JP5912664B2 - コンクリート組立構造体 - Google Patents

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本発明は、コンクリート組立構造体に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されているように、コンクリート部材を組み立てた構成のコンクリート組立構造体が知られている。この特許文献1に開示されたコンクリート組立構造体は、プレキャストコンクリート製であってその上端部に鉄筋が突出された一対の側壁部材と、これら側壁部材の上部間にそれぞれ隅角部を空けた状態で架け渡される頂版部とを備えている。そして、頂版部の鉄筋が隅角部に向けて突出されて、この隅角部の位置で側壁部材の鉄筋と連結されており、この隅角部にコンクリートが打設された構成となっている。このようなコンクリート組立構造体は、例えば暗渠、トンネル等を構成する用途で用いられている。
特開2011−127363号公報
前記特許文献1に開示されたコンクリート組立構造体では、隅角部において側壁部材の鉄筋と頂版部の鉄筋とが連結される構成となっているため、以下のような問題がある。すなわち、側壁部材の上端部に位置する隅角部では、コンクリート組立構造体に生ずる曲げモーメント及びせん断力が最大になるが、この隅角部は側壁部材と頂版部との連結部となっている。このため、特許文献1に開示されたコンクリート組立構造体では、コンクリート組立構造体として強度上不利な構造となっている。
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンクリート組立構造体としての強度を向上することにある。
前記の目的を達成するため、本発明は、鉄筋が埋設された状態でプレキャストされた一対の側壁部材と、鉄筋が埋設され、前記一対の側壁部材間に架設される頂版部と、を備え、前記頂版部は、プレキャストされたPC部と、このPC部と前記側壁部材とをつなぐ継ぎ手部と、を有し、前記継ぎ手部は、曲げモーメントが最大となる前記側壁部材の上端部の側面に接合されるとともに前記PC部の側端面に接合され、前記側壁部材に埋設された前記鉄筋は、前記側壁部材の上端部の側面から側方に突出するとともに、前記継ぎ手部において、前記PC部の側端面から突出した鉄筋に連結さおり、前記PC部は、前記側壁部材の上端部の高さに相当する厚みを有しており、前記継ぎ手部は、前記PC部の厚みと同じ厚みを有し、前記PC部の長手方向端面と前記側壁部材の上端部の側面との間に設けられているコンクリート組立構造体である。
本発明では、継ぎ手部において、側壁部材の鉄筋とPC部の鉄筋とが連結されており、この継ぎ手部は、側壁部材の側面に隣接した配置となっている。このため、継ぎ手部は、コンクリート組立構造体に生ずる曲げモーメント及びせん断力が最大となる位置から側方に(PC部側に)ずれていて、曲げモーメント及びせん断力が小さくなった位置に配置されている。したがって、コンクリート組立構造体として構造上有利な構成となる。また、側壁部材の上端部においては曲げモーメントが最大となるが、この側壁部材の上端部はプレキャストされた側壁部材の一部であり、この側壁部材に内包されてコンクリートと一体成形された鉄筋が大きな引っ張り力を受け持つこととなるため、この部分に施工現場でコンクリートを打設する構成とする場合に比べ、構造的な信頼性を向上させることができる。また、従来技術のように、偶角部を施工現場でコンクリート打設する構成の場合には、隅角部の外側端(頂版部と反対側の端面)にも型枠を設置する必要があるが、本発明では、その位置に型枠を設置する必要がなく、しかも継ぎ手部を構成するコンクリートを打設する際の型枠が小口面での設置となるため、施工性を向上することもできる。
また、PC部が側壁部材の上端部の高さに相当する厚みを有し、継ぎ手部がPC部と側壁部材の上端部との間にだけ継ぎ手部が設けられているので、工期の短縮を図ることができる。
