JP4696739B2 - プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4696739B2
JP4696739B2 JP2005205710A JP2005205710A JP4696739B2 JP 4696739 B2 JP4696739 B2 JP 4696739B2 JP 2005205710 A JP2005205710 A JP 2005205710A JP 2005205710 A JP2005205710 A JP 2005205710A JP 4696739 B2 JP4696739 B2 JP 4696739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beam member
joint
members
bar
bars
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005205710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007023567A (ja
Inventor
安彦 増田
訓祥 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2005205710A priority Critical patent/JP4696739B2/ja
Publication of JP2007023567A publication Critical patent/JP2007023567A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4696739B2 publication Critical patent/JP4696739B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Description

本発明は、プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法に関し、特に梁主筋を重ね継手により継手するプレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法に関する。
従来より、鉄筋コンクリート造の柱梁架構を構築する際に、工期の短縮及びコストの削減のために、プレキャストコンクリート(以下PCという)部材を用いて柱梁架構を構築することがある。このような柱梁架構を構成する方法として、例えば特許文献1には、図12に示すようなPC部材による柱梁架構1の構築方法が記載されている。
同図に示すようにこのPC部材による柱梁架構1は、PC梁部材14と、PC柱部材10と、PC仕口パネル部材11とで構成される。PC仕口パネル部材11は、直方体状に構成されたPC部材であり、鉛直方向に貫通する複数の柱主筋孔13と、水平方向に貫通する複数の梁主筋孔17と、PC梁主筋孔17に埋設された梁主筋用継手16とを備える。PC梁部材14はその端部が接合端面より水平方向に突出した梁主筋15を備える。また、PC柱部材10は、柱主筋18と、柱主筋18の上端部に接続された柱主筋用の機械式継手19を備える。
そして、PC梁部材14の梁主筋の突出した部分をPC仕口パネル11の梁主筋孔17より挿入して、梁主筋用継手16により固定するとともに、PC仕口パネル11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通して、下階のPC柱の柱主筋用の機械式継手19に接続することで、PC柱部材10、PC梁部材14、及びPC仕口パネル部材11を一体に構築することで、柱梁架構が構築される
また、柱間のスパン長が長い柱梁架構を構築する場合には、PC梁部材をその中間部で2以上に分割し、分割されたPC梁部材のどちらか一方の接合端部に梁主筋用の機械式継手を設け、この機械式継手により梁主筋同士を接続することにより梁部材を構築することができる。特許文献1には、図13に示すように、分割したPC梁部材14をPC仕口パネル部材11と一体に形成し、このPC仕口パネル部材11と一体に形成されたPC梁部材14を水平方向より建て込み、機械式継手9により梁主筋15を継手することにより、柱梁架構を構築する方法が記載されている。
特開2004−278257号公報
しかしながら、このようにPC梁部材を分割し、機械式継手を用いてPC梁部材の梁主筋同士を接続する方法を用いる場合には、以下の問題が生じる。
(1)PC梁部材を製作する際、機械式継手とそれに対応する梁主筋を正確に配置しなければならず、PC梁部材の製作に手間と時間を要する。
(2)機械式継手は鉄筋に比べて径が大きいため、PC梁部材の幅を広くする必要があり、コスト高になる。
(3)機械式継手は重ね継手に比べて非常に高価であり、コスト高になってしまう。
(4)PC梁部材を接合する際、機械式継手に対応する梁主筋を差込むために、PC梁部材を水平移動させなければならず、手間がかかる。
(5)夫々の継手部分にグラウト材を充填しなければならず、作業の管理に手間がかかる。また、中継筋を仕口パネル部材の上部より差し込む必要があり、視認が困難な柱頭部に継手を設けなければならず、作業性が悪い。
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は製作時及び施工時に手間がかからず、コストの削減が可能なPC梁部材の接合構造を提供することである。
本発明の一対のPC梁部材の接合構造は、一対のPC梁部材の接合構造であって、前記一対のPC梁部材はフルPC部材であり、一方のPC梁部材は、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設され、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを備え、他方のPC梁部材は、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを備え、前記PC嵌合部が前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入して、前記重ね鉄筋が、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記PC嵌合部と前記他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入されてなることを特徴とする。
また、本発明の一対のPC梁部材の接合構造は、前記一対のPC梁部材はハーフPC部材であり、一方のPC梁部材は、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設され、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを備え、他方のPC梁部材は、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを備え、前記一方のPC梁部材の上端筋又は他方のPC梁部材の上端筋の何れか一方は、端部に機械式継手を備え、前記PC嵌合部が前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入して、前記重ね鉄筋は、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記機械式継手により前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上端筋が接合され、前記PC嵌合部と前記他方の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入され、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートが打設されてなることを特徴とする。
ここで、前記他方のPC梁部材の切欠部の内面及びPC嵌合部の表面に凹凸を有してもよい。
以上のPC梁部材の接合構造によれば、重ね鉄筋が一対の梁主筋の近傍に両梁主筋に跨るように配置されるので、重ね継手により梁主筋の引張り力を伝達することができる。このため、機械式継手により梁主筋を接合する方法に比べて、精度が要求されず、PC梁部材の製作が容易になる。
また、機械式継手は、鉄筋に比べてその径が大きいためPC梁部材の幅を広くする必要があったが、重ね継手を用いた場合、梁主筋の上方又は下方に重ね鉄筋を配置すればよく、PC梁部材の幅を広くする必要がない。また、機械式継手に比べ重ね継手は安価であるため、コストの削減が可能である。
さらに、機械式継手を用いて梁主筋を継手する場合には、梁主筋を挿入した夫々の機械式継手にグラウト材を注入しなければならなく手間がかかったが、以上のPC梁部材の接合構造によれば、PC嵌合部材と切欠部の間の空隙にグラウト材を注入すればよく、作業が容易になる。
また、本発明の一対のPC梁部材の接合構造は、前記一対のPC梁部材はフルPC部材であり、前記一方のPC梁部材は、前記一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、前記一方のPC梁部材の接合端面及び側面に開口する切欠部とを備え、前記他方のPC梁部材は、前記他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、前記他方のPC梁部材の接合端面及び側面に開口し、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁側面に凹部を形成する切欠部とを備え、前記凹部に梁の軸方向に延びる重ね鉄筋が埋設されたPC嵌合部材が嵌入して、前記重ね鉄筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記PC嵌合部材と前記凹部との間の空隙にグラウト材が注入されてなることを特徴とする。
