所定高さについて説明する。本実施例における所定高さとは、第2位置P2と同じ高さ(即ち、第2PCa床版8Bが橋桁3に接触する、ないし載置される高さ)である。第2PCa床版8Bがこの高さに配置されることにより、定着部23が予め配筋されている上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26と高さ方向に重ならない高さ(上端と下端とが同一高さとなる高さ)である。具体的には、第2上継手鉄筋22U下の上補強鉄筋25の上端が第1上継手鉄筋21Uの定着部23に下面23Lに一致し、第2下継手鉄筋22L上の下補強鉄筋26の下端が第1上継手鉄筋21Uの定着部23の上面23Uに一致する高さである。
この高さまで第2PCa床版8Bが下ろされると、鉄筋21、22、25、26を干渉させることなく第2PCa床版8Bを横方向に移動させることができる。そこで、図9(C)に示されるように、第2PCa床版8Bを、橋桁3上を滑らせて第1PCa床版8A側へ横移動させて、第2位置P2に配置する。この際、鉄筋21、22、25、26同士が接触することがあっても、鉄筋21、22、25、26同士が干渉することはない。鉄筋21、22、25、26同士、具体的には定着部23と上補強鉄筋25又は下補強鉄筋26とが接触した場合には、定着部23の前面23F側の上下端に傾斜面23Sが形成されているため、傾斜面23Sにガイドされて上補強鉄筋25又は下補強鉄筋26は定着部23の下方又は上方を通過する。この横移動は、摺動抵抗を低減するためのシートやレバーブロック(登録商標)等の道具を用いて行うとよい。なお、定着部23と上補強鉄筋25又は下補強鉄筋26との干渉を確実に防止するために、上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26が結束された側の第2上継手鉄筋22Uと第2下継手鉄筋22Lとの先端同士を近づけるように仮結束しておいてもよい。
これにより、第1PCa床版8Aの第1接合端面12Aと第2PCa床版8Bの第2接合端面12Bとの間に隙間Gが形成され、第2PCa床版8Bの第2上継手鉄筋22Uが第1PCa床版8Aの第1上継手鉄筋21Uに橋軸方向に重なり、第2PCa床版8Bの第2下継手鉄筋22Lが第1PCa床版8Aの第1下継手鉄筋21Lに橋軸方向に重なる。必要に応じ、上補強鉄筋25を第1上継手鉄筋21Uにも結束し、下補強鉄筋26を第1下継手鉄筋21Lにも結束する。
その後、隙間Gの下方に型枠31を組み立て、図9(D)に示されるように、隙間Gにコンクリートを打設し、硬化させることにより、第1上継手鉄筋21U、第1下継手鉄筋21L、第2上継手鉄筋22U及び第2下継手鉄筋22Lを巻き込んだ継手コンクリート13が構築される。継手コンクリート13が硬化した後、型枠31は撤去する。これにより、上記構成の継手構造10が構築される。
実施例2においても、図8及び図9(B)に示されるように、上継手鉄筋21U、22U同士の重なり部の下方に配置される3本の上補強鉄筋25を第2上継手鉄筋22Uに結束すると共に、下継手鉄筋21L、22L同士の重なり部の上方に配置される3本の下補強鉄筋26を第2下継手鉄筋22Lに結束しておくことにより、補強鉄筋25、26の現場での配置、結束作業を減らせる点は実施例1と同様である。
また、図5及び図8に示されるように、PCa床版8を用意する際には、定着部23を水平方向のみに張り出す形状に形成していることにより、図9(C)に示される第2PCa床版8Bの横移動時に、第1PCa床版8A側の定着部23の上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26に対する干渉が防止され、上下の補強鉄筋25、26が第2継手鉄筋22に結束された第2PCa床版8Bの所定位置への配置が可能になる。
更に、本実施例では、第2PCa床版8Bを吊り下ろす際には、図9(B)に示されるように、第2位置P2と同じ高さまで第2PCa床版8Bを吊り下ろし、第2PCa床版8Bを第2位置P2に配置する際には、図9(C)に示されるように、第2PCa床版8Bを滑らせて横移動させる。そのため、補強鉄筋25、26をどちらのPCa床版8に予め配筋していても第2PCa床版8Bを横移動させて第2位置P2に配置することが可能である。
