JP2009215774A - ハーフプレキャストコンクリート部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工の手間を複雑化することなく、床板の大型化に対応できる耐力を有したハーフプレキャストコンクリート部材を提供する。
【解決手段】このハーフプレキャストコンクリート部材は、主筋が埋設されたコンクリート板と、一部が前記コンクリート板に埋設され、残部が前記コンクリート板の上面から露出している複数のトラス筋と、前記コンクリート板の下面に結合されている繊維補強コンクリート板とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】このハーフプレキャストコンクリート部材は、主筋が埋設されたコンクリート板と、一部が前記コンクリート板に埋設され、残部が前記コンクリート板の上面から露出している複数のトラス筋と、前記コンクリート板の下面に結合されている繊維補強コンクリート板とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、床版に使用されるハーフプレキャストコンクリート部材に関し、特に、コンクリート板の内部に鋼板を埋設したハーフプレキャストコンクリート部材に関する。
従来周知のハーフプレキャストコンクリート部材として、特許文献1に示されるように、2本の下弦筋と1本の上弦筋との間に跨って両側に逆V字形状のラチス筋を複数本溶接固着し、長手方向の断面形状をほぼ三角形としたものがある。
しかしながら、かかるハーフプレキャストコンクリート部材においては、床版の大型化に対応できないという問題がある。すなわち、床版を大型化する場合は、ハーフプレキャストコンクリート部材の全長も長くする必要があるが、ハーフプレキャストコンクリート部材に大きな引張力が作用するため、従来の2本の下弦筋では対応できないという問題がある。
この問題を解決するため手段として、ハーフプレキャストコンクリート部材の中に2本の下弦筋に加え、さらに鉄筋を埋め込んで補強することが考えられるが、鉄筋の配設作業が複雑となり、施工の手間がかかるという問題がある。
特開昭60−10049号公報
そこで本発明は、施工の手間を複雑化することなく、床板の大型化に対応できる耐力を有したハーフプレキャストコンクリート部材を提供することを課題とする。
本発明に係るハーフプレキャストコンクリート部材は、主筋が埋設されたコンクリート板と、一部が前記コンクリート板に埋設され、残部が前記コンクリート板の上面から露出している複数のトラス筋と、前記コンクリート板の下面に結合されている繊維補強コンクリート板とを含む。
前記繊維補強コンクリート板は、前記コンクリート板と接する面にずれ止めを備えることができる。
また、前記繊維補強コンクリート板は、前記コンクリート板の下面に締結具により結合されているとすることもできる。
本願に係るハーフプレキャストコンクリート部材によれば、コンクリート板の下面に結合されている繊維補強コンクリート板を含んでいるため、長手方向に作用する曲げモーメントに対する耐力性が向上し、床版の大型化に対応できるハーフプレキャストコンクリート部材を実現できる。
また、繊維補強コンクリート板をコンクリート板の下面に結合させた構造を採用したので、複雑な鉄筋の配置作業を要することもなく、簡易な施工を実現できる。
以下、本願に係る発明の実施例を図1〜3を参照して詳細に説明する。図中、同一の構成部品には同一の符号を付してある。
本実施例における、ハーフプレキャストコンクリート部材10は、主にコンクリート板12と、該コンクリート板12に埋設されている主筋14と、トラス筋16と、繊維補強コンクリート板18とを含む。
トラス筋16は、逆V字状の棒鋼からなり、1本の上弦筋20の上方から跨らせて配置されている。また、上弦筋の下方には2本の主筋14が、上弦筋20と平行に位置し、それぞれの鉄筋が三角形の頂点をなすように配置されている。トラス筋16は、上弦筋20と主筋14とを連結するよう溶接により固着されている。
コンクリート板10の内部には、主筋14の他にメッシュ筋22が埋設されている。このメッシュ筋22は補強を目的として埋め込まれており、必要とされる強度に応じ、適宜省くことも可能である。
コンクリート板10の下面に設けられている繊維補強コンクリート板18は、繊維補強コンクリートからなる板材である。繊維補強コンクリートの補強繊維には、鋼繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維などを用いることができ、薄肉で高い曲げ強度、高耐久性を備えている。
図2に示されるように、繊維補強コンクリート板18は四隅に取付穴24が設けられている。締結具26は、前記取付穴を通され、繊維補強コンクリート板18とコンクリート板10とを跨ぐ位置に配置されることにより、両者の結合を強固なものとしている。締結具26には、取付穴24とほぼ同径のピンやアンカーボルトを使用することができる。
また、図示していないが、繊維補強コンクリート板18は、コンクリート板12と接する面に、両者の一体的な結合を高めるずれ止めを備えている。ズレ止めには、コンクリート板12と繊維補強コンクリート板18との結合を高める周知の手段が含まれる。例えば、繊維補強コンクリート板18の表面に凹凸の模様を形成したり、表面を粗く形成する等の手段がある。