上記のPC梁部材の接合構造において、前記一対のPC梁部材は、前記切欠部の通過する部分が省かれたC型せん断補強筋と、前記C型せん断補強筋の両端部に設けられた接続手段とを備え、前記C型せん断補強筋の両端部を中継するように前記C型せん断補強筋と中継鉄筋とを前記接続手段で接続してもよい。
また、本発明のPC梁部材の接合構造は、前記一対のPC梁部材は、ハーフPC部材であり、一方のPC梁部材は、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に露出するように設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを備え、他方のPC梁部材は、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に露出するように設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口して、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを備え、梁の軸方向に延びるように埋設された重ね鉄筋と、上部に露出するように設けられ、梁の軸方向に延びる上端中継筋とを備えたPC嵌合部材が、前記凹部に嵌入して、前記重ね鉄筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置されるとともに、前記上端中継筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の中央の上端筋と略一軸上に並ぶように配置され、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両端の上端筋が重ね継手により接続され、前記一方のPC梁部材の中央の上端筋及び他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に上端中継筋が機械式継手により接合され、前記PC嵌合部材と前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入され、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートが打設されてなることを特徴とする。
また、本発明のPC梁部材の接合構造は、一対のPC梁部材の接合構造であって、前記一対のPC梁部材は、フルPC部材であり、一方のPC梁部材は、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを備え、他方のPC梁部材は、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口して、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを備え、梁の軸方向に延びるように下部に埋設された下端重ね鉄筋と、上部の側面側に埋設され、梁の軸方向に延びる両側の上端重ね鉄筋と、前記両側の上端重ね鉄筋の間に設けられ、両端が軸方向端部に露出するように梁の軸方向に伸びる中央の上端中継筋とを備えたPC嵌合部材が、前記凹部に嵌入して、前記下端重ね鉄筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置されるとともに、前記両側の上端重ね鉄筋が、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両側の上端筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記中央の上端中継筋が、前記一方のPC梁部材及び前記他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に機械式継手により接合され、前記PC嵌合部材と前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入されてなることを特徴とする。
さらに、前記一方のPC梁部材と他方のPC梁部材の切欠部の内面及びPC嵌合部材の表面に凹凸を有してもよい。
以上のPC梁部材の接合構造によれば、PC梁部材を鉛直移動のみで建て込むため、柱梁部材の建て込む順序が複雑になることがなく、施工時間を大幅に短縮することができる。また、水平移動により建て込む場合には、PC梁部材が上部を移動する場所での作業を行うことができず、建て込みに広い用地が必要であるが、垂直移動のみで建て込む場合には、狭い用地で建て込むことができる。
さらに、PC柱部材を建て込む際に、中継筋の接続を柱の脚部(梁の上面の高さ)で行うので、継手の施工や品質管理が容易になる。
また、本発明のフルPC部材である一対のPC梁部材の接合方法は、一方のPC梁部材には、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設されるとともに、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを設けておき、他方のPC梁部材には、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを設けておき、前記一方のPC梁部材と他方のPC梁部材とを梁の軸方向に近接させ、前記PC嵌合部を前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入させ、前記重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置させ、前記PC嵌合部と前記他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材を注入することを特徴とする。
また、本発明のハーフPC部材である一対のPC梁部材の接合方法は、一方のPC梁部材には、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設され、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを設けておき、他方のPC梁部材には、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを設けておき、前記一方のPC梁部材の上端筋又は他方のPC梁部材の上端筋の何れか一方には、端部に機械式継手を設けておき、前記一方のPC梁部材又は他方のPC梁部材を梁の軸方向に近接させ、前記PC嵌合部を前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入させ、前記重ね鉄筋を、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置させ、前記機械式継手により前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上端筋を接合させ、前記PC嵌合部と前記他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材を注入し、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートを打設することを特徴とする。
また、本発明のフルPC部材である一対のPC梁部材の接合方法は、一方のPC梁部材には、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該一方のPC梁部材の接合端部に設けられ、接合端面及び側面に開口する切欠部とを設けておき、他方のPC梁部材には、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び側面に開口し、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁側面に凹部を形成する切欠部とを備え、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材を略一軸上に並ぶように鉛直上方より建て込み、前記凹部に、梁軸方向に伸びる重ね鉄筋が埋設されたPC嵌合部材を嵌入させ、前記重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置させ、前記PC嵌合部材と前記凹部との間の空隙にグラウト材を注入することを特徴とする。
