JP6334802B1 - プレキャストpc床版の連結構造及び連結方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、プレストレスで連結されたプレキャストPC床版1を効率的に補修交換できるようにプレキャストPC床版1を通常パネル1a、連結パネル1b、及びPC鋼線の定着部2を底面側に設けた定着パネル1cの三種類を用い、定着パネル1cの定着部2の間にキャップケーブル65を配設し、緊張定着してプレキャストPC床版1を連結することによって新旧のプレキャストPC床版を連結する補修工法が特許文献2(特開平7−268808号公報)に開示されている。(図7参照)
特許文献1においては、接続具を用いPC鋼線を接続して必要長さとすることが示唆されているが、接続具を用いる方法では橋梁の全長に渡ってプレキャストPC床版の敷設が完了してからでないとPC鋼線の緊張定着作業をすることができない。従って、PC鋼線を緊張定着することによるプレキャストPC床版の一体化が完了するまでの間、プレキャストPC床版は桁上に載置されているだけの仮設状態であり、床版としての設計強度が発揮されず、また、床版上に舗装工事をすることができないので工期が長くなるという問題がある。
しかしながら、連結部の両側のプレキャストPC床版を先に緊張定着して一体化しないと連結できないため、特許文献1に開示された技術について挙げたと同様に橋梁全体のプレキャストPC床版が緊張定着されてからでないとプレキャストPC床版は一体化されず、床版上の舗装工事を行うことができない。
また、橋桁の上に橋軸方向に所定枚数のプレキャストPC床版を並列設置してPC鋼線の緊張定着によって連結する連結方法であって、所定枚数の基本床版を並列敷設し、その端部に底部に定着部を設けた始端定着床版を設置し、続いて既に設置した所定枚数の基本床版の底部に定着部を設けた終端定着床版を設置し、PC鋼線によって緊張定着して基本床版、始端定着床版、及び終端定着床版を圧着接合する方法であって、始端定着床版と終端定着床版の底部に設けた定着部は橋軸直交方向にPC鋼線が所定距離離れて配設されるように始端定着床版と終端定着床版の定着部が橋軸直角方向にずらして配置してあるものであり、PC鋼線はずらし部で橋軸直交方向に互いに所定距離ずらして配設さてPC鋼線をラップさせるプレキャストPC床版の連結方法である。
所定の枚数のプレキャストPC床版の並設設置及びこれらの緊張定着を一日作業で完了する範囲に調整することによって、当日作業で敷設完了したプレキャストPC床版は一体化されて床版としての設計強度が発揮される状態であり、プレキャストPC床版が桁の上に載置されているだけの不安定な仮設状態にある状態を短縮することができ、工事中に地震や暴風雪等自然災害が襲来してもプレキャストPC床版は所定の設計強度を発揮することができるので欠けや破損、及び落下等の発生率を低減することができる。
また、始端定着床版と終端定着床版の間に連結床版を介在させることによって、連結部におけるPC鋼線のラップ長さを充分なものとすることができ、床版の連結部において応力伝達がスムーズにおこなわれ、強固な連結構造とすることができる。
図示の実施例のプレキャストPC床版1は、基本床版1a、連結床版1b及び定着床版(始端定着床版1c及び終端定着床版1d)の三種類であり、いずれも橋軸直交方向(X−X方向)には接合部を設けない一枚版である。橋軸直交方向には複数のPC鋼線を配置してプレテンション方式で床版にプレストレスを付与した二方向PC床版とする。
幅員が大きい場合、もしくは運搬上の制約があってプレキャストPC床版の橋軸直交方向の長さが制約される場合、橋軸直交方向(X−X方向)においてもプレキャストPC床版を工場で分割して製造し、現場地組してポストテンション方式で接合して一体化して必要な大きさのプレキャストPC床版とすることができる。
なお、連結床版1bを設置することは必須ではなく、始端定着床版1c、終端定着床版1dの幅(橋軸方向長さ)を大きくして十分な緊張PC鋼線6a、6bのラップ長さを確保するようにして連結床版1bを省略することができる。また、連結部におけるPC鋼線6a、6bのラップ長さを所定の長さとするために連結床版1bは1枚に限るものでなく、複数枚設置することとしてもよい。
連結部においてPC鋼線6a、6bがラップして配設されることによってPC鋼線が実質的に連続したPC鋼線とみなすことができるようにPC鋼線6a、6bがラップする長さを定める。このラップ区間におけるPC鋼線6a、6bの離間距離は、道路橋示方書に定められているPC鋼線の最小間隔以上としてある。
乾式工法では、プレキャストPC床版1、1の間に接着剤6Aを塗布し、プレキャストPC床版1の製作誤差を考慮して2〜5mm程度の隙間を設けることが好ましい。シース60の継手部分から雨水や接着剤がシース60の内部に流入しないようにスポンジゴム61を貼り付ける。