前記コンクリート組立構造体において、前記側壁部材の側面には、張り出し部が張り出しており、前記PC部の側端部は、前記張り出し部の上に載置され、前記継ぎ手部は、前記張り出し部の上面にも接合されているのが好ましい。この態様では、頂版部を施工する際に支保工を不要にすることができる。
この態様において、前記継ぎ手部と前記張り出し部との間の打継面における前記張り出し部に対する前記継ぎ手部のずれの抵抗力を高めるためのずれ防止手段が設けられていてもよい。この態様では、継ぎ手部がPC部等の荷重によるモーメントを受けた場合でも、張り出し部に対して継ぎ手部がずれ難くすることができる。
また、前記継ぎ手部と前記PC部との間の打継面における前記PC部に対する前記継ぎ手部のずれの抵抗力を高めるためのずれ防止手段が設けられていてもよい。この態様では、継ぎ手部がPC部等の荷重によるモーメントを受けた場合でも、PC部に対して継ぎ手部がずれ難くすることができる。
また、前記継ぎ手部と前記側壁部材との間の打継面における前記側壁部材に対する前記継ぎ手部のずれの抵抗力を高めるためのずれ防止手段が設けられていてもよい。この態様では、継ぎ手部がPC部等の荷重によるモーメントを受けた場合でも、側壁部材に対して継ぎ手部がずれ難くすることができる。
これらの態様において、前記PC部は、中央から端部に向かうにしたがって上下方向の厚みが次第に薄くなる構成であってもよい。この態様では、PC部のせん断強度が中央ほど高くなる。このため、PC部が側壁部材間に架設された状態において、より大きなモーメントが作用する中央部分での強度が高く、全体としてPC部の耐力を上げることができる。
以上説明したように、本発明によれば、コンクリート組立構造体としての強度を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係るコンクリート組立構造体の構成を示す図である。 前記コンクリート組立構造体の主要部を拡大して示す図である。 前記コンクリート組立構造体の変形例を示す図2相当図である。 前記コンクリート組立構造体において、直線タイプの緊張材が設けられた場合の構成を示す図である。 前記コンクリート組立構造体において、曲線タイプの緊張材が設けられた場合の構成を示す図である。 前記コンクリート組立構造体に生ずる曲げモーメントの分布を説明する図である。 前記コンクリート組立構造体の変形例を示す図である。 前記コンクリート組立構造体の変形例を示す図である。 前記コンクリート組立構造体の変形例を示す図である。 参考例に係るコンクリート組立構造体の構成を示す図である。 参考例に係るコンクリート組立構造体の主要部を拡大して示す図である。 参考例に係るコンクリート組立構造体において、直線タイプの緊張材が設けられた場合の構成を示す図である。 参考例に係るコンクリート組立構造体において、曲線タイプの緊張材が設けられた場合の構成を示す図である。 参考例に係るコンクリート組立構造体の変形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係るコンクリート組立構造体10は、一対の側壁部材14,14と、頂版部16と、底版部18と、を備え、正面視で矩形枠形に形成されている。この枠形のコンクリート組立構造体10が、紙面奥行き方向に多数並べて配設されることにより、例えば、人道、車道、水路等を形成するための鉄筋コンクリート製のボックスカルバートとして構成されることになる。なお、コンクリート組立構造体10は、これに限られるものではなく、ライフラインを配管するためのカルバートを構成するためのものであってもよく、あるいは地下貯留槽を構成するためのものであってもよい。
コンクリート組立構造体10は、基礎となる捨てコンクリート20上に配置される。コンクリート組立構造体10の側壁部材14は、プレキャストコンクリート製であり、幅方向(図1の左右方向)に所定の間隔をおいて捨てコンクリート20上に立設される。