また、本発明のハーフPC部材である一対のPC梁部材の接合方法は、一方のPC梁部材には、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に露出されて設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを設けておき、他方のPC梁部材は、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に露出されて設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口し、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを備え、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材を略一軸上に並ぶように建て込み、前記凹部に、梁の軸方向に延びるように埋設された重ね鉄筋と、梁の軸方向に延びるように露出した上端中継筋とを備えたPC嵌合部材を嵌入することにより、前記重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置させるとともに、前記上端中継筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の中央の上端筋と略一軸上に並ぶように配置させ、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両端の上端筋を重ね継手により接続し、前記一方のPC梁部材の中央の上端筋及び他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に上端中継筋を機械式継手により接合し、前記PC嵌合部材と前記凹部との間の空隙にグラウト材を注入し、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートを打設することを特徴とする。
また、本発明のフルPC部材である一対のPC梁部材の接合方法は、フルPC部材である一対のPC梁部材の接合構造であって、一方のPC梁部材には、当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを設けておき、他方のPC梁部材には、当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口して、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを設けておき、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材を略一軸上に並ぶように建て込み、前記凹部に、梁の軸方向に延びるように下部に埋設された下端重ね鉄筋と、上部の側面側に埋設され、梁の軸方向に延びる両側の上端重ね鉄筋と、前記両側の上端重ね鉄筋の間に設けられ、両端が軸方向端部に露出するように梁の軸方向に伸びる中央の上端中継筋とを備えたPC嵌合部材を嵌入して、前記下端重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置させるとともに、前記両側の上端重ね鉄筋を、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両側の上端筋継ぎ目に跨るように配置させ、前記中央の上端中継筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に機械式継手により接合し、前記PC嵌合部材と前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入することを特徴とする。
本発明によれば、梁主筋の接合に重ね継手を用いるため、PC梁部材の製作が容易になる。また、機械式継手を用いた場合に比べコストを削減することができる。さらに、施工時にも、グラウト材の注入を一回で済ますことができ、手間を減らすことができる。
以下、本発明のPC梁部材の接合構造の実施形態を、PC梁部材がフルPC部材である場合及びハーフPC部材である場合のそれぞれにおいて、PC梁部材を鉛直方向に建て込む場合及び水平方向に建て込む場合について、図面に基づき説明する。
なお、以下の実施形態では、PC仕口パネル部材とPC梁部材が一体に形成されている場合について説明するが、PC仕口パネル部材とPC梁部材が一体に形成されていない場合にも、本発明のPC梁部材の接合構造を用いることができる。
<PC梁部材がフルPC部材であり、水平移動によりPC梁部材を建て込む場合>
まず、PC梁部材20、30がフルPC部材であり、一方のPC梁部材20を水平移動して、PC梁部材20、30を接合する場合について説明する。
図1(A)はPC梁部材20、30が接合構造により接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。PC梁部材20には、接合端面20Aより他方のPC梁部材30側に突出するように、PC嵌合部材40が形成されている。また、PC梁部材30の接合端面30Aには、切欠部34が形成されており、PC嵌合部材40はPC梁部材30は切欠部34に嵌合する。
PC梁部材20はPC梁部材本体23と、PC梁部材本体23の上部に埋設された複数の上端筋21と、PC梁部材本体23の下部に埋設された複数の下端筋22と、せん断補強筋(図示せず)とを備える。上端筋21及び下端筋22は、その端部がPC梁部材20の接合端面20A付近まで到達するように設けられている。
また、他方のPC梁部材30はPC梁部材本体33と、PC梁部材本体33の上部に埋設された複数の上端筋31と、PC梁部材本体33の下部に埋設された複数の下端筋32と、せん断補強筋(図示せず)とを備える。上端筋31及び下端筋32は、その端部が接合端面30A付近まで到達するように設けられている。PC梁部材30に埋設された上端筋31及び下端筋32は、PC梁部材20、30を接合した際に、PC梁部材20に埋設された上端筋21及び下端筋22と略一軸上に並ぶように配置されている。また、PC梁部材30の切欠部34は接合端面30Aに開口するように設けられている。切欠部34の内面にはコッターが設けられている。
PC梁部材20の接合端面20Aから突出するPC嵌合部材40は、コンクリート部本体43と、コンクリート部本体43の上部に埋設された上端重ね鉄筋41と、コンクリート部本体43の下部に埋設された下端重ね鉄筋42とを備える。PC嵌合部材40の表面には切欠部34の内面と同様にコッターが設けられている。上端重ね鉄筋41、42は、PC梁部材20、30を接合した状態で、夫々上端筋21、31及び下端筋22、32の近傍に位置するように配置されている。
次に、PC梁部材20、30の接合構造を構築する手順について説明する。
まず、PC梁部材30を建て込み、PC梁部材30に接続されたPC仕口パネル11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通させ、PC柱部材10の上部に埋入された機械式継手(図示せず)に接続することでPC梁部材30をPC柱部材10に接合する。
次に、揚重機を用いて、PC梁部材20を、その軸が他方のPC梁部材30の軸と略一致するように揚重し、軸方向に水平移動させることにより、PC嵌合部材40をPC梁部材30の切欠部34に嵌入させる。このように嵌入させた状態では、上端重ね鉄筋41は上端筋21、31の近傍に、これらの上端筋21、31の継ぎ目に跨るように位置し、また、下端重ね鉄筋42は下端筋22、32の近傍に、これらの下端筋22、32の継ぎ目に跨るように位置する。
次に、PC梁部材20と一体に形成されたPC仕口パネル部材11の柱主筋孔13に上方から中継筋を挿通させ、PC柱部材10の上部に埋入された機械式継手に接続することにより、PC梁部材20とPC柱部材10を接合する。
次に、PC梁部材の接合端面20A、30Aの隙間からPC嵌合部材40と切欠部34の間の空隙にグラウト材を注入する。なお、予め、PC梁部材20、30にグラウト材を注入するためのホースを埋設し、このホースよりグラウト材を圧入してもよい。
注入されたグラウト材は、切欠部34及びPC嵌合部材40の表面のコッターの凹部に入り込んで硬化する。これにより、上端筋21、31と上端重ね鉄筋41との間でグラウト材を介して応力を伝達できるため、上端筋21、31が重ね継手により接続される。また、同様に、下端筋22、32の間も重ね継手により接続され、引張り力の伝達が可能となる。これにより、PC梁部材20、30が接合される。
<梁部材がハーフPC部材であり、水平移動により梁部材を建て込む場合>
次に、PC梁部材120、130がハーフPC部材であり、一方のPC梁部材120を水平移動して、PC梁部材120、130を接合する場合について説明する。
図2(A)は、PC梁部材120、130が接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。一方のPC梁部材120には、接合端面120Aより他方のPC梁部材130側に突出するように、PC嵌合部140が形成されている。また、他方のPC梁部材130の接合端面130Aには、切欠部134が形成されており、PC嵌合部140はPC梁部材130の切欠部134に嵌合する。
PC梁部材120は、PC梁部材本体123と、PC梁部材本体123の上部に設けられた複数の上端筋121と、PC梁部材本体123の下部に埋設された複数の下端筋122と、せん断補強筋(図示せず)を備える。上端筋121はPC梁部材本体123の上側に露出しており、その先端には機械式継手126が設けられている。また、上端筋121及び下端筋122は、その端部がPC梁部材120の接合端面120A付近まで到達するように設けられている。
PC梁部材130は、PC梁部材本体133と、PC梁部材本体133の上部に埋設された複数の上端筋131と、PC梁部材本体133の下部に埋設された複数の下端筋132とを備える。また、上端筋131及び下端筋132は、その端部がPC梁部材130の接合端面130A付近まで延びるように設けられている。また、PC梁部材130の上端筋131はPC梁部材本体133の上側に露出しており、PC梁部材120、130を接合した際に、PC梁部材120に埋設された上端筋121と一軸上に並ぶように配置されている。また、PC梁部材130の切欠部134は接合端面130Aに開口しており、切欠部134の内面にはコッターが設けられている。