そして、本実施形態では、図2〜図4に示されるように、継手構造10が、第1PCa床版8Aにおける橋軸直角方向に延在する第1接合端面12Aの上部及び下部から延出するように橋軸直角方向に間隔をおいて配置され、それぞれ先端に定着部23を有する複数の第1上継手鉄筋21U及び複数の第1下継手鉄筋21Lと、第1PCa床版8Aに対して橋軸方向に隙間Gを空けて近接配置された第2PCa床版8Bにおける第1接合端面12Aに対向する第2接合端面12Bの上部及び下部から延出するように橋軸直角方向に間隔をおいて配置され、それぞれ先端に定着部23を有し、且つ対応する第1上継手鉄筋21U又は第1下継手鉄筋21Lと重なる延出長さを有する複数の第2上継手鉄筋22U及び複数の第2下継手鉄筋22Lと、第1上継手鉄筋21U及び第2上継手鉄筋22Uの互いに重なる部分の下方において橋軸直角方向に延在する上補強鉄筋25と、第1下継手鉄筋21L及び第2下継手鉄筋22Lの互いに重なる部分の上方において橋軸直角方向に延在する下補強鉄筋26と、第1上継手鉄筋21U、第1下継手鉄筋21L、第2上継手鉄筋22U、第2下継手鉄筋22L、上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26を巻き込むように隙間Gに構築される継手コンクリート13とを備え、定着部23が水平方向のみに張り出す形状に形成されている。
そのため、上補強鉄筋25や下補強鉄筋26の一部が予め配筋されていても、実施例1や実施例2で説明したように、鉄筋21、22、25、26同士を干渉させることなく第2PCa床版8Bを横移動させて所定の第2位置P2に配置できる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、実施例1では、継手鉄筋21、22の重なり部に配置される上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26の全て(6本)を予めPCa床版8の一方に配筋しているが、そのうちの何本かだけを予め配筋してもよい。この場合、PCa床版8の配置後に上補強鉄筋25又は下補強鉄筋26を配置しなければならないが、その本数が減るため、作業は比較的容易になる。また、上記実施例2では、重なり部の上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26の全て(6本)を第2PCa床版8Bに配筋しているが、その一部又は全部を第1PCa床版8Aに配筋してもよい。上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26を第1PCa床版8A及び第2PCa床版8Bの両方に配筋する場合、継手鉄筋21、22の基端側の上補強鉄筋25及び下補強鉄筋26を結束するとよい。これにより、第2PCa床版8Bを横方向にスライドさせなければならない距離を短くすることができる。その他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度、手順など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
4 床版
8 PCa床版
8A 第1PCa床版
8B 第2PCa床版
10 継手構造
11 床版本体部
12 接合端面
12A 第1接合端面
12B 第2接合端面
12L 接合面下部
12U 接合面上部
13 継手コンクリート
21 第1継手鉄筋
21L 第1下継手鉄筋
21U 第1上継手鉄筋
22 第2継手鉄筋
22L 第2下継手鉄筋
22U 第2上継手鉄筋
23 定着部
25 上補強鉄筋
26 下補強鉄筋
G 隙間
P1 第1位置
P2 第2位置

Claims (5)

  1. 互いに隣接して配置される1対のPCa床版を現場打ちのコンクリートからなる継手構造により接合してなる床版の構築方法であって、