側壁部材14は、上下方向に長い形状であり、平面視で矩形の断面を有している。側壁部材14には、突出部22と張り出し部24とが一体的に形成されている。突出部22と張り出し部24との間では、側壁部材14の厚み、すなわち、張り出し部24の張り出し方向の厚み(図1の左右方向の厚み)は、長さ方向の全体に亘って一定となっている。
突出部22は、側壁部材14の下端部から側方に突出した構成の部位である。突出部22は、側壁部材14の側面から一方向に突出しており、上下方向の厚みが次第に薄くなる形状に形成されている。側壁部材14の下端部に突出部22が設けられることにより、側壁部材14を安定して立設させることができる。
張り出し部24は、側壁部材14の上端面から頂版部16の厚み分だけ下の位置の側面から突出部22と同じ方向に張り出している。張り出し部24は、上面が水平方向に延びる一方、下面が傾斜しており、先側ほど上下方向の厚みが薄くなる形状に形成されている。
底版部18は、一対の側壁部材14,14間に配設されている。底版部18は、施工現場で打設されたコンクリート製のものであり、側壁部材14から突出している突出部22の先端部と同じ厚みを有する平板状に形成されている。そして、底版部18の幅方向の端面が突出部22の先端面に接合されている。すなわち、底版部18の端面と突出部22の先端面との接合面が打継面となっている。なお、底版部18は、プレキャストされたコンクリート部材によって構成してもよい。
頂版部16は、両側壁部材14,14間に架設されている。具体的には、頂版部16は、その側端部(図1における左右方向の端部)が張り出し部24の上に載置され、この状態で側壁部材14,14の上端部14b,14bにおける側面14a,14aと接合されることにより、両側壁部材14,14間に架設されている。
頂版部16は、プレキャストされたコンクリート部材によって構成されたPC部26と、このPC部26の両側に配設された継ぎ手部28とを有しており、その厚み(上下方向の厚み)は、長さ方向の全体に亘って一定となっている。頂版部16の厚みは、側壁部材14の上端部14bの高さ(張り出し部24の上面から側壁部材14の上面までの高さ、張り出し部24からの突出高さ)に一致している。
継ぎ手部28は、施工現場において打設されたコンクリート製のものである。すなわち、継ぎ手部28は、PC部26が両張り出し部24,24間に架け渡された状態でPC部26と側壁部材14,14の上端部14b,14bとの間に打設されることによって形成される。
図2に示すように、コンクリート組立構造体10には、継ぎ手部28と張り出し部24との間の打継面におけるずれ防止手段(下面ずれ防止手段)31と、継ぎ手部28とPC部26との間の打継面におけるずれ防止手段(内側面ずれ防止手段)32と、継ぎ手部28と側壁部材14との間の打継面におけるずれ防止手段(外側面ずれ防止手段)33と、が設けられている。
下面ずれ防止手段31は、張り出し部24に対する継ぎ手部28のずれの抵抗力を高めるための手段であり、打継面に形成された凹凸31aと、張り出し部24と継ぎ手部28とに跨るように設けられるアンカー筋31bとが含まれている。打継面の凹凸31aは、例えば、継ぎ手部28と張り出し部24との間の打継面の中央部を、段差面が形成されるように張り出し部24側に凹ませたものである。段差面が打継面に対して略垂直になっているため、継ぎ手部28が打継面に沿ってずれる際の抵抗力を増大させることができる。なお、打継面の凹凸31aは、張り出し部24の上面から上方に突出させる構成としてもよい。
アンカー筋31bは、下端部が張り出し部24の上部に埋め込まれる一方、張り出し部24の上面(打継面)から上方に延出するように配設されている。アンカー筋31bは、張り出し部24と継ぎ手部28との間の打継面を横切っているため、継ぎ手部28が打継面に沿ってずれる際の抵抗力を増大させることができる。
内側面ずれ防止手段32は、PC部26に対する継ぎ手部28のずれの抵抗力を高めるための手段であり、PC部26と継ぎ手部28との間の打継面に形成された凹凸32aが含まれている。この凹凸32aは、例えば、継ぎ手部28とPC部26との間の打継面の中央部を、段差面が形成されるようにPC部26側に凹ませたものである。段差面は打継面に対して略垂直になっているため、継ぎ手部28が打継面に沿ってずれる際の抵抗力を増大させることができる。なお、打継面の凹凸32aは、PC部26の側端面から継ぎ手部28側に突出させる構成としてもよい。