PC梁部材120の接合端面120Aから突出するPC嵌合部140は、コンクリート部本体143と、コンクリート部本体143の下部に埋設された下端重ね鉄筋142を備える。PC嵌合部140の表面には切欠部134の内面と同様にコッターが設けられている。下端重ね鉄筋142は、PC梁部材120、130を接合した状態で、一方の下端筋122、132の近傍に、これらの下端筋122、132の継ぎ目に跨るように配置されている。
次に、PC梁部材120、130の接合構造を構築する手順について説明する。
まず、PC梁部材130を建て込み、PC梁部材130に接続された仕口パネル11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通させ、PC柱部材10の上部に埋入された機械式継手(図示せず)に接続することで、PC梁部材130をPC柱部材10に接合する。
次に、揚重機を用いて、PC梁部材120を、その軸がPC梁部材130の軸と略一致するように揚重し、軸方向に水平移動させることにより、PC嵌合部140をPC梁部材130の切欠部134に嵌入させる。こうして嵌入させた状態では、下端重ね鉄筋142は、下端筋122、132の近傍に埋設されるとともに、これらの下端筋122、132の継ぎ目に跨るように位置する。
次に、PC梁部材120と一体に形成されたPC仕口パネル部材11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通させ、PC柱部材10の上部に埋入された機械式継手に接続することにより、PC梁部材120とPC柱部材10を接合する。
次に、上端筋121、131を機械式継手126により接合する。そして、PC梁部材の接合端面120A、130Aの隙間から、PC嵌合部140と切欠部134の間の空隙にグラウト材を注入する。なお、予め、PC梁部材120、130にグラウト材を注入するためのホースを埋設し、このホースよりグラウト材を圧入してもよい。
注入されたグラウト材は、切欠部134及びPC嵌合部140の表面のコッターの凹部に入り込んで硬化する。これにより、一方の下端筋122、132を、下端重ね鉄筋142により重ね継手により接続することができ、引張り力を伝達することができる。
次に、PC梁部材120、130の上部にコンクリートを打設する。このコンクリートが硬化する。これによりPC梁部材120、130が接合される。
以上、説明したフルPC及びハーフPCのPC梁部材を水平方向に建て込むPC梁部材の接合構造によれば以下の効果が得られる。
PC梁部材を製作する際、機械式継手により梁主筋を接合する場合には、機械式継手とそれに対応する梁主筋を正確に配置しなければならないため、手間がかかるが、重ね継手を用いる場合には、重ね鉄筋が梁主筋の近傍に配置されていれば、梁主筋の引張り力を伝達することができるため、PC梁部材の製作の際の配筋作業に手間がかからない。
また、PC梁部材の接合構造は梁主筋の上方又は下方に重ね継手を配置するため、PC梁部材の幅を広くする必要がなく、また、機械式継手に比べ重ね継手は安価であるため、コストの削減が可能である。
さらに、PC梁部材を建て込む際に、機械式継手を用いて梁主筋を継手する場合には、梁主筋を挿入した夫々の機械式継手にグラウト材を注入しなければならなく手間がかかったが、PC梁部材の接合構造によれば、PC嵌合部と切欠部の間の空隙にグラウト材を注入すればよく、グラウトの注入作業を一度で行うことができるので、作業が容易になる。
<梁部材がフルPC部材であり、鉛直移動により梁部材を建て込む場合>
次に、PC梁部材220、230がフルPC部材であり、一方のPC梁部材220を鉛直移動して、PC梁部材220、230を接合する場合について説明する。
図3(A)は、PC梁部材220、230が接合構造により接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。また、図4(A)は、PC梁部材220、230の接合部付近を拡大した長手方向の鉛直断面図であり、(B)は、梁の幅方向の鉛直断面図である。図3に示すように、一方のPC梁部材220の接合端面220Aには、切欠部224が形成されており、また、他方のPC梁部材230の接合端面230Aには、切欠部234が形成されている。PC嵌合部材240は切欠部224、234により形成される凹部に嵌合される。
PC梁部材220はPC梁部材本体223と、PC梁部材本体223の上部に埋設された複数の上端筋221と、PC梁部材本体223の下部に埋設された複数の下端筋222と、PC梁部材本体223に埋設された複数のせん断補強筋225とを備える。上端筋221及び下端筋222は、その端部がPC梁部材220の接合端面220A付近まで到達するように設けられている。
また、PC梁部材220の切欠部224は直方体形状であり、接合端面220A及び側面に開口している。この切欠部224の内面にはコッターが設けられている。
また、図4に示すように、せん断補強筋225は、PC嵌合部材240を嵌合する際にPC嵌合部材240と干渉しないように、切欠部224の通過する部分は省かれており、その端部にはインサート229が取り付けられている。
また、他方のPC梁部材230はPC梁部材本体233と、PC梁部材本体233の上部に埋設された複数の上端筋231と、PC梁部材本体233の下部に埋設された複数の下端筋232と、PC梁部材本体233に埋設された複数のせん断補強筋235とを備える。PC梁部材230に埋設された上端筋231及び下端筋232は、PC梁部材220、230を接合した状態で、PC梁部材220に埋設された上端筋221及び下端筋232と略一軸上に並ぶように配置されている。
PC梁部材230のPC梁部材220との接合端部には、接合端面230A及び側面に開口する直方体状の切欠部234が設けられている。この切欠部234はPC梁部材220の切欠部224と連続し、梁側面に直方体形状の凹部を構成する。切欠部234の内面にはコッターが設けられている。また、図4に示すように、他方のPC梁部材230に埋設されたせん断補強筋235は、一方のPC梁部材220に埋設されたせん断補強筋225と同様に、切欠部234に相当する部分が省かれており、せん断補強筋235の端部にはインサート239が接続されている。
PC嵌合部材240は、コンクリート部材本体243と、コンクリート部材本体243の上部に埋設された上端重ね鉄筋241と、コンクリート部材本体243の下部に埋設された下端重ね鉄筋242と、上端重ね鉄筋241及び下端重ね鉄筋242を取り囲むようにコンクリート部材本体243に埋設されたせん断補強筋244とを備える。PC嵌合部材240の表面には切欠部224、234の内面と同様にコッターが設けられている。
上端重ね鉄筋241及び下端重ね鉄筋232は、PC嵌合部材240を切欠部224、234に嵌め込んだ状態で、夫々上端筋221、231及び下端筋222、232の近傍に、これらの上端筋221、231及び下端筋222、232の継ぎ目に跨るように配置されている。
次に、PC梁部材の接合構造を構築する手順について説明する。
まず、PC梁部材230を建て込み、このPC梁部材230に接続されたPC仕口パネル11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通させ、PC柱部材10の上部に設けられた機械式継手に接続することで、PC梁部材230をPC柱部材10に接合する。また、PC梁部材220の側のPC柱部材10には、あらかじめ、機械式継手に中継筋12を接続しておく。
次に、揚重機を用いて、PC梁部材220をPC柱部材10の上方に揚重し、中継筋12がPC仕口パネル部材11の柱主筋孔13を挿通するようにPC梁部材220を鉛直下方向に降下させて、PC梁部材220とPC柱部材10とを接合する。
次に、PC嵌合部材240を揚重し、PC梁部材220、230の側方より切欠部224、234で構成される上記凹部に嵌入する。これにより、上端重ね鉄筋241は上端筋221、231の近傍に、これらの上端筋221、231の接合部に跨るように配置される。同様に、下端重ね鉄筋242は下端筋222、232の近傍に、これらの下端筋222、232の接合部に跨がるように配置される。
次に、図5に示すように、せん断補強筋225、235に接続されたインサート229、239に中継せん断補強筋を227,237の端部を接合させる。これにより、せん断補強筋225、235と中継せん断補強筋227、237は一体となり、せん断補強筋として機能するようになる。
次に、PC嵌合部材240と切欠部224、234の間の空隙及びPC嵌合部材240の側面側にグラウト材を注入する。このグラウト材が硬化することで、一方の上端筋221と他方の上端筋231とが上端重ね鉄筋241の重ね継手により接続される。また、一方の下端筋222と他方の下端筋232とが下端重ね鉄筋242の重ね継手により接続される。これにより、PC梁部材220、230が接合される。
<梁部材がハーフPC部材であり、鉛直移動により梁部材を建て込む場合>
次に、PC梁部材320、330がハーフPC部材であり、一方のPC梁部材320を鉛直移動して、PC梁部材320、330を接合する場合について説明する。
図6(A)は、PC梁部材320、330が接合構造により接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。また、図7(A)は、PC梁部材320、330の接合部付近を拡大した長手方向の鉛直断面図であり、(B)は、梁の幅方向の鉛直断面図である。
図6に示すように、一方のPC梁部材320の接合端面320Aには、切欠部324が形成されている。また、他方のPC梁部材330の接合端面330Aには、切欠部334が形成されている。PC嵌合部材340は切欠部324、334により形成される凹部に嵌合される。
