JP2008069564A - プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】梁部材には、その接合すべき端部の正面中央部に凹部を形成し、凹部内を水平方向に横切る梁筋を上下方向に複数露出させ、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端部同士を相対峙させ、突き合わせた状態で両部材の前記凹部に跨る連結用部材を前記複数露出した梁筋の間にそれぞれ差し入れ、凹部へ硬化材を注入充填して固着しプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を接合する。
【選択図】 図1
Description
また、図6では、図の左側のPCa梁部材をまず位置決めした後、図の右側のPCa梁部材を位置決めする。或いは右からはじめて左のPCa梁部材を位置決めする方法で接合されるため、施工順序に大きな制約を受け、工期の長期化の一因ともなっている。
プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法において、
梁部材には、その接合すべき端部の正面中央部に凹部を形成し、前記凹部内を水平方向に横切る梁筋を上下方向に複数露出させ、
前記プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端部同士を相対峙させ、突き合わせた状態で両部材の前記凹部に跨る連結用部材を前記複数露出した梁筋の間にそれぞれ差し入れ、
しかる後に、前記凹部へ硬化材を注入充填して固着しプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を接合することを特徴とする。
プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、
梁部材には、その接合すべき端部の正面中央部に凹部が形成され、且つ前記凹部内を水平方向に横切る梁筋が上下方向に複数露出された構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端部同士が相対峙され、突き合わせた状態で位置決めされていること、
前記両梁部材の前記凹部に跨る連結用部材が前記複数露出した梁筋の間にそれぞれ差し入れられていること、
前記凹部へ硬化材が注入充填され固着されてプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が接合されていることを特徴とする。
連結用部材は、S字鉄筋又は長円形鉄筋若しくはS字と長円形を併合された鉄筋であることを特徴とする。
連結用部材は、表面に凹凸を設けた又は開口部が設けられたプレートであることを特徴とする。
上下に複数露出した梁筋の最上位と最下位にS字鉄筋を、それぞれ上側と下側とが平面的に見て対称な配置で差し入れられ、中間位置には長円形鉄筋が配置されることを特徴とする。
複数突き出た梁筋の間へ差し入れられる連結用部材は、S字鉄筋を最上位と最下位に長円形鉄筋を中間位置にそれぞれ櫛形状に一体形成されていることを特徴とする。
硬化材は、コンクリート又はグラウト、エポキシ樹脂等であることを特徴とする。
プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の接合端部の正面中央部に凹部が形成され、前記凹部内を水平方向に横切る梁筋が上下方向に複数露出されており、前記梁筋の間に連結用部材がそれぞれ差し入れられ、前記凹部へグラウトが注入充填されて接合する構造及び方法としたので、PCa梁部材を水平移動させることなくPCa梁部材同士を接合でき、PCa柱部材の下方又は上方に複数の柱主筋を突き出す何れの構造形式においても好適に実施することができる。また、従前の接合部近傍にコンクリート打設用の型枠を設置しコンクリートを打設するなどの大掛かりな後工事を飛躍的に簡略化して、工期の短縮を実現し、経済性に優れたPCa梁部材同士の接合方法を実現できる。
のみならず、単にS字鉄筋と長円形鉄筋を嵌め入れてグラウト充填するのみであるため、各部材同士の手間の掛かる締結作業や継ぎ手作業等を簡略化して作業効率を著しく向上することができる。
両梁部材1、2の前記凹部3に跨る連結用部材5が前記複数露出した梁筋4の間にそれぞれ差し入れられている。
前記凹部3へコンクリート又はグラウト等の硬化材が注入充填されてプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が接合される。
この接合構造は、ベランダ等の逆梁部材において好適に実施されるものであり、特に隣り合うPCa梁部材を接合する際に、同PCa梁部材を水平方向に移動すること無く且つ一つの梁外面から接合作業をならしめることを特徴とする。
前記PCa梁部材1、2の最上端及び最下端に埋め込まれている鉄筋(主筋)は、必ずしも図示例のU字形状である必要はなく、図示することは省略したが、単に2本の主筋が埋め込まれていることや、同2本の主筋の先端にプレートナットを付けた構成とされることを付言する。
また、図示例では梁筋4は上下方向に4本露出されているがこの限りではなく梁部材の高さに応じて適宜変更されるものとする。
前記連結用部材5は、具体的に図3Aに示すS字鉄筋50と、具体的には図3Bに示す長円形鉄筋51とから構成されている。両者は略同様の長さ幅及び曲がり形状を有している。