外側面ずれ防止手段33は、側壁部材14に対する継ぎ手部28のずれの抵抗力を高めるための手段であり、側壁部材14と継ぎ手部28との間の打継面に形成された凹凸33aが含まれている。この凹凸33aは、例えば、継ぎ手部28と側壁部材14との間の打継面の中央部を、段差面が形成されるように側壁部材14側に凹ませたものである。段差面は打継面に対して略垂直になっているため、継ぎ手部28が打継面に沿ってずれる際の抵抗力を増大させることができる。なお、打継面の凹凸33aは、側壁部材14の側面14aから継ぎ手部28側に突出させる構成としてもよい。
図2に示すように、側壁部材14、PC部26及び張り出し部24には、鉄筋が埋設されている。なお、図示省略しているが、底版部18にも鉄筋が埋設されている。
側壁部材14の鉄筋には、外側側面の近傍を側壁部材14の長手方向に延びる外側鉄筋35と、内側側面の近傍を側壁部材14の長手方向に延びる内側鉄筋37と、この内側鉄筋37及び外側鉄筋35に連結されて水平方向に延びる水平鉄筋39と、が含まれる。外側鉄筋35は、その上端部において内側(PC部26側)に向けて曲がっており、その曲がった先から延びる先端部は、側壁部材14の上端部14bにおける側面14aから側方に突出している。内側鉄筋37は、その上端部が外側鉄筋35の上端部において内側に向けて曲がり終えた部位に連結されている。水平鉄筋39は、張り出し部24よりも上側の位置で外側鉄筋35及び内側鉄筋37に連結されており、張り出し部24が張り出す方向に、側壁部材14の上端部14bにおける側面14aから水平に延出されている。したがって、側壁部材14の鉄筋のうち、外側鉄筋35と水平鉄筋39は、側壁部材14の上端部14bにおける側面14aから側方に突出している。
側壁部材14,14の上端部14b,14bから側方に突出した鉄筋(外側鉄筋35及び水平鉄筋39)は、継ぎ手部28を水平方向に延びているが、この鉄筋35,39は、継ぎ手部28において、PC部26の側端面26aから突出している鉄筋41と連結されている。より具体的には、外側鉄筋35は、継ぎ手部28内における上側の部位を水平方向に延びており、この鉄筋35は、PC部26内における上側の部位を水平方向に延びる鉄筋41と連結されている。また、水平鉄筋39は、継ぎ手部28内における下側の部位を水平方向に延びており、この鉄筋39は、PC部26内における下側の部位を水平方向に延びる鉄筋41と連結されている。
張り出し部24にも鉄筋43が埋設されている。この張り出し部24に埋設された鉄筋43は、張り出し部24の上面に沿って水平に延びる上面部43aと、この上面部43aの一端から下に向けて折れ曲がり、張り出し部24の下面に沿って斜めに延びる下面部43bとを含む。上面部43a及び下面部43bは何れも、側壁部材14内に進入しており、側壁部材14内の内側鉄筋37及び外側鉄筋35に連結されている。
なお、図示省略しているが、外側鉄筋35と内側鉄筋37の下端部も、上端部とほぼ同様の構成となっている。すなわち、外側鉄筋35は、下端部において内側(底版部18側)に向けて曲がっていて、内側鉄筋37の下端部と連結されている。側壁部材14の下端部においても、外側鉄筋35及び内側鉄筋37に連結された水平鉄筋が配設されている。
図3は、継ぎ手部28内の鉄筋の変形例を示す図である。第1実施形態では、外側鉄筋35及び水平鉄筋39が水平方向に真っ直ぐに延出されるとともに、この状態でPC部26の鉄筋41と連結される構成としたが、この変形例では、継ぎ手部28において連結される鉄筋がループ状に形成されている。