湿式工法では、プレキャストPC床版1、1の間に10〜20mmの目地7を設け、目地7内に無収縮モルタル71を充填するが、シース60の継手部分から無収縮モルタル71がシース6内に流入しないようにスポンジゴム61をシースの継目に貼り付けて無収縮モルタル71を充填して目地7を埋める。
橋軸直角方向にプレストレスを導入することによって、プレキャストPC床版1の反りや平面曲がり変形が大きくなる場合では、湿式工法を採用して対応することができる。
工程(1)基本床版1aを所定枚数並設していき、区間Aの端部の基本床版1aに接して区間Bの始端定着床版1c、続いて連結床版1b、区間Aの終端定着床版1dを配設し、PC鋼線6aを端部の基本床版1aの側端面から区画Aの終端部に位置する終端定着床版1dまで挿通して区画Aの終端定着床版1dの定着部2及び基本床版1aの側端面に緊張定着して区間Bの始端定着床版1cを含めて区画AのプレキャストPC床版を一体化する。
工程(2)続いて区画Bにおいて、区画Aの終端定着床版1dに続けて基本床版1aを所定数設置し、続けて区画Cの始端定着床版1c、連結床版1b及び区画Bの終端定着床版1dを設置し、PC鋼線6bを区画Bの始端定着床版1cの定着部2から区画Bの終端定着床版1dの定着部2へ挿通し、それぞれ定着部に緊張定着し、区画C始端定着床版1cを含めて区画B全体を一体化する。
工程(3)最後の区画Cを前記と同じ手順で施工して全体を完成する。区画Cの最終位置の床版は基本床版1aであり、PC鋼線6cはこの基本床版1aの側端面に定着される。
このように、並設されたプレキャストPC床版1は区画ごとにPC鋼線6(6a、6b、若しくは6c)を緊張定着することによって一体化される。そして、次の区画のプレキャストPC床版の設置及び緊張定着によって一体化する工事作業中に、一体化が完了した区画の上面に舗装工事及び高欄設置工事等を同時に並行して施工することができ、全体の工期を大幅に短縮することができる。
1a 基本床版
1b 連結床版
1c 始端定着床版
1d 終端定着床版
12 ずれ止め孔
13 レベル調整孔
14 膨張コンクリート
2 定着部(突起)
3 鋼桁
31 フランジ
4 ソールゴム
32 スタッドボルト
50 レベル調整用ボルト
6(6a、6b、6c) PC鋼線
6A 接着剤
6z ずらし部
65 キャップケーブル
60 シース
61 スポンジゴム
7 目地
71 無収縮モルタル
8 インサート
Claims (5)
- 橋桁の上の橋軸方向に所定枚数のプレキャストPC床版をPC鋼線の緊張定着によって連結する連結構造であって、所定枚数の基本床版が並設された端部に、底部にPC鋼線定着部を有する始端定着床版と終端定着床版が設置され、所定枚数の基本床版と始端定着床版及び終端定着床版がPC圧着接合で一体化された連結構造であり、始端定着床版と終端定着床版の定着部は互いに橋軸直交方向に所定距離ずらしてあり、PC鋼線はずらし部で橋軸直交方向に互いに所定距離ずらして配設してあり、終端定着床版に定着されたPC鋼線と始端定着床版に定着されたPC鋼線がラップした状態としてあることを特徴とするプレキャストPC床版の連結構造。
- 請求項1において、終端定着床版と始端定着床版との間にPC鋼線のラップ長さを調整するための連結床版が設けてあり、この連結床版にはPC鋼線をラップさせるためのシースが所定間隔で設けてあることを特徴とするプレキャストPC床版の連結構造。
- 橋桁の上に橋軸方向に所定枚数のプレキャストPC床版を並列設置してPC鋼線の緊張定着によって連結する連結方法であって、所定枚数の基本床版を並列敷設し、その端部に底部に定着部を設けた始端定着床版を設置し、続いて既に設置した所定枚数の基本床版の底部に定着部を設けた終端定着床版を設置し、PC鋼線によって緊張定着して基本床版、始端定着床版、及び終端定着床版を圧着接合する方法であって、始端定着床版と終端定着床版の底部に設けた定着部は橋軸直交方向にPC鋼線が所定距離離れて配設されるように始端定着床版と終端定着床版の定着部が橋軸直角方向にずらして配置してあるものであり、PC鋼線はずらし部で橋軸直交方向に互いに所定距離ずらして配設させてPC鋼線をラップさせることを特徴とするプレキャストPC床版の連結方法。
- 請求項3において、プレキャストPC床版の並列設置及び緊張定着を完了した後、緊張定着を完了した床版部分上に舗装工事を行うのと並行して隣接する領域のプレキャストPC床版の並列設置及び緊張定着を実施することを特徴とするプレキャストPC床版の連結方法。
- 請求項3または4において、敷設するプレキャストPC床版の枚数を施工当日内に緊張定着工事を完了できる枚数とすることを特徴とするプレキャストPC床版の連結方法。
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