前記長円形鉄筋51は、前記梁筋4の中間位置に複数差し入れられて配置される。この際、梁筋4…と、両鉄筋50、51とは番線(図示省略)等で固定しておく構成が好ましい。前記長円形鉄筋51が中間位置に配置される意義は、梁部材1、2の中間位置に集中して発生する曲げモーメントに抵抗することにある。
上記のようにS字鉄筋50を上下位置に、長円形鉄筋51を中央位置に配置する構成としたので、梁部材1、2の剪断力を向上させ且つ曲げモーメントにも抵抗する効果を期待できる。
PCa梁部材1、2に、その接合すべき端部の正面F中央部に凹部3を形成し、前記凹部3内を水平方向に横切る梁筋4を上下方向に複数露出する(図1A、B、C)。
そして、前記PCa梁部材1、2の端部同士をクレーン等で相対峙させ突き合わせた状態に位置決めした後、両梁部材1、2の凹部3に跨る連結用部材5を前記複数露出した梁筋4の間にそれぞれ差し入れる。連結用部材5はS字鉄筋50と長円形鉄筋51とで構成されており、最上位又は最下位にS字鉄筋50を、その中間位置には長円形鉄筋51を順に差し入れる(図2、図3)。しかる後に、前記凹部3へ硬化材を注入充填して固着しPCa梁部材1、2同士を接合する。
図4A〜Dは、主に表面に凹凸を設けたプレート材の形状例を斜視図とI−I矢視断面図で示した。特に図4B−2は、図4B−1のI−I矢視断面図を示しており、図4B−3は、前記I−I矢視断面図が異なる形状のプレート材の場合もあることを示している。図4C、図4Dも同様である。この凸部が剪断力に抵抗し面で曲げに抵抗する。
続く図4E〜Gには、表面に開口部を設けたプレート材の形状例を示した。開口部は図示の通り三角形、長円形、丸等の形状で設けられる。
上記大きく分けて二種類のプレートの配置方法及び構造としては、最上位と最下位には、凹凸を設けたプレート材(図4A〜D)を、中間位置に開口部を設けたプレート材(図4E〜G)をそれぞれ配置して一体形成することが好ましい。
3 凹部
4 梁筋
5 連結用鉄筋
50 S字鉄筋
51 長円形鉄筋
Claims (7)
- プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法において、
梁部材には、その接合すべき端部の正面中央部に凹部を形成し、前記凹部内を水平方向に横切る梁筋を上下方向に複数露出させ、
前記プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端部同士を相対峙させ、突き合わせた状態で両部材の前記凹部に跨る連結用部材を前記複数露出した梁筋の間にそれぞれ差し入れ、
しかる後に、前記凹部へ硬化材を注入充填して固着しプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を接合することを特徴とする、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法。 - プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、
梁部材には、その接合すべき端部の正面中央部に凹部が形成され、且つ前記凹部内を水平方向に横切る梁筋が上下方向に複数露出された構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端部同士が相対峙され、突き合わせた状態で位置決めされていること、
前記両梁部材の前記凹部に跨る連結用部材が前記複数露出した梁筋の間にそれぞれ差し入れられていること、
前記凹部へ硬化材が注入充填され固着されてプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が接合されていることを特徴とする、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。 - 連結用部材は、S字鉄筋又は長円形鉄筋若しくはS字と長円形を併合された鉄筋であることを特徴とする、請求項2に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
- 連結用部材は、表面に凹凸を設けた又は開口部が設けられたプレートであることを特徴とする、請求項2に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
- 上下に複数露出した梁筋の最上位と最下位にS字鉄筋を、それぞれ上側と下側とが平面的に見て対称な配置で差し入れられ、中間位置には長円形鉄筋が配置されることを特徴とする、請求項2又は3に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
- 複数突き出た梁筋の間へ差し入れられる連結用部材は、S字鉄筋を最上位と最下位に長円形鉄筋を中間位置にそれぞれ櫛形状に一体形成されていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
- 硬化材は、コンクリート又はグラウト、エポキシ樹脂等であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造。
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