以上の構成のハーフプレキャストコンクリート部材を製造するには、まず、締結具26を取付穴24に挿通させ、表面から締結具を突出させた状態の繊維補強コンクリート板18を型枠内に設置する。次に、メッシュ筋12、主筋14およびトラス筋16を所定の位置に組み付け、それぞれの鉄筋の接合部を溶接する。最後に、メッシュ筋および主筋の全部、トラス筋の一部を覆う深さまでコンクリートを打設して、コンクリート板を形成する。コンクリート養生後、脱型してハーフプレキャストコンクリート部材の製造が完了する。
製造されたハーフプレキャストコンクリート部材は、建設施工現場へ搬送されて梁上に並設される。図3に示されるように、発泡スチロールなどの軽量材からなるボイド部材28を、コンクリート板12の上面に適宜敷設し、さらに、上部から現場打ちコンクリートを打設して床版が構築される。
本実施例におけるハーフプレキャストコンクリート部材によれば、繊維補強コンクリート板をコンクリート板の下面に結合させたので、複雑な鉄筋の配置作業を伴うことなく、床版の大型化に対応できる、高強度および高耐力性のハーフプレキャストコンクリート部材を実現できる。
なお、繊維補強コンクリート板18のコンクリート板12への結合は、本実施例では、繊維補強コンクリート板の上部へコンクリート板12を形成するコンクリートを流し込んで一体形成することによりなされているが、変形例も考えられる。
例えば、ハーフプレキャストコンクリート部材の繊維補強コンクリート板以外の部分を予め作成しておき、後から繊維補強コンクリート板を下面に付着させることにより結合を行ってもよい。具体的な結合方法としては、繊維補強コンクリート板に接着剤を塗布したり、接着剤のみでは付着が困難であればアンカーボルトを併せて打設する方法がある。
以上、本願に係るハーフプレキャストコンクリート部材について、その実施例に基づき説明してきたが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において適宜その構成を変更することができるものである。
10 ハーフプレキャストコンクリート部材
12 コンクリート板
14 主筋
16 トラス筋
18 繊維補強コンクリート板
26 締結具
12 コンクリート板
14 主筋
16 トラス筋
18 繊維補強コンクリート板
26 締結具
Claims (3)
- 主筋が埋設されたコンクリート板と、
一部が前記コンクリート板に埋設され、残部が前記コンクリート板の上面から露出している複数のトラス筋と、
前記コンクリート板の下面に結合されている繊維補強コンクリート板とを含む、ハーフプレキャストコンクリート部材。 - 前記繊維補強コンクリート板は、前記コンクリート板と接する面にずれ止めを備えている、請求項1に記載のハーフプレキャストコンクリート部材。
- 前記繊維補強コンクリート板は、前記コンクリート板の下面に締結具により結合されている、請求項1または2に記載のハーフプレキャストコンクリート部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008060202A JP2009215774A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | ハーフプレキャストコンクリート部材 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008060202A JP2009215774A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | ハーフプレキャストコンクリート部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009215774A true JP2009215774A (ja) | 2009-09-24 |
Family
ID=41187897
Family Applications (1)
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JP2008060202A Withdrawn JP2009215774A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | ハーフプレキャストコンクリート部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009215774A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011174320A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Taisei Corp | プレキャスト梁の接合構造 |
WO2016183607A1 (en) * | 2015-05-18 | 2016-11-24 | Conrock Australia Pty Ltd | Ultimate (eco) floor system |
-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008060202A patent/JP2009215774A/ja not_active Withdrawn
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WO2016183607A1 (en) * | 2015-05-18 | 2016-11-24 | Conrock Australia Pty Ltd | Ultimate (eco) floor system |
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