    先端に定着部を有する上継手鉄筋及び下継手鉄筋が接合端面の上部及び下部から延出する複数のPCa床版を用意するステップと、
    前記1対の前記PCa床版の前記上継手鉄筋同士の重なり部の下方に配置される上補強鉄筋を、少なくとも一方の前記PCa床版の前記上継手鉄筋に予め結束するステップと、
    前記1対の前記PCa床版の前記下継手鉄筋同士の重なり部の上方に配置される下補強鉄筋を、少なくとも一方の前記PCa床版の前記下継手鉄筋に予め結束するステップと、
    前記1対の前記PCa床版のうち、先行して配置すべき第1PCa床版を所定の第1位置に配置するステップと、
    前記1対の前記PCa床版のうち、後から配置すべき第2PCa床版を、当該第2PCa床版が配置されるべき所定の第2位置よりも平面視で前記第1PCa床版から離れた位置で、当該第2PCa床版の前記下継手鉄筋が前記第1PCa床版の前記上継手鉄筋よりも低くなる所定高さまで吊り下ろすステップと、
    前記第2PCa床版を前記所定高さで前記第1PCa床版側へ横移動させ、前記第2位置に配置するステップと、
    前記第1位置に配置された前記第1PCa床版と前記第2位置に配置された前記第2PCa床版との間にコンクリートを打設し、前記第1PCa床版と前記第2PCa床版とを継ぎ合わせるステップと
    を含むことを特徴とする床版の構築方法。
  2. 前記PCa床版を用意するステップでは、前記定着部を水平方向のみに張り出す形状に形成することを特徴とする請求項1に記載の床版の構築方法。
  3. 前記上補強鉄筋を予め結束するステップでは、全ての前記上補強鉄筋を前記第1PCa床版の前記上継手鉄筋に結束し、
    前記下補強鉄筋を予め結束するステップでは、全ての前記下補強鉄筋を前記第2PCa床版の前記下継手鉄筋に結束し、
    前記第2PCa床版を吊り下ろすステップでは、前記下補強鉄筋が前記上補強鉄筋と高さ方向に重ならず、且つ前記第2PCa床版が浮く高さまで前記第2PCa床版を吊り下ろし、
    前記第2PCa床版を前記第2位置に配置するステップは、
    前記第2PCa床版を浮かせた状態で、当該第2PCa床版を横移動させて前記第2位置の上方に配置するステップと、
    前記第2位置の上方にある前記第2PCa床版を吊り下ろすステップと
    を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床版の構築方法。
  4. 前記第2PCa床版を吊り下ろすステップでは、前記第2位置と同じ高さまで前記第2PCa床版を吊り下ろし、
    前記第2PCa床版を前記第2位置に配置するステップでは、前記第2PCa床版を滑らせて横移動させることを特徴とする請求項2に記載の床版の構築方法。
  5. 第1PCa床版における橋軸直角方向に延在する第1接合端面の上部及び下部から延出するように前記橋軸直角方向に間隔をおいて配置され、それぞれ先端に定着部を有する複数の第1上継手鉄筋及び複数の第1下継手鉄筋と、
    前記第1PCa床版に対して橋軸方向に隙間を空けて近接配置された第2PCa床版における前記第1接合端面に対向する第2接合端面の上部及び下部から延出するように前記橋軸直角方向に間隔をおいて配置され、それぞれ先端に定着部を有し、且つ対応する前記第1上継手鉄筋又は前記第1下継手鉄筋と重なる延出長さを有する複数の第2上継手鉄筋及び複数の第2下継手鉄筋と、
    前記第1上継手鉄筋及び前記第2上継手鉄筋の互いに重なる部分の下方において前記橋軸直角方向に延在する上補強鉄筋と、
    前記第1下継手鉄筋及び前記第2下継手鉄筋の互いに重なる部分の上方において前記橋軸直角方向に延在する下補強鉄筋と、
    前記第1上継手鉄筋、前記第1下継手鉄筋、前記第2上継手鉄筋、前記第2下継手鉄筋、前記上補強鉄筋及び前記下補強鉄筋を巻き込むように前記隙間に構築される継手コンクリートとを備え、
    前記定着部が水平方向のみに張り出す形状に形成されていることを特徴とするPCa床版の継手構造。
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