PC梁部材320は、PC梁部材本体323と、PC梁部材本体323の上方に設けられた上端筋321A、321Bと、PC梁部材本体323の下部に埋設された複数の下端筋322と、PC梁部材本体323に埋設された複数のせん断補強筋325とを備える。PC梁部材320の側面側に配置された両端の上端筋321A及び下端筋322はその端部が接合端面320Aまで延びるように設けられている。中央の上端筋321Bは、切欠部324にPC嵌合部材340を嵌合する際にPC嵌合部材340と干渉しないように、その端部が切欠部324の端部付近に位置しており、この端部には機械式継手326が取り付けられている。PC梁部材320のPC梁部材330との接合側端部に設けられた切欠部324は、接合端面320A及び上面方向に開口するような直方体状に形成され、その内面にはコッターが設けられている。
また、図7に示すように、せん断補強筋325は、PC嵌合部材340を嵌合する際にPC嵌合部材340と干渉しないように、切欠部324の上方の部分が省かれている。
また、PC梁部材330はPC梁部材本体333と、PC梁部材本体333の上方に露出した上端筋331A、331Bと、PC梁部材本体333の下部に埋設された複数の下端筋332と、PC梁部材本体333に埋設された複数のせん断補強筋335とを備える。
PC梁部材320と同様に、PC梁部材330の上方の両端の上端筋331A及び下端筋332は、その端部が接合端面330Aまで延びるように設けられている。中央の上端筋331Bは、切欠部334にPC嵌合部材340を嵌入する際にPC嵌合部材340と干渉しないように、端部が切欠部334の端部付近に位置しており、この端部には機械式継手336が取り付けられている。
PC梁部材330の両端の上端筋331A及び下端筋332は、PC梁部材320、330を接合した際に、PC梁部材320の両端の上端筋321A及び下端筋322と略一軸上に並ぶように配置されている。
他方のPC梁部材330のPC梁部材320との接合端部には、接合端面330A及び上面に開口する直方体状の切欠部334が設けられており、この切欠部334の内面にはコッターが設けられている。この切欠部334は、PC梁部材320の切欠部324と連続し、梁上面に直方体形状の凹部を構成する。
また、図7に示すように、せん断補強筋335は、PC嵌合部材340を嵌合する際にPC嵌合部材340とせん断補強筋335が干渉しないように、切欠部334の上方の部分が省かれている。
PC嵌合部材340は、コンクリート部材本体343と、コンクリート部材本体343の上部に配置された上端中継筋345と、コンクリート部材本体343の下部に埋設された下端重ね鉄筋342と、上端中継筋345及び下端重ね鉄筋342を取り囲むように設けられたせん断補強筋344とを備える。PC嵌合部材340は、切欠部324、334と同様に、表面にコッターが設けられている。上端中継筋345は、切欠部324、334にPC嵌合部材340を嵌合させた際に、両端の上端筋321B、331Bと略一軸上に並ぶように配置されている。また、下端重ね鉄筋342は、切欠部324、334にPC嵌合部材340を嵌合させた際に、下端筋322、332の近傍に、これらの下端筋322、332の継ぎ目に跨るように配置されている。
次に、PC梁部材320、330の接合構造を構築する手順について説明する。
まず、PC梁部材330を建て込み、PC梁部材330に接続されたPC仕口パネル11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通させ、PC柱部材10の上部に設けられた機械式継手に接続することで、PC梁部材330をPC柱部材10に接合する。また、PC梁部材320の側のPC柱部材10には、あらかじめ、機械式継手に中継筋12を接続しておく。
次に、揚重機を用いて、PC梁部材320を、PC柱部材10の上方に揚重し、中継筋12がPC仕口パネル部材11の柱主筋孔13を挿通するようにPC梁部材320を鉛直下方向に降下させ、PC梁部材320とPC柱部材10とを接合する。
次に、図8に示すように、PC嵌合部材340を揚重し、PC梁部材320、330の切欠部324、334で構成される凹部に鉛直上方より嵌入する。これにより、下端重ね鉄筋342は下端筋322、332の近傍に、これらの下端筋322、332の接合部に跨るように配置される。
次に、PC梁部材320、330の中央の上端筋321B、331Bと、上端中継筋345とを機械式継手326、336により接合する。これにより、中央の上端筋321B、331Bは引張り力を伝達することができる。また、両端の上端筋321A、331Aの接合部跨るように重ね鉄筋346を配筋する。
次に、PC嵌合部材340と切欠部324、334の間の空隙にグラウト材を注入する。このグラウト材が硬化することで、下端筋322、332が重ね継手により接合される。
次に、PC梁部材320、330の上部にコンクリートを打設する。このコンクリートが硬化することで、両端の上端筋321A、331Aが重ね継手により接続される。これにより、PC梁部材320、330が接合される。
<梁部材がフルPC部材であり、鉛直移動により梁部材を建て込む場合>
次に、PC梁部材420、430がフルPC部材であり、一方のPC梁部材420を鉛直移動して、PC梁部材420、430を近接させ、接合部の鉛直上方よりPC嵌合部材440を建て込むことで、PC梁部材420、430を接合する場合について説明する。
図9(A)は、PC梁部材420、430が接合構造により接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。また、図10(A)は、PC梁部材420、430の接合部付近を拡大した長手方向の鉛直断面図であり、(B)は、梁の幅方向の鉛直断面図である。
図9に示すように、一方のPC梁部材420の接合端面420Aには、切欠部424が形成されている。また、他方のPC梁部材430の接合端面430Aには、切欠部434が形成されている。PC嵌合部材440は切欠部424、434により形成される凹部に嵌合される。
PC梁部材420は、PC梁部材本体423と、PC梁部材本体423の上部に埋設された上端筋421A、421Bと、PC梁部材本体423の下部に埋設された複数の下端筋422と、PC梁部材本体423に埋設された複数のせん断補強筋425とを備える。PC梁部材420の側面側に配置された両端の上端筋421A及び下端筋422はその端部が接合端面420Aまで延びるように設けられている。
切欠部424の上部は中央の上端筋421Bの端部が露出するように軸方向に延び、切欠部424内に露出した上端筋421Bの端部には機械式継手426が取り付けられている。PC梁部材420のPC梁部材430との接合側端部に設けられた切欠部424は、接合端面420A及び上面方向に開口するような直方体状に形成され、その内面にはコッターが設けられている。
また、図10に示すように、せん断補強筋425は、PC嵌合部材440を嵌合する際にPC嵌合部材440と干渉しないように、切欠部424の上方の部分が省かれている。
また、PC梁部材430はPC梁部材本体433と、PC梁部材本体433の上部に埋設された上端筋431A、431Bと、PC梁部材本体433の下部に埋設された複数の下端筋432と、PC梁部材本体433に埋設された複数のせん断補強筋435とを備える。
PC梁部材420と同様に、PC梁部材430の上方の両端の上端筋431A及び下端筋432は、その端部が接合端面430Aまで延びるように設けられている。切欠部434の上部は中央の上端筋431Bの端部が露出するように軸方向に延び、切欠部424内に露出した上端筋431Bの端部には機械式継手436が取り付けられている。
PC梁部材430の両端の上端筋431A及び下端筋432は、PC梁部材420、430を接合した際に、PC梁部材420の両端の上端筋421A及び下端筋422と略一軸上に並ぶように配置されている。
他方のPC梁部材430のPC梁部材420との接合端部には、接合端面430A及び上面に開口する直方体状の切欠部434が設けられており、この切欠部434の内面にはコッターが設けられている。この切欠部434は、PC梁部材420の切欠部424と連続し、梁上面に直方体形状の凹部を構成する。
また、図10に示すように、せん断補強筋435は、PC嵌合部材440を嵌合する際にPC嵌合部材440とせん断補強筋435が干渉しないように、切欠部434の上方の部分が省かれている。
PC嵌合部材440は、コンクリート部材本体443と、コンクリート部材本体443の上部の側面側に埋設された両側の上端重ね鉄筋445Aと、両側の上端重ね鉄筋445Aの間に埋設された中央の上端中継筋445Bと、コンクリート部材本体443の下部に埋設された下端重ね鉄筋442と、両側の上端重ね鉄筋445Aと、中央の上端中継筋445Bと、下端重ね鉄筋442とを取り囲むように設けられたせん断補強筋444とを備える。PC嵌合部材440は、切欠部424、434と同様に、表面にコッターが設けられている。
両端の上端重ね鉄筋445Aは、切欠部424、434にPC嵌合部材440を嵌合させた際に、両側の上端筋421A、431Aの近傍に、これらの両側の上端筋421A、431Aの継ぎ目に跨るように配置されている。また、中央の上端中継筋445Bは、切欠部424、434にPC嵌合部材440を嵌合させた際に、両端の上端筋421B、431Bと略一軸上に並ぶように配置されている。また、下端重ね鉄筋442は、切欠部424、434にPC嵌合部材440を嵌合させた際に、下端筋422、432の近傍に、これらの下端筋422、432の継ぎ目に跨るように配置されている。