具体的には、側壁部材14の上端部14bにおける側面14aから突出した外側鉄筋35は、継ぎ手部28の上面近傍を水平に延びる上側部35aと、この上側部35aの先端部から下方に折れ曲がり鉛直方向に延びる中間部35bと、中間部35bの下端部から折れ曲がり水平に延びる下側部35cとを有し、U字状又はコ字状となっている。そして、外側鉄筋35の下側部35cの先端部が側壁部材14の側面14aから中に入り込み、外側鉄筋35のうち側壁部材14内で上下方向に延びる部位に連結されている。一方、PC部26の側端面26aから突出した鉄筋41も継ぎ手部28においてU字状又はコ字状に形成されている。そして、側壁部材14の上端部14bから側方に突出した鉄筋35a〜35cと、PC部26の側端面26aから側方に突出した鉄筋41とが連結されて全体としてループ状になっている。
第1実施形態では、PC部26がプレキャストされた部材によって構成されていることは上述した通りであるが、このPC部26には、図4又は図5に示すように、プレキャストされる際に直線タイプの緊張材47又は曲線タイプの緊張材47が使用される。いずれのタイプでも緊張材47は、撚り線、鋼棒等のPC鋼材からなり、直線タイプの緊張材47は、PC部26の下面又は上面に平行に配設され、曲線タイプの緊張材47は、両端がPC部26の上面近傍に位置する一方で中央ではPC部26の下面近傍に位置するように途中で曲がった状態で配設される。なお、図4には、PC部26の下面近傍に配設された緊張材47が示されているが、これに限られるものではなく、PC部26の上面近傍及び下面近傍の双方に緊張材47が配設されてもよく、あるいは上面近傍又は中心付近に緊張材47が配設されてもよい。また、図5では、両端がPC部26の上面近傍に位置する一方で中央ではPC部26の下面近傍に位置するように途中で曲がった曲線タイプの緊張材47が示されているが、これに限られるものではない。
上述したように、第1実施形態では、継ぎ手部28において、側壁部材14,14の鉄筋35,37とPC部26の鉄筋41とが連結されており、この継ぎ手部28は、側壁部材14,14の上端部14b,14bにおける側面14a,14aに隣接した配置となっている。このため、継ぎ手部28は、コンクリート組立構造体10に生ずる曲げモーメント及びせん断力が最大となる位置から側方に(PC部26側に)ずれていて、曲げモーメント及びせん断力が小さくなった位置に配置されている。すなわち、図6の曲げモーメント分布図に示すように、側壁部材14,14の上端部14b,14b間においては、PC部26及び両側の継ぎ手部28を含め1つの梁部材となっているため、中央部において、マイナス方向の曲げモーメントMが最大になる一方、両端部(側壁部材14の中央部)においてはプラス方向の曲げモーメントMが最大となる。そして、側壁部材14とPC部26とをつなぎ合わせる継ぎ手部28がこのプラス方向の曲げモーメントMが最大になる位置から内側にずれた位置に配置されているため、継ぎ手部28に生ずる曲げモーメントMは比較的小さくなっている。そして、プラス方向の曲げモーメントMが最大となる位置では、側壁部材14の上端部14bという一体成形された部材となっている。したがって、コンクリート組立構造体10として構造上有利な構成となる。すなわち、側壁部材14の上端部14bにおいては曲げモーメントが最大となるが、側壁部材14に内包されてコンクリートと一体成形された外側鉄筋35が、側壁部材14の上端部14bにおいて、大きな引っ張り力を受け持つこととなるため、この部分に施工現場でコンクリートを打設する構成とする場合に比べ、構造的な信頼性を向上させることができる。つまり、側壁部材14がその上端部14bを含めて工場内でプレキャストされる場合には、補助治具等を使用することにより、鉄筋の重ね代等のばらつきを抑えることができ、また寸法精度を向上することができるため、構造的な信頼性を向上させることができる。また、従来技術のように、偶角部を施工現場でコンクリート打設する構成の場合には、隅角部の外側端(頂版部と反対側の端部)にも型枠を設置する必要があるが、本実施形態では、側壁部材14の上端部14bが存在するために、その位置に型枠を設置する必要がなく、しかも継ぎ手部28を構成するコンクリートを打設する際の型枠が小口面での設置となるため、施工性を向上することもできる。