次に、PC梁部材420、430の接合構造を構築する手順について説明する。
まず、PC梁部材430を建て込み、PC梁部材430に接続されたPC仕口パネル11の柱主筋孔13に中継筋12を挿通させ、PC柱部材10の上部に設けられた機械式継手に接続することで、PC梁部材430をPC柱部材10に接合する。また、PC梁部材420の側のPC柱部材10には、あらかじめ、機械式継手に中継筋12を接続しておく。
次に、揚重機を用いて、PC梁部材420を、PC柱部材10の上方に揚重し、中継筋12がPC仕口パネル部材11の柱主筋孔13を挿通するようにPC梁部材420を鉛直下方向に降下させ、PC梁部材420とPC柱部材10とを接合する。
次に、図11に示すように、PC嵌合部材440を揚重し、PC梁部材420、430の切欠部424、434で構成される凹部に鉛直上方より嵌入する。これにより、下端重ね鉄筋442は下端筋422、432の近傍に、これらの下端筋422、432の接合部に跨るように配置される。同様に、両端の上端重ね鉄筋445Aは、両側の上端筋221A、231Aの近傍に、これら両側の上端筋221A、231Aの接合部に跨るように配置される。
次に、PC梁部材420、430の中央の上端筋421B、431Bと、中央の上端中継筋445Bとを機械式継手426、436により接合する。これにより、中央の上端筋421B、431Bは引張り力を伝達することができる。
次に、PC嵌合部材440と切欠部424、434の間の空隙にグラウト材を注入する。このグラウト材が硬化することで、下端筋422、432が重ね継手により接合される。これにより、PC梁部材420、430が接合される。
以上、説明した鉛直移動によりPC梁部材を建て込む方法によれば、水平移動によりPC梁部材を建て込む方法で得られる効果に加えて以下の効果が得られる。
PC梁部材を鉛直移動させて建て込むため、柱梁部材の建て込む順序が複雑になることがなく、施工時間を大幅に短縮することができる。水平移動により建て込む場合には、PC梁部材が上部を移動する場所での作業を行うことができず、建て込みに広い用地が必要であるが、垂直移動のみで建て込む場合には、狭い用地で建て込みを行うことができる。
さらに、柱主筋の継手を行う際に、継手を行うのが柱の脚部(梁の上面の高さ)になるので、継手の施工や品質管理が容易になる。
なお、以上の各実施形態では、PC嵌合部40、140及びPC嵌合部材240、340、440の表面と、切欠部34、134、224、234、324、334、424、434の内面にコッターを設け、せん断力を伝達する構成としたが、これに限らず、PC嵌合部40、140とPC嵌合部材240、340、440の表面及び切欠部34、134、224、234、324、334、424、434の内面の何れか一方にダボ筋を設け、他方に凹部を設けておき、ダボ筋と凹部を嵌合させることにより、せん断力を伝達する構成としてもよい。
(A)は、PC梁部材20、30が接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。 (A)は、PC梁部材120、130が接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。 (A)は、PC梁部材220、230が接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。 (A)は、PC梁部材220、230の接合部付近を拡大した長手方向鉛直断面図であり、(B)は、梁の幅方向鉛直断面図である。 PC嵌合部材240を嵌入させた状態のPC梁部材220、230の鉛直断面図である。 (A)は、PC梁部材320、330が接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。 (A)は、PC梁部材320、330の接合部付近を拡大した長手方向鉛直断面図であり、(B)は、梁の幅方向鉛直断面図である。 PC嵌合部材340を嵌入させた状態のPC梁部材320、330の鉛直断面図である。 (A)は、PC梁部材420、430が接合される前の鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。 (A)は、PC梁部材420、430の接合部付近を拡大した長手方向鉛直断面図であり、(B)は、梁の幅方向鉛直断面図である。 PC嵌合部材440を嵌入させた状態のPC梁部材420、430の鉛直断面図である。 PC部材による柱梁架構の構築方法を示す斜視図である。 PC梁部材をその中間部で分割し、PC梁部材とPC仕口パネル部材とを一体に形成した柱梁架構の構築方法を示す立面図である。
符号の説明
1 柱梁架構
10 PC柱部材
11 PC仕口パネル部材
12 中継筋
13 柱主筋孔
20、120、220、320、420 一方のPC梁部材
20A、120A、220A、320A、420A 接合端面
21、121、221、321 (一方の)上端筋
22、122、222、322、422 (一方の)下端筋
23、123、223、323、423 (一方の)PC梁部材本体
224、324、424 (一方の)切欠部
30、130、230、330、430 他方のPC梁部材
30A、130A、230A、330A、430A 接合端面
31、131、231、331 (他方の)上端筋
32、132、232、332、432 (他方の)下端筋
33、133、233、333、433 (他方の)PC梁部材本体
34、134、234、334、434 (他方の)切欠部
40、140 PC嵌合部
41、241 上端重ね鉄筋
42、142、242、342、442 下端重ね鉄筋
43、143 コンクリート部本体
126、136、326、336、426、436 機械式継手
225、235、325、335、425、435 せん断補強筋
227、237 中継せん断補強筋
229、239 インサート
240、340、440 PC嵌合部材
243、343、443 コンクリート部材本体
244、344、444 せん断補強筋
321A、421A (一方の)両端の上端筋
321B、421B(一方の)中央の上端筋
328 上端重ね鉄筋
331A、431A (他方の)両端の上端筋
331B、431B (他方の)中央の上端筋
345 上端中継筋
346 重ね鉄筋
445A 両端の上端重ね鉄筋
445B 中央の上端中継筋

Claims (13)

  1. 一対のプレキャストコンクリート(PC)梁部材の接合構造であって、
    前記一対のPC梁部材はフルPC部材であり、
    一方のPC梁部材は、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設され、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを備え、
    他方のPC梁部材は、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを備え、
    前記PC嵌合部が前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入して、前記重ね鉄筋が、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記PC嵌合部と前記他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入されてなることを特徴とするPC梁部材の接合構造。
  2. 一対のPC梁部材の接合構造であって、
    前記一対のPC梁部材はハーフPC部材であり、
    一方のPC梁部材は、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設され、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを備え、
    他方のPC梁部材は、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを備え、
    前記一方のPC梁部材の上端筋又は他方のPC梁部材の上端筋の何れか一方は、端部に機械式継手を備え、
    前記PC嵌合部が前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入して、前記重ね鉄筋は、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記機械式継手により前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上端筋が接合され、前記PC嵌合部と前記他方の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入され、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートが打設されてなることを特徴とするPC梁部材の接合構造。
  3. 前記他方のPC梁部材の切欠部の内面及びPC嵌合部の表面に凹凸を有することを特徴とする請求項1又は2記載のPC梁部材の接合構造。
  4. 一対のPC梁部材の接合構造であって、
    前記一対のPC梁部材はフルPC部材であり、
    前記一方のPC梁部材は、
    前記一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、前記一方のPC梁部材の接合端面及び側面に開口する切欠部とを備え、
    前記他方のPC梁部材は、
    前記他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、前記他方のPC梁部材の接合端面及び側面に開口し、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁側面に凹部を形成する切欠部とを備え、
    前記凹部に梁の軸方向に延びる重ね鉄筋が埋設されたPC嵌合部材が嵌入して、前記重ね鉄筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記PC嵌合部材と前記凹部との間の空隙にグラウト材が注入されてなることを特徴とするPC梁部材の接合構造。
  5. 請求項4記載の一対のPC梁部材の接合構造であって、
    前記一対のPC梁部材は、
    前記切欠部の通過する部分が省かれたC型せん断補強筋と、
    前記C型せん断補強筋の両端部に設けられた接続手段とを備え、
    前記C型せん断補強筋の両端部を中継するように前記C型せん断補強筋と中継鉄筋とを前記接続手段で接続することを特徴とするPC梁部材の接合構造。
  6. 一対のPC梁部材の接合構造であって、
    前記一対のPC梁部材は、ハーフPC部材であり、
    一方のPC梁部材は、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に露出するように設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを備え、
    他方のPC梁部材は、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に露出するように設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口して、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを備え、
    梁の軸方向に延びるように埋設された重ね鉄筋と、上部に露出するように設けられ、梁の軸方向に延びる上端中継筋とを備えたPC嵌合部材が、前記凹部に嵌入して、前記重ね鉄筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置されるとともに、前記上端中継筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の中央の上端筋と略一軸上に並ぶように配置され、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両端の上端筋が重ね継手により接続され、前記一方のPC梁部材の中央の上端筋及び他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に上端中継筋が機械式継手により接合され、前記PC嵌合部材と前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入され、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートが打設されてなることを特徴とするPC梁部材の接合構造。
  7. 一対のPC梁部材の接合構造であって、
    前記一対のPC梁部材は、フルPC部材であり、
    一方のPC梁部材は、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを備え、
    他方のPC梁部材は、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口して、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを備え、
    梁の軸方向に延びるように下部に埋設された下端重ね鉄筋と、上部の側面側に埋設され、梁の軸方向に延びる両側の上端重ね鉄筋と、前記両側の上端重ね鉄筋の間に設けられ、両端が軸方向端部に露出するように梁の軸方向に伸びる中央の上端中継筋とを備えたPC嵌合部材が、前記凹部に嵌入して、前記下端重ね鉄筋が前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置されるとともに、前記両側の上端重ね鉄筋が、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両側の上端筋の継ぎ目に跨るように配置され、前記中央の上端中継筋が、前記一方のPC梁部材及び前記他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に機械式継手により接合され、前記PC嵌合部材と前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入されてなることを特徴とするPC梁部材の接合構造。
  8. 前記一方のPC梁部材と他方のPC梁部材の切欠部の内面及びPC嵌合部材の表面に凹凸を有することを特徴とする請求項4から7の何れか1項記載のPC梁部材の接合構造。
  9. フルPC部材である一対のPC梁部材の接合方法であって、
    一方のPC梁部材には、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設されるとともに、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを設けておき、
    他方のPC梁部材には、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを設けておき、
    前記一方のPC梁部材と他方のPC梁部材とを梁の軸方向に近接させ、前記PC嵌合部を前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入させ、
    前記重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置させ、
    前記PC嵌合部と前記他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材を注入することを特徴とするPC梁部材の接合方法。
  10. ハーフPC部材である一対のPC梁部材の接合方法であって、
    一方のPC梁部材には、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面より梁の軸方向に突出するように設けられたPC嵌合部と、前記PC嵌合部に埋設され、梁の軸方向に延びる重ね鉄筋とを設けておき、
    他方のPC梁部材には、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上部に露出するように設けられ、接合端部まで延びる上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面に開口する切欠部とを設けておき、
    前記一方のPC梁部材の上端筋又は他方のPC梁部材の上端筋の何れか一方には、端部に機械式継手を設けておき、
    前記一方のPC梁部材又は他方のPC梁部材を梁の軸方向に近接させ、前記PC嵌合部を前記他方のPC梁部材の切欠部に嵌入させ、
    前記重ね鉄筋を、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置させ、
    前記機械式継手により前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上端筋を接合させ、
    前記PC嵌合部と前記他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材を注入し、
    前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートを打設することを特徴とするPC梁部材の接合方法。
  11. フルPC部材である一対のPC梁部材の接合方法であって、
    一方のPC梁部材には、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該一方のPC梁部材の接合端部に設けられ、接合端面及び側面に開口する切欠部とを設けておき、
    他方のPC梁部材には、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる梁主筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び側面に開口し、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁側面に凹部を形成する切欠部とを設けておき、
    前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材を略一軸上に並ぶように建て込み、
    前記凹部に、梁軸方向に伸びる重ね鉄筋が埋設されたPC嵌合部材を嵌入させ、前記重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の梁主筋の継ぎ目に跨るように配置させ、
    前記PC嵌合部材と前記凹部との間の空隙にグラウト材を注入することを特徴とするPC梁部材の接合方法。
  12. ハーフPC部材である一対のPC梁部材の接合方法であって、
    一方のPC梁部材には、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に露出されて設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを設けておき、