また第1実施形態では、側壁部材14から張り出し部24が張り出していて、PC部26の側端部が張り出し部24の上に載置された構成となっている。したがって、PC部26を施工する際に支保工を不要にすることができる。
また第1実施形態では、継ぎ手部28と張り出し部24との間の打継面における継ぎ手部28の下面ずれ防止手段31と、継ぎ手部28とPC部26との間の打継面における継ぎ手部28の内側面ずれ防止手段32と、継ぎ手部28と側壁部材14との間の打継面における継ぎ手部28の外側面ずれ防止手段33とが設けられているので、継ぎ手部28がPC部26等の荷重によるモーメントを受けた場合でも、継ぎ手部28がずれ難くすることができる。
また第1実施形態では、PC部26と、張り出し部24の上側に位置する側壁部材14の上端部14bとの間にだけ継ぎ手部28が設けられているので、工期の短縮化を図ることができる。
第1実施形態では、PC部26がその長さ方向において上下方向の厚みが一定である構成について説明したがこれに限られるものではない。例えば、図7に示すように、PC部26は、中央位置で最も厚く、両端部に近づくほど薄くなる構成としてもよい。この構成では、マイナス方向の曲げモーメントが最大となる中央位置で厚みが最大となるため、PC部26としての耐力を向上することができる。なお、図7では、下面が平面状に形成される一方で、上面が上に凸状に形成される構成を示しているが、上面が平面状に形成される一方で、下面が下に凸状に形成される構成としてもよい。
また第1実施形態において、図8又は図9に示すように、頂版部16のPC部26は、断面I型のスラブ51を並べた構成としてもよい。スラブ51はプレキャストされた部材であるため、PC部26はプレキャストされた構成となる。この構成では、ボックスカルバートの奥行き方向に多数のスラブ51が並べられるとともに、スラブ51間にコンクリート53が打設されている。この場合、コンクリート53がスラブ51間のみに打設されて、スラブ51の上面が露出する構成(図8参照)としてもよく、あるいは、スラブ51間のみならずスラブ51の上面も覆うようにコンクリート53が打設される構成(図9参照)としてもよい。
下面ずれ防止手段31、内側面ずれ防止手段32、外側面ずれ防止手段33の少なくとも1つは省略してもよい。また、下面ずれ防止手段31の凹凸31a及びアンカー筋31bの少なくとも一方は省略してもよい。
参考例
図10は本発明の参考例を示す。参考例では、第1実施形態と異なり、継ぎ手部28が、PC部26の上側にも打設された構成となっている。以下、詳細に説明するが、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
参考例では、PC部26が、側壁部材14の上端部14bの上下方向の長さよりも小さな厚みを有する構成となっている。したがって、PC部26の上面は、側壁部材14の上端面よりも低い位置となっている。図例のPC部26は、長さ方向(図10の左右方向)の全体に亘って厚みが一定になるように形成されている。なお、参考例のPC部26の長さは、第1実施形態と同じとなっている。
継ぎ手部28は、施工現場で打設されるものであって、PC部26の上に打設された上面部28aと、PC部26及び上面部28aの両側に打設された側部28bと、を備えている。側部28bは、PC部26及び上面部28aを合わせた全体の厚みと同じ厚みとなっており、上面部28aの上面と側部28bの上面とは滑らかに繋がっていて、頂版部16の上面は全体として平面状に形成されている。そして、頂版部16は、PC部26及び継ぎ手部28の全体で断面矩形状となっている。
継ぎ手部28には、図11に示すように、側部28b及び上面部28aを介して側壁部材14,14の上端部14b,14b同士を接続するように配設される鉄筋(上側鉄筋)57と、側壁部材14の上端部14bとPC部26との間を接続するように配設される鉄筋(下側鉄筋)58とが埋設されている。
PC部26に使用される緊張材47は、図12及び図13に示されるように、直線タイプ又は曲線タイプのいずれでもよい。
参考例では、施工現場で頂版部16の全体を打設する場合に比べて、工期の短縮化を図ることができ、また継ぎ手部28がPC部26と側壁部材14の上端部14bとの間にのみ設けられる場合に比べ、コストを下げることができる。
なお、PC部26は、全体に亘って厚みが一定となる構成に限られるものではなく、例えば、図14に示すように、中央部分が他の部分よりも厚くなる構成としてもよい。この構成では、継ぎ手部28の上面部28aが、PC部26の中央部分で薄くなり、両端に向かうにつれて次第に厚みが厚くなる構成となる。この構成では、PC部26のせん断強度が中央ほど高くなる。このため、PC部26が側壁部材14,14間に架設された状態において、より大きなモーメントが作用する中央部分での強度が高く、全体としてPC部26の耐力を上げることができる。
なお、参考例において、PC部26が複数のスラブを並べた構成としても良い。この場合には、図9に示す構成と同様に、PC部26の上側に上面部28a(打設されたコンクリートからなる)が存在する構成となる。
その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが前記第1実施形態と同様である。
10 コンクリート組立構造体
14 側壁部材
14a 側面
14b 上端部
16 頂版部
18 底版部
20 捨てコンクリート
22 突出部
24 張り出し部
26 PC部
26a 側端面
28 継ぎ手部
28a 上面部
28b 側部
31 下面ずれ防止手段
32 内側面ずれ防止手段
33 外側面ずれ防止手段
35 外側鉄筋
37 内側鉄筋
39 水平鉄筋
41 鉄筋
43 鉄筋
47 緊張材
51 スラブ
53 コンクリート

Claims (6)

  1. 鉄筋が埋設された状態でプレキャストされた一対の側壁部材と、
    鉄筋が埋設され、前記一対の側壁部材間に架設される頂版部と、を備え、
    前記頂版部は、プレキャストされたPC部と、このPC部と前記側壁部材とをつなぐ継ぎ手部と、を有し、
    前記継ぎ手部は、曲げモーメントが最大となる前記側壁部材の上端部の側面に接合されるとともに前記PC部の側端面に接合され、
    前記側壁部材に埋設された前記鉄筋は、前記側壁部材の上端部の側面から側方に突出するとともに、前記継ぎ手部において、前記PC部の側端面から突出した鉄筋に連結さおり、
    前記PC部は、前記側壁部材の上端部の高さに相当する厚みを有しており、
    前記継ぎ手部は、前記PC部の厚みと同じ厚みを有し、前記PC部の長手方向端面と前記側壁部材の上端部の側面との間に設けられているコンクリート組立構造体。
  2. 前記側壁部材の側面には、張り出し部が張り出しており、
    前記PC部の側端部は、前記張り出し部の上に載置され、
    前記継ぎ手部は、前記張り出し部の上面にも接合されている請求項1に記載のコンクリート組立構造体。
  3. 前記継ぎ手部と前記張り出し部との間の打継面における前記張り出し部に対する前記継ぎ手部のずれの抵抗力を高めるためのずれ防止手段が設けられている請求項2に記載のコンクリート組立構造体。
  4. 前記継ぎ手部と前記PC部との間の打継面における前記PC部に対する前記継ぎ手部のずれの抵抗力を高めるためのずれ防止手段が設けられている請求項1から3の何れか1項に記載のコンクリート組立構造体。
  5. 前記継ぎ手部と前記側壁部材との間の打継面における前記側壁部材に対する前記継ぎ手部のずれの抵抗力を高めるためのずれ防止手段が設けられている請求項1から4の何れか1項に記載のコンクリート組立構造体。
  6. 前記PC部は、中央から端部に向かうにしたがって上下方向の厚みが次第に薄くなる構成である請求項1からの何れか1項に記載のコンクリート組立構造体。
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