    他方のPC梁部材には、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に露出されて設けられ、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口し、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、前記切欠部の端部まで延びる中央の上端筋とを設けておき、
    前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材を略一軸上に並ぶように建て込み、
    前記凹部に、梁の軸方向に延びるように埋設された重ね鉄筋と、梁の軸方向に延びるように露出した上端中継筋とを備えたPC嵌合部材を嵌入することにより、前記重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置させるとともに、前記上端中継筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の中央の上端筋と略一軸上に並ぶように配置させ、
    前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両端の上端筋を重ね継手により接続し、
    前記一方のPC梁部材の中央の上端筋及び他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に上端中継筋を機械式継手により接合し、
    前記PC嵌合部材と前記凹部との間の空隙にグラウト材を注入し、
    前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の上部にコンクリートを打設することを特徴とするPC梁部材の接合方法。
  13. フルPC部材である一対のPC梁部材の接合構造であって、
    一方のPC梁部材には、
    当該一方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該一方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該一方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを設けておき、
    他方のPC梁部材には、
    当該他方のPC梁部材に埋設され、接合端部まで延びる下端筋と、当該他方のPC梁部材の上方の側面側に埋設され、接合端部まで延びる両側の上端筋と、当該他方のPC梁部材の接合端面及び上面に開口して、前記一方のPC梁部材の切欠部とともに梁上面に凹部を形成する切欠部と、前記両側の上端筋の間に設けられ、その端部が前記切欠部内に露出する中央の上端筋とを設けておき、
    前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材を略一軸上に並ぶように建て込み、
    前記凹部に、梁の軸方向に延びるように下部に埋設された下端重ね鉄筋と、上部の側面側に埋設され、梁の軸方向に延びる両側の上端重ね鉄筋と、前記両側の上端重ね鉄筋の間に設けられ、両端が軸方向端部に露出するように設けられ、梁の軸方向に伸びる中央の上端中継筋とを備えたPC嵌合部材を嵌入して、
    前記下端重ね鉄筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の下端筋の継ぎ目に跨るように配置させるとともに、前記両側の上端重ね鉄筋を、前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の両側の上端筋継ぎ目に跨るように配置させ、
    前記中央の上端中継筋を前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の中央の上端筋の間に機械式継手により接合し、
    前記PC嵌合部材と前記一方のPC梁部材及び他方のPC梁部材の切欠部との間の空隙にグラウト材が注入することを特徴とするPC梁部材の接合方法。

JP2005205710A 2005-07-14 2005-07-14 プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法 Expired - Fee Related JP4696739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005205710A JP4696739B2 (ja) 2005-07-14 2005-07-14 プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005205710A JP4696739B2 (ja) 2005-07-14 2005-07-14 プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007023567A JP2007023567A (ja) 2007-02-01
JP4696739B2 true JP4696739B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=37784701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005205710A Expired - Fee Related JP4696739B2 (ja) 2005-07-14 2005-07-14 プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4696739B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102852281B (zh) * 2012-08-16 2015-12-30 杨众 一种有搁置缺口的预应力预制主梁
CN105544736B (zh) * 2015-12-02 2018-08-21 上海欧本钢结构有限公司 一种混凝土预制梁与钢梁的连接结构
CN110409709B (zh) * 2019-07-30 2021-05-25 黎明职业大学 一种连接盒装配式混凝土梁

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS646427A (en) * 1987-06-29 1989-01-11 Ohbayashi Corp Connection of precast concrete pillar

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007023567A (ja) 2007-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101020865B1 (ko) 증가된 시공 허용오차 범위 내에서 프리캐스트 콘크리트기둥과 보의 건식 접합구조 및 그 시공방법
KR101479613B1 (ko) 박스형 연결보를 이용하여 바닥판 이음부를 형성하는 프리캐스트 강합성 바닥판 및 그 연결 방법
JP4833591B2 (ja) プレキャストコンクリート製柱・梁部材の連結工法
JP2014055517A (ja) プレキャスト柱梁の接合構造
JP5061804B2 (ja) 一対のフルpc部材の接合構造
JP4696739B2 (ja) プレキャストコンクリート梁部材の接合構造及び接合方法
KR102082481B1 (ko) 연속 시공형 pc벽체 및 이의 시공방법
JP7411749B2 (ja) コンクリート造建物の構築方法
JP6660719B2 (ja) 柱梁仕口部−柱の接合構造、ラーメン高架橋及び柱梁仕口部−柱の接合構造の構築方法
JP4966825B2 (ja) プレキャストコンクリート柱の接合構造
JP2009144399A (ja) Pc部材の接続方法、鉄筋コンクリート造建物
KR101615303B1 (ko) 절곡앵글형 연결플레이트를 이용한 pc 박스 및 그 시공방법
JP4447632B2 (ja) 梁、および梁と柱の接合構造ならびにその接合方法
KR100710583B1 (ko) Pc기둥과 철골보의 복합구조
JP2016035178A (ja) 梁接続パネル、柱鉄筋接続パネルおよび鉄筋構造物
JP6978894B2 (ja) 柱梁接合構造の構築方法
JP2008069564A (ja) プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造
KR20130126101A (ko) 건축용 콘크리트 기둥구조물 및 그 시공방법
KR101492066B1 (ko) 기둥의 기초공법
JP4858374B2 (ja) Pc部材の接合構造、pc部材の接合方法、床構造、フルpc床板
JP7037391B2 (ja) 板状のPCa構造体とPCa構造体との接合構造
JP2516808B2 (ja) ラ―メン式プレキヤストコンクリ―ト構造物の構築工法
CN218779701U (zh) 一种可装配式建筑用spb墙板
JP7210237B2 (ja) コンクリート部材の連結構造及びプレキャストコンクリート部材の連結方法
JP7398615B2 (ja) 建物の柱梁接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